JP3599249B2 - 水溶性セルロースエーテル及びその製造方法 - Google Patents

水溶性セルロースエーテル及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、水溶性セルロースエーテルを含む組成物及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、水に容易に分散して速やかに溶解可能な水溶性セルロースエーテルを含む組成物及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
水溶性セルロースエーテルは、その重合度によって定まる粘性を利用して、一般的に水または水を含む混合溶媒(以下「水系溶媒」と言う。)に溶解され、増粘剤、接着剤、バインダー、保水剤、さらにはその界面活性を利用した分散剤、乳化安定剤として広く用いられている。
【0003】
水溶性セルロースエーテルとしては、例えばメチルセルロースエーテルのようなアルキルセルロースエーテル、ヒドロキシエチルセルロースエーテル、ヒドロキシプロピルセルロースエーテルのようなヒドロキシアルキルセルロースエーテル、さらにはこれらの混合エーテルであるヒドロキシエチルメチルセルロースエーテル、ヒドロキシプロピルメチルセルロースエーテル、ヒドロキシエチルエチルセルロースエーテルのようなヒドロキシアルキルアルキルセルロースエーテル、そしてカルボキシメチルセルロースエーテルなどが挙げられ、実際に市販されている。
【0004】
水溶性セルロースエーテルは、前述のように水または水系溶媒に溶解して使用するので、使用する立場から言えば、水又は水系溶媒に簡便に溶解することが重要かつ非常に望まれる特性である。従って、市販の水溶性セルロースエーテルは、溶解時間が短くなるように、一般に平均粒子径で100ミクロン以下の微粒子に粉砕された状態で販売されている。実際、セメントや石膏、石灰などの無機粉体と均一に混合した場合、この粉末度が活かされる。
【0005】
しかし、このような微粉砕された水溶性セルロースエーテルを用いて水溶液または水系媒体溶液を調製する場合、これら微粉砕された水溶性セルロースエーテルは水または水系溶媒への溶解が非常に速いので、そのまま水または水系溶媒に投入した場合、表面だけ水に濡れたダマ、いわゆる「ままこ」が生成する。一旦この「ままこ」が生成すると、溶解速度を支配する水との接触面積が極度に減少し、その溶解は極めて緩慢になり、もはや工業的プロセスには適さなくなる。
【0006】
上記の弊害を解消するために、逆に粒度を例えば平均粒子径500ミクロンまで大きくして「ままこ」の発生を無くし、均一に分散させようと試みても、実質上「ままこ」の発生を阻止することはできず、仮に均一に分散させることができたとしても、今度はその大きな粒度ゆえに溶解が遅くなり、これも実際の使用には適さなくなる。
【0007】
よって、前述した水溶液又は水系媒体溶液を調製するのに最も適した水溶性セルロースエーテルとしては、水に接触させた時には一時的に不溶性となっており、それゆえ均一に水に分散され、なおかつ少しの時間を置いて易溶解性に戻るかまたは溶解開始剤を適当に添加することにより粘度が発現するもの、つまり結果として速溶解特性を有するものが望ましい。
【0008】
水に接触させた時に一時的に不溶性となるという望ましい特性を水溶性セルロースエーテルに付与するために、例えば西ドイツ特許第2556754号(特開昭52−73988号に対応)に開示されているように、セルロースエーテルをクロル蟻酸エステルと反応させる方法があるが、この方法では、溶解時において溶媒のpHを12以上に調整する必要があり、このpH領域で使用できない場合には不適である。また、ホルムアルデヒドをセルロースエーテルと反応させて水不溶性にする方法もあるが、この場合、セルロースとの結合は完全なアセタール結合となるので、水に分散させた後ももはや溶解することがなく、実用的でない。
【0009】
上記のような望ましい特性を得る方法で、最も良く知られ且つ実際に使用されている方法は、グリオキサールを用いて、セルロースが持つ水酸基とヘミアセタール結合させて架橋反応させる方法である。このグリオキサール処理により、水溶性セルロースエーテルを容易に水に分散湿潤させることが可能となる。また、中性領域においては、その処理量にもよるが、数分から数中分間は水に対する不溶性を保ち、その後粘性が発現するという特性を得ることができる。もし、さらに早く粘性を発現させたい場合には、分散が終了した後、適当なpH調整剤を添加させてアルカリ領域にすることにより、前記セミアセタール結合は速やかに切断され、直ちに粘度を発現させることができる。
【0010】
このグリオキサール処理法は、USP2879268(1959年)、DE64H54064(1964年)、日本国特許502645(1967年)、同1268501(1985年)等に記載されている。
【0011】
さらに、日本国特許971632(1979年)では、このグリオキサール変成をすると同時に、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルを併用することにより、湿潤性を高める方法が提案されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記グリオキサール処理法で用いるグリオキサールは、いわゆる「変異原性物質」として指定されている(「変異原性が認められた化学物質の取扱について」基・発第341号2(1994年6月6日))。変異原性物質とは、遺伝子、染色体、またはDNAに損傷を与え、発現性などを損なう物質であり、その使用は好ましくない。従って、グリオキサール処理法に代る代替技術が求められている。
【0013】
この代替技術として、シランを用いた変成が提案されている。例えば特公昭51−2103号では、メトキシ基またはエトキシ基を反応基としたアミノシランやエポキシシランが提案されている。しかし、これらのシランは価格が高い上に反応速度が遅く、実用に適しない。
【0014】
また、特公平6−39481号(USP4474950に対応)では、一般式Si(−R)(−R)(−R)(−R)(式中のRは炭素数1から4のアルキル基を表し、R、R及びRは同一でも異なってもよいアルコキシ基又はアシルオキシ基を表す。)で表されるアルキルトリアルコキシルシラン又はアルキルテトラアシルオキシシランが提案されている。
【0015】
また、本発明者らの検討により、テトラアルコキシシランやテトラアシルオキシシランについても前述の特公平6−39481号(USP4474950に対応)で用いられるシランより効果が高いことが判明した。これらのシランで変成された水溶性セルロースエーテルは、水に投入した場合一時的に不溶であるため、攪拌することにより均一な分散液を調整することが可能であり、のちに溶解に好ましいpH領域にすることにより早やかに変性前の水溶性セルロースエーテルに戻って粘度が発現し、望んだ粘性を持つ水溶液が結果として得られる。
【0016】
但し、これらシラン変性した水溶性セルロースエーテルは、たしかに水に対して不溶となるが、同時にセルロースエーテルが持つ親水性の水酸基の数を減少させ、さらに変性に用いるシラン自体が持つ撥水性ゆえに水と混ざりにくく、攪拌が弱い場合は疑似的に「ままこ」を生成して均一に分散せず、よって均一な水溶液を調整するという当初の目的を達成することができない。
【0017】
そこで本発明は、グリオキサール処理法による水溶性セルロースエーテルに代る代替技術として、水系溶媒に容易に分散して速やかに溶解可能な水溶性セルロースエーテルを含む組成物及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、特定のシラン種及びジオクチルスルホコハク酸塩を用いることにより、水溶性セルロースエーテルの分散性、特に水への湿潤性を改善し、結果として溶解性が向上し、且つシラン種の添加量が少なくて済むことを見出し、本発明をするに至った。
【0019】
すなわち本発明は、ジオクチルスルホコハク酸塩と、
一般式
Si(−R1)(−R2)(−R3)(−R4
(但し、R1は炭素数1又は2のアルキル基、アルコキシ基又はアシルオキシ基を表す。また、R2、R3及びR4は、それぞれ相互に独立して炭素数1又は2のアルコキシ基又はアシルオキシ基を表す。)で表されるシランとの反応により可逆的架橋構造が形成されていることを特徴する水溶性セルロースエーテルとを含む組成物を提供する。
【0020】
また本発明は、水溶性セルロースエーテルと、一般式
Si(−R1)(−R2)(−R3)(−R4
(但し、R1は炭素数1又は2のアルキル基、アルコキシ基又はアシルオキシ基を表す。また、R2、R3及びR4は、それぞれ相互に独立して炭素数1又は2のアルコキシ基又はアシルオキシ基を表す。)で表されるシランとを反応させて可逆的架橋構造を形成するとともに、ジオクチルスルホコハク酸塩を添加することを特徴する、ジオクチルスルホコハク酸塩と、シランとの反応により可逆的架橋構造が形成されている水溶性セルロースエーテルとを含む組成物の製造方法を提供する。
【0021】
次に、本発明をさらに詳細に説明する。
【0022】
本発明で用いる水溶性セルロースエーテルとしては、メチルセルロースエーテルのようなアルキルセルロースエーテル、ヒドロキシエチルセルロースエーテル、ヒドロキシプロピルセルロースエーテルのようなヒドロキシアルキルセルロースエーテル、さらにはこれらの混合エーテルであるヒドロキシエチルメチルセルロースエーテル、ヒドロキシプロピルメチルセルロースエーテル、ヒドロキシエチルエチルセルロースエーテルのようなヒドロキシアルキルアルキルセルロースエーテル、そしてカルボキシメチルセルロースエーテルなどが挙げられる。
【0023】
次に、本発明で用いるシランは、一般式
Si(−R)(−R)(−R)(−R
で表される。ここで、Rは炭素数1又は2のアルキル基、アルコキシ基又はアシルオキシ基を表す。また、R、R及びRは、それぞれ相互に独立して炭素数1又は2のアルコキシ基又はアシルオキシ基を表す。
【0024】
上記シランの例としては、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、アルキルトリアシルオキシシランとしてメチルトリアセトキシシラン、エチルトリアセトキシシランなどのアルキルトリアルコキシシラン;テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどのテトラアルコキシシラン;テトラアセトキシシランなどのテトラアシルオキシシランなどが挙げられる。これらのシランはそれぞれ単独でも良いし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0025】
次に、本発明で用いるジオクチルスルホコハク酸塩は、少量のシランで十分な湿潤分散を得ることができるように添加する湿潤助剤として用いられる。このジオクチルスルホコハク酸塩を用いる理由を以下に述べる。
【0026】
本発明者らは、テトラアルコキシシランやテトラアシルオキシシランなどのシランを用いて水溶性セルロースエーテルを変性させることにより、水系溶媒に対する溶解性を向上させることを既に見出している。すなわち、この特定シランを用いて変成した場合、この変性された水溶性セルロースエーテルを水に投入すると、一時的に不溶性となり、撹拌することにより均一な分散液を調製することが可能となる。そして、後に溶解に好ましいpH領域にすることにより、速やかに変成前の水溶性セルロースエーテルに戻って粘度が発現し、結果として所望の粘性を持つ水溶液が得られる。
【0027】
ただし、これらシラン変成した水溶性セルロースエーテルは、確かに水に対して一時的に不溶となるが、同時にセルロースエーテルが持つ親水性の水酸基の数を減少させる。また、変成に用いるシラン自体が有する撥水性ゆえに水と混ざりにくく、撹拌が十分でない場合には疑似的に「ままこ」を生成し、均一に分散せず、均一な水溶液を調製するという当初の目的を達することができないことがある。また、このシラン変性とともに、先に述べたポリオキシエチレン脂肪酸エステルを併用した場合でも、グリオキサール処理水溶性セルロースエーテルへ添加した場合ほどの効果は認められない。
【0028】
そこで本発明では、シラン変性とともにジオクチルスルホコハク酸塩を併用することにより、少量のシランで十分な湿潤分散を得ることができるようにしたものである。
【0029】
ジオクチルスルホコハク酸塩は、一般的には紙の濡れ性改善等に用いられ、一般的にナトリウム塩の形で入手可能である。このジオクチルスルホコハク酸塩は安全な添加物であり、日本では化粧品原料基準書に収載されており、米国では医薬品への添加物として認められている。
【0030】
次に、本発明の水溶性セルロースエーテルの処理方法を説明する。まず、公知の方法で水溶性セルロースエーテルを反応、洗浄、乾燥した後、シランと反応させ、シラン変成水溶性セルロースエーテルを得る。シランの添加量は特に限定されないが、一般に水溶性セルロースエーテルに対しモル比率で0.001〜0.005モルの範囲が望ましい。水溶性セルロースエーテルに対しモル比率で0.001以下では不溶性を付与するには効果が小さい。また、もしシラン変成だけで「ままこ」の発生を抑制しようとするならば、架橋構造を多くするために0.02モル以上反応させるのが望ましいが、本発明のようにジオクチルスルホコハク酸塩を併用する場合、シランの添加量は0.005モル程度までで十分である。このように、ジオクチルスルホコハク酸塩の添加により、変成剤であるシランの使用量の低減が可能となり、コスト的にもメリットがある。
【0031】
なお、アルコキシ基を持つシランを用いる場合、シランとともに触媒として酸を添加すると、後の反応速度が上がるので有利である。酸としては、酢酸やグリコール酸などが挙げられ、これら酸をセルロースエーテルに対して0.005から0.01重量比で添加すればよい。アシルオキシシラン単独で反応させる場合は酸触媒を添加する必要がない。
【0032】
次に、このシラン変性水溶性セルロースエーテルに、適当な溶媒に溶かしたジオクチルスルホコハク酸塩を添加する。ジオクチルスルホコハク酸塩は、シランとは別々に添加してもよいが、もちろんシラン変成するときにシランとともに加えてもよく、この方が工程が繁雑にならないので好ましい。ジオクチルスルホコハク酸塩の添加量は、水溶性セルロースエーテルに対し重量比で0.01%以上、望ましくは0.05%から1.0%程度でである。
【0033】
なお、水溶性セルロースエーテルの最終的な製品は、粉砕して微粉末で用いられることが多いが、シランとの反応及びジオクチルスルホコハク酸塩の添加は、粉砕前でも粉砕後でもどちらでも良い。
【0034】
上記のようにしてシラン変成しジオクチルスルホコハク酸塩を添加した水溶性セルロースエーテルの組成物は、水に添加した場合に非常に湿潤性が良く、わずかの時間極めて弱く撹拌するだけで均一なスラリーを得ることが可能である。しかも「ままこ」の発生を抑制することができる。均一に分散した後は、適当なpH領域に調整することで速やかに溶解が始まり、結果として速やかに粘性を持つ溶液を調製することが可能である。
【0035】
【実施例】
以下、本発明の実施例を比較例と比較して説明するが、本発明は特にこれらに限定されるものではない。
【0036】
なお、以下の実施例及び比較例においては、共通して、水溶性セルロースエーテルとして信越化学工業(株)製のヒドロキシプロピルメチルセルロース(以下「HPMC」と言う。)メトローズ90SH−4000を用いた。このものは微粉砕してあり、その平均粒子径は70ミクロンであった。
【0037】
[実施例1]
テトラメトキシシラン(152g/mol)を0.40重量部(対HPMC0.005モル比)、酢酸1重量部、さらにジオクチルスルホコハク酸ナトリウム(以下「DOSS」と言う。)をアセトン50重量部に溶かし、この溶液をHPMC(192g/mol)100重量部へ撹拌させながら添加した。添加後、直ちに95℃の乾燥機に静置させた状態で放置し、60分加熱反応した。反応終了後、室温まで冷却した反応品(以下「変成HPMC」と言う。)0.25gを200mlの中性の水に静かに投入し、変成HPMCがすべて水に湿潤するまでの時間を目視観察し、「湿潤時間」とした。この変成HPMCでは20秒であった。
【0038】
次に、変成HPMC1gを中性の水100mlに投入し、ガラス棒にて撹拌して分散させ、「ままこ」の発生具合を観察した結果、攪拌するとすぐに分散し、「ままこ」も発生しなかった。
【0039】
次に、変成HPMC1gを水酸化カルシウムの飽和水溶液100mlに投入し、ガラス棒にて撹拌して分散させ、「ままこ」の発生具合を観察した結果、攪拌するとすぐに分散し、「ままこ」も発生しなかった。
【0040】
[実施例2から5]
実施例1と同様な手法、評価法を用い、表1に示すようにシラン種類、シラン量、酸触媒量及び湿潤助剤量を変えて水溶性セルロースエーテルの処理を行い、同表に示す結果を得た。
【0041】
【表1】
Figure 0003599249
表1(表2)における分散状態の評価結果を示す記号は、それぞれ以下の内容を表す。
◎:すぐに湿潤し、極短時間の撹拌で均一なスラリーとなる。
○:撹拌するとすぐに分散し、「ままこ」も発生せず。
△:初期において一部「ままこ」が発生するが、撹拌を続けることにより均一に分散。
×:「ままこ」が発生し、撹拌続けても分散せず、「ままこ」が残る。
【0042】
[比較例1と2]
実施例1と同様な手法、評価法を用い、表2に示すようにシラン種類、シラン量酸触媒量を変えて水溶性セルロースエーテルの処理を行った。ただし、湿潤助剤は添加しなかった。同表にその結果を示した。
【0043】
[比較例3と4]
実施例1と同様な手法、評価法を用い、表2に示すようにシラン種類、シラン量及び酸触媒量を変え、湿潤助剤としてポリオキシエチレン脂肪酸エステルの一種であるポリオキシエチレンモノオレエート(以下「POEMO」と言う。)を量を変えて添加して水溶性セルロースエーテルの処理を行い、同表に示す結果を得た。
【0044】
[比較例5と6]
実施例1と同様な手法、評価法を用い、グリオキサールを用いて架橋し、表2に示すように、湿潤助剤としてポリオキシエチレンモノオレエート(POEMO)を添加して水溶性セルロースエーテルの処理を行い、同表に示す結果を得た。グリオキサールは40%水溶液形態のものを使用した。なお、表2に示したグリオキサールの重量は、グリオキサール純分換算の値を示す。
【0045】
【表2】
Figure 0003599249
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、少量の特定シランと反応させるとともにジオクチルスルホコハク酸塩を添加することにより、水系溶媒に容易に分散して速やかに溶解する水溶性セルロースエーテルの組成物が得られる。

Claims (2)

  1. ジオクチルスルホコハク酸塩と、
    一般式
    Si(−R1)(−R2)(−R3)(−R4
    (但し、R1は炭素数1又は2のアルキル基、アルコキシ基又はアシルオキシ基を表す。また、R2、R3及びR4は、それぞれ相互に独立して炭素数1又は2のアルコキシ基又はアシルオキシ基を表す。)で表されるシランとの反応により可逆的架橋構造が形成されていることを特徴する水溶性セルロースエーテルとを含む組成物。
  2. 水溶性セルロースエーテルと、一般式
    Si(−R1)(−R2)(−R3)(−R4
    (但し、R1は炭素数1又は2のアルキル基、アルコキシ基又はアシルオキシ基を表す。また、R2、R3及びR4は、それぞれ相互に独立して炭素数1又は2のアルコキシ基又はアシルオキシ基を表す。)で表されるシランとを反応させて可逆的架橋構造を形成するとともに、ジオクチルスルホコハク酸塩を添加することを特徴する、ジオクチルスルホコハク酸塩と、シランとの反応により可逆的架橋構造が形成されている水溶性セルロースエーテルとを含む組成物の製造方法。
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