JP3598647B2 - 密閉型電動圧縮機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷凍装置における冷媒圧縮機等に用いられる密閉型電動圧縮機に関し、特に、電気駆動源を内蔵した電動スクロール圧縮機等に関する。
【0002】
【従来の技術】
図9に、従来の電動スクロール圧縮機の断面図を示す。図9において、1は電動スクロール圧縮機のケースをなすアルミ製のハウジングで、このハウジング1は、第1ハウジング11、第2ハウジング12、および、第3ハウジング13からなる。そして、第3、第2ハウジング13、12内には、圧縮部2としての固定スクロール部21および旋回スクロール部22が設けられ、第1ハウジング11内には、主軸3と、この主軸3を駆動する電動機部4としての、回転子41および鉄製の固定子42が備えられている。
【0003】
そして、主軸3は、第2ハウジング12に設けられた第1軸受け5と、第1ハウジング11に設けられた第2軸受け6とにより、回動可能に保持されている。なお、第1ハウジング11と第2ハウジング12、および、第2ハウジング12と第3ハウジング13とは、それぞれ、図示しないボルトにより締結固定されている。また、主軸3を支持している第1軸受け5と第2軸受け6との中心を合わせるために、第1ハウジング11と第2ハウジング12との芯出しを行っている。
【0004】
具体的には、第1ハウジング11の第2ハウジング12側(開口部11c側)端面11a、および、第2ハウジング12の第1ハウジング11側端面12aの外周部には、これら端面の半径方向外方に向かってのびる突出部が4カ所、一体に形成されており、これらの突出部に、上記ボルトを通すボルト孔が4カ所、および、芯出し用の孔が2ヵ所設けられている。
【0005】
この芯出し用の孔は、それぞれ、軸受け孔121、および、軸受け孔114の中心から所定距離の位置で、かつ、対角線上に設けられており、この芯出し用の孔にピンを挿嵌して、第1、第2ハウジング11、12を組付けることで、芯出しを行って軸受け孔121と軸受け孔114との中心を合わせている。これにより、主軸3がスムースに回動するようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、圧縮機を構成する第1ハウジング11に固定子42を固定する方法としては、焼き嵌め固定が一般的となっている。焼き嵌め固定とは、第1ハウジング11の内径を固定子42の外径よりもわずかに(数百μm程度)小さく構成し、第1ハウジング11を高温状態にすることで第1ハウジング11を熱膨張させ、この熱膨張した第1ハウジング11内に、常温の固定子42を嵌合することで第1ハウジング11が収縮して固定子42を締めつけ固定するものである。
【0007】
ところが、従来技術では、第1ハウジング11がアルミ製で、固定子42が鉄製であるため、熱膨張した第1ハウジング11内に、常温の固定子42を嵌合すると、第1ハウジング11において固定子42の嵌合される部分は、アルミよりも剛性に優れた鉄からなる固定子42の形状までしか戻れないが、第1ハウジング11において固定子42の嵌合されない部分は、熱膨張前の第1ハウジング11の形状に戻ろうとする。
【0008】
すると、固定子42の外周面全面から第1ハウジング11に力が加えられることとなり、しかも、第1ハウジング11は、一端に底面部11b、他端に開口部11cを備える筒状部材からなるため、第1ハウジング11は、この第1ハウジング11の開口部11c側が押し広げられるような状態で大きく変形してしまう。具体的には、第1ハウジング11の図9中左側部分の内径が約60μm(0.06mm)程度広がってしまう。これに対して、第2ハウジング12は焼き嵌め固定の必要がないので、変形は生じない。よって、芯出し用の孔を予め形成してから、焼き嵌め固定を行うと、第2ハウジング12の孔の位置と、第1ハウジング11の孔の位置とが大きくずれてしまう。
【0009】
このため、第1ハウジング11内に固定子42を焼き嵌め固定してから、上記芯出し用の孔を切削加工しなければならない。つまり、第1ハウジング11の形成時に同時に上記芯出し用の孔を形成することができず、さらに、第1ハウジング11内に固定子42を固定してから、上記芯出し用の孔を加工するため、重量の点から取り扱いが困難であるため、電動スクロール圧縮機の形成工程が複雑となり、コスト高となる。
【0010】
本発明は上記点に鑑みてなされたもので、焼き嵌め後の第1ハウジングの変形を小さく抑えて、第1ハウジング形成時に同時に芯出し用の孔を形成することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するため、以下の技術的手段を採用する。
請求項1ないし5に記載の発明においては、軸部材(3)の一端が第1ハウジング(11)の中心部(114)に、他端が第2ハウジング(12)の中心部(121)に回動可能に支持されており、一端に底面部(11b)、他端に開口部(11c)を有する筒状の第1ハウジング(11)に固定子(42)が焼き嵌め固定される密閉型電動圧縮機において、第1ハウジング(11)と固定子(42)との嵌合部分の、軸方向の一部に隙間(C)を設けて、第1ハウジング(11)と固定子(42)との焼き嵌め圧入固定部(116、116a、116b)の軸方向長さを短くすることを特徴としている。
【0012】
この技術的手段によれば、焼き嵌め時において、固定子(42)の外周面の一部が第1ハウジング(11)の内周面に圧着するため、固定子(42)から第1ハウジング(11)の半径方向外方に向かって加わる力が、従来に比べて小さくなる。よって、第1ハウジング(11)の開口部(11c)側端面(11a)における、半径方向外方への広がりは小さくなり、かつ、第1ハウジング(11)の端面(11a)の反りも小さくなる。
【0013】
従って、第1ハウジング(11)の形成加工時において、第1ハウジング(11)の端面(11a)に芯出し用の孔(113)を同時に形成し、その後、焼き嵌めを行っても、第1ハウジング(11)の孔(113)と、第2ハウジング(12)の孔との位置のずれは小さいので、第1ハウジング(11)と第2ハウジング(12)との芯出しを、初期の設計どおりに確実に行うことができる。このため、従来のように、芯出し用の孔(113)を焼き嵌め後に形成する必要はなく、密閉型電動圧縮機の形成工程が単純となり、コスト安に密閉型電動圧縮機を形成することができる。
【0014】
また、請求項2に記載の発明では、隙間(C)は、第1ハウジング(11)の開口部(11c)側に設けられ、焼き嵌め圧入固定部(116)は、第1ハウジング(11)の底面部(11b)側に設けられていることを特徴としている。
従って、焼き嵌め時において、固定子(42)から第1ハウジング(11)の半径方向外方に向かって加わる力がより小さくなるので、第1ハウジング(11)の端面(11a)における、半径方向外方への広がりはより小さくなり、かつ、第1ハウジング(11)の端面(11a)の反りもより小さくなる。よって、第1ハウジング(11)の孔(113)と、第2ハウジング(12)の孔との位置のずれをより小さくすることができ、上記芯出しをより確実に行うことができる。
【0015】
また、請求項4に記載の発明では、隙間(C)は、固定子(42)の、上記軸方向中央部に相当する部分に設けられ、焼き嵌め圧入固定部(116、116a、116b)は、固定子(42)の上記軸方向一端(42a)側、および、上記軸方向他端(42b)側に設けられていることを特徴としている。
この技術的手段によれば、隙間(C)を設けることで、第1ハウジング(11)の孔(113)と、第2ハウジング(12)の孔との位置のずれを小さく保ちつつ、固定子(42)の両端(42a、42b)を圧入固定することで、第1ハウジング(11)内に、より確実に固定することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の電動スクロール圧縮機の断面図を示すもので、図1において、1は電動スクロール圧縮機のケースをなすハウジングで、このハウジング1は、第1ハウジング11、第2ハウジング12、および第3ハウジング13からなる。そして、第1ハウジング11と第2ハウジング12、および、第2ハウジング12と第3ハウジング13とは、ぞれぞれ、図示しないボルトにより締結固定されて、全体として1つの密閉ハウジング1を形成している。
【0017】
なお、このハウジング1は、軽量化の目的で、アルミニウム合金からなり、第1ハウジング11は、一端に底面部11b、他端に開口部11cを有する筒状部材からなる。そして、第2、第3ハウジング12、13内には、圧縮部2としての固定スクロール部21および旋回スクロール部22が設けられ、第1ハウジング11内には、主軸3と、この主軸3を駆動する電動機部4としての回転子41および鉄製の固定子42とが備えられている。
【0018】
そして、第2ハウジング12の中心部に設けられた第1軸受け5と、第1ハウジング11の中心部に設けられた第2軸受け6とにより、主軸(軸部材)3を回転可能に保持している。第1軸受け5は、第2ハウジング12に形成された軸受け孔121に圧入固定され、第2軸受け6は、第1ハウジング11に形成された軸受け孔114に圧入固定されている。また、第1ハウジング11の内周面において、固定子42の一端42aの角に対応する位置には、リング状にわずかに切り欠いた溝115が形成されている。
【0019】
なお、溝部115の内径を、第1ハウジング11の底面部11b側部分の内径よりも大きく形成することにより、溝115の底面部11b側の肩部分に、固定子42の一端42a側の角が当接するようになっている。また、第1ハウジング11の内周面において、固定子42の一端42a側約半分に対応する部分は、固定子42を圧入固定できるよう、数百μmの圧入代を持った圧入固定部(焼き嵌め圧入固定部)116を形成している。
【0020】
また、第1ハウジング11の内周面において、固定子42の軸方向略中央部に対応する位置から、第1ハウジング11の開口部11c側端面11aに相当する位置まで、固定子42の外径よりも0.1mm程度大きくなるように、切欠部117が形成されている。切欠部117により、第1ハウジング11と固定子42の軸方向他端42b側半分に対応する部分との間に、隙間Cを形成している。
【0021】
また、図2(a)は、第1ハウジング11を開口部11c側からみた正面図で、図2(b)は、図2(a)のA−A断面図である。図2(a)に示すように、第1ハウジング11の端面11aの外周部には、この端面11aから半径方向外方に向かって伸びる突出部111が4ヵ所形成されており、この4つの突出部111にボルト孔112が設けられ、対角線上の2つの突出部111に芯出し用の孔113(径は4mm)が設けられている。
【0022】
また、同様に、第2ハウジング12(図1参照)の第1ハウジング11側端面12aの外周部にも、図示しない突出部が4ヵ所形成され、それぞれの突出部において、第1ハウジング11のボルト孔112および孔113に対応する部分には、それぞれボルト孔および芯出し用の孔が設けられている。なお、芯出し用の孔113は、第1ハウジング11の形成時において、軸受け孔114の中心と孔113の中心との間の距離Bが所定量(67mm)となるように形成される。そして、第2ハウジング12の芯出し用の上記孔も、第2ハウジング12の形成時において、軸受け孔121の中心と上記孔の中心との間の距離Bが上記所定量となるように形成される。
【0023】
そして、第2ハウジング12の上記孔と第1ハウジング11の孔113に、この孔113の径よりもわずかに小さい図示しないピンを挿嵌した状態で、ボルト締めしている。この結果、芯出しが行われて軸受け孔121の中心と軸受け孔114の中心とを同軸上に配置させることができ、上記主軸3をスムースに回転させることができる。
【0024】
以下に、第1ハウジング11の形成方法、および、固定子42の組付け方法を図1および図2に基づいて説明する。
まず、一端が閉塞し、他端が開口したコップ状部材を鋳型成形にて形成し、その後、図1および図2に示すような、軸受け孔114、リード線取出口118、溝115、切欠部117、ボルト孔112、芯出し用の孔113を切削加工により形成する。なお、第1ハウジング11の内周面、具体的に、軸受け孔114、圧入固定部116、芯出し用の孔113の内周面は、研磨加工を施して、加工精度(寸法精度、面粗度等)を上げている。また、第1ハウジング11の内周面にあたる圧入固定部116の内径は、固定子42の外周面よりもわずかに(数百μm程度)小さくなるように形成されている。
【0025】
そして、第1ハウジング11に固定子42を固定する方法としては、焼き嵌めによる方法が一般的となっている。この焼き嵌めでは、まず、この第1ハウジング11を170℃程度の高温の炉中へ約2時間程配置し、第1ハウジング11を170℃程度の高温状態にする。
すると、熱膨張により、第1ハウジング11の内周面にあたる圧入固定部116の内径は、固定子42の外径よりもわずかに大きくなる。そして、この第1ハウジング11を炉から取り出して、第1ハウジング11に室温状態の固定子42を嵌合して自然冷却する。すると、第1ハウジング11が収縮するため、固定子42を締めつけて、圧入固定することができる。
【0026】
以下に、本実施形態および従来技術におけるひずみの発生する様子を説明する。なお、図1に示すように、第1ハウジング11の底面部11bには、軸受け孔114およびリード線取出口118が形成されているが、図3(a)、(b)には、底面部11bが閉塞しているとみなして、模式的な半断面図を示している。まず、図3(b)に示す従来技術では、本実施形態でいう隙間C(図1参照)が設けられておらず、第1ハウジング11において、固定子42の軸方向長さに対応する部分が、第1ハウジング11の圧入固定部116となっている。このため、焼き嵌め時において、第1ハウジング11の圧入固定部116が固定子42をきつく締めつけると、図3(b)中矢印で示すように、固定子42の外周面の全面から、第1ハウジング11の半径方向外方に向かって端面11aが変形することになる。
【0027】
すると、第1ハウジング11は、図4(a)に示すような、第1ハウジング11全体が、半径方向外方に広がるような変形、および、図4(b)に示すような、底面部11bの中心Lを支点として上記力方向に回転するような変形をする。この結果、第1ハウジング11の突出部111の位置が、焼き嵌め前に比べて半径方向外方へ大きくずれ、しかも、第1ハウジング11の端面11aが反ってしまう。
【0028】
これに対して、図3(a)に示す本実施形態では、上述のように、第1ハウジング11と固定子42との間に隙間Cが形成されており、圧入固定部116の軸方向長さが従来技術よりも小さいため、焼き嵌め時において、図3(a)中矢印で示すように、固定子42から第1ハウジング11の半径方向外方に向かって加わる力が従来に比べて小さくなる。
【0029】
しかも、この圧入固定部116が第1ハウジング11の支点L側に設けられているので、第1ハウジング11の底面部11b(支点)側に力が加わり、第1ハウジング11の半径方向外方に向かって加わるモーメントが小さくなる。この結果、図4(a)および図4(b)に示すような第1ハウジング11の変形がともに小さくなるので、突出部111の半径方向外方への位置ずれを小さくすることができ、かつ、第1ハウジング11の端面11aの反りを小さくすることができる。
【0030】
以下に、突出部111の上記位置ずれ量を検討した実験を、図2および図5に基づいて説明する。
まず、図2において、第1ハウジング11の端面11aから圧入固定部116までの軸方向長さをp、固定子42の軸方向長さをq、第1ハウジング11の中心から上記芯出し用の孔113の中心までの距離をBとし、図5に示すグラフの横軸にはp/qを、縦軸には、焼き嵌め前の距離Bと焼き嵌め後の距離Bとの変化量を上記位置ずれ量ΔBとしてプロットした。
【0031】
上記実験を行うために、まず、距離Bを67mmとし、切欠部117の内径を固定子42の外径より0.1mm程度大きくし、さらに、圧入固定部116と固定子42との圧入代が数百μmとなるようにした第1ハウジング11を所定数形成し、この第1ハウジング11の1つ1つの長さpを変えて、実験用の第1ハウジング11とした。
【0032】
そして、約170℃の炉中に2時間配置して、約170℃に加熱された上記第1ハウジング11に、常温状態の固定子42を上述のように嵌合して焼き嵌めを行った。その後、3次元測定器を用いて、焼き嵌め後の距離Bを測定した。
この結果、図5のグラフに示すように、p/qが大きくなるほど、つまり、上記長さpが大きくなるほど、ΔBが小さくなることがわかった。そして、ΔBが8μm以下であれば、第2ハウジング12の軸受け孔121と、第1ハウジング11の軸受け孔114との中心がほぼ同軸上にあり、この軸受け孔121、114に保持される主軸3がスムースに回転できる、ということが、本発明者らの実験により確認されている。従って、図5のグラフにおいて、p/q≧0.33であれば、ΔBが8μm以下であり、主軸3がスムースに回転できるように、圧縮機を組付けることができる。
【0033】
なお、隙間Cを設けることで、固定子42の圧入固定力が小さくなるが、実用上問題ないことが確認されている。
(第2の実施形態)
図6(a)に示すように、本実施形態では、固定子42の軸方向一端42a側に設けた、上記第1の実施形態における圧入固定部116に加えて、第1ハウジング11において、固定子42の軸方向他端42b側にも副圧入固定部116aを設けている。具体的には、切欠部117が形成されることにより、固定子42の一端42a側に圧入固定部116が圧着し、固定子42の他端42b側に副圧入固定部116aが圧着し、かつ、この切欠部117により、固定子42と第1ハウジング11との間に隙間Cが形成される。
【0034】
そして、副圧入固定部116aは、圧入固定部116よりも長さが非常に小さく形成されており、具体的に、固定子42の長さqが103mmのとき、圧入固定部116の長さは30mm程度、副圧入固定部116aの長さは5mm程度、隙間Cの長さは25mm程度である。
以下に、本実施形態および従来技術におけるひずみの発生する様子を図6(b)に基づいて説明する。なお、図6(b)には、第1ハウジング11の底面部11bが閉塞しているとみなして、模式的な半断面図を示している。
【0035】
まず、焼き嵌めにより、第1ハウジング11の圧入固定部116部分が、固定子42から力を受けるので、第1ハウジング11の端面11a側がわずかに半径方向外方へ広がる。このため、副圧入固定部116aの圧入代は、圧入固定部116の圧入代よりも小さくなり、しかも、副圧入固定部116aは圧入固定部116よりも軸方向長さが短いので、固定子42からこの副圧入固定部116aに加わる力は非常に小さい。つまり、この副圧入固定部116aを設けることによる突出部111の位置ずれは非常に小さい。
【0036】
従って、本実施形態によれば、突出部111の位置ずれを小さく抑えつつ、固定子42を第1ハウジング11内に、より確実に固定することができる。
以下に、上記位置ずれ量を検討した実験を、図6(a)および図7に基づいて説明する。
まず、図6(a)において、副圧入固定部116aの軸方向長さrとし、図7に示すグラフの横軸にはrを、縦軸には、焼き嵌め前の距離Bと焼き嵌め後の距離Bとの変化量を上記位置ずれ量ΔBとしてプロットした。
【0037】
このグラフを得るために、まず、距離Bを67mmとし、切欠部117の内径を固定子42の外径より0.1mm程度大きくし、圧入固定部116と固定子42との圧入代を数百μmとし、さらに、第1ハウジング11の端面11aから圧入固定部116までの軸方向長さpをp/q=0.50となるように固定した第1ハウジング11を複数形成した。そして、この第1ハウジング11の副圧入固定部116aの軸方向長さrを変えて、実験用の第1ハウジング11とした。
【0038】
そして、約170℃の炉中に2時間配置して、約170℃に加熱された実験用の第1ハウジング11に、常温状態の固定子42を上述のように嵌合して焼き嵌めを行った。そして、3次元測定器を用いて焼き嵌め後の距離Bを測定した。
この結果、図7のグラフに示すように、副圧入固定部116aの長さrが大きくなるにつれてΔBも大きくなることがわかった。そして、上述のように、ΔBが8μm以下であれば主軸3がスムースに回転できる、ということが、本発明者らの実験により確認されている。従って、図7のグラフにおいて、r≦20(mm)であれば、ΔBが8μm以下であり、主軸3がスムースに回転できるように、圧縮機を組付けることができる。
【0039】
(第3の実施形態)
図8に示すように、本実施形態では、上記第2の実施形態における圧入固定部116、および、副圧入固定部116aに加えて、圧入固定部11と副圧入固定部116aとの間に、さらに副圧入固定部116bを設けている。なお、切欠部117、117が形成されることにより、切欠部117、117により、固定子42と第1ハウジング11との間に隙間C、Cが形成され、かつ、圧入固定部116および副圧入固定部116a、116bが形成される。
【0040】
そして、副圧入固定部116a、116bは、圧入固定部116よりも軸方向長さが非常に短く形成されており、具体的には、圧入固定部116の軸方向長さは30mm程度、副圧入固定部116aおよび116bの軸方向長さは5mm程度であるので固定子42からこの副圧入固定部116a、116bに加わる力は非常に小さい。従って、本実施形態によれば、突出部111の位置ずれを小さく抑えつつ、固定子42を第1ハウジング11内に、より一層確実に固定することができる。
【0041】
なお、上記実施形態では、圧入固定部116を、主に、第1ハウジング11の開口部11cから離れた部分に設けているが、本発明はこれに限定されることはなく、固定子42よりも、軸方向長さの小さい上記圧入固定部116を、第1ハウジング11の開口部11cに近い部分に設けてもよい。この結果、固定子42から第1ハウジング11の半径方向外方に加わる力は小さくなるので、第1ハウジング11の変形を小さく抑えることができる。
【0042】
また、上記実施形態では、第1ハウジング11の内周面に切欠部117を設けて、第1ハウジング11と固定子42との間に隙間Cを形成していたが、本発明はこれに限定されることはなく、固定子42の外周面を切り欠いて、上記隙間Cを形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す電動スクロール圧縮機の断面図である。
【図2】(a)は、固定子を焼き嵌めした第1ハウジングの正面図で、(b)は(a)のA−A断面図である。
【図3】(a)は、第1の実施形態の第1ハウジングの模式的な半断面図で、(b)は従来の第1ハウジングの模式的な半断面図である。
【図4】(a)、(b)は、第1ハウジングの変形の様子を示す模式的な半断面図である。
【図5】第1の実施形態における、焼き嵌めによる第1ハウジングの芯出し用孔の位置ずれ量を示すグラフである。
【図6】(a)は、第2の実施形態を示す要部断面図で、(b)は、第1ハウジングの変形の様子を示す模式的な半断面図である。
【図7】第2の実施形態における、焼き嵌めによる第1ハウジングの芯出し用孔の位置ずれ量を示すグラフである。
【図8】第3の実施形態を示す要部断面図である。
【図9】従来の電動スクロール圧縮機の断面図である。
【符号の説明】
1…ハウジング、11…第1ハウジング、12…第2ハウジング、
13…第3ハウジング、2…圧縮部、3…主軸(軸部材)、
4…電動機部、41…回転子、42…固定子、
116…圧入固定部(焼き嵌め圧入固定部)。

Claims (5)

  1. 一端に底面部(11b)、他端に開口部(11c)を有する筒状の第1ハウジング(11)、および、この第1ハウジング(11)の開口部(11c)側に隣接する筒状の第2ハウジング(12)を少なくとも備えるハウジング(1)と、
    前記ハウジング(1)内の第2ハウジング(12)側に支持固定され、流体を圧縮する圧縮部(2)と、
    前記第1ハウジング(11)内に固定され、前記圧縮部(2)に駆動力を与える電動機部(4)と、
    一端が前記第1ハウジング(11)の中心部(114)に回動可能に支持され、他端が前記第2ハウジング(12)の中心部(121)に回動可能に支持され、前記電動機部(4)の駆動力を前記圧縮部(2)に伝達する軸部材(3)とを具備し、
    磁性体である鉄系材料からなり、前記第1ハウジング(11)内周面に沿って固定される固定子(42)が、前記電動機部(4)に備えられ、
    前記第1ハウジング(11)は、アルミ合金材料からなり、
    前記第1ハウジング(11)内に前記固定子(42)が焼き嵌めにて圧入固定される密閉型電動圧縮機において、
    前記第1ハウジング(11)と前記固定子(42)との嵌合部分の、軸方向の一部に隙間(C)を設けて、前記第1ハウジング(11)と前記固定子(42)との焼き嵌め圧入固定部(116、116a、116b)の軸方向長さを短くするようになっており、
    さらに、前記第1ハウジング(11)の内周面において、前記固定子(42)の圧入方向の端部(42a)の角に対応する位置には、リング状に切り欠いた溝部(115)が形成されていることを特徴とする密閉型電動圧縮機。
  2. 一端に底面部(11b)、他端に開口部(11c)を有する筒状の第1ハウジング(11)、および、この第1ハウジング(11)の開口部(11c)側に隣接する筒状の第2ハウジング(12)を少なくとも備えるハウジング(1)と、
    前記ハウジング(1)内の第2ハウジング(12)側に支持固定され、流体を圧縮する圧縮部(2)と、
    前記第1ハウジング(11)内に固定され、前記圧縮部(2)に駆動力を与える電動機部(4)と、
    一端が前記第1ハウジング(11)の中心部(114)に回動可能に支持され、他端が前記第2ハウジング(12)の中心部(121)に回動可能に支持され、前記電動機部(4)の駆動力を前記圧縮部(2)に伝達する軸部材(3)とを具備し、
    磁性体である鉄系材料からなり、前記第1ハウジング(11)内周面に沿って固定される固定子(42)が、前記電動機部(4)に備えられ、
    前記第1ハウジング(11)は、アルミ合金材料からなり、
    前記第1ハウジング(11)内に前記固定子(42)が焼き嵌めにて圧入固定される密閉型電動圧縮機において、
    前記第1ハウジング(11)と前記固定子(42)との嵌合部分の、軸方向の一部に隙間(C)を設けて、前記第1ハウジング(11)と前記固定子(42)との焼き嵌め圧入固定部(116、116a、116b)の軸方向長さを短くするようになっており、
    前記隙間(C)は、前記第1ハウジング(11)の前記開口部(11c)側に設けられ、
    前記焼き嵌め圧入固定部(116)は、前記第1ハウジング(11)の前記底面部(11b)側に設けられていることを特徴とす密閉型電動圧縮機。
  3. 請求項2に記載の密閉型電動圧縮機において、
    前記第1ハウジング(11)の前記開口部(11c)側端面(11a)から前記焼き嵌め圧入固定部(116)までの軸方向長さをp、前記固定子(42)の軸方向長さをqとすると、p/q≧0.33であることを特徴とする密閉型電動圧縮機。
  4. 一端に底面部(11b)、他端に開口部(11c)を有する筒状の第1ハウジング(11)、および、この第1ハウジング(11)の開口部(11c)側に隣接する筒状の第2ハウジング(12)を少なくとも備えるハウジング(1)と、
    前記ハウジング(1)内の第2ハウジング(12)側に支持固定され、流体を圧縮する圧縮部(2)と、
    前記第1ハウジング(11)内に固定され、前記圧縮部(2)に駆動力を与える電動機部(4)と、
    一端が前記第1ハウジング(11)の中心部(114)に回動可能に支持され、他端が前記第2ハウジング(12)の中心部(121)に回動可能に支持され、前記電動機部(4)の駆動力を前記圧縮部(2)に伝達する軸部材(3)とを具備し、
    磁性体である鉄系材料からなり、前記第1ハウジング(11)内周面に沿って固定される固定子(42)が、前記電動機部(4)に備えられ、
    前記第1ハウジング(11)は、アルミ合金材料からなり、
    前記第1ハウジング(11)内に前記固定子(42)が焼き嵌めにて圧入固定される密閉型電動圧縮機において、
    前記第1ハウジング(11)と前記固定子(42)との嵌合部分の、軸方向の一部に隙間(C)を設けて、前記第1ハウジング(11)と前記固定子(42)との焼き嵌め圧入固定部(116、116a、116b)の軸方向長さを短くするようになっており、
    前記隙間(C)は、前記固定子(42)の、軸方向中央部に相当する部分に設けられ、
    前記焼き嵌め圧入固定部(116、116a、116b)は、前記固定子(42)の軸方向一端(42a)側、および、軸方向他端(42b)側に設けられていることを特徴とす密閉型電動圧縮機。
  5. 請求項4に記載の密閉型電動圧縮機において、
    前記第1ハウジング(11)の前記開口部(11c)側端面(11a)から、前記一端(42a)側の焼き嵌め圧入固定部(116)までの、軸方向長さをp、前記固定子(42)の軸方向長さをq、前記他端(42b)側の焼き嵌め圧入固定部(116a)の、軸方向長さをrとすると、p/q≧0.50、r≦20(mm)であることを特徴とする密閉型電動圧縮機。
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