JP3598554B2 - ディジタルビデオ信号記録装置及び再生装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、特に、ED−TV2やPALplus等、レターボックス形式で伝送され、無画面部や主画面部に解像度を補強する信号を送るようにしたコンポジットカラービデオ信号を記録するディジタルビデオ信号記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、NTSC方式やPAL方式のテレビジョン信号と互換性を保ちつつ、高画質化、ワイド画面化を図るようにした放送方式、例えば、EDTV−2方式やPALplus方式が提案されている。すなわち、現行のNTSC方式やPAL方式では、アスペクト比が4:3とされている。これに対して、ワイド画面では、アスペクト比が16:9や14:9とされており、現行の画面に比べて、横長の画面とされている。EDTV−2方式やPALplus方式は、16:9のワイド画面をテレビジョン受像機で映出したときに、高画質化が図れると共に、現行の4:3のテレビジョンも映出できるようにしたものである。
【0003】
これらEDTV−2方式やPALplus方式は、レターボックス型の画面を基本としている。レターボックス型というのは、図21に示すように、中央に画面を映出し、画面の上下は無画面とするようにしたものである。例えば、NTSC方式なら、画面の中央部の360ラインに映像信号が載せられ、上下の60ラインは無画面とされる。これにより、16:9の横長の画面が形成される。
【0004】
EDTV−2の場合には、図22に示すように、レターボックの画面の上下に、VT 及びVH 信号が多重され、主画面部にHH 信号が多重される。VT 信号は、倍速ノンインターレースで撮影した画像信号をインターレースで伝送する場合に、インターレース化の過程で失われる垂直時間高域成分である。VH 信号は、16:9の画像信号をレターボックス型にしたときに失われる垂直輝度高域成分である。つまり、レターボックス型にして伝送すると、NTSC方式では、走査線の数が480本から360本に減ったことになり、垂直解像度が約3/4に劣化することになる。VH 信号は、このときに失われる垂直輝度高域成分を補強する。HH 信号は、4.2MHzから6MHzの水平輝度高域成分である。HH 信号は、主画面部の吹抜ホールに周波数シフトして多重化される。
【0005】
EDTV−2の場合には、図23に示すように、ライン22とライン285に、アスペクト比を示すNRZの信号(B1〜B4)が設けられ、次にVT 、VH 、HH の各信号成分の有無を示す識別信号(カラーサブキャリアで変調されており、カラーサブキャリアに対して0相かπ相かでVT 、VH 、HH の各信号成分の有無を識別する)が設けられ、最後にEDTV−2であることを識別するための2.04MHzの確認信号が設けられる。
【0006】
PALplus方式の場合には、図24に示すように、レターボックスの画面の上下に、垂直解像度を補強するためのヘルパー信号が多重される。そして、PALplus方式の場合には、図25に示すように、ライン23にアスペクト比やヘルパー信号の有無を示すWSS(Wide Screen Signaling)信号が設けられ、更にヘルパー信号がある場合には、そのラインの後半に、サブキャリア周波数(4.43MHz)のリファレンスバースト信号が設けられる。更にライン623に白100%のレベルを示すリファレンス信号が送られてくる。
【0007】
本願出願人は、このようなEDTV−2方式やPALplus方式の放送に備えて、圧縮記録方式のディジタルVTRで、EDTV−2方式やPALplus方式の信号を記録できるようにしたものを提案している。
【0008】
つまり、圧縮記録方式のディジタルVTRで、ED−TV2の信号を圧縮記録方式のディジタルVTRで記録する場合、画面の上下の無画面部に送られてくるVT 及びVH 信号は、輝度信号として扱われて記録される。主画面部のHH 信号は、デコードされ、主画面部の輝度信号に多重化されて記録される。ライン22、285のアスペクト比情報をそのまま、また識別信号はデコードされ、これらの情報がVAUXデータ(ビデオ予備データ)として保存される。
【0009】
また、PALplusのビデオ信号を記録する場合、画面の上下の無画面部に送られてくるヘルパー信号は復調され、輝度信号として扱われて記録される。PALplus信号から、ライン23のWSS信号が取り出され、このWSS信号のデータがVAUXデータとして保存される。
【0010】
ところで、ディジタルVTRでは、有効画面だけを抽出して圧縮符号化し、垂直ブランキング期間や水平ブランキング期間のデータは落とされている。上述のような圧縮方式のディジタルVTRでは、NTSC方式の(525−60方式)の場合には、図26に示すように、フィールド1ではライン23〜262、フィールド2ではライン285〜524が有効ラインとして定められている。また、PAL方式(625−50方式)の場合には、図27に示すように、フィールド1ではライン23〜310、フィールド2ではライン335〜622が有効ラインとして定められている。
【0011】
このように有効ラインを定めると、NTSC方式の(525−60方式)の場合には、ライン22とライン263の0.5Hとライン525の画像信号が失われ、また、PAL方式の場合には、ライン623の0.5Hの画像信号が失われてることになる。しかしながら、これらの失われた画像信号は、現行の4:3のアスペクト比のテレビジョン方式では、画面の上下の隠れた位置になるので、実用上は問題がない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このように有効ラインが設定されていると、EDTV−2方式の場合、ライン285が有効ラインとなる。このライン285には、EDTV−2のアスペクト比を示す信号と各信号成分の有無を示す識別信号と2.04MHzの確認信号(図23)とが送られてくる。
【0013】
また、PALplus方式の場合、ライン23が有効ラインとなる。このライン23には、アスペクト比やヘルパー信号の有無等を示すWSS信号(図25)及びリファレンス信号が送られてくる。
【0014】
このように、EDTV−2のライン285や、PALplus方式のライン23が有効画面内にあると、以下のような問題が生じる。
【0015】
先ず、EDTV−2のライン285の信号や、PALplusのライン23の信号中には、サブキャリアに関連した信号が含まれている。これらの信号は、クロマ信号成分として扱われてディジタルVTRに記録されることになる。圧縮方式のディジタルVTRでは、4:1:1又は4:2:0で記録され、クロマ信号に割り当てられる情報量が少なく、クロマ信号としてこれらの信号が記録されてしまうと、本来のクロマ信号に影響が与えられ、色再現性が著しく劣化する。
【0016】
また、これらのラインには、NRZの信号が含まれている。NRZの信号は、直流から非常に高域まで広い周波数成分を含んでいるので、DCTによる圧縮効果が少ない。このため、量子化の際に粗い量子化テーブルが用いられる結果となり、画質が劣化する。
【0017】
更に、VAUXに保存しておいたアスペクト比や解像度を補強するための信号の有無を示す信号を再生時に付加する際に、挿入すべきラインが有効ラインとされていると、記録時と再生時とのクロック位相のずれにより、VAUXデータから復元されたデータだけでなく、実画面として圧縮記録、伸長再生されたデータが位置がずれた状態でミックスされた場合、EDTV−2デコーダやPALplusデコーダが誤動作する可能性がある。
【0018】
したがって、この発明の目的は、EDTV−2の信号やPALplusの信号を記録した場合に、画質の劣化が生じることがないようにしたディジタルビデオ信号記録装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
この発明は、レターボックス形式で伝送され、無画面部に解像度を補強する信号が多重化されていると共に所定ラインに識別信号が含まれるコンポジットカラービデオ信号を入力する手段と、
入力されたコンポジットカラービデオ信号から輝度信号と、色差信号とからなるコンポーネントカラービデオ信号を生成すると共に、無画面部の解像度を補強する信号を輝度信号として扱うように処理する手段と、
所定ラインに送られてくる識別信号をデコードする手段と、
輝度信号、色差信号からなるコンポーネントカラービデオ信号のうち、識別信号が含まれている所定ラインの輝度信号を所定のレベルに固定する手段と、
輝度信号と、色差信号とからなるコンポーネントカラービデオ信号から有効情報を抽出する手段と、
有効情報として抽出された輝度信号と、色差信号とからなるコンポーネントカラービデオ信号を圧縮符号化する手段と、
所定ラインに送られてくる識別信号に基づいて予備データを生成する手段と、
圧縮符号化された輝度信号と、色差信号とからなるコンポーネントカラービデオ信号に、所定ラインに送られてくる識別信号に基づいて生成された予備データを付加する手段と、
予備データが付加された圧縮符号化された輝度信号と、色差信号からなるコンポーネントカラービデオ信号を記録媒体に記録する手段と
を備えるようにしたディジタルビデオ信号記録装置である。
【0020】
この発明は、レターボックス形式で伝送され、無画面部に解像度を補強する信号が多重化されていると共に所定ラインに識別信号が含まれるコンポジットカラービデオ信号から、輝度信号と、色差信号とからなるコンポーネントカラービデオ信号を生成すると共に、無画面部の解像度を補強する信号を輝度信号として扱うように処理し、
所定ラインに送られてくる、レターボックス形式のアスペクト比を示す情報を含む識別信号に基づいて予備データを生成し、輝度信号、色差信号からなるコンポーネントカラービデオ信号のうち、識別信号が含まれている所定ラインの輝度信号を所定のレベルに固定し、
有効情報として抽出された輝度信号と、色差信号とからなるコンポーネントカラービデオ信号を圧縮符号化し、圧縮符号化された輝度信号と、色差信号とからなるコンポーネントカラービデオ信号に、生成された予備データを付加し、
予備データが付加された圧縮符号化された輝度信号と、色差信号からなるコンポーネントカラービデオ信号が記録された記録媒体を再生するディジタルビデオ信号再生装置において、
コンポーネントカラービデオ信号を記録媒体から再生する手段と、
再生された圧縮符号化されたコンポーネントカラービデオ信号に対して伸長処理を行い、輝度信号と、色差信号とからなるコンポーネントカラービデオ信号を生成する手段と、
予備データを復号し、復号データから識別信号を生成する手段と、
コンポーネントカラービデオ信号をコンポジットカラービデオ信号に変換すると共に、輝度信号の無画面部のオフセットを除去し、
解像度を補強する信号が多重化された輝度信号とオフセットが除去された無画面部の輝度信号に対して、生成された識別信号を所定のラインに挿入する手段と
を備えるようにしたディジタルビデオ信号再生装置である。
【0021】
【作用】
EDTV−2のビデオ信号では、ライン22、285に、アスペクト比情報、識別信号、確認信号が送られてくる。このライン22、ライン285のうち、ライン285は、有効ラインにある。ビデオ信号を圧縮記録する際に、このライン285の信号が例えばペデスタルレベルに固定される。
【0022】
PALplusのビデオ信号では、ライン23に、WSS信号が送られてくる。このライン23有効ラインにある。ビデオ信号を圧縮記録する際に、このライン23の信号が例えばペデスタルレベルに固定される。
【0023】
このように、EDTV−2やPALplusで、アスペクト比等を示す情報が送られるラインが有効画面内にある場合に、このラインの信号が例えばペデスタルレベルに固定される。これにより、画質の劣化が防げる。
【0024】
【実施例】
この発明の実施例について、以下の順序で、図面を参照して説明する。
a.EDTV−2の場合の全体構成
b.EDTV−2記録処理回路
c.EDTV−2の場合のディジタルVTRの記録系
d.EDTV−2の場合のディジタルVTRの再生系
e.EDTV−2再生処理回路
f.PALplusの場合の全体構成
g.PALplus記録処理回路
h.PALplusの場合のディジタルVTRの記録系及び再生系
i.PALplus再生処理回路
【0025】
a.EDTV−2の場合の全体構成
図1及び図2は、EDTV−2の信号を記録再生する場合の実施例である。図1において、1はチューナ、2はEDTV−2記録処理回路、3はディジタルVTRである。チューナ1で、EDTV−2方式の信号が受信される。EDTV−2の信号には、例えば、画面の上下にVT 及びVH 信号が多重され、主画面部にHH 信号が多重されている。そして、ライン22とライン285に、アスペクト比を示す信号と、VT 、VH 、HH の各信号成分の有無を示す識別信号と、EDTV−2であることを識別するための2.04MHzの確認信号とが設けられる。このEDTV−2方式の受信信号がEDTV−2記録処理回路2に供給される。
【0026】
EDTV−2記録処理回路2は、ディジタルVTR3でEDTV−2の信号を記録可能とするように、EDTV−2方式の信号を処理するものである。このEDTV−2記録処理回路2は、主画面部のHH 信号をデコードし、主画面部の輝度信号に多重化すると共に、画面の上下の無画面部に送られてくるVT 及びVH 信号に対して、オフセットを付加し、輝度信号として記録できるようにする。これと共に、EDTV−2の信号から、ライン22、285に送られてくる識別信号をデコードし、アスペクト比、VT 、VH 、HH の各信号成分の有無のデータを取り出す。ディジタルVTR3は、サンプリング周波数13.5MHzで処理を行っているので、約6MHzの帯域まで記録可能である。EDTV−2記録処理回路2からは、コンポーネントカラー信号Y、CR 、CB が出力され、このコンポーネントカラー信号がディジタルVTR2に供給される。また、アスペクト比、VT 、VH 、HH の各信号成分の有無のデータ、カラー位相情報がディジタルVTR3に送られる。
【0027】
ディジタルVTR3は、コンポーネントカラー信号Y、CR 、CB をディジタル化し、DCTと可変長符号を用いて圧縮し、回転ヘッドにより磁気テープに記録するものである。また、EDTV−2の信号を記録する際には、EDTV−2記録処理回路2からアスペクト比や、VT 、VH 、HH の各信号成分の有無等のデータが与えられ、これらがディジタルVTR3でVAUXデータとして保存される。この時、この実施例では、HH 信号をデコードして6MHzの帯域のままで信号を復元しているため、HH 信号は無しとして保存される。なお、ディジタルVTR3でビデオ信号を記録する際には、有効部分のみが抽出される。識別信号等が送られてくるライン22、285のうち、ライン22は有効ライン外となるが、ライン285は有効ライン内にある。この実施例では、このライン285の信号がペデスタルレベルの信号にすげ替えられる。これにより、これらの信号が有効画面として記録されることがなくなり、色再現性の劣化や、画質の劣化が防止される。
【0028】
図2は、再生系の構成を示すものである。図2において、ディジタルVTR5からは、コンポーネントカラービデオ信号Y、CR 、CB が出力される。このコンポーネントカラービデオ信号Y、CR 、CB は、前述したように、主画面部から再生される輝度信号はHH 信号が多重化されたものであり、画面の上下の無画面部の輝度信号は、オフセットが付加されたVT 及びVH 信号である。このコンポーネントカラービデオ信号Y、CR 、CB がEDTV−2再生処理回路6に供給される。また、ディジタルVTR5からは、VAUXデータから、アスペクト比や、VT 、VH 、HH の各信号成分の有無等のデータ、カラー位相データが出力される。これらのデータがEDTV−2再生処理回路6に供給される。
【0029】
EDTV−2再生処理回路6は、無画面部のVT 及びVH 信号のオフセットを除去する。更に、アスペクト比のデータや、VT 、VH 、HH の各信号成分の有無等を示す識別信号や、EDTV−2であることを識別するための2.04MHzの確認信号を発生し、これらをライン22とライン285に多重化する。
【0030】
EDTV−2再生処理回路6の出力がワイド画面のテレビジョン受像機7に供給される。テレビジョン受像機7は、EDTV−2のデコーダを有している。テレビジョン受像機7で、EDTV−2方式の信号がデコードされ、これがテレビジョン画面に映出される。
【0031】
この実施例では、輝度信号は6MHzの帯域まで戻されている。通常のコンポジットビデオ入力やS入力では、ディジタルVTR3から6MHzの帯域がそのまま伝送できるので、何等処理を必要とせずに、高画質が得られる。
【0032】
b.EDTV−2記録処理回路
図3は、EDTV−2記録処理回路2の一例である。図3において、入力端子11にEDTV−2の信号が供給される。入力端子11からの信号は、3次元Y/C分離回路12に供給される。3次元Y/C分離回路12により、輝度信号Yとクロマ信号Cとが分離される。これと共に、3次元Y/C分離回路12で、吹抜ホールに多重化されている信号が取り出され、これがHH 信号復調回路13に供給される。HH 信号復調回路13で、吹抜ホールに多重化されていたHH 信号が復調される。このHH 信号復調回路13の出力から、周波数4.2〜6MHzの高域水平輝度成分が得られる。このHH 信号復調回路13の出力が加算回路14に供給される。
【0033】
Y/C分離回路12からは、周波数4.2MHzまでの輝度信号Yと、クロマ信号Cとが出力される。輝度信号Yが加算回路14に供給される。加算回路14で、この周波数4.2MHzまでの輝度信号Yに、HH 信号復調回路13からの周波数4.2〜6MHzの高域水平輝度成分が付加される。加算回路14の出力がスイッチ回路15の端子15Aに供給される。Y/C分離回路12からのクロマ信号がスイッチ回路16に供給される。
【0034】
また、入力端子11からの信号は、オフセット付加回路17に供給されると共に、識別信号デコード回路18に供給される。また、入力端子11からの信号中の同期信号が同期分離回路20で検出される。同期分離回路20の出力がラインデコーダ21に供給される。ラインデコーダ21の出力が識別信号デコード回路18に供給されると共に、スイッチ制御回路22に供給される。
【0035】
オフセット付加回路17は、輝度信号として処理できるように、無画部分に送られてくるVT 及びVH 信号にオフセットを与えるものである。このオフセット付加回路17の出力がスイッチ回路15の端子15Bに供給される。
【0036】
識別信号検出回路18は、ライン22、285に送られてくるアスペクト比、VT 、VH 、HH の各信号成分の有無のデータを検出する。この識別信号検出回路13の出力がデータ出力端子19から出力される。また、識別信号検出回路18で検出された識別信号に応じて、3次元Y/C分離回路12の状態が設定される。
【0037】
スイッチ制御回路22は、主画面部と無画面部とを切り換えるスイッチ制御信号を形成する。このスイッチ制御信号がスイッチ回路15及び16に供給される。このスイッチ制御信号により、スイッチ回路15及び16が主画面と無画面とで切り換えられる。
【0038】
すなわち、画面の中央の主画面部では、スイッチ回路15が端子15A側に設定されると共に、スイッチ回路16がオンされる。上下の無画面部では、スイッチ回路15が端子15B側に設定されると共に、スイッチ回路16がオフされる。したがって、スイッチ回路15からは、主画面部では、水平高域成分HH が付加された輝度信号Yが出力され、無画面部では、オフセットが付加された垂直解像度補強信号VT 、VH が出力される。スイッチ回路16からは、主画面部では、クロマ信号Cが出力され、無画面部では、信号が出力されない。
【0039】
スイッチ回路15の出力が出力端子23から出力される。スイッチ回路16の出力が色復調回路24に供給される。色復調回路24で、クロマ信号Cから色差信号CR 、CB が復調される。この色差信号CR 、CB が出力端子25及び26から出力される。
【0040】
c.EDTV−2の場合のディジタルVTRの記録系
図4は、ディジタルVTR3の記録系の構成を示すものである。図4において、入力端子31、32、33には、コンポーネントカラービデオ信号Y、CR 、CB が供給される。このコンポーネントカラービデオ信号Y、CR 、CB がA/Dコンバータ34に供給される。A/Dコンバータ34は、コンポーネント信号Y、CR 、CB を、周波数13.5MHzのサンプリングクロックで、ディジタル化するものである。NTSC方式の場合には、輝度信号Yの情報量4に対して色差信号CR 、CB の情報量が夫々1とされ、所謂4:1:1でディジタル化される。A/Dコンバータ34の出力がマスキング回路38に供給される。
【0041】
また、入力ビデオ信号が同期分離回路35に供給される。同期分離回路35で、同期信号が検出される。この同期分離回路35の出力がラインデコーダ36に供給される。ラインデコーダ36の出力がマスキング信号発生回路37に供給される。マスキング信号発生回路37には、コントローラ30から、EDTV−2方式の信号であるかどうかを示す信号が供給される。マスキング信号発生回路37は、EDTV−2方式の信号が入力された場合には、ライン285でマスキング信号を発生する。このマスキング信号がマスキング回路38に供給される。
【0042】
マスキング回路38により、EDTV−2方式の信号が入力された場合には、ライン285の信号が所定の値(例えばペデスタルレベルを示す値16)にマスキングされる。
【0043】
マスキング回路38の出力が有効情報抽出回路39に供給される。有効情報抽出回路39で、垂直ブランキング期間や水平ブランキング期間等、有効画面外ののデータが落とされ、有効画面内のデータだけが抽出される。ここで、有効ラインとしては、フィールド1の23ライン〜262ラインと、フィールド2の285ライン〜524ラインとされている。EDTV−2では、アスペクト比のデータや、VT 、VH 、HH の各信号成分の有無等の識別信号や、EDTV−2であることを識別するための2.04MHzの確認信号がライン22とライン285に多重化されているが、ライン22は有効ライン内にないので、ここで除去される。ライン285については、有効ライン内にあるが、マスキング回路38により、ペデスタルレベルにすげ替えられている。
【0044】
有効情報抽出回路39の出力がブロック化及びシャフリング回路40に供給される。ブロック化及びシャフリング回路40で、(8×8)のブロックにブロック化され、そして、圧縮が画面全体で平均化されると共に、ヘッドのクロッグやテープの損傷等でデータが集中的に欠落するのを防ぐために、シャフリングがなされる。
【0045】
ブロック化及びシャフリング回路40の出力が圧縮回路41に供給される。圧縮回路41は、DCT変換と、可変長符号化により、ビデオデータを圧縮するものである。すなわち、圧縮回路41は、DCT変換回路と、DCT変換されたデータを量子化する量子化器と、総符号量を推定し最適な量子化器を決定するエスティメータと、2次元ハフマン符号を用いてデータを圧縮する可変長符号化回路とを有している。圧縮回路41で、(8×8)の時間領域のデータが(8×8)の周波数領域の係数データに変換され、これが量子化され、可変長符号化される。
【0046】
圧縮回路41の出力がフレーム化回路42に供給される。フレーム化回路42で、所定のシンクブロック中に所定の規則で、ビデオデータが詰め込まれる。フレーム化回路42の出力がVAUX付加回路43に供給される。
【0047】
VAUX付加回路43には、VAUX発生回路44から、VAUXデータが供給される。VAUX発生回路44には、コントローラ30からデータがVAUXデータが与えられる。VAUX付加回路43でVAUXデータが付加されたビデオデータは、マルチプレクサ45に供給される。
【0048】
端子46には、EDTV−2記録処理回路2(図3)から、アスペクト比データ、識別信号のデータ(VT 、VH 、HH の各信号成分の有無等)、カラー位相情報が供給される。VAUX発生回路44から発生されるVAUXデータには、これらのデータが含まれている。
【0049】
具体的には、VAUXに図12に示すTRパック(ヘッダー66h)が設けられ、識別信号のデータがこのTRパックに記録される。また、アスペクト比情報は、VAUXのソースコントロールパック(ヘッダーPC0=61h)のDISP(Display Select Mode)として記録される。また、カラー位相情報がVAUXのソースパック(ヘッダーPC0=60h)のCLF(Color Frame Identification Code)として記録される。
【0050】
また、入力端子47には、オーディオ信号が供給される。このオーディオ信号がA/Dコンバータ48に供給される。A/Dコンバータ48で、オーディオ信号がディジタル化される。このオーディオ信号がオーディオ信号処理回路49に供給される。オーディオ処理回路49で、オーディオデータが所定のシンクブロック内に詰め込まれる。オーディオ信号処理回路49の出力がAAUX付加回路50に供給される。
【0051】
AAUX付加回路50には、コントローラ30からの制御の基に、AAUX発生回路51から、AAUXデータが供給される。AAUX付加回路50で、オーディオデータにAAUXデータが付加される。このAAUXデータが付加されたオーディオデータがマルチプレクサ回路45に供給される。
【0052】
サブコード発生回路52で、サブコードが発生される。サブコードデータは、高速サーチの際に用いられる。このサブコードデータがマルチプレクサ回路45に供給される。
【0053】
マルチプレクサ回路45で、ビデオデータと、オーディオデータと、サブコードデータとが切り換えられる。このマルチプレクサ回路45の出力がエラー訂正符号化回路54に供給される。エラー訂正符号化回路54で、記録データにエラー訂正符号が付加される。エラー訂正符号化回路54の出力がチャネルコード55に供給される。チャネルコーダ55で、記録データが24/25変換される。ここで、更に、ディジタル記録に適したパーシャルレスポンスクラス4のコーディング処理が行われる。チャネルコーダ55の出力が記録アンプ(図示せず)を介してヘッド56に供給される。
【0054】
ビデオトラックには、図5に示すように、トラックが形成される。各トラックの先頭には、ITIエリアが設けられ、これに続いて、オーディオエリアと、ビデオエリアと、サブコードエリアが設けられる。ITIエリアは、アフレコを確実に行うためのタイミングブロックで、これ以降のエリアに書かれたデータをアフレコして書き直す場合に、位置決めを正確に行うために用いられる。オーディオエリアには、オーディオデータが記録される。ビデオエリアには、圧縮されたビデオデータが記録される。サブコードエリアは、高速サーチに用いられる。NTSC方式のデータを記録する場合、1ビデオフレームは10トラックで記録される。
【0055】
図6及び図7は、オーディオエリアのデータの構成を示すものである。図6に示すように、1シンクブロックは90バイトで構成される。データ部の前半の5バイトは、プリシンク、ポストシンクとされ、データ部は77バイト(オーディオデータ72バイトとAAUX5バイト)とされる。データ部は、水平パリティC1(8バイト)と垂直パリティC2(5シンクブロック)により保護されている。図7に示すように、1トラック当たりでは、14シンクブロックが配置される。データ部の前半5バイトはAAUX用である。この5バイトで1パックが構成される。
【0056】
図8及び図9は、ビデオエリアのデータの構成を示すものである。ビデオエリアの1シンクブロックは、90バイトで構成される。データ部の前半の5バイトは、プリシンク、ポストシンクとされ、データ部は77バイトとされる。図8及び図9に示すように、水平パリティC1(8バイト)と垂直パリティC2(11シンクブロック)により、保護されている。
【0057】
図9は、ビデオセクタの149シンクブロックを縦に並べたものである。図9に示すように、上部の2シンクブロックと、C2パリティの直前の2シンクブロックがVAUX用として確保されている。VAUX用とC2パリティ用以外には、ビデオデータが格納される。図9において、中央部の135シンクブロックがビデオ信号の格納エリアである。図中、BUF0からBUF26は、夫々、バッファリングユニットを示している。1バッファリングユニットは、5シンクブロックで構成され、1トラックに27個のバッファリングユニットが含まれる。また、1ビデオフレーム、10トラックでは、270バッファリングユニット存在する。つまり、1フレームの画像データのうち、画像として有効なエリアを抜き出し、そこをサンプリングして集め270個のグループが形成される。その1グループが1バッファリングユニットである。
【0058】
1バッファリングユニット毎に、DCT変換、量子化、可変長符号化等によっデータ圧縮を試み、発生する符号量が目標データ以下かどうかが評価される。そして、発生データ量が目標以下となるような量子化ステップが決定され、この量子化ステップを用いて実際の符号化がなされる。そして、発生した符号化データが1バッファリングユニット、5シンクブロックに詰め込まれる。
【0059】
図10は、サブコードエリアのデータ構成を示すものである。サブコードエリアは、図10に示すように、12シンクブロックで構成される。1シンクブロックは、12バイトであり、ビデオエリアやオーディオエリアの1シンクブロックより短くされている。これは、高速サーチを可能にするためである。1シンクブロックの先頭には、1バイトのプリシンクとポストシンクが設けられる。これに続いて、ID0、ID1とからなるIDデータと、ID0、ID1に対するパリティであるIDPとの3バイトが付加される。次に、5バイトのメインデータエリアが設けられ、更に、2バイトのパリティが付加される。メインデータエリアには、タイムコード、記録年月日等、高速サーチに必要なものが格納される。
【0060】
図10C及び図10Dに示すように、ID0には、高速サーチ時にアドレスを検出するためのF/Rフラグが設けられる。これに続いて、図10Cに示すように、シンクブロック番号SB0とSB6では、サブコードのデータ構成を示すアプリケーションID(API3)が配置され、次のID1と跨ぐように、絶対トラック番号が配置される。それ以外のシンクブロック番号では、図11Dに示すように、F/Rフラグが設けられ、これに続いて、インデックスID、スキップID、フォトピクチャIDが設けられ、ID1と跨ぐように、絶対トラック番号が設けられる。ID1には、絶対トラック番号とシンク番号が設けられる。
【0061】
オーディオエリアの予備データAAUX、ビデオエリアの予備データVAUX、サブコードデータ及びメモリ付カセットのデータ(図示せず)は、図11に示すような、共通のパック構造で記述されている。パックは、基本的には5バイト(PC0〜PC4)で構成され、先頭の1バイトがヘッダ、残りの4バイトがデータである。
【0062】
ヘッダーは、上位4ビットと、下位4ビットに分かれ、2階層とされ、更に、データのビットアサインによりその下の階層まで拡張することができる。この階層化により、パックの内容は明確に系統だてられ、その拡張も用意となる。そして、この上位ヘッダと下位ヘッダにより256の空間は、パックヘッダ表として、そのパックの内容と共に準備される。これを用いて、各エリアが記述される。パック構造は5バイトを基本とするが、例外として、メモリ付カセット内に文字を記述する時には、可変長とされる。
【0063】
図12は、識別信号の格納されるVAUXのTRパックの構成を示すものである。TRパックは、ヘッダーバイトPC0が「66h」とされる。データタイプ(DATA TYPE)は4ビットで、各種信号を区別する。このデータタイプ(DATA TYPE)は、以下のように定義される。
【0064】
0000=VBID
0001=WSS
0010=EDTV−2 in 22ライン
0011=EDTV−2 in 285ライン
0100= No Information
その他=未定義
【0065】
このTRパックには、EDTV−2の信号を記録した場合には、前述したように、ライン22及びライン285の識別信号のデータが格納される。データ部は、28ビット分用意されている。そして、水平同期信号に近いほうをLSBとして、順にデータが詰め込まれる。
【0066】
図13は、カラー位相情報が格納されるVAUXのソースパックの構成を示すものである。ソースパックは、ヘッダバイトPC0が「60h」とされる。PC1には、カラーフレーム識別コード(CLF)が格納される。カラーフレーム識別コード(CLF)は、525/60システムでは、以下のように定義されている。
【0067】
00=カラーフレームA
01=カラーフレームB
その他はリザーブ
【0068】
また、625/50システムでは、以下のように定義されている。
00=第1、第2フィールド
01=第3、第4フィールド
10は第5、第6フィールド
11=第7、第8フィールド
【0069】
図14は、アスペクト比情報が格納されるVAUXのソースコントロールパックの構成を示すものである。ソースコントロールパックは、ヘッダバイトPC0が「61h」とされる。PC2には、ディスプレイセレクモード(DISP)が設けられる。このディスプレイセレクトモード(DISP)により、以下のように、アスペクト比が定義される。
【0070】
000=4:3ノーマル
001=4:3レターボックス
010=16:9
【0071】
d.EDTV−2の場合のディジタルVTRの再生系
図15は、ディジタルVTRの再生系5の構成の一例である。図15において、ヘッド61の再生信号は、再生アンプ(図示せず)を介して、チャンネルデコーダ62に供給される。チャンネルデコーダ62で、再生信号が復調される。チャンネルデコーダ62の出力がエラー訂正回路63に供給される。エラー訂正回路63により、エラー訂正処理がなされる。エラー訂正回路63の出力がデマルチプレクサ64に供給される。
【0072】
デマルチプレクサ64により、オーディオエリアの再生データと、ビデオエリアの再生データと、サブコードエリアの再生データとが分けられる。
【0073】
オーディオエリアの再生データは、オーディオ処理回路67に供給される。また、オーディオエリアの再生データ中のAAUXデータがAAUXデコード回路68で検出される。このAAUXデータがコントローラ60に供給される。オーディオ処理回路67で、時間軸変換、補間等の処理がなされる。オーディオ処理回路67の出力がD/Aコンバータ70に供給される。D/Aコンバータ70の出力が出力端子71から出力される。
【0074】
ビデオエリアの再生データは、デフレーム回路65に供給される。また、ビデオエリアの再生データ中のVAUXデータがVAUXデコード回路66で検出される。このVAUXデータがコントローラ60に供給される。
【0075】
なお、VAUXのTRパックからは、ライン22及びライン285の識別信号のデータが得られる。VAUXのソースパックからは、カラー位相情報が得られる。また、VAUXのソースコントロールパックからは、アスペクト情報が得られる。これらの情報は、データ出力端子79から出力され、EDTV−2再生処理回路6(図6)に送られる。
【0076】
サブコードエリアの再生データは、サブコードデコード回路69で検出される。このサブコードデータがコントローラ60に供給される。
【0077】
デフレーム回路65の出力が伸長回路72に供給される。伸長回路72は、可変長符号の復号と、逆DCT変換により、圧縮記録されていたビデオ信号を元の時間領域のビデオ信号に変換するものである。伸長回路72の出力がデシャフリング及びデブロック化回路73に供給される。デシャフリング及びデブロック化回路73からは、再生コンポーネントカラービデオ信号Y、CR CB が得られる。この再生コンポーネントカラービデオ信号Y、CR CB が情報付加回路74に供給される。情報付加回路74は、水平同期信号や垂直同期信号等を付加するものである。この情報付加回路74の出力がD/Aコンバータ75に供給される。D/Aコンバータ75の出力が出力端子76、77、78から出力される。
【0078】
EDTV−2のビデオ信号を再生した場合には、この実施例では、主画面部の再生輝度信号Yには、周波数4.2MHzまでの輝度信号に加えて、周波数4.2〜6MHzの高域輝度成分が付加されている。また、無画面部の再生輝度信号Yは、オフセットが付加されたVT 及びVH 信号である。また、データ出力端子79からは、アスペクト比情報、カラー位相情報、VT 、VH 、HH の各信号成分の有無のデータが取り出される。そして、識別信号等を配置するライン22は、有効画面外なので、ペデスタルレベルとなっている。また、ライン285は、有効画面内であるが、VTRの記録系のマスキング回路38でペデスタルレベルにすげ替えられている。
【0079】
e.EDTV−2再生処理回路
図16は、EDTV−2再生処理回路6の構成を示すものである。図16において、入力端子81に再生輝度信号Yが供給され、入力端子82及び83に再生色差信号CR 、CB が供給される。また、データ入力端子84に、アスペクト比情報、カラー位相情報、VT 、VH 、HH の各信号成分の有無のデータが与えられる。
【0080】
入力端子81からの再生輝度信号は、スイッチ回路85に供給されると共に、入力信号の同期信号が同期分離回路86で検出される。入力端子82及び83からの再生色差信号CR 、CB は、変調回路90に供給される。変調回路90で、色差信号CR 、CB から、クロマ信号Cが形成される。この変調回路90の出力がスイッチ回路91に供給される。
【0081】
同期分離回路86の出力がラインデコーダ87に供給される。ラインデコーダ87で、ライン数がデコードされる。ラインデコーダ87の出力がスイッチ制御回路88に供給されると共に、識別信号発生回路89に供給される。スイッチ制御回路88は、主画面部と無画面部とを切り換えるスイッチ制御信号を形成する。このスイッチ制御信号がスイッチ回路85及び91に供給される。このスイッチ制御信号により、スイッチ回路85及び91が主画面と無画面とで切り換えられる。すなわち、画面の中央の主画面部では、スイッチ回路85が端子85A側に設定されると共に、スイッチ回路91がオンされる。上下の無画面部では、スイッチ回路85が端子85B側に設定されると共に、スイッチ回路91がオフされる。
【0082】
主画面の部分では、スイッチ回路85が端子85A側に設定され、入力端子81からの信号は、スイッチ回路85を介して、加算回路95に供給される。また、主画面の部分では、スイッチ回路91がオンしている。このため、加算回路95には、変調回路90からクロマ信号Cが供給される。加算回路95で、輝度信号Yとクロマ信号Cとが合成される。加算回路95の出力が加算回路97に供給される。
【0083】
無画面部では、スイッチ回路85が端子85B側に設定され、入力端子81からの信号は、オフセット除去回路96に供給される。オフセット除去回路96で、オフセットが取り除かれる。オフセット除去回路96の出力が加算回路97に供給される。加算回路97の出力が加算回路98に供給される。
【0084】
データ入力端子84からのデータは、識別信号発生回路89に供給される。識別信号発生回路89には、ラインデコーダ87の出力が供給される。識別信号発生回路89は、ライン22及び285の信号を発生する。すなわち、識別信号発生回路89は、ライン22及び285で、アスペクト比を示すNRZの信号と、VT 、VH 、HH の各信号成分の有無を示す識別信号と、EDTV−2であることを識別するための2.04MHzの確認信号とを発生する。この信号が加算回路98に供給される。
【0085】
加算回路98により、ライン22及び285で、アスペクト比を示すNRZの信号と、VT 、VH 、HH の各信号成分の有無を示す識別信号と、EDTV−2であることを識別するための2.04MHzの確認信号が付加される。このように、ライン22及び285に信号を付加する際、ライン22及び285の再生信号はペデスタルレベルであったので、誤り無くデータを付加できる。加算回路98の出力が出力端子99から取り出される。
【0086】
このようにして出力される信号は、EDTV−2の方式の信号であるから、EDTV−2対応のテレビジョン受像機に供給すれば、ワイド画面で高品質の再生画面を楽しむことができる。
【0087】
f.PALpluの場合の全体構成
次に、PALplus方式の場合について説明する。図17及び図18は、PALplus方式の信号を記録する場合の実施例である。
【0088】
図17において、101はチューナ、102はPALpus記録処理回路、103はディジタルVTRである。チューナ101で、PALplusの信号が受信される。PALplusの信号には、画面の上下に、垂直解像度を補強するためのヘルパー信号が多重される。そして、PALplus方式の場合には、ライン23にアスペクト比やヘルパー信号の有無を示すWSS(Wide Screen Signaling)信号が設けられ、更にヘルパー信号がある場合には、そのラインの後半に、サブキャリア周波数(4.43MHz)のリファレンスバースト信号が設けられる。更にライン623に白100%のレベルを示すリファレンス信号が送られてくる。このPALplusの受信信号がPALplus記録処理回路102に供給される。
【0089】
PALplus記録処理回路102は、ディジタルVTR103で記録可能とするように、PALplusの信号を処理するものである。このPALplus信号処理102は、画面の上下の無画面部に送られてくるヘルパー信号をデコードし、オフセットを付加し、輝度信号として記録されるようにする。これと共に、PALplus信号から、ライン23に送られてくるWSS信号をデコードし、アスペクト比情報やヘルパー信号の有無を示す情報等をディジタルVTR103に送る。
【0090】
ディジタルVTR103は、コンポーネントカラー信号Y、CR 、CB をディジタル化し、DCTと可変長符号を用いて圧縮し、回転ヘッドにより磁気テープに記録するものである。また、PALplusの信号を記録する際には、アスペクト比や、ヘルパー信号の有無等のデータが与えられ、これらがディジタルVTR103のVAUXデータとして記録される。なお、ディジタルVTR103でビデオ信号を記録する際には、有効部分のみが抽出される。WSS信号が送られてくるライン23は有効ライン内にある。この実施例では、このライン23の信号がペデスタルレベルの信号にすげ替えられる。これにより、これらの信号が有効画面として記録されることがなくなり、色再現性の劣化や、画質の劣化が防止される。
【0091】
図18は、再生系の構成を示すものである。図18において、ディジタルVTR105からは、コンポーネントカラービデオ信号Y、CR 、CB が出力される。このコンポーネントカラービデオ信号Y、CR 、CB がPALplus再生処理回路106に供給される。また、ディジタルVTR105からは、VAUXデータから、ヘルパー信号の有無やアスペクト比を示すデータが出力される。これらのデータがPALplus再生処理回路106に供給される。
【0092】
PALplus再生処理回路106は、無画面部のヘルパー信号のオフセットを除去し、変調する。更に、アスペクト比のデータや、ヘルパー信号の有無を示すWSS信号とリファレンス信号を発生し、これらをライン23に多重化する。
【0093】
PALplus再生処理回路106の出力がワイド画面のテレビジョン受像機107に供給される。テレビジョン受像機107には、PALplusデコーダが備えられている。テレビジョン受像機107で、EDTV−2方式の信号がデコードされ、これがテレビジョン画面に映出される。
【0094】
g.PALplus記録処理回路
図19は、PALplus記録処理回路102の一例である。図19において、入力端子111にPALplusの信号が供給される。入力端子111からの信号は、Y/C分離回路112に供給される。Y/C分離回路112により、輝度信号Yとクロマ信号Cとが分離される。Y/C分離回路112からの輝度信号Yがスイッチ回路114の端子114Aに供給される。Y/C分離回路112からのクロマ信号がスイッチ回路120に供給される。
【0095】
また、入力端子111からの信号は、ヘルパー信号復調回路113に供給されると共に、WSSS信号デコード回路116に供給される。また、入力端子111からの信号中の同期信号が同期分離回路117で検出される。同期分離回路117の出力がラインデコーダ118に供給される。ラインデコーダ118の出力がWSS信号デコード回路116に供給されると共に、スイッチ制御回路119に供給される。
【0096】
ヘルパー信号復調回路113で、ヘルパー信号が復調される。ヘルパー信号復調回路113の出力がオフセット付加回路115に供給される。オフセット付加回路115は、輝度信号として処理できるように、復調されたヘルパー信号にオフセットを与えるものである。このオフセット付加回路115の出力がスイッチ回路114の端子114Bに供給される。
【0097】
WSS信号検出回路116は、ライン23に送られてくるWSS信号を検出する。このWSS信号検出回路116の出力がデータ出力端子125から出力される。
【0098】
スイッチ制御回路119は、主画面部と無画面部とを切り換えるスイッチ制御信号を形成する。このスイッチ制御信号がスイッチ回路114及び120に供給される。このスイッチ制御信号により、スイッチ回路114及び120が主画面と無画面とで切り換えられる。
【0099】
すなわち、画面の中央の主画面部では、スイッチ回路114が端子114A側に設定されると共に、スイッチ回路120がオンされる。上下の無画面部では、スイッチ回路114が端子114B側に設定されると共に、スイッチ回路120がオフされる。したがって、スイッチ回路114からは、主画面部では、輝度信号Yが出力され、無画面部では、オフセットが付加されたヘルパー信号が出力される。スイッチ回路120からは、主画面部では、クロマ信号Cが出力され、無画面部では、信号が出力されない。
【0100】
スイッチ回路114の出力が出力端子122から出力される。スイッチ回路120の出力が色復調回路121に供給される。色復調回路121で、クロマ信号Cから色差信号CR 、CB が復調される。この色差信号CR 、CB が出力端子123及び124から出力される。
【0101】
h.PALplusの場合のディジタルVTRの記録系及び再生系
PALplusの信号を記録/再生するディジタルVTR103及び105の構成は、前述のEDTV−2の信号を記録する場合と、同様である。但し、PALplusの信号を記録する場合には、図4におけるA/Dコンバータ34では、コンポーネントカラービデオ信号が4:2:0でディジタル化される。また、マスキング信号発生回路37からは、ライン23でマスキング信号が発生され、ライン23のWSS信号がペデスタルレベルの信号にすげ替えられる。そして、1ビデオフレームが12トラックで記録される。更に、VAUXのTRパックには、WSSのデータが記録され、VAUXのソースコントロールパックには、アスペクト比情報が記録される。
【0102】
i.PALplus再生処理回路
図20は、PALplus再生処理回路106の構成を示すものである。図20において、入力端子131に再生輝度信号Yが供給され、入力端子132及び133に再生色差信号CR 、CB が供給される。また、データ入力端子134に、アスペクト比情報、ヘルパー信号の有無のデータが与えられる。
【0103】
入力端子131からの再生輝度信号は、スイッチ回路135に供給されると共に、入力信号の同期信号が同期分離回路136で検出される。入力端子132及び133からの再生色差信号CR 、CB は、変調回路140に供給される。変調回路140で、色差信号CR 、CB からクロマ信号Cが形成される。この変調回路140の出力がスイッチ回路141に供給される。
【0104】
同期分離回路136の出力がラインデコーダ137に供給される。ラインデコーダ137で、ライン数がデコードされる。ラインデコーダ137の出力がスイッチ制御回路138に供給されると共に、WSS信号発生回路139に供給される。スイッチ制御回路138は、主画面部と無画面部とを切り換えるスイッチ制御信号を形成する。このスイッチ制御信号がスイッチ回路135及び141に供給される。このスイッチ制御信号により、スイッチ回路135及び141が主画面と無画面とで切り換えられる。すなわち、画面の中央の主画面部では、スイッチ回路135が端子135A側に設定されると共に、スイッチ回路141がオンされる。上下の無画面部では、スイッチ回路135が端子135B側に設定されると共に、スイッチ回路141がオフされる。
【0105】
主画面の部分では、スイッチ回路135が端子135A側に設定され、入力端子131からの信号がスイッチ回路135を介して加算回路142に供給される。また、主画面の部分では、スイッチ回路141がオンしている。このため、加算回路142には、変調回路140からクロマ信号Cが供給される。加算回路142で、輝度信号とクロマ信号とが合成される。加算回路142の出力が加算回路143に供給される。
【0106】
無画面部では、入力端子131にヘルパー信号が供給される。このヘルパー信号は、スイッチ回路135を介して、オフセット除去回路144に供給される。オフセット除去回路144で、オフセットが取り除かれる。オフセット除去回路144の出力が変調回路145に供給される。変調回路145で、ヘルパー信号が変調される。変調回路145の出力が加算回路143に供給される。
【0107】
データ入力端子134からのデータは、WSS信号発生回路139に供給される。WSS信号発生回路139には、ラインデコーダ137の出力が供給される。WSS信号発生回路139は、ライン23でWSS信号を発生する。この信号が加算回路146に供給される。
【0108】
加算回路146により、ライン23にWSS信号が付加される。ライン23に信号を付加する際、ライン23の再生信号はペデスタルレベルであったので、誤り無くデータを付加できる。加算回路146の出力が出力端子147から取り出される。このようにして出力される信号は、PALplus方式の信号であるから、PALplus対応のテレビジョン受像機107に供給すれば、ワイド画面で高品質の再生画面を楽しむことができる。
【0109】
【発明の効果】
この発明によれば、EDTV−2のビデオ信号では、ライン22、285に、アスペクト比情報、識別信号、確認信号が送られてくる。このライン22、ライン285のうち、ライン285は、有効ラインにある。ビデオ信号を圧縮記録する際に、このライン285の信号が例えばペデスタルレベルに固定される。また、PALplusのビデオ信号では、ライン23に、WSS信号が送られてくる。このライン23有効ラインにある。ビデオ信号を圧縮記録する際に、このライン23の信号が例えばペデスタルレベルに固定される。このように、EDTV−2やPALplusで、アスペクト比等を示す情報が送られるラインが有効画面内にある場合に、このラインの信号が例えばペデスタルレベルに固定される。これにより、画質の劣化が防げる。
【図面の簡単な説明】
【図1】EDTV−2の信号を記録する場合の説明に用いるブロック図である。
【図2】EDTV−2の信号を再生する場合の説明に用いるブロック図である。
【図3】EDTV−2記録処理回路の一例のブロック図である。
【図4】この発明が適用されたディジタルVTRの記録系のブロック図である。
【図5】この発明が適用されたディジタルVTRにおけるトラック構成の説明に用いる略線図である。
【図6】この発明が適用されたディジタルVTRにおけるオーディオデータの説明に用いる略線図である。
【図7】この発明が適用されたディジタルVTRにおけるオーディオデータの説明に用いる略線図である。
【図8】この発明が適用されたディジタルVTRにおけるビデオデータの説明に用いる略線図である。
【図9】この発明が適用されたディジタルVTRにおけるビデオデータの説明に用いる略線図である。
【図10】この発明が適用されたディジタルVTRにおけるサブコードデータの説明に用いる略線図である。
【図11】パック構造の説明に用いる略線図である。
【図12】パックの説明に用いる略線図である。
【図13】パックの説明に用いる略線図である。
【図14】パックの説明に用いる略線図である。
【図15】この発明が適用されたディジタルVTRの再生系のブロック図である。
【図16】EDTV−2再生処理回路の一例のブロック図である。
【図17】PALplusの信号を記録する場合の説明に用いるブロック図である。
【図18】PALplusの信号を再生する場合の説明に用いるブロック図である。
【図19】PALplus記録処理回路の一例のブロック図である。
【図20】PALplus再生処理回路の一例のブロック図である。
【図21】レターボックス形式の説明に用いる略線図である。
【図22】EDTV−2信号の説明に用いる略線図である。
【図23】EDTV−2信号の説明に用いる略線図である。
【図24】PALplus信号の説明に用いる略線図である。
【図25】PALplus信号の説明に用いる略線図である。
【図26】525/60方式での有効ラインの説明に用いる略線図である。
【図27】625/50方式での有効ラインの説明に用いる略線図である。
【符号の説明】
2 EDTV−2記録処理回路
3、5 ディジタルVTR
6 EDTV−2再生処理回路
38 マスキング回路
【産業上の利用分野】
この発明は、特に、ED−TV2やPALplus等、レターボックス形式で伝送され、無画面部や主画面部に解像度を補強する信号を送るようにしたコンポジットカラービデオ信号を記録するディジタルビデオ信号記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、NTSC方式やPAL方式のテレビジョン信号と互換性を保ちつつ、高画質化、ワイド画面化を図るようにした放送方式、例えば、EDTV−2方式やPALplus方式が提案されている。すなわち、現行のNTSC方式やPAL方式では、アスペクト比が4:3とされている。これに対して、ワイド画面では、アスペクト比が16:9や14:9とされており、現行の画面に比べて、横長の画面とされている。EDTV−2方式やPALplus方式は、16:9のワイド画面をテレビジョン受像機で映出したときに、高画質化が図れると共に、現行の4:3のテレビジョンも映出できるようにしたものである。
【0003】
これらEDTV−2方式やPALplus方式は、レターボックス型の画面を基本としている。レターボックス型というのは、図21に示すように、中央に画面を映出し、画面の上下は無画面とするようにしたものである。例えば、NTSC方式なら、画面の中央部の360ラインに映像信号が載せられ、上下の60ラインは無画面とされる。これにより、16:9の横長の画面が形成される。
【0004】
EDTV−2の場合には、図22に示すように、レターボックの画面の上下に、VT 及びVH 信号が多重され、主画面部にHH 信号が多重される。VT 信号は、倍速ノンインターレースで撮影した画像信号をインターレースで伝送する場合に、インターレース化の過程で失われる垂直時間高域成分である。VH 信号は、16:9の画像信号をレターボックス型にしたときに失われる垂直輝度高域成分である。つまり、レターボックス型にして伝送すると、NTSC方式では、走査線の数が480本から360本に減ったことになり、垂直解像度が約3/4に劣化することになる。VH 信号は、このときに失われる垂直輝度高域成分を補強する。HH 信号は、4.2MHzから6MHzの水平輝度高域成分である。HH 信号は、主画面部の吹抜ホールに周波数シフトして多重化される。
【0005】
EDTV−2の場合には、図23に示すように、ライン22とライン285に、アスペクト比を示すNRZの信号(B1〜B4)が設けられ、次にVT 、VH 、HH の各信号成分の有無を示す識別信号(カラーサブキャリアで変調されており、カラーサブキャリアに対して0相かπ相かでVT 、VH 、HH の各信号成分の有無を識別する)が設けられ、最後にEDTV−2であることを識別するための2.04MHzの確認信号が設けられる。
【0006】
PALplus方式の場合には、図24に示すように、レターボックスの画面の上下に、垂直解像度を補強するためのヘルパー信号が多重される。そして、PALplus方式の場合には、図25に示すように、ライン23にアスペクト比やヘルパー信号の有無を示すWSS(Wide Screen Signaling)信号が設けられ、更にヘルパー信号がある場合には、そのラインの後半に、サブキャリア周波数(4.43MHz)のリファレンスバースト信号が設けられる。更にライン623に白100%のレベルを示すリファレンス信号が送られてくる。
【0007】
本願出願人は、このようなEDTV−2方式やPALplus方式の放送に備えて、圧縮記録方式のディジタルVTRで、EDTV−2方式やPALplus方式の信号を記録できるようにしたものを提案している。
【0008】
つまり、圧縮記録方式のディジタルVTRで、ED−TV2の信号を圧縮記録方式のディジタルVTRで記録する場合、画面の上下の無画面部に送られてくるVT 及びVH 信号は、輝度信号として扱われて記録される。主画面部のHH 信号は、デコードされ、主画面部の輝度信号に多重化されて記録される。ライン22、285のアスペクト比情報をそのまま、また識別信号はデコードされ、これらの情報がVAUXデータ(ビデオ予備データ)として保存される。
【0009】
また、PALplusのビデオ信号を記録する場合、画面の上下の無画面部に送られてくるヘルパー信号は復調され、輝度信号として扱われて記録される。PALplus信号から、ライン23のWSS信号が取り出され、このWSS信号のデータがVAUXデータとして保存される。
【0010】
ところで、ディジタルVTRでは、有効画面だけを抽出して圧縮符号化し、垂直ブランキング期間や水平ブランキング期間のデータは落とされている。上述のような圧縮方式のディジタルVTRでは、NTSC方式の(525−60方式)の場合には、図26に示すように、フィールド1ではライン23〜262、フィールド2ではライン285〜524が有効ラインとして定められている。また、PAL方式(625−50方式)の場合には、図27に示すように、フィールド1ではライン23〜310、フィールド2ではライン335〜622が有効ラインとして定められている。
【0011】
このように有効ラインを定めると、NTSC方式の(525−60方式)の場合には、ライン22とライン263の0.5Hとライン525の画像信号が失われ、また、PAL方式の場合には、ライン623の0.5Hの画像信号が失われてることになる。しかしながら、これらの失われた画像信号は、現行の4:3のアスペクト比のテレビジョン方式では、画面の上下の隠れた位置になるので、実用上は問題がない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このように有効ラインが設定されていると、EDTV−2方式の場合、ライン285が有効ラインとなる。このライン285には、EDTV−2のアスペクト比を示す信号と各信号成分の有無を示す識別信号と2.04MHzの確認信号(図23)とが送られてくる。
【0013】
また、PALplus方式の場合、ライン23が有効ラインとなる。このライン23には、アスペクト比やヘルパー信号の有無等を示すWSS信号(図25)及びリファレンス信号が送られてくる。
【0014】
このように、EDTV−2のライン285や、PALplus方式のライン23が有効画面内にあると、以下のような問題が生じる。
【0015】
先ず、EDTV−2のライン285の信号や、PALplusのライン23の信号中には、サブキャリアに関連した信号が含まれている。これらの信号は、クロマ信号成分として扱われてディジタルVTRに記録されることになる。圧縮方式のディジタルVTRでは、4:1:1又は4:2:0で記録され、クロマ信号に割り当てられる情報量が少なく、クロマ信号としてこれらの信号が記録されてしまうと、本来のクロマ信号に影響が与えられ、色再現性が著しく劣化する。
【0016】
また、これらのラインには、NRZの信号が含まれている。NRZの信号は、直流から非常に高域まで広い周波数成分を含んでいるので、DCTによる圧縮効果が少ない。このため、量子化の際に粗い量子化テーブルが用いられる結果となり、画質が劣化する。
【0017】
更に、VAUXに保存しておいたアスペクト比や解像度を補強するための信号の有無を示す信号を再生時に付加する際に、挿入すべきラインが有効ラインとされていると、記録時と再生時とのクロック位相のずれにより、VAUXデータから復元されたデータだけでなく、実画面として圧縮記録、伸長再生されたデータが位置がずれた状態でミックスされた場合、EDTV−2デコーダやPALplusデコーダが誤動作する可能性がある。
【0018】
したがって、この発明の目的は、EDTV−2の信号やPALplusの信号を記録した場合に、画質の劣化が生じることがないようにしたディジタルビデオ信号記録装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
この発明は、レターボックス形式で伝送され、無画面部に解像度を補強する信号が多重化されていると共に所定ラインに識別信号が含まれるコンポジットカラービデオ信号を入力する手段と、
入力されたコンポジットカラービデオ信号から輝度信号と、色差信号とからなるコンポーネントカラービデオ信号を生成すると共に、無画面部の解像度を補強する信号を輝度信号として扱うように処理する手段と、
所定ラインに送られてくる識別信号をデコードする手段と、
輝度信号、色差信号からなるコンポーネントカラービデオ信号のうち、識別信号が含まれている所定ラインの輝度信号を所定のレベルに固定する手段と、
輝度信号と、色差信号とからなるコンポーネントカラービデオ信号から有効情報を抽出する手段と、
有効情報として抽出された輝度信号と、色差信号とからなるコンポーネントカラービデオ信号を圧縮符号化する手段と、
所定ラインに送られてくる識別信号に基づいて予備データを生成する手段と、
圧縮符号化された輝度信号と、色差信号とからなるコンポーネントカラービデオ信号に、所定ラインに送られてくる識別信号に基づいて生成された予備データを付加する手段と、
予備データが付加された圧縮符号化された輝度信号と、色差信号からなるコンポーネントカラービデオ信号を記録媒体に記録する手段と
を備えるようにしたディジタルビデオ信号記録装置である。
【0020】
この発明は、レターボックス形式で伝送され、無画面部に解像度を補強する信号が多重化されていると共に所定ラインに識別信号が含まれるコンポジットカラービデオ信号から、輝度信号と、色差信号とからなるコンポーネントカラービデオ信号を生成すると共に、無画面部の解像度を補強する信号を輝度信号として扱うように処理し、
所定ラインに送られてくる、レターボックス形式のアスペクト比を示す情報を含む識別信号に基づいて予備データを生成し、輝度信号、色差信号からなるコンポーネントカラービデオ信号のうち、識別信号が含まれている所定ラインの輝度信号を所定のレベルに固定し、
有効情報として抽出された輝度信号と、色差信号とからなるコンポーネントカラービデオ信号を圧縮符号化し、圧縮符号化された輝度信号と、色差信号とからなるコンポーネントカラービデオ信号に、生成された予備データを付加し、
予備データが付加された圧縮符号化された輝度信号と、色差信号からなるコンポーネントカラービデオ信号が記録された記録媒体を再生するディジタルビデオ信号再生装置において、
コンポーネントカラービデオ信号を記録媒体から再生する手段と、
再生された圧縮符号化されたコンポーネントカラービデオ信号に対して伸長処理を行い、輝度信号と、色差信号とからなるコンポーネントカラービデオ信号を生成する手段と、
予備データを復号し、復号データから識別信号を生成する手段と、
コンポーネントカラービデオ信号をコンポジットカラービデオ信号に変換すると共に、輝度信号の無画面部のオフセットを除去し、
解像度を補強する信号が多重化された輝度信号とオフセットが除去された無画面部の輝度信号に対して、生成された識別信号を所定のラインに挿入する手段と
を備えるようにしたディジタルビデオ信号再生装置である。
【0021】
【作用】
EDTV−2のビデオ信号では、ライン22、285に、アスペクト比情報、識別信号、確認信号が送られてくる。このライン22、ライン285のうち、ライン285は、有効ラインにある。ビデオ信号を圧縮記録する際に、このライン285の信号が例えばペデスタルレベルに固定される。
【0022】
PALplusのビデオ信号では、ライン23に、WSS信号が送られてくる。このライン23有効ラインにある。ビデオ信号を圧縮記録する際に、このライン23の信号が例えばペデスタルレベルに固定される。
【0023】
このように、EDTV−2やPALplusで、アスペクト比等を示す情報が送られるラインが有効画面内にある場合に、このラインの信号が例えばペデスタルレベルに固定される。これにより、画質の劣化が防げる。
【0024】
【実施例】
この発明の実施例について、以下の順序で、図面を参照して説明する。
a.EDTV−2の場合の全体構成
b.EDTV−2記録処理回路
c.EDTV−2の場合のディジタルVTRの記録系
d.EDTV−2の場合のディジタルVTRの再生系
e.EDTV−2再生処理回路
f.PALplusの場合の全体構成
g.PALplus記録処理回路
h.PALplusの場合のディジタルVTRの記録系及び再生系
i.PALplus再生処理回路
【0025】
a.EDTV−2の場合の全体構成
図1及び図2は、EDTV−2の信号を記録再生する場合の実施例である。図1において、1はチューナ、2はEDTV−2記録処理回路、3はディジタルVTRである。チューナ1で、EDTV−2方式の信号が受信される。EDTV−2の信号には、例えば、画面の上下にVT 及びVH 信号が多重され、主画面部にHH 信号が多重されている。そして、ライン22とライン285に、アスペクト比を示す信号と、VT 、VH 、HH の各信号成分の有無を示す識別信号と、EDTV−2であることを識別するための2.04MHzの確認信号とが設けられる。このEDTV−2方式の受信信号がEDTV−2記録処理回路2に供給される。
【0026】
EDTV−2記録処理回路2は、ディジタルVTR3でEDTV−2の信号を記録可能とするように、EDTV−2方式の信号を処理するものである。このEDTV−2記録処理回路2は、主画面部のHH 信号をデコードし、主画面部の輝度信号に多重化すると共に、画面の上下の無画面部に送られてくるVT 及びVH 信号に対して、オフセットを付加し、輝度信号として記録できるようにする。これと共に、EDTV−2の信号から、ライン22、285に送られてくる識別信号をデコードし、アスペクト比、VT 、VH 、HH の各信号成分の有無のデータを取り出す。ディジタルVTR3は、サンプリング周波数13.5MHzで処理を行っているので、約6MHzの帯域まで記録可能である。EDTV−2記録処理回路2からは、コンポーネントカラー信号Y、CR 、CB が出力され、このコンポーネントカラー信号がディジタルVTR2に供給される。また、アスペクト比、VT 、VH 、HH の各信号成分の有無のデータ、カラー位相情報がディジタルVTR3に送られる。
【0027】
ディジタルVTR3は、コンポーネントカラー信号Y、CR 、CB をディジタル化し、DCTと可変長符号を用いて圧縮し、回転ヘッドにより磁気テープに記録するものである。また、EDTV−2の信号を記録する際には、EDTV−2記録処理回路2からアスペクト比や、VT 、VH 、HH の各信号成分の有無等のデータが与えられ、これらがディジタルVTR3でVAUXデータとして保存される。この時、この実施例では、HH 信号をデコードして6MHzの帯域のままで信号を復元しているため、HH 信号は無しとして保存される。なお、ディジタルVTR3でビデオ信号を記録する際には、有効部分のみが抽出される。識別信号等が送られてくるライン22、285のうち、ライン22は有効ライン外となるが、ライン285は有効ライン内にある。この実施例では、このライン285の信号がペデスタルレベルの信号にすげ替えられる。これにより、これらの信号が有効画面として記録されることがなくなり、色再現性の劣化や、画質の劣化が防止される。
【0028】
図2は、再生系の構成を示すものである。図2において、ディジタルVTR5からは、コンポーネントカラービデオ信号Y、CR 、CB が出力される。このコンポーネントカラービデオ信号Y、CR 、CB は、前述したように、主画面部から再生される輝度信号はHH 信号が多重化されたものであり、画面の上下の無画面部の輝度信号は、オフセットが付加されたVT 及びVH 信号である。このコンポーネントカラービデオ信号Y、CR 、CB がEDTV−2再生処理回路6に供給される。また、ディジタルVTR5からは、VAUXデータから、アスペクト比や、VT 、VH 、HH の各信号成分の有無等のデータ、カラー位相データが出力される。これらのデータがEDTV−2再生処理回路6に供給される。
【0029】
EDTV−2再生処理回路6は、無画面部のVT 及びVH 信号のオフセットを除去する。更に、アスペクト比のデータや、VT 、VH 、HH の各信号成分の有無等を示す識別信号や、EDTV−2であることを識別するための2.04MHzの確認信号を発生し、これらをライン22とライン285に多重化する。
【0030】
EDTV−2再生処理回路6の出力がワイド画面のテレビジョン受像機7に供給される。テレビジョン受像機7は、EDTV−2のデコーダを有している。テレビジョン受像機7で、EDTV−2方式の信号がデコードされ、これがテレビジョン画面に映出される。
【0031】
この実施例では、輝度信号は6MHzの帯域まで戻されている。通常のコンポジットビデオ入力やS入力では、ディジタルVTR3から6MHzの帯域がそのまま伝送できるので、何等処理を必要とせずに、高画質が得られる。
【0032】
b.EDTV−2記録処理回路
図3は、EDTV−2記録処理回路2の一例である。図3において、入力端子11にEDTV−2の信号が供給される。入力端子11からの信号は、3次元Y/C分離回路12に供給される。3次元Y/C分離回路12により、輝度信号Yとクロマ信号Cとが分離される。これと共に、3次元Y/C分離回路12で、吹抜ホールに多重化されている信号が取り出され、これがHH 信号復調回路13に供給される。HH 信号復調回路13で、吹抜ホールに多重化されていたHH 信号が復調される。このHH 信号復調回路13の出力から、周波数4.2〜6MHzの高域水平輝度成分が得られる。このHH 信号復調回路13の出力が加算回路14に供給される。
【0033】
Y/C分離回路12からは、周波数4.2MHzまでの輝度信号Yと、クロマ信号Cとが出力される。輝度信号Yが加算回路14に供給される。加算回路14で、この周波数4.2MHzまでの輝度信号Yに、HH 信号復調回路13からの周波数4.2〜6MHzの高域水平輝度成分が付加される。加算回路14の出力がスイッチ回路15の端子15Aに供給される。Y/C分離回路12からのクロマ信号がスイッチ回路16に供給される。
【0034】
また、入力端子11からの信号は、オフセット付加回路17に供給されると共に、識別信号デコード回路18に供給される。また、入力端子11からの信号中の同期信号が同期分離回路20で検出される。同期分離回路20の出力がラインデコーダ21に供給される。ラインデコーダ21の出力が識別信号デコード回路18に供給されると共に、スイッチ制御回路22に供給される。
【0035】
オフセット付加回路17は、輝度信号として処理できるように、無画部分に送られてくるVT 及びVH 信号にオフセットを与えるものである。このオフセット付加回路17の出力がスイッチ回路15の端子15Bに供給される。
【0036】
識別信号検出回路18は、ライン22、285に送られてくるアスペクト比、VT 、VH 、HH の各信号成分の有無のデータを検出する。この識別信号検出回路13の出力がデータ出力端子19から出力される。また、識別信号検出回路18で検出された識別信号に応じて、3次元Y/C分離回路12の状態が設定される。
【0037】
スイッチ制御回路22は、主画面部と無画面部とを切り換えるスイッチ制御信号を形成する。このスイッチ制御信号がスイッチ回路15及び16に供給される。このスイッチ制御信号により、スイッチ回路15及び16が主画面と無画面とで切り換えられる。
【0038】
すなわち、画面の中央の主画面部では、スイッチ回路15が端子15A側に設定されると共に、スイッチ回路16がオンされる。上下の無画面部では、スイッチ回路15が端子15B側に設定されると共に、スイッチ回路16がオフされる。したがって、スイッチ回路15からは、主画面部では、水平高域成分HH が付加された輝度信号Yが出力され、無画面部では、オフセットが付加された垂直解像度補強信号VT 、VH が出力される。スイッチ回路16からは、主画面部では、クロマ信号Cが出力され、無画面部では、信号が出力されない。
【0039】
スイッチ回路15の出力が出力端子23から出力される。スイッチ回路16の出力が色復調回路24に供給される。色復調回路24で、クロマ信号Cから色差信号CR 、CB が復調される。この色差信号CR 、CB が出力端子25及び26から出力される。
【0040】
c.EDTV−2の場合のディジタルVTRの記録系
図4は、ディジタルVTR3の記録系の構成を示すものである。図4において、入力端子31、32、33には、コンポーネントカラービデオ信号Y、CR 、CB が供給される。このコンポーネントカラービデオ信号Y、CR 、CB がA/Dコンバータ34に供給される。A/Dコンバータ34は、コンポーネント信号Y、CR 、CB を、周波数13.5MHzのサンプリングクロックで、ディジタル化するものである。NTSC方式の場合には、輝度信号Yの情報量4に対して色差信号CR 、CB の情報量が夫々1とされ、所謂4:1:1でディジタル化される。A/Dコンバータ34の出力がマスキング回路38に供給される。
【0041】
また、入力ビデオ信号が同期分離回路35に供給される。同期分離回路35で、同期信号が検出される。この同期分離回路35の出力がラインデコーダ36に供給される。ラインデコーダ36の出力がマスキング信号発生回路37に供給される。マスキング信号発生回路37には、コントローラ30から、EDTV−2方式の信号であるかどうかを示す信号が供給される。マスキング信号発生回路37は、EDTV−2方式の信号が入力された場合には、ライン285でマスキング信号を発生する。このマスキング信号がマスキング回路38に供給される。
【0042】
マスキング回路38により、EDTV−2方式の信号が入力された場合には、ライン285の信号が所定の値(例えばペデスタルレベルを示す値16)にマスキングされる。
【0043】
マスキング回路38の出力が有効情報抽出回路39に供給される。有効情報抽出回路39で、垂直ブランキング期間や水平ブランキング期間等、有効画面外ののデータが落とされ、有効画面内のデータだけが抽出される。ここで、有効ラインとしては、フィールド1の23ライン〜262ラインと、フィールド2の285ライン〜524ラインとされている。EDTV−2では、アスペクト比のデータや、VT 、VH 、HH の各信号成分の有無等の識別信号や、EDTV−2であることを識別するための2.04MHzの確認信号がライン22とライン285に多重化されているが、ライン22は有効ライン内にないので、ここで除去される。ライン285については、有効ライン内にあるが、マスキング回路38により、ペデスタルレベルにすげ替えられている。
【0044】
有効情報抽出回路39の出力がブロック化及びシャフリング回路40に供給される。ブロック化及びシャフリング回路40で、(8×8)のブロックにブロック化され、そして、圧縮が画面全体で平均化されると共に、ヘッドのクロッグやテープの損傷等でデータが集中的に欠落するのを防ぐために、シャフリングがなされる。
【0045】
ブロック化及びシャフリング回路40の出力が圧縮回路41に供給される。圧縮回路41は、DCT変換と、可変長符号化により、ビデオデータを圧縮するものである。すなわち、圧縮回路41は、DCT変換回路と、DCT変換されたデータを量子化する量子化器と、総符号量を推定し最適な量子化器を決定するエスティメータと、2次元ハフマン符号を用いてデータを圧縮する可変長符号化回路とを有している。圧縮回路41で、(8×8)の時間領域のデータが(8×8)の周波数領域の係数データに変換され、これが量子化され、可変長符号化される。
【0046】
圧縮回路41の出力がフレーム化回路42に供給される。フレーム化回路42で、所定のシンクブロック中に所定の規則で、ビデオデータが詰め込まれる。フレーム化回路42の出力がVAUX付加回路43に供給される。
【0047】
VAUX付加回路43には、VAUX発生回路44から、VAUXデータが供給される。VAUX発生回路44には、コントローラ30からデータがVAUXデータが与えられる。VAUX付加回路43でVAUXデータが付加されたビデオデータは、マルチプレクサ45に供給される。
【0048】
端子46には、EDTV−2記録処理回路2(図3)から、アスペクト比データ、識別信号のデータ(VT 、VH 、HH の各信号成分の有無等)、カラー位相情報が供給される。VAUX発生回路44から発生されるVAUXデータには、これらのデータが含まれている。
【0049】
具体的には、VAUXに図12に示すTRパック(ヘッダー66h)が設けられ、識別信号のデータがこのTRパックに記録される。また、アスペクト比情報は、VAUXのソースコントロールパック(ヘッダーPC0=61h)のDISP(Display Select Mode)として記録される。また、カラー位相情報がVAUXのソースパック(ヘッダーPC0=60h)のCLF(Color Frame Identification Code)として記録される。
【0050】
また、入力端子47には、オーディオ信号が供給される。このオーディオ信号がA/Dコンバータ48に供給される。A/Dコンバータ48で、オーディオ信号がディジタル化される。このオーディオ信号がオーディオ信号処理回路49に供給される。オーディオ処理回路49で、オーディオデータが所定のシンクブロック内に詰め込まれる。オーディオ信号処理回路49の出力がAAUX付加回路50に供給される。
【0051】
AAUX付加回路50には、コントローラ30からの制御の基に、AAUX発生回路51から、AAUXデータが供給される。AAUX付加回路50で、オーディオデータにAAUXデータが付加される。このAAUXデータが付加されたオーディオデータがマルチプレクサ回路45に供給される。
【0052】
サブコード発生回路52で、サブコードが発生される。サブコードデータは、高速サーチの際に用いられる。このサブコードデータがマルチプレクサ回路45に供給される。
【0053】
マルチプレクサ回路45で、ビデオデータと、オーディオデータと、サブコードデータとが切り換えられる。このマルチプレクサ回路45の出力がエラー訂正符号化回路54に供給される。エラー訂正符号化回路54で、記録データにエラー訂正符号が付加される。エラー訂正符号化回路54の出力がチャネルコード55に供給される。チャネルコーダ55で、記録データが24/25変換される。ここで、更に、ディジタル記録に適したパーシャルレスポンスクラス4のコーディング処理が行われる。チャネルコーダ55の出力が記録アンプ(図示せず)を介してヘッド56に供給される。
【0054】
ビデオトラックには、図5に示すように、トラックが形成される。各トラックの先頭には、ITIエリアが設けられ、これに続いて、オーディオエリアと、ビデオエリアと、サブコードエリアが設けられる。ITIエリアは、アフレコを確実に行うためのタイミングブロックで、これ以降のエリアに書かれたデータをアフレコして書き直す場合に、位置決めを正確に行うために用いられる。オーディオエリアには、オーディオデータが記録される。ビデオエリアには、圧縮されたビデオデータが記録される。サブコードエリアは、高速サーチに用いられる。NTSC方式のデータを記録する場合、1ビデオフレームは10トラックで記録される。
【0055】
図6及び図7は、オーディオエリアのデータの構成を示すものである。図6に示すように、1シンクブロックは90バイトで構成される。データ部の前半の5バイトは、プリシンク、ポストシンクとされ、データ部は77バイト(オーディオデータ72バイトとAAUX5バイト)とされる。データ部は、水平パリティC1(8バイト)と垂直パリティC2(5シンクブロック)により保護されている。図7に示すように、1トラック当たりでは、14シンクブロックが配置される。データ部の前半5バイトはAAUX用である。この5バイトで1パックが構成される。
【0056】
図8及び図9は、ビデオエリアのデータの構成を示すものである。ビデオエリアの1シンクブロックは、90バイトで構成される。データ部の前半の5バイトは、プリシンク、ポストシンクとされ、データ部は77バイトとされる。図8及び図9に示すように、水平パリティC1(8バイト)と垂直パリティC2(11シンクブロック)により、保護されている。
【0057】
図9は、ビデオセクタの149シンクブロックを縦に並べたものである。図9に示すように、上部の2シンクブロックと、C2パリティの直前の2シンクブロックがVAUX用として確保されている。VAUX用とC2パリティ用以外には、ビデオデータが格納される。図9において、中央部の135シンクブロックがビデオ信号の格納エリアである。図中、BUF0からBUF26は、夫々、バッファリングユニットを示している。1バッファリングユニットは、5シンクブロックで構成され、1トラックに27個のバッファリングユニットが含まれる。また、1ビデオフレーム、10トラックでは、270バッファリングユニット存在する。つまり、1フレームの画像データのうち、画像として有効なエリアを抜き出し、そこをサンプリングして集め270個のグループが形成される。その1グループが1バッファリングユニットである。
【0058】
1バッファリングユニット毎に、DCT変換、量子化、可変長符号化等によっデータ圧縮を試み、発生する符号量が目標データ以下かどうかが評価される。そして、発生データ量が目標以下となるような量子化ステップが決定され、この量子化ステップを用いて実際の符号化がなされる。そして、発生した符号化データが1バッファリングユニット、5シンクブロックに詰め込まれる。
【0059】
図10は、サブコードエリアのデータ構成を示すものである。サブコードエリアは、図10に示すように、12シンクブロックで構成される。1シンクブロックは、12バイトであり、ビデオエリアやオーディオエリアの1シンクブロックより短くされている。これは、高速サーチを可能にするためである。1シンクブロックの先頭には、1バイトのプリシンクとポストシンクが設けられる。これに続いて、ID0、ID1とからなるIDデータと、ID0、ID1に対するパリティであるIDPとの3バイトが付加される。次に、5バイトのメインデータエリアが設けられ、更に、2バイトのパリティが付加される。メインデータエリアには、タイムコード、記録年月日等、高速サーチに必要なものが格納される。
【0060】
図10C及び図10Dに示すように、ID0には、高速サーチ時にアドレスを検出するためのF/Rフラグが設けられる。これに続いて、図10Cに示すように、シンクブロック番号SB0とSB6では、サブコードのデータ構成を示すアプリケーションID(API3)が配置され、次のID1と跨ぐように、絶対トラック番号が配置される。それ以外のシンクブロック番号では、図11Dに示すように、F/Rフラグが設けられ、これに続いて、インデックスID、スキップID、フォトピクチャIDが設けられ、ID1と跨ぐように、絶対トラック番号が設けられる。ID1には、絶対トラック番号とシンク番号が設けられる。
【0061】
オーディオエリアの予備データAAUX、ビデオエリアの予備データVAUX、サブコードデータ及びメモリ付カセットのデータ(図示せず)は、図11に示すような、共通のパック構造で記述されている。パックは、基本的には5バイト(PC0〜PC4)で構成され、先頭の1バイトがヘッダ、残りの4バイトがデータである。
【0062】
ヘッダーは、上位4ビットと、下位4ビットに分かれ、2階層とされ、更に、データのビットアサインによりその下の階層まで拡張することができる。この階層化により、パックの内容は明確に系統だてられ、その拡張も用意となる。そして、この上位ヘッダと下位ヘッダにより256の空間は、パックヘッダ表として、そのパックの内容と共に準備される。これを用いて、各エリアが記述される。パック構造は5バイトを基本とするが、例外として、メモリ付カセット内に文字を記述する時には、可変長とされる。
【0063】
図12は、識別信号の格納されるVAUXのTRパックの構成を示すものである。TRパックは、ヘッダーバイトPC0が「66h」とされる。データタイプ(DATA TYPE)は4ビットで、各種信号を区別する。このデータタイプ(DATA TYPE)は、以下のように定義される。
【0064】
0000=VBID
0001=WSS
0010=EDTV−2 in 22ライン
0011=EDTV−2 in 285ライン
0100= No Information
その他=未定義
【0065】
このTRパックには、EDTV−2の信号を記録した場合には、前述したように、ライン22及びライン285の識別信号のデータが格納される。データ部は、28ビット分用意されている。そして、水平同期信号に近いほうをLSBとして、順にデータが詰め込まれる。
【0066】
図13は、カラー位相情報が格納されるVAUXのソースパックの構成を示すものである。ソースパックは、ヘッダバイトPC0が「60h」とされる。PC1には、カラーフレーム識別コード(CLF)が格納される。カラーフレーム識別コード(CLF)は、525/60システムでは、以下のように定義されている。
【0067】
00=カラーフレームA
01=カラーフレームB
その他はリザーブ
【0068】
また、625/50システムでは、以下のように定義されている。
00=第1、第2フィールド
01=第3、第4フィールド
10は第5、第6フィールド
11=第7、第8フィールド
【0069】
図14は、アスペクト比情報が格納されるVAUXのソースコントロールパックの構成を示すものである。ソースコントロールパックは、ヘッダバイトPC0が「61h」とされる。PC2には、ディスプレイセレクモード(DISP)が設けられる。このディスプレイセレクトモード(DISP)により、以下のように、アスペクト比が定義される。
【0070】
000=4:3ノーマル
001=4:3レターボックス
010=16:9
【0071】
d.EDTV−2の場合のディジタルVTRの再生系
図15は、ディジタルVTRの再生系5の構成の一例である。図15において、ヘッド61の再生信号は、再生アンプ(図示せず)を介して、チャンネルデコーダ62に供給される。チャンネルデコーダ62で、再生信号が復調される。チャンネルデコーダ62の出力がエラー訂正回路63に供給される。エラー訂正回路63により、エラー訂正処理がなされる。エラー訂正回路63の出力がデマルチプレクサ64に供給される。
【0072】
デマルチプレクサ64により、オーディオエリアの再生データと、ビデオエリアの再生データと、サブコードエリアの再生データとが分けられる。
【0073】
オーディオエリアの再生データは、オーディオ処理回路67に供給される。また、オーディオエリアの再生データ中のAAUXデータがAAUXデコード回路68で検出される。このAAUXデータがコントローラ60に供給される。オーディオ処理回路67で、時間軸変換、補間等の処理がなされる。オーディオ処理回路67の出力がD/Aコンバータ70に供給される。D/Aコンバータ70の出力が出力端子71から出力される。
【0074】
ビデオエリアの再生データは、デフレーム回路65に供給される。また、ビデオエリアの再生データ中のVAUXデータがVAUXデコード回路66で検出される。このVAUXデータがコントローラ60に供給される。
【0075】
なお、VAUXのTRパックからは、ライン22及びライン285の識別信号のデータが得られる。VAUXのソースパックからは、カラー位相情報が得られる。また、VAUXのソースコントロールパックからは、アスペクト情報が得られる。これらの情報は、データ出力端子79から出力され、EDTV−2再生処理回路6(図6)に送られる。
【0076】
サブコードエリアの再生データは、サブコードデコード回路69で検出される。このサブコードデータがコントローラ60に供給される。
【0077】
デフレーム回路65の出力が伸長回路72に供給される。伸長回路72は、可変長符号の復号と、逆DCT変換により、圧縮記録されていたビデオ信号を元の時間領域のビデオ信号に変換するものである。伸長回路72の出力がデシャフリング及びデブロック化回路73に供給される。デシャフリング及びデブロック化回路73からは、再生コンポーネントカラービデオ信号Y、CR CB が得られる。この再生コンポーネントカラービデオ信号Y、CR CB が情報付加回路74に供給される。情報付加回路74は、水平同期信号や垂直同期信号等を付加するものである。この情報付加回路74の出力がD/Aコンバータ75に供給される。D/Aコンバータ75の出力が出力端子76、77、78から出力される。
【0078】
EDTV−2のビデオ信号を再生した場合には、この実施例では、主画面部の再生輝度信号Yには、周波数4.2MHzまでの輝度信号に加えて、周波数4.2〜6MHzの高域輝度成分が付加されている。また、無画面部の再生輝度信号Yは、オフセットが付加されたVT 及びVH 信号である。また、データ出力端子79からは、アスペクト比情報、カラー位相情報、VT 、VH 、HH の各信号成分の有無のデータが取り出される。そして、識別信号等を配置するライン22は、有効画面外なので、ペデスタルレベルとなっている。また、ライン285は、有効画面内であるが、VTRの記録系のマスキング回路38でペデスタルレベルにすげ替えられている。
【0079】
e.EDTV−2再生処理回路
図16は、EDTV−2再生処理回路6の構成を示すものである。図16において、入力端子81に再生輝度信号Yが供給され、入力端子82及び83に再生色差信号CR 、CB が供給される。また、データ入力端子84に、アスペクト比情報、カラー位相情報、VT 、VH 、HH の各信号成分の有無のデータが与えられる。
【0080】
入力端子81からの再生輝度信号は、スイッチ回路85に供給されると共に、入力信号の同期信号が同期分離回路86で検出される。入力端子82及び83からの再生色差信号CR 、CB は、変調回路90に供給される。変調回路90で、色差信号CR 、CB から、クロマ信号Cが形成される。この変調回路90の出力がスイッチ回路91に供給される。
【0081】
同期分離回路86の出力がラインデコーダ87に供給される。ラインデコーダ87で、ライン数がデコードされる。ラインデコーダ87の出力がスイッチ制御回路88に供給されると共に、識別信号発生回路89に供給される。スイッチ制御回路88は、主画面部と無画面部とを切り換えるスイッチ制御信号を形成する。このスイッチ制御信号がスイッチ回路85及び91に供給される。このスイッチ制御信号により、スイッチ回路85及び91が主画面と無画面とで切り換えられる。すなわち、画面の中央の主画面部では、スイッチ回路85が端子85A側に設定されると共に、スイッチ回路91がオンされる。上下の無画面部では、スイッチ回路85が端子85B側に設定されると共に、スイッチ回路91がオフされる。
【0082】
主画面の部分では、スイッチ回路85が端子85A側に設定され、入力端子81からの信号は、スイッチ回路85を介して、加算回路95に供給される。また、主画面の部分では、スイッチ回路91がオンしている。このため、加算回路95には、変調回路90からクロマ信号Cが供給される。加算回路95で、輝度信号Yとクロマ信号Cとが合成される。加算回路95の出力が加算回路97に供給される。
【0083】
無画面部では、スイッチ回路85が端子85B側に設定され、入力端子81からの信号は、オフセット除去回路96に供給される。オフセット除去回路96で、オフセットが取り除かれる。オフセット除去回路96の出力が加算回路97に供給される。加算回路97の出力が加算回路98に供給される。
【0084】
データ入力端子84からのデータは、識別信号発生回路89に供給される。識別信号発生回路89には、ラインデコーダ87の出力が供給される。識別信号発生回路89は、ライン22及び285の信号を発生する。すなわち、識別信号発生回路89は、ライン22及び285で、アスペクト比を示すNRZの信号と、VT 、VH 、HH の各信号成分の有無を示す識別信号と、EDTV−2であることを識別するための2.04MHzの確認信号とを発生する。この信号が加算回路98に供給される。
【0085】
加算回路98により、ライン22及び285で、アスペクト比を示すNRZの信号と、VT 、VH 、HH の各信号成分の有無を示す識別信号と、EDTV−2であることを識別するための2.04MHzの確認信号が付加される。このように、ライン22及び285に信号を付加する際、ライン22及び285の再生信号はペデスタルレベルであったので、誤り無くデータを付加できる。加算回路98の出力が出力端子99から取り出される。
【0086】
このようにして出力される信号は、EDTV−2の方式の信号であるから、EDTV−2対応のテレビジョン受像機に供給すれば、ワイド画面で高品質の再生画面を楽しむことができる。
【0087】
f.PALpluの場合の全体構成
次に、PALplus方式の場合について説明する。図17及び図18は、PALplus方式の信号を記録する場合の実施例である。
【0088】
図17において、101はチューナ、102はPALpus記録処理回路、103はディジタルVTRである。チューナ101で、PALplusの信号が受信される。PALplusの信号には、画面の上下に、垂直解像度を補強するためのヘルパー信号が多重される。そして、PALplus方式の場合には、ライン23にアスペクト比やヘルパー信号の有無を示すWSS(Wide Screen Signaling)信号が設けられ、更にヘルパー信号がある場合には、そのラインの後半に、サブキャリア周波数(4.43MHz)のリファレンスバースト信号が設けられる。更にライン623に白100%のレベルを示すリファレンス信号が送られてくる。このPALplusの受信信号がPALplus記録処理回路102に供給される。
【0089】
PALplus記録処理回路102は、ディジタルVTR103で記録可能とするように、PALplusの信号を処理するものである。このPALplus信号処理102は、画面の上下の無画面部に送られてくるヘルパー信号をデコードし、オフセットを付加し、輝度信号として記録されるようにする。これと共に、PALplus信号から、ライン23に送られてくるWSS信号をデコードし、アスペクト比情報やヘルパー信号の有無を示す情報等をディジタルVTR103に送る。
【0090】
ディジタルVTR103は、コンポーネントカラー信号Y、CR 、CB をディジタル化し、DCTと可変長符号を用いて圧縮し、回転ヘッドにより磁気テープに記録するものである。また、PALplusの信号を記録する際には、アスペクト比や、ヘルパー信号の有無等のデータが与えられ、これらがディジタルVTR103のVAUXデータとして記録される。なお、ディジタルVTR103でビデオ信号を記録する際には、有効部分のみが抽出される。WSS信号が送られてくるライン23は有効ライン内にある。この実施例では、このライン23の信号がペデスタルレベルの信号にすげ替えられる。これにより、これらの信号が有効画面として記録されることがなくなり、色再現性の劣化や、画質の劣化が防止される。
【0091】
図18は、再生系の構成を示すものである。図18において、ディジタルVTR105からは、コンポーネントカラービデオ信号Y、CR 、CB が出力される。このコンポーネントカラービデオ信号Y、CR 、CB がPALplus再生処理回路106に供給される。また、ディジタルVTR105からは、VAUXデータから、ヘルパー信号の有無やアスペクト比を示すデータが出力される。これらのデータがPALplus再生処理回路106に供給される。
【0092】
PALplus再生処理回路106は、無画面部のヘルパー信号のオフセットを除去し、変調する。更に、アスペクト比のデータや、ヘルパー信号の有無を示すWSS信号とリファレンス信号を発生し、これらをライン23に多重化する。
【0093】
PALplus再生処理回路106の出力がワイド画面のテレビジョン受像機107に供給される。テレビジョン受像機107には、PALplusデコーダが備えられている。テレビジョン受像機107で、EDTV−2方式の信号がデコードされ、これがテレビジョン画面に映出される。
【0094】
g.PALplus記録処理回路
図19は、PALplus記録処理回路102の一例である。図19において、入力端子111にPALplusの信号が供給される。入力端子111からの信号は、Y/C分離回路112に供給される。Y/C分離回路112により、輝度信号Yとクロマ信号Cとが分離される。Y/C分離回路112からの輝度信号Yがスイッチ回路114の端子114Aに供給される。Y/C分離回路112からのクロマ信号がスイッチ回路120に供給される。
【0095】
また、入力端子111からの信号は、ヘルパー信号復調回路113に供給されると共に、WSSS信号デコード回路116に供給される。また、入力端子111からの信号中の同期信号が同期分離回路117で検出される。同期分離回路117の出力がラインデコーダ118に供給される。ラインデコーダ118の出力がWSS信号デコード回路116に供給されると共に、スイッチ制御回路119に供給される。
【0096】
ヘルパー信号復調回路113で、ヘルパー信号が復調される。ヘルパー信号復調回路113の出力がオフセット付加回路115に供給される。オフセット付加回路115は、輝度信号として処理できるように、復調されたヘルパー信号にオフセットを与えるものである。このオフセット付加回路115の出力がスイッチ回路114の端子114Bに供給される。
【0097】
WSS信号検出回路116は、ライン23に送られてくるWSS信号を検出する。このWSS信号検出回路116の出力がデータ出力端子125から出力される。
【0098】
スイッチ制御回路119は、主画面部と無画面部とを切り換えるスイッチ制御信号を形成する。このスイッチ制御信号がスイッチ回路114及び120に供給される。このスイッチ制御信号により、スイッチ回路114及び120が主画面と無画面とで切り換えられる。
【0099】
すなわち、画面の中央の主画面部では、スイッチ回路114が端子114A側に設定されると共に、スイッチ回路120がオンされる。上下の無画面部では、スイッチ回路114が端子114B側に設定されると共に、スイッチ回路120がオフされる。したがって、スイッチ回路114からは、主画面部では、輝度信号Yが出力され、無画面部では、オフセットが付加されたヘルパー信号が出力される。スイッチ回路120からは、主画面部では、クロマ信号Cが出力され、無画面部では、信号が出力されない。
【0100】
スイッチ回路114の出力が出力端子122から出力される。スイッチ回路120の出力が色復調回路121に供給される。色復調回路121で、クロマ信号Cから色差信号CR 、CB が復調される。この色差信号CR 、CB が出力端子123及び124から出力される。
【0101】
h.PALplusの場合のディジタルVTRの記録系及び再生系
PALplusの信号を記録/再生するディジタルVTR103及び105の構成は、前述のEDTV−2の信号を記録する場合と、同様である。但し、PALplusの信号を記録する場合には、図4におけるA/Dコンバータ34では、コンポーネントカラービデオ信号が4:2:0でディジタル化される。また、マスキング信号発生回路37からは、ライン23でマスキング信号が発生され、ライン23のWSS信号がペデスタルレベルの信号にすげ替えられる。そして、1ビデオフレームが12トラックで記録される。更に、VAUXのTRパックには、WSSのデータが記録され、VAUXのソースコントロールパックには、アスペクト比情報が記録される。
【0102】
i.PALplus再生処理回路
図20は、PALplus再生処理回路106の構成を示すものである。図20において、入力端子131に再生輝度信号Yが供給され、入力端子132及び133に再生色差信号CR 、CB が供給される。また、データ入力端子134に、アスペクト比情報、ヘルパー信号の有無のデータが与えられる。
【0103】
入力端子131からの再生輝度信号は、スイッチ回路135に供給されると共に、入力信号の同期信号が同期分離回路136で検出される。入力端子132及び133からの再生色差信号CR 、CB は、変調回路140に供給される。変調回路140で、色差信号CR 、CB からクロマ信号Cが形成される。この変調回路140の出力がスイッチ回路141に供給される。
【0104】
同期分離回路136の出力がラインデコーダ137に供給される。ラインデコーダ137で、ライン数がデコードされる。ラインデコーダ137の出力がスイッチ制御回路138に供給されると共に、WSS信号発生回路139に供給される。スイッチ制御回路138は、主画面部と無画面部とを切り換えるスイッチ制御信号を形成する。このスイッチ制御信号がスイッチ回路135及び141に供給される。このスイッチ制御信号により、スイッチ回路135及び141が主画面と無画面とで切り換えられる。すなわち、画面の中央の主画面部では、スイッチ回路135が端子135A側に設定されると共に、スイッチ回路141がオンされる。上下の無画面部では、スイッチ回路135が端子135B側に設定されると共に、スイッチ回路141がオフされる。
【0105】
主画面の部分では、スイッチ回路135が端子135A側に設定され、入力端子131からの信号がスイッチ回路135を介して加算回路142に供給される。また、主画面の部分では、スイッチ回路141がオンしている。このため、加算回路142には、変調回路140からクロマ信号Cが供給される。加算回路142で、輝度信号とクロマ信号とが合成される。加算回路142の出力が加算回路143に供給される。
【0106】
無画面部では、入力端子131にヘルパー信号が供給される。このヘルパー信号は、スイッチ回路135を介して、オフセット除去回路144に供給される。オフセット除去回路144で、オフセットが取り除かれる。オフセット除去回路144の出力が変調回路145に供給される。変調回路145で、ヘルパー信号が変調される。変調回路145の出力が加算回路143に供給される。
【0107】
データ入力端子134からのデータは、WSS信号発生回路139に供給される。WSS信号発生回路139には、ラインデコーダ137の出力が供給される。WSS信号発生回路139は、ライン23でWSS信号を発生する。この信号が加算回路146に供給される。
【0108】
加算回路146により、ライン23にWSS信号が付加される。ライン23に信号を付加する際、ライン23の再生信号はペデスタルレベルであったので、誤り無くデータを付加できる。加算回路146の出力が出力端子147から取り出される。このようにして出力される信号は、PALplus方式の信号であるから、PALplus対応のテレビジョン受像機107に供給すれば、ワイド画面で高品質の再生画面を楽しむことができる。
【0109】
【発明の効果】
この発明によれば、EDTV−2のビデオ信号では、ライン22、285に、アスペクト比情報、識別信号、確認信号が送られてくる。このライン22、ライン285のうち、ライン285は、有効ラインにある。ビデオ信号を圧縮記録する際に、このライン285の信号が例えばペデスタルレベルに固定される。また、PALplusのビデオ信号では、ライン23に、WSS信号が送られてくる。このライン23有効ラインにある。ビデオ信号を圧縮記録する際に、このライン23の信号が例えばペデスタルレベルに固定される。このように、EDTV−2やPALplusで、アスペクト比等を示す情報が送られるラインが有効画面内にある場合に、このラインの信号が例えばペデスタルレベルに固定される。これにより、画質の劣化が防げる。
【図面の簡単な説明】
【図1】EDTV−2の信号を記録する場合の説明に用いるブロック図である。
【図2】EDTV−2の信号を再生する場合の説明に用いるブロック図である。
【図3】EDTV−2記録処理回路の一例のブロック図である。
【図4】この発明が適用されたディジタルVTRの記録系のブロック図である。
【図5】この発明が適用されたディジタルVTRにおけるトラック構成の説明に用いる略線図である。
【図6】この発明が適用されたディジタルVTRにおけるオーディオデータの説明に用いる略線図である。
【図7】この発明が適用されたディジタルVTRにおけるオーディオデータの説明に用いる略線図である。
【図8】この発明が適用されたディジタルVTRにおけるビデオデータの説明に用いる略線図である。
【図9】この発明が適用されたディジタルVTRにおけるビデオデータの説明に用いる略線図である。
【図10】この発明が適用されたディジタルVTRにおけるサブコードデータの説明に用いる略線図である。
【図11】パック構造の説明に用いる略線図である。
【図12】パックの説明に用いる略線図である。
【図13】パックの説明に用いる略線図である。
【図14】パックの説明に用いる略線図である。
【図15】この発明が適用されたディジタルVTRの再生系のブロック図である。
【図16】EDTV−2再生処理回路の一例のブロック図である。
【図17】PALplusの信号を記録する場合の説明に用いるブロック図である。
【図18】PALplusの信号を再生する場合の説明に用いるブロック図である。
【図19】PALplus記録処理回路の一例のブロック図である。
【図20】PALplus再生処理回路の一例のブロック図である。
【図21】レターボックス形式の説明に用いる略線図である。
【図22】EDTV−2信号の説明に用いる略線図である。
【図23】EDTV−2信号の説明に用いる略線図である。
【図24】PALplus信号の説明に用いる略線図である。
【図25】PALplus信号の説明に用いる略線図である。
【図26】525/60方式での有効ラインの説明に用いる略線図である。
【図27】625/50方式での有効ラインの説明に用いる略線図である。
【符号の説明】
2 EDTV−2記録処理回路
3、5 ディジタルVTR
6 EDTV−2再生処理回路
38 マスキング回路
Claims (5)
- レターボックス形式で伝送され、無画面部に解像度を補強する信号が多重化されていると共に所定ラインに識別信号が含まれるコンポジットカラービデオ信号を入力する手段と、
上記入力されたコンポジットカラービデオ信号から輝度信号と、色差信号とからなるコンポーネントカラービデオ信号を生成すると共に、上記無画面部の解像度を補強する信号を輝度信号として扱うように処理する手段と、
上記所定ラインに送られてくる識別信号をデコードする手段と、
上記輝度信号、色差信号からなるコンポーネントカラービデオ信号のうち、上記識別信号が含まれている所定ラインの輝度信号を所定のレベルに固定する手段と、
上記輝度信号と、色差信号とからなるコンポーネントカラービデオ信号から有効情報を抽出する手段と、
上記有効情報として抽出された輝度信号と、色差信号とからなるコンポーネントカラービデオ信号を圧縮符号化する手段と、
上記所定ラインに送られてくる識別信号に基づいて予備データを生成する手段と、
上記圧縮符号化された輝度信号と、色差信号とからなるコンポーネントカラービデオ信号に、上記所定ラインに送られてくる識別信号に基づいて生成された予備データを付加する手段と、
上記予備データが付加された上記圧縮符号化された輝度信号と、上記色差信号からなるコンポーネントカラービデオ信号を記録媒体に記録する手段と
を備えるようにしたディジタルビデオ信号記録装置。 - 上記レターボックス形式で伝送され、無画面部に解像度を補強する信号が多重化されたコンポジットカラービデオ信号はEDTV−2の信号であり、上記識別信号が送られてくる所定ラインはライン22とライン285であり、上記固定レベルとされる所定ラインの信号はライン285の信号である請求項1記載のディジタルビデオ信号記録装置。
- 上記レターボックス形式で伝送され、無画面部に解像度を補強する信号が多重化されたコンポジットカラービデオ信号はPALplusの信号であり、上記識別信号が送られてくる所定ラインはライン23であり、上記固定レベルとされる所定ラインの信号はライン23の信号である請求項1記載のディジタルビデオ信号記録装置。
- 上記固定レベルは、ペデスタルレベルである請求項1、2、又は3記載のディジタルビデオ信号記録装置。
- レターボックス形式で伝送され、無画面部に解像度を補強する信号が多重化されていると共に所定ラインに識別信号が含まれるコンポジットカラービデオ信号から、輝度信号と、色差信号とからなるコンポーネントカラービデオ信号を生成すると共に、上記無画面部の解像度を補強する信号を輝度信号として扱うように処理し、
上記所定ラインに送られてくる、上記レターボックス形式のアスペクト比を示す情報を含む識別信号に基づいて予備データを生成し、上記輝度信号、色差信号からなるコンポーネントカラービデオ信号のうち、上記識別信号が含まれている所定ラインの輝度信号を所定のレベルに固定し、
有効情報として抽出された輝度信号と、色差信号とからなるコンポーネントカラービデオ信号を圧縮符号化し、上記圧縮符号化された輝度信号と、色差信号とからなるコンポーネントカラービデオ信号に、生成された上記予備データを付加し、
上記予備データが付加された上記圧縮符号化された輝度信号と、上記色差信号からなるコンポーネントカラービデオ信号が記録された記録媒体を再生するディジタルビデオ信号再生装置において、
上記コンポーネントカラービデオ信号を記録媒体から再生する手段と、
上記再生された圧縮符号化されたコンポーネントカラービデオ信号に対して伸長処理を行い、輝度信号と、色差信号とからなるコンポーネントカラービデオ信号を生成する手段と、
上記予備データを復号し、復号データから上記識別信号を生成する手段と、
上記コンポーネントカラービデオ信号をコンポジットカラービデオ信号に変換すると共に、上記輝度信号の無画面部のオフセットを除去し、
解像度を補強する信号が多重化された上記輝度信号と上記オフセットが除去された無画面部の輝度信号に対して、生成された上記識別信号を上記所定のラインに挿入する手段と
を備えるようにしたディジタルビデオ信号再生装置。
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