JP3598433B2 - Antibacterial caries detection solution - Google Patents

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は歯牙の齲蝕の治療に於いて、齲蝕原因菌に感染した歯質を除去する際に、感染部分を殺菌しつつそこを選択的に染色することにより、当該部位の除去に伴って撒き散らされる高濃度汚染組織細片による口腔内外の汚染を軽減しつつ、感染歯質の除去を容易にする事により、感染歯質の取り残しや感染歯質による再汚染を防止し、齲蝕治療をより安全に行いえる抗菌性齲蝕検知液を提供せんとするものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、歯牙の齲蝕の治療に於いて、齲蝕原因菌に感染した歯質を除去する際に、感染部分を選択的に染色することにより識別性を改善し、感染歯質の除去を可及的に完全にすることを目的として、特開昭５１−３８４２８号にて塩基性フクシンとモノまたは多価アルコールからなる「齲蝕検知液」が提案され、効果を上げてきた。しかし、齲蝕検知液が開発され、商品化され広く使用された後にも、齲蝕治療後の歯髄刺激の報告は跡を絶たず、歯科界の大きな問題であった。
一方、齲蝕の予防を目的として、歯の表面に付着し、齲蝕の原因となる歯垢等を染色するための「歯垢または歯石検知用組成物」が特開昭５１−３８４２７号にて提案されて、毎日のブラッシングを十分に行うための指標を与え、歯垢の危険度を判定するための「齲蝕活性診断用組成物」が特開昭５６−９６７００号にて提案されていた。前者は各種染料を多価アルコール及び／又は水に溶解した組成物であり、後者はｐＨ指示薬を水溶性ポリマーの水溶液に溶解し、さらにクロラムフェニコール及びアジ化ナトリウムから選ばれる抗生物質または防腐剤を配合した組成物であった。
【０００３】
本発明において問題とする歯髄刺激の原因に関しては、充填材成分の歯髄への浸透が最も可能性の高いものとして鋭意研究されてきたが、充填材成分そのものを歯髄に近接して埋入しても大した刺激は起こらず、最近では口腔内細菌の二次的な侵入と、齲蝕原因菌感染部の除去不良等の細菌原因説が有力視されている。近年、口腔内細菌の二次的な侵入を防ぐため、歯質と充填修復材との間の接着性を高めて修復物辺縁のシールを良くする方向に研究が進み、最近の歯質に対する接着技術は非常に高度なレベルに到達している。そのため歯髄刺激の症例は減少したものの、まだ治療後の歯髄刺激の報告は皆無とは言えない。
この歯髄刺激の原因として最後に考えられているのが齲蝕感染歯質の取り残しと、一旦除去された感染歯質の患部への再付着である。本発明者はかかる状況に鑑み、齲蝕原因菌感染部の取り残し及び／又は一旦除去された感染歯質の再付着という可能性を根絶し得る材料について、鋭意研究の結果以下の知見を得た。
【０００４】
▲１▼齲蝕検知液は齲蝕感染部が厚い場合には、一回の染色で完全に最奥部まで染み込む事はできない。このため、齲蝕検知液を何度も使って患部の所在を確認しながら窩洞を形成していくが、それでも最後の確認としての染色を怠った場合には、齲蝕原因菌の除去しきれない可能性がある。
▲２▼感染歯質除去がほぼ終了した時点では、歯質は染色されているのかいないのか判別しにくい場合があること、僅かに染色されている部分を完璧に除去しようとすると切削器具が歯髄腔にまで突き抜けてしまうため、やや染色されていると思っても、除去を途中で止めてしまう場合もある。
▲３▼感染歯質を除去した歯質表面には、スメヤー層と称する削りカスの層が必ず存在し、その中への細菌の混入も疑われている。
▲４▼切削された歯質の表面には象牙細管と称する細管があり、その中にスメヤー層が圧入されたものがスメヤープラグと呼ばれているが、この中にう蝕原因菌により汚染された歯質が圧入されている可能性がある。最近の歯科用接着剤ではスメヤープラグが象牙細管入り口に残っており、スメヤープラグが象牙細管入り口を安全に封鎖していると宣伝されているが、このスメヤープラグが齲蝕原因菌により高濃度に感染された歯質である可能性がある。
▲５▼感染部除去の際に患歯周囲に散布される高濃度汚染歯質が、唾液等の滲出液に混入して患部を再汚染する可能性がある。
【０００５】
ところで、感染歯質の取り残しは避けるべきではあるが、万が一感染歯質を取り残しても、あるいは感染歯質が再付着したとしても、その内に残存する細菌を不活性にすれば新たな齲蝕の発生は起きないはずである。そのためには齲蝕原因菌に対して有効な抗菌剤溶液で窩洞内を処理すれば目的を達し得るはずである。このような試みが学会や歯科雑誌でよく紹介されているが、抗菌剤溶液で齲蝕窩洞を処理しても、抗菌剤溶液が感染歯質の全領域に浸透するか否かは感染歯質の厚み等に依存し、感染歯質の厚みが厚い場合には効果が薄い場合がある。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
上記問題を解決するためには、以下の事項を満足することが必要であると考えるに至った。
▲１▼齲蝕検知液を用いた感染歯質の染色と感染歯質の殺菌とを同時に行うと、それに続く歯質の除去によって発生する削りカスは殺菌済みのものであるため、それの再付着による歯髄刺激の危険性や、近隣の歯や歯茎、器具等を汚染し、新たなう蝕を誘発する危険性は大幅に少なくなる。
▲２▼齲蝕検知のための染色と同時に殺菌を行いつつ感染歯質を除去する作業を繰り返すと、感染歯質の厚みを減らしながら同時に殺菌も行う事になり、病巣深部の細菌に対しても効率よく殺菌を行う事ができる。特に、最後の確認の染色を終えた後は窩洞内の感染歯質の残存はなく、万一再付着した菌がいたとしても、それは完全に殺菌されており、確実な治療が可能になる。本発明者はこのような考え方に基づいて抗菌性齲蝕検知液を発明すべく以下のような検討を加えた。
【０００７】
本発明で使用される抗菌剤は、従来の歯科医療において消毒剤、殺菌剤等として用いられてきた公知のものが使用できるが、▲１▼齲蝕原因菌といわれているｍｕｔａｎｓ ｓｔｒｅｐｔｏｃｏｃｃｉやＬａｃｔｏｂａｃｉｌｌｉ、齲蝕原性をもち得る菌といわれているｓｔｒｅｐｔｏｃｏｃｃｕｓ ｍｉｔｉｓ、ａｃｔｉｎｏｍｙｃｅｓ ｖｉｓｃｏｓｕｓ、さらに歯髄疾患の原因菌とされている偏性嫌気性菌等に対して、例えば１０００μｇ／ｍｌの濃度の溶液を１０秒間作用させた場合に、９９％以上の細菌を殺菌し得るものが好ましい。
▲２▼該抗菌剤は水及び／または水混和性溶媒に可溶性であること。
▲３▼該抗菌剤は本発明の組成物中に保存された場合に、経時的に分解しない安定性を有し、さらに本発明の他の必須成分である色素を退色させないことが必要である。
【０００８】
さらにまた、▲４▼齲蝕患部除去後の治療の段階においても、その抗菌性が継続し残存する物が本発明の齲蝕検知液の用途には非常に好ましい。すなわち、分子内に抗菌性基と重合性基とを合わせ持つ重合性抗菌剤は、それが歯質表面に残存したとしても、それに続く歯面への歯科用接着剤による処理を阻害せず、なおかつ接着操作の間に接着剤と共重合して接着層を強化するために使われる。すなわち、一般的な抗菌剤が歯質表面に残存したとしても、それは接着剤の重合には邪魔をしないとしても、積極的に良いことをしないのに対して、本発明の重合性抗菌剤は、接着の耐久性等を考えると格段に優れた効果が期待できる。さらに、このような化合物には歯質表面を歯科用接着剤との馴染みがよい状態に改質する事も期待し得る。
【０００９】
即ち本発明は、水及び／または水混和性溶媒と、齲蝕感染部を染色して該部位の識別性を向上させ得る色素と、抗菌剤を含有してなる抗菌性齲蝕検知液において、該抗菌剤が下記の一般式（ Ｉ ）、（ ＩＩ ）、（ ＩＩＩ ）及び（ ＩＶ ）で表される分子内に（メタ）アクリロイル基またはスチレン基を有する第４級アンモニウム塩基を有する化合物からなる群から選ばれた少なくとも一種の重合性抗菌剤であることを特徴とする抗菌性齲蝕検知液である。
【００１０】
【化５】

【００１１】
【化６】

【００１２】
【化７】

【００１３】
【化８】

【００１４】
本発明で使用される重合性抗菌剤は、例えば特願平４−２７４５７７号、特願平６−２４３７８１号に記載され、上記一般式（ Ｉ ）、（ ＩＩ ）、（ ＩＩＩ ）及び（ ＩＶ ）に示されるような（メタ）アクリロイル基やスチレン基を有する第４級アンモニウム塩等や、（メタ）アクリロイルオキシ基とピリジニウム塩基を有する化合物が例示される。
【００１５】
これらの中では、臭化メタクリロイルオキシドデシルピリジニウム、臭化メタクリロイルオキシヘキサデシルピリジニウム、臭化メタクリロイルオキシオクタデシルピリジニウム、塩化メタクリロイルオキシドデシルピリジニウム、塩化メタクリロイルオキシヘキサデシルピリジニウム、塩化メタクリロイルオキシオクタデシルピリジニウム、臭化Ｎ，Ｎ−ジメタクリロイルオキシエチルラウリルベンジルアンモニウム、塩化Ｎ，Ｎ−ジメタクリロイルオキシエチルラウリルベンジルアンモニウム、メタクリロイルオキシエチル［４−Ｎ−オクタデシルピリジニルメチル］コハク酸エステル臭化物、メタクリロイルオキシエチル［４−Ｎ−オクタデシルピリジニルメチル］コハク酸エステル塩化物、
【００１６】
メタクリロイルオキシエチル［４−Ｎ−ヘキサデシルピリジニルメチル］コハク酸エステル臭化物、メタクリロイルオキシエチル［４−Ｎ−ヘキサデシルピリジニルメチル］コハク酸エステル塩化物、メタクリロイルオキシエチル［４−Ｎ−ドデシルピリジニルメチル］コハク酸エステル臭化物、メタクリロイルオキシエチル［４−Ｎ−ドデシルピリジニルメチル］コハク酸エステル塩化物、臭化ヘキサデシル［４−３−（５−メタクリロイルオキシ）バレロイルオキシ）プロピル］ピリジニウム、塩化ヘキサデシル［４−（１２−メタクリロイルアミノ）ドデカノイルオキシメチル］ピリジニウム等が好ましい。
【００１７】
また、４−ビニルベンジルメチルドデシルアンモニウムクロライド、４−ビニルベンジルメチルヘキサデシルアンモニウムクロライド、２−スチリルエチルメチルドデシルアンモニウムクロライド、２−スチリルエチルメチルヘキサデシルアンモニウムクロライドなども使用できる。
【００１８】
また、ある種の抗生物質や、アジ化ナトリウム、フェノール、クレゾール、過酸化水素、ヨードホルム、次亜塩素酸等の抗菌剤は、本発明の組成物成分中で容易に分解したり、本発明の必須成分である色素を分解あるいは変質させたり、抗菌剤が歯質表面に残留した場合に、それに積層したラジカル重合性組成物の重合を阻害する可能性が大きく、そのようなものは本発明の組成物には使用できない。
【００１９】
また、本発明の抗菌性齲蝕検知液に使用する色素は、上記溶媒に溶解し、齲蝕検知液の浸透した部分を目視的に明示でき、さらに、これが浸透した部分を水洗しても水洗により除去されない物を選択する必要がある。また、色素の色は天然歯質の色とは明らかに異質で目立つ色が好ましく、赤色、青色、紫、黒その他の濃い色が好ましい。
【００２０】
そのような物として、塩基性フクシン、エオシン、エリスロシン、酸性フクシン、サフラニン、ローズベンガル、ベーメル、フロキシンＢＫ、アシッドレッド、ファストアシッドマゼンダ、フロキシンＢ、ファストグリーンＦＣＦ、ローダミンＢ、ゲンチアナ紫、銅クロロフィルソーダ、ラッカイン酸、コチニール、シソシンよりなる群から選ばれた一種又は二種以上の色素が例示される。溶剤中の色素の濃度は０．１〜２重量％、好ましくは０．１〜１重量％の範囲とする。これより低い場合には十分な着色が得られず、この範囲より高い濃度では第一脱灰層あるいは更に健全な部分にまで着色が及ぶことがあり、かえって識別が困難となる場合がある。
【００２１】
本発明の組成物に使用する溶媒は、水及び／または水混和性溶媒である。該溶媒は色素や抗菌剤を溶かす必要がある。このような溶媒として水と任意の量で混和して均一溶液を形成し得る溶媒が好ましく、そのような水混和性溶媒としては炭素数１０以下で極性基を有し、その粘度が２０ｃｐｓ 以下の溶媒が望ましい。なかでも炭素数２〜１０個を有する有機モノ、ジ又はトリヒドロキシ化合物は齲蝕部分への色素の浸透性を高め、齲蝕部分を鮮明に染色させる効果を有するので好ましい。
【００２２】
これらの化合物としては、たとえば次のようなものがあげられる。エタノール、エチレングリコール、ｎ−プロパノール、イソプロパノール、１，２ープロピレングリコール、１，３ープロピレングリコール、１，２ーブタンジオール、１，３−ブタンジオール、１，４−ブタンジオール、イソブチルアルコール、ｎ−アミルアルコール、イソアミルアルコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノアセテート、
【００２３】
ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリンなどが挙げられ、中でもプロピレングリコール、トリエチレングリコールが良好な結果を与える。また、モノ、ジ、トリヒドロキシ化合物以外の有機溶剤としてはテトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、アセトン、ジメトキシエタン等を挙げることができる。
【００２４】
フェノールは毒性が強くて用いることができず、有機アミンは染着力はあるが臭気あるいは為害作用の面から不適当であり、炭化水素は色素の溶解性がよくなく染着力も水を用いたときより更に劣る。これらの有機溶剤は前述のように水と混合しても用いられ、また、これらの有機溶剤２種以上を混合して用いることもできる。各溶剤の混合量比は溶剤の種類により適宜選ばれる。
【００２５】
本発明の試薬の調製は極めて容易であり、所望量の色素と抗菌剤を有機溶剤、蒸留水またはこれらの混合溶液中に加え、室温または加熱下に撹拌溶解せしめるだけで目的を達成する。また別法としては、色素と抗菌剤をあらかじめ有機溶剤、蒸留水またはこれらの混合液中に所望量より多い量を溶解させておき、使用時にそれに有機溶剤、蒸留水等を加えて希釈し、所望の濃度にしてもよい。
【００２６】
本発明の方法によって得られる抗菌性齲蝕検知液を患者の患歯の窩洞に適用するには、細長いノズルのついた容器にこの試薬を入れ、ノズルの先端よりこの試薬の少量を窩洞内に滴下し、１〜１０秒後に窩洞内を水洗することにより行われる。この極めて簡単な操作によって、残存している第一脱灰層のみが鮮明に染色され、第二脱灰層および健全象牙質はほとんど染色されず、したがって齲蝕原因菌に感染した部分を的確に検知し、同時に感染部の細菌を殺菌あるいは静菌することができる。
【００２７】
実施例により本発明をさらに説明する。
〔実施例１〜８、比較例１〜２〕
下表１に示す各種色素０．５重量部、抗菌剤０．５重量部および有機溶剤１００重量部を室温下にて混合撹拌して、表１に示すように各種の検知試薬を調製した。これを用いて、抜去した齲蝕歯牙の切断面について染着識別性、抗菌性を調べた。染着識別性は試薬を切断面に塗布して約５秒後にその適用部分を水洗して観察し、もともと存在している色相差および硬度差にもとづき判別される齲蝕部分と健全象牙質部分が、より明瞭に染め分けられるかどうかを以下の基準で判定を行った。
【００２８】
＋＋ ；鮮明に染着
＋ ；染着
＋− ；わずかに染着
− ；ほとんど染着しない
【００２９】
抗菌性は齲蝕羅患歯の齲蝕部分に調製した各試薬を塗布して１０秒後に水洗して、染着した部分とさらに深い部分を、エアータービンに装着したカーバイドバーで切削した。その後切削物を無菌的に調製したＢＨＩ（ブレインハートインフュージョン）液体培地中に入れて１０分間超音波洗浄を行った後、一夜培養して齲蝕原因細菌の発育を吸光度から換算し、以下の基準で判定を行った。
【００３０】
＋＋；染着部の細菌の発育阻止が認められ未染着部の細菌の発育は認められなかった。
＋−； 〃 未染着部の細菌の発育は認められた。
−−；染着部の細菌の発育阻止が全く認められず未染着部の細菌の発育も認められた。
【００３１】
【表１】

【００３２】
＊：メタクリロイルオキシドデシルピリジニウムブロマイド
＊＊：臭化メタクリロイルオキシエチル（４−Ｎ−ヘキサデシルピリジニルメチル）コハク酸エステル
＊＊＊：４−ビニルベンジルドデシルアンモニウムクロライド
【００３３】
【発明の効果】
本発明は、齲蝕部分の検知と同時に齲蝕部分に存在する歯髄疾患の原因菌を殺菌または静菌する効果を有する抗菌性齲蝕検知液を提供する。[0001]
[Industrial applications]
In the treatment of dental caries, the present invention removes the dentin infected with the cariogenic bacteria by disinfecting the infected part and selectively staining it, thereby disseminating the affected part. By reducing the contamination inside and outside the oral cavity by the highly concentrated contaminating tissue debris and facilitating the removal of infected dentin, it is possible to prevent leftover of infected dentin and recontamination by infected dentin, and to treat dental caries more effectively. It is intended to provide an antibacterial caries detecting solution that can be safely performed.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, in the treatment of dental caries, when removing the tooth material infected with the cariogenic bacteria, the discrimination is improved by selectively staining the infected part, and the removal of the infected tooth material is possible as much as possible. For the purpose of completeness, a "caries detecting solution" comprising basic fuchsin and a mono- or polyhydric alcohol has been proposed in JP-A-51-38428, and its effects have been improved. However, even after the dental caries detection solution was developed, commercialized and widely used, reports of dental pulp irritation after dental caries treatment continued to be a major issue in the dental community.
On the other hand, a "plaque or calculus detecting composition" for staining plaque or the like that adheres to the surface of teeth and causes dental caries for the purpose of preventing dental caries is proposed in JP-A-51-38427. Japanese Patent Application Laid-Open No. 56-96700 has proposed a "composition for diagnosing dental caries activity" for providing an index for sufficiently performing daily brushing and for determining the risk of plaque. The former is a composition in which various dyes are dissolved in polyhydric alcohol and / or water, the latter is a solution in which a pH indicator is dissolved in an aqueous solution of a water-soluble polymer, and an antibiotic or preservative selected from chloramphenicol and sodium azide. It was a composition containing an agent.
[0003]
Regarding the cause of the dental pulp irritation which is a problem in the present invention, it has been studied diligently as the most likely penetration of the filler component into the dental pulp, but the filler component itself is implanted close to the dental pulp. No significant irritation has occurred. Recently, it has been suggested that bacterial invasion may be caused by secondary invasion of oral bacteria and poor removal of the site infected by the cariogenic bacteria. In recent years, in order to prevent secondary invasion of oral bacteria, research has been conducted in the direction of improving the adhesion between the tooth material and the filling restoration material and improving the seal around the restoration, and The bonding technology has reached a very high level. As a result, although the number of dental pulp stimulation cases has decreased, there are still no reports of dental pulp stimulation after treatment.
The last thought of the cause of the dental pulp stimulation is the residue of the carious infected tooth material and the reattachment of the infected tooth material once removed to the affected area. In view of such circumstances, the present inventor has obtained the following findings as a result of earnest studies on a material capable of eradicating the possibility of leaving behind the infectious site of the cariogenic bacteria and / or reattaching the infected tooth material once removed.
[0004]
{Circle around (1)} When the caries detection part is thick, the caries detection liquid cannot completely penetrate the innermost part by one dyeing. For this reason, the cavity is formed while confirming the location of the affected area using the caries detection solution many times, but if the final confirmation is neglected, the cariogenic bacteria may not be completely removed. There is.
(2) At the time when removal of infected dentin is almost completed, it may be difficult to determine whether the dentin is stained or not. If you try to completely remove the slightly stained part, the cutting instrument will Because it penetrates into the cavity, the removal may be stopped halfway, even if it is considered to be slightly stained.
(3) A layer of shavings called a smear layer always exists on the tooth surface from which the infected tooth has been removed, and it is suspected that bacteria may be mixed into the layer.
(4) On the surface of the cut tooth material, there is a tubule called a dentinal tubule, into which a smear layer is pressed, called a smear plug, which is contaminated by cariogenic bacteria. The dentin may have been pressed. In recent dental adhesives, a smear plug remains at the dentinal tubule entrance, and it is advertised that the smear plug is safely blocking the dentinal tubule entrance. Could be quality.
{Circle around (5)} Highly contaminated dentin sprayed around the affected tooth at the time of removing the infected part may mix into exudate such as saliva and recontaminate the affected part.
[0005]
By the way, it is necessary to avoid leaving the infected dentin, but even if the infected dentin is left behind, or if the infected dentin reattaches, by inactivating the bacteria remaining therein, new dental caries can be generated. No outbreak should occur. For that purpose, treatment of the cavity with an antibacterial solution effective against cariogenic bacteria should achieve the purpose. Such attempts have been well documented in academic societies and in dental journals.However, even if a caries cavity is treated with an antibacterial solution, it is not determined whether the antibacterial solution penetrates all areas of the infected dentin. Depending on the thickness, etc., the effect may be small when the thickness of the infected dentin is large.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
In order to solve the above-mentioned problem, it has been considered that it is necessary to satisfy the following items.
(1) If staining of infected dentin and sterilization of infected dentin using the dental caries detection solution are performed simultaneously, the shavings generated by the subsequent removal of the dentin have been sterilized and thus reattached. The risk of dental pulp irritation due to, and the risk of contaminating nearby teeth, gums, appliances, etc. and inducing new caries are greatly reduced.
(2) Repeating the work to remove infected dentin while performing sterilization at the same time as staining for caries detection, sterilization is performed while reducing the thickness of the infected dentin, and bacteria at the deep part of the lesion are also removed. Sterilization can be performed efficiently. In particular, after the final confirmation staining, no infected dentin remains in the cavity, and any bacteria that have re-attached are completely sterilized, allowing for reliable treatment. The present inventors have made the following studies to invent an antibacterial caries detecting solution based on such a concept.
[0007]
As the antibacterial agent used in the present invention, known antibacterial agents which have been used as disinfectants and bactericides in conventional dental care can be used. (1) Mutans streptococci, Lactobacilli, and caries A solution having a concentration of, for example, 1000 μg / ml was allowed to act for 10 seconds on streptococcus mitis, actinomyces viscosus, which is said to be a bacterium capable of having an origin, and an obligate anaerobic bacterium which is a causative bacterium of dental pulp disease. In this case, a material capable of killing 99% or more of bacteria is preferable.
(2) The antibacterial agent is soluble in water and / or a water-miscible solvent.
(3) It is necessary that the antibacterial agent has stability that it does not decompose with time when stored in the composition of the present invention, and that it does not discolor the dye, which is another essential component of the present invention. .
[0008]
Furthermore, in the treatment stage after the removal of the affected part of the caries, the antibacterial substance which remains and is very preferable for the use of the caries detecting solution of the present invention. In other words, the polymerizable antibacterial agent having both an antibacterial group and a polymerizable group in the molecule, even if it remains on the tooth surface, does not inhibit the subsequent treatment of the tooth surface with the dental adhesive, It is also used to strengthen the adhesive layer by copolymerizing with the adhesive during the bonding operation. That is, even if a general antibacterial agent remains on the tooth surface, it does not actively do good, even if it does not hinder the polymerization of the adhesive, whereas the polymerizable antibacterial agent of the present invention is Considering the durability of bonding and the like, a remarkably excellent effect can be expected. Furthermore, it can be expected that such a compound will modify the surface of the tooth material so that it is compatible with the dental adhesive.
[0009]
That is, the present invention relates to an antibacterial caries detecting solution containing water and / or a water-miscible solvent, a dye capable of staining a carious infection site to improve the discrimination of the site, and an antibacterial caries detection solution. The agent is selected from the group consisting of compounds having a quaternary ammonium base having a (meth) acryloyl group or a styrene group in a molecule represented by the following general formulas ( I ) , ( II ) , ( III ) and ( IV ). An antibacterial caries detecting solution characterized by being at least one selected polymerizable antibacterial agent.
[0010]
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[0011]
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[0012]
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[0013]
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[0014]
The polymerizable antibacterial agent used in the present invention is described in, for example, Japanese Patent Application Nos. 4-274577 and 6-243781, and has the above-mentioned general formulas ( I ), ( II ), ( III ) and ( IV ). And quaternary ammonium salts having a (meth) acryloyl group and a styrene group, and compounds having a (meth) acryloyloxy group and a pyridinium base.
[0015]
Among these, methacryloyloxidedecylpyridinium bromide, methacryloyloxyhexadecylpyridinium bromide, methacryloyloxyoctadecylpyridinium bromide, methacryloyloxidedecylpyridinium chloride, methacryloyloxyhexadecylpyridinium chloride, methacryloyloxyoctadecylpyridinium chloride, N bromide, N-dimethacryloyloxyethyllaurylbenzylammonium, N, N-dimethacryloyloxyethyllaurylbenzylammonium chloride, methacryloyloxyethyl [4-N-octadecylpyridinylmethyl] succinate bromide, methacryloyloxyethyl [4-N- Octadecylpyridinylmethyl] succinate chloride,
[0016]
Methacryloyloxyethyl [4-N-hexadecylpyridinylmethyl] succinate bromide, methacryloyloxyethyl [4-N-hexadecylpyridinylmethyl] succinate chloride, methacryloyloxyethyl [4-N-dodecyl] Pyridinylmethyl] succinate bromide, methacryloyloxyethyl [4-N-dodecylpyridinylmethyl] succinate chloride, hexadecyl bromide [4-3- (5-methacryloyloxy) valeroyloxy) propyl] Pyridinium, hexadecyl chloride [4- (12-methacryloylamino) dodecanoyloxymethyl] pyridinium and the like are preferable.
[0017]
Further, 4-vinylbenzylmethyldodecylammonium chloride, 4-vinylbenzylmethylhexadecylammonium chloride, 2-styrylethylmethyldodecylammonium chloride, 2-styrylethylmethylhexadecylammonium chloride and the like can also be used.
[0018]
Also, certain antibiotics and antibacterial agents such as sodium azide, phenol, cresol, hydrogen peroxide, iodoform, hypochlorous acid, etc. can be easily decomposed in the composition components of the present invention, Decomposing or altering the pigment, which is an essential component, or when the antibacterial agent remains on the tooth surface, there is a great possibility of inhibiting the polymerization of the radically polymerizable composition laminated thereon, such a thing of the present invention Cannot be used in compositions.
[0019]
Further, the dye used in the antibacterial caries detecting solution of the present invention can be dissolved in the above-mentioned solvent, and the portion in which the carious detecting solution has permeated can be visually clearly indicated. You need to choose something that is not done. The color of the pigment is clearly different from the color of the natural tooth and is preferably a conspicuous color. Red, blue, purple, black and other dark colors are preferable.
[0020]
Such substances include basic fuchsin, eosin, erythrosine, acid fuchsin, safranin, rose bengal, bomel, phloxin BK, acid red, fast acid magenta, phloxin B, fast green FCF, rhodamine B, gentian purple, copper chlorophyll soda And one or more dyes selected from the group consisting of laccaic acid, cochineal, and cissosine. The concentration of the dye in the solvent is in the range of 0.1 to 2% by weight, preferably 0.1 to 1% by weight. If the concentration is lower than this range, sufficient coloring cannot be obtained. If the concentration is higher than this range, the coloring may reach the first demineralized layer or a sounder part, and may be difficult to distinguish.
[0021]
The solvent used in the composition of the present invention is water and / or a water-miscible solvent. The solvent needs to dissolve the dye and the antibacterial agent. As such a solvent, a solvent which can be mixed with water in an arbitrary amount to form a uniform solution is preferable, and such a water-miscible solvent has a polar group having 10 or less carbon atoms and has a viscosity of 20 cps or less. Solvents are preferred. Among them, an organic mono-, di- or trihydroxy compound having 2 to 10 carbon atoms is preferable because it has an effect of increasing the penetration of a dye into a carious part and having an effect of sharply staining the carious part.
[0022]
Examples of these compounds include the following. Ethanol, ethylene glycol, n-propanol, isopropanol, 1,2-propylene glycol, 1,3-propylene glycol, 1,2-butanediol, 1,3-butanediol, 1,4-butanediol, isobutyl alcohol, n-amyl Alcohol, isoamyl alcohol, diethylene glycol, triethylene glycol, tetraethylene glycol, ethylene glycol monomethyl ether, ethylene glycol monoethyl ether, ethylene glycol monobutyl ether, ethylene glycol monoacetate,
[0023]
Examples thereof include diethylene glycol monoethyl ether, diethylene glycol monobutyl ether, diethylene glycol monoacetate, triethylene glycol monomethyl ether, triethylene glycol monoethyl ether, and glycerin. Among them, propylene glycol and triethylene glycol give good results. Organic solvents other than the mono, di, and trihydroxy compounds include tetrahydrofuran, dimethylformamide, dimethylsulfoxide, dioxane, acetone, dimethoxyethane, and the like.
[0024]
Phenol is so toxic that it cannot be used.Organic amines have dyeing power but are unsuitable in terms of odor or harmful effects.Hydrocarbons have poor dye solubility and water dyeing power. Even worse. These organic solvents can be used even when mixed with water as described above, or two or more of these organic solvents can be used as a mixture. The mixing ratio of each solvent is appropriately selected depending on the type of the solvent.
[0025]
The preparation of the reagent of the present invention is extremely easy, and the object is achieved only by adding desired amounts of a dye and an antibacterial agent to an organic solvent, distilled water or a mixed solution thereof and stirring and dissolving the mixture at room temperature or under heating. As another method, the dye and the antibacterial agent are previously dissolved in an organic solvent, distilled water or a mixed solution thereof in an amount larger than a desired amount, and diluted with an organic solvent, distilled water, etc. to be used at the time of use, A desired concentration may be used.
[0026]
In order to apply the antibacterial caries detecting solution obtained by the method of the present invention to the cavity of a patient's affected tooth, this reagent is placed in a container having an elongated nozzle, and a small amount of this reagent is dropped into the cavity from the tip of the nozzle. After 1 to 10 seconds, the cavity is washed with water. By this extremely simple operation, only the remaining first demineralized layer is clearly stained, and the second demineralized layer and healthy dentin are hardly stained, so that the part infected with the cariogenic bacteria can be accurately detected. At the same time, bacteria in the infected area can be sterilized or bacteriostatic.
[0027]
The examples further illustrate the invention.
[ Examples 1 to 8, Comparative Examples 1 and 2 ]
0.5 parts by weight of various dyes, 0.5 parts by weight of antibacterial agent and 100 parts by weight of organic solvent shown in Table 1 below were mixed and stirred at room temperature to prepare various detection reagents as shown in Table 1. Using this, the cut surface of the extracted dental caries was examined for dyeing discrimination and antibacterial properties. About 5 seconds after the reagent is applied to the cut surface, the applied part is washed with water and observed, and the carious part and healthy dentin part, which are determined based on the color difference and hardness difference that originally exist, are identified. The following criteria were used to determine whether the dyes could be dyed more clearly.
[0028]
++: Vivid dyeing +; Dyeing +-; Slightly dyeing-; Little dyeing [0029]
The antibacterial property was measured by applying each prepared reagent to the carious part of the carious tooth and washing with water 10 seconds later. The stained part and the deeper part were cut with a carbide bar attached to an air turbine. Thereafter, the cuttings were placed in a BHI (Brain Heart Infusion) liquid medium aseptically prepared, subjected to ultrasonic cleaning for 10 minutes, cultured overnight, and the growth of cariogenic bacteria was calculated from the absorbance, and the following criteria were used. Was determined.
[0030]
++: Inhibition of the growth of bacteria in the stained part was observed, and growth of the bacteria in the unstained part was not observed.
+-; 細菌 The growth of bacteria in the unstained part was observed.
---; No inhibition of the growth of bacteria at the stained portion was observed at all, and growth of bacteria at the unstained portion was also observed.
[0031]
[Table 1]

[0032]
*: Methacryloyl oxide decyl pyridinium bromide **: Methacryloyloxyethyl bromide (4-N-hexadecyl pyridinylmethyl) succinate ***: 4-vinylbenzyl dodecyl ammonium chloride
【The invention's effect】
The present invention provides an antibacterial caries detecting solution that has the effect of detecting a carious part and at the same time sterilizing or bacteriostatically causing bacteria of a dental pulp disease existing in the carious part.

Claims (1)

水及び／または水混和性溶媒と、齲蝕感染部を染色して該部位の識別性を向上させ得る色素と、抗菌剤を含有してなる抗菌性齲蝕検知液において、該抗菌剤が下記の一般式（I）、（II）、（III）及び（IV）で表される分子内に（メタ）アクリロイル基またはスチレン基を有する第４級アンモニウム塩基を有する化合物からなる群から選ばれた少なくとも一種の重合性抗菌剤であることを特徴とする抗菌性齲蝕検知液。

In an antibacterial caries detecting solution containing water and / or a water-miscible solvent, a dye capable of staining a carious infection site to improve the discrimination of the site, and an antibacterial agent, the antibacterial agent may be one of the following general At least one selected from the group consisting of compounds having a quaternary ammonium base having a (meth) acryloyl group or a styrene group in the molecule represented by the formulas (I), (II), (III) and (IV) An antibacterial caries detecting solution, characterized in that it is a polymerizable antibacterial agent.