JP3596659B2 - 波長可変半導体レーザ及びそれを使用した光集積化デバイス - Google Patents

波長可変半導体レーザ及びそれを使用した光集積化デバイス Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信分野及び光情報処理分野(光ディスク、ディスプレイなど)に用いられる波長可変半導体レーザ、及びその波長可変半導体レーザと光導波路デバイスとから構成される光集積化デバイス、並びにそれらの製造方法に関する。特に本発明は、上記のような波長可変半導体レーザを含む半導体レーザチップと光導波路型波長変換デバイスとから構成される集積化短波長光源の構成、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光通信分野において、石英系光波回路プラットフォームの上に半導体レーザ、電子素子、光ファイバなどをハイブリッド集積した小型且つ低コストの光モジュールの開発が、重要視されている。
【0003】
ここで重要なことは、高位置精度で各素子を固定して、伝達損失をできる限り小さくすることである。この目的のために、Si−V溝基板を用いて半導体レーザと単一モードファイバとを直接結合する表面実装型光モジュールが、実現されている(1997年電子情報通信学会総合大会、C−3−63)。この技術では、Si基板及び半導体レーザ素子にマーカを形成し、そのマーカを画像認識することによりV溝中心及び半導体レーザ素子の発光点を検出し、高精度に位置決め調整を行うことで、実装ばらつきをx方向で約±0.61μm、z方向で約±1μmに抑制することを実現している。
【0004】
光情報処理分野において、光ディスクの高密度化及びディスプレイの高繊細化を実現するため、小型の短波長光源が必要とされている。短波長化を実現するための技術としては、半導体レーザと擬似位相整合(以下、「QPM」と記す)方式の光導波路型波長変換デバイスとを用いた第2高調波発生(以下、「SHG」と記す)方法がある(例えば、山本、他:Optics Letters、Vol.16、No.15、p.1156(1991)を参照)。
【0005】
光導波路型波長変換デバイスを用いたブルー光源の概略構成図を、図1に示す。
【0006】
図1の構成では、半導体レーザ110として、分布ブラッグ反射(以下、「DBR」と記す)領域を有する波長可変半導体レーザ110が用いられている。なお、以下では、DBR領域を有する波長可変半導体レーザを、「DBR半導体レーザ」或いは「DBRレーザ」と記す。
【0007】
DBR半導体レーザ110は、例えば0.85μm帯の100mW級AlGaAs系DBR半導体レーザ110であって、活性層領域112とDBR領域111とから構成されている。DBR領域111への注入電流を可変することにより、発振波長を可変することができる。
【0008】
一方、波長変換素子である光導波路型波長変換デバイス116は、X板MgOドープLiNbO基板113に形成された光導波路115と周期的な分極反転領域114とから、構成されている。半導体レーザ110及び波長変換デバイス116は、それぞれサブマウント117及び118の上にジャンクションアップで固定されている。
【0009】
DBR半導体レーザ110の出射端面より得られたレーザ光は、直接、光導波路型波長変換デバイス116の光導波路115に結合される。具体的には、サブマウント117及び118の上におけるDBR半導体レーザ110及び光導波路型波長変換デバイス116の位置関係を調整することにより、半導体レーザ110からの約100mWのレーザ出力に対して、約60mWのレーザ光が波長変換デバイス116の光導波路115に結合する。更に、DBR半導体レーザ110のDBR領域111への注入電流量を制御することによって、その発振波長を、光導波路型波長変換デバイス116の位相整合波長許容度内に固定する。このような構成によって、現在では、波長425nmのブルー光が約10mWの出力で得られる。
【0010】
また、分極反転型導波路デバイスを用いたブルー光源の概略構成図を、図2に示す。
【0011】
DBR半導体レーザ221(0.85μm帯の100mW級AlGaAs系DBR半導体レーザ)には、発振波長を固定するためのDBR部228が設けられており、DBR部228の内部には更に、発振波長を可変するための内部ヒータ(不図示)が形成されている。一方、波長変換素子である分極反転型導波路デバイス224は、X板MgOドープLiNbO基板225に形成された光導波路226と周期的な分極反転領域227とから、構成されている。
【0012】
半導体レーザ221から出射されてコリメートレンズ222(開口数NA=0.5)で平行になったレーザ光229は、フォーカシングレンズ223(開口数NA=0.5)で分極反転型導波路デバイス224の光導波路226の端面に集光され、分極反転領域227をもつ光導波路226に結合される。具体的には、約100mWのレーザ出力に対して、約70mWのレーザ光を光導波路226に結合させることができる。この構成でも、DBR半導体レーザ221のDBR部228への注入電流量を制御して、発振波長を分極反転型導波路デバイス224の位相整合波長許容度内に固定する。
【0013】
得られるブルー光の出力は、光導波路226に結合するレーザ光の出力の2乗に比例して増大するため、高出力のブルー光を得るためには、結合効率が非常に重要な要素となる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
半導体レーザと単一モードファイバとの直接結合による表面実装型光モジュールの場合、半導体レーザの光を高効率に光ファイバ内に結合させるためには、光ファイバの断面に平行なx方向及びy方向に関してはサブミクロンオーダ、光ファイバの光軸に沿ったz方向に関しては数ミクロンオーダの位置調整精度が必要である。この場合、光ファイバは、V溝により高精度に固定される。また、半導体レーザチップも、光ファイバの断面内であって実装基板の表面に平行なx方向や光ファイバの光軸に沿ったz方向に関しては、従来技術でも一般に高精度の位置決め調整が実現されている。しかし、光ファイバの断面内であって実装基板の表面に垂直なy方向における半導体レーザチップの位置決めに関しては、固定のための半田層が存在するために、一般にはサブミクロン以下の精度で位置決め調整及び固定を行うことは困難である。
【0015】
一方、半導体レーザと光導波路型波長変換素子(光導波路デバイス)とから構成される短波長光源においては、現在のところ、図2に示したようなレンズ結合型モジュールが実現されている。しかし、民生分野にそのような短波長光源を応用する場合には、光源の小型化及び低コスト化が必要不可欠であるにもかかわらず、現状のレンズ結合型モジュールでは、レンズの調整及び半導体レーザの調整が必要であって、その量産性は低い。また、構成の全体サイズの小型化も、数cc程度までの小型化が限界である。更なる小型化を実現する技術としては直接結合技術があるが、直接結合型モジュールの低コスト化を更に進めるためには、更に量産性が高く且つ高精度で位置決めできるモジュール化技術が必要とされる。
【0016】
半導体レーザの広がり角は、一般に実装基板の表面に平行な方向(x方向)に小さく、基板表面に垂直な方向(y方向)に大きい。また、プロトン交換法により作製される光導波路の広がり角も、同様に実装基板の表面に平行な方向(x方向)に小さく、基板表面に垂直な方向(y方向)に大きい。そのため、基板表面に垂直な方向(y方向)の位置決め調整精度が厳しくなり、サブミクロン以下の調整精度が要求される。すなわち、半導体レーザを実装するサブマウントから活性層までの高さを、高精度に制御する必要がある。しかし、AlGaAs半導体レーザで一般に基板として用いられるGaAs基板の厚さは、通常はサブミクロン精度では制御されていない。それに対して、活性層などのエピタキシャル層や電極の厚さは、高精度に制御されている。そのため、高さ方向(y方向)の位置を高精度に制御するためには、半導体レーザはジャンクションダウン(活性層が形成された面(=エピタキシャル面)がサブマウントに接する方向)で実装される必要がある。
【0017】
また、ジャンクションアップで実装された半導体レーザでは活性層領域の放熱状態が良くないため、レーザの信頼性も十分ではない。この観点からも、ジャンクションダウンでの実装が必要とされる。
【0018】
しかし、光導波路集積化光源を構成する波長可変半導体レーザとしてのDBR半導体レーザは、DBR領域への注入電流量を制御することによって発振波長を可変する。具体的には、電流注入によってDBR領域の温度を変化させ、その結果として屈折率を変化させることによって、DBR領域からフィードバックする光の波長を可変する。この原理に従うと、ジャンクションダウン実装時にはDBR領域の放熱状態が良くなるために、むしろ波長の可変制御の実現が困難となる。
【0019】
また、光導波路デバイスの固定にあたっても、光ファイバの固定時におけるV溝のような構成の使用は不可能であるため、特にy方向に対して、高精度な位置決め調整が要求される。
【0020】
これより、本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、(1)ジャンクションダウン実装した場合にも安定した波長可変動作が実現できる波長可変半導体レーザを提供すること、(2)上記のような波長可変半導体レーザを含む半導体レーザチップと光導波路デバイスとから構成されている光集積化デバイスにおいて、基板厚さ方向の実装精度を向上させて半導体レーザチップからのレーザ光を光導波路デバイスの光導波路に高効率に結合させることができる光集積化デバイスを提供すること、(3)2つ以上の発光部を有するアレー型半導体レーザチップと2つ以上の光導波路を有する光導波路デバイスとを用いて、同時に多数の光結合を高効率且つ簡便に短時間で調整できる光集積化デバイスを提供すること、(4)上記のような特性を有する光集積化デバイスを高い量産性で容易に製造し得る光集積化デバイスの製造方法を提供すること、及び(5)特に、光導波路デバイスとして光導波路型波長変換デバイスを用いることにより、青色領域から緑色領域の光を発する超小型短波長光源を実現すること、である。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明の波長可変半導体レーザは、サブマウントと、該サブマウントの上に実装されている、少なくとも活性層領域と分布ブラッグ反射領域とを有する半導体レーザチップと、を備え、該半導体レーザチップは、エピタキシャル成長面が該サブマウントと向かい合うように、且つ該活性層領域の放熱状態と該分布ブラッグ反射領域の放熱状態とが異なるように、該サブマウントの上に実装されていて、そのことによって、上記の目的が達成される。
【0022】
ある実施形態では、前記活性層領域の前記サブマウントへの接触面積と前記分布ブラッグ反射領域の該サブマウントへの接触面積とが異なる。
【0023】
本発明の他の波長可変半導体レーザは、サブマウントと、該サブマウントの上に実装されている、少なくとも活性層領域と分布ブラッグ反射領域とを有する半導体レーザチップと、を備え、該半導体レーザチップは、エピタキシャル成長面が該サブマウントと向かい合うように、且つ該活性層領域のみが該サブマウントに接するように、該サブマウントの上に実装されていて、そのことによって、前述の目的が達成される。
【0024】
本発明の更に他の波長可変半導体レーザは、サブマウントと、該サブマウントの上に実装されている、少なくとも活性層領域と分布ブラッグ反射領域とを有する半導体レーザチップと、を備え、該半導体レーザチップは、エピタキシャル成長面が該サブマウントと向かい合うように、該サブマウントの上に実装されており、該サブマウントのうちで、該活性層領域が接する第1の部分の構成材質と該分布ブラッグ反射領域が接する第2の部分の構成材質とが異なり、そのことによって、前述の目的が達成される。
【0025】
ある実施形態では、前記サブマウントの前記第1の部分の熱伝導係数と前記第2の熱伝導係数とが異なる。
【0026】
本発明の光集積化デバイスは、サブマウントの上に実装された半導体レーザと光導波路デバイスとを少なくとも有し、該半導体レーザが上記のような特徴を有する波長可変半導体レーザであって、そのことによって、前述の目的が達成される。
【0027】
本発明の他の光集積化デバイスは、サブマウントと、該サブマウントの上に固定された半導体レーザチップ及び光導波路素子と、を備え、該サブマウントの表面であって該半導体レーザチップが固定される部分及び該光導波路素子が固定される部分の少なくとも一方に溝が形成されており、該溝の内部に該半導体レーザチップ或いは該光導波路素子を固定するための固定部材を有し、そのことによって、前述の目的が達成される。
【0028】
前記固定部材は、半田であり得る。或いは、前記固定部材は、接着剤であり得る。
【0029】
好ましくは、前記半導体レーザチップ或いは前記光導波路素子の固定後の前記固定部材の体積が、前記溝の体積よりも小さい。
【0030】
好ましくは、前記溝が前記半導体レーザチップの発光領域の下方に位置する。
【0031】
ある実施形態では、前記半導体レーザチップは、その活性層側の面が前記サブマウントに対向するように該サブマウントに固定されている。
【0032】
ある実施形態では、前記光導波路素子は光ファイバである。
【0033】
ある実施形態では、前記光導波路素子が、前記半導体レーザチップから放出されるレーザ光を半分の波長の光に変換する波長変換デバイスである。
【0034】
ある実施形態では、前記半導体レーザチップが、活性層領域と分布ブラッグ反射領域とを有する分布ブラッグ反射型半導体レーザチップである。
【0035】
ある実施形態では、前記半導体レーザチップがTEモード偏光で発振し、且つ、前記光導波路素子の光導波路がTEモードの光を伝搬する。
【0036】
ある実施形態では、前記半導体レーザチップの前記サブマウントへの固定後に前記光導波路素子が該サブマウントに固定されたものである。
【0037】
ある実施形態では、前記光導波路素子が平面型光導波路素子である。
【0038】
ある実施形態では、前記平面型光導波路素子が、誘電体基板或いは強誘電体基板の表面に形成された光導波路を有する。
【0039】
ある実施形態では、前記サブマウントの表面に、前記溝に連続して、前記固定部材の逃げ溝が更に形成されている。
【0040】
本発明の更に他の光集積化デバイスは、サブマウントと、該サブマウントの上に固定された半導体レーザチップ及び平面型光導波路素子と、を備え、該平面型光導波路素子が該サブマウントの表面に分子結合力によって固定されており、そのことによって、前述の目的が達成される。
【0041】
ある実施形態では、前記サブマウントがシリコンから構成されており、その表面が酸化されている。
【0042】
ある実施形態では、前記半導体レーザチップは、その活性層側の面が前記サブマウントに対向するように該サブマウントに固定されている。
【0043】
ある実施形態では、前記平面型光導波路素子が、前記半導体レーザチップから放出されるレーザ光を半分の波長の光に変換する波長変換デバイスである。
【0044】
ある実施形態では、前記半導体レーザチップが、活性層領域と分布ブラッグ反射領域とを有する分布ブラッグ反射型半導体レーザチップである。
【0045】
ある実施形態では、前記半導体レーザチップがTEモード偏光で発振し、且つ、前記平面型光導波路素子の光導波路がTEモードの光を伝搬する。
【0046】
ある実施形態では、前記平面型光導波路素子が、誘電体基板或いは強誘電体基板の表面に形成された光導波路を有する。
【0047】
本発明の他の局面によって提供される波長可変半導体レーザは、サブマウントと、該サブマウントの上に実装されている、少なくとも活性層領域と分布ブラッグ反射領域とを有する半導体レーザチップと、を備え、該半導体レーザチップは、エピタキシャル成長面が該サブマウントと向かい合うように実装されていて、該サブマウントの表面には、該半導体レーザチップの該活性層領域と該分布ブラッグ反射領域とを電気的に分離する溝が設けられており、そのことによって、前述の目的が達成される。
【0048】
本発明の他の局面によって提供される光集積化デバイスは、サブマウントと、該サブマウントの上に実装されている、2つ以上の発光部を有するアレー型半導体レーザチップ及び2つ以上の光導波路を有する平面型光導波路素子と、を備え、該アレー型半導体レーザチップの該発光部の間隔と該平面型光導波路素子の該光導波路の間隔とが等しくなっており、そのことによって、前述の目的が達成される。
【0049】
ある実施形態では、前記アレー型半導体レーザチップは、その活性層側の面が前記サブマウントに対向するように該サブマウントに固定されている。
【0050】
ある実施形態では、前記平面型光導波路素子が、前記アレー半導体レーザチップから放出されるレーザ光を半分の波長の光に変換する波長変換デバイスである。
【0051】
ある実施形態では、前記アレー型半導体レーザチップが、活性層領域と分布ブラッグ反射領域とを有する分布ブラッグ反射型半導体レーザチップである。
【0052】
ある実施形態では、前記アレー型半導体レーザチップがTEモード偏光で発振し、且つ、前記平面型光導波路素子の光導波路がTEモードの光を伝搬する。
【0053】
ある実施形態では、前記平面型光導波路素子が、誘電体基板或いは強誘電体基板の表面に形成された光導波路を有する。
【0054】
ある実施形態では、前記アレー型半導体レーザチップの前記発光部の間隔、及び前記平面型光導波路素子の前記光導波路の間隔が、それぞれ約0.3mm以上且つ約1.0mm以下である。
【0055】
ある実施形態では、前記アレー型半導体レーザチップと前記平面型光導波路素子に、前記発光部と前記光導波路との位置合わせ調整用のマーキングがそれぞれ形成されている。
【0056】
ある実施形態では、前記アレー型半導体レーザチップと前記平面型光導波路素子との間に、所定のギャップを形成するための金属膜或いは誘電体膜が形成されている。
【0057】
本発明の光集積化デバイスの製造方法は、2つ以上の発光部を有するアレー型半導体レーザチップをサブマウントの上に実装する第1の実装工程と、2つ以上の光導波路を有し、該光導波路の間隔が該発光部の間隔に等しい平面型光導波路素子を、該サブマウントの上の所定の位置に実装する第2の実装工程と、該サブマウントを所定の個片に、該個片が該アレー型半導体レーザチップの該発光部と該平面型光導波路素子の該光導波路とのペアを少なくとも1対以上有するように切断する切断工程と、を包含しており、そのことによって、前述の目的が達成される。
【0058】
ある実施形態では、前記第2の実装工程は、前記アレー型半導体レーザチップの前記発光部の少なくとも1つからレーザ光を発光させる工程と、該発光されたレーザ光を前記平面型光導波路素子の前記光導波路のうちの対応する光導波路に結合させる工程と、該結合させた光導波路への光結合効率が最大になるように、前記サブマウント上での該平面型光導波路素子の位置を調整する工程と、該サブマウント上の該調整された位置に該平面型光導波路素子を固定する工程と、を含む。
【0059】
ある実施形態では、前記アレー型半導体レーザチップを、その活性層側の面が前記サブマウントに対向するように該サブマウントに固定する。
【0060】
ある実施形態では、前記平面型光導波路素子が、前記アレー半導体レーザチップから放出されるレーザ光を半分の波長の光に変換する波長変換デバイスである。
【0061】
ある実施形態では、前記アレー型半導体レーザチップが、活性層領域と分布ブラッグ反射領域とを有する分布ブラッグ反射型半導体レーザチップである。
【0062】
ある実施形態では、前記アレー型半導体レーザチップがTEモード偏光で発振し、且つ、前記平面型光導波路素子の光導波路がTEモードの光を伝搬する。
【0063】
ある実施形態では、前記平面型光導波路素子が、誘電体基板或いは強誘電体基板の表面に形成された光導波路を有する。
【0064】
ある実施形態では、前記アレー型半導体レーザチップの前記発光部の間隔、及び前記平面型光導波路素子の前記光導波路の間隔が、それぞれ約0.3mm以上且つ約1.0mm以下である。
【0065】
ある実施形態では、前記アレー型半導体レーザチップと前記平面型光導波路素子に、前記発光部と前記光導波路との位置合わせ調整用のマーキングがそれぞれ形成されている。
【0066】
ある実施形態では、前記アレー型半導体レーザチップと前記平面型光導波路素子との間に、所定のギャップを形成するための金属膜或いは誘電体膜が形成されている。
【0067】
【発明の実施の形態】
本発明のある局面は、波長可変半導体レーザとしてDBR半導体レーザを用いた光導波路デバイス集積化光源において、半導体レーザを高出力で高い信頼性をもって動作させ、且つ波長可変半導体レーザの動作特性を安定させることに関係している。特に、波長可変半導体レーザであるDBR半導体レーザと光導波路デバイスである光導波路型波長変換デバイスとから構成される短波長光源において、DBR半導体レーザをジャンクションダウンで実装した超小型の直接結合型モジュールを実現するために、本発明は必要不可欠なものである。
【0068】
ここで、DBR半導体レーザをジャンクションダウンで実装する理由としては、
(1)サブマウントから活性層(ジャンクション部)までの高さを高精度に制御できるとともに、光導波路デバイスと直接結合する場合に、活性層及び光導波路の高さ方向での位置合わせ調整が容易に行えること、及び、
(2)活性層領域の放熱性が高いので、レーザの長寿命化や高出力化に有利であること、
などが挙げられる。
【0069】
一般に、波長可変半導体レーザの発振波長を可変する方法としては、(1)キャリア注入による屈折率の変化の利用(キャリア注入すると屈折率が小さくなるというプラズマ効果の利用)、或いは、(2)高抵抗層への電流注入によって生じる温度変化による屈折率の変化の利用(電流注入によって屈折率が大きくなるというヒータ効果の利用)、が挙げられる。InP系半導体レーザのような長波長半導体レーザでは、(1)のプラズマ効果の影響の方が大きく、一方、AlGaAs系半導体レーザでは、(2)のヒータ効果の影響の方が大きい。
【0070】
従来技術として説明した短波長光源では、AlGaAs系の波長可変半導体レーザから発せられた光を基本波として使用しているので、ヒータ効果を利用して波長可変を実現している。そのために、サブマウントにジャンクションダウン実装すると、放熱性が過度に良くなってしまって、安定して波長可変を実現することが困難になり、また消費電力も大きくなる。特に、従来技術として言及した構成の短波長光源で使用されている光導波路型波長変換デバイスでは、位相整合波長許容幅が約0.1nmと小さく、より高精度で波長制御(選択性)を実現することが必要になる。
【0071】
以下では、波長可変半導体レーザをジャンクションダウン実装した場合にも安定した波長可変動作が実現できる方式として、本発明の波長可変半導体レーザの実装構成及びそれを用いた短波長光源について、幾つかの実施形態を添付の図面を参照しながら説明する。
【0072】
(第1の実施形態)
本実施形態では、DBR領域3と活性層領域2とを有するDBR半導体レーザ1をサブマウント5に実装した構成について説明する。より具体的には、図3(a)及び(b)の斜視図及び断面図には、DBR半導体レーザ1がサブマウント5の上にジャンクションダウンで実装され、且つその活性層領域2のみがサブマウント5の上に固定されている装置構成を、模式的に示す。
【0073】
参照番号1は、波長850nmでTEモードにて発振する100mW級のAlGaAs系DBR半導体レーザである。DBR半導体レーザ1の基板側表面及び活性層表面側には、それぞれ電極(上側電極15a及び下側電極15b)が形成されており、このうち活性層側表面に形成される下側電極15bは、活性層領域2とDBR領域3とで分離されている。活性層などのエピタキシャル層や電極の厚さはサブミクロン以下に制御されていて、活性層(ジャンクション部4)までの厚さは、約3μmである。
【0074】
参照番号5はSiサブマウントであって、その上には、膜厚が制御された電極13、及び半田層14としてのAu/Sn層14が蒸着されている。本実施形態では、サブマウント5の長さは活性層領域2の長さより少し短く設計されていて、活性層領域2のみがサブマウント5の上に固定されている。
【0075】
各電極には電気的接続のためのワイヤ12が接続されるが、このうち活性層領域2における下側電極15bに関しては、Siサブマウント5に固定されているために直接にワイヤ12は接続されず、代わりにSiサブマウント5の上の電極13にワイヤ12が接続される。一方、上側電極15a及びDBR領域3における下側電極15bに対しては、図示されるようにワイヤ12が接続されている。
【0076】
図3(a)及び(b)の構成において、発振しきい値電流は約20mAであり、従来よりも約5mA低減される。また、出力約100mW時の駆動電流も約140mAであり、従来よりも約30mA低減される。そのために、レーザの長寿命化や信頼性の向上が実現される。
【0077】
また、DBR領域3はサブマウント5に接触していないため、その放熱状態は活性層領域2よりも悪い。そのため、図3(a)及び(b)の構成のDBR半導体レーザ1における波長可変特性は、ジャンクションアップ実装時と同様に、約80mAの注入電流量に対して約2nmの波長可変領域が得られる。
【0078】
このように、本実施形態のようにDBR半導体レーザ1をジャンクションダウン実装する際に、すなわち、活性層領域2のみをサブマウント5に固定し、DBR領域3は固定しない構成にすることにより、安定な波長可変特性、及び信頼性の高いレーザ駆動特性を得ることができ、その実用的効果は大きい。
【0079】
(第2の実施形態)
図4(a)及び(b)の斜視図及び断面図には、波長可変半導体レーザとしてのDBR半導体レーザ1と、光導波路デバイスとしての光導波路型波長変換デバイス11とが、サブマウント6の上に実装された超小型短波長光源の構成を模式的に示す。具体的には、本実施形態で光導波路デバイス11として用いられているのは、xカットMgOドープLiNbO基板125の上にプロトン交換光導波路126及び周期的分極反転領域127が形成された光導波路型波長変換デバイス11である。
【0080】
Siサブマウント6の表面には、絶縁層として酸化によりSiO層7を形成する。その後に、再びフォトプロセスにより調整用十字キー(不図示)及び電極8のレジストパターンを形成し、そのパターンに従ってAu膜を蒸着する。更に、電極8の上には、半田層9としてのAu/Sn層9を蒸着する。また、Siサブマウント6の上には溝10が形成されており、DBR半導体レーザ1は、その活性層領域2のみがサブマウント6に固定されるように長さが調整されている。
【0081】
図4(a)及び(b)の構成の実装にあたっては、まず、Siサブマウント6の上にDBR半導体レーザ1を固定する。具体的には、DBR半導体レーザ1及びSiサブマウント6の上には調整用十字キー(不図示)が形成されており、別々のカメラによりそれらの十字キーを画像認識して各々の中心線を検出し、中心線同士が一致する位置に、DBR半導体レーザ1を精密ステージにより移動する。DBR半導体レーザ1は、真空バキュームでツールに固定され、一方、Siサブマウント6は、パルスヒータが装備されている台に固定される。次に、DBR半導体レーザ1の出射端面を画像認識し、Siサブマウント6の上の溝10に少し突出するように位置決め調整する。固定位置が決定したらSiサブマウント6をパルス加熱し、Au/Sn層9を溶融してDBR半導体レーザ1を固定する。これによって、DBR半導体レーザ1は、ジャンクションダウンで活性層領域2のみがSiサブマウント6の上に固定される。
【0082】
次に、光導波路型波長変換デバイス11をSiサブマウント6の上に固定する。xカット基板125の上に作製された光導波路126はTEモードの光のみを導波することが可能であるため、プレーナータイプの直接結合が可能である。また、光導波路型波長変換デバイス11の表面には、厚さ方向(y方向)の位置決め調整用に、保護膜16が形成されている。保護膜16は、例えばSiOのスパッタリング膜から構成され、精密にその厚さが制御されている。
【0083】
光導波路型波長変換デバイス11の固定には、例えば紫外線硬化剤を用いる。半導体レーザチップ1と同様、Siサブマウント6及び光導波路型波長変換デバイス11には十字キー(不図示)が形成されている。光導波路型波長変換デバイス11の上の十字キーの中心線とSiサブマウント6の上の十字キーの中心線とが一致し、且つ半導体レーザチップ1の出射面と光導波路型波長変換デバイス11の入射面との間の距離が約3μmになるように、光導波路型波長変換デバイス11を移動させる。その後、光導波路型波長変換デバイス11に一定量の圧力を加えながら、紫外線を照射して固定する。
【0084】
次に、各電極に電気的接続のためのワイヤ12を接続する。このうち、DBR半導体レーザ1の活性層領域2における下側電極15bに関しては、Siサブマウント6に固定されているために直接にワイヤ12は接続されず、代わりにSiサブマウント6の上の電極8にワイヤ12が接続される。一方、上側電極15a及びDBR領域3における下側電極15bに対しては、図示されるようにワイヤ12が接続されている。
【0085】
本実施形態では、DBR半導体レーザ1がジャンクションダウン実装で固定されているため、約140mAの動作電流に対して約100mWのレーザ出力が得られる。また、活性層4の高さ及び光導波路126の高さが精密に制御されているため、約60mWのレーザ光を光導波路126に結合することができる。また、DBR領域3がサブマウント6に接触していないため、その放熱状態は活性層領域2よりも悪く、安定した波長可変特性が得られる。
【0086】
DBR半導体レーザ1のDBR領域3に注入する電流を変化させて発振波長を可変し、半導体レーザ1の発振波長を光導波路型波長変換デバイス11の位相整合波長851nmに一致させることにより、波長425.5nmのブルー光が出力約10mWで得られる。
【0087】
更に本実施形態では、DBR半導体レーザ1と光導波路型波長変換デバイス11とが実装されたSiサブマウント6を、好ましくはNで封入する。このようにN(0.066cal・cm−1・sec−1・deg−1)などの熱伝導性の低い気体で封入することにより、DBR領域3の放熱を防止することができると同時にレーザ端面の劣化を防止できるため、その実用的効果は大きい。また、Nよりも更に熱伝導の低い気体、例えばKr(0.021cal・cm−1・sec−1・deg−1)などで封入したり、或いは真空状態にすることによって、放熱を低減することができるので、波長可変のための注入電流を小さくすることが可能となる。
【0088】
(第3の実施形態)
本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、波長可変半導体レーザ1としてDBR領域3を有するDBR半導体レーザ1を用いる。図5(a)及び(b)の斜視図及び平面図には、DBR半導体レーザ1がSiサブマウント20の上にジャンクションダウンで実装され、DBR領域3の一部分と活性層領域2とがサブマウント20の上に固定されている装置構成を、模式的に示す。
【0089】
本実施形態の装置構成では、第1の実施形態の装置構成とは異なり、Siサブマウント20の上に溝21が形成されている。この溝21は、フォトリソグラフィプロセス及びドライエッチングプロセスにより形成される。溝21の幅は、DBR半導体レーザ1の幅よりも狭く、DBR領域3の一部分も、Siサブマウント20の上に固定される。
【0090】
Siサブマウント20の表面には、絶縁層として、酸化によりSiO層22が形成されている。その上には、電極23としてのAu層23、及び固定用半田層24としてAu/Sn層24が、順に蒸着されている。活性層領域2における電極23及び半田層24は、DBR領域3における電極23及び半田層24から電気的に分離されている。更に、DBR半導体レーザ1の活性層4の上の電極15bも、活性層領域2とDBR領域3との間で電気的に分離されている。そして、電極23及び半田層24の分離されている部分が電極15bの分離されている部分に一致するように、DBR半導体レーザ1はジャンクションダウンでサブマウント20の上に固定される。この実装時には、活性層領域2は、その表面全体がサブマウント20に接触して固定され、一方、DBR領域3は、その表面の一部分がサブマウント20に接触して固定される。
【0091】
次に、各電極に電気的接続のためのワイヤ25を接続する。このうち、DBR半導体レーザ1の下側電極15bに関しては、活性層領域2及びDBR領域3の何れにおいてもSiサブマウント20に固定されているために直接にワイヤ25は接続されず、代わりにSiサブマウント20の上の電極23にワイヤ25が接続される。一方、上側電極15aに対しては、図示されるようにワイヤ25が接続されている。この場合には、何れの電極に対してもワイヤ25が上側から接続されるので、その形成が容易である。
【0092】
このようにして形成される本実施形態の装置構成では、発振しきい値電流は約20mAである。また、出力約100mW時の駆動電流は、約140mAである。更に、DBR領域3はサブマウント20に一部分しか接触していないため、その放熱状態は活性層領域2よりも悪くなっており、そのために、波長可変特性はジャンクションアップ実装時とほぼ同様で、約90mAの注入電流量に対して約2nmの波長可変領域が得られる。
【0093】
本実施形態のように、DBR半導体レーザ1をジャンクションダウンで実装する際に活性層領域2は全面的にサブマウント20に固定され、DBR領域3は一部分のみをサブマウント20に固定する構成にすることにより、安定な波長可変特性及び高信頼性でのレーザ駆動特性を得ることができ、その実用的効果は大きい。また、第1の実施形態の構成に比べて、本実施形態の構成では、DBR領域3での熱分布(放熱分布)が小さいために、より安定な単一縦モードでの波長可変特性が得られる。
【0094】
(第4の実施形態)
図6(a)及び(b)の斜視図及び断面図には、波長可変半導体レーザとしてのDBR半導体レーザ1と、光導波路デバイスとしての光導波路型波長変換デバイス11とが、サブマウント26の上に実装された超小型短波長光源の構成を模式的に示す。具体的には、本実施形態で光導波路デバイス11として用いられているのは、xカットMgOドープLiNbO基板125の上にプロトン交換光導波路126及び周期的分極反転領域127が形成された光導波路型波長変換デバイス11である。
【0095】
本実施形態の装置構成では、第2の実施形態の装置構成とは異なり、Siサブマウント26の上に溝27が形成されている。この溝27は、フォトリソグラフィプロセス及びドライエッチングプロセスにより形成される。溝27の幅は、DBR半導体レーザ1の幅よりも狭く、DBR領域3の一部分も、Siサブマウント26の上に固定される。
【0096】
更に、第3の実施形態の構成と同様に、サブマウント26の表面には、SiO層28、電極29、及び半田層(Au/Sn層)30が形成されており、これらは、活性層領域2とDBR領域3とで電気的に分離されている。
【0097】
図6(a)及び(b)の構成の実装は、第2の実施形態と同様の手法による。すなわち、まず、Siサブマウント26の上にDBR半導体レーザ1を固定する。具体的には、DBR半導体レーザ1及びSiサブマウント26の上には調整用十字キー(不図示)が形成されており、別々のカメラによりそれらの十字キーを画像認識して各々の中心線を検出し、中心線同士が一致する位置に、DBR半導体レーザ1を精密ステージにより移動する。DBR半導体レーザ1の出射端面を画像認識し、Siサブマウント26の上の溝31に少し突出するように位置決め調整する。固定位置が決定したらSiサブマウント26をパルス加熱し、Au/Sn層30を溶融してDBR半導体レーザ1を固定する。これによって、DBR半導体レーザ1は、ジャンクションダウンでSiサブマウント26の上に固定される。続いて、やはり第2の実施形態においてと同様の手法で、光導波路型波長変換デバイス11をSiサブマウント26の上に固定する。
【0098】
このようにして得られる本実施形態の構成では、DBR半導体レーザ1の発振しきい値電流は約20mAである。また、出力約100mW時の駆動電流は、約140mAである。更に、DBR領域3への注入電流が約90mAのときに、約2nmの波長可変領域が得られる。また、活性層4の高さ及び光導波路126の高さが精密に制御されているため、約60mWのレーザ光を光導波路126に結合することができる。
【0099】
DBR半導体レーザ1のDBR領域3に注入する電流を変化させて発振波長を可変し、半導体レーザ1の発振波長を光導波路型波長変換デバイス11の位相整合波長851nmに一致させることにより、波長425.5nmのブルー光が出力約10mWで得られる。更に、本実施形態の構成では、第2の実施形態における構成よりもDBR領域3での熱分布(放熱分布)が小さいため、より安定な単一縦モード発振が実現でき、ブルー光の出力安定性も向上することができる。
【0100】
(第5の実施形態)
本実施形態では、サブマウント35を異なる熱伝導率を有する材質からなる2つの部分35A及び35Bの組合せによって構成することにより、DBR半導体レーザ1の活性層領域2とDBR領域3とでの放熱状態に差を生じさせて、より安定なレーザ発振及び波長可変特性を実現する構成について説明する。
【0101】
熱伝導率の異なる材質を組み合わせてサブマウント35を構成する場合、セラミックス材料を選択すると、加工性もよく容易に形成できる。例えば、熱伝導性の良いセラミック材料としてAlN(熱伝導率:0.4cal・cm−1・sec ・deg−1)或いはSiC(熱伝導率:0.15cal・cm−1・sec−1・deg−1)は、Si(熱伝導率:0.3cal・cm−1・sec−1・deg−1)とほぼ同程度の熱伝導率を有し、一方、熱伝導性の悪いセラミック材料としてはZrO(熱伝導率:0.01cal・cm−1・sec−1・deg−1)が挙げられる。
【0102】
図7(a)及び(b)の斜視図及び断面図には、DBR半導体レーザ1がAlN及びZrOから構成されるサブマウント35に実装された波長可変半導体レーザの構成を模式的に示す。
【0103】
サブマウント35は、DBR半導体レーザ1の活性層領域2が固定される部分35AとDBR領域3が固定される部分35Bより構成されており、部分35Aの構成材質はAlNであり、部分35Bの構成材質はZrOである。更に、サブマウント35の上には、これまでの実施形態における構成と同様に電極36及び半田層37が形成されており、また、部分35A及び35Bはお互いに電気的に分離されている。更に、DBR半導体レーザ1の活性層4の側に位置する下側電極15bも電気的に分離された2つの部分に分かれており、分離されている下側電極15bの2つの部分がサブマウント35の2つの部分35A及び35Bにそれぞれ一致するように、DBR半導体レーザ1はジャンクションダウンでサブマウント35上に固定される。DBR半導体レーザ1のボンディング後には、図示するように各電極からワイヤ38を形成する。
【0104】
サブマウント35の部分35AはAlNから構成されているため、DBR半導体レーザ1の活性層領域2で発生された熱はサブマウント35に効率よく放熱される。一方、部分35BはZrOで構成されているために、DBR領域3からサブマウント35への熱伝導が低減されている。
【0105】
本実施形態では、第1〜第4の実施形態で用いられているSiよりも更に熱伝導率の大きなAlNがサブマウント35の構成材料として用いられているので、活性部領域2の放熱性が改善されており、DBR半導体レーザ1の発振しきい値電流は約20mA、また、出力約100mW時の駆動電流は約130mAである。一方、DBR領域3の放熱状態はZrOの使用によって低減されているため、約100mAの注入電流量に対して約2nmの波長可変領域が得られる。
【0106】
本実施形態のように、DBR半導体レーザ1が搭載されるサブマウント35において、活性層領域2に対応する部分35Aには熱伝導率の大きい構成材料を用い、DBR領域3に対応する部分には熱伝導率の低い材料を用いることにより、信頼性の高いレーザ駆動特性及び安定な波長可変特性を得ることができる。
【0107】
なお、上記ではDBR領域3を全面的にサブマウント35の部分35Bに固定しているが、第3の実施形態と同様に、適当なパターンの溝をZrOからなる部分35Bに形成することにより、熱伝導性を更に意図的に低下させることが可能になって、より安定な波長可変特性が得られる。
【0108】
(第6の実施形態)
図8(a)及び(b)の斜視図及び断面図には、波長可変半導体レーザとしてのDBR半導体レーザ1と、光導波路デバイスとしての光導波路型波長変換デバイス11とが、サブマウント39の上に実装された超小型短波長光源の構成を模式的に示す。具体的には、本実施形態で光導波路デバイス11として用いられているのは、xカットMgOドープLiNbO基板125の上にプロトン交換光導波路126及び周期的分極反転領域127が形成された光導波路型波長変換デバイス11である。
【0109】
ここで、サブマウント39は、以下の3つの部分から構成されるている;
部分39A:光導波路型波長変換デバイスが固定される部分
部分39B:活性層領域が固定される部分
部分39C:DBR領域が固定される部分
部分39A及び39CはZrOセラミックスから構成されており、一方、部分39Bは、AlNセラミックスから構成される。サブマウント39の表面でDBR半導体レーザ1が固定される箇所には、これまでの実施形態と同様に電極40及び半田層41が形成されている。また、DBR半導体レーザ1が固定される箇所と光導波路型波長変換デバイス11が固定される箇所との間には、溝42が形成されている。
【0110】
第4の実施形態と同様にDBR半導体レーザ1及び光導波路型波長変換デバイス11をサブマウント39上に固定し、各電極からワイヤ38を形成して、DBR半導体レーザ1の動作特性を測定したところ、発振しきい値電流は約20mAであり、出力約100mW時の駆動電流は約130mAであった。また、DBR領域3への注入電流量が約100mAであるときに、約2nmの波長可変領域が得られた。
【0111】
光導波路型波長変換デバイス11は、その位相整合波長が温度依存性を有するため、DBR半導体レーザ1の活性層4からの熱により光導波路型波長変換デバイス11の内部に温度分布が生じると、その波長変換効率や動作安定性に影響を与える。そのため、先に説明した第2或いは第4の実施形態の構成では、約100mWのレーザ出力に対して、波長変換デバイスからは約10mWの出力しか得られない。これに対して、本実施形態の構成では、DBR半導体レーザ1の活性層領域2で発生する熱が、効率的に、サブマウント39のうちでAlNセラミックスから構成される部分39Bに放熱され、且つ溝42の形成によって光導波路型波長変換デバイス11への熱伝達が防止できるので、DBR半導体レーザ1の信頼性向上及び光導波路型波長変換デバイス11の均一性向上が実現できる。その結果、約100mWのレーザ出力に対して、波長変換デバイス11からは約15mWのブルー出力を得ることができる。
【0112】
(第7の実施形態)
第1〜第6の実施形態では、活性層領域2とDBR領域3とから構成されるDBR半導体レーザ1を用いた波長可変半導体レーザ及び短波長光源について説明したが、本実施形態では、更に位相補償領域が付加されたDBR半導体レーザを用いた構成について説明する。図9(a)及び(b)の斜視図及び平面図には、上記の構成を模式的に示す。
【0113】
この構成に含まれるDBR半導体レーザ45は、波長850nmでTEモード発振する100mW級AlGaAs系分布ブラッグ反射型(DBR)半導体レーザ45であり、活性層領域46、位相補償領域47、及びDBR領域48から構成される。DBR半導体レーザ45の基板側及び活性層側には、それぞれ電極15a及び15bが形成されており、特に活性層側の下側電極15bは、活性層領域46、位相補償領域47、及びDBR領域48で電気的に分離されている。また、活性層4などのエピタキシャル層や電極15a及び15bの厚さはサブミクロン以下に制御されていて、活性層(ジャンクション部4)までの厚さは約3μmである。
【0114】
一方、サブマウント49はSiからできており、溝50が形成されている。溝50の長さは、DBR半導体レーザ45の位相補償領域47とDBR領域48とを合わせた長さにほぼ一致している。これより、活性層領域46で発生する熱はSiサブマウント49に放熱する一方で、位相補償領域47及びDBR領域48では、注入電流によって生じた熱が放熱し難い。
【0115】
Siサブマウント49の上には、これまでの実施形態においてと同様に、膜厚制御された電極51及び半田層52が蒸着されている。これらの電極51及び半田層52は、活性層領域46、位相補償領域47、及びDBR領域48がそれぞれ固定される部分で、お互いに電気的に分離されている。また、位相補償領域47が固定される部分の電極51の長さは、位相補償領域47の長さと同じになっている。
【0116】
これまでの実施形態と同様に、DBR半導体レーザ45をサブマウント49上に固定し、各電極からワイヤ38を形成して、DBR半導体レーザ45の動作特性を測定したところ、発振しきい値電流は約20mAであり、出力約100mW時の駆動電流は約140mAである。また、波長可変特性としては、ジャンクションアップ時とほぼ同様に、約90mAの注入電流量に対して、位相補償領域47により位相調整を行うことで連続的に約2nmの波長可変特性が得られる。
【0117】
本実施形態のように、位相補償領域47が付加されたDBR半導体レーザ45をジャンクションダウンで実装する際にも、安定な波長可変特性及び信頼性の高いレーザ駆動特性を得ることができ、その実用的効果は大きい。
【0118】
また、本実施形態の上記の説明では、溝50が形成されたSiサブマウント49にDBR半導体レーザ45が実装された構成について説明しているが、第5或いは第6の実施形態で説明したような異なる材質(セラミックス)から構成された複数の部分が組み合わされているサブマウントに実装する構成でも、同様の効果が得られる。
【0119】
上記で説明した第1〜第7の実施形態では、光導波路デバイスとして光導波路型波長変換デバイスを用いているが、LiNb0基板上に形成された光導波路型高速変調デバイスなどの光導波路型機能デバイスを用いても、同様の効果が得られる。また、DBR半導体レーザを光通信分野で絶対基準波長用光源や波長多重通信用光源として用いる場合において、サブマウントに形成したV溝に固定した光ファイバなどにレーザ光を結合する場合にも、第1〜第4の実施形態のような構成でDBR半導体レーザを固定することにより、信頼性の高いレーザ駆動特性及び安定な波長可変特性を得ることができる。
【0120】
更に、上記では直接結合型モジュールの構成について説明したが、レンズ結合型のモジュールに本発明を適用してもその実用的効果は大きく、DBR半導体レーザをジャンクションダウンでサブマウントに実装することにより、高出力での発振状態においても、高い信頼性が得られる。例えば、第1の実施形態の構成を例にとれば、出力約100mWでの駆動電流値が約30mAだけ低減される。
【0121】
高出力の半導体レーザを安定に駆動させるためには、半導体レーザチップの放熱状態を向上させる必要がある。半導体レーザと波長可変デバイスとから構成される短波長光源においては、得られる高調波出力が半導体レーザ出力の2乗に比例するため、特に高出力の半導体レーザが用いられる。そのため、ジャンクションダウン実装が、特に必要とされる。
【0122】
また、半導体レーザと光導波路デバイスとから構成される光集積化デバイスを民生用途に応用する際には、大きさ及びコストが大きな要素となり、その実現のためには、やはりジャンクションダウン実装技術が必要となる。これは、ジャンクションダウン実装では、サブマウントから活性層(ジャンクション部)までの高さを高精度に制御できるので、光導波路デバイスと半導体レーザを直接結合する場合に、活性層と光導波路との高さ方向での位置合わせ調整が容易に実現されるからである。
【0123】
以上のように、本発明の第1から第7の実施形態によれば、波長可変半導体レーザとしてのDBR半導体レーザと、光導波路型デバイスとしての光導波路型波長変換デバイスや光ファイバなどの光学要素とがサブマウントに固定された光導波路集積化光源において、DBR半導体レーザをジャンクションダウンで高精度にサブマウント上に固定し、DBR半導体レーザの活性層領域の放熱性を向上させる一方でDBR領域の放熱性を意図的に低減させることにより、安定な発振特性及び波長可変特性が実現され、更に高効率光結合を可能とするモジュール光源が提供される。すなわち、本発明は、短波長光源や光通信分野で必要不可欠とされるDBR半導体レーザを以上のようにジャンクションダウンで実装する場合に、安定な波長可変特性及び信頼性の高いレーザ発振特性が実現され、その実用的効果は大きい。
【0124】
一方、以下に第8以降の実施形態として説明する本発明においては、半導体レーザチップをサブマウントに実装する際の量産性の向上を意図した構成が開示される。
【0125】
ここで、使用され得る半導体レーザチップとしては、活性層領域とDBR領域とから構成されるDBR半導体レーザ、或いは分布フィードバック型(DFB)InP半導体レーザなどが例示できる。一方、光導波路素子としては、光ファイバや半導体レーザチップから放出されるレーザ光を、発振波長の半分の波長を有する光に変換する波長変換デバイスなどが例示できる。更に、半田としてはAu/SnやPb/Snなどが、接着剤としては紫外線硬化剤を含む接着剤(以下、紫外線硬化型接着剤という)などが、分子結合力としてはファンデルワールス力などが、それぞれ例示できる。
【0126】
(第8の実施形態)
図10に模式的に示す本実施形態の光集積化デバイスの構成では、半導体レーザチップ106を固定する部分のサブマウント101の表面に溝103が形成され、その溝103の内部に半田が設けられている。半導体レーザチップ106は、溝103の内部に供給された半田を用いて、サブマウント101に密着して固定されている。
【0127】
シリコン(Si)よりなるサブマウント101は、その表面に、絶縁層としてSiO層102を有している。サブマウント101のSiO層102上には、本発明の溝103が形成されている。半導体レーザチップ106は、SiO層102上に装着される。本実施形態では、半導体レーザチップ106として、1.55μm帯の分布フィードバック型(DFB)InP半導体レーザを用いている。更に、サブマウント101及び半導体レーザチップ106の表面には、画像認識用の十字キー107及び108が形成されている。また、光導波路素子として光ファイバ110は、サブマウント101上に形成されたV溝109に実装され、半導体レーザチップ106からのレーザ光は光ファイバ110に結合される。
【0128】
図11は、十字キー107間の中心線A1を含む図10の線XI−XIに沿った断面図であって、半導体レーザチップ106及び光ファイバ110がサブマウント101に装着された状態を示す。
【0129】
図示されるように、SiO層102上に形成された溝103に電極としてAu層104が形成され、更にその溝103の内部に、半田105を有する。本実施形態では、半田105はAu/Snからなる。
【0130】
従来技術では、一般に、サブマウント上に電極としてAu層が形成され、更にその上には半田層としてAu/Snが蒸着される。半田層の膜厚は、約2μm〜約3μmである。半導体レーザチップは、そのジャンクション(活性層部)がサブマウント側になるように配置され、サブマウントを加熱して半田を溶融することによって、サブマウント上に固定される。
【0131】
半導体レーザチップの表面から活性層までの厚さは、エピタキシャル成長時に正確に制御されている。また、サブマウント上のAu層の膜厚も、正確に制御されている。そのため、活性層のサブマウントからの高さは、半田層の膜厚制御性に大きく依存する。しかし、実際には、半田層を溶融して半導体レーザチップを固定するために、その制御性は±約1μmに過ぎない。結果として、半導体レーザチップの発光点のサブマウントからの高さにバラツキが生じるので、従来技術においては、半導体レーザのサブマウント上への高精度な固定の実現が、困難である。
【0132】
これに対して本実施形態の構成では、図11に示すように、サブマウント101の表面に溝103が形成され、半田105が溝103の内部に存在しているために、半導体レーザチップ106の表面とサブマウント101のAu層104とが、直接的に接触する。このため、サブマウント101から半導体レーザチップ106の活性層までの高さは、Au層104の厚さの精度のみに依存し、結果として高さ方向の位置決めが高精度に行われる。
【0133】
次に、本実施形態におけるサブマウント101の形成方法について、説明する。
【0134】
まず、Siの(100)基板からなるサブマウント101表面に、絶縁層として、酸化によりSiO層102を形成する。
【0135】
次に、サブマウント101上にレジストを塗布し、フォトプロセスにより幅約10μm及び周期約20μmの周期状レジストパターン、並びに幅約100μmのV溝用レジストパターンを形成する。それらの形成後、ウェットエッチングにより、サブマウント101上に深さ約5μmの溝103を形成する。(100)基板表面のウェットエッチングでは(111)面が現れるので、台形形状(V溝部分は三角形状)の溝が形成される。或いは、ドライエッチングを行うことで矩形の溝を形成することも可能である。
【0136】
次に、レジストを除去した後、再びフォトプロセスにより、調整用の十字キー107及び電極のレジストパターンを形成し、Au層104を蒸着する。次に、溝103の内部のみに半田(Au/Sn)を蒸着するために、再びレジストを除去し、溝103の形成時と同様のマスクを用いてマスクの位置合わせを行った上で溝103の形成時と同様のレジストパターンを形成し、それを用いて半田(Au/Sn)を蒸着する。これにより、半田105を溝103の内部に形成することができる。
【0137】
一方、半導体レーザチップ106の表面にも、十字キー108が形成される。サブマウント101の表面の十字キー107は、V溝109の中心線A1に対して線対称の位置に形成され、また、半導体レーザチップ106の表面の十字キー108は、半導体レーザチップ106の発光点(中心線B1上)に対して線対称の位置に形成されている。
【0138】
本実施形態では、サブマウント101に形成される溝103の幅とその間隔(隣接する溝103の間の距離)は、どちらも10μmと等しく設定されている。しかし、半導体レーザチップ106の放熱性を考慮すると、溝103(或いは、その中に形成される半田(Au/Sn)105)の面積を大きくする方が、サブマウント101への放熱効果が大きくなり、半導体レーザチップ106の寿命(信頼性)の向上の点で有利である。
【0139】
次に、本実施形態の構成における位置合わせ調整方法を、図12を参照して説明する。
【0140】
半導体レーザチップ106は、図12に示すように、活性層が形成された面(エピタキシャル成長面)がサブマウント側に位置するように、ジャンクションダウンで固定される。本実施形態では、半導体レーザチップ106及びサブマウント101上に形成された十字キー108及び107を別々のカメラ111及び112により画像認識し、各々の中心線A1及びB1を検出して、各々の中心線が一致する位置に半導体レーザチップ106を精密ステージにより移動して実装する。
【0141】
半導体レーザチップ106は真空バキュームでツール113に、また、サブマウント101はパルスヒータが装備されている台114に、それぞれ固定されている。カメラ111により、半導体レーザチップ106上に形成された十字キー108を画像認識し、カメラ112により、サブマウント101上の十字キー107を画像認識する。これによって、十字キー107間の中心線A1及び十字キー108間の中心線を、それぞれ検出する。その後に、中心線A1及びB1が一致するように、半導体レーザチップ106を精密ステージにより移動する。
【0142】
次に、半導体レーザチップ106の出射端面をカメラ112により画像認識し、その電極がサブマウント101の上の十字キー107のパターンに一致するように調整する。固定位置が決定したら、サブマウント101をパルス加熱して半田105を溶融し、半導体レーザチップ106を固定する。これにより、半導体レーザチップ106は、図12に示すように、サブマウント101のAu層104に密着して実装される。
【0143】
なお、溝103の体積よりも固定後の半田105の体積を小さくすれば、実装時の密着性が高まり、その実用的効果は大きい。
【0144】
半導体レーザチップ106を固定後、図10及び図11に示すように、V溝109に、光導波路素子として光ファイバ110を実装する。このとき、光ファイバ110の端面と半導体レーザチップ106の出射端面との間の距離は、サブマウント101と電極との間の距離で決定される。本実施形態では、サブマウント101から半導体レーザ106の発光点までの高さが精密制御されているために、結合効率は、サブマウント101のV溝109の加工精度に依存する。具体的には、V溝109はエッチングにより精密に加工されているため、光ファイバ110への結合効率として約30%という値が安定に得られる。
【0145】
また、本実施形態では、図11に示すように、半導体レーザチップ106の表面とサブマウント101上のAu層104が密着しているため、サブマウントからの活性層までの高さがAu層104の厚さ精度に依存し、高精度に実装することが可能である。但し、実際には、溝103の中に配置された半田(Au/Sn)105に対する逃げ溝が設けられていないため、半田105が過剰に供給された場合には、高さ方向の位置決め精度に悪影響が及ぼされる可能性がある。従って、半田105の供給量は、溝103の体積と同じか或いはそれより少なくする必要がある。
【0146】
一方、図25に示すのは、図10の構成の改変例であって、各々の溝103に隣接して逃げ溝133が形成されている。従って、もし半田105が過剰に供給されても、過剰分は、実装時に逃げ溝133に押し出される。このため、半導体レーザチップ106とサブマウント101との間の密着性が向上すると共に、過剰は半田による高さ方向の位置決め精度への悪影響が回避される。なお、図25において、図10と同じ構成要素には同じ参照番号を付しており、その説明はここでは省略する。
【0147】
図25の構成の形成方法は、以下の通りである。
【0148】
まず、Siの(100)基板からなるサブマウント101表面に、絶縁層として、酸化によりSiO層102を形成する。
【0149】
次に、サブマウント101上にレジストを塗布し、フォトプロセスにより所定のレジストパターンを同時に形成する。それらの形成後、ウェットエッチングにより、サブマウント101上に深さ約5μmの溝103及び逃げ溝133を、同時に形成する。
【0150】
レジストを除去した後、再びフォトプロセスにより、調整用の十字キー107及び電極のレジストパターンを形成し、Au層104を蒸着する。次に、溝103の内部のみに半田(Au/Sn)を蒸着するために、再びレジストを除去し、溝103の形成時とは異なるマスクを用いてマスクの位置合わせを行った上で、溝103の形成時とは異なるレジストパターンを形成し、それを用いて半田(Au/Sn)を蒸着する。このとき、半田105は、溝103の全体に蒸着されるのではなく、半導体レーザチップ106が固定される領域に蒸着される。これによって、半田105の両側には逃げ溝133が形成されて、半導体レーザチップ106とサブマウント101との間の実装時の密着性が向上される。
【0151】
以上のような構成によって、半導体レーザチップ106からのレーザ光を光ファイバ110や光導波路に高効率に結合するために必要とされるサブミクロン以下の位置合わせ調整精度が容易に実現され、実用性の高い光集積化デバイスが供給される。
【0152】
上記の実施形態では、光導波路素子として光ファイバ110を用いた場合について説明しているが、光導波路素子として、半導体レーザチップ106から放出されるレーザ光の波長を半分の波長の光に変換する波長変換デバイスを用いることも、勿論可能である。また、半導体レーザチップ106として、活性層領域とDBR領域とから構成されるDBR半導体レーザチップを用いることも、可能である。
【0153】
例えば、半導体レーザチップとしてTEモードで発振する100mW級分布ブラッグ反射型(DBR)AlGaAs半導体レーザ(発振波長は850nm)を用い、光導波路素子としてxカットのMgOドープLiNbO基板上にプロトン交換光導波路及び周期的分極反転領域が形成された光導波路型波長変換デバイスを用いることが、可能である。このような構成では、xカット基板上に作製された光導波路はTEモードの光のみを導波することが可能であるため、プレーナータイプの直接結合が実現される。
【0154】
以上の説明では、半導体レーザチップ106の発光領域と垂直な方向に、溝103が形成されている。これに対して以下では、図13及び図14を参照して、半導体レーザチップ120の発光領域と平行方向に溝117が形成されているサブマウント115を用いた構成について、説明する。
【0155】
図13に模式的に示す光集積化デバイスの構成においても、シリコン(Si)よりなるサブマウント115は、その表面に、絶縁層としてSiO層116を有している。サブマウント115のSiO層116上には、溝117が形成されている。半導体レーザチップ120は、SiO層116上に装着される。サブマウント115及び半導体レーザチップ120の表面には、画像認識用の十字キー121及び122が形成されている。また、光導波路素子として光ファイバ124は、サブマウント115上に形成されたV溝123に実装され、半導体レーザチップ120からのレーザ光は光ファイバ124に結合される。
【0156】
図14は、十字キー121間の中心線A2を含む図13の線XIV−XIVに沿った断面図であって、半導体レーザチップ120及び光ファイバ124がサブマウント115に装着された状態を示す。図示されるように、SiO層116上に形成された溝117に電極としてAu層118が形成され、更にその溝117の内部に、半田(Au/Sn)119を有する。
【0157】
実装時には、十字キー121及び122を画像認識し、それぞれの中心線A2及びB2を検出して、それらが一致するように半導体レーザチップ120をサブマウント115に実装する。このとき、図10に示すように半導体レーザの活性層の方向とサブマウントの溝の形成方向とがお互いに垂直であって、活性層が半田を介してサブマウントに固定されている部分が半導体レーザの光軸方向に周期的に存在している構成では、動作時に発生する熱分布が、光軸方向に周期的になる可能性がある。これに対して、図13に示す構成では、半導体レーザチップ120からの放熱が均一に行われるために有利であり、その信頼性の向上につながる。
【0158】
(第9の実施形態)
図15に模式的に示す本実施形態の光集積化デバイスの構成では、半導体レーザチップ203を固定する部分に加えて平面型光導波路素子204を固定する部分のサブマウント201の表面に溝202が形成され、その溝202の内部に半田が設けられている。平面型光導波路素子204及び半導体レーザチップ203は、これらの溝の中に設けられた半田を用いて、サブマウント201に密着して固定されている。
【0159】
平面型光導波路素子204の光導波路は、誘電体基板や強誘電体基板の上にプロトン交換などのイオン交換法やTi拡散などの拡散法などにより作製された光導波路であり、ウェハを用いて半導体プロセスにより作製できるので、量産性が高い。
【0160】
図15の構成において、半導体レーザチップ203は、第8の実施形態と同様の方法で、サブマウント201にジャンクションダウンで実装される。サブマウント201は、例えばシリコン(Si)からなる。
【0161】
平面型光導波路素子204としては、xカットのMgOドープLiNbO基板上にプロトン交換光導波路209及び周期的分極反転領域210が形成された光導波路型波長変換デバイス204が用いられる。一方、半導体レーザチップ203としては、TEモードで発振(発振波長:850nm)する100mW級分布ブラッグ反射型(DBR)AlGaAs半導体レーザが、用いられる。xカット基板上に作製された光導波路はTEモードの光のみを導波することが可能であるため、上記の構成では、プレーナータイプの直接結合が可能である。これに対して、zカット基板上に作製された光導波路を用いた場合、偏光方向を一致させるために半波長板が必要であり、直接結合時に結合効率が低下する。
【0162】
光導波路型波長変換デバイス204の表面には、厚さ方向(y方向)での位置合わせ調整用に保護膜205が形成されている。この保護膜205は、例えばSiOスパッタリング膜から構成され、精密に膜厚が制御されている。
【0163】
図16は、十字キー207間の中心線A3を含む図15の線XVI−XVIに沿った断面図であって、半導体レーザチップ203及び光導波路型波長変換デバイス204がサブマウント201に装着された状態を示す。
【0164】
図16に示すように、溝202の中には固定用の接着剤206が注入される。本実施形態では、接着剤206として、例えば紫外線硬化型接着剤を用いる。紫外線硬化型接着剤は粘性が小さいので、溝202の内部に注入しやすく、実用性が高い。
【0165】
図15に示すように逃げ溝が設けられていない構成では、接着剤206の硬化後の体積が溝202の体積よりも小さいことが、密着性を高める点で望ましい。或いは、第8の実施形態で図25を参照して説明したように、溝202に隣接して逃げ溝を設ければ、実装時に過剰な接着剤が逃げ溝に流れるために、位置合わせ精度に悪影響が及ぼされることなく、平面型光導波路素子204とサブマウント201との間の密着性が向上される。
【0166】
図15に示すように、半導体レーザチップの実装用と同様に、サブマウント201及び光導波路型波長変換デバイス204には、波長変換デバイス204の実装用に十字キー207及び208が形成されている。十字キー207間の中心線A3は、半導体レーザチップ固定用の十字キー間の中心線B3と一致している。
【0167】
実装時には、光導波路型波長変換デバイス204上の十字キー208の中心線と、サブマウント201上の十字キー207の中心線とが一致し、且つ半導体レーザチップ203の出射面と光導波路型波長変換デバイス204の入射面との間の距離が約3μmになるように(図16参照)、光導波路型波長変換デバイス204を移動させる。その後、光導波路型波長変換デバイス204を一定加圧しながら、紫外線を照射して接着剤206を固定する。
【0168】
本発明のモジュール構成では、接着剤206が溝202の内部に存在しているため、保護膜205とサブマウント201とが密着し、保護膜205の厚さ精度によって厚さ方向の位置合わせ調整が行える。このため、70%の結合効率を高い歩留まりで実現することができる。
【0169】
具体的には、半導体レーザチップ203のDBR領域に注入する電流を変化させて発振波長を可変し、半導体レーザ203の発振波長を光導波路型波長変換デバイス204の位相整合波長に一致させることにより、波長変換デバイス204からは、波長425nmのブルー光の出力約10mWが得られる。
【0170】
上記のような溝202が存在しないサブマウント上に光導波路型波長変換デバイスが接着剤(紫外線硬化型接着剤)により固定される場合、光導波路素子とサブマウントとの間の接着剤層の厚さがy方向の位置合わせ調整精度に大きく影響する。また、接着剤の硬化時に一般に発生する収縮現象は、位置合わせ調整の精度を更に劣化させる。これらの要因のために、従来技術によれば、サブミクロン以下の調整精度で光導波路型波長変換デバイスをサブマウントに固定することは、困難であった。これに対して本実施形態の構成では、平面型光導波路素子とサブマウントの間に接着剤層が存在しないため、光導波路とサブマウントと間のの距離は保護膜205の膜厚に依存して決定される。これより、高精度の位置決めが可能になって、高効率の光結合が実現される。
【0171】
なお、本実施形態では接着剤として紫外線硬化型接着剤を用いているが、他の接着剤を用いても同様の効果が得られる。特に、接着後に収縮する接着剤を使用すれば、サブマウントとの密着性がより高まるため、より良好な効果が得られる。
【0172】
誘電体基板や強誘電体基板の上にプロトン交換などのイオン交換法やTi拡散などの拡散法などにより作製された光導波路は、一般にその深さが約2μmである。そのため、光ファイバを用いた光集積化デバイスの場合よりも、より高精度な調整が要求される。従って、本実施形態のようにサブマウント上に溝を形成して基板厚さ方向の位置合わせ調整精度を向上することができれば、その実用的効果が大きい。具体的には、例えばDBR半導体レーザとLiNbO基板やLiTaO基板の上に周期的分極反転領域を有する光導波路型波長変換デバイスとから構成される短波長ブルー光源に対して、本発明は大きな実用的効果を発揮する。
【0173】
以上の説明では、平面型光導波路デバイス204の光導波路209の方向とは垂直な方向に、溝202が形成されている。これに対して、均一な放熱状態の実現のためには、第8の実施形態で図13及び図14を参照して説明した場合に類似するように、光導波路209と平行方向に溝202が形成されていることが望ましい。特に、光導波路型波長変換デバイスでは、素子内部の温度分布が波長変換効率などの素子特性に大きな影響を与えるので、平行方向の溝の形成による均一な温度分布の実現により、大きな効果が得られる。
【0174】
(第10の実施形態)
第9の実施形態では、平面型光導波路素子(光導波路型波長変換デバイス)を接着剤(紫外線硬化型接着剤)により固定する際に、サブマウント上に溝を形成することにより高精度な実装を実現するデバイス構成について説明した。これに対して本実施形態では、紫外線硬化型接着剤のような接着剤を用いず、分子結合力で平面型光導波路素子(光導波路型波長変換デバイス)をサブマウント上に固定する構成及び方法について、図17及び図18を参照して説明する。この場合、平面型光導波路素子とサブマウントとの間に何も存在しないため、第2の実施形態と同様の効果が得られる。
【0175】
図17は、上記のような構成を模式的に示す斜視図であり、図18は、十字キー306間の中心線を含む図17の線XVIII−XVIIIに沿った断面図であって、半導体レーザチップ303及び光導波路型波長変換デバイス304がサブマウント301に装着された状態を示す。
【0176】
図17において、シリコン(Si)からなるサブマウント301の全表面が酸化されていること、すなわち、サブマウント301の全表面にSiO層302が形成されていることが好ましい。これは、MgOドープLiNbO基板との結合性を高めるためである。半導体レーザチップ303を固定する部分は、第1の実施形態で図13及び図14を参照して説明したような形状になっていて、電極及び半田が蒸着されている。そして、第8の実施形態と同様の方法により、半導体レーザチップ303はサブマウント301上の所望の位置に、活性層側の面がサブマウント301側になるようにジャンクションダウンで実装される。具体的には、半導体レーザチップ303は、例えばTEモードで発振する100mW級分布ブラッグ反射型(DBR)AlGaAs半導体レーザであり、その発振波長は850nmである。
【0177】
次に、平面型光導波路素子304をサブマウント301上に実装する方法について説明する。
【0178】
平面型光導波路素子304としては、第2の実施形態と同様に、xカットのMgOドープLiNbO基板上にプロトン交換光導波路及び周期的分極反転領域が形成された光導波路型波長変換デバイス304を用いる。この場合、xカット基板上に作製された光導波路はTEモードの光のみを導波することが可能であるため、プレーナータイプの直接結合が可能である。
【0179】
光導波路型波長変換デバイス304の表面には、y方向の位置合わせ調整を行うために、保護膜307、例えばSiOスパッタ膜307が形成されている。サブマウント301上のSiO層302の表面及び光導波路型波長変換デバイス304の実装面は、実装前に十分に洗浄されている。
【0180】
実装時には、十字キー305及び十字キー306を画像認識し、それらの中心線同士を位置合わせするとともに、半導体レーザチップ303の端面と光導波路型波長変換デバイス304の端面との間の距離が約3μmになるように、配置を調整する(図18参照)。その位置で、光導波路型波長変換デバイス304に一定の圧力を加えながら光導波路型波長変換デバイス304とサブマウント301とをオプティカルコンタクトさせ、その状態で温度約300℃で約30分間保持する。この加熱保持工程では、光導波路も同時に上記条件でアニールされることになり、本実施形態で用いられる光導波路型波長変換デバイス304は、あらかじめその点を考慮して作製されている。
【0181】
このようなアニール工程の実施により、本実施形態では、光導波路型波長変換デバイス304とサブマウント301との間に何も介さず、両者を固定することができる。これより、光導波路型波長変換デバイス304の光導波路の高さを保護膜307の厚さ精度のみで調整できるため、高精度な固定が実現できる。
【0182】
具体的には、本実施形態の構成では、約70%の結合効率を高い歩留まりで実現することができる。また、半導体レーザチップ303のDBR領域に注入する電流を変化させて発振波長を可変し、半導体レーザ303の発振波長を光導波路型波長変換デバイス304の位相整合波長に一致させることにより、波長変換デバイス304から波長425nmのブルー光が出力約10mWで得られる。
【0183】
(第11の実施形態)
第11の実施形態では、図19の断面図を参照して、絶縁層であるSiO層を利用して、DBR半導体レーザのような2つの電極を有する半導体レーザチップを実装するサブマウントの構成について説明する。
【0184】
図19において、シリコン(Si)からなるサブマウント401は、その表面上に絶縁層としてSiO層402を有し、その上には、電極としてのAu層403及び半田(Au/Sn)層404が蒸着されている。また、これらの電極層を所定の領域に分離するために、SiO層402、Au層403、及び半田(Au/Sn)層404をエッチングして溝410が形成される。DBR半導体レーザチップ405は利得を与えるための活性層領域406と発振波長を制御するための分布ブラッグ反射領域(DBR領域)407とから構成され、それぞれの領域406及び407に、電気的に分離された電極408及び409が形成されている。本実施形態のように、サブマウント401に溝410を設けて、DBR半導体レーザチップ405の活性層領域406に対応する部分とDBR領域407に対応する部分とを電気的に分離することにより、活性層領域406に注入される電流とDBR領域407に注入される電流とを完全に分離できるため、安定な動作を実現できる。
【0185】
なお、DBR半導体レーザチップ405は、その活性層側の面がサブマウント側になるようにして、ジャンクションダウンでサブマウント401に固定されている。AlGaAs系のDBR半導体レーザでは、DBR領域に高抵抗層が存在しており、電流注入によって高抵抗層の温度が上昇して屈折率が変化し、それによって波長が変化する。この場合、活性層に近い側がサブマウント側に位置するジャンクションダウン実装では、DBR領域からサブマウントへの放熱性が向上してしまうために、波長可変特性はむしろ劣化する。このような悪影響を防ぐためには、サブマウントのうちでDBR半導体レーザのDBR領域における光導波部分が接する部分に適切な形状の溝を形成して、その放熱特性を意図的に劣化させることによって、波長可変特性の劣化の抑制、或いは波長可変特性の改善を、実現することができる。
【0186】
本実施形態に記載されたDBR半導体レーザチップ405に対する搭載構成は、2電極を有する半導体レーザチップを、これまでに説明した第8〜第10の実施形態及び後述する第12〜第14の実施形態の構成にて使用する場合に、適用可能である。
【0187】
(第12の実施形態)
本実施形態では、複数の発光部を有するアレー型半導体レーザチップと複数の光導波路を有する平面型光導波路素子とがサブマウント上に実装されている直接結合型光集積化デバイスについて、図20及び図21を参照して説明する。図20は、上記のような構成を模式的に示す斜視図であり、図21は、図20の線XXI−XXIに沿った断面図である。
【0188】
本実施形態の構成では、半導体レーザチップ502として、10個の発光部503を有する100mW級のアレー型分布ブラッグ反射型(DBR)AlGaAs半導体レーザチップ502を用いている。また、平面型光導波路素子504としては、xカットのMgOドープLiNbO基板の上に、10本のプロトン交換光導波路505と周期的分極反転領域506とが形成された光導波路型波長変換デバイス504を用いている。
【0189】
本実施形態の構成では、アレー型半導体レーザチップ502の発光部503の間隔と、光導波路型波長変換デバイス504の光導波路505の間隔とが、一致しているので、10本の光導波路に対して同時に光結合調整が実現できる。なお、アレー型半導体レーザチップ502の発光部503の間隔、及び光導波路素子504の光導波路505の間隔は、何れも約0.3mm以上で約1.0mm以下とすることが好ましい。
【0190】
また、アレー型半導体レーザチップ502としては、TEモードで発振するものが用いられている。この場合、xカット基板上に作製された光導波路はTEモードの光のみを導波することが可能であるため、プレーナータイプの直接結合が実現される。
【0191】
光導波路型波長変換デバイス504及び半導体レーザチップ502の両端には、それぞれ画像認識用の十字キー511及び516が形成されている。また、サブマウント501の表面にも、十字キー510及び515が形成されている。これらの十字キーは同一マスクで形成されており、また、アレー型半導体レーザチップ502上の発光部503と十字キー516との位置関係が、光導波路型波長変換デバイス504上の光導波路505と十字キー511との位置関係と同じになるように、それらの形成位置が調整されている。
【0192】
光導波路型波長変換デバイス504の表面には、厚さ調整用の保護膜508が形成されている。光導波路型波長変換デバイス504は、第9の実施形態と同様に、溝507が形成されたシリコン(Si)サブマウント501上に固定される。溝507の中には、接着剤として紫外線硬化型接着剤509が注入されている。サブマウント501上に形成された溝507の内部に接着剤509が注入されていることから、光導波路型波長変換デバイス504上の保護膜508の膜厚を高精度に制御することにより、基板厚さ方向(y方向)での位置合わせ調整が容易に行える。
【0193】
図21の断面図を参照すると、サブマウント501上のアレー型半導体レーザチップ502が実装される部分には、第8の実施形態で説明したような溝が形成されていない。この部分には、絶縁層としてSiO層512が形成され、更にその上には、電極としてのAu層513及び半田(Au/Sn)層514が、アレー型半導体レーザチップ502の発光部503の下にAu層513が位置するような所定の電極パターンで、形成されている。
【0194】
本実施形態の構成では、Au層513及び半田(Au/Sn)層514の厚さを高精度に制御し、且つアレー型半導体レーザチップ502に加える圧力及び半田溶融時の温度を高精度に制御することにより、y方向の実装精度(位置合わせ調整精度)を向上させている。
【0195】
次に、本実施形態の構成に対する実装方法を説明する。
【0196】
まずはじめに、アレー型半導体レーザチップ502をサブマウント501上に、活性層側の面がサブマウント501側になるようにジャンクションダウンで固定する。次に、半田(Au/Sn)層514を溶融するため、サブマウント501をパルス加熱する。この加熱工程では、サブマウント501の温度が約300℃まで上昇するため、光導波路型波長変換デバイス504を先に固定してからアレー型半導体レーザチップ502の固定のための加熱工程を実施すると、波長変換デバイス504の動作特性が変化する可能性がある。そのため、光導波路型波長変換デバイス504の固定に先立って、アレー型半導体レーザチップ502を加熱によって固定する方が望ましい。
【0197】
その後に、第8の実施形態と同様に、アレー型半導体レーザチップ502及びサブマウント501を別々のカメラにより画像認識し、十字キー515及び516間の中心線A5及びB5が一致するように精密ステージを移動し、その後にサブマウント501を加熱して固定処理を行う。
【0198】
アレー型半導体レーザチップ502を実装後、第9の実施形態と同様に、光導波路型波長変換デバイス504及びサブマウント501上の十字キー510及び511間の中心線がお互いに一致し、且つアレー型半導体レーザチップ502の出射面と光導波路型波長変換デバイス504の入射面との間の距離が約3μmになるように、光導波路型波長変換デバイス504を移動する。その後に、光導波路型波長変換デバイス504に一定の加圧を加えながら、紫外線照射により固定する。
【0199】
本実施形態の構成では、アレー型半導体レーザチップ502の発光部503の間隔と光導波路型波長変換デバイス504の光導波路505の間隔とが一致しているため、10本の光導波路505の全てに対して、60%以上の結合効率が実現される。アレー型半導体レーザチップ502のDBR領域に注入する電流を変化させて発振波長を可変し、半導体レーザ502の発振波長を光導波路型波長変換デバイス504の位相整合波長に一致させることにより、光導波路505の各々から約10mWのブルー出力が得られる。
【0200】
以上のように、多数の発光部を有するアレー型半導体レーザチップ502の発光部間隔と、多数の光導波路505を有する波長変換デバイス504の光導波路間隔とを一致させれば、多数の光導波路に対する結合調整が同時に行えるため、アレー型短波長光源が容易に実現できる。
【0201】
上記の本実施形態の説明では、光導波路型波長変換デバイス504として、MgOドープのLiNbO基板の上に作製された構成を用いているが、LiTaO基板やKTiOPO基板の上に作製された光導波路型波長変換デバイスを用いても、同様の効果が得られる。
【0202】
また、上記のようにアレー型半導体レーザチップ502と光導波路型波長変換デバイス504との間の距離を観測しながら位置合わせ調整を行う代わりに、図22の断面図に示すように、光導波路型波長変換デバイス504の端面に厚さ約1μmのTa膜517を形成すれば、半導体レーザ502と波長変換デバイス504との間に所定の大きさのギャップを高精度に確保できる。これにより、容易にz方向の位置合わせ調整が実現できる、より実用性の高いデバイス構成が得られる。Ta膜517に代えて、各種金属膜或いは誘電体膜を、適宜選択して設けることもできる。
【0203】
なお、図22の構成で、図20或いは図21に描かれている構成においてと同じ構成要素には同じ参照番号を付しており、それらの説明は、ここでは省略する。
【0204】
(第13の実施形態)
第12の実施形態では、サブマウント、アレー型半導体レーザチップ、及び光導波路型波長変換デバイスの上にそれぞれ形成された十字キーを画像認識することにより、パッシブな位置合わせ調整によって実装工程を行い、短波長光源を実現している。それに対して本実施形態では、アレー型半導体レーザチップを発光させ、実際にレーザ光を光導波路に結合させながら位置合わせ調整を行うアクティブな調整方法について、図23及び図24の模式的な斜視図及び平面図を参照しながら、説明する。
【0205】
図23において、アレー型半導体レーザチップ602は、第12の実施形態と同様の方法により、シリコン(Si)サブマウント601上にジャンクションダウンで実装されている。アレー型半導体レーザチップ602としては、例えば、50個の発光部604を有する100mW級のアレー型分布ブラッグ反射型(DBR)AlGaAs半導体レーザチップ602を用いる。この半導体レーザチップ602の幅は、典型的には約20mmであり、その発光部の間隔は、典型的には約400μmである。
【0206】
一方、平面型光導波路素子603としては、xカットのMgOドープLiNbO基板の上にプロトン交換光導波路605及び周期的分極反転領域が形成されている光導波路型波長変換デバイス603を用いる。光導波路型波長変換デバイス603の光導波路605の間隔も、約400μmに設計されており、計50本の光導波路605を有している。
【0207】
なお、アレー型半導体レーザチップ602としては、TEモードで発振するチップが用いられている。xカット基板上に作製された光導波路はTEモードの光のみを導波することが可能であるため、上記によって、プレーナータイプの直接結合が実現される。
【0208】
光導波路型波長変換デバイス603は、第12の実施形態と同様に、溝606が形成されたサブマウント601の上に実装される。溝606の内部には、接着剤として紫外線硬化型接着剤607が注入されている。一方、光導波路型波長変換デバイス603の表面には厚さ調整用の保護膜608が形成され、また端面には、ギャップ調整用の厚さ約1μmのTa膜609が形成されている(図24参照)。このように光導波路型波長変換デバイス603の表面に保護膜608及びTa膜609が形成されているため、第12の実施形態と同様に、y方向及びz方向の位置合わせ調整が容易に行える。
【0209】
次に、本実施形態の構成におけるx方向の位置合わせ調整方法を、図24を参照して説明する。
【0210】
本実施形態では、第12の実施形態とは異なり、光導波路型波長変換デバイス603の上には調整用の十字キーが形成されていない。その代わりに、光導波路型波長変換デバイス603の両端から出射されるレーザ光をコリメートするために、開口数0.5の非球面レンズが2個固定されたレンズ鏡筒610が用いられる。具体的には、半導体レーザチップ602の1番目及び50番目の活性層部(図中では、それぞれ(1)及び(50)として示している)に電流を流入してレーザ発振させ、そのときに光導波路型波長変換デバイス603の対応する1番目及び50番目の光導波路605から出射されるレーザ光613をレンズ鏡筒610によりコリメートして、フォトディテクタ611及び612でその出力を検出する。そして、光導波路型波長変換デバイス605の位置をx方向に調整ながら、フォトディテクタ611及び612で検出された出力の和が最大になる位置で、接着剤を紫外線照射により硬化させて光導波路型波長変換デバイス603を固定する。
【0211】
このような位置合わせ方法において、2つの光導波路に対する結合効率は、典型的にはそれぞれ約70%になる。また、両端の2本の光導波路605において結合効率が最大になるように光導波路型波長変換デバイス603の位置調整を行うことにより、全50本の光導波路605の各々に対して、約65%以上の結合効率が得られる。
【0212】
以上のように、多数の発光部を有するアレー型半導体レーザチップ602の発光部間隔と、多数の光導波路605を有する波長変換デバイス603の光導波路間隔とを一致させれば、少数の光導波路に関する結合調整のみを行うことによって残りの多数の光導波路に対する結合調整が同時に行えるため、アレー型短波長光源が容易に実現できる。
【0213】
以上の本実施形態の説明では、両端の発光部及び光導波路を用いて位置合わせ調整を行っているが、中央部の発光部及び光導波路を用いても、同様の効果が得られる。また、2つの光導波路での結合効率の和が最大になるように位置合わせ調整を行っているが、発光部間隔及び光導波路間隔の形成精度が高ければ、1つの発光部のみをレーザ発振させて、そこから対応する1つの光導波路に結合する光のみを検出し位置合わせ調整を行っても、同様の効果が得られる。
【0214】
一方、位置合わせ調整のために発光させる箇所は3つ以上でも良い。但し、その数が多すぎると、実質的にアクティブな調整方法と同じになり、レーザ発振のための電源も複数必要となって調整工程が複雑となるので、その実用的効果は小さくなる。
【0215】
本実施形態のように、実際にレーザ発振させて結合調整を行うことにより、より高精度なデバイス固定を実現することができる。実際にレーザ発振させて光学調整する場合には、半導体レーザチップが劣化する危険性があるが、本実施形態のように50個の発光部のうちで2個のみを発振させれば、残りの発光部の劣化の危険性はなく、パッシブ調整に近い光学調整が実現される。
【0216】
(第14の実施形態)
本発明の第14の実施形態として、第12及び第13の実施形態で説明したアレー型短波長光源の製造方法に、一対の半導体レーザチップ及び光導波路に切断する方法を組み合わせることによって、量産性の高い短波長光源を作製する方法を説明する。
【0217】
一般に、アレー型短波長光源を作製する工程は、2つの工程から成り立つ。具体的には、第1の工程は、アレー型半導体レーザチップを半田によりサブマウントに固定する工程であり、第2の工程は、平面型光導波路素子を紫外線硬化型接着剤によりサブマウントに固定する工程である。
【0218】
更に第1の工程は、半導体レーザチップをツールに取り付け、サブマウントを台に固定する工程と、半導体レーザチップ及びサブマウント上の十字キーをカメラにより認識し、所望の位置に調整する工程と、サブマウントを加熱し半田を溶融して半導体レーザチップを固定する工程と、がある。画像認識及び調整に必要な時間は約120秒であり、また半田を溶融して固定するのに必要な時間は約30秒である。
【0219】
第2の工程には、光導波路型波長変換デバイスをツールに取り付ける工程と、サブマウント上に紫外線硬化型接着剤を注入する工程と、光導波路型波長変換デバイス及びサブマウント上の十字キーをカメラにより認識し、所望の位置に調整する工程と、紫外線を照射し光導波路型波長変換デバイスを固定する工程がある。第2の工程おいて必要な時間は、約120秒である。
【0220】
従って、短波長光源を作製するのに必要とされる工程時間は、1個あたり約270秒である。これより、半導体レーザチップと光導波路型波長変換デバイスとを1つずつサブマウント上に固定することによって集積化デバイスを作製すると、1対につき約270秒の作製時間が必要となることから、材料費よりも調整・固定に必要とされるコストが大きくなる。集積化デバイスを普及させるためには量産性が高く且つ低コストであることが要求されており、上記の製造方法では、このような要求に応えることはできない。
【0221】
一方、第12或いは第13の実施形態におけるようなアレー型短波長光源においても、その調整及び固定に必要とされる時間は、上記とほぼ同じである。そこで、第12或いは第13の実施形態におけるようなアレー型短波長光源をまず形成した上で、その後に第3の工程として、アレー型短波長光源を一対づつに切断することにより、1対あたりの調整及び固定に必要とされる時間は大幅に低減される。
【0222】
切断には、ダイシングソーやレーザ加工機などが用いられ得て、これらの手段によって切断に必要とされる時間は約100秒である。
【0223】
実用的には、ダイシングソーよりもレーザ加工機で切断する方が、半導体レーザチップや光導波路型波長変換デバイスに与えるダメージが小さく、加工上望ましい。具体的には、レーザ加工機の光源としては、(1)YAGレーザ、(2)エキシマレーザ、及び(3)固体レーザの発振光の高調波による紫外線レーザ、が用いられ得て、それぞれ以下の特徴を有する。
【0224】
(1) YAGレーザ:熱的に加工するため、光導波路型波長変換デバイスに与えるダメージが大きい。
【0225】
(2) エキシマレーザ:集光性が悪いために切断用のマスクを必要とする。しかし、紫外線領域の光であること、及び化学反応による付加的効果があることにより、比較的発熱が抑制されたダメージの少ない切断が可能である。
【0226】
(3) 固体レーザの高調波による紫外線レーザ:集光性が高く、化学反応による効果も大きく、デバイスに与えるダメージも小さい。
【0227】
ダイシングソーやレーザ加工機による切断では、切りしろとして約50μm〜約100μmの領域を確保する必要がある。この点を考慮すると、アレー型半導体レーザの発光部間隔及び光導波路型波長変換デバイスの光導波路間隔は、約0.3mm以上で約1.0mm以下であることが望ましい。これらの間隔が約1.0mmを超えると、一つの基板から得られるデバイスの数が少なくなる。また、これらの間隔が約0.3mmより小さくなると、十分な切りしろを確保できない。
【0228】
以上の一連の3工程を実施することによって、超小型の短波長光源が作製される。このとき、1個の短波長光源あたりに必要とされる製造時間は、約8秒(=370秒/50)であり、1台の装置で1時間当たり450個の超小型短波長光源を実現できる。これにより、量産性の高いデバイス作製が可能となる。
【0229】
半導体レーザチップや光導波路型波長変換デバイスとサブマウントとの間の固定強度が弱い場合、ダイシングソーで切断すると、デバイスがサブマウントからはずれることが考えられる。そこで、有機溶剤により除去可能なレジストやワックスなどの材料をアレー型超短波長光源の光結合部に塗布した上で半導体レーザチップ及び光導波路型波長変換デバイスを固定し、その後に切断工程を行い、切断後に有機溶剤により塗布した材料を除去すれば、ダメージの少ない切断が可能となる。
【0230】
光集積化デバイスにおいては、半導体レーザチップ、光ファイバ、光導波路型デバイスなどをサブマウント上に実装し、半導体レーザからのレーザ光を高効率に光ファイバや光導波路デバイスに結合することが必要不可欠である。特に、誘電体基板や強誘電体基板の上にプロトン交換などのイオン交換法やTi拡散などの拡散法などにより作製された光導波路では、一般的にその深さは約2μmであって、光ファイバを用いた光集積化デバイスよりも更に高精度な、例えばサブミクロンオーダの位置合わせ調整が要求される。そのため、上記のようにサブマウント上に溝を形成し、基板厚さ方向の位置合わせ調整精度を高めることは重要である。特に、DBR半導体レーザとLiNbO基板やLiTaO基板の上に周期的分極反転領域を有するような光導波路型波長変換デバイスとから構成される短波長ブルー光源に対して本発明を適用すれば、その実用的効果は大きい。
【0231】
また、半田や接着剤を介して半導体レーザチップや光導波路デバイスをサブマウントに実装する場合、半田や接着剤の厚さ制御が重要である。しかし、実際には、半田や接着剤の厚さを厳密に制御して、厚さ方向(y方向)にサブミクロンでの位置合わせ調整を行うことは、困難である。これに対して、本発明のようにサブマウント上に溝を形成し、その溝の内部に半田や接着剤を注入すれば、半導体レーザチップや光導波路デバイスとサブマウントの密着性が向上するために高精度な実装が実現でき、その実用的効果は大きい。
【0232】
一方、光集積化デバイスを民生分野で更に普及させるためには、直接結合型モジュールの低コスト化を更に進める必要があり、そのためには、量産性が高く且つ高精度のモジュール化工法技術が必要とされる。本発明のように、多数の発光点を有するアレー型半導体レーザと多数の光導波路を有する光導波路デバイスとを用い、それらの発光点間隔と光導波路間隔とを一致させれば、高精度でありながら容易に多数の光結合を行うことができる。また、ダイシングソーやレーザ加工機により、アレー構造を、1つの半導体レーザと1つの光導波路からなる個々の構成に切断することにより、量産性の高いデバイス作製が可能となる。
【0233】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、サブマウント上に半導体レーザ及び光導波路素子を実装して構成される集積化光デバイスにおいて、基板厚さ方向(y方向)での実装精度が向上され、半導体レーザチップから放出されるレーザ光を光導波路素子の光導波路に高効率で結合させることができる。
【0234】
また、本発明によれば、利得を与えるための活性層領域と発振波長を制御するための分布ブラッグ反射(DBR)領域とを備えた波長可変半導体レーザを含む半導体レーザチップをサブマウントにジャンクションダウンで固定する際に、サブマウント表面に、活性層領域に対応する箇所とDBR領域に対応する箇所とを電気的に分離する溝を形成することによって、安定な波長可変特性及び発振特性を実現することができる。
【0235】
更に、本発明によれば、複数(2つ以上)の発光部を有するアレー型半導体レーザチップと複数(2つ以上)の光導波路を有する平面型光導波路素子とをサブマウント上に実装して集積化光デバイスを形成するにあたって、同時に多数の発光部−光導波路間の光結合が実現できる。
【0236】
また、本発明によれば、高い量産性で光集積化デバイスが供給される。
【図面の簡単な説明】
【図1】光導波路型波長変換デバイスを用いた従来のブルー光源の構成の一例を模式的に示す図である。
【図2】分極反転型導波路デバイスを用いた従来のブルー光源の構成の一例を模式的に示す図である。
【図3】(a)及び(b)は、本発明の第1の実施形態による波長可変半導体レーザの構成を模式的に示す斜視図及び断面図である。
【図4】(a)及び(b)は、本発明の第2の実施形態による短波長光源の構成を模式的に示す斜視図及び断面図である。
【図5】(a)及び(b)は、本発明の第3の実施形態による波長可変半導体レーザの構成を模式的に示す斜視図及び平面図である。
【図6】(a)及び(b)は、本発明の第4の実施形態による短波長光源の構成を模式的に示す斜視図及び断面図である。
【図7】(a)及び(b)は、本発明の第5の実施形態による波長可変半導体レーザの構成を模式的に示す斜視図及び断面図である。
【図8】(a)及び(b)は、本発明の第6の実施形態による短波長光源の構成を模式的に示す斜視図及び断面図である。
【図9】(a)及び(b)は、本発明の第7の実施形態による波長可変半導体レーザの構成を模式的に示す斜視図及び平面図である。
【図10】本発明の第8の実施形態による光集積化デバイスの構成を模式的に示す斜視図である。
【図11】図10の線XI−XIに沿った断面図である。
【図12】図11の光集積化デバイスにおける実装方法を模式的に説明するための図である。
【図13】本発明の第8の実施形態による光集積化デバイスの他の構成を模式的に示す斜視図である。
【図14】図13の線XIV−XIVに沿った断面図である。
【図15】本発明の第9の実施形態による光集積化デバイスの構成を模式的に示す斜視図である。
【図16】図15の線XVI−XVIに沿った断面図である。
【図17】本発明の第10の実施形態による光集積化デバイスの構成を模式的に示す斜視図である。
【図18】図17の線XVIII−XVIIIに沿った断面図である。
【図19】本発明の第11の実施形態による光集積化デバイスの構成を模式的に示す断面図である。
【図20】本発明の第12の実施形態による光集積化デバイスの構成を模式的に示す斜視図である。
【図21】図20の線XXI−XXIに沿った断面図である。
【図22】本発明の第12の実施形態による光集積化デバイスの他の構成を模式的に示す断面図である。
【図23】本発明の第13の実施形態による光集積化デバイスの位置合わせ調整方法を説明するための斜視図である。
【図24】本発明の第13の実施形態による光集積化デバイスの位置合わせ調整方法を説明するための平面図である。
【図25】本発明の第8の実施形態による光集積化デバイスの他の構成を模式的に示す斜視図である。
【符号の説明】
1 DBR半導体レーザ
2 活性層領域
3 DBR領域
4 ジャンクション部(活性層)
5、6 Siサブマウント
7 SiO
8 電極
9 半田層
10 溝
11 光導波路型波長変換デバイス
12 ワイヤ
13 電極
14 半田層
15a、15b 電極
16 保護膜
20 Siサブマウント
21 溝
22 SiO
23 電極
24 半田層
25 ワイヤ
26 Siサブマウント
27 溝
28 SiO
29 電極
30 半田層
31 溝
35 サブマウント
36 電極
37 半田層
38 ワイヤ
39 サブマウント
40 電極
41 半田層
42 溝
45 DBR半導体レーザ
46 活性層領域
47 位相補償領域
48 DBR領域
49 サブマウント
50 溝
51 電極
52 半田層
101 サブマウント
102 SiO
103 溝
104 Au層
105 半田層
106 半導体レーザチップ
107、108 十字キー
109 V溝
110 光導波路素子(光ファイバ)
111、112 カメラ
113 ツール
114 台
115 サブマウント
116 SiO
117 溝
118 Au層
119 半田層
120 半導体レーザチップ
121、122 十字キー
123 V溝
124 光導波路素子(光ファイバ)
125 xカットMgOドープLiNbO基板
126 プロトン交換光導波路
127 周期的分極反転領域
133 逃げ溝
201 サブマウント
202 溝
203 半導体レーザチップ
204 平面型光導波路素子(光導波路型波長変換デバイス)
205 保護膜
206 接着剤(紫外線硬化型接着剤)
207、208 十字キー
209 光導波路
210 分極反転領域
301 サブマウント
302 SiO
303 半導体レーザチップ
304 平面型光導波路素子(光導波路型波長変換デバイス)
305、306 十字キー
307 保護膜
401 サブマウント
402 SiO
403 Au層
404 半田層
405 DBR半導体レーザチップ
406 活性層領域
407 DBR領域
408、409 電極
410 溝
501 サブマウント
502 アレー型半導体レーザチップ
503 発光部
504 平面型光導波路素子(光導波路型波長変換デバイス)
505 光導波路
506 分極反転領域
507 溝
508 保護膜
509 接着剤(紫外線硬化型接着剤)
510、511 十字キー
512 SiO
513 Au層
514 半田層
515、516 十字キー
517 Ta膜
601 サブマウント
602 アレー型半導体レーザチップ
603 平面型光導波路素子(光導波路型波長変換デバイス)
604 発光部
605 光導波路
606 溝
607 接着剤(紫外線硬化型接着剤)
608 保護膜
609 Ta膜
610 レンズ鏡筒
611、612 フォトディテクタ
613 レーザ光

Claims (4)

  1. サブマウントと、
    該サブマウントの上に実装されている、少なくとも活性層領域と分布ブラッグ反射領域とを有する半導体レーザチップと、
    を備え、
    該半導体レーザチップは、エピタキシャル成長面が該サブマウントと向かい合うように、且つ該活性層領域の放熱状態と該分布ブラッグ反射領域の放熱状態とが異なるように、該サブマウントの上に実装されており、
    前記活性層領域の前記サブマウントへの接触面積と前記分布ブラッグ反射領域の該サブマウントへの接触面積とが異なる、
    波長可変半導体レーザ。
  2. サブマウントの上に実装された半導体レーザと光導波路デバイスとを少なくとも有する光集積化デバイスであって、該半導体レーザが請求項1に記載の波長可変半導体レーザである、光集積化デバイス。
  3. サブマウントと、
    該サブマウントの上に実装されている、少なくとも活性層領域と分布ブラッグ反射領域とを有する半導体レーザチップと、
    を備え、
    該半導体レーザチップは、エピタキシャル成長面が該サブマウントと向かい合うように、且つ該活性層領域のみが該サブマウントに接するように、該サブマウントの上に実装されている、波長可変半導体レーザ。
  4. サブマウントの上に実装された半導体レーザと光導波路デバイスとを少なくとも有する光集積化デバイスであって、該半導体レーザが請求項3に記載の波長可変半導体レーザである、光集積化デバイス。
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