JP3596292B2 - 窒素富化装置 - Google Patents
窒素富化装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3596292B2 JP3596292B2 JP19531798A JP19531798A JP3596292B2 JP 3596292 B2 JP3596292 B2 JP 3596292B2 JP 19531798 A JP19531798 A JP 19531798A JP 19531798 A JP19531798 A JP 19531798A JP 3596292 B2 JP3596292 B2 JP 3596292B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- nitrogen
- air
- hollow fiber
- permeate
- separation membrane
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、中空糸分離膜を用いて空気から、窒素富化空気を製造する装置に関し、詳しくは、運転休止後の運転再開時に、所定の特性のガスを製造し始めるまでの時間を短縮することを目的にした窒素富化装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
窒素富化空気は、包装、保存等の食品加工分野、穀類の防かび、防虫、果物・野菜の保存等の食糧分野、配管やタンクのパ−ジ、防爆等の化学・燃料分野をはじめ、電子工業分野、薬品分野、金属分野等々において広く利用されている。近年、中空糸膜及びその製造技術、分離膜モジュ−ル製造技術等分離膜技術の進展に伴い、分離膜を用いて空気から窒素富化空気或いは酸素富化空気を製造する方法が、例えば特開昭56−91802号公報、特開昭57−82105号公報、特開平2−252609号公報等において種々提案されている。
【0003】
窒素富化装置は、冷凍除湿機や分離膜モジュールを用いて通常あらかじめ乾燥されている原料空気が供給されており、原料空気は、分離膜モジュールの非透過側に供給され、酸素などの透過速度の大きいガスは膜を透過し、透過側から回収あるいは除去され、窒素の富化された空気は非透過側から回収される。窒素富化装置は、周期的にあるいは間欠的に運転されるのが通常である。
【0004】
しかしながら、一般に、高分子材料を分離膜材料とする窒素富化装置では、運転をある期間休止し再稼動する場合、始動後すぐには所定の分離性能は得られず、また、所定の分離膜性能に回復するまでの時間が長いため無駄な運転を強いられるという問題が発生している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、窒素富化装置において、運転休止時に起こる分離膜モジュールの一時的な性能低下を防止し、運転を再始動したときの膜の性能回復までの時間を短縮する方法とその装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、分離膜モジュールの空気の分離性能が低下する原因を種々検討し、それが運転休止期間中にモジュール内に進入する大気中の汚染物質や水分の影響であることを見出し、本発明を創生するに至った。
【0007】
即ち、本発明は、空気供給口、透過側排出口および非透過側排出口を有する窒素富化装置であり、圧縮乾燥空気を、中空糸膜の束からなる分離膜モジュールを内蔵する窒素富化装置の中空糸の内側へ供給し、該空気中の酸素を該中空糸膜の外側へ選択的に透過させて、内側に非透過の窒素富化空気を生成させる窒素富化装置において、空気供給口、透過側排出口および非透過側排出口のそれぞれに、運転休止中外気と遮断する手段を設けたことを特徴とする窒素富化装置に関するものである。
【0008】
本発明の上記運転休止中の外気と遮断する手段としては、バルブ、逆止弁が好ましい。
【0009】
また、本発明は、空気供給口、透過側排出口および非透過側排出口を有する窒素富化装置であり、圧縮乾燥空気を、中空糸膜の束からなる分離膜モジュールを内蔵する窒素富化装置の中空糸の内側へ供給し、該空気中の酸素を該中空糸膜の外側へ選択的に透過させて、内側に非透過の窒素富化空気を生成させる窒素富化装置において、運転休止中、分離膜モジュールの内部に外気が進入しないように空気供給口、透過側排出口および非透過側排出口を遮断しておくことを特徴とする分離膜の性能維持方法に関するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の窒素富化装置について、図面を参照にして詳細に説明する。
【0011】
図1は、窒素富化空気の製造法を表わす概略図である。また、図2は、窒素富化装置の一例を示す断面図である。水分を含有する原料空気は加圧機(コンプレッサ)1に供給されて、タンク2に貯蔵される。タンク2に貯蔵された加圧空気は、分離膜モジュールあるいは冷凍除湿機などの脱湿装置3を通過し、エアフィルタ4(必要に応じてミストセパレータ)を経て、減圧弁5で圧力調整され、本発明の遮断手段6を通過後、分離膜モジュール7の一方の中空糸膜の内側、即ち中空(孔)に入り、中空糸中を流動して通過する間に、酸素または水分が中空糸膜の外側に透過して、モジュールの透過側出口から本発明の遮断手段9を通過して装置外部に出てくる。一方、中空糸の内部を通過し、非透過の窒素富化空気は、中空糸のもう一方の出口から本発明の遮断手段8を通過し流量調整弁10を経て装置外部に出てくる。
【0012】
窒素富化装置は、図2に示すように、少なくとも乾燥された空気を供給するための供給口21と、非透過の窒素富化空気を回収・排出させるための排出口22及び中空糸膜を透過した酸素富化空気を回収するための排出口23を備えた容器20に、酸素を選択的に透過する中空糸膜24の束からなる分離膜モジュ−ルが内蔵されているものが使用され、容器の供給口、排出口にそれぞれ遮断手段6,8、9を設けたもので構成される。中空糸膜24はその両端の中空(孔)が塞がらない様に両端をエポキシ樹脂の如き樹脂で一体的に固着されている。
【0013】
装置を運転しているときは、遮断手段は、開いた状態であり、運転休止の時は、遮断手段は閉じた状態となり、モジュールの内に外気は入らない状態となるようにする。
【0014】
外気との遮断手段としては、バルブ、逆止弁、ブリーザバルブなど遮断機能を有するものなら何でも良いが、窒素富化の機能を低減させないために極力通気抵抗の小さいものが好ましい。
【0015】
遮断手段として、逆止弁など、ガスがくればガスの圧力で遮断板が開き、ガスが停止すれば、重力で遮断板が閉じる形式のものを用いれば、運転停止、再開ごとに遮断手段を開閉する作業を行なう必要がない。
【0016】
なお、本発明は、窒素富化装置について述べたものであるが、膜の透過側に注目すれば、酸素発生装置であり、発明の内容は、酸素発生装置にも適用できる。
【0017】
【実施例】
実施例1
図1の工程に従って、膜厚100μm、外径500μm及び長さ450mmの芳香族ポリイミドの非対称性中空糸膜を束ねた中空糸モジュールからなる直径40mm、長さ500mmの分離膜モジュールを使い、遮断手段6,8,9としてガスの供給が止まると遮断する機能を有する逆止弁を使用して、以下の操作を行なった。
【0018】
最初に、モジュールに入る原料空気の圧力を7kg/cm2G、温度を25℃にし、窒素富化空気流量が15NL/minになるように調整し、24時間運転を行なった。その後、運転を停止した。運転を停止しているときの大気の温度は25〜31℃、湿度は60〜70%であった。運転を停止してから24時間後に、再び前記と同じ条件で運転を開始した(この運転を停止後1回目の運転とする)。24時間の運転と24時間の停止を繰り返し、膜の非透過側から出てくる空気の酸素濃度を測定した。酸素濃度計は、図1の非透過側の流量調整弁10の直後に設けた。運転再開時の酸素濃度の経時変化を表1に示す。酸素濃度は、運転開始直後から、ほぼ運転終了時に近い濃度4.9%を示した。
【0019】
【表1】
【0020】
比較例1
実施例1のモジュールへの入り口および2つの出口につながった逆止弁を取り外し、遮断手段を有しない状態で、実施例1と同じ条件で、運転と停止を繰り返し、膜の非透過側から出てくる空気の酸素濃度を測定した。運転再開時の経時変化を表2に示す。運転再開直後は、酸素濃度は5.4〜6.0%を示し、およそ、5〜6時間を要して安定値4.9%に到達した。実施例1と比較例1のそれぞれの測定結果の平均値をグラフにしたものを図3に示す。本発明により運転再開時の定常運転に達するまでの時間が大幅に短縮されることがわかる。
【0021】
【表2】
【0022】
【発明の効果】
窒素富化装置において空気の供給口および排出口のそれぞれに外気がモジュール内部に進入する遮蔽手段を設けることにより、運転休止時に起こる分離膜モジュールの一時的な性能低下を防止し、運転再始動したときの膜の性能回復までの時間を節約することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の窒素富化装置の説明のための窒素富化空気の製造工程
【図2】本発明の遮断手段を有する窒素富化装置
【図3】運転休止中に外気との遮断を行なう場合と行なわない場合の運転再開時の非透過側出口酸素濃度の経時変化を示す図
【符号の説明】
1;加圧機(コンプレッサ)
2;タンク
3;脱湿装置
4;エアフィルタ(及びミストセパレータ)
5;減圧弁
6;モジュール入り口への遮断手段
7;モジュール
8;非透過側出口の遮断手段
9;透過側出口の遮断手段
10;流量調節弁
20;モジュール容器
21;モジュール入り口
22;モジュール非透過側出口
23;モジュール透過側出口
24;中空糸膜
Claims (2)
- 空気供給口、透過側排出口および非透過側排出口を有する窒素富化装置であり、圧縮乾燥空気を、中空糸膜の束からなる分離膜モジュールを内蔵する窒素富化装置の中空糸の内側へ供給し、該空気中の酸素を該中空糸膜の外側へ選択的に透過させて、内側に非透過の窒素富化空気を生成させる窒素富化装置において、運転休止中、分離膜モジュールの内部に外気が進入しないように空気供給口、透過側排出口および非透過側排出口を前記供給口及び排出口に直接接続された遮断手段で遮断しておくことによって、運転再開時に所定濃度の窒素富化空気が得られるまでの時間を短縮する方法。
- 分離膜が芳香族ポリイミドからなる非対称性中空糸膜であることを特徴とする請求項1に記載の、運転再開時に所定濃度の窒素富化空気が得られるまでの時間を短縮する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19531798A JP3596292B2 (ja) | 1998-07-10 | 1998-07-10 | 窒素富化装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19531798A JP3596292B2 (ja) | 1998-07-10 | 1998-07-10 | 窒素富化装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000024442A JP2000024442A (ja) | 2000-01-25 |
JP3596292B2 true JP3596292B2 (ja) | 2004-12-02 |
Family
ID=16339162
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19531798A Expired - Lifetime JP3596292B2 (ja) | 1998-07-10 | 1998-07-10 | 窒素富化装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3596292B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20040221475A1 (en) * | 2003-05-02 | 2004-11-11 | Martin Theriault | Dry cabinets for use in moisture sensitive device management in electronics manufacturing |
JP5358903B2 (ja) * | 2006-07-21 | 2013-12-04 | 宇部興産株式会社 | 非対称中空糸ガス分離膜、ガス分離方法、及びガス分離膜モジュール |
JP5780063B2 (ja) * | 2011-08-30 | 2015-09-16 | 宇部興産株式会社 | 酸素富化空気を製造するシステムおよび方法 |
-
1998
- 1998-07-10 JP JP19531798A patent/JP3596292B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000024442A (ja) | 2000-01-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4421529A (en) | Membrane system for intermittent gas separation | |
JP2872521B2 (ja) | 二段階膜分離乾燥方法及び装置 | |
EP0647463B1 (en) | Start-up process for membrane systems and apparatus therefor | |
US4931070A (en) | Process and system for the production of dry, high purity nitrogen | |
EP0547387B1 (en) | Membrane air drying and separation operations | |
JP7469319B2 (ja) | 変化する組成又は流量を有するガス流からガス成分を分離するための装置及び膜プロセス | |
EP0702995A1 (en) | Membrane gas separation | |
US20050235826A1 (en) | Air separation system using dehydration membrane for pretreatment of compressed air | |
CA2104808C (en) | Fast response high purity membrane nitrogen generator | |
JP2002274608A (ja) | 庫内の湿度及び/又は酸素ガス濃度を制御可能な収納庫 | |
WO2014078833A1 (en) | Membrane separation process for controlling gas concentrations within produce shipping or storage containers | |
EP0430304B1 (en) | Separation of gas mixtures | |
EP1745834A1 (en) | Air dehydration membrane | |
JP6699296B2 (ja) | 不活性ガス供給が可能なガス分離膜装置及び富化ガスの製造方法 | |
JP3596292B2 (ja) | 窒素富化装置 | |
JP2765671B2 (ja) | 酸素富化気体の製造法 | |
JP2014004521A (ja) | 高圧乾燥ガス製造システム | |
JP3951569B2 (ja) | ガス分離膜の運転方法 | |
JP2000189743A (ja) | 乾燥気体供給作動方法およびシステム | |
JP4529285B2 (ja) | ガス分離膜装置および運転休止方法 | |
JP2010120016A (ja) | ガス分離膜装置の運転休止方法 | |
JPH0667449B2 (ja) | ガスの脱湿法 | |
EP1506807A2 (en) | Air dehydration membrane | |
JP2003313014A (ja) | 窒素ガスの製造方法および製造装置 | |
JP3125094B2 (ja) | 気体分離膜によるガス分離方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040310 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040316 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040423 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040817 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040830 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070917 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080917 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090917 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100917 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100917 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110917 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110917 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120917 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120917 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120917 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120917 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130917 Year of fee payment: 9 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |