JP3596056B2 - 識別システム及びこれに用いられるコイル - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は移動体の識別に用いられる識別システムと、そのリードライトアンテナや移動する物体、家畜等に取付けて用いられるデータキャリアのコイルの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来家畜の識別や家畜の体重の管理に識別システムが提案されている。これは特開平1−265835号のように、家畜等の識別対象物にメモリを有するICカード(データキャリア)を設け、外部からデータ伝送によってデータキャリアに必要な情報を書込んでおく。そしてリードライトアンテナを設置した位置にデータキャリアを取付けた識別対象物が到来したときに、必要に応じてその情報を読出し、体重を測定して書込むようにして識別システムが用いられる。
【0003】
このようなデータキャリアは家畜等に取付けて用いられ、体重計の側方に配置された書込/読出制御ユニットからデータキャリアに必要なデータを書込み又は読出すように構成される。ここでデータキャリアやデータキャリアとのデータ伝送を行うリードライトアンテナは、コイルを用いて構成される。このコイルはコイル線を揃えながら緩まないように手で巻く方法や、機械によって巻くことにより製造される。そしてこのコイルを介して相互にデータ伝送を行うようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらこのような従来の識別システムにおいて、コイルの製造には作業効率が悪く、又機械で巻く場合にもコイルを巻くために必要な治具を必要とする。特にコイルの寸法が大きくなるにつれてその組立性が悪化し、組立機械や治具等の価格が上昇するという欠点があった。
【0005】
特にこのような家畜の識別システムを体重や給餌,搾乳等の測定データの管理に用いる場合には、牛等の家畜の高さ程度の大きなアンテナコイルが必要となり、製造が難しくなるという欠点があった。
【0006】
又このような識別システムに用いられるアンテナコイルは、データキャリアとの関係が図9(a)に示すような平行な状態では磁束が鎖交するためハッチングで示すように広い通信領域が得られるが、図9(b)に示すようにコイルが垂直な位置関係にあれば鎖交する領域が極めて少なくなり、ハッチングで示すアンテナコイルの両端部のみが通信可能な領域となる。従って家畜に設けたデータキャリアとの間で通信を行う場合にも、常に正常に通信が行えるとは限らないという欠点があった。
【0007】
本発明はこのような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、リードライトアンテナやデータキャリアのコイルの製造を容易とし、通信を安定して行えるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願の請求項1の発明は、夫々コイルを有するデータキャリア及び識別装置から成り、夫々のコイルを介して電磁結合によりデータ伝送を行う識別システムであって、データキャリアのコイルは、多芯ケーブルを環状とし、その一端にコネクタを接続し、他端にコネクタ付きの回路基板を接続し、これらのコネクタを多芯ケーブルの芯線を互いにずらせて他方の端部の芯線に接続することによって形成された着脱自在のコイルであることを特徴とするものである。
【0009】
本願の請求項2の発明は、夫々コイルを有するデータキャリア及び識別装置から成り、夫々のコイルを介して電磁結合によりデータ伝送を行う識別システムにおいて、識別装置は、開閉自在に取付けられた平たいベース部材を有し、ベース部材の一面に多芯ケーブルを環状に配設すると共に、該多芯ケーブルの相対向する端部間でその芯線を互いにずらせて他方の端部の芯線に接続することによって2つのコイルを形成し、その一方を送信コイル、他方を受信コイルとして用いるものであり、データキャリアは、多芯ケーブルを環状とし、その一端にコネクタを接続し、他端にコネクタ付きの回路基板を接続し、これらのコネクタを多芯ケーブルの芯線を互いにずらせて他方の端部の芯線に接続することによって形成された着脱自在のコイルを含むものであることを特徴とする。
【0010】
本願の請求項3の発明は、このデータキャリアが家畜のデータを保持するものとしたことを特徴とする。
又請求項4の発明は、このデータキャリアのコイルがコイルを形成する多芯ケーブルを首輪と兼用させて家畜の首に装着できるようにしたことを特徴とする。
【0011】
【作用】
このような特徴を有する本発明によれば、開閉自在の平板状ベース部材に多芯ケーブルから成るアンテナを通路に配置しておくことによって、家畜等がこのアンテナを通過する際にデータキャリアのコイルと平行な位置になる状態が存在する。このとき確実にデータ伝送を行うことができる。又請求項2の発明では、データキャリアのコイルを環状に形成しておくことによって、牛等の家畜に首輪状に付加してデータ伝送が行えることとなる。
【0012】
【実施例】
図1は本発明の一実施例による識別システムの構成を示すブロック図である。本図において識別システムは家畜の体重等のデータが保持されるカード状のデータキャリア11と、データキャリア11にデータを書込み及び読出すリードライトアンテナ12、及びリードライトアンテナ12に接続されてその動作を制御する識別装置であるIDコントローラ13が設けられる。IDコントローラ13は上位のコンピュータ14に接続されている。
【0013】
さてIDコントローラ13は図2にブロック図を示すように、データキャリア11へのデータの書込み及び読取りを制御するマイクロプロセッサ(CPU)21とそのシステムプログラム及びデータを保持するメモリ22が設けられ、上位のコンピュータ14との入出力を行う入出力インターフェース23が設けられる。又IDコントローラ13はCPU21より出力が与えられデータキャリア11に伝送すべきデータを変調する変調回路24と、その出力によって駆動される送信部25を有している。送信部25は例えばコイルからFSK変調された信号を出力することによってデータキャリア11にデータを伝送するものである。又データキャリア11から得られる受信信号は受信部26を介して復調回路27に与えられる。復調回路27はこの信号を復調してCPU21に与えるものである。そして送信部25及び受信部26には夫々リードライトアンテナ12を構成するコイルL1,L2が取付けられる。
【0014】
次にデータキャリア11の構成について図3を参照しつつ説明する。図3において、送受信部31はアンテナコイルL3を有しており、リードライトアンテナ12より出射される周波数の信号を受信及び送信するものであり、その受信出力は復調回路32に与えられる。復調回路32はこの信号を復調しそのデータを元の信号に変換して制御部33に与えている。制御部33にはバスを介してメモリ34が接続される。制御部33はIDコントローラ13から与えられたコマンド及びデータに従ってメモリにデータを書込み又は読出すものである。そしてメモリ34から読出されたデータはシリアル信号に変換され、変調回路35を介して送受信部31に与えられる。送受信部31は例えば共振回路の共振周波数を異ならせることによって信号をリードライトアンテナ12側に与えるものである。
【0015】
図4はこのリードライトアンテナ12の一例を示す斜視図である。本実施例に示されるように、アンテナコイル12は平板27の一面に環状に固定された多芯ケーブルを用いて送信コイルL1及び受信コイルL2が構成される。このコイルはベース部材である板27の端部に夫々4箇所のスプールピンを打ちつけ、これに多芯ケーブル41,42を巻付けて環状に配設する。そして送信コイルL1は2芯のケーブル41を用い、各ケーブルの一端のみを連結し、他端を夫々送信部25に接続するように構成する。又同様にして受信コイルL2も例えば5芯のケーブル42を用い、相対向する端部間でその芯線を互いにずらせて他方の端部の芯線に接続する。そしてその両端のみを受信部26に接続する。こうすればコイル線を何周か手で巻く手間が大幅に軽減されることとなり、組立作業性を向上させることができる。特にコイルの寸法が大きくなればなるほどその効果が大きくなる。又既存の多芯ケーブル線を用いるためコイルの組立強度を増すことができ、巻上げ機や組立機械治具等が不要となるため、製造価格が低減できることとなる。
【0016】
又図4では2本の多芯ケーブル41,42を用いているが、図5にその正面図を示すように、1本の多芯ケーブル43を用いて、その任意の巻線を送信コイルL1及び受信コイルL2として用いることができる。
【0017】
図1はこの平板27を牛等の家畜の通路に開閉自在に扉状に配置し、牛の耳にデータキャリア11を取付けるようにしたものである。こうすればこの扉の直前に体重計を配置しておけば牛が通過する際にその体重を測定し、測定した体重をデータキャリア11に書込むことができる。この場合には牛の通過と共に扉を構成する平板27が回動するが、このときデータキャリアのコイルL3と扉27のコイルL1,L2とが平行になる瞬間があり、このときに確実に通信を行うことができる。
【0018】
図6はこのデータキャリアに用いられるコイルの一例を示す図である。本図においてデータキャリアのコイルL3には多芯ケーブル44を用いる。この多芯ケーブル44の端部にはコネクタ45aを接続し、これに連結されるコネクタ45bを回路基板46上に実装する。このコネクタ45bは図4,図5に示したコイルと同様に、両端部を除いてコネクタ45aの芯線とずらせて接続し、その両端の芯線を送受信部31に接続する。そしてデータキャリアの他の電子回路部を回路基板46上に実装しておく。こうすれば多芯ケーブル44を用いて任意の径のコイルを持ったデータキャリアが実現できることとなる。このデータキャリア11のアンテナコイルL3を首輪として牛の首に装着することとすれば、コイルの面積を大きくしてしかも取付けが容易となる。
【0019】
次に本発明の他の実施例について説明する。図7はこの書込/読出制御装置のコイルとしてフラットケーブルを用いたものである。この場合にはベース部材である柔軟な塩化ビニールシート51等に、環状にしてフラットケーブル52を埋設する。この場合にもフラットケーブル52の相対向する端部の芯線を互いに隣接する芯線に接続して、送信コイルL1及び受信コイルL2を構成することができる。こうすれば塩化ビニールシート51と共に、柔軟な構造のリードライトアンテナ12Bを構成することができる。
【0020】
図8は柔軟なシート上に多芯のフラットケーブルを埋設して構成されたリードライトアンテナ12Aの使用状態を示す図である。本図において、このアンテナコイルを牛等の通過する通路に暖簾状に取付けておく。このリードライトアンテナ12Aには図1と同様にIDコントローラ13が接続される。IDコントローラ13は図3に示すものと同一とし、暖簾型のリードライトアンテナ12Aを介してデータを送信及び受信するものである。そして牛には例えば耳にタグ型のデータキャリアを取付け、又は前述した首輪型のデータキャリア11を接続する。そうすれば暖簾型アンテナを牛が通過する際に、データキャリア11のコイルとフラットケーブル52とが平行になる時間が存在するため、この間にデータ伝送を行うことができる。
【0021】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明では、リードライトアンテナを大型のコイルを用いて構成する場合にも多芯ケーブルを用いているため、コイル線を何周か手で巻く必要がなく、容易に構成することができる。又この多芯ケーブルを開閉自在に構成されたベース部材上に配設しているため、家畜等が通過する際にデータ伝送を確実に行うことができる。更にこのアンテナをフレキシブルなアンテナとすることによって家畜等の用途に適した識別システムを構成することができるという効果が得られる。又家畜に取付けるデータキャリアを首輪型のアンテナとすることによって比較的形状の大きいコイルを着脱自在とし、容易に牛等の首に取付けることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による多芯ケーブルから成るリードライトアンテナを用いた家畜用の識別システムを示す正面図及び立面図である。
【図2】本実施例によるIDコントローラの構成を示すブロック図である。
【図3】本実施例によるデータキャリアの構成を示すブロック図である。
【図4】本実施例によるリードライトアンテナの構成を示す斜視図である。
【図5】本発明の他の実施例によるリードライトアンテナを示す正面図である。
【図6】本実施例に用いられるデータキャリア及びそのアンテナを示す斜視図である。
【図7】本発明の他の実施例によるリードライトアンテナを示す正面図である。
【図8】本発明の他の実施例による暖簾型アンテナを用いた識別システムの全体構成を示す図である。
【図9】従来の識別システムにおいて、リードライトアンテナとデータキャリアのアンテナの関係と受信領域を示す図である。
【符号の説明】
11 データキャリア
12,12A リードライトアンテナ
13 IDコントローラ
14 コンピュータ
27 平板
41〜44 多芯ケーブル
45a,45b コネクタ
51 塩化ビニールシート
52 フラットケーブル
L1 送信コイル
L2 受信コイル
L3 アンテナコイル
【産業上の利用分野】
本発明は移動体の識別に用いられる識別システムと、そのリードライトアンテナや移動する物体、家畜等に取付けて用いられるデータキャリアのコイルの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来家畜の識別や家畜の体重の管理に識別システムが提案されている。これは特開平1−265835号のように、家畜等の識別対象物にメモリを有するICカード(データキャリア)を設け、外部からデータ伝送によってデータキャリアに必要な情報を書込んでおく。そしてリードライトアンテナを設置した位置にデータキャリアを取付けた識別対象物が到来したときに、必要に応じてその情報を読出し、体重を測定して書込むようにして識別システムが用いられる。
【0003】
このようなデータキャリアは家畜等に取付けて用いられ、体重計の側方に配置された書込/読出制御ユニットからデータキャリアに必要なデータを書込み又は読出すように構成される。ここでデータキャリアやデータキャリアとのデータ伝送を行うリードライトアンテナは、コイルを用いて構成される。このコイルはコイル線を揃えながら緩まないように手で巻く方法や、機械によって巻くことにより製造される。そしてこのコイルを介して相互にデータ伝送を行うようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらこのような従来の識別システムにおいて、コイルの製造には作業効率が悪く、又機械で巻く場合にもコイルを巻くために必要な治具を必要とする。特にコイルの寸法が大きくなるにつれてその組立性が悪化し、組立機械や治具等の価格が上昇するという欠点があった。
【0005】
特にこのような家畜の識別システムを体重や給餌,搾乳等の測定データの管理に用いる場合には、牛等の家畜の高さ程度の大きなアンテナコイルが必要となり、製造が難しくなるという欠点があった。
【0006】
又このような識別システムに用いられるアンテナコイルは、データキャリアとの関係が図9(a)に示すような平行な状態では磁束が鎖交するためハッチングで示すように広い通信領域が得られるが、図9(b)に示すようにコイルが垂直な位置関係にあれば鎖交する領域が極めて少なくなり、ハッチングで示すアンテナコイルの両端部のみが通信可能な領域となる。従って家畜に設けたデータキャリアとの間で通信を行う場合にも、常に正常に通信が行えるとは限らないという欠点があった。
【0007】
本発明はこのような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、リードライトアンテナやデータキャリアのコイルの製造を容易とし、通信を安定して行えるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願の請求項1の発明は、夫々コイルを有するデータキャリア及び識別装置から成り、夫々のコイルを介して電磁結合によりデータ伝送を行う識別システムであって、データキャリアのコイルは、多芯ケーブルを環状とし、その一端にコネクタを接続し、他端にコネクタ付きの回路基板を接続し、これらのコネクタを多芯ケーブルの芯線を互いにずらせて他方の端部の芯線に接続することによって形成された着脱自在のコイルであることを特徴とするものである。
【0009】
本願の請求項2の発明は、夫々コイルを有するデータキャリア及び識別装置から成り、夫々のコイルを介して電磁結合によりデータ伝送を行う識別システムにおいて、識別装置は、開閉自在に取付けられた平たいベース部材を有し、ベース部材の一面に多芯ケーブルを環状に配設すると共に、該多芯ケーブルの相対向する端部間でその芯線を互いにずらせて他方の端部の芯線に接続することによって2つのコイルを形成し、その一方を送信コイル、他方を受信コイルとして用いるものであり、データキャリアは、多芯ケーブルを環状とし、その一端にコネクタを接続し、他端にコネクタ付きの回路基板を接続し、これらのコネクタを多芯ケーブルの芯線を互いにずらせて他方の端部の芯線に接続することによって形成された着脱自在のコイルを含むものであることを特徴とする。
【0010】
本願の請求項3の発明は、このデータキャリアが家畜のデータを保持するものとしたことを特徴とする。
又請求項4の発明は、このデータキャリアのコイルがコイルを形成する多芯ケーブルを首輪と兼用させて家畜の首に装着できるようにしたことを特徴とする。
【0011】
【作用】
このような特徴を有する本発明によれば、開閉自在の平板状ベース部材に多芯ケーブルから成るアンテナを通路に配置しておくことによって、家畜等がこのアンテナを通過する際にデータキャリアのコイルと平行な位置になる状態が存在する。このとき確実にデータ伝送を行うことができる。又請求項2の発明では、データキャリアのコイルを環状に形成しておくことによって、牛等の家畜に首輪状に付加してデータ伝送が行えることとなる。
【0012】
【実施例】
図1は本発明の一実施例による識別システムの構成を示すブロック図である。本図において識別システムは家畜の体重等のデータが保持されるカード状のデータキャリア11と、データキャリア11にデータを書込み及び読出すリードライトアンテナ12、及びリードライトアンテナ12に接続されてその動作を制御する識別装置であるIDコントローラ13が設けられる。IDコントローラ13は上位のコンピュータ14に接続されている。
【0013】
さてIDコントローラ13は図2にブロック図を示すように、データキャリア11へのデータの書込み及び読取りを制御するマイクロプロセッサ(CPU)21とそのシステムプログラム及びデータを保持するメモリ22が設けられ、上位のコンピュータ14との入出力を行う入出力インターフェース23が設けられる。又IDコントローラ13はCPU21より出力が与えられデータキャリア11に伝送すべきデータを変調する変調回路24と、その出力によって駆動される送信部25を有している。送信部25は例えばコイルからFSK変調された信号を出力することによってデータキャリア11にデータを伝送するものである。又データキャリア11から得られる受信信号は受信部26を介して復調回路27に与えられる。復調回路27はこの信号を復調してCPU21に与えるものである。そして送信部25及び受信部26には夫々リードライトアンテナ12を構成するコイルL1,L2が取付けられる。
【0014】
次にデータキャリア11の構成について図3を参照しつつ説明する。図3において、送受信部31はアンテナコイルL3を有しており、リードライトアンテナ12より出射される周波数の信号を受信及び送信するものであり、その受信出力は復調回路32に与えられる。復調回路32はこの信号を復調しそのデータを元の信号に変換して制御部33に与えている。制御部33にはバスを介してメモリ34が接続される。制御部33はIDコントローラ13から与えられたコマンド及びデータに従ってメモリにデータを書込み又は読出すものである。そしてメモリ34から読出されたデータはシリアル信号に変換され、変調回路35を介して送受信部31に与えられる。送受信部31は例えば共振回路の共振周波数を異ならせることによって信号をリードライトアンテナ12側に与えるものである。
【0015】
図4はこのリードライトアンテナ12の一例を示す斜視図である。本実施例に示されるように、アンテナコイル12は平板27の一面に環状に固定された多芯ケーブルを用いて送信コイルL1及び受信コイルL2が構成される。このコイルはベース部材である板27の端部に夫々4箇所のスプールピンを打ちつけ、これに多芯ケーブル41,42を巻付けて環状に配設する。そして送信コイルL1は2芯のケーブル41を用い、各ケーブルの一端のみを連結し、他端を夫々送信部25に接続するように構成する。又同様にして受信コイルL2も例えば5芯のケーブル42を用い、相対向する端部間でその芯線を互いにずらせて他方の端部の芯線に接続する。そしてその両端のみを受信部26に接続する。こうすればコイル線を何周か手で巻く手間が大幅に軽減されることとなり、組立作業性を向上させることができる。特にコイルの寸法が大きくなればなるほどその効果が大きくなる。又既存の多芯ケーブル線を用いるためコイルの組立強度を増すことができ、巻上げ機や組立機械治具等が不要となるため、製造価格が低減できることとなる。
【0016】
又図4では2本の多芯ケーブル41,42を用いているが、図5にその正面図を示すように、1本の多芯ケーブル43を用いて、その任意の巻線を送信コイルL1及び受信コイルL2として用いることができる。
【0017】
図1はこの平板27を牛等の家畜の通路に開閉自在に扉状に配置し、牛の耳にデータキャリア11を取付けるようにしたものである。こうすればこの扉の直前に体重計を配置しておけば牛が通過する際にその体重を測定し、測定した体重をデータキャリア11に書込むことができる。この場合には牛の通過と共に扉を構成する平板27が回動するが、このときデータキャリアのコイルL3と扉27のコイルL1,L2とが平行になる瞬間があり、このときに確実に通信を行うことができる。
【0018】
図6はこのデータキャリアに用いられるコイルの一例を示す図である。本図においてデータキャリアのコイルL3には多芯ケーブル44を用いる。この多芯ケーブル44の端部にはコネクタ45aを接続し、これに連結されるコネクタ45bを回路基板46上に実装する。このコネクタ45bは図4,図5に示したコイルと同様に、両端部を除いてコネクタ45aの芯線とずらせて接続し、その両端の芯線を送受信部31に接続する。そしてデータキャリアの他の電子回路部を回路基板46上に実装しておく。こうすれば多芯ケーブル44を用いて任意の径のコイルを持ったデータキャリアが実現できることとなる。このデータキャリア11のアンテナコイルL3を首輪として牛の首に装着することとすれば、コイルの面積を大きくしてしかも取付けが容易となる。
【0019】
次に本発明の他の実施例について説明する。図7はこの書込/読出制御装置のコイルとしてフラットケーブルを用いたものである。この場合にはベース部材である柔軟な塩化ビニールシート51等に、環状にしてフラットケーブル52を埋設する。この場合にもフラットケーブル52の相対向する端部の芯線を互いに隣接する芯線に接続して、送信コイルL1及び受信コイルL2を構成することができる。こうすれば塩化ビニールシート51と共に、柔軟な構造のリードライトアンテナ12Bを構成することができる。
【0020】
図8は柔軟なシート上に多芯のフラットケーブルを埋設して構成されたリードライトアンテナ12Aの使用状態を示す図である。本図において、このアンテナコイルを牛等の通過する通路に暖簾状に取付けておく。このリードライトアンテナ12Aには図1と同様にIDコントローラ13が接続される。IDコントローラ13は図3に示すものと同一とし、暖簾型のリードライトアンテナ12Aを介してデータを送信及び受信するものである。そして牛には例えば耳にタグ型のデータキャリアを取付け、又は前述した首輪型のデータキャリア11を接続する。そうすれば暖簾型アンテナを牛が通過する際に、データキャリア11のコイルとフラットケーブル52とが平行になる時間が存在するため、この間にデータ伝送を行うことができる。
【0021】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明では、リードライトアンテナを大型のコイルを用いて構成する場合にも多芯ケーブルを用いているため、コイル線を何周か手で巻く必要がなく、容易に構成することができる。又この多芯ケーブルを開閉自在に構成されたベース部材上に配設しているため、家畜等が通過する際にデータ伝送を確実に行うことができる。更にこのアンテナをフレキシブルなアンテナとすることによって家畜等の用途に適した識別システムを構成することができるという効果が得られる。又家畜に取付けるデータキャリアを首輪型のアンテナとすることによって比較的形状の大きいコイルを着脱自在とし、容易に牛等の首に取付けることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による多芯ケーブルから成るリードライトアンテナを用いた家畜用の識別システムを示す正面図及び立面図である。
【図2】本実施例によるIDコントローラの構成を示すブロック図である。
【図3】本実施例によるデータキャリアの構成を示すブロック図である。
【図4】本実施例によるリードライトアンテナの構成を示す斜視図である。
【図5】本発明の他の実施例によるリードライトアンテナを示す正面図である。
【図6】本実施例に用いられるデータキャリア及びそのアンテナを示す斜視図である。
【図7】本発明の他の実施例によるリードライトアンテナを示す正面図である。
【図8】本発明の他の実施例による暖簾型アンテナを用いた識別システムの全体構成を示す図である。
【図9】従来の識別システムにおいて、リードライトアンテナとデータキャリアのアンテナの関係と受信領域を示す図である。
【符号の説明】
11 データキャリア
12,12A リードライトアンテナ
13 IDコントローラ
14 コンピュータ
27 平板
41〜44 多芯ケーブル
45a,45b コネクタ
51 塩化ビニールシート
52 フラットケーブル
L1 送信コイル
L2 受信コイル
L3 アンテナコイル
Claims (4)
- 夫々コイルを有するデータキャリア及び識別装置から成り、夫々のコイルを介して電磁結合によりデータ伝送を行う識別システムにおいて、
前記データキャリアのコイルは、
多芯ケーブルを環状とし、その一端にコネクタを接続し、他端にコネクタ付きの回路基板を接続し、これらのコネクタを多芯ケーブルの芯線を互いにずらせて他方の端部の芯線に接続することによって形成された着脱自在のコイルであることを特徴とする識別システムに用いられるコイル。 - 夫々コイルを有するデータキャリア及び識別装置から成り、夫々のコイルを介して電磁結合によりデータ伝送を行う識別システムにおいて、
前記識別装置は、
開閉自在に取付けられた平たいベース部材を有し、
前記ベース部材の一面に多芯ケーブルを環状に配設すると共に、該多芯ケーブルの相対向する端部間でその芯線を互いにずらせて他方の端部の芯線に接続することによって2つのコイルを形成し、その一方を送信コイル、他方を受信コイルとして用いるものであり、
前記データキャリアは、多芯ケーブルを環状とし、その一端にコネクタを接続し、他端にコネクタ付きの回路基板を接続し、これらのコネクタを多芯ケーブルの芯線を互いにずらせて他方の端部の芯線に接続することによって形成された着脱自在のコイルを含むものであることを特徴とする識別システム。 - 前記データキャリアは、家畜のデータを保持するものであることを特徴とする請求項2記載の識別システム。
- 前記データキャリアのコイルは、コイルを形成する多芯ケーブルを首輪と兼用させて家畜の首に装着できるようにしたことを特徴とする請求項3記載の識別システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP30677194A JP3596056B2 (ja) | 1994-11-15 | 1994-11-15 | 識別システム及びこれに用いられるコイル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP30677194A JP3596056B2 (ja) | 1994-11-15 | 1994-11-15 | 識別システム及びこれに用いられるコイル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08149042A JPH08149042A (ja) | 1996-06-07 |
JP3596056B2 true JP3596056B2 (ja) | 2004-12-02 |
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ID=17961090
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP30677194A Expired - Fee Related JP3596056B2 (ja) | 1994-11-15 | 1994-11-15 | 識別システム及びこれに用いられるコイル |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2008146671A1 (ja) * | 2007-05-31 | 2008-12-04 | Sony Chemical & Information Device Corporation | Rfid用アンテナ及び携帯通信機器 |
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