JP3595370B2 - インクジェットプリンタ用プリンタヘッド拭き取り構造 - Google Patents

インクジェットプリンタ用プリンタヘッド拭き取り構造 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は広義にはインクジェットプリンタに関し、より詳細にはインクジェットプリンタの1つあるいはそれ以上の印刷カートリッジのプリンタヘッドのインクの拭き取り構造に関する。
さらに詳言すれば、本発明はプリンタカートリッジの動きに応じて、一体型の取り外し可能であり、それぞれのプリンタヘッドに対して自動的に一方向の拭き取りを行なう種類のプリンタヘッド拭き取り構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリンタヘッドのノズルにはインクのかたまりや粒子による詰まりや、内部の気泡による汚れが発生してノズルの動作不良が起こることがあり、その結果印刷品質の低下が生じる。したがって、インクジェットプリンタは通常、インクジェットのノズルを清浄に保ちまたその機能を維持させるための、プリンタヘッドからのインクの吐き出し、拭き取り、プリンタヘッドのキャッピングおよびプライミングを行なうサービスステーションを有する。
【0003】
従来のサービスステーションにはオペレータによる作業を必要とし、またプリンタが数秒間使用不能になるものが多い。オペレータの介入を必要としない自動的なプリンタヘッドのサービスを行ない、またサービスを可能なかぎり迅速に行なうことが望ましい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
複数のプリンタヘッドを有するインクジェットプリンタをプリンタヘッドのノズルにインクや粒子による詰まりが発生した状態から自動的に復旧させる故障復旧法およびシステムが提案されており、この方法はプリンタヘッドをキャッピングし、特定のプリンタヘッドに選択的にプライミングと洗浄を行ない、次にプリンタヘッドのアンキャッピングと拭き取りを行なうものである。参考として、かかる方法とシステムが、1992年9月21日付の“Automatic Failure Recovery for Ink−jet Printheads”と題する本出願人の所有する同時係属中の米国特許出願第07/949,318号に説明されている。
【0005】
従来のサービスステーションにおける拭き取りは通常プリンタヘッドを2つの方向のそれぞれに拭き取る単一のワイパーを用いて行なわれる。これは、インクジェットプリンタヘッドの拭き取りを2方向に行なうと拭き取り自体によってプリンタヘッドが汚れ、また複数のプリンタヘッドに対して1つのワイパー面で拭き取りを行なうとプリンタヘッド間の汚れが生じるという点で望ましくないものである。
【0006】
従来、ワイパーのブレードは可動スレッドの面の下側に取り付けられ、この面に設けた穴を貫通して伸張するようになっている。その結果、ワイパーブレードは比較的長く、したがって必要な剛性を持っていない。一般に、最大限の拭き取り効果を得るために、ワイパーブレードの剛性はプリンタヘッドを損傷しない範囲でできるだけ高くすることが望ましい。
【0007】
さらに、プリンタヘッドに対するワイパーブレードの拭き取り角度(“ワイパーブレード迎え角)はプリンタヘッドの拭き取りを有効に行なううえで重要な要因と考えられてきた。一般に、拭き取りはワイパーブレード迎え角を90゜に可能な限り近付けることによって最も有効に行なわれる。
【0008】
従来、ワイパーブレードはゴムで構成されていた。ゴムのワイパーブレードはプリンタのカートリッジに接触するとき屈曲する。すなわち望ましい90゜の角度の屈曲量からのワイパーブレード迎え角の偏差の量は、ワイパーブレードと印刷カートリッジの間の干渉の量によって決まる。従来のサービスステーションでは、(ワイパーブレードが取り付けられた)サービスステーションのスレッドと印刷カートリッジのプリンタヘッドの公称位置の累積誤差のために、拭き取り中のワイパーブレードとプリンタヘッドの接触を確実にするためには、ワイパーブレードとプリンタヘッドの干渉の公称値を大きくする必要があった。このように干渉を大きくすると、ゴム製のワイパーブレードを使用する場合にはワイパーブレード迎え角が通常30゜以下になるという問題があった。したがって、ゴム製のワイパーブレードでは必要とされるような拭き取りを行なうことができない。
【0009】
さらに、ゴム製のワイパーブレードを用いる場合、ワイパーブレードを長時間、特に低湿低温の環境で長時間使用するとワイパーブレードの“シングリング”が発生することがある。シングリングはワイパーブレードの表面上の微細な欠陥であり、これが拭き取り動作中に印刷カートリッジのノズルに気泡を通過させることがある。かかる気泡によってインクが印刷カートリッジの射出チャンバーから移動して、印刷カートリッジが印刷を行なわなくなり、印刷能力を回復するために印刷カートリッジのプライミングが必要になることがある。
【0010】
拭き取りを良好に行なうためには、ワイパーブレードとプリンタヘッドの間の最小拭き取り力が維持されねばならない。また、ワイパーブレードとプリンタヘッドの干渉の量が変動しても拭き取り力がほぼ一定に保たれることが望ましい。さらに、最良の拭き取り状態を得るためには、ワイパーブレードはその全長にわたってプリンタヘッドと接触することが必要である。したがって、ワイパーブレードをこれらの機能を達成する構造によって支持しなければならない。
【0011】
黒の顔料を用いたインクのような顔料を用いたインクを収容した印刷カートリッジは、染料を収容した印刷カートリッジに比べて有効なインクの拭き取りが特に困難なものである。それは、顔料を用いたインクは染料であるインクに比べてプリンタヘッド上で固まりやすいためである。したがって、剛性、90゜に近いワイパーブレード迎え角、および適切な拭き取り力等の上述した良好なワイパーブレードの特性は、顔料を用いたインクを射出する印刷カートリッジのプリンタヘッドを拭くワイパーブレードにとって特に重要である。
【0012】
ワイパーブレードと印刷カートリッジの接触頻度は高いため、ワイパーブレードはキャッピング機構やサービスステーションスレッドといったサービスステーションの他の部分よりも消耗が速い。したがって、ユーザーにとってサービスステーションの他の部分を交換することなく、ワイパーブレードあるいは拭き取り構造の交換が可能であることが望ましい。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の装置はプリンタシャーシに取り付けられたスレッド、印刷キャリッジに取り付けられた印刷カートリッジのそれぞれに対して1対づつ設けられた、このスレッドに取り付けられたキャップとワイパーの複数の対を有する。スレッドと印刷カートリッジは、その間で制御された相対運動を発生させるためにカム結合される。スレッドと印刷キャリッジもまた制御された相対運動を行なうようにカム結合される。印刷キャリッジの動きによってスレッドが垂直方向および横方向にわずかに動いて印刷キャリッジに対する3つの主要な位置、すなわち、プリンタヘッドのキャッピングとプライミングを行なうための上の位置、プリンタヘッドの拭き取りを行なう中間位置、およびプリンタヘッドがプリンタヘッドやキャップあるいはワイパーに当たらずに自由に往復運動できる降下位置のうちの1つに入る。したがって、プリンタのキャリッジ駆動モータのみを有するコントローラによってキャッピングや拭き取りを含むプリンタのサービスが提供される。
【0014】
本発明の方法では、プリンタヘッドのキャッピングを解除し、プリンタヘッドをキャッピングし、スレッドをプリンタヘッドの下の印刷位置に降下させ、必要であればプリンタヘッドを繰り返し拭き、プリンタヘッドをキャッピング位置に戻す。拭き取り中、インクを印刷キャリッジからワイパーに吐き出して拭き取りを向上させることができる。本発明の方法と装置では選択されたプリンタヘッドの自動プライミングを行なうこともできる。
【0015】
拭き取りは1つの方向に行なわれ、それによって二方向の拭き取りが用いられる場合に戻り方向の拭き取り中に生じるプリンタヘッドの汚れが防止される。さらに、それぞれのプリンタヘッドは1つのワイパーによってのみ拭かれ、それによって他のプリンタヘッドからのインクや異物によるプリンタヘッドの汚れが防止される。重要なことは、この方法と装置にはオペレータの介入がなければ印刷を再開できない永久的なロック状態がないことである。
【0016】
本発明の一実施例において、拭き取り構造は、
i) それぞれ複数の印刷カートリッジのうちの対応する1つのプリンタヘッドを拭く複数のワイパーブレードを有するワイパー、および
ii) それぞれのワイパーブレードを対応する印刷カートリッジのプリンタヘッドに偏らせる手段を有する。
顔料を用いたインクが1つあるいはそれ以上の印刷カートリッジから射出され、染料が他の印刷カートリッジから射出される。ワイパーブレードは、顔料を用いたインクを射出する印刷カートリッジのプリンタヘッドを拭くワイパーブレードが、染料を射出する印刷カートリッジのプリンタヘッドを拭くワイパーブレードとは異なる態様でプリンタヘッドに偏らせられるように、対応するプリンタヘッドに偏らせられる。一実施例において、顔料を用いたインクを射出する印刷カートリッジのプリンタヘッドを拭くワイパーブレードは、染料を射出する印刷カートリッジのプリンタヘッドを拭くワイパーブレードよりも大きな力でプリンタヘッドに偏らせられる。
【0017】
偏り手段は、それぞれのワイパーブレードに予荷重を加えてそのワイパーブレードの対応する印刷カートリッジのプリンタヘッドに対する最小拭き取り力を維持する。
本発明の一実施例において、顔料を用いたインクを射出する印刷カートリッジのプリンタヘッドを拭くワイパーブレードに対する予荷重は、染料を射出する印刷カートリッジのプリンタヘッドを拭くワイパーブレードに対する予荷重と異なる。
【0018】
偏り手段は複数のばねとすることができる。一実施例において、顔料を用いたインクを射出する印刷カートリッジのプリンタヘッドを拭くワイパーを偏らせるそれぞれのばねのばね定数は、染料を射出する印刷カートリッジのプリンタヘッドを拭くワイパーを偏らせるそれぞれのばねのばね定数より大きい。
【0019】
たとえば、それぞれのばねは1つあるいはそれ以上の板ばねとすることができる。顔料を用いたインクのプリンタヘッドを拭くのに用いられるワイパーに対応する板ばねは、他の板ばねより剛性が高くなるように製作され、顔料を用いたインクのプリンタヘッドに対して他のプリンタヘッドに比べてより強力な拭き取りが行なわれるようになっている。顔料を用いたインクの印刷カートリッジのプリンタヘッドを拭くワイパーに対応する板ばねは、それらを他の板ばねに比べて、幅を広くするか、厚みを大きくするか、あるいは短くすることによってより高い剛性を与えることができる。
【0020】
本発明の方法によれば、顔料を用いたインクが射出されるそれぞれの印刷カートリッジのプリンタヘッドに対する拭き取りは、他の印刷カートリッジのプリンタヘッドとは異なる態様で行なわれる。異なる態様の拭き取りは、顔料を用いたインクを射出する印刷カートリッジのプリンタヘッドに対する拭き取りを、他の印刷カートリッジのプリンタヘッドに対する拭き取りより大きな力で行なうことによって達成することができる。また、異なる態様の拭き取りは、顔料を用いたインクを射出する印刷カートリッジのプリンタヘッドを拭くワイパーの拭き取り角を、他の印刷カートリッジのプリンタヘッドを拭くワイパーの拭き取り角と異なる角度にすることによって達成することができる。また、異なる態様の拭き取りは、顔料を用いたインクを射出する印刷カートリッジのプリンタヘッドを拭くワイパーに加える予荷重を、他の印刷カートリッジのプリンタヘッドを拭く他のワイパーに加えられる予荷重より大きくすることによって達成することができる。
【0021】
本発明の一実施例では、拭き取りの前に、プリンタヘッドを濡らすために1つあるいはそれ以上の印刷カートリッジからインクの吐き出しが行なわれる。プリンタヘッドからの吐き出しはプリンタヘッドをインクで濡らし、そのインクを用いてプリンタヘッドを拭くことによって拭き取りを向上させるものである。かかるインクの吐き出しは顔料を用いたインクを射出する印刷カートリッジには特に有効である。本発明の一実施例では、顔料を用いたインクを収容した印刷カートリッジのプリンタヘッドだけに吐き出しが行なわれる。
【0022】
【実施例】
図1は本発明のプリンタ100の概略斜視図である。プリンタ100のリッド101は、後に詳しく説明するように4つの印刷カートリッジ105a、105b、105c、105d(“ペン”、“プリンタヘッドカートリッジ”あるいは“カートリッジ”とも呼ばれる)が収容された印刷キャリッジ102を封止する。 印刷キャリッジ102はスライダバー103上に、各印刷カートリッジ105a、105b、105c、105dのプリンタヘッド(図示せず)が紙等の印刷媒体104に隣接するように取り付けられる。
【0023】
印刷媒体104は入力トレー106内の印刷媒体の入力集積体107から印刷媒体供給機構(図示せず)を介して供給される。次に、印刷媒体104はローラ(図示せず)によってスライダバー103に直角な方向に送られ、その間、図3を参照して後に詳細に説明するように印刷キャリッジ102がスライダバー103上を往復する。印刷カートリッジ105a、105b、105c、105dが印刷媒体104に対して移動するとき、それぞれのプリンタヘッドに形成されたノズルからインクが射出される。インクは各印刷カートリッジ105a、105b、105c、105d内のインク溜めに保持される。通常、各印刷カートリッジ105a、105b、105c、105dには、黒、シアン、マゼンタ、黄といった異なる色のインクが収容されている。インクは各印刷カートリッジ105a、105b、105c、105dに形成された流路を通って各印刷カートリッジ105a、105b、105c、105d内のノズルに近い位置に形成された射出チャンバーに入る。射出チャンバー内のインクが加熱・気化され、インク内の気泡によってインク滴が対応するノズルから印刷媒体104に射出される。各印刷カートリッジ105a、105b、105c、105dのプリンタヘッド内のノズルは矩形のマトリクス等のパターンに構成されており、インクは印刷媒体104上に所望の文字または他の画像が印刷されるように印刷媒体104上に選択的に射出される。
【0024】
上の説明では印刷キャリッジ102は4つの印刷カートリッジ105a、105b、105c、105dを有し、各印刷カートリッジ105a、105b、105c、105dには黒、シアン、マゼンタ、あるいは黄のインクが収容されるものとしたが、印刷カートリッジの数はこれに限られず、たとえば3つの印刷カートリッジを用いることもでき、また赤、緑、青といった他の色のインクを用いることもできる。また、本発明はたとえば印刷カートリッジを1つしか持っていないプリンタにも適用することができる。
【0025】
プリンタ100の動作の一部として、印刷カートリッジ105a、105b、105c、105dのプリンタヘッドに対してある種の保守動作を実行しなければならない。図2はプリンタ100の概略斜視図であり、印刷カートリッジ105a、105b、105c、105dが参照符号109に示すサービスステーション内でキャッピングされている非印刷動作モードを示す。サービスステーション109(後に詳細に説明する)は、インクの拭き取り、プライミングおよび吐き出し等の印刷カートリッジ保守動作を実行し、また印刷カートリッジ105a、105b、105c、105dが印刷に使用されていないとき印刷カートリッジ105a、105b、105c、105dを格納する(キャッピングする)ためにプリンタ100内に設けられている。
【0026】
図3は図1の一部の斜視図である。連続ベルト111を用いて印刷キャリッジ102が従来と同様の方法でスライダバー103に沿って駆動される。当該技術分野では周知の従来の線形エンコーダストリップ(図示せず)を用いて印刷キャリッジ102が印刷媒体104に隣接して往復運動するときにその位置を検出して、印刷中に印刷キャリッジ102が適切に位置決めされるようにする。印刷キャリッジ102はまたスライダバー103の周囲で回転しないようにガイドレール(図示せず)に取り付けられる。
【0027】
各印刷カートリッジ105a、105b、105c、105dは摩擦ばめによって印刷キャリッジ102の対応する区画に配置されている。弾性のアーム102aがそれぞれの区画の下面から突出しており、各印刷カートリッジ105a、105b、105c、105dが、対応する弾性アームが各印刷カートリッジ105a、105b、105c、105dのスライダバー103に直角な方向への移動を防止するように“スナップ式”によって対応する区画にはめ込まれる。それぞれの区画の側面にばね(図示せず)が取り付けられ、各印刷カートリッジ105a、105b、105c、105dが対応する区画にはめ込まれるとき、このばねが圧縮されて印刷カートリッジ105a、105b、105c、105dに力を加えて、印刷カートリッジ105a、105b、105c、105dが区画内で横方向に(即ち、スライダバー103と平行に)移動するのを防止する。
【0028】
図3に示すように、サービスステーション109はスレッド110を有し、スレッド110はさらにワイパー110aとキャップ110bを有する。後により詳しく説明するように、印刷カートリッジ105a、105b、105c、105dが印刷に用いられていないとき、印刷キャリッジ102はサービスステーション109に移動され、そこで各印刷カートリッジ105a、105b、105c、105dが複数のキャップ110bのうちの対応するものに接触し取り囲まれるキャッピング位置まで降下される。印刷カートリッジ105a、105b、105c、105dはプリンタヘッド内のノズルが乾燥するのを防止するために不使用時にはキャッピングされる。
【0029】
サービスステーション109内の複数のワイパー110aは印刷カートリッジ105a、105b、105c、105dのプリンタヘッドに対して拭き取りを行なって、プリンタヘッドのノズルに詰まる可能性のある異物や固まったインクを除去する。それぞれのワイパー110aは、印刷キャリッジ102がサービスステーション109を出入りするとき、印刷カートリッジ105a、105b、105c、105dのうちの1つだけに拭き取りを行なう。
【0030】
サービスステーション109はプライミングにも用いられる。なんらかの理由で1つあるいはそれ以上のノズルに隣接する射出チャンバー内にインクがなく、ノズルからインクが射出されない場合、プリンタキャリッジ102がキャッピング位置にあるときノズルを介して真空を加えて印刷カートリッジ105a、105b、105c、105dのインク溜めから射出チャンバーにインクを引き出すことができる。
【0031】
サービスステーション109はインクの吐き出しにも用いることができる。印刷カートリッジ105a、105b、105c、105dが長時間キャッピングされていた場合、印刷を再開する前に“インクの吐き出しを行なう”、すなわちインク滴を射出してノズルから固まったインクを出す必要がある。この動作は拭き取りの前、拭き取り中、あるいは拭き取りの後に行なわれる。
【0032】
図4から図11は本発明の一実施例にしたがって構成されたインクジェット拭き取り・キャッピング装置(すなわちサービスステーション)の一連の概略正面図であり、William S. Osborneによって1992年9月に出願された本出願人の所有する同時係属中の“Ink−jet Printhead Capping and Wiping Method and Apparatus”と題する米国特許出願第07/949,197号に詳細に説明するような、この装置のさまざまな動作段階を示す。図4から図11には、インクジェットプリンタ210の正面図を部分的に簡略化した形態で示す。わかりやすいように、図4にのみすべての参照符号を示す。
【0033】
プリンタシャーシ212(ベース)の一部が簡略化して示されている。浮きスレッド214がプリンタシャーシ212にジンバル取り付けされている。(上部にプリンタヘッド密閉リップを有する)1つあるいはそれ以上のキャップ216の直線的なアレーがほぼ平坦な支持部材220に取り付けられている。スレッド214はプリンタの可動キャリッジ222の下に配置されている。キャリッジ222はその一部だけを示す。キャリッジ222には複数の印刷カートリッジ(図4から図11には示さない)が取り付けられ、その下面(プリンタヘッド)が図4から図11に鎖線で示す第1のほぼ水平な平面Pを形成する。
【0034】
それぞれのワイパー218およびそれぞれのキャップ216は対応する印刷カートリッジと連動する。複数のばね要素224によってシャーシ212にジンバル取り付けされたスレッド214は、後でより詳細に説明するように、図4から図11から制御された相対運動をするようにシャーシ212にカム結合されている。スレッド214はまた制御された相対運動をするように印刷カートリッジが取り付けられたキャリッジ222にカム結合されている。このようにスレッド214を固定されたシャーシ212と可動キャリッジ222に二重カム結合することによって、キャリッジ222がシャーシ212に対して制御された往復水平運動をするとき、これに応じてスレッド214にわずかな垂直方向および水平方向の動きが生じる。このようなキャリッジ222のシャーシ212に対する往復運動は、本発明の方法と装置では、プリンタのキャリッジコントローラによって自動的に提供される。
【0035】
プリンタ210のサービス動作モードでは、このコントローラとキャリッジ222の動きに応じて、カム結合されたスレッド214とシャーシ212とカム結合されたスレッド214とキャリッジ222に所定の垂直方向および水平方向の動きが発生し、この動きによってキャップ216とワイパー218が対応するプリンタヘッドに対する所定の印刷(非キャッピング)位置、拭き取り位置およびキャッピング位置を取る。キャリッジ222を駆動するための1つの駆動モータがここに説明したサービスモードとプリンタの通常の印刷動作モードの両方に共通して運転される。
【0036】
ここで重要なことは、複数のばね要素あるいはばね部材224を用いてスレッド214がシャーシ212にジンバル取付されることによってスレッド214を介して平面Pに直角に加わる上向きの力によってプリンタヘッドとキャップ216の間に(キャッピングを行なうための)ほぼ一定の力が生成されることである。ばね要素224はまた、後述する本発明のワイパー構造の板ばねとともに、プリンタヘッドとワイパー218の間に(拭き取りのための)ほぼ一定の力を生成する。本発明の構造によってキャッピングおよび拭き取りが一定の力で行なわれることによって、印刷カートリッジのプリンタヘッドと頻繁に接触するキャップ216のリップおよびワイパー218の拭き取り面の損耗が低減される。
【0037】
各ばね要素224はたとえばばね鋼で製作され、その一端がシャーシ212の保持ポスト(図4から図11に丸で簡単に示す)に取り付けられ、他端がスレッド214の保持ポスト(図4から図11に同様に示す)に取り付けられる。ばね要素224は図示するようにほぼV字状であり、その径方向に伸張するアームの間の公称角度は約31.9°であり、その24.2mm(0.953インチ)の公称スパンから10.4mm(0.409インチ)で約0.4ポンド(1.8N)の圧縮力が提供される。1実施例において、ばね要素224は図14、図15および図22に示し、また後に詳細に説明するような線ばねである。
【0038】
また、ばね要素224を用いたジンバル取り付けによって、プリンタヘッドの表面によって形成される平面Pと平行な水平面にスレッド214の印刷位置が規定される。ばね要素224内の蓄積エネルギーによって、スレッド214を押圧して上述したカム結合構成によって制御されるさまざまな垂直方向および横方向の動きを生じさせるのに必要な力が与えられる。したがって、シャーシ212に対するスレッド214のこのようなカム制御された水平および垂直方向の動きには、専用の駆動モータ等の外部原動力を必要とせず、キャリッジ222とシャーシ212の水平方向の動きによって非常に簡単にまたコストをかけず発生させることができる。
【0039】
図4から図11において、スレッド214は所定のほぼ同じ形状の第1のカム面214aを有する。左カム面214aは一時停止部Sをなす明らかな垂直方向の段差を有し、右カム面214aはこれも一時停止部Sをなす傾斜した対応する段差を有する。第1のカム面214aはそれぞれシャーシ212の対応する第2のカムホロワ部材212aと係合する。スレッド214はさらにスレッド214から上に伸張する第1のカムホロワ部材214bを有する。第1のカムホロワ部材214bはキャリッジ222の対応する第2のカム面222a、222bと係合する。4つの第1のカム面214aと第1のカムホロワ部材214bがほぼ平坦な矩形のスレッド214の周辺に沿って設けられてスレッド214を安定させている。簡略化のために、図4から図11には2つだけを示す。これに対応して、4つの第2のカムホロワ部材212aがシャーシ212に設けられ、キャリッジ222には第2のカム面222aと222bが2つづつ設けられている、簡略化のため、図4から図11には、カムホロワ部材は2つ、カム面についてはそれぞれ1つづつだけを示す。
【0040】
本発明の他の実施例では、左右の第1カム面214aの一は図4から図11に示す実施例とは逆になっている。図3(カム面214aを除いて図4と同じ)において、右カム面214aの一時停止部Sは明らかな垂直方向の段差によって形成され、左カム面214aの一時停止部Sは傾斜した対応する段差によって形成される。
【0041】
プリンタヘッドの拭き取り中、それぞれのプリンタヘッドとそれに対応するワイパー218の接触によってスレッド214に力が加わる。左右の第1カム面214aを図3に示すように配置すると、これらの力がスレッド214全体に均一に分配され、その結果プリンタヘッドの拭き取り中スレッド214が拭き取り位置により良好に保持される。
【0042】
スレッド214はテフロン充填剤を含む重合体材料から射出成型される。カム面214aとシャーシのカムホロワ部材212aの間に適切な摩擦係数を提供するために、カムホロワ部材212aはテフロン充填剤を含まない同じ重合体材料から射出成型された部品とする。これらの材料はカム動作をスムーズにし、またスレッド214とシャーシ212の間の接触面の耐久性を大きくする。他の適当な材料を用いることもできるが、軽量で簡単にまた低コストで製造可能な部品が好適である。
【0043】
図4はプリンタヘッドの表面のなす平面がわずかにしまりばめの発生した状態でキャップ216のリップのなす平面と共面となるキャッピング位置を示す。図5はスレッド214がプリンタヘッドの表面のなす平面Pがわずかにしまりばめの発生した状態でワイパー218の拭き取り面のなす平面と共面となる中間拭き取り位置あるいは高さにあるプリンタヘッドの非キャッピング位置を示す。
【0044】
図4と図5の比較から最もよくわかるように、プリンタヘッドのキャッピングはシャーシ212とスレッド214との相対運動によって解除される。すなわち、スレッド214の第1のカム面214aとシャーシ212の第2のカムホロワ部材212aがスレッド214をキャリッジ222に対してほぼ垂直に下向きに移動させ、キャリッジ222の第2のカム面222a、222bの末端部に隣接した位置に取り付けられた終端停止部によってシャーシ212とスレッド214の相対運動が発生する。(1)スレッド214の第1のカム面214aとシャーシ212の第2のカムホロワ部材212aと(2)キャリッジ222の第2のカム面222a、222bとスレッド214の第1のホロワ部材214bの間に提供される二重カム動作によって、スレッド214とシャーシ222の間には水平方向の動きは発生しないが、シャーシ222に対するスレッド214の下向きの垂直運動が発生し、これによってスレッド214がプリンタヘッドキャッピング位置からプリンタヘッド拭き取り位置に移動する。キャリッジ222に対するスレッド214のこの下向きの垂直運動は、シャーシ212の第2のホロワ部材212aがシャーシ212の第1のカム面214aの右上に向かって傾斜した左端の領域を介してスレッド214を下向きに押すとき、キャリッジ222の左へのわずかな動きによってスレッド214に与えられる力によって生じる。
【0045】
図5と図6との比較から、図5の非キャッピング位置から図6の拭き取り開始位置へのスレッド214の移動の態様がわかる。図6において、キャリッジ212は図5より少し左に寄っている。図5の非キャッピング位置では、ばね要素224は圧縮されている。圧縮に抵抗するばね要素224の自然な性質によって、ばね要素224は開き、それによってスレッド214がシャーシ212に対して、第2のホロワ部材212aが第1のカム面214aのほぼ中間にあるSで示す一時停止部に達するまで左にさらに移動する。図6および図7は、シャーシ212に対するスレッド214の平衡位置と呼ぶべきものを示す。この位置ではキャリッジ222が外部からの力で押されて平衡位置から出るまでスレッド214はシャーシ212に対して所定の拭き取り高さにとどまる。図6は拭き取り開始位置を示し、図7は拭き取り終了位置を示す。この2つの位置の間でキャリッジ222とシャーシ212との間のほぼ水平な方向への相対運動によってプリンタヘッドに対する拭き取りが行なわれる。
【0046】
図7と図8の比較から、スレッド214が上述した平衡位置にある拭き取り動作の終了時には、キャリッジ222の第2のカム面222a、222bがスレッド214の第1のホロワ部材214bに衝突して、キャリッジ222の左への走行の終わり近くでスレッド214が下向きに少し押される。図8は、ワイパー218がプリンタヘッドから離れるときのスレッド214の位置を示す。
【0047】
図9は、キャリッジ222がスレッド214の上を自由にプリンタヘッドがキャップ216あるいはワイパー218のいずれにも当たることなく水平方向に往復運動することのできる、スレッド214の降下位置を示す。
【0048】
図10はプリンタのオペレータあるいはサービスマンによる意図的なあるいは不注意による介入の結果キャリッジ222が取る可能性のある一時的なロック位置を示す。ここで重要なことは、第2のカム面222bの右端部は左下に向かって傾斜した領域を有し、第1のカムホロワ部材214bはその右に位置するが、それが左に移動することによってスレッド214は、キャリッジ222が図4に示すキャッピング位置の場合と同様に右に自由に戻ることのできる降下位置に入る。図11に示すスレッド214の位置で圧縮された状態にあるばね要素224は、キャリッジ222が右に走行するとき、スレッド214を図4のキャッピング位置まで押す。
【0049】
図4から図11に関する以上の説明からキャリッジ222とベース212の相対運動によって、第1のカム面214aと第2のカムホロワ部材212aとの間のカム動作によるスレッド214の下向きの動きが発生し、この下向きの動きによってワイパー218の上端がプリンタヘッドの表面によって形成される平面Pに入り、これによってスレッド214の拭き取り位置が規定されることがわかる。キャリッジ222とベース212がさらに相対運動することによってワイパー218とプリンタヘッドの間に拭き取り動作が発生する。相対運動がさらに進むと、第2のカム面222aと第1のホロワ部材214bの間のカム動作によってスレッド214がさらに下方に動き、これによってキャップ216のリップとワイパー218の上端が平面Pの下になり、その結果、プリンタヘッドとキャップのリップとの間あるいはプリンタヘッドとワイパーの間に干渉が生じることなく、キャリッジ222が自由に往復運動可能なスレッド214の自由位置が規定される。
【0050】
図13はプリンタ210がそれぞれ図4〜図11に対するさまざまな動作段階A〜H(同じ符号を着けた丸で示される)に進んでいく遷移状態(遷移を発生させるキャリッジ222の走行の方向を付した矢印で表わす)を示すフロー図である。スレッド214のキャッピング位置(A)はプリンタ210のサービス動作モードの開始を表わす。スレッド214は通常このサービスモードが終了する降下位置(F)からこの位置(A)に戻る。あるいは、スレッド214が降下位置(F)にあるとき、スレッド214は拭き取り開始位置(C)に移動し、図示する拭き取り開始位置(C)、拭き取り終了位置(D)、ワイパー離脱位置(E)、および降下位置(F)の間での遷移を何度も繰り返すことによってプリンタヘッドに対する拭き取りを繰り返し行うこともできる。
【0051】
プリンタ210がロック位置(G)にある場合、キャリッジ222を図示するように右に動かすことによって、スレッド214をロックから開始位置(H)を経てサービス位置に移動させることができる。第1のホロワ部材214bは第2のカム面222a、222bの左下に向かって傾斜した領域に沿って滑り、これによってスレッド214がキャッピング位置(A)に戻る。左のカムホロワ部材214は右のものより少し幅が大きく、また第2のカム面222aの左右の空間も寸法が異なっており、左のカムホロワ部材214bは、ロックから開始位置(H)からキャッピング位置(A)への移動の間に第2のカム面222a、222bの間の空間には入りえないようになっている。
【0052】
スレッド214が降下位置(F)からキャッピング位置(A)移動するか拭き取り開始位置(C)に移動するかは、コントローラにしたがってキャリッジが右に全行程を走行するかその一部を走行するかによって決まる。つまり、キャリッジ222は、第1のホロワ部材214bが終端停止部226に当たった後、スレッド214をキャッピング位置(A)に位置させるための第1の量だけ動かされるか、あるいは第1のホロワ部材214bが終端停止部226に当たった後、スレッド214を拭き取り開始位置(C)に位置させるための、第1の量より小さい第2の量だけ動かされる。
【0053】
キャリッジに取り付けられた終端停止部226は第1のホロワ部材214bと係合して、コントローラによるキャリッジ212の右への移動に応じてスレッド214をベース212に対して横方向に押す。したがって、スレッド214がキャリッジ222がその上を自由に往復運動することのできる降下位置(F)にあり、キャリッジ222が上記の第1の量だけ移動するとき、終端停止部226が第1のホロワ部材214bを止め、それによって第1カム面214aと第2ホロワ部材212aの間にスレッド214をキャッピング位置(A)に上昇させるのに十分な動きを発生させる。あるいは、スレッド214が降下位置(F)にあり、上記の第2の量の移動が発生するとき、終端停止部226がホロワ部材214bを止め、それによってカム面214aとホロワ部材212aの間にスレッド214を拭き取り開始位置(C)まで上昇させる動きを発生させる。
【0054】
本発明の装置に関する以上の説明から本発明の方法が理解されるであろう。プリンタの可動キャリッジに固定された印刷カートリッジの一部をなすインクジェットプリンタのプリンタヘッドのキャッピングを解除し拭き取りを行なう方法は、
(1)スレッド214に取り付けられたワイパー218等の、プリンタヘッドと選択的に係合可能な、スレッドに取り付けられたワイパーを設ける工程、
(2)プリンタのシャーシに取り付けられたホロワ部材212a等の対応するカムホロワ部材と係合する、第1のカム面214a等のカム面を有するスレッドを設ける工程、
(3)ばね要素224等を用いてシャーシにスレッドをばね取り付けする工程、
(4)キャリッジをシャーシに対して水平方向に移動させ、それによってカム動作でスレッドとキャリッジの間に垂直方向の動きを発生させてプリンタヘッドのキャッピングを解除し、ワイパーをプリンタヘッドの形成する平面に位置させる(たとえば、キャリッジ222の動きを制御してスレッド214とそれに取り付けられたワイパー218をキャッピング位置(A)から非キャッピング位置(B)に移動させる)工程、
(5)次に、キャリッジをシャーシに対して水平方向に移動させ、それによってスレッドを、プリンタヘッドがワイパーによってかかる相対運動によって規定される方向に拭かれるように上記の平面と平行に水平方向に移動させる(たとえば、拭き取り開始位置(C)から拭き取り終了位置(D)へのキャリッジ222の動きを制御してスレッドに取り付けられたワイパーによる図示する左から右へのプリンタヘッドの拭き取りを発生させる工程、
(6)その後、スレッドを降下させて、ワイパーをたとえば降下位置(F)のような上記の平面より下の位置に位置させる工程、
(7)次に、キャリッジをシャーシに対して水平方向に移動させてプリンタヘッドをキャッピング位置に戻す(たとえば、キャリッジ222を、左のホロワ部材214bが終端停止部226に当たってスレッド214をキャッピング位置(A)に押し戻す工程からなる。
【0055】
上記の方法は単一のプリンタヘッドのキャッピングの解除、キャッピングおよび必要に応じた再度のキャッピングを行なうものとして説明したが、本発明の装置では、プリンタは複数のプリンタヘッドとそれに対応する複数のワイパーおよびキャップを持つものとすることができ、すべてのプリンタヘッドに対して本発明の方法によるキャッピングの解除、拭き取り、およびキャッピングが行なわれる。本発明の方法と装置によれば、プリンタヘッドからのインクの吐き出しを拭き取りと同時か時間的に近接して行なうことができる。本発明の方法と装置によれば、上に参考として掲げた米国特許出願第07/949,318号に説明するようなプリンタヘッドのプライミングを行なうこともできる。
【0056】
本発明の拭き取り・キャッピング法および装置によれば、インクジェットプリンタヘッドの自動的な整備が可能であり、それぞれのプリンタヘッドを別々のワイパーで一方向に拭くことで拭き取りによってプリンタヘッドが再び汚れたり、プリンタヘッド間での汚染が発生するといったことが避けられる。インクジェットプリンタの寿命を大きく延ばすプリンタヘッドのキャッピングは、キャップの密閉リップの一定のたわみによってではなく、リップにかかる一定の力によって行なわれる。少数の比較的単純な部品しか必要とせず、比較的低コストなサービスステーションが提供され、また追加の駆動モータにかかるコストを削減することができる。これはキャップとワイパーが取り付けられるスレッドをシャーシにジンバル取り付けし、スレッドとシャーシの間、またスレッドとキャリッジの間の二重カム動作によってスレッドの位置をさまざまに変えることによって行なわれる。プリンタのキャリッジの制御された往復水平運動によって、スレッドがさまざまな位置に移動してプリンタヘッドのキャッピングの解除、拭き取り(必要であれば繰り返しの拭き取り)、および再度のキャッピングを行なう。本発明の拭き取り・キャッピング法では、オペレータの介入を必要とせず、プリンタが使用不能となる時間がごく短く、またプリンタをサービスモードから印刷動作モードに自動的に復帰させることができる。
【0057】
図14は本発明のインクジェットプリンタに用いるサービスステーション500の分解斜視図であり、サービスステーション500の組み立てを示す。サービスステーション500の各種の構成要素については、本出願人の所有する同時係属中のHeinz H. Waschhouserその他の1993年4月30日出願の“Service Station for Inkjet Printer Having Reduced Noise, Increased Erse of Assembly and Variable Wiping Capability”と題する米国特許出願第08/056,327号、およびHeinz H. Waschhouserその他の1993年4月30日出願の“Service Station for Inkjet Printer Having Improved Wiping”と題する米国特許出願第08/055,616号に説明されている。
【0058】
ばね502がプリンタシャーシ501に形成された穴に取り付けられている。わかりやすいように、図14にはシャーシ501の一部だけを示す。スレッド503が、その一部がシャーシ501に形成された穴の内部に位置するようにばね502に取り付けられる。カムホルダ504がスレッド503の上からシャーシ501に取り付けられ、ばね502を圧縮するようにスレッド503を押圧する。
【0059】
上述したように、印刷キャリッジ(図示せず)がスレッド503にカム結合されている。さらに、カムホルダ504(図4から図11の説明ではシャーシ212の一部とみなされている)がスレッド503にカム結合されている。この二重カム結合が図4から図11、図12および図13を参照して上に述べたようにはたらいて、印刷キャリッジの動作に応じてスレッド503を3つの位置のうちの1つに垂直および水平方向に移動させる。キャッピング位置では、スレッド503は右に最大限まで移動して図14の平面から出て、その結果スレッド503は最高位置まで上昇する。印刷キャリッジがスレッド503のいかなる部分にも接触することなく自由に移動する印刷位置では、スレッド503は左に最大限まで移動して図14の平面に入り、その結果スレッド503は最低位置まで降下する。拭き取り位置では、スレッド503は横および垂直の両方向に、キャッピング位置と印刷位置の間に位置する。
【0060】
それぞれのばね502の材料と形状は、スレッド503が所望の大きさの力でカムホルダ504に偏倚され、またプリンタの動作中にスレッド503の振動が所望の大きさ以下に保たれるような所望のばね定数を持つようなものとされる。たとえば、ばね502は鋼鉄等の金属によって製作される。また、たとえば、ばね502は、キャッピング位置で圧縮されたとき、ばね502のばね定数から約0.4ポンドの力(1.8N)が発生するように製作される。一般には、ばね502によって提供される力は、スレッド503がキャッピング位置、印刷位置、および拭き取り位置の3つのスレッド位置のいずれにあるときにもスレッド503が確実に固定されるような大きさである。
【0061】
シャーシ501にはスピトゥーン501dが形成される。後により詳細に説明するように、印刷カートリッジのいくつかまたはそのすべてに対してさまざまな時点でインクの吐き出しを行なって、プリンタヘッドのノズルから異物を除去したり、拭き取りに先立ってプリンタヘッドの表面を濡らすことができる。印刷カートリッジにインクの吐き出しを行なうときは、その印刷カートリッジから出るインクがスピトゥーン501dに集まるように、印刷カートリッジはスピトゥーン501dの上に位置決めされる。
【0062】
図15はばね502の1つの斜視図である。それぞれのばね502は、それぞれの脚の1つの端部で接続部502bによって接続された2つのほぼ平行なV字状部分502aを有する線ばねである。それぞれのV字状部分502aの脚の間の公称角度は36°である。それぞれのV字状部分502aの他の脚の端部はループ部分502cに形成されている。
【0063】
図14に示すように、ばね502はそれぞれ、その対向する端部に形成されたループ部分502cをプリンタシャーシ501の穴の対向する壁に形成された対応する突起部501c(図14には4つのうち2つだけを示す)のまわりにはめることによってシャーシ501の穴の内部に取り付けられる。それぞれのばね502は、接続部502bに接続されたそれぞれのV字状部分502aの脚が対応するループ部分502cの上にくるように配置される。次に、スレッド503が、それぞれのばね502の接続部502bをスレッド503の底部に形成された対応するスロット(図14では見えない)にはめ込むことによって、ばね502に取り付けられる。
【0064】
図16は図14のサービスステーション500のスレッド503の斜視図である。上述したように、ばね502の接続部502bはスロット503a(図14には示さない)にはめ込まれる。スレッド503はスレッドカム面503bを有する。スレッドカム面503bは図12のカム面214aに対応する。また、スレッド503はスレッドカムホロワ伸張部503cを有する。スレッドカムホロワ伸張部503cは図12の第1のカムホロワ部材214bに対応する。
【0065】
図17はスレッド503の組み立てを示す分解斜視図である。スレッド503はスレッド本体701、キャップ構造702、ワイパー構造703、およびフィルター704を有する。キャップ構造702はキャップ接続バー702bによって接続されて一体構造をなす4つのキャップ702aからなる。ワイパー構造703は4つのワイパー703aからなる。キャップ構造702とワイパー構造703がスレッド本体701に取り付けられると、キャップ702aとワイパー703aの列が形成される。キャップ702aとワイパー703aは交互に並ぶ。
【0066】
キャップ構造702はたとえばゴムで製作される。1実施例では、キャップ構造702は40−66の範囲のショアAデュアロメータ硬度(許容誤差:5ショア)を有するEPDMゴムである。他に、ポリウレタン、クラトン、テラタンといったゴム状プラスティック等の材料を用いることもできる。
【0067】
キャップ構造702の一端にバンパー702cが形成され、キャップ構造702から伸張した2つの突起アーム702dのそれぞれに取り付けられる。突起アーム702dは、バンパー702cがスレッド本体701の一端から突出するようにスレッド本体701に形成された凹み701cにはめ込まれる。バンパー702cは2つの***部を有し、それぞれの***部は三角形の断面を有する。バンパーの数はこれ以外でもよく、また***部は円形等の他の断面形状を有するものであってもよい。通常、バンパー702cと突起アーム702dはキャップ構造702の他の部分と一体である。したがって、バンパー702cは通常キャップ構造702の他の部分と同じ材料からなる。十分な変形性を持つ他の材料を用いることもできる。
【0068】
バンパー702cはサービスステーション500の動作に起因する雑音を低減するはたらきをする。スレッド503が印刷位置に移動するとき、スレッド503はシャーシ501に当たる。バンパー702cを設けることによって、スレッド503とシャーシ501の衝突が緩衝され、これによって衝突によって発生する雑音が低減される。
【0069】
さらに、図14に示すように、カムホルダ504にはカムホルダホロワ伸張部504c(図12の第2のカムホロワ部材212aに対応する)に近いそれぞれの側面にスロット504bが形成されている。スレッド503が拭き取り位置に移動するとき、スレッドカム面503aがカムホルダのカムホロワ伸張部504cに当たり、その結果雑音が発生する。スロット504bがあることによって、カムホルダのカムホロワ伸張部504cが伸張するカムホルダ504の伸張部504dの可撓性が高くなる。その結果、スレッドのカム面503bがカムホルダのカムホロワ伸張部504cに衝突するとき、伸張部504dが少し屈曲して、衝撃力をいくらか吸収し、衝撃によって生じる雑音を低減する。
【0070】
図17に示すように、フィルター704の1つがそれぞれのキャップ取付部701aの下に形成された空洞内に配置されている。フィルター704は空洞の壁と対応するキャップ702aによって空洞内に保持される。フィルター704は印刷カートリッジのプライミング中にプライミング装置への配管内でインクの詰まりが起こらないようにインクを吸収する。
【0071】
図18はワイパー構造703の分解斜視図である。ワイパー構造703はワイパーフレーム801とワイパー取付部802からなる。ワイパーフレーム801はたとえばポリカーボネート等のプラスティックで製作される。ワイパー構造802はたとえばステンレススティール等の金属で製作される。
【0072】
ワイパー取付部802のそれぞれの側面に沿って複数の穴803が形成されている(図18にはワイパー構造803の一方の側の穴803だけを示す)。ワイパーフレーム801の下側には対応する取り付けピン804が形成されている。ワイパー構造703の組み立てに際して、ワイパー取付部802の穴803がワイパーフレーム801の取り付けピン804に係合して、ワイパー取付部802がワイパーフレーム801に対して適切に位置合わせされる。
【0073】
ワイパー取付部802の穴803のそれぞれに近接してクリップ805が設けられている。それぞれのクリップ805は凹みの内部に形成された舌を有する。ワイパーフレーム801の両側に対応する棚部806が形成されている。ワイパー構造703を組み立てるとき、それぞれのクリップ805の舌が対応する棚部806のエッジと係合して、ワイパー取付部802がワイパーフレーム801に対して固定される。
【0074】
ワイパーフレーム801は接続バー813aと接続バー813bを有し、これらが後に説明するように接続バー703dとともにワイパーフレーム801の両側を接続する。接続バー813aおよび813bはワイパーフレーム801に適切な構造的完全性を与え、また拭き取り中にワイパー703aがたわむときのそれぞれのクロス部材809のワイパー取付部809a(図19および図20参照)のためのストッパーとしてはたらくような形状とされる。また、接続バー703dはワイパー構造703に適切な構造的完全性を与え、ワイパー構造703の、それが取り付けられたスレッド本体701の表面に平行な方向への動きを抑制する。
【0075】
ワイパー取付部802はさらにそのそれぞれの側面に沿って他の部分と一体に形成された複数の板ばね807を有する。それぞれの板ばね807は、穴803の1つに近接した位置から伸張し、ワイパー構造703が組み立てられるとき、ワイパーフレーム801に形成されたリテーナ808のうちの対応する1つに向かって伸張するように曲げられている。
【0076】
図19および図20はワイパー取付部801の一部の詳細斜視図である。図21はワイパー取付部801の一部の断面図である。複数のクロス部材809のそれぞれはワイパー取付部802の対向する側面に形成された1対の板ばね807を接続する。それぞれのクロス部材809はその中央部に形成されたワイパー取付部809aを有し、このワイパー取付部809aはいずれかの側で接続部809bによって対応する板ばね807に接続されている。それぞれのクロス部材809のワイパー取付部809aに1つのワイパー703aが形成されている。
【0077】
図22は印刷カートリッジ1001のプリンタヘッド1001aを拭くワイパーブレード810の概略断面図である。ワイパー構造703はそれぞれのワイパーブレード810が約75゜以上のワイパーブレード迎え角1002を持つように形成される。実際のワイパーブレード迎え角1002は、ワイパーブレード810の表面1004の傾斜、プリンタヘッド1001aに対するワイパーブレード810の矢印1005の示す方向の角度、およびワイパーブレード810の屈曲によって決まる。
【0078】
後により詳細に説明するように、ワイパー703aは、拭き取り中のワイパー703aのワイパーブレード810がほとんどなくなるように比較的剛性の高い材料で製作される。したがって、ワイパー810の屈曲がワイパーブレード迎え角に与える影響は無視できるものである。
【0079】
ワイパー703aが拭き取りを行なっていないとき、ワイパーブレード810の角度は板ばね807の形状と板ばねのクッション811(後に詳述する)に対するリテーナ808(図18)の位置によって決まる。ワイパー703aが拭き取りを行なっていないとき、ワイパーブレード迎え角1002は75゜より多少大きい。
【0080】
ワイパー構造703を含むプリンタの製造における位置決め誤差を考慮して、ワイパーブレード810と印刷カートリッジ1001の間の干渉の量の公称値は、拭き取り中にワイパーブレード810がプリンタヘッド1001aに確実に接触するように決められる。したがって、拭き取りが開始されるとき、ワイパー703aは印刷カートリッジ1001に接触し、ワイパーブレード810が矢印1005の方向に(図22で下方に)回転するように印刷カートリッジ1001の下に押され、これによってワイパーブレード迎え角1002が少し小さくなる。面1004の傾斜、板ばね807の形状、および板ばねのクッション811に対するリテーナ808の位置、すなわち、ワイパー703aが拭き取りを行なっていないときのワイパーブレード迎え角1002は、ワイパーブレード迎え角1002が拭き取り中75゜以上に保たれるように決められる。
【0081】
板ばね807はワイパー703aを印刷カートリッジ1001に向かって偏らせる。上述したように、ワイパーブレード810とそれに対応する印刷カートリッジ1001の干渉によって、ワイパーブレード810は拭き取りの始めに印刷カートリッジ1001の側面と衝突する。ワイパーブレード810は剛性であるため、板ばね807がない場合、ワイパーブレード810と対応する印刷カートリッジ1001の間に大きな力が生じて1つあるいはそれ以上の印刷カートリッジ1001が印刷キャリッジから移動したり、あるいは印刷キャリッジを駆動するモータが停止したりする。しかし、可撓性の板ばね807を用いることによって拭き取り中にワイパーブレード810を押し下げてプリンタヘッド1001a上を通過させることができる。さらに、板ばね807のばね力によってワイパーブレード810とプリンタヘッド1001aの間の接触が良好に保たれる。
【0082】
ワイパーブレード810その他のワイパーブレードを板ばね807を含むワイパー取付部802等のばね構造に成型することによって、ワイパーブレードの材料特性を拭き取り力とワイパーブレード迎え角と無関係にすることができる。ばね構造のたわみによってワイパーブレードに剛性の高い材料を用いて、印刷中のワイパーブレードのたわみの量を無視できる程度にすることができる。その結果、拭き取り力とワイパーブレード迎え角をワイパーの材料と無関係にすることができる。
【0083】
図23は“静止”位置からの板ばね807の線形のたわみDの関数としての拭き取り力Fを示すグラフである。後により詳細に説明するように、黒のインクのプリンタヘッドに対する拭き取り力はカラーインクのプリンタヘッドに対する拭き取り力より大きい。しかし、力の大きさは違っても図23に示す関係は拭き取り構造703内のそれぞれの板ばね807にあてはまる。
【0084】
後により詳細に説明するように、板ばね807の板ばねクッション811がリテーナ808に保持されているとき、すなわち板ばね807が休止位置にあるとき、それぞれの板ばね807のたわみDはゼロである。しかし、これも後により詳細に説明するように、それぞれの板ばね807はたわみDがゼロであるとき非ゼロの拭き取り力F0がかかるようにあらかじめ荷重されている。ワイパー構造703と印刷カートリッジ1001は板ばね807が休止位置からたわめられるように組み立てられるため、この予荷重は最小拭き取り力である。
【0085】
図23に示すように、板ばね807のたわみと力にはリニアな関係がある。それぞれのワイパーブレード810がプリンタヘッド1001aに加える実際の拭き取り力は、そのワイパーブレード810の予荷重(力F0)、そのワイパーブレード810の休止位置(すなわち非拭き取り位置)からのたわみの量(たわみD)、および板ばね807のばね定数(力/たわみ線の傾斜)によって決まる。印刷カートリッジ1001とそれに対応するワイパーブレード810がそれぞれの板ばね807が公称たわみDnomを持ち、ワイパーブレード810が対応する印刷カートリッジ1001に対して公称拭き取り力Fnomを持つように組み立てられる。
【0086】
プリンタヘッド1001aに対するスレッド701(図17)の高さの変動によって、ワイパーブレード810のたわみが公称たわみDnomと違ってくることがある。板ばね807のばね定数をたわみDが公称たわみDnomより小さい場合にも適切な拭き取り力が得られる大きさにすると、拭き取り力Fが公称たわみDnomより大きいたわみDに対して大きくなり過ぎる可能性がある。しかし、板ばね807のばね定数を公称たわみDnomからのたわみDの変動に対する拭き取り力Fの変動を最小限にできるように小さくした場合、最小限の必要な拭き取り力Fが維持されない可能性がある。
【0087】
本発明によれば、ばね807は、板ばね807のばね定数を低く押さえながら印刷カートリッジのプリンタヘッド1001aに対して有効な拭き取りを行なうのに十分な大きさの拭き取り力Fが提供されるような大きさの最小限の拭き取り力F0で予荷重される。さらに、板ばね807のばね定数が低いため、たとえばスレッド701に対する印刷カートリッジ1001の組み立てにおける誤差によるワイパーブレード810のたわみに違いが生じても、個々のプリンタヘッド1001aにかかる拭き取り力はほとんど変動しない。本発明の一実施例では、それぞれの板ばね807のばね定数は、板ばね807の最大たわみDmaxにおける最大拭き取り力Fmaxが板ばね807が休止位置にあるときの最小拭き取り力F0(すなわち予荷重)より40%より大きくならないように選択される。
【0088】
以上の説明においては、4つの印刷カートリッジが用いられ、それぞれの印刷カートリッジは黒、シアン、マゼンタ、黄の4色のうちの1つの色のインクを含むものとされているが、印刷カートリッジの数はこれ以外でもよく、また 他の色のインクを用いることもできる。シアン、マゼンタ、黄等のカラーインクに染料が使用されるのに対して、黒のインクには顔料が使用される。顔料は染料ほど溶解し易くないため、黒のインクの入った印刷カートリッジのノズルにはカラーの印刷カートリッジに比べてインクの固まりが生じやすい。そこで、黒インクの印刷カートリッジを拭くのに用いられるワイパーはカラーインクの印刷カートリッジを拭くのに用いられるワイパーより強力なものにすることが望ましい。
【0089】
したがって、本発明の一実施例では、黒インクのプリンタヘッドを拭くワイパーブレード810に対応する板ばね807aのばね定数を、他のワイパーブレード810に対応する板ばね807のばね定数より大きくする。すなわち、黒インクのプリンタヘッドに対してより強力な拭き取りを行なうために、板ばね807aの剛性を他の板ばね807より高くする。これは、たとえば、図18に示すように板ばね807aの幅を他の板ばね807の幅より大きくすることによって行なうことができる。あるいは、板ばね807aを他の板ばね807より厚くするか短くしてもよい。本発明の一実施例では、板ばね807aの幅が他の板ばね807の幅の約2倍とされる。別の実施例では、板ばね807のばね定数が約18重量グラム/mmであるのに対して、板ばね807aのばね定数は約34重量グラム/mmである。
【0090】
あるいは、黒インクのプリンタヘッドに対応するワイパーブレード810の予荷重を他のワイパーブレード810の予荷重より大きくし、それぞれのワイパーブレード810に同じ板ばねを用いることによって黒インクのプリンタヘッド上に大きな拭き取り力を得ることができる。
【0091】
たとえば、本発明の一実施例では、カラーインクのプリンタヘッドに対して、最小拭き取り力F0(予荷重)は80重量グラム、公称たわみDnomは1.0mm、公称拭き取り力Fnomは98重量グラム、最大たわみDmaxは約3.0mm、最大拭き取り力Fmaxは134重量グラムである。たとえば、黒インクのプリンタヘッドに対して、最小拭き取り力F0(予荷重)は150重量グラム、公称たわみDnomは1.0mm、公称拭き取り力Fnomは184重量グラム、最大たわみDmaxは3.0mm、最大拭き取り力Fmaxは252重量グラムである。
【0092】
上記の印刷カートリッジの色の組み合わせの代わりに他のインク色の組み合わせを用いることもでき、また上記以外の数の印刷カートリッジを用いてもよい(ワイパーの数も変えなければならない)。この場合、黒インクのカートリッジ(あるいは強い拭き取りを必要とする他の任意のカートリッジ)に対応するワイパーは、黒インクのプリンタヘッドのワイパーが他のワイパーより高いプリンタヘッド接触力を持つように、高いばね常数および/または高い予荷重を有しなければならない。しかし、本発明によれば黒インクのワイパーをより強い拭き取り力を持つように構成することは(望ましいことではあるが)必須ではない。
【0093】
黒のプリンタヘッド上のワイパー810の拭き取り力を大きくすることに加えて、黒インクの印刷カートリッジからインクの吐き出しを行なって拭き取りを助けることもできる。図24は本発明による複数の印刷カートリッジのプリンタヘッドを拭く方法1200のフローチャートである。図25から図28は、図24に示す方法におけるさまざまな時点での、ワイパー、キャッパー、およびスピトゥーンに対する印刷カートリッジのさまざまな位置を示す概略断面図である。
【0094】
ステップ1201において、印刷カートリッジ1301a、1301b、1301c、1301d(図25から図28)のプリンタヘッドがキャッピングされる。すなわち、プリンタヘッドが図25に示すようにキャップ1302のうちの1つによって封じられる。以下の説明では、印刷カートリッジ1301dは黒の顔料インクを射出し、印刷カートリッジ1301a、1301b、1301cはカラーの染料インクを射出するものとする。ただし、本発明による以下に説明する方法は、顔料インクと染料インクの他の組み合わせに対しても適用することができる。
【0095】
ステップ1202において、プリンタヘッドは図26に示すようにワイパー1303によって拭かれる。印刷カートリッジ1301a、1301b、1301c、1301dが設けられた印刷キャリッジ(図示せず)が矢印1305の方向に移動して、その結果印刷キャリッジが上に移動し、印刷カートリッジ1301a、1301b、1301c、1301dがキャップ1302の上を移動して先に詳細に説明したようにワイパー1303のエッジに接触する。
【0096】
印刷キャリッジは図13cに示すように黒インクの印刷カートリッジ1301dがスピトゥーン1304の上に来るまで矢印1305の方向に移動し続ける。この動きの中で、印刷カートリッジ1301dが拭かれた後、印刷キャリッジは再度上に移動して、先に詳細に説明したように、印刷カートリッジ1301a、1301b、1301c、1301dをワイパー1303の高さより上に移動させる。
【0097】
ステップ1203で、黒インクの印刷カートリッジ1301dから吐き出しが行なわれる。すなわち、印刷カートリッジ1301dのノズルからインク滴が射出される。本発明の一実施例によれば、それぞれのプリンタヘッドのノズルから複数のインク滴がさまざまな周波数で射出される。射出周波数に幅を持たせることによって拭き取りを行なうべきプリンタヘッドの面上でのインクの濡れが促進される。一実施例では、それぞれのノズルから3.5KHz以上5KHz以下の周波数(インク滴/秒)範囲内の500Hzづつ違った周波数で多数のインク滴が射出される。一実施例では、5から20のインク滴がそれぞれのノズルからそれぞれの周波数で射出され、ある実施例では15のインク滴がそれぞれのノズルからそれぞれの周波数で射出される。
【0098】
黒インクの印刷カートリッジ1301dからの吐き出しの後、印刷キャリッジはキャッピング位置(図25)に向かって矢印1306(図28)の方向に移動し始める。この方向に移動するとき、印刷キャリッジは下方には動かず、したがって印刷カートリッジ1301a、1301b、1301c、1301dはワイパー1303の上方にとどまり、拭かれない。ステップ1204で、プリンタヘッドはキャップ1302によって再度覆われる。
【0099】
ステップ1205で、印刷キャリッジは再び矢印1305(図26)の方向に移動し、プリンタヘッドがワイパー1303によって拭かれる。黒インクの印刷カートリッジのプリンタヘッドを濡らしたインクはプリンタヘッド上でワイパー1303の1つに拭き取られ、これがプリンタヘッドからの異物の除去を助ける。印刷キャリッジはさらに図27に示す吐き出し位置に進む。
【0100】
ステップ1206に示すように、この時印刷が終了しているかどうかが判定される。印刷が終了していれば、印刷キャリッジは図25に示す位置に戻り、図24のステップ1209に示すようにプリンタヘッドがキャッピングされる。
【0101】
印刷がまだ終了していない場合、ステップ1207に示すように印刷カートリッジ1301a、1301b、1301c、1301dのそれぞれからインクの吐き出しが行なわれる。ステップ1203の吐き出しと異なり、ステップ1207の吐き出しでは、印刷カートリッジ1301a、1301b、1301c、1301dから1つの周波数で吐き出しが行なわれる。この周波数は一実施例では2KHzである。ステップ1207における吐き出しの後印刷が開始される。
【0102】
ステップ1208において、プリンタがバッチモードで印刷を行なっているのか単葉モードで印刷を行なっているのかが判定される。ここでは“バッチモード”とは、プリンタが一度に2ページ以上を印刷するように命令されるモードとし、ページとはプリンタ制御機構の一部であり、通常特定の数の印刷行からなるものとする。
【0103】
プリンタがバッチモードで印刷を行なっているとき、ステップ1220に示すように、プリンタは印刷を開始する。ステップ1221において、印刷が終了したかどうか、すなわちそのバッチのすべてのページが印刷されたかどうかが判定される。終了していれば、印刷キャリッジはステップ1223に示すようにキャッピング位置(13A)に送られる。終了していなければ、ステップ1222に示すように、プリンタが第1の指定された時間より長く印刷を行なったかどうかが判定される。
【0104】
ステップ1222では、保守のための吐き出しが必要であるかどうかが判定される。保守のための吐き出しは最後の吐き出しおよび拭き取り(ステップ1202からステップ1205)から、あるいは最後の保守吐き出しから第1の指定された時間以上の時間が経過した場合に必要である。保守のための吐き出し中、多数のインク滴がそれぞれの印刷カートリッジから1つの周波数で吐き出される。この周波数は一実施例では2KHzである。第1の指定された時間は任意の長さとすることができ、一実施例では12秒である。
【0105】
保守のための吐き出しが必要である場合、ステップ1207に示すように、それぞれの印刷カートリッジから吐き出しが行なわれる。保守のための吐き出しが不要である場合、ステップ1224で、ページの終わりに達しているかどうかが判定される。まだページの終わりに達していない場合、印刷が続けられる(ステップ1220)。
【0106】
ページの終わりに達している場合、ステップ1225で、プリンタが第2の指定された時間より長く印刷を行なっているかどうかが判定される。この第2の指定された時間は最後の吐き出しと拭き取り(ステップ1202からステップ1205)から測定され、一実施例では42秒である。印刷時間が第2の指定された時間を越えていなければ、印刷が続けられる(ステップ1220)。印刷時間が第2の指定された時間を越えている場合、ステップ1223に示すように、印刷キャリッジはキャッピング位置(図27)に動かされ、ステップ1202からステップ1205に示すように吐き出しと拭き取りが行なわれる。
【0107】
プリンタがバッチモードで印刷を行なっていない場合(ステップ1208)、ステップ1210に示すように、印刷が開始される。しかし、指定されたバッチの複数のページを印刷するのではなく、1つのページだけが印刷される。ステップ1211において、プリンタが第1の指定された時間より長く印刷を行なっているかどうかが判定される。上記のステップ1222と同様に、ステップ1211で保守のための吐き出しが必要であるかどうかが判定される。保守のための吐き出しが必要である場合、ステップ1207に示すようにそれぞれの印刷カートリッジから吐き出しが行なわれる。保守のための吐き出しが不要である場合、ステップ1212において、ページの終わりに達しているかどうかが判定される。ページの終わりに達していない場合、印刷が続けられる(ステップ1220)。ページの終わりに達している場合、ステップ1213に示すように、印刷カートリッジはキャッピング位置1213(図25)に戻される。
【0108】
印刷キャリッジがステップ1213あるいはステップ1223でキャッピング位置に戻ると、前述した拭き取り、吐き出し、キャッピング、拭き取り、および吐き出しのシーケンスが繰り返される。印刷は、周期的な吐き出しと拭き取りによって中断されながら、プリンタが停止命令を受けるまで続けられる。
【0109】
本発明によれば、異なる印刷カートリッジのプリンタヘッドを上述した技術のいずれかを用いて、たとえば異なる拭き取り力で拭くというように異なる態様で拭くことができる。さらに、上述したように、必要であれば拭き取りに先立って1つあるいはそれ以上の印刷カートリッジからインクの吐き出しを行なうことができる。黒の染料を用いるインク等の染料を用いたインクを射出する印刷カートリッジには、プリンタヘッドの拭き取りの態様を変え、また拭き取りの前にインクの吐き出しを行なう上述した技術を用いることが特に有益である。
【0110】
図19および図20に示すように、それぞれの接続部809bにはその中央部に細長い穴が形成されている。この穴は、それぞれの接続部809bがねじれやすくなるように形成される。このねじれによって拭き取り中ワイパー703aにワイパーブレード迎え角1002を変化させることなくねじれを生じさせることができ、その結果プリンタヘッド1001aに対するワイパー703aのミスアラインメントがあってもワイパーブレード810はプリンタヘッド1001aに良好に接触する。
【0111】
ワイパー取付部809aは中央部909a、2つの伸張部909b、および中央部909aから下方に(すなわちプリンタヘッドから離れる方向に)伸張する1対のフランジ909cを有する。中央部909aを貫通して細長い穴が形成され、またそれぞれの伸張部909bを貫通して円形の位置合わせ穴が形成されている。ワイパー取付部809aのこれらの穴を通してワイパー703aをワイパー取付部809aにインサート成型することができ、その結果、ワイパー703aの一部がこれらの穴を貫通して係合し、ワイパー703aが保持される。フランジ909cによってワイパー取付部809aに拭き取り方向に剛性が与えられ、それによって、ワイパー703aのワイパーブレード810が拭き取り中にたわんでプリンタヘッド1001aから離れるということが起きにくくなり、拭き取り中のワイパーブレード810とプリンタヘッド1001aの接触が良好になる(したがって拭き取りが良好に行なわれる)。フランジ909cは、接続バー813aおよび703dとともに、上に説明したように、ワイパーブレード810の最大たわみを規定する。
【0112】
ワイパー703aはそれぞれワイパーブレード810と2つのワイパーブロック812からなる。ワイパーブロック812は拭き取りが行なわれていないときはプリンタヘッド1001a上に載っている。プリンタヘッド1001aに接触するワイパーブレード810の表面はワイパーブロック812より約1mm上にあり、すなわちプリンタヘッド1001aの方向にあり、その結果ワイパーブレード810と印刷カートリッジ1001の間には約1mmの干渉が生じる。一般に、ワイパーブロック812とワイパーブレード810は、ワイパーブレード810と印刷カートリッジ1001の間に任意の所望の干渉が生じるように形成することができる。
【0113】
本発明によれば、ワイパー703aは射出成型可能な材料で製作される。たとえば、ワイパー703aはオレフィン重合体等の射出成型可能な重合体やポリオレフィン合金で製作することができる。一実施例において、ワイパー703aはポリプロピレンとポリエチレンの混合物で製作される。射出成型可能な重合体を用いる場合、一実施例では、ワイパー703aはインディアナ州、エヴァンスヴィルのFerro Company から品番“NPP00NP01NA” として販売されているポリプロピレンとポリエチレンの混合物で製作される。
【0114】
あるいは、ワイパー703aはエンジニアリング熱可塑性エラストマー(ETE)で製作することができる。一実施例において、ワイパー703aはDu Pont の商品名“Hytrel 4556” で製作される。
【0115】
上記の材料を用いることによって、インクジェットプリンタのプリンタヘッドを拭くための本発明の構造に用いた場合の耐久性の高いワイパーを得ることができる。特に、上記の材料で製作したワイパーブレードはゴムで製作したワイパーブレードに比べて損耗が少ない。さらに、ワイパー703aのクロス部材809への射出成型はワイパー703aを簡単に低いコストで提供することのできる方法である。
【0116】
複数の板ばねクッション811が、ワイパー取付部802の板ばね807とクロス部材801の間のそれぞれの接合部に形成された対応する穴にインサート成型される。板ばねクッション811はそれぞれワイパーフレーム801上の対応するリテーナ808に接触する。板ばね807は、ワイパーブレード810がプリンタヘッドに接触していないときすなわち拭き取りを行なっていないとき板ばねクッション811がリテーナ808に保持されるように予荷重が加えられている。たとえば、黒インクの印刷に用いられるプリンタヘッドに対して拭き取りを行なわないワイパー703aに対応する板ばね807には80重量グラムの予荷重が加えられている。黒インクの印刷に用いられるプリンタヘッドに対して拭き取りを行うワイパー703aに対応する板ばね807には150重量グラムの予荷重が加えられている。黒インクのプリンタヘッドに対応する板ばね807には次に説明する理由でより大きな予荷重が加えられる。
【0117】
板ばねクッション811は金属のワイパー取付部802とプラスティックのリテーナ808の接触によって発生する雑音を低減する。一実施例では、板ばねクッション811はポリオレフィン合金等ワイパー703aと同じ材料で製作される。一般的には、板ばねクッション811は上述した目的を達成できる任意の材料で製作される。
【0118】
図18からわかるように、ワイパー取付部802はそのそれぞれの側面に沿って隣り合う板ばね807の間に形成された接続条片814を有する。一般的には、板ばね807の間の接続条片814はプリンタヘッドの表面のなす平面にほぼ平行である(図3および図18参照)。しかし、黒インクのプリンタヘッドに対応する板ばね807aとその隣の板ばね807の間のそれぞれの接続条片814aはプリンタヘッドの表面のなす平面にほぼ垂直に形成される。これは、次により詳細に説明するように、板ばね807aが他の板ばね807より大きな幅に製作されるためである。したがって、それぞれの板ばね807aとそれに対応する隣り合う板ばね807の間の接続条片814はワイパー取付部802全体の幅が必要以上に大きくならないように形成しなければならない。
【0119】
図17を参照してスレッド503の組み立てについて説明する。フィルター704が対応するキャップ取付部701aの下に形成されたそれぞれの空洞に入れられる。
【0120】
キャップ構造702のキャップ702aが少し引き延ばされ、スレッド本体701の第1の面701bに形成された対応するキャップ取付部701aに被せられる。キャップ接続バー702bがスレッド本体701に形成された合わせリセス701gにはめ込まれる。キャップ構造702がそれぞれのキャップ702aとキャップ取付部701aの間に摩擦ばめによって保持される。
【0121】
スレッド本体701の第1の面701bに、拭き取り構造703が、後に詳細に説明するようにスレッド本体701から簡単に取り外せるように取り付けられる。
【0122】
スレッド本体701はワイパー構造703が取り付けられる第1の面701bに対向する第2の面から伸張する2つの伸張部(図17には示さない)を有する。これらの伸張部はスレッド本体701の第1の端部の近くに形成される。スレッド本体701はまた第1の端部の反対側の第2の端部の近くに形成された2つの穴701dを有する。
【0123】
ワイパーフレーム801の第1の端部の近くから2つのスナップアーム703bが伸張する。ワイパー構造703はスレッド本体701に、スナップアーム703bがスレッド本体701の第1の端部を越えて伸張してスレッド本体701の第2の面から伸張する対応する伸張部のまわりにパチンとはまって、それによってワイパーフレーム801がスレッド本体701に保持されるように位置決めされる。
【0124】
ワイパーフレーム801の第1の端部の反対側の第2の端部の近くから保持脚703cが伸張する。保持脚703cはスレッド本体701の対応する穴701dを貫通して伸張する。それぞれの保持脚703cの端部には足が形成される。この足はスレッド本体701の第2の面に接触して保持脚703cが穴701dから引き出されることを防止する。
【0125】
ワイパー構造703のスレッド本体への組み付けは次の通りである。ワイパーフレーム801の保持脚703cがスレッド本体701の穴701dに挿入される。ワイパーフレーム801は、それぞれの保持脚703cの足がスレッド本体701の下を伸張してスレッド本体701の第2の面に接触し、またそれぞれの保持脚703cが対応する穴701dの面に接触するように、枢転され、移動される。次にワイパーフレーム801が、スナップアーム703bがスレッド本体701の第1の端部を越えて伸張するように、スレッド本体701に向かって枢転される。ワイパーフレーム801はスナップアーム703bがスレッド本体701の伸張部の周囲にはまるまで枢転される。ワイパー構造703の底部の取付ピン804(図17では見えない。図18を参照)がスレッド本体701の対応する穴701eに入る。
【0126】
ワイパーフレーム801は、スナップアーム703bとそれに対応する伸張部との接触および保持脚703cの足とスレッド本体701の第2の面との接触によって、スレッド本体701の第1および第2の面に垂直な方向に保持される。ワイパーフレーム801は、ワイパー構造703の接続バー703dとスレッド本体701上に凹み701cに隣接して形成された突起部701fとの接触およびワイパー構造703の保持脚703cとスレッド本体701の穴701d内の面との接触によって、スレッド本体701の第1および第2の面に平行な方向に保持される。
【0127】
ワイパー構造703は上述したようにスレッド本体701に簡単に組み付け、また簡単に取り外すことができるため、本発明のワイパー構造703はユーザーが道具を用いずに簡単に取り外して交換することができる。したがって、(たとえば、ワイパーブレード801が摩滅したとき)サービスステーション500の他の部品を交換することなくワイパー構造703を交換することができる。
【0128】
図14に示すように、スレッド503が組み立てられ、ばね502に取り付けられた後、カムホルダ504がスレッド503に取り付けられる。カムホルダ504が傾けられ、カムホルダ504のいずれかの側に形成された脚504eがシャーシ501の側壁501aに形成された対応する穴(図示せず)に挿入される。次に、カムホルダ504の反対側の端部が降下され、スレッド503に接触する。カムホルダ504はこれによって保持される。これは、カムホルダ504は、ねじとそれに対応する壁501bが接触するために脚504eとそれに対応する穴の間の接触点を中心に回転することができないためである。
【0129】
以上、本発明を上記の動作原理と実施例を参照して説明したが、当業者には特許請求の範囲から逸脱することなく、本発明の態様や細部に変更を加えうることは明らかであろう。なお、本発明によるインクジェットプリンタ用の拭き取り構造の実施態様を列挙すると、概ね以下の通りである。
【0130】
1)それぞれがインクを射出するプリンタヘッドを有する第1および第2の可動印刷カートリッジを含むインクジェットプリンタに用いるプリンタヘッド拭き取り構造であって、
それぞれが前記の印刷カートリッジのうちの対応する1つのプリンタヘッドを拭く複数のワイパーブレードを有するワイパー、および
それぞれのワイパーブレードを、前記の第1の印刷カートリッジのプリンタヘッドを拭くワイパーブレードが、前記の第2の印刷カートリッジのプリンタヘッドを拭くワイパーブレードとは異なる態様でプリンタヘッドに偏らせられるように、対応する印刷カートリッジのプリンタヘッドに偏らせる手段からなるインクジェットプリンタ用の拭き取り構造。
【0131】
2)上記1)に記載の拭き取り構造であって、前記の第1の印刷カートリッジのプリンタヘッドを拭くワイパーブレードは、前記の第2の印刷カートリッジのプリンタヘッドを拭くワイパーブレードよりも大きな力でプリンタヘッドに偏らせられるインクジェットプリンタ用の拭き取り構造。
【0132】
3)上記1)に記載の拭き取り構造であって、前記の偏り手段はそれぞれのワイパーブレードに予荷重を加えてそれぞれのワイパーブレードの対応するプリンタヘッドに対する最小拭き取り力を維持し、第1の印刷カートリッジのプリンタヘッドを拭くワイパーブレードに対する予荷重は、第2の印刷カートリッジのプリンタヘッドを拭くワイパーブレードに対する予荷重と異なるインクジェットプリンタ用の拭き取り構造。
【0133】
4)上記1)に記載の拭き取り構造であって、前記の偏り手段はさらに複数のばねからなるインクジェットプリンタ用の拭き取り構造。
【0134】
5)上記4)に記載の拭き取り構造であって、前記の第1の印刷カートリッジのプリンタヘッドを拭くワイパーを偏らせるそれぞれのばねのばね定数は、前記の第2の印刷カートリッジのプリンタヘッドを拭くワイパーを偏らせるそれぞれのばねのばね定数より大きいインクジェットプリンタ用の拭き取り構造。
【0135】
6)上記4)に記載の拭き取り構造であって、前記のそれぞれのばねは板ばねであるインクジェットプリンタ用の拭き取り構造。
【0136】
7)上記6)に記載の拭き取り構造であって、前記の第1の印刷カートリッジのプリンタヘッドを拭くワイパーを偏らせるそれぞれの板ばねは、前記の第2の印刷カートリッジのプリンタヘッドを拭くワイパーを偏らせるそれぞれのばねより大きい幅を有するインクジェットプリンタ用の拭き取り構造。
【0137】
8)上記1)に記載の拭き取り構造であって、
前記の第1の印刷カートリッジは顔料を用いたインクを射出し、
前記の第2の印刷カートリッジは染料を射出するインクジェットプリンタ用の拭き取り構造。
【0138】
9)インクジェットプリンタにおいて第1および第2の印刷カートリッジのそれぞれのプリンタヘッドの拭き取りを行なう方法であって、
前記の第1の印刷カートリッジのプリンタヘッドを拭くステップ、および
前記の第2の印刷カートリッジのプリンタヘッドを、前記の第1の印刷カートリッジのプリンタヘッドの拭き取りと異なる態様で拭くステップからなる方法。
【0139】
10)上記9)に記載の方法であって、前記の第1の印刷カートリッジは前記の第2の印刷カートリッジのプリンタヘッドより大きな力で拭かれる方法。
【0140】
11)上記9)に記載の方法であって、前記の拭き取りステップのそれぞれはさらに、
複数のワイパーを前記のプリンタヘッドのうち対応する1つに対して移動させるステップ、および
前記のワイパーのそれぞれに予荷重を加えて対応するプリンタヘッドに対するそれぞれのワイパーの最小拭き取り力を維持するステップであって、前記の第1の印刷カートリッジのプリンタヘッドを拭くワイパーに対する予荷重は前記の第2の印刷カートリッジのプリンタヘッドを拭くワイパーに対する予荷重と異なるステップからなる方法。
【0141】
12)上記9)に記載の方法であって、
前記の第1の印刷カートリッジは顔料を用いたインクを射出し、
前記の第2の印刷カートリッジは染料を射出する方法。
【0142】
13)インクジェットプリンタにおいて第1および第2の印刷カートリッジのそれぞれのプリンタヘッドの拭き取りを行なう方法であって、
前記の第1の印刷カートリッジのプリンタヘッドからインクの吐き出しを行なうステップ、
前記の吐き出しステップの後、前記の第1および第2の印刷カートリッジのプリンタヘッドを拭くステップからなる方法。
【0143】
14)上記13)に記載の方法であって、
前記の第1の印刷カートリッジは顔料を用いたインクを射出し、
前記の第2の印刷カートリッジは染料を射出する方法。
【0144】
【発明の効果】
本発明に依るインクジェットプリンタの拭き取り構造は叙上の如き構成および工程と成したので、プリンタヘッドのキャッピングを解除し、プリンタヘッドをキャッピングし、スレッドをプリンタヘッドの下の印刷位置に降下させ、必要であればプリンタヘッドを繰り返し拭き、プリンタヘッドをキャッピング位置に戻す。拭き取り中、インクを印刷キャリッジからワイパーに吐き出して拭き取りを向上させることができる。従って、選択されたプリンタヘッドの自動プライミングを行なうこともできると言う効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェットプリンタの概略斜視図であり、印刷動作モードを示す。
【図2】図1のインクジェットプリンタの概略斜視図であり、印刷カートリッジにキャップが着けられた非印刷動作モードを示す。
【図3】図1の一部を示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施例にしたがって構成されたインクジェット拭き取り・キャッピング装置の概略正面図であり、この装置の動作の一段階を示す。
【図5】本発明の一実施例にしたがって構成されたインクジェット拭き取り・キャッピング装置の概略正面図であり、この装置の動作の一段階を示す。
【図6】本発明の一実施例にしたがって構成されたインクジェット拭き取り・キャッピング装置の概略正面図であり、この装置の動作の一段階を示す。
【図7】本発明の一実施例にしたがって構成されたインクジェット拭き取り・キャッピング装置の概略正面図であり、この装置の動作の一段階を示す。
【図8】本発明の一実施例にしたがって構成されたインクジェット拭き取り・キャッピング装置の概略正面図であり、この装置の動作の一段階を示す。
【図9】本発明の一実施例にしたがって構成されたインクジェット拭き取り・キャッピング装置の概略正面図であり、この装置の動作の一段階を示す。
【図10】本発明の一実施例にしたがって構成されたインクジェット拭き取り・キャッピング装置の概略正面図であり、この装置の動作の一段階を示す。
【図11】本発明の一実施例にしたがって構成されたインクジェット拭き取り・キャッピング装置の概略正面図であり、この装置の動作の一段階を示す。
【図12】本発明の他の実施例にしたがって構成された図4と同様のインクジェット拭き取り・キャッピング装置の概略正面図である。
【図13】図4から図11に示す各動作段階に対応する遷移図である。
【図14】本発明のプリンタヘッドに用いるサービスステーションの分解斜視図であり、このサービスステーションの組み立てを示す。
【図15】図14のサービスステーションに用いられるばねの斜視図である。
【図16】図14のサービスステーションのスレッドの斜視図である。
【図17】図16のスレッドの分解斜視図であり、このスレッドの組み立てを示す。
【図18】本発明のワイパー構造の分解斜視図である。
【図19】図18のワイパー取付部の一部の詳細斜視図である。
【図20】図18のワイパー取付部の一部の詳細斜視図である。
【図21】図18のワイパー取付部の一部の断面図である。
【図22】図19および図20のワイパーブレードの断面図であり、印刷カートリッジのプリンタヘッドに対して拭き取りを行なう模様を示す。
【図23】ワイパーが取り付けられる本発明のばねの静止位置からの線形のたわみの関数としての拭き取り力を示すグラフである。
【図24】複数の印刷カートリッジのプリンタヘッドの拭き取りを行なうための本発明の方法のフローチャートである。
【図25】図24に示す方法において、ある時点で印刷カートリッジがワイパー、キャッパー、およびスピトゥーンに対して取る位置を示す概略断面図である。
【図26】図24に示す方法において、別の時点で印刷カートリッジがワイパー、キャッパー、およびスピトゥーンに対して取る位置を示す概略断面図である。
【図27】図24に示す方法において、また別の時点で印刷カートリッジがワイパー、キャッパー、およびスピトゥーンに対して取る位置を示す概略断面図である。
【図28】図24に示す方法において、さらに別の時点で印刷カートリッジがワイパー、キャッパー、およびスピトゥーンに対して取る位置を示す概略断面図である。
【符号の説明】
100:プリンタ
101:プリンタ100のリッド
102:印刷キャリッジ
102a:弾性のアーム
103:スライダバー
104:印刷媒体
105a、105b、105c、105d:印刷カートリッジ
106:入力トレー
107:印刷媒体の入力集積体
109:サービスステーション
110:スレッド
110a:ワイパー
110b:キャップ
111:連続ベルト
210:インクジェットプリンタ
212:プリンタシャーシ
212a:第2のカムホロワ部材
212b:第1のカムホロワ部材
214:浮きスレッド
214a:第1のカム面
216:キャップ
218:ワイパー
220:支持部材
222:可動キャリッジ
222a、222b:第2のカム面
224:ばね要素
500:サービスステーション
501:プリンタシャーシ
501a:スピトゥーン
501b:壁
501c:シャーシ501の突起部
502:ばね
502a:ばね502のV字状部分
502b:ばね502の接続部
502c:ばね502のループ部分
503:スレッド
503a:スレッド503のスロット
503b:スレッド503のカム面
503c:スレッド503のカムホロワ伸張部
504:カムホルダ
504b:スロット
504c:カムホルダホロワ伸張部
504d:カムホルダ504の伸張部
504e:カムホルダ504の脚
701:スレッド本体
701a:キャップ取付部
701b:スレッド本体701の第1の面
701c:スレッド本体701の凹み
701d:スレッド本体701の穴
701e:スレッド本体701の穴
701f:突起部
701g:スレッド本体701の合わせリセス
702:キャップ構造
702a:キャップ
702b:キャップ接続バー
702c:キャップ構造702のバンパー
702d:突起アーム
703:ワイパー構造
703a:ワイパー
703b:ワイパーフレーム801のスナップアーム
703c:ワイパーフレーム801の保持脚
703d:ワイパー構造703の接続バー
704:フィルター
801:ワイパーフレーム
802:ワイパー取付部
803:ワイパー取付部の穴
804:ワイパー構造703の底部の取付ピン
805:クリップ
806:棚部
807:板ばね
808:リテーナ
809:クロス部材
809a:クロス部材809のワイパー取付部
809b:クロス部材809の接続部
810:ワイパーブレード
811:板ばね807のクッション
812:ワイパー703aのワイパーブロック
813a、813b:ワイパーフレーム801の接続バー
814:ワイパー取付部の接続条片
909a:ワイパー取付部809aの中央部
909b:ワイパー取付部809aの伸張部
909c:ワイパー取付部809aのフランジ
1001:印刷カートリッジ
1001a:印刷カートリッジ1001のプリンタヘッド
1002:ワイパーブレード迎え角
1004:ワイパーブレード810の表面
1005:矢印
1201、1202、1203、1204、1205、1206、1207、1208、1209、1210、1211、1212、1213、1220、1221、1222、1223、1224:工程(ステップ)
1301a、1301b、1301c、1301d:印刷カートリッジ
1302:キャップ
1303:ワイパー
1304:スピトゥーン
1305、1306:矢印
D:板ばね807の線形のたわみ
Dnom:公称たわみ
F:拭き取り力
F0:非ゼロの拭き取り力
Fnom:公称拭き取り力
P:平面
S:一時停止部

Claims (8)

  1. インクを射出するプリンタヘッドをそれぞれが有する第1の印刷カートリッジおよび第2の印刷カートリッジを含み、前記第1の印刷カートリッジのプリンタヘッドが前記第2の印刷カートリッジのプリンタヘッドよりも強い拭き取り力を必要とするインクジェットプリンタに用いるプリンタヘッド拭き取り構造であって、
    複数のワイパーブレードのうちの1つが前記第1の印刷カートリッジのプリンタヘッドを拭き、複数のワイパーブレードのうちの別のものが前記第2の印刷カートリッジのプリンタヘッドを拭く複数のワイパーブレードを有し、かつ、プリンタのサービスステーションの他の部品を取り外すことなく交換可能に構成される取り外し可能ワイパー取付部と、
    前記第1の印刷カートリッジの前記プリンタヘッドを拭く前記一方のワイパーブレードが、前記第2の印刷カートリッジの前記プリンタヘッドを拭く前記他方のワイパーブレードの拭き取り力とは異なる拭き取り力でプリンタヘッドに偏らせられるように、前記ワイパーブレードを該第1の印刷カートリッジの該プリンタヘッドおよび該第2の印刷カートリッジの該プリンタヘッドに偏らせる、前記取り外し可能ワイパー取付部上の偏り手段と
    からなり、
    前記プリンタヘッドが前記ワイパーブレードを同時に通過する間に、前記第1の印刷カートリッジの前記プリンタヘッドを拭く前記ワイパーブレードは、前記第2の印刷カートリッジの前記プリンタヘッドを拭く前記ワイパーブレードよりも大きな力で該第1の印刷カートリッジの該プリンタヘッドに偏らせられるインクジェットプリンタ用プリンタヘッド拭き取り構造。
  2. 請求項1に記載の拭き取り構造であって、
    前記偏り手段はそれぞれのワイパーブレードに予め荷重を加えることによって前記ワイパーブレードのプリンタヘッドに対する最小拭き取り力を維持し、
    前記予め加えられた荷重は、前記第1の印刷カートリッジの前記プリンタヘッドを拭く前記一方のワイパーブレードと、前記第2の印刷カートリッジの前記プリンタヘッドを拭く前記他方のワイパーブレードとでは異なるインクジェットプリンタ用プリンタヘッド拭き取り構造。
  3. 請求項1に記載の拭き取り構造であって、
    前記偏り手段は複数のばねからなり、
    前記ばねは、前記ワイパー取付部の対向する側面から、前記複数のワイパーブレードのおのおのを有する接続部へと及ぶ、インクジェットプリンタ用プリンタヘッド拭き取り構造。
  4. 請求項3に記載の拭き取り構造であって、
    前記複数のばねのおのおのは板ばねであるインクジェットプリンタ用プリンタヘッド拭き取り構造。
  5. 請求項1に記載の拭き取り構造であって、
    前記第1の印刷カートリッジは顔料を用いたインクを射出し、前記第2の印刷カートリッジは染料を射出するインクジェットプリンタ用プリンタヘッド拭き取り構造。
  6. それぞれがインクを射出するプリンタヘッドを有する第1の印刷カートリッジおよび第2の印刷カートリッジを含み、前記第1の印刷カートリッジのプリンタヘッドが前記第2の印刷カートリッジのプリンタヘッドよりも強い拭き取り力を必要とするインクジェットプリンタに用いるプリンタヘッド拭き取り構造であって、
    複数のワイパーブレードのうちの1つが前記第1の印刷カートリッジのプリンタヘッドを拭き、複数のワイパーブレードのうちの別のものが前記第2の印刷カートリッジのプリンタヘッドを拭く複数のワイパーブレードを有し、かつ、プリンタのサービスステーションの他の部品を取り外すことなく交換可能に構成される取り外し可能ワイパー取付部と、
    前記第1の印刷カートリッジの前記プリンタヘッドを拭く前記一方のワイパーブレードが、前記第2の印刷カートリッジの前記プリンタヘッドを拭く前記他方のワイパーブレードの拭き取り力とは異なる拭き取り力でプリンタヘッドに偏らせられるように、前記ワイパーブレードを該第1の印刷カートリッジの該プリンタヘッドおよび該第2の印刷カートリッジの該プリンタヘッドに偏らせる、前記取り外し可能ワイパー取付部上の偏り手段と
    からなり、
    前記偏り手段はさらに複数のばねからなり、
    前記第1の印刷カートリッジの前記プリンタヘッドを拭くワイパーブレードを偏らせる、前記複数のばねうちの1つのばね定数は、前記第2の印刷カートリッジの前記プリンタヘッドを拭く前記ワイパーブレードを偏らせる、該複数のばねのうちの別のもののばね定数より大きいインクジェットプリンタ用プリンタヘッド拭き取り構造。
  7. それぞれがインクを射出するプリンタヘッドを有する第1の印刷カートリッジおよび第2の印刷カートリッジを含み、前記第1の印刷カートリッジのプリンタヘッドが前記第2の印刷カートリッジのプリンタヘッドよりも強い拭き取り力を必要とするインクジェットプリンタに用いるプリンタヘッド拭き取り構造であって、
    複数のワイパーブレードのうちの1つが前記第1の印刷カートリッジのプリンタヘッドを拭き、複数のワイパーブレードのうちの別のものが前記第2の印刷カートリッジのプリンタヘッドを拭く複数のワイパーブレードを有し、かつ、プリンタのサービスステーションの他の部品を取り外すことなく交換可能に構成される取り外し可能ワイパー取付部と、
    前記第1の印刷カートリッジの前記プリンタヘッドを拭く前記一方のワイパーブレードが、前記第2の印刷カートリッジの前記プリンタヘッドを拭く前記他方のワイパーブレードの拭き取り力とは異なる拭き取り力でプリンタヘッドに偏らせられるように、前記ワイパーブレードを該第1の印刷カートリッジの該プリンタヘッドおよび該第2の印刷カートリッジの該プリンタヘッドに偏らせる、前記取り外し可能ワイパー取付部上の偏り手段と
    からなり、
    前記偏り手段はさらに複数のばねからなり、
    前記複数のばねは、複数の板ばねからなり、
    前記複数の板ばねのうち、前記第1の印刷カートリッジの前記プリンタヘッドを拭く前記ワイパーブレードを偏らせる板ばねが、前記第2の印刷カートリッジのプリンタヘッドを拭く別のワイパーブレードを偏らせる板ばねよりも大きいバネ定数を有するように、前記第2の印刷カートリッジの前記プリンタヘッドを拭くワイパーブレードを偏らせる別の板ばねより大きい幅を有し、
    前記プリンタヘッドのうち少なくとも一つが複数のインク滴を射出して拭き取りが行われるプリンタヘッドの面上を濡らすインクジェットプリンタ用プリンタヘッド拭き取り構造。
  8. 請求項1または6に記載の拭き取り構造であって、
    前記プリンタヘッドのうち少なくとも一つが複数のインク滴を射出して拭き取りが行われるプリンタヘッドの面上を濡らすインクジェットプリンタ用プリンタヘッド拭き取り構造。
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