JP3594698B2 - 溶接ヘッドと溶接装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は溶接装置に係り、特に隣接するパイプとの間隔が狭い溶接個所に適用するのに好適な溶接ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
ボイラーチューブ等高品質の継手性能が要求される固定配管の突き合わせ溶接においては、パイプを回転させることができないので、溶接用のトーチをパイプ外周に沿って回転させ、同時にフィラワイヤを供給しつつ溶接を行う、いわゆる全姿勢TIG溶接法が適用される。この全姿勢TIG溶接法を自動的に実行するのが全姿勢自動TIG溶接装置で、制御装置、溶接電源、冷却装置、溶接ヘッドおよび接続ケーブル類などより構成される。
【0003】
全姿勢自動TIG溶接装置の溶接ヘッドはパイプへのクランプ機構、トーチの回転駆動機構、フィラワイヤ送給機構、トーチ位置微調整機構、トーチ冷却構造などを有しており、安定した再現性のある高品質な溶接を行うことができるものである。従来の溶接ヘッドは例えば図22に示すような差し込み形状のものや図23、図24に示す様な半割り形状のものがあった。図22に示す溶接ヘッドにおいて、溶接トーチ21とワイヤチップ62が回転駆動部97内に設けられ、ワイヤリール24からワイヤ送給ユニット98とコンジットライナ27を介してワイヤチップ62にワイヤが供給される機構になっている。また、図23(正面図)と図24(側面図)に示す半割り形状の溶接ヘッドは溶接トーチ21とワイヤチップ62が配置される部分のワイヤチップ62にワイヤリール24からワイヤ送給モータ39を備えたワイヤ送給ユニット100とコンジットライナ27を介してワイヤが供給される機構になっている。ワイヤ送給ユニット100を支持する回転駆動ユニット99が半割り可能な形状となっている。
【0004】
図22に示す差し込み形状の溶接ヘッドは回転駆動部97に切り欠きを設けてパイプ(図示せず)への着脱を行えるようにしているため、作業性は良いが回転駆動機構やワイヤ送給ユニット98の配置スペースが必要なため、パイプの径方向の一方に大きなスペースを必要とし、このため四方にパイプが隣接配置された作業場所には適用出来ない。一方、図23、図24に示す半割り形状の溶接ヘッドは図22に示す差し込み形状のヘッドよりも回転駆動ユニット99等の配置スペースは小さいが、この小さい配置スペースでも、四方にパイプが配置された作業場所へ適用するには差し込み形状の溶接ヘッドと同様に制約がある。このため図16に示す事業用ボイラの例の様にパイプ95の管直径57mm、縦方向配列ピッチ90mm、横方向配列ピッチ約120mmから成るボイラチューブ群のように、狭隘な作業場所が多数存在する場合には、適用個所が限定され、溶接の自動化による工数低減や品質の向上は充分にその効果を発揮できない。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】
上記従来技術による溶接ヘッドはパイプ95の径方向の一方に回転駆動部等の配置スペースを設けているため四方にパイプ95が隣接配置された作業場所においては寸法的な制約から適用範囲が限られていた。また従来の溶接ヘッドを改良して小型化しても以下の点で限界があった。
【0006】
(1)図22に示すような差し込み形状の溶接ヘッドは回転駆動部97に設けたリングギヤ(図示せず)の切り欠き部のために、動力伝達用の中間歯車(図示せず)が最低2個必要で、更に各々の中間歯車に動力を伝達するための駆動系が必要なために回転駆動部97の配置スペースを充分に小さくすることができず、必然的に溶接ヘッドのパイプ95(図16)の径方向の一方にスペースが必要となる。
【0007】
(2)図23、図24に示すような半割形状の溶接ヘッドは回転駆動ユニット99の配置スペースは前記差し込み形状のものよりも小さくて良いが、それでも図16に示す事業用ボイラの例のように四方にパイプ95が隣接配置された狭隘な作業場所では使用できない。またパワーケーブルやホースは溶接の進行に伴って溶接トーチ21の近隣でパイプ95に巻き付くので、作業者は溶接中にその処理作業を行う必要があった。
【0008】
本発明の目的は、狭隘な作業場所が多数存在する場合でも溶接の自動化が可能で、かつ良好な作業性を有する溶接ヘッドおよび溶接装置を提供することにある。
【0009】
【問題を解決するための手段】
本発明の上記目的は次の構成によって達成される。
すなわち、被溶接部材の外周に当接するガイドリングと該ガイドリングの外周に設けられた円筒形状の回転部とからなり、前記ガイドリングと回転部を共に半割構造とし、さらに、回転部の軸方向の一方の側面に溶接トーチ、ワイヤ送給機構を配置し、もう一方の側面にワイヤリールを配置し、駆動用アクチュエータ及び位置検出機器を回転部に内蔵した溶接ヘッドである。
【0010】
本発明の上記溶接ヘッドにおいて、ガイドリングと回転部の半割構造の各々の接続部は回転部とガイドリングとを一体的に分離、連結が可能な構成とすることができる。また、前記ガイドリングと回転部の半割構造の接続部には、前記半割構造の分離防止機能用のカンヌキ構造を設けても良い。また、前記ガイドリング内周に被溶接部材の外径に当接するスペーサと、被溶接部材の外径に当接するクランプ機構とその解除機構を設けることもできる。
【0011】
また、本発明の溶接ヘッドのガイドリングの端面には凹部を設け、回転部にガイドリング端面に当接するシャフトと該シャフトをガイドリングに弾性付勢する手段とからなり、前記シャフトがガイドリングの端面の前記凹部に嵌まり込むと回転部が原点位置にあることが確認できる原点指標機構を設けても良い。
【0012】
また、本発明の溶接ヘッドには、回転部の側面に設けられた支軸上をスライド可能な平行リンクと平行リンクの動作側に駆動力を伝達するスイングアームを有するトーチ上下位置調整機構、および回転部の側面に設けられた支軸上に設けられたハイプ軸方向調整ナットと、該調整ナットとかみ合う平行リンクからなるトーチのハイプ軸方向位置調整機構を備えることができる。
また、本発明には上記溶接ヘッドを備えた溶接装置も含まれる。
【0013】
【作用】
本発明によれば溶接ヘッドを構成する要素の全てを、例えば内径φ60mm、外径φ120mmの円筒形の空間内に配置することが出来る。それにより四方に溶接すべきパイプが隣接配置された作業場所においても隣接するパイプと溶接ヘッドは干渉することがない。またパイプの軸方向に溶接ヘッドをスライドさせることにより溶接ヘッドとガイドリングを一体的に開閉、分離、連結出来る構造としたことや、レバー操作によるワンタッチ式クランプ解除機構を設けたことや、ケーブル類の取り合い部をトーチと反対側に配置したことで作業性を損ねることなく溶接ヘッドを小型化することができる。
【0014】
【実施例】
本発明の一実施例の溶接ヘッドと溶接装置を説明するが、本発明は以下の溶接ヘッドと溶接装置に限定されるものではない。
本実施例の溶接ヘッドを接続した全姿勢自動TIG溶接装置の構成図を図15に示す。また、図16に全姿勢自動TIG溶接装置を適用する事業用ボイラのパイプ95と該パイプ95の管系ピッチ寸法を示す。全姿勢自動TIG溶接装置はボイラーチューブ等の固定配管の突き合わせ溶接などに使用されるものであり、パイプ95(図16)の外周に本実施例の溶接ヘッド4を取り付け、溶接トーチ21をパイプ95の外周に沿って回転させ、同時にフィラワイヤを供給しつつ溶接を行うものである。全姿勢自動TIG溶接装置は自動的に溶接を実行するために、制御装置1、溶接電源2、冷却装置3、溶接ヘッド4およびヘッド制御ケーブル5、電源制御ケーブル6、パワーケーブル7等の接続ケーブル、冷却水ホース8、リモコンボックス9およびリモコンケーブル10などを備えている。
【0015】
全姿勢自動TIG溶接装置の溶接ヘッド4はパイプ95へのクランプ機構、トーチ上下機構、フィラワイヤ送給機構、トーチ位置微調整機構などを有しており、本実施例の溶接ヘッド4の外形図を図1に示し、図2には溶接ヘッド4の溶接トーチ側の側面図を示し、図3には図2とは反対側の溶接ヘッド4の側面図を示す。また、図1のA−A線断面視図のうち溶接ヘッド4の回転支持の軸受けの配置を図13に示す。図1のB−B線断面視図のうち回転駆動系の配置を図4に示す。図1のC−C線断面視図のうちト−チ上下機構のリンク機構を図5に示す。図2のA−A線断面視図のうちトーチ上下機構の詳細を図6に示す。図2のB−B線断面視図のち回転部の分離、連結構造を図7に示す。図2のB−B線断面視図のうち溶接ヘッド4の回転部の連結構造を分離した状態を図8に示す。
【0016】
また、図9に溶接ヘッド4のガイドリングの連結部の連結状態の模式図を示し、図10に溶接ヘッド4のガイドリングの連結部の分離状態の模式図を示す。また、図1のD−D線断面視図のうち溶接ヘッド4のクランプ機構の構造を図11に示す。図12は図11のクランプ機構を解除した状態を示す。また、図1のA−A線断面視図のうち溶接ヘッド4の回転支持構造を図13に示す。図14は溶接ヘッドの原点指標機構の構造を示す図2のC−C線断面図(図14(a))と図14(a)のA−A線断面図(図14(b))である。
【0017】
ガイドリング11は回転部12の内部に同芯上に配置されており、溶接されるパイプ95(図16参照)の軸方向にスライドすることにより連結ピン63(図9、図10)が抜き差しされ、分離、連結が可能となっている。回転部12は図1の他に図13にも示すようにスラスト軸受14とラジアル軸受13を介してガイドリング11の外周に配置されている。図4に示すように回転モータ33は歯車軸36を介してガイドリング11外周に施した歯切り部に動力を伝達するように配置されている。回転検出部32は歯車軸36を介してガイドリング11と連結されている。
【0018】
図4などに示すようにガイドリング11と回転部12はその径方向に2分割可能な構成になっているが、クランプ解除機構は、図4に示すガイドリング11と回転部12の分割位置が一致した位置で、図11に示すクランプ解除レバー19を図12に示す位置に動かすことにより偏芯カム68がクランプレバー67の端部を押えるように配置されている。そのため、クランプレバー67が板バネ69を押して、コマ66を径方向外側に移動させて、パイプへのクランプ状態を解除することで、パイプに固定されている溶接ヘッド4が自由になり、ガイドリング11と回転部12の分割ができる。
【0019】
ワイヤ送給機構16(図1、図2)は溶接ヘッド4の溶接トーチ21側の側面に配置され、ワイヤ送給ローラ48(図2)裏側に同軸上に配置される図示していないワイヤ送給モータの回転力をシャフト、歯車を介してワイヤ送給ローラ48(図2)に動力を伝達している。ワイヤリールシャフト23(図1、図3)はブラケット25(図1)に締結されている。ブラケット25は回転部12に締結されている。ワイヤリール24(図3)はワイヤリールシャフト23に取り付けられており、ワイヤはワイヤ送給機構16によりワイヤチップ62(図1)を経て溶接トーチ21に送られる。
【0020】
また、図2に示すコジットライナ27は中空で内側をワイヤがなめらかに通る構造となっており、ワイヤリール24(図3)やワイヤ送給機構16(図1)や溶接トーチ21に引っかかることなくワイヤを送給するため、またテフロンなどの絶縁材を用いることにより、ワイヤと構成部品との絶縁を行うためのものである。また、ローラ押えバネ29はワイヤ送給ローラ28をワイヤ送給ローラ48に押し付けるためのものであり、バネ30とノブ31は前記ワイヤの押し付けを保持するためのものであり、バネ30をノブ31の間に入れることで、ワイヤがローラ28、48の送給溝にはまり込んで動かなくなる事故を防ぐだけのクリアランスを確保できる。絶縁板20とワイヤ位置調整機構22はワイヤを溶接位置に適切に移動させるためのものである。
【0021】
半円形に分割可能な回転部12の端部同士はヒンジピン85(図13)を中心に回転可能に連結されていて、一方の回転部12の他の端部に設けられたカンヌキ15はその一方の端部に設けたピン64(図7)を支軸としてスイング可能で、回転部12のもう一方の端部に設けた溝とはめ合いになるように取り付けられている。カンヌキ15(図1、図7)はヒンジピン85(図13)を中心に回転して分割された回転部12の端部同士がカンヌキ15によりはめ合わされた時にピン64に隣接してその両側に設けられたピン63を差し込むことで回転部12が一体化される。このピン63は半円形の2つのガイドリング11の端部同士を連結するものと同一のものであり、ピン63の挿脱でガイドリング11と回転部12の分割、一体化が可能となる。
【0022】
図9と図10に示すようにガイドリング11は連結ピン63がはめ合うように軸方向にスライドすることによって円筒形状のガイドリングを形成する。また、図11と図12に示すようにガイドリング11の一方はパイプ95(図16)のサイズに対応したスペーサ65が締結されており、もう一方には先端にパイプの径に対応したコマ66を設けたクランプレバー67が設けられており、板バネ69の復元力をクランプレバー67のコマ66と反対側の端部に加え、ピン103を支点として、てこの作用により力を拡大してコマ66をパイプ表面に押しつけることでパイプにクランプする事ができる。回転部12はスラスト軸受14(図13)とラジアル軸受13を介してガイドリング11の外周に配置され、軸方向にスライドさせることにより連結ピン63が抜き差しされガイドリング11と一体的に分離、連結することが出来、分離した状態ではヒンジピン85(図13)を支軸としてガイドリング11と一体的に開閉動作が可能である。
【0023】
回転部12にはトーチ上下機構、トーチパイプ軸方向位置調整機構、溶接トーチ21、ワイヤ位置調整機構22、原点指標機構26、回転駆動機構、ワイヤ送給機構、クランプ解除機構、ワイヤリール24、ワイヤリール支持機構などを設け、これら全てを回転部の外径120mm、内径60mmの円筒形の空間内に配置しているので、図16に示す事業用ボイラの熱交換器のように隣接するパイプ95等の障害物との距離が近い狭隘部においても回転が可能である。
【0024】
回転駆動力は図4(図1のB−B線断面視図)に示すようにモータ33の回転力を歯車軸36を介してガイドリング11の外周に設けた歯車部に伝達することで得ている。また、回転位置検出器32により制御装置1(図15)に位置情報をフィードバックしている。カンヌキ15(図7)は回転部12が連結された状態でピン64と反対側に設けた溝とはめ合うことで溶接ヘッド4をセットした後の回転部12及びガイドリング11の軸方向に不用意に動くことを防止する。
【0025】
クランプ解除機機は回転部12とガイドリング11の位置関係を合わせた状態でクランプ解除レバー19を図12(図1のD−D線断面視図)に示す位置に動かすことにより、クランプ解除レバー19と同軸上に配置した偏芯カム68がガイドリング11内に設けたクランプレバー67の端を押さえてコマ66を径方向外側にスイング移動させてクランプ解除を行う。
【0026】
ガイドリング11と回転部12の位置合わせは原点指標機構26(図2)により行うことができる。図2に示す原点指標機構26の詳細図は図14に示す。図14(a)は図2のC−C線断面図、図14(b)は図14のA−A線断面図である。回転部12の軸方向にスライド可能なシャフト70がガイドリング11の端面にバネ73によって押し付けられるように構成されている。シャフト70内のガイドリング11との当接部にはシャフト70がガイドリング11上を転がり易いようにするための軸受72がピン71に支持されている。また、バネ73はフタ74と一対のビス75で回転部12に支持され、シャフト70はストッパ76とビス75で回転部12にフタ74を介して支持されている。
【0027】
回転部12とガイドリング11を一体的にスライド、開閉するためには各々の分割線を一致させなければならないが、ガイドリング11は回転部12の内部に配置されているので、各々の位置関係は原点指標機構26により確認する。原点指標機構26は回転位置原点において、図14に示すようにシャフト70がガイドリング11端面に設けた凹部11aにバネ73によって押しつけられ、外部に突き出たシャフト70の端面が内側に移動することを、目視確認で行う。
【0028】
ワイヤの送給は図2に示す中央部にV型の溝を設けた送給ローラ48及び送給ローラ28のかみ合い部にフィラワイヤを挟んで、送給ローラ48の回転力を摩擦力によりフィラワイヤに伝達して送給を行う。
【0029】
溶接トーチ21の上下位置調整は図5(図1のC−C線断面視図)に示す一対の平行リンク17の揺動端を軸56を介してスイングアーム18で駆動することにより行う。なお、図5にはワイヤ送給機構16も図示している。スイングアーム18は図6(図2のA−A線断面視図)に示す上下駆動モータ49の回転力を歯車50、歯車51、軸55を介して伝達して駆動する。軸55の先端にはスイングアーム18が図示していないキーにより締結されており、軸55を支点としてスイングアーム18がスイングする。スイングアーム18がスイングすることにより、軸56を介して平行リンク17がスライドする。溶接トーチ21は絶縁板20を介して平行リンク17に取り付けらており、トーチ上下機構の作用により上下方向に動作する。上下動を図6に矢印Aで示す。歯車51はバネ58によって軸55に設けたフランジ部に押しつけられ、その摩擦力によりトルク伝達を行う。前記押圧力はナット60により調整可能なので、トルクリミッタとしての機能も兼ねることができ、ストロークエンドや衝突時にモータが過負荷状態になることはない。
【0030】
また、支軸102には調整ナット61(図6)が配置されており、調整ナット61の内側にはメネジが切ってある。これに対するオネジは平行リンク17外端部と支軸102のどちらか一方に切ってあり、また調整ナット61は平行リンク17に組み込まれている。従って、溶接トーチ21のパイプ軸方向位置調整は調整ナット61を回転することで、支軸102上に設けたネジ部上を調整ナット61を移動させ、調整ナット61を挟むように構成した平行リンク17を矢印B方向に移動させることで行う。ワイヤ位置調整機構22は絶縁板20に締結されているので、溶接トーチ21と共に上下する。ワイヤ位置調整機機構22を操作し、ワイヤチップ62の方向を調整することでワイヤのねらい位置を調整することができる。なお、図6には軸受53、54およびワッシャ59も図示している。
【0031】
本発明の他の実施例を図17及び図18〜図21に示す。
図17に示す実施例はワイヤリール24を溶接ヘッド21と分離した溶接装置の構成例である。パイプ95が回転部12に貫通する構成とすることは図2に示す実施例と同一である。ワイヤリール24はワイヤリールスタンド96に設けられ、溶接ヘッド21とワイヤリールスタンド96はコンジットライナー27で接続されている。本実施例による効果はワイヤリール24の大きさに制約がないので、ワイヤの巻き容量の大きなものを使用することができ、ワイヤリール24の交換回数を低減して作業能率を向上できることが挙げられる。
【0032】
図18〜図21に示す実施例は溶接トーチ21の上下駆動機構をスライドシャフト81、88、送りネジ90等からなるスライド機構としたものである。なお、シャフト81はトーチ左右方向のガイドであり、シャフト88はトーチ上下方向のガイドである。図19には図18の溶接装置の溶接トーチ側の側面図を示し、図20には溶接装置の溶接トーチ側とは反対側の側面図を示す。また、図21にはスライド式のトーチ上下駆動機構の構造を示す図18のA−A線断面方向からの視図である。
【0033】
図18〜図21に示す実施例は図1〜図15に示す実施例と同一機能を奏する部材は同一番号を付してその説明は省略する。
溶接トーチ21の上下駆動はモータ77の動力がかさ歯車94(図21)、スライドブロック78とスライドベース79とスライドブロック80を介してスライドシャフト81に伝達される。リミットスイッチ93(図21)は溶接トーチ21の上下駆動用モータ77を始動、停止させるものである。また、溶接トーチ21の左右方向の調整はパイプ軸方向位置調整ネジ82で行う。なお、ワイヤへの給電用の端子83、86と絶縁板84とホースニップル87などが図18〜図21に示されている。また図21に示すように、回転部12のスライドシャフト88は軸受89を介して溶接すべきパイプ(図示せず)の外周をスライドする。また、図21に示す送りネジ90はスライドブロック78(図18)をトーチ上下方向に移動するために用いられ、また、図21にはブッシュ91、92も示されている。
【0034】
上記いずれの実施例によっても、図16に示す管径φ57mm、縦方向配列ピッチ90mm、横方向配列ピッチ120mmで四方にパイプを隣接配置した狭隘なパイプ溶接作業場所においても自動TIG溶接を適用することが可能で、しかも従来の溶接ヘッドと同等の操作性を有しているので、従来よりも自動TIGの適用範囲を拡大できる。事業用ボイラの現地溶接の例では総数約24,000箇所の溶接に対して従来自動化率70%であったのを95%に拡大できた。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば狭隘な溶接作業場所においても自動TIG溶接を適用することが可能で、しかも従来の溶接ヘッドと同等の操作性を有しているので、従来よりも自動TIGの適用範囲を拡大できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による溶接ヘッドの外形概略図である。
【図2】図1の溶接ヘッドのトーチ側の側面図である。
【図3】図1の溶接ヘッドのトーチ側とは反対側の側面図である。
【図4】図1の溶接ヘッドの回転駆動部の構造を示す図1のB−B線断面視図である。
【図5】図1の溶接ヘッドのトーチ上下駆動用平行リンクの外形を示す図1のC−C線断面視図である。
【図6】図1の溶接ヘッドのトーチ上下駆動機構の構造を示す図2のA−A線断面視図である。
【図7】図1の溶接ヘッドの回転部の連結構造を示す図2のB−B線断面視図である。
【図8】図1の溶接ヘッドの回転部の連結構造を分離した状態を示す図2のB−B線断面視図である。
【図9】図1の溶接ヘッドのガイドリングの連結部の連結状態を示す模式図である。
【図10】図1の溶接ヘッドのガイドリングの連結部の分離状態を示す模式図である。
【図11】図1の溶接ヘッドのクランプ機構の構造を示す図1のD−D線断面視図である。
【図12】図11のクランプ機構を解除した状態を示す図1のD−D線断面視図である。
【図13】図1の溶接ヘッドの回転支持構造を示す図1のA−A線断面視図である。
【図14】図1の溶接ヘッドの原点指標機構の構造を示す図2のC−C線断面図(図14(a))と図14(a)のA−A線断面図(図14(b))である。
【図15】本発明の一実施例による溶接ヘッドを接続した全姿勢自動TIG溶接装置の構成図である。
【図16】本発明による溶接ヘッドを適用しようする事業用ボイラに溶接個所の例を示す寸法図である。
【図17】ワイヤリールをヘッドと分離させた本発明の他の実施例を示す模式図である。
【図18】溶接ヘッドのトーチ上下駆動機構にスライド機構を採用した本発明の他の実施例を示す溶接ヘッドの外形概略図である。
【図19】図18の溶接ヘッドのトーチ側の側面図である。
【図20】図18の溶接ヘッドのトーチ側とは反対側の側面図である。
【図21】スライド式トーチ上下機構の構造を示す図18のA−A線断面視図である。
【図22】従来の技術による差し込み形状の溶接ヘッドの外形概略図である。
【図23】従来の技術による半割形状の溶接ヘッドの外形概略図である。
【図24】図23の半割形状の溶接ヘッドの側面図である。
【符号の説明】
1 制御装置 2 溶接電源
3 冷却装置 4 溶接ヘッド
5 ヘッド制御ケーブル 6 電源制御ケーブル
7 パワーケーブル 8 冷却水ホース
9 リモコンボックス 10 リモコンケーブル
11 ガイドリング 12 回転部
13 ラジアル軸受 14 スラスト軸受
15 カンヌキ 16 ワイヤ送給機構
17 平行リンク 18 スイングアーム
19 クランプ解除レバー 20、84 絶縁板
21 溶接トーチ 22 ワイヤ位置調整機構
23 ワイヤリールシャフト 24 ワイヤリール
25 ブラケット 26 原点指標機構
27 コジットライナー 28、48 ワイヤ送給ローラ
29 ローラ押えレバー 30、58 バネ
31 ノブ 32 回転位置検出器
33 回転部駆動用モータ 36、55 歯車軸
39 ワイヤ送給モータ 49、77 トーチ上下駆動モータ
50、51 歯車 53、54、72、89 軸受
56 平行リンク揺動軸 60 ナット
61 パイプ軸方向位置調整ナット 62 ワイヤチップ
63、64、71 ピン 65 スペーサ
66 コマ 67 クランプレバー
68 偏芯カム 69、73 板バネ
70 スライドシャフト 74 フタ
75 ビス 76 ストッパ
78、80 スライドブロック 79 スライドベース
81、88 スライドシャフト 83、86 給電用の端子
85 ヒンジピン 93 リミットスイッチ
94 かさ歯車 95 パイプ
102 支軸

Claims (8)

  1. 被溶接部材の外周に当接するガイドリングと該ガイドリングの外周に設けられた円筒形状の回転部とからなり、前記ガイドリングと回転部を共に半割構造とし、さらに、回転部の軸方向の一方の側面に溶接トーチ、ワイヤ送給機構を配置し、もう一方の側面にワイヤリールを配置し、駆動用アクチュエータ及び位置検出機器を回転部に内蔵したことを特徴とする溶接ヘッド。
  2. ガイドリングと回転部の半割構造の各々の接続部は回転部とガイドリングとを一体的に分離、連結が可能な構成としたことを特徴とする請求項1記載の溶接ヘッド。
  3. ガイドリングと回転部の半割構造の接続部には、前記半割構造の分離防止機能用のカンヌキ構造を設けたことを特徴とする請求項2記載の溶接ヘッド。
  4. ガイドリング内周に被溶接部材の外径に当接するスペーサと、被溶接部材の外径に当接するクランプ機構とその解除機構を設けたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の溶接ヘッド。
  5. ガイドリングの端面に凹部を設け、回転部にガイドリング端面に当接するシャフトと該シャフトをガイドリングに弾性付勢する手段とからなり、前記シャフトがガイドリングの端面の前記凹部に嵌まり込むと回転部が原点位置にあることが確認できる原点指標機構を設けたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の溶接ヘッド。
  6. 回転部の側面に設けられた支軸上をスライド可能な平行リンクと平行リンクの動作側に駆動力を伝達するスイングアームを有するトーチ上下位置調整機構を備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の溶接ヘッド。
  7. 回転部の側面に設けられた支軸上に設けられたハイプ軸方向調整ナットと、該調整ナットとかみ合う平行リンクからなるトーチのハイプ軸方向位置調整機構を備えたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の溶接ヘッド。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載の溶接ヘッドを備えたことを特徴とする溶接装置。
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