JP3593313B2 - 垂直磁気記録ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハード膜を有するディスクなどの記録媒体に対して垂直磁界を与えて記録を行う垂直磁気記録ヘッドに係り、特に主磁極層を絶縁層上からヨーク層上にかけて適切にメッキ形成でき、しかも前記ヨーク層から主磁極層への磁束の通過効率を向上させることが可能な垂直磁気記録ヘッド及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディスクなどの記録媒体に磁気データを高密度で記録する装置として垂直磁気記録方式がある。図27は前記垂直磁気記録方式の装置に使用される垂直磁気記録ヘッドの一般的な構造を示す断面図である。
【0003】
図27に示すように、垂直磁気記録方式の垂直磁気記録ヘッドHは、記録媒体上を浮上して移動しまたは摺動するスライダ1の側端面に設けられるものであり、例えばスライダ1の側端面1aにおいて、前記垂直磁気記録ヘッドHは、非磁性膜2と、非磁性の被覆膜3との間に配置される。
【0004】
前記垂直磁気記録ヘッドHは、強磁性材料で形成された補助磁極層4と、前記補助磁極層4の上に間隔を開けて形成された同じく強磁性材料で形成された主磁極層5とを有しており、前記補助磁極層4の端面4aと前記主磁極層5の端面5aとが、記録媒体Mとの対向面Haに現れている。前記対向面Haよりも奥側において、前記補助磁極層4と前記主磁極層5は、磁気接続部6において磁気的に接続されている。
【0005】
前記補助磁極層4と前記主磁極層5との間にはAl、SiOなどの無機材料による非磁性絶縁層7が位置しており、前記対向面Haでは、この非磁性絶縁層7の端面7aが、前記補助磁極層4の端面4aと前記主磁極層5の端面5aとの間に現れている。
【0006】
そして、前記非磁性絶縁層7内には、Cuなどの導電性材料で形成されたコイル層8が埋設されている。
【0007】
図27に示すように、主磁極層5の端面5aの厚みhwは、補助磁極層4の端面4aの厚みhrよりも小さくなっている。また図28の平面図に示すように、前記主磁極層5のトラック幅方向(図示X方向)の端面5aの幅寸法はトラック幅Twであり、この幅寸法は、前記補助磁極層4のトラック幅方向の端面4aの幅寸法Wrよりも十分に小さくなっている。
【0008】
前記垂直磁気記録ヘッドHにより磁気記録が行われる記録媒体Mは、垂直磁気記録ヘッドHに対してZ方向へ移動するものであり、その表面にハード膜Maが内方にソフト膜Mbが設けられている。
【0009】
前記コイル層8に通電されることにより補助磁極層4と主磁極層5とに記録磁界が誘導されると、補助磁極層4の端面4aと、主磁極層5の端面5aとの間での漏れ記録磁界が、記録媒体Mのハード膜Maを垂直に通過し、ソフト膜Mbを通る。ここで、前記のように主磁極層5の端面5aの面積が、補助磁極層4の端面4aでの面積よりも十分に小さくなっているため、主磁極層5の端面5aの対向部分で磁束φが集中し、端面5aが対向する部分での前記ハード膜Maに対し、前記磁束φにより磁気データが記録される。
【0010】
ところで図28の平面図に示すように、前記主磁極層5は、前記対向面Haからハイト方向後方に長さ寸法がL1で形成された幅細の前方領域5cと、前記前方領域5cの基端からハイト方向後方にかけてトラック幅方向(図示X方向)の幅寸法が漸次的に広がるヨーク部5bとで構成されている。
【0011】
前記前方領域5cの長さ寸法L1はできる限り短く形成することが、前記前方領域5cでの磁気飽和を緩和し、前記ヨーク部5cから流れる磁束を前記主磁極層5の前端面5aから集中して発生させることができて好ましい。
【0012】
しかし前記長さ寸法L1を短くしすぎると、前方領域5cの微小なパターンを正確に形成することは困難で、前記前端面5aのトラック幅Twが所定値より広がって形成されたり、あるいは図28に示すように、ハイト方向(図示Y方向)に向かうにしたがってトラック幅方向(図示X方向)の幅寸法が広がって形成されてしまい、トラック幅Tw及び前記前方領域5cの形状の制御が非常に難しかった。
【0013】
このような形状変化の問題は、前記主磁極層5の前方領域5cとヨーク部5bとが一体に形成された単一層によるところが大きく、このためヨーク部5bを前記前方領域5cとは別に形成する構造が考えられている。
【0014】
図29は、図27に示す従来の垂直磁気記録ヘッドを改良した縦断面図であり、図29に示すように非磁性絶縁層7上にはヨーク層10が形成されている。前記ヨーク層10の前端面10aは、前記対向面Haからハイト方向(図示Y方向)後方に位置し、しかも非磁性絶縁層7から垂直に立ち上がって形成されている。また図29に示すように前記対向面Haでの非磁性絶縁層7上から前記ヨーク層10上にかけて主磁極層5が形成されている。図29に示す垂直磁気記録ヘッドの平面図は例えば図30のような平面形状であり、図30に示すように、前記ヨーク層10はハイト方向(図示Y方向)に向かうにしたがってトラック幅方向(図示X方向)の幅寸法が漸次的に広がる形状であり、前記主磁極層5は、前端面5aがトラック幅Twで形成された幅細形状の前方領域5cとこの前方領域5cの基端からトラック幅方向への幅寸法が広がる後方領域5dとで構成されている。
【0015】
図29、30のように、前記ヨーク層10上に主磁極層5を重ね合わせる構造であると、前記主磁極層5の前方領域5cのハイト方向(図示Y方向)への長さ寸法L2を従来より長く形成しても、前記ヨーク層10をできる限り対向面Ha側に寄せて形成することで、前記前方領域5cが磁気飽和に達することなく、前記ヨーク層10からの磁束を適切に前記主磁極層5の前方領域5cに導くことができる。
【0016】
このように図30に示す構造であると前記主磁極層5の前方領域5cをハイト方向へ長く形成できるから、パターン精度が向上し前記前方領域5cを所定のトラック幅Tw及び所定の形状で形成できると考えられた。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら図29に示す垂直磁気記録ヘッドでは前記ヨーク層10の前端面10aが非磁性絶縁層7の上面から垂直に立ちあがって形成されているために、前記非磁性絶縁層7と前記前端面10a間には大きな段差が形成される。このため前記主磁極層5の形成工程時に、以下のような問題が発生した。図31及び図32は前記主磁極層5を形成する際の製造方法を示す一工程図である。
【0018】
図31に示すように、前記非磁性絶縁層7上にヨーク層10を形成し、さらに前記非磁性絶縁層7上から前記ヨーク層10上にかけてメッキ下地層11を形成する。このメッキ下地層11は次工程で主磁極層5をメッキ成長させるための下地である。さらに前記メッキ下地層11上にレジスト層12を形成する。
【0019】
図31に示すように、前記ヨーク層10の前端面10aは非磁性絶縁層7上から垂直に立ちあがって形成されているために前記前端面10aと非磁性絶縁層7間には大きな段差Aが生じる。
【0020】
このため前記非磁性絶縁層7上からヨーク層10上にかけて塗布されるレジスト層12には、前記ヨーク層10上に塗布されたレジスト層12の膜厚H2と前記非磁性絶縁層7上に塗布されたレジスト層12の膜厚H3とに大きさ差が生じる。
【0021】
次の図32に示す工程では、前記レジスト層12に主磁極層5形成のための抜きパターン12aを露光現像で形成するが、このとき、ヨーク層10上のレジスト層12に対し、前記段差Aの部分で前記レジスト層12の膜厚が急激に厚くなるため、この段差Aの部分に塗布されたレジスト層12の下面にまで適切に露光がなされず、前記段差Aの部分に露光現像されないレジスト層12bが残りやすい。
【0022】
そして次に前記抜きパターン12a内に露出したメッキ下地層11上から主磁極層5をメッキ成長させようとしても、前記抜きパターン12a内にレジスト層12bが残っていると、その部分ではメッキ下地層11が前記レジスト層12bに覆われているのでメッキ成長が適切になされず、前記レジスト層12b上には極端に薄い膜厚の主磁極層5が形成されたり、あるいはこの部分に全く主磁極層5が形成されないなど、不良品が形成されやすい。
【0023】
またヨーク層10と非磁性絶縁層7間に大きな段差Aがあり、レジスト層12の膜厚に大きな差があると、前記抜きパターン12aのパターン精度は低下するため、特に前記主磁極層5の前方領域5cを所定のトラック幅Tw及び所定の形状で形成できず、狭トラック化に対応可能な垂直磁気記録ヘッドを製造することができない。
【0024】
また前記ヨーク層10の前端面10aが非磁性絶縁層7上から垂直に立ちあがり、前記主磁極層5と重なる位置において前記ヨーク層10が略矩形状で形成されていると、前記ヨーク層10の前端面10aから磁束が洩れやすくなり、すなわち前記磁束が前記ヨーク層10から主磁極層5に適切に導かれず、磁束の通過効率が低下して、記録密度の低下を招く。
【0025】
そこで本発明は上記従来の課題を解決するものであり、前記ヨーク層の前端面をなだらかな傾斜面や湾曲面とすることで、前記主磁極層を絶縁層上から前記ヨーク層上にかけて適切にメッキ形成することができ、また前記ヨーク層から主磁極層への磁束の通過効率を向上させることが可能な垂直磁気記録ヘッド及びその製造方法を提供することを目的としている。
【0026】
【課題を解決するための手段】
本発明は、記録媒体との対向面に、補助磁極層と主磁極層とが間隔を開けて位置し、前記対向面よりもハイト方向後方に前記補助磁極層と前記主磁極層とに記録磁界を与えるコイル層が設けられ、前記主磁極層に集中する垂直磁界によって、前記記録媒体に磁気データを記録する垂直磁気記録ヘッドにおいて、
前記対向面よりもハイト方向後方では前記補助磁極層から立ち上がる接続層が設けられ、前記接続層の周囲に前記コイル層が巻回形成されており、
前記コイル層上は絶縁層によって覆われ、前記絶縁層上には、前記対向面側の前端面がハイト方向後方に位置し、しかも前記前端面が下面から上面にかけてハイト方向に傾く傾斜面あるいは湾曲面とされたヨーク層が形成され、前記ヨーク層の基端部は前記接続層と磁気的に接続されており、
前記対向面での絶縁層上から前記ヨーク層上にかけて主磁極層が形成されており、
前記対向面に現れている前記主磁極層の前端面は、下面から上面に向けてトラック幅方向の幅寸法が広がる形状で形成されていることを特徴とするものである。
【0027】
本発明では、前記ヨーク層の前端面には、下面から上面にかけてハイト方向に傾く傾斜面あるいは湾曲面が形成されている。
【0028】
このように本発明では従来と異なり、前記ヨーク層の前端面が垂直面として立ち上がる形状ではなく、前記前端面がなだらかな傾斜面あるいは湾曲面でハイト方向に向けて立ち上がる形状であると、前記ヨーク層の前方に位置する絶縁層上からヨーク層上にかけて主磁極層を形成するときに使用されるレジスト層をほぼ均一な膜厚で形成でき、したがって前記レジスト層に形成される抜きパターン内のレジスト層を上面から下面にかけて適切に露光現像して除去できる。よって本発明では従来のように前記抜きパターン内にレジスト溜りが発生せず、前記抜きパターン内一面に主磁極層を形成するためのメッキ下地層を露出させることができるので、前記抜きパターン内に前記主磁極層を所定形状で適切にメッキ形成することが可能である。
【0029】
また本発明では、上記のように、前記絶縁層上から前記ヨーク層の前端面が徐々に膜厚が大きくなるようになだらかに立ち上がり、主磁極層形成の際に使用される前記絶縁層上からヨーク層上にかけてのレジスト層の膜厚をほぼ一定にできることから、主磁極層をパターン精度良く形成することが可能であり、前記主磁極層の前端面を所定のトラック幅Tw及び所定の形状で高精度に形成しやすい。
【0030】
また本発明では、前記ヨーク層の前端面が、ハイト方向にかけて徐々に膜厚が厚くなるようになだらかな傾斜面あるいは湾曲面となっていると、前記ヨーク層からの磁束は、主磁極層にスムーズに導かれ、前記前端面からの磁束の漏れを従来よりも抑制できる。すなわち本発明では前記ヨーク層から主磁極層への磁束の通過効率を向上させることができ、前記主磁極層に磁束を集中させることができるので、高記録密度化に優れた垂直磁気記録ヘッドを製造することが可能である。
【0031】
また本発明では、前記絶縁層の上面と前記接続層の上面は同一面とされた平坦化面となっていることが好ましい。これによりヨーク層及び主磁極層をパターン精度良く形成することができる。
【0032】
主磁極層の前端面の両側端面は、傾斜面あるいは湾曲面で形成されていることが好ましい。
【0033】
また本発明では、前記主磁極層の飽和磁束密度が、前記ヨーク層の飽和磁束密度よりも高いことが好ましい。本発明では前記主磁極層とヨーク層とを別々に形成することができる。このため前記主磁極層にヨーク層よりも飽和磁束密度が高い磁性材料を選択することが可能になり、これにより前記主磁極層に磁束を集約させることができ、高記録密度化に適切に対応可能な垂直磁気記録ヘッドを製造することが可能である。
【0034】
また本発明では、前記ヨーク層と主磁極層とが重なる位置での前記ヨーク層の前記対向面と平行な方向からの断面積は、前記主磁極層の前記対向面と平行な方向からの断面積よりも大きいことが好ましい。これにより前記ヨーク層から主磁極層への磁束の通過効率を向上させることが可能である。
【0035】
また本発明における垂直磁気記録ヘッドの製造方法は、以下の工程を有することを特徴とするものである。
(a)磁性材料で補助磁極層を形成する工程と、
(b)前記補助磁極層上であって、記録媒体との対向面よりもハイト方向後方に接続層を形成し、次に前記対向面と接続層間に、前記補助磁極層上に絶縁下地層を介してコイル層を形成した後、前記コイル層上を絶縁層で埋める工程と、
(c)前記絶縁層の表面を削り、前記絶縁層上面と前記接続層上面を同一面とする工程と、
(d)前記絶縁層上面及び接続層上面に、前端面が前記対向面よりもハイト方向後方に位置し且つ前記接続層上にまで延びるヨーク層形状のメッキ下地層を形成する工程と、
(e)前記メッキ下地層上に磁性材料でヨーク層をメッキ形成し、このとき前記ヨーク層の前端面を下面から上面にかけてハイト方向に傾く傾斜面あるいは湾曲面にする工程と、
(f)前記絶縁層上及びヨーク層上にメッキ下地層を形成し、前記メッキ下地層上にレジスト層を形成した後、前記レジスト層に前記対向面での絶縁層上から前記ヨーク層上にまで延びる抜きパターンを形成し、
このとき、少なくとも前記対向面でのトラック幅方向の内幅寸法が、下面から上面にかけて広がる前記抜きパターンを前記レジスト層に形成する工程と、
(g)前記抜きパターン内に露出した前記メッキ下地層上に磁性材料で主磁極層をメッキ形成した後、前記レジスト層を除去する工程。
【0036】
本発明では、前記(d)工程でヨーク層形成のためのメッキ下地層を絶縁層上に形成し、前記(e)工程では、前記メッキ下地層上にヨーク層をメッキ成長させている。前記(d)工程では、前記メッキ下地層の周囲は、レジスト層などによって囲まれておらず、平坦化された絶縁層上にはメッキ下地層のみが形成されており、このようにレジスト層などによる囲みの無いメッキ下地層上からメッキ成長するヨーク層の前端面は丸みを帯びながら成長していき、前記ヨーク層の前端面を下面から上面にかけてハイト方向に傾く傾斜面あるいは湾曲面で形成することができる。
【0037】
そして本発明では前記ヨーク層の前端面がなだらかな傾斜面あるいは湾曲面になっているため、上記(f)工程で、前記ヨーク層の前方の絶縁層上からヨーク層上にかけて形成されるレジスト層の膜厚をほぼ均一にすることができる。
【0038】
このため前記レジスト層に主磁極層の抜きパターンを露光現像で形成するとき、前記抜きパターン内のレジスト層を下面から上面の全域にかけて適切に露光現像して除去でき、前記抜きパターン内には従来のようにレジスト溜りが発生しない。
【0039】
よって前記抜きパターン内には、適切に主磁極層形成のためのメッキ下地層が露出しており、したがって前記(g)工程で前記メッキ下地層上に主磁極層を所定形状で適切にメッキ成長させることが可能である。
【0040】
また本発明では、前記(d)工程において、メッキ下地層を以下の工程で形成することが好ましい。
(h)前記絶縁層上面及び接続層上面にメッキ下地層を形成し、さらに前記メッキ下地層上にレジスト層を形成する工程と、
(i)前端面が前記対向面よりもハイト方向後方に位置し且つ前記接続層上にまで延びるヨーク層形状のレジスト層を残し、他のレジスト層を除去する工程と、
(j)レジスト層に覆われていないメッキ下地層を除去した後、前記レジスト層を除去する工程。
【0041】
あるいは本発明では、前記(d)工程において、メッキ下地層を以下の工程で形成してもよい。
(k)前記絶縁層上面及び接続層上面にレジスト層を形成し、さらに前記レジスト層に前端面が前記対向面よりもハイト方向後方に位置し且つ前記接続層上にまで延びるヨーク層形状の抜きパターンを前記レジスト層に形成する工程と、
(l)前記抜きパターン内にメッキ下地層をスパッタ成膜した後、前記レジスト層を除去する工程。
【0042】
上記のメッキ下地層の形成方法によれば、前記メッキ下地層の周囲はレジスト層などで囲まれておらず、前記メッキ下地層の周囲には前記絶縁層のみが広がった状態になっている。従って前記メッキ下地層の上にヨーク層をメッキ成長させると、前記ヨーク層の周囲は丸みを帯びながら成長していき、前記ヨーク層の前端面を下面から上面にかけてハイト方向に傾く傾斜面あるいは湾曲面として形成できる。
【0044】
これにより前記主磁極層の前端面を下面から上面にかけて幅寸法が徐々に広がる形状に形成できる。
【0045】
また本発明では、前記(g)工程で、さらに前記主磁極層の下以外に形成された前記メッキ下地層を除去することが好ましい。
【0046】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の第1実施形態の垂直磁気記録ヘッドを備えた磁気ヘッドの構造を示す縦断面図である。
【0047】
図1に示す垂直磁気記録ヘッドHは記録媒体Mに垂直磁界を与え、記録媒体Mのハード膜Maを垂直方向に磁化させるものである。
【0048】
前記記録媒体Mはディスク状であり、その表面に残留磁化の高いハード膜Maが、内方に磁気透過率の高いソフト膜Mbを有しており、ディスクの中心が回転軸中心となって回転させられる。
【0049】
前記垂直磁気記録ヘッドHのスライダ30はAl・TiCなどのセラミック材料で形成されており、スライダ30の対向面30aが前記記録媒体Mに対向し、記録媒体Mが回転すると、表面の空気流によりスライダ30が記録媒体Mの表面から浮上し、またはスライダ30が記録媒体Mに摺動する。図1においてスライダ30に対する記録媒体Mの移動方向は図示Z方向である。前記垂直磁気ヘッドHはスライダ30のトレーリング側端面に設けられている。
【0050】
前記スライダ30の側端面30bには、AlまたはSiOなどの無機材料による非磁性絶縁層54が形成されて、この非磁性絶縁層の上に読取り部Hが形成されている。
【0051】
前記読取り部Hは、下から下部シールド層52、ギャップ層55、磁気抵抗効果素子53、および上部シールド層51から成る。前記磁気抵抗効果素子53は、異方性磁気抵抗効果(AMR)素子、巨大磁気抵抗効果(GMR)素子、トンネル型磁気抵抗効果(TMR)素子などである。
【0052】
前記上部シールド層51の上には、AlまたはSiOなどの無機材料による非磁性絶縁層31が形成されて、前記非磁性絶縁層31の上に本発明の記録用の垂直磁気記録ヘッドHが設けられている。そして垂直磁気記録ヘッドHは無機非磁性絶縁材料などで形成された保護層13により被覆されている。そして前記垂直磁気記録ヘッドHの記録媒体との対向面H1aは、前記スライダ30の対向面30aとほぼ同一面である。
【0053】
前記垂直磁気記録ヘッドHでは、パーマロイ(Ni−Fe)などの強磁性材料がメッキされて補助磁極層21が形成されている。なお前記上部シールド層51が前記補助磁極層21として兼用されていてもよい。前記非磁性絶縁層31は、前記補助磁極層21の下(補助磁極層21とスライダ30の側端面30bとの間)および前記補助磁極層21の周囲に形成されている。そして図1に示すように、補助磁極層21の表面(上面)21aと前記非磁性絶縁層31の表面(上面)31aとは同一の平面上に位置している。
【0054】
図1に示すように、前記対向面H1aよりもハイト方向後方(図示Y方向)では、前記補助磁極層21の表面21a上にNi−Feなどの接続層25が形成されている。
【0055】
前記接続層25の周囲において、前記補助磁極層21の表面21aおよび前記非磁性絶縁層31の表面31a上に、Alなどの絶縁下地層26が形成されて、この絶縁下地層26の上にCuなどの導電性材料によりコイル層27が形成されている。このコイル層27はフレームメッキ法などで形成されたものであり、前記接続層25の周囲に所定の巻き数となるように螺旋状にパターン形成されている。コイル層27の巻き中心側の接続端27a上には同じくCuなどの導電性材料で形成された底上げ層77が形成されている。
【0056】
前記コイル層27および底上げ層77は、レジスト材料などの有機材料の絶縁層32で被覆されており、さらに絶縁層33で覆われている。
【0057】
前記絶縁層33は無機絶縁材料で形成されることが好ましく、前記無機絶縁材料としては、AlO、Al、SiO、Ta、TiO、AlN、AlSiN、TiN、SiN、Si、NiO、WO、WO、BN、CrN、SiONのうち少なくとも1種以上を選択できる。
【0058】
そして前記接続層25の表面(上面)25a、底上げ層77の表面(上面)77a、および絶縁層33の表面(上面)33aは、同一面となるように加工されている。このような平坦化加工は後述の製造方法で説明するように、CMP技術などを用いて行なわれる。
【0059】
この第1実施形態では、前記絶縁層33の上に、ヨーク層35が形成されている。図1に示すように前記ヨーク層35の前端面35aは、前記対向面H1aよりもハイト方向(図示Y方向)後方に形成されている。また前記ヨーク層35の基端部35cは、前記接続層25の上面に形成され、前記基端部35cと接続層25とが磁気的に接続された状態になっている。前記ヨーク層35の下の絶縁層33は平坦化面で形成されているので、前記ヨーク層35をパターン精度良く形成することができる。
【0060】
また本発明では前記ヨーク層35の前端面35aは、下面から上面にかけて(図示Z方向)、ハイト方向(図示Y方向)に傾く傾斜面あるいは湾曲面となっている。
【0061】
また図1に示すように、前記底上げ層77の表面77aにはリード層36が形成され、リード層36から前記底上げ層77およびコイル層27に記録電流の供給が可能となっている。なお、前記リード層36は、前記ヨーク層35と同じ材料で形成でき、前記ヨーク層35とリード層36を、同時にメッキで形成することが可能である。
【0062】
また図1に示すように、前記ヨーク層35よりも前記対向面H1a側に位置する絶縁層33上から前記ヨーク層35上にかけてメッキ下地層71を介してNiFe等の磁性材料で形成された主磁極層24が形成されている。さらに非磁性層40が、前記主磁極層24上に重ねられて形成されている。そして前記主磁極層24及び非磁性層40の前端面24a,40aは共に前記対向面H1aから現れている。
【0063】
なお図1に示す実施形態では、前記主磁極層24及びヨーク層35は、前記対向面H1aからハイト方向にかけてL3の長さ寸法で形成されているが、前記主磁極層24とヨーク層35とが一部で重なり、磁気的に接続されていれば、前記長さ寸法L3は限定されない。したがって、前記主磁極層24及び非磁性層40は、ハイト方向にさらに長く形成され、例えば図2のように前記ヨーク層35の後端面35bと同一位置まで延ばされていても良い。
【0064】
なお図1、2に示すように前記非磁性層40上及びヨーク層35上が前記保護層13によって覆われている。
【0065】
なお図1及び図2のように主磁極層24の上に非磁性層40が重ねられていると、前記主磁極層24の下以外に形成されたメッキ下地層71を除去する工程時に、前記主磁極層24の高さ寸法を減少させることなく前記メッキ下地層71を除去でき、また前記メッキ下地層71を除去した際に前記主磁極層24のトラック幅方向(図示X方向)の両側端面に前記メッキ下地層71の構成材料が付着することがあるが、この場合でも前記主磁極層24の高さ寸法を減少させることなく、前記付着膜を除去できる。また前記主磁極層24の両側端面を削ることによって前記主磁極層24のトラック幅Twを狭くでき、狭トラック化に対応可能な垂直磁気記録ヘッドを製造できるが、このときでも前記主磁極層24の高さ寸法を減少させることなく、前記主磁極層24の狭トラック化を図ることが可能である。
【0066】
なお前記非磁性層40は非磁性金属材料で形成されていることが好ましい。前記非磁性金属材料には、NiP、NiCu、NiMn、NiW、NiB、Pd、Rh、Ru、Au、Cuを選択できる。この中でもNiPを選択することが好ましい。前記非磁性層40はNiPであると、製造上の連続メッキ容易性に加えて、耐熱性に優れ主磁極層24との密着性も良い。また主磁極層24との硬さも同等とすることができるので、後述するイオンミリング等による非磁性層40と主磁極層24の加工量も同等とすることができ加工性を向上させることができる。
【0067】
また非磁性層40はNiP合金であって元素Pの濃度は8質量%以上で15質量%以下であることが好ましい。これにより例えば発熱等の外的要因に対しても安定して非磁性であることが可能である。また、NiP合金等の非磁性層40の合金組成の測定は、SEMやTEM等の組合わされたX線分析装置や波形分散形線分析装置等で特定可能である。
【0068】
なお上記非磁性金属材料を選択する理由は、メッキ形成される主磁極層24上に前記非磁性層40を連続してメッキ形成でき、製造工程の簡略化を図ることができるからである。
【0069】
図3は本発明における別の実施形態を示す垂直磁気記録ヘッドを装備した磁気ヘッドの縦断面図である。
【0070】
図3の実施形態は図1の異なり、前記主磁極層24の上面に非磁性層40が重ねられて設けられていない。このため図3では上記した非磁性層40を設けたことによる効果を得ることはできないが、この実施形態においても前記ヨーク層35の前端面35aは下面から上面にかけてハイト方向(図示Y方向)に傾く傾斜面あるいは湾曲面で形成されることで、後述する本発明の効果を得ることが可能である。
【0071】
次に図1及び図2における主磁極層24及び非磁性層40の前端面24a,40aの形状について説明する。
【0072】
図4,5に示すように、前記絶縁層33と主磁極層24との間にはメッキ下地層71が形成されている。前記主磁極層24は前記メッキ下地層71上からメッキ成長して形成されたものであり、前記主磁極層24の高さ寸法H1はある所定値に設定されている。
【0073】
図4,5に示すように、前記主磁極層24の前端面24aの両側端面24d,24dは、下面から上面に向かう(図示Z方向)にしたがってトラック幅方向(図示X方向)の幅寸法が徐々に広がる形状で形成されている。図4のように前記両側端面24d,24dは傾斜面、あるいは図5に示すような湾曲面で形成されていることが好ましい。
【0074】
さらに図4,5に示すように、前記主磁極層24上に形成された非磁性層40の前端面40aも下面から上面に向かうにしたがってトラック幅方向の幅寸法が徐々に広がる形状で形成されている。また図4,5に示すように前記前端面40aの両側端面40d,40dは、前記主磁極層24の両側端面24d,40dと連続面とされ、よって図4では前記ヨーク層40の前端面40aの両側端面40dは傾斜面となっており、また図5では前記前端面40aの両側端面40dは湾曲面となっている。
【0075】
なお図4,5に示すように前記主磁極層24の上面(トレーリング側の端面)24gのトラック幅方向の幅寸法でトラック幅Twが規制される。
【0076】
なお図3のように前記主磁極層24の上に非磁性層40が重ねられていない場合も、前記主磁極層24の前端面24aは下面から上面にかけてトラック幅方向(図示X方向)の幅寸法が徐々に広がる形状であり、このとき前記前端面24aの両側端面24d,24dは傾斜面あるいは湾曲面であることが好ましい。
【0077】
このように前記主磁極層24の前端面24aの両側端面24d,24dが傾斜面あるいは湾曲面とされ、前記前端面24aの形状が略逆台形状であると、実際に記録媒体に記録を行うとき、図10の破線で示すようにスキュー角を生じたとしても、(iii)で示す前記端面24dが記録トラック幅Tw1から側方へ斜めに大きくはみ出すことがない。よって前記両側端面24dによるフリンジングを防止できるようになり、オフトラック性能の向上を図ることができる。
【0078】
一方、図33は図27あるいは図29に示す従来の主磁極層5の正面図であるが、図33のように前記主磁極層5の端面5aが正方形または長方形であると、主磁極層5の端面5aが、記録媒体の移動接線方向(図示Z方向)に対してスキュー角を有すると、破線で示すように主磁極層の側辺5bがトラック幅Tw1内に斜めの漏れ磁界を与えてフリンジングFが発生し、オフトラック性能の低下を招いてしまう。
【0079】
よって本発明のように前記主磁極層24の前端面24aは略逆台形状であることが良い。
【0080】
次に前記主磁極層24及びヨーク層35を真上から見た平面形状について以下に説明する。なお以下に説明する平面図は図1ないし図3に示す垂直磁気記録ヘッドのいずれにも適用できるものである。
【0081】
図6の平面図に示すように、前記ヨーク層35は、対向面H1a側である前方領域35dでトラック幅方向の幅寸法Wyが細くなり、後方領域35eでトラック幅方向の幅寸法が徐々に大きくなる平面形状である。そして、前記前方領域35d上に主磁極層24が重ねられている。なお前記前方領域35dのトラック幅方向(図示X方向)における幅寸法Wyは、トラック幅Twよりも広い幅寸法で形成される。
【0082】
図6に示すように前記主磁極層24は前端面24aの上面(トレーリング側の端面)がトラック幅Twで規制され、その幅寸法を保ってあるいはやや幅広になってハイト方向後方に向けて短い長さ寸法で形成されている。
【0083】
なお本発明では、前記対向面H1aに露出する前記主磁極層24の前端面24aが、前記補助磁極層21の前端面21bの面積よりも大きいことが必要で、例えば図6に示すように、補助磁極層21のトラック幅方向の幅寸法Wrは、前記トラック幅Twよりも十分に大きい幅寸法で形成されることが好ましい。
【0084】
図7では、前記ヨーク層35が前記前方領域35dを有することなく、ハイト方向(図示Y方向)に至るにしたがって幅寸法Wyが徐々に広がる形状である。そして前記ヨーク層35上に主磁極層24が重ねられている。
【0085】
図7に示すように前記主磁極層24は前端面24aの上面(トレーリング側のの端面)がトラック幅Twで規制され、その幅寸法を保ってあるいはやや幅広になってハイト方向後方に向けて短い長さ寸法で形成されている。
【0086】
図8では、前記ヨーク層35の形状は図7と同じであるが、前記主磁極層24の後方領域24eが幅寸法が徐々に広がる形状であり、この後方領域24eとヨーク層35とが重なり合っている。ただし、前記ヨーク層35がさらに対向面側H1aに寄って形成され、前記主磁極層24の幅細形状の前方領域24fの一部も前記ヨーク層35と重なり合っていてもよい。これにより前記ヨーク層35から前記主磁極層24への磁束の導入をスムーズにでき、高記録密度化に対応可能な垂直磁気記録ヘッドを製造することができる。
【0087】
また前記ヨーク層35に図6に示すような前方領域35dが形成されていても良い。
【0088】
図9では、前記ヨーク層35の形状は、図7及び図8と同じであるが、前記主磁極層24の後方領域24eが幅寸法が徐々に広がる形状であり、さらにこの後方領域24eは、ハイト方向(図示Y方向)に長く延びて形成されている。前記後方領域24eの後端は、図2のように前記ヨーク層35の後端面35bと同一面にまで延ばされていても良い。
【0089】
また前記ヨーク層35に図6に示すような前方領域35dが形成されていても良い。さらには前記主磁極層24には、漸次的に幅寸法が広がる後方領域24eが形成されず、ハイト方向に向けてトラック幅Twを保って、あるいはハイト方向に向けて前記トラック幅Twよりもやや幅広になった幅細の前方領域24fがハイト方向に長く延ばされていても良い。
【0090】
上記した図6ないし図9に示す平面図では、いずれも前記ヨーク層35にはハイト方向に至るにしたがって幅寸法Wyが漸次的に広がる領域が形成されており、特に前記ヨーク層35と主磁極層24とが重なる位置において、前記ヨーク層35のトラック幅方向の幅寸法が、前記主磁極層24のトラック幅方向の幅寸法よりも広くなっている。
【0091】
また前記ヨーク層35の膜厚は前記主磁極層24の膜厚と同程度か、あるいは前記ヨーク層35の膜厚が前記主磁極層24の膜厚よりも大きく形成されている。
【0092】
従って前記ヨーク層35と主磁極層24とが重なる位置において、前記ヨーク層35の前記対向面H1aと平行な方向への断面積は、前記主磁極層24の前記対向面H1aと平行な方向への断面積よりも大きくなっている。これにより前記ヨーク層35から前記主磁極層24に適切に記録磁界を導くことができ、磁束の通過効率が良くなって、オーバーライト特性を向上できる。
【0093】
また図1ないし図3のように主磁極層24とヨーク層35とを別々に形成し、前記ヨーク層35の上に主磁極層24を重ねる構造である場合、前記主磁極層24の幅細で形成された前方領域24fを長く延ばして形成する方が、前記前方領域24fの全体の幅寸法をほぼトラック幅Twでパターン精度良く形成できて好ましい。さらにかかる場合、前記ヨーク層35をできる限り対向面H1a側に寄せて形成することで、前記主磁極層24の磁気飽和を抑制でき、前記主磁極層24に磁束を集中させることができる。
【0094】
なお図6ないし図9は一例であり、主磁極層24及びヨーク層35の平面形状がこれら平面形状に限定されるものではない。本発明では、前記主磁極層24とヨーク層35とが重なる位置において、前記ヨーク層35の前記対向面H1aと平行な方向への断面積が、前記主磁極層24の前記対向面H1aと平行な方向への断面積よりも大きくなっていれば、如何なる平面形状で形成されていてもよい。
【0095】
ところで本発明では図1ないし図3のいずれの実施形態においても、前記ヨーク層35の前端面35aは下面から上面にかけてハイト方向に傾く傾斜面あるいは湾曲面で形成されている。
【0096】
このような前端面35aの形成方法については、後の製造方法で詳しく説明するが、これにより以下の効果を得ることができる。
【0097】
すなわち本発明では、前記ヨーク層35よりも前方に位置する絶縁層33上から前記ヨーク層35上にかけて形成される主磁極層24をレジスト層を用いて形成するとき、前記レジスト層に主磁極層24形成のための抜きパターンを露光現像によって形成するが、この際、前記ヨーク層35の前端面35aがなだらかな傾斜面あるいは湾曲面であると、前記絶縁層33上からヨーク層35上にかけて形成されるレジスト層をほぼ一定の膜厚で形成できるため、前記抜きパターン内のレジスト層を上面から下面まで適切に露光現像でき、従来のように前記抜きパターン内にレジスト溜りが発生することが無い。
【0098】
従って本発明では、前記抜きパターン内一面にメッキ下地層71を露出させ、前記メッキ下地層71上に適切に所定形状の主磁極層24をメッキ成長させることができる。
【0099】
また上記のように前記ヨーク層35の前端面35aがなだらかな傾斜面あるいは湾曲面で形成されていると、前記主磁極層24を形成するためのレジスト層の膜厚をほぼ均一に形成できることからパターン精度を向上させることができ、従って前記主磁極層24をパターン精度良く形成することが可能である。
【0100】
特に上記したように前記主磁極層24の前記対向面H1aに現れる前端面24aは、その上面(トレーリング側の端面)のトラック幅方向の寸法がトラック幅Twとして規制されるが、このトラック幅Twを高精度に所定寸法で設定することが可能になる。従って本発明では狭トラック化に対応可能な垂直磁気記録ヘッドを製造できる。
【0101】
また本発明では、前記ヨーク層35の前端面35aがなだらかな傾斜面あるいは湾曲面となっていることで、前記ヨーク層35から前記主磁極層24には、スムーズに磁束が導かれ、磁束の通過効率を向上させることができる。すなわち本発明では前記ヨーク層35の前端面35aから漏れる磁束を減少させ、前記主磁極層24に適切に磁束を集中させることができ、今後の高記録密化に適切に対応可能な垂直磁気記録ヘッドを製造することができる。
【0102】
また本発明では、上記したように前記絶縁層33の上面33aと接続層25の上面25aはCMP技術などによって同一面とされた平坦化面となっている。
【0103】
従って前記絶縁層33の上にヨーク層35さらには主磁極層24をパターン精度良く形成することが可能になる。
【0104】
また本発明では、前記主磁極層24及びヨーク層35を別々に形成することが可能であるから、前記主磁極層24とヨーク層35とを異なる磁性材料で形成することも可能である。かかる場合、前記主磁極層24の飽和磁束密度が、ヨーク層35の飽和磁束密度よりも高くなるように磁性材料を選択することが好ましい。主磁極層24をヨーク層35よりも飽和磁束密度の高い磁性材料で形成しておくと、幅寸法Twと膜厚の小さい主磁極層24からハード膜Maに対して密度の高い磁束φを垂直方向へ与えることが可能となり、オーバーライト特性が向上するようになる。
【0105】
なお前記主磁極層24及びヨーク層35には、Ni−Fe、Co−Fe、Ni−Fe−Coなどの磁性材料が選択されるが、主磁極層24及びヨーク層35に同じ磁性材料を選択する場合には、組成比を変えることで飽和磁束密度に差を出すことが可能である。
【0106】
なお図1ないし図3に示す垂直磁気記録ヘッドでは、リード層36を介してコイル層27に記録電流が与えられると、コイル層27を流れる電流の電流磁界によって補助磁極層21とヨーク層35に記録磁界が誘導される。図1ないし3に示すように、対向面H1aでは、前記主磁極層24の前端面24aと補助磁極層21の前端面21bからの漏れ記録磁界が、記録媒体Mのハード膜Maを貫通しソフト膜Mbを通過する。前記主磁極層24の前端面24aの面積が補助磁極層21の前端面21bの面積よりも十分に小さいために、前記主磁極層24の前端面24aに洩れ記録磁界の磁束φが集中し、この集中している磁束φにより前記ハード膜Maが垂直方向へ磁化されて、磁気データが記録される。
【0107】
次に本発明の垂直磁気記録ヘッドの製造方法について以下に説明する。図11から図26は本発明における垂直磁気記録ヘッドの製造工程を示す工程図である。なお図11から図13は図1ないし図3に示す垂直磁気記録ヘッドの共通の製造工程を示している。
【0108】
図11に示す工程では、非磁性絶縁層31上に磁性材料製の補助磁極層21を形成した後、前記補助磁極層21のハイト方向(図示Y方向)後方も前記非磁性絶縁層31で埋め、さらに前記補助磁極層21および非磁性絶縁層31の上面をCMP技術などを用いて平坦化加工する。
【0109】
次に前記補助磁極層21のハイト方向(図示Y方向)後方に、磁性材料製の接続層25をメッキ形成し、さらに前記補助磁極層21上面から接続層25の上面にかけて無機絶縁材料をスパッタして絶縁下地層26を形成する。
【0110】
次に図12に示すように前記絶縁下地層26の上にフレームメッキ法によりコイル層27を形成し、さらに底上げ層77を同じくメッキにより形成する。このときコイル層27は、前記接続層25の高さよりも十分に低い位置に形成する。そして前記コイル層27と底上げ層77を有機材料の絶縁層32で覆い、さらに、無機絶縁材料をスパッタして、全ての層を覆う絶縁層33を形成する。
【0111】
次に、図12の状態に成膜された各層に対して、図示上方からCMP技術などを用いて研磨加工を行なう。この研磨加工は、前記絶縁層33、接続層25および底上げ層77の全てを横断する水平面(L−L面)の位置まで行なう。
【0112】
前記研磨加工の結果、図13に示すように、接続層25の表面25a、絶縁層33の表面33aおよび底上げ層77の表面77aが全て同一面となるように加工される。
【0113】
ここまでが各実施形態において共通する製造工程である。次に図1に示す構造の垂直磁気記録ヘッドの製造方法について説明する。
【0114】
図14は平面図であり、平坦化された絶縁層33の上全面にメッキ下地層72をスパッタ成膜する。次に前記メッキ下地層72の上にレジスト層80を形成し、前記レジスト層80にヨーク層35形状のパターン80aを残し、それ以外のレジスト層を除去する。なおレジスト層80の種類によって露光現像された部分が除去されるものと、露光現像されない部分が除去されるものとがあるので、露光現像された部分が除去されるレジスト層80を用いた場合には、前記パターン80a以外のレジスト層80を露光現像して、その部分を除去する。また露光現像されない部分が除去されるレジスト層80を用いた場合には、前記パターン80a内を露光現像し、露光現像されていないレジスト層80を除去する。これによって図14に示すパターン80aのレジスト層80を残すことができる。
【0115】
なお前記パターン80aは、ヨーク層35が形成される領域のヨークパターン80cと、その後方に位置しメッキ通電用のコモンパターン80dとから構成される。
【0116】
なお前記パターン80aは、その前端面80bが前記対向面H1aよりもハイト方向(図示Y方向)後方に位置し、また前記パターン80aのヨークパターン80cは前記接続層25にまで延びて形成されている。
【0117】
次に前記レジスト層80によって覆われていないメッキ下地層72をイオンミリングで除去した後、前記レジスト層80を除去する。
【0118】
これによって前記絶縁層33の上には、パターン80aの形状のメッキ下地層72が残される。
【0119】
次に図15は平面図でありこの工程では、前記コモンパターン80d上をレジスト層76で覆う。このときの縦断面図は図18に示されている。そして前記ヨークパターン80cのメッキ下地層72上にヨーク層35をメッキ成長させる。
【0120】
あるいは次の方法によってヨーク層35を形成してもよい。
図16は平面図でありこの工程では、前記絶縁層33の上にレジスト層73を形成する。さらに前記レジスト層73にヨーク層35の平面形状となる抜きパターン73aを露光現像により形成する。前記抜きパターン73aは、ヨーク層35が形成される領域のヨークパターン73cと、その後方に位置するメッキ通電用のコモンパターン73dとで構成される。前記抜きパターン73aは、その前端面73bが前記対向面H1aよりもハイト方向(図示Y方向)後方に位置し、また前記抜きパターン73aのヨークパターン73cは前記接続層25にまで延びて形成されている。
【0121】
そして、前記抜きパターン73a内にメッキ下地層72をスパッタ成膜し、前記レジスト層73を除去する。
【0122】
図17に示す工程では前記コモンパターン73d上をレジスト層74で覆う。このときの縦断面図は図18に示されている。そして前記レジスト層74に覆われていない前記ヨークパターン73c上に形成されたメッキ下地層72上にヨーク層35をメッキ成長させる。
【0123】
次に図15及び図17工程の後、前記レジスト層76、74を除去し、さらにコモンパターン80d、73d上のメッキ下地層72を除去すると、この時点での垂直磁気記録ヘッドの縦断面図は図19のようになる。
【0124】
図19に示すように、前記メッキ下地層72上にメッキ形成されたヨーク層35は、その前端面35aはなだらかに丸みを帯びた形状であり、あるいはなだらかな傾斜面となる。このように前記前端面35aがなだらかな傾斜面あるいは湾曲面となるのは、図15あるいは図17工程時に、前記ヨークパターン73c上のメッキ下地層72の周囲がレジスト層などによって囲まれておらず、前記ヨークパターン73cの周囲は開放されているからである。
【0125】
図15及び図17、あるいは図18を詳しく見てみると、前記絶縁層33の上に形成されたメッキ下地層72の周囲は、コモンパターン75d上を除いて、レジスト層74,76などによって囲まれていないことがわかる。
【0126】
このように前記メッキ下地層72の周囲がレジスト層などによって囲まれておらず開放されている場合、前記メッキ下地層72上にメッキ成長するヨーク層35の端面は、なだらかに丸みを帯びながら成長していき、傾斜面あるいは湾曲面となるのである。
【0127】
なお本発明では、少なくとも前記メッキ下地層72の前端面72bよりも前方領域がレジスト層によって覆われていなければ良く、例えば前記メッキ下地層72のトラック幅方向(図示X方向)における両側端面がレジスト層によって覆われていてもよい。かかる場合、少なくとも前記メッキ下地層72上にメッキ成長するヨーク層35はその前端面35aが下面から上面にかけてハイト方向に傾く傾斜面あるいは湾曲面として形成される。
【0128】
また図19には示されていないが、前記底上げ層77の上面77aにも図14ないし図17に示す工程と同じ工程時にリード層36をメッキ形成することが好ましい。
【0129】
次に図20は平面図であり、この工程では、前記ヨーク層35及びその周囲に広がる絶縁層33上にメッキ下地層71をスパッタ成膜し、その上にレジスト層75を形成し、前記レジスト層75に主磁極層24の形成のための抜きパターン75aを露光現像により形成する。
【0130】
図20に示すように前記抜きパターン75aの前端面75bは前記対向面H1aと同一面上に形成され、さらに前記抜きパターン75aは、前記ヨーク層35上にまで延びて形成されている。またこの工程では前記抜きパターン75aは、その後端面75dが一点鎖線で示すようにさらにハイト方向(図示Y方向)後方に延びて形成されていてもかまわない。
【0131】
また図21は図20に示すM−M線から垂直磁気記録ヘッドを切断し、矢印方向から見た縦断面図である。
【0132】
図21に示すように、前記レジスト層75に形成された抜きパターン75a内には、従来のようにレジスト溜りが無く、前記抜きパターン75a内では適切にメッキ下地層71が露出した状態になっている。
【0133】
これは上記のように前記ヨーク層35の前端面35aがなだらかな傾斜面あるいは湾曲面となっているからであり、これにより前記ヨーク層35よりも前方の絶縁層33上からヨーク層35上にかけて形成されるレジスト層75の膜厚をほぼ均一にでき、前記レジスト層75に形成される抜きパターン75a内のレジスト層75を上面から下面まで適切に露光現像して除去することが可能となっている。
【0134】
次に本発明における前記レジスト層75は、前記対向面H1a側から見ると図22に示す形状となっている。
【0135】
図22に示すように、前記レジスト層75に形成された抜きパターン75aの内側端面75e,75eは、下面から上面にかけて(図示Z方向)、トラック幅方向(図示X方向)の幅寸法が徐々に広がって形成されている。前記内側端面75eは、図22に示すように湾曲面で形成されていてもよいし、傾斜面で形成されていてもよい。
【0136】
このような形状の抜きパターン75aを前記レジスト層75に形成するには、前記レジスト層75を塗布した後、露光現像で前記抜きパターン75aを形成し、さらに熱処理によって前記抜きパターン75aの内側側面75eをだれさせることで、前記内側側面75eを傾斜面あるいは湾曲面に形成できる。
【0137】
次に図23、24に示すように、前記抜きパターン75a内に露出した前記メッキ下地層71上に主磁極層24をメッキ成長させる。このとき図23のように前記主磁極層24をある所定の膜厚H1までメッキ成長させる。
【0138】
さらに本発明では前記主磁極層24上にNiP等の非磁性金属材料からなる非磁性層40をメッキ成長させる。そして前記レジスト層75を除去する。
【0139】
本発明では図21で見たように前記抜きパターン75a内にはレジスト溜りが無く、メッキ下地層71が前記抜きパターン75a内一面に適切に露出した状態になっている。したがって前記主磁極層24は前記メッキ下地層71上から適切にメッキ成長され、所定形状の前記主磁極層24を形成することが可能である。
【0140】
また本発明では、前記ヨーク層35の前端面35aがなだらかな傾斜面あるいは湾曲面となっていることにより、前記レジスト層75をほぼ均一な膜厚で形成できるから、前記ヨーク層35上に形成される主磁極層24の抜きパターン75aを高精度にパターン形成しやすい。
【0141】
特に前記主磁極層24の前端面24aの上面(トレーリング側の端面)のトラック幅方向の寸法は微小なトラック幅Twとして規制されるが、上記のように高いパターン精度によって前記トラック幅Twを所定の大きさで形成でき、今後の狭トラック化に対応可能な垂直磁気記録ヘッドを製造することが可能である。
【0142】
図25は、前記レジスト層75を除去した状態を示す正面図である。図25に示すように、前記メッキ下地層71の上には、トラック幅方向の幅寸法が下面から上面にかけて徐々に広がるように両側端面が傾斜面あるいは湾曲面とされた主磁極層24及び非磁性層40が積層されている。
【0143】
図25に示すように、前記主磁極層24の下のみならず他の領域にも前記メッキ下地層71が形成されているため、主磁極層24の下以外の前記メッキ下地層71を除去しなければならない。
【0144】
図25に示す工程では、異方性のイオンミリングによって、前記主磁極層24の下以外に形成された前記メッキ下地層71を除去する。このとき前記非磁性層40の上面40eも前記イオンミリングの影響を受けて削られていく。
【0145】
また図26に示すように、除去された前記メッキ下地層71aの一部は、前記主磁極層24及び非磁性層40の両側端面24d,40dに再付着するため(矢印方向C)、前記両側端面に付着した付着膜78,78を異方性のイオンミリングで除去する。このときも前記非磁性層40の上面40eは前記イオンミリングの影響を受けて削られていく。なお前記メッキ下地層71及び付着膜78の除去は前記メッキ下地層71が磁性材料で形成されているときに特に有効である。前記付着膜78が磁性材料であるとトラック幅Twが広がるからである。一方、前記付着膜78が非磁性メッキ材料であるときは、前記付着膜78の除去は特に必要ない。また前記メッキ下地層71が電気特性に影響を与えない範囲内に形成されている場合には特に前記メッキ下地層71の除去も必要ない。
【0146】
上記のように本発明では主磁極層24の上に非磁性層40が形成されているため、イオンミリングでメッキ下地層71及びその付着膜78を除去するときに、前記非磁性層40の上面40eが削れるだけで前記主磁極層24の高さ寸法H1は減少しない。
【0147】
また前記主磁極層24の両側端面24d,及び非磁性層40の両側端面40dを異方性のイオンミリングでさらに削って、前記主磁極層24の上面(トレーリング側の端面)24gの幅寸法で決まるトラック幅Twを小さくする場合でも、イオミリングで非磁性層40の上面40eは削られるものの、前記主磁極層24の高さ寸法H1は減少しない。
【0148】
したがって本発明のように主磁極層24の上に非磁性層40が重ねられて形成されている場合には、主磁極層24の高さ寸法H1を減少させることはなく一定値に保った状態で、メッキ下地層71a、付着膜78の除去や狭トラック化を実現することが可能である。
【0149】
なお本発明では前記イオンミリングは、メッキ下地層71に対して垂直方向から45°から70°前後傾いた角度で行なわれることが好ましい。なお45°以上で60°以下にすると、メッキ下地層71a、付着膜78の除去、さらには狭トラック化を1回のイオンミリング工程で行うことが可能であり、製造工程を簡略化できる。
【0150】
ただしメッキ下地層71aの除去工程、付着膜78の除去工程、および狭トラック化工程を、それぞれ別のミリング角度を有するイオンミリングで行っても良い。
【0151】
なお本発明では、前記主磁極層24の高さ寸法H1は0.25μm以上で0.5μm以下程度であることが好ましく、前記主磁極層24のトラック幅Twは0.7μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.5μm以下である。
【0152】
また本発明ではヨーク層35形成のためのメッキ下地層72、および主磁極層24形成のための前記メッキ下地層71は、磁性メッキ材料であってもよいし、非磁性メッキ材料であってもよい。なお前記主磁極層24形成のための前記メッキ下地層71に非磁性の例えばCuなどの金属材料を用いた場合、前記主磁極層24下の周囲に若干延出して前記メッキ下地層71が残されていてもかまわないので、前記メッキ下地層71に磁性メッキ材料を用いる場合に比べてエッチング制御を容易にすることができる。
【0153】
図2に示す垂直磁気記録ヘッドを製造する場合には、図20に示す工程時においてレジスト層75に形成される抜きパターン75aの後端面75dをさらにハイト方向(図示Y方向)に延ばし(符号75cの領域)、前記後端面75dを前記ヨーク層35の後端面35bに揃えれば良い。
【0154】
また図3に示す垂直磁気記録ヘッドを製造する場合には、図23及び図24の工程時において、レジスト層75に形成された抜きパターン75a内に主磁極層24のみをメッキ成長させれば良い。
【0155】
なお本発明では、図22に示すレジスト層75は、前記対向面H1aでのトラック幅方向(図示X方向)の内幅寸法が、下面から上面にかけて広がるように形成されていなくても良く、前記主磁極層24の前端面24aが従来と同様に正方形や長方形等の形状で形成されていても本発明の効果を得ることが可能である。
【0156】
また図1及び図2に示す実施形態では、読取り部Hが形成されているが、これが形成されていなくても良い。
【0157】
【発明の効果】
以上のように本発明では、絶縁層上に形成されるヨーク層の前端面を下面から上面にかけてハイト方向に傾く傾斜面あるいは湾曲面で形成している。
【0158】
このため前記ヨーク層よりも前方に位置する絶縁層上から前記ヨーク層上にかけて形成される主磁極層をレジスト層を用いて形成するとき、前記レジスト層の膜厚をほぼ均一に形成できるため、前記レジスト層に前記主磁極層形成のための抜きパターンを露光現像で形成したとき、前記抜きパターン内に従来のようなレジスト溜りが発生しない。
【0159】
従って本発明では、前記抜きパターン内一面にメッキ下地層を露出させ、前記メッキ下地層上に適切に所定形状の主磁極層をメッキ成長させることができる。
【0160】
また上記のように前記ヨーク層の前端面がなだらかな傾斜面あるいは湾曲面で形成されていると、前記主磁極層を形成するためのレジスト層の膜厚をほぼ均一に形成できることからパターン精度を向上させることができ、従って前記主磁極層をパターン精度良く形成することが可能であり、前記主磁極層の前端面を所定のトラック幅Tw及び所定形状で形成することができる。
【0161】
また本発明では、前記ヨーク層の前端面がなだらかな傾斜面あるいは湾曲面となっていることで、前記ヨーク層から前記主磁極層には、スムーズに磁束が導かれ、磁束の通過効率を向上させることができる。すなわち本発明では前記ヨーク層の前端面から漏れる磁束を減少させ、前記主磁極層に適切に磁束を集中させることができ、今後の高記録密化に適切に対応可能な垂直磁気記録ヘッドを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における第1実施形態の垂直磁気記録ヘッドを備えた磁気ヘッドの縦断面図、
【図2】本発明における第2実施形態の垂直磁気記録ヘッドを備えた磁気ヘッドの縦断面図、
【図3】本発明における第3実施形態の垂直磁気記録ヘッドを備えた磁気ヘッドの縦断面図、
【図4】本発明における垂直磁気記録ヘッドの部分正面図、
【図5】本発明における垂直磁気記録ヘッドの別の部分正面図、
【図6】図1ないし図3の垂直磁気記録ヘッドの平面図、
【図7】図1ないし図3の垂直磁気記録ヘッドの別の平面図、
【図8】図1ないし図3の垂直磁気記録ヘッドの別の平面図、
【図9】図1ないし図3の垂直磁気記録ヘッドの別の平面図、
【図10】本発明における磁気ヘッドにスキュー角が発生した状態を示す説明図、
【図11】本発明における垂直磁気記録ヘッドの製造方法を示す一工程図、
【図12】図11に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図13】図12に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図14】図13に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図15】図14に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図16】図14に代えて、図13に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図17】図16に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図18】図15及び図17工程時のヨーク層が形成されていない段階での縦断面図、
【図19】図15及び図17工程時のヨーク層が形成された段階での縦断面図、
【図20】図15、17、および19に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図21】図20の垂直磁気記録ヘッドをM−M線から切断したときの縦断面図、
【図22】図20に示す垂直磁気記録ヘッドの正面図、
【図23】図22に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図24】図23工程時における垂直磁気記録ヘッドの縦断面図、
【図25】図23及び図24工程時の次に行なわれる一工程図、
【図26】図25工程時の次に行なわれる一工程図、
【図27】従来の垂直磁気記録ヘッドの構造を示す縦断面図、
【図28】図27の平面図、
【図29】改良された従来の垂直磁気記録ヘッドの構造を示す縦断面図、
【図30】図29の平面図、
【図31】図29の垂直磁気記録ヘッドの製造方法を示す一工程図、
【図32】図31に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図33】従来における磁気ヘッドにスキュー角が発生した状態を示す説明図、
【符号の説明】
H 垂直磁気記録ヘッド
H1a 対向面
M 記録媒体
Ma ハード膜
Mb ソフト膜
21 補助磁極層
24 主磁極層
24a、35a、40a 前端面
25 接続層
27 コイル層
33 絶縁層
35 ヨーク層
40 非磁性層
73、74、75、76、80 レジスト層
71、72 メッキ下地層

Claims (9)

  1. 記録媒体との対向面に、補助磁極層と主磁極層とが間隔を開けて位置し、前記対向面よりもハイト方向後方に前記補助磁極層と前記主磁極層とに記録磁界を与えるコイル層が設けられ、前記主磁極層に集中する垂直磁界によって、前記記録媒体に磁気データを記録する垂直磁気記録ヘッドにおいて、
    前記対向面よりもハイト方向後方では前記補助磁極層から立ち上がる接続層が設けられ、前記接続層の周囲に前記コイル層が巻回形成されており、
    前記コイル層上は絶縁層によって覆われ、前記絶縁層上には、前記対向面側の前端面がハイト方向後方に位置し、しかも前記前端面が下面から上面にかけてハイト方向に傾く傾斜面あるいは湾曲面とされたヨーク層が形成され、前記ヨーク層の基端部は前記接続層と磁気的に接続されており、
    前記対向面での絶縁層上から前記ヨーク層上にかけて主磁極層が形成されており、
    前記対向面に現れている前記主磁極層の前端面は、下面から上面に向けてトラック幅方向の幅寸法が広がる形状で形成されていることを特徴とする垂直磁気記録ヘッド。
  2. 前記絶縁層の上面と前記接続層の上面は同一面とされた平坦化面となっている請求項1記載の垂直磁気記録ヘッド。
  3. 前記主磁極層の前端面の両側端面は、傾斜面あるいは湾曲面で形成されている請求項1または2に記載の垂直磁気記録ヘッド。
  4. 前記主磁極層の飽和磁束密度が、前記ヨーク層の飽和磁束密度よりも高い請求項1ないしのいずれかに記載の垂直磁気記録ヘッド。
  5. 前記ヨーク層と主磁極層とが重なる位置での前記ヨーク層の前記対向面と平行な方向からの断面積は、前記主磁極層の前記対向面と平行な方向からの断面積よりも大きい請求項1ないしのいずれかに記載の垂直磁気記録ヘッド。
  6. 以下の工程を有することを特徴とする垂直磁気記録ヘッドの製造方法。
    (a)磁性材料で補助磁極層を形成する工程と、
    (b)前記補助磁極層上であって、記録媒体との対向面よりもハイト方向後方に接続層を形成し、次に前記対向面と接続層間に、前記補助磁極層上に絶縁下地層を介してコイル層を形成した後、前記コイル層上を絶縁層で埋める工程と、
    (c)前記絶縁層の表面を削り、前記絶縁層上面と前記接続層上面を同一面とする工程と、
    (d)前記絶縁層上面及び接続層上面に、前端面が前記対向面よりもハイト方向後方に位置し且つ前記接続層上にまで延びるヨーク層形状のメッキ下地層を形成する工程と、
    (e)前記メッキ下地層上に磁性材料でヨーク層をメッキ形成し、このとき前記ヨーク層の前端面を下面から上面にかけてハイト方向に傾く傾斜面あるいは湾曲面にする工程と、
    (f)前記絶縁層上及びヨーク層上にメッキ下地層を形成し、前記メッキ下地層上にレジスト層を形成した後、前記レジスト層に前記対向面での絶縁層上から前記ヨーク層上にまで延びる抜きパターンを形成し、
    このとき、少なくとも前記対向面でのトラック幅方向の内幅寸法が、下面から上面にかけて広がる前記抜きパターンを前記レジスト層に形成する工程と、
    (g)前記抜きパターン内に露出した前記メッキ下地層上に磁性材料で主磁極層をメッキ形成した後、前記レジスト層を除去する工程。
  7. 前記(d)工程において、メッキ下地層を以下の工程で形成する請求項記載の垂直磁気記録ヘッドの製造方法。
    (h)前記絶縁層上面及び接続層上面にメッキ下地層を形成し、さらに前記メッキ下地層上にレジスト層を形成する工程と、
    (i)前端面が前記対向面よりもハイト方向後方に位置し且つ前記接続層上にまで延びるヨーク層形状のレジスト層を残し、他のレジスト層を除去する工程と、
    (j)レジスト層に覆われていないメッキ下地層を除去した後、前記レジスト層を除去する工程。
  8. 前記(d)工程において、メッキ下地層を以下の工程で形成する請求項記載の垂直磁気記録ヘッドの製造方法。
    (k)前記絶縁層上面及び接続層上面にレジスト層を形成し、さらに前記レジスト層に前端面が前記対向面よりもハイト方向後方に位置し且つ前記接続層上にまで延びるヨーク層形状の抜きパターンを前記レジスト層に形成する工程と、
    (l)前記抜きパターン内にメッキ下地層をスパッタ成膜した後、前記レジスト層を除去する工程。
  9. 前記(g)工程で、さらに前記主磁極層の下以外に形成された前記メッキ下地層を除去する請求項ないしのいずれかに記載の垂直磁気記録ヘッドの製造方法。
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