JP3592995B2 - 超臨界乾燥装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リンス処理の後の乾燥におけるリンス液の表面張力による微細なパターンの倒れを抑制する超臨界乾燥を行う超臨界乾燥装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、MOSLSIの大規模化に伴い、チップの大型化とともにLSI製造におけるパターンの微細化が推進されており、今や線幅が100nmをきるパターンが形成されるに至っている。線幅が狭くなると言うことは、結果的にアスペクト比(高さ/幅)の大きなパターンを形成することになる。このように、LSIを始めとする大規模・高性能デバイスを作製するためには、極微細パターンが必要となる。
【0003】
この極微細パターンは、例えば、露光,現像,リンス処理を経て形成される、光やX線または電子線に感光性を有するレジストのパターンである。また、これらレジストパターンをマスクとした選択エッチングによる、エッチング,水洗,リンス処理を経て形成される酸化物などの無機材料からなるエッチングパターンである。前述したレジストパターンは、有機材料である感光性レジストの膜をリソグラフィー技術で加工することにより形成できる。感光性レジストの膜に露光を行うと、露光された領域の分子量や分子構造が変化し、未露光の領域との間に現像液に対する溶解性に差が発生するので、この差を利用した現像処理により感光性レジストの膜より微細なパターンが形成できる。
【0004】
上記の現像処理では、現像を続けていけば、やがて未露光の領域も現像液に溶解し始めてパターンが消滅してしまうので、リンス液によるリンス処理を行って現像を停止している。最終的に、乾燥してリンス液を除去することで、加工マスクとしてのレジストパターンがレジスト膜に形成できる。
このような微細パターン形成における乾燥時の大きな問題点として、図9A〜Cの工程図に示すようなパターンの倒れがある。
【0005】
アスペクト比の大きい微細なレジストのパターンは、現像を施した後でリンス洗浄,乾燥を経て形成される。レジスト以外でもアスペクト比の大きな微細パターンは形成される。例えば、レジストパターンをマスクに基板をエッチングし、高アスペクト比の基板パターンを形成する場合、エッチングの後で洗浄し、図9Aに示すように、基板901と共に基板パターン902を水903に浸漬してリンス洗浄する。この後、乾燥を行うことになる。
【0006】
ところが、図9Bに示すように、乾燥時には、基板パターン902の間に残った水903と、外部の空気904との圧力差により、曲げ力(毛細管力)905が働く。この結果、図9Cに示すように、基板901上で基板パターン902のパターン倒れが発生する。この倒れる現象はパターンが高アスペクト比になるほど顕著になる。上記毛細管力は、水などのリンス液とパターンとの間での気液界面で生じる表面張力に依存することが報告されている(文献:アプライド・フィジクス・レターズ、66巻、2655−2657頁、1995年)。
【0007】
この毛細管力は、有機材料からなるレジストパターンを倒すだけでなく、無機材料であるシリコンなどのより丈夫なパターンをも歪める力を有しているため、上述したリンス液による表面張力の問題は重要となっている。この毛細管力による問題は、表面張力の小さなリンス液を用いて処理を行うようにすれば解決できる。例えば、リンス液として水を用いた場合、水の表面張力は約72×10−3N/mだが、メタノールの表面張力は約23×10−3N/mなので、水を直接乾燥するよりも、水をエタノールに置換した後でエタノールを乾燥する方が、パターン倒れの程度は抑制される。
【0008】
さらに、表面張力が20×10−3N/mのパーフロロカーボンを用い、パーフロロカーボン液でリンス液を置換してからパーフロロカーボンを乾燥させるようにすれば、パターン倒れ抑制にはより効果的である。しかしながら、表面張力の低いリンス液を用いればパターン倒れの発生を低減できるが、液体を用いている限りはある程度の表面張力を持つためパターン倒れをなくすことはできない。パターン倒れの問題を解決するためには、表面張力がゼロのリンス液を用いるか、リンス液を表面張力がゼロの液体で置換した後で、置換した液体を乾燥することが必要となる。
【0009】
上記の表面張力がゼロの液体として超臨界流体がある。超臨界流体は、臨界温度および臨界圧力を超えた温度および圧力下の物質であり、液体に近い溶解力を持つが、張力や粘度は気体に近い性質を示すもので、気体の状態を保った液体といえる。この、超臨界流体は、気液界面を形成しないため、表面張力はゼロになる。したがって、超臨界状態で乾燥すれば、表面張力の概念はなくなるため、パターン倒れはなくなることになる。
超臨界流体は、気体の拡散性と液体の溶解性(高密度性)を兼ね備えたもので、液体から気体へ平衡線を介さずに状態変化できる。このため、超臨界流体で満たされた状態から徐々にこの超臨界流体を放出すると、液体/気体の界面が形成されないことから、乾燥対象の超微細パターンに表面張力を作用させずに乾燥させることができる。
【0010】
超臨界流体としては、多くの場合臨界点が低く安全な二酸化炭素が使われている。超臨界流体を乾燥に用いる場合、最終的にアルコールをリンスとして用いたリンス処理を行い、この後、基板表面に付着しているリンス液を、密閉された容器内において液化二酸化炭素に置換することで開始される。二酸化炭素は、6MPa程度に加圧すれば常温で液化するため、上記置換は、容器内の圧力を6MPa程度に圧力上昇させた状態で行う。基板に付着していたリンス液が完全に液化二酸化炭素に置換された後、容器内を二酸化炭素の臨界点以上の温度と圧力(二酸化炭素の臨界点;31度、7.3MPa)にして液化二酸化炭素を超臨界二酸化炭素に変換する。
【0011】
最後に、上記温度を保持したまま、容器の一部を開放して超臨界二酸化炭素を外部に放出し、容器内を大気圧にまで減圧し、容器内の超臨界二酸化炭素を気化させることで乾燥を終了する。この減圧時には、二酸化炭素は液化せずに気化するため、表面張力を作用すべき気液界面は基板上に形成されない。このため、基板上の超微細パターンに倒れを発生させることなく、これらを乾燥させることができる。
【0012】
上記の超臨界乾燥のための装置としては、例えば図10に示すように、密閉可能な容器1001内の反応室1002に、液化二酸化炭素を封入したボンベ1003がバルブ1004を介して接続された装置がある。この装置では、液化二酸化炭素導入側のバルブ1004を開けることで、容器1001内に液化二酸化炭素を導入し、バルブ1004に連通しているノズル1005先端より液化二酸化炭素を吐出し、反応室1002内に載置されている基板上に液化二酸化炭素を注入する。このとき、排出側のバルブ1006を調節して反応室1002から排出される液化二酸化炭素の量を制限することで、反応室1002内の圧力を制御している。排出側のバルブ1006に、例えば自動圧力弁などを用いれば、上記圧力制御が可能となる。
【0013】
上述したように、液化二酸化炭素をノズル1005により基板上に注入している状態で、容器1001を例えば31℃程度に加温し、反応室1002内の圧力を7.5MPa以上とすれば、反応室1002内の基板上に注入された液化二酸化炭素が超臨界状態となる。反応室1002内の圧力は、バルブ1006を調節して反応室1002から排出される液化二酸化炭素の量を減ずることで、上昇させることができる。
この後、バルブ1004を閉じてバルブ1006を開放し、反応室1002内の圧力を低下させ、反応室1002内の基板上に注入された超臨界状態の二酸化炭素を気化させれば、超臨界乾燥が終了する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ノズルなどを用いて反応室内の基板上に液化二酸化炭素を注入しても、基板上のパターン層に付着しているリンス液が置換しきれない場合があった。このように、リンス液が残存すると、超臨界乾燥を行ったとしても、リンス液の表面張力によりパターン倒れが発生してしまう。
例えば、図11Aに示すように、パターン1101aが形成された基板1101をリンス液1102に浸漬してリンス処理をした後、基板1101を所定の密閉可能な容器の反応室(図示せず)内に載置し、この反応室内に液化二酸化炭素を導入し、図1Bに示すように、パターン1101aが液化二酸化炭素1104に浸漬した状態とする。
【0015】
ところが、この段階で、リンス液1102の一部が、パターン1101aの間などに残ってしまう場合がある。このように、リンス液1102の一部が残っていると、液化二酸化炭素を超臨界状態とした段階で、図11Cに示すように、超臨界二酸化炭素1105とリンス液1102の界面に表面張力が発生し、パターン1101aを倒す力1106が発生してしまう。この結果、超臨界乾燥の後で、図11Dに示すように、パターン110aの倒れが発生してしまう。
上述した液化二酸化炭素に置換しきれない上記リンス液の残存は、パターンの間隔が狭くなるほど増加する。また、超臨界乾燥の対象となる基板が大きくなると、液化二酸化炭素の置換不足によるリンス液の残存が、より多く発生するようになる。
【0016】
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、パターン倒れの発生を極力抑制した状態で超臨界乾燥が行えるようにすることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の超臨界乾燥装置は、処理対象の基板を載置する反応室を備えた密閉可能な容器と、反応室内に大気雰囲気では気体である物質の液体を供給する液体供給手段と、反応室内の基板中央部の上方に配置され、液体供給手段により供給された物質の液体を反応室内の基板上部に吐出するノズルと、このノズルと基板との間に配置され、ノズルから吐出された物質の流れる方向を、基板表面に対して90°未満となりかつ基板の中心部を円心とする円周の方向に変更する複数の開口部を備えた斜流板と、反応室内に導入された流体を排出する排出手段と、反応室内の圧力を物質が超臨界状態となる圧力まで加圧制御する制御手段と、反応室内の温度を所定の温度に制御する温度制御手段とを備えるものである。
この発明によれば、ノズルより吐出した物質の液体は、斜流板により流れの方向が変更されて基板の中心部を円心とする円周の方向に基板に対して斜めに流入するので、基板上では、物質の液体の基板中心部を円心とする円周方向の流れが形成される。
【0018】
また、本発明の超臨界乾燥装置は、処理対象基板を載置する反応室を備えた密閉可能な容器と、反応室内に大気雰囲気では気体である物質の液体を供給する液体供給手段と、反応室内の基板配置位置より上の基板側方に配置され、液体供給手段により供給された物質の液体を基板の方向に吐出するノズルと、反応室内に導入された流体を排出する排出手段と、反応室内の圧力を物質が超臨界状態となる圧力まで加圧制御する制御手段と、反応室内の温度を所定の温度に制御する温度制御手段とを備えるものである。
この発明によれば、ノズルより吐出した物質の液体は、基板の一端方向より基板上に流入して基板の他端方向に流出していき、基板上では一端方向から他端方向への流れが形成される。
【0019】
上記発明において、ノズルと基板との間に配置され、ノズルから吐出された物質の流れる方向を、基板全域に拡散させる拡散板を備えることで、物質の液体は、基板全域に拡散する。
前記発明において、液体供給手段は、物質の液体を収容するボンベと、このボンベ内に収容された物質の液体を反応室内に配管を介して圧送する圧送手段とから構成すればよい。また、上記の物質は、二酸化炭素であり、また、超臨界状態は、亜臨界状態を含む
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
実施の形態1
図1は、本発明の実施の形態における超臨界乾燥装置の構成を示す断面図である。本超臨界乾燥装置は、密閉可能な容器101からなり、容器101は、容器上部101aと容器下部101bから構成されている。容器101内には、反応室102が形成され、容器下部101bの反応室102内側には基板載置台103が固定され、基板載置台103上に処理対象の基板104が載置される。また、図1Bに示すように、容器上部101aと容器下部101bは、分割可能であり、容器101は、反応室102を外部に開放可能に構成されている。なお、容器は一体に形成され、開閉可能で反応室内に連通する搬入搬出口を備え、基板載置台が基板と共に、搬入搬出口より搬入搬出できる構成としてもよい。
【0021】
また、ボンベ105には、液化二酸化炭素が収容され、ボンベ105から送出された液化二酸化炭素が、圧送ポンプ106により配管107を圧送され、圧送された液化二酸化炭素は、配管107に連通するノズル108から基板載置台103上の基板104上に注入される。配管107の途中には、配管107内を輸送される液化二酸化炭素の流量を制御するバルブ109が設けられている。なお、圧送ポンプ106を用いずに、ボンベ105より液化二酸化炭素を直接供給する構成としてもよい。
反応室102内に導入された液化二酸化炭素は、排出口110から容器101外部に排出される。排出口110には、反応室102からの排出量を制御するバルブ111が設けられている。圧送ポンプ106からの圧送量とバルブ111の開閉量とにより反応室102内の圧力が制御できる。
【0022】
加えて、本実施の形態の超臨界乾燥装置は、ノズル108と基板載置台103との間に、基板載置台103に対向して斜流板112を設けるようにした。また、斜流板112は、基板載置台103上に載置される基板104に対して、実質的に平行となるように配置される。斜流板112は、例えば、図2Aの平面図に示すように、円板の中心部より外側に向かって徐々に広がる複数の開口部121を放射状に配置している。また、図2Aおよび図2Bの側面図に示すように、円板の同一周方向に同一の角度(例えば斜流板112平面に対して10°)で開いたフィン122が、開口部121それぞれに形成された構造となっている。また、図1Aに示すように、斜流板112は、基板104が載置される方向にフィン122が広がっているように、固定部材113を介して容器101aに固定されている。
【0023】
容器101に圧送されてきた液化二酸化炭素は、ノズル108より吐出して斜流板112に流入し、斜流板112に流入した液化二酸化炭素は、斜流板112上で四方に拡散し、斜流板112上で四方に拡散した液化二酸化炭素は、開口部121より斜流板112下側の基板104方向に流れ出す。このとき、開口部121にはフィン122が設けられているので、開口部121より下側に流れ出した液化二酸化炭素は、フィン122により基板104に対して斜めに流入するようになる。また、開口部121は、斜流板112の中心部、すなわち基板104の中心部より放射状に配置され、フィン122は斜流板112の周方向に向いている。
【0024】
このため、基板104表面では、流入してきた液化二酸化炭素の基板104中心部を円心とした円の周方向への流れが形成される。したがって、斜流板112を介して基板104上に流入してきた液化二酸化炭素は、基板104上を回転するように基板中心から外側へ流れていくようになる(図3)。この結果、リンス処理を行った結果リンス液が付着している微細なパターンが形成された基板104を本装置で処理した場合、新たに流入した液化二酸化炭素により、すでに基板上に流入してリンス液が混入した液化二酸化炭素が、基板外周へ押し流される状態となる。また、斜流板112を基板104と同程度の広さに形成しておけば、基板104が直径300mmと大きなものであっても、基板全域に均一に液化二酸化炭素を供給できるようになる。
なお、上記とは逆に、基板外周から基板内周に向かって液化二酸化炭素の流れが形成されるようにしてもよく、基板全体に液化二酸化炭素が対流せずに流れる状態が得られれば、同様の効果が得られる。
【0025】
つぎに、本超臨界乾燥装置を用いた超臨界乾燥方法に関して説明する。以下では、基板上に電子線ポジ型レジストZEP−7000(日本ゼオン製)を用いてパターンを形成し、このパターン形成におけるリンス処理の後、超臨界乾燥を行う場合について説明する。パターンは、上記レジストを膜厚250nm程度に基板に塗布して形成した。パターン幅とパターン間隔は、50〜200nmの範囲で複数個形成した。また、リンス処理では、リンス液として2−プロパノールを用いた。
【0026】
まず、図4Aに示すように、リンス液401すなわち2−プロパノールで濡れている基板104を基板載置台103(図1A)上に載置し、反応室102を密閉状態とした後、圧送ポンプ106を動作させかつバルブ109を開放し、ボンベ105より液化二酸化炭素をノズル108に圧送し、ノズル108先端より液化二酸化炭素を約100ミリリットル/minで吐出させる。また、バルブ111の開放量を制御することで、反応室102内の圧力、すなわち基板104およびパターン104a周囲の圧力を7.5MPaとし反応室102内の温度は23℃とした。
【0027】
ノズル108より吐出した液化二酸化炭素は、斜流板112を介して基板104上に到達し、図4Bに示すように、基板104表面は液化二酸化炭素402に浸漬した状態となる。このとき、上述したように、基板104上を回転するように基板中心から外側へ流れていく液化二酸化炭素の流れが形成され、パターン104a間のリンス液も効率よく液化二酸化炭素に置換される。
【0028】
この置換処理を20分間行った後、反応室102内の圧力を7.5MPaのままとし、加えて液化二酸化炭素の温度を35℃として超臨界状態にし、基板104に超臨界二酸化炭素が流入する状態とし、図4Cに示すように、パターン104aの周囲を超臨界二酸化炭素403とする。この後、バルブ111の開放量を増大させ、反応室102内の圧力を低下させて超臨界二酸化炭素を気化させれば、図4Dに示すように、パターン401a間にリンス液が残ることなく、パターン倒れのない状態で、パターン104aが形成された基板104が乾燥できる。
【0029】
上記のことに対し、斜流板を用いずに超臨界乾燥を行った場合、パターン倒れが発生していた。このように、本実施の形態の超臨界乾燥値を用いれば、斜流板の作用により、パターン倒れのない状態で超臨界乾燥を行うことが可能となる。なお、液化二酸化炭素の圧送速度は速いほど、斜流板による液化二酸化炭素を斜めに流す効果が高くなる。例えば、液化二酸化炭素の圧送速度を20ミリリットル/minとした場合、斜流板を配置しても、液化二酸化炭素の基板に対する流入角度が垂直に近くなるため、上記効果があまり得られない。しかしながら、液化二酸化炭素の圧送速度を100ミリリットル/minとした場合、斜流板を配置したことにより、液化二酸化炭素の基板に対する流入角度が垂直から大きく角度が付くようになり、リンス液の置換がより効率的に行われるようになる。
【0030】
なお、斜流板は、図5,図6,図7に示す構造としてもよい。図5Aの平面図に示す斜流板501は、円板状に形成され、同一円周上に複数の開口部502を備え、各々の開口部502に同一周方向を向いて形成されたフィン503を備えるものである。図5Bは、図5AのXX断面を示しており、図5Aは図5Bの上方より見た状態を示している。斜流板501の中心部に流入した液化二酸化炭素は、斜流板501周囲に広がり、開口部502よりフィン503形成側に流れ、フィン503により斜流板501の円周方向に向く斜流となって下方に流出する。
【0031】
図6Aの平面図に示す斜流板601は、複数の開口部602を備えている。図6Bは、矢印Yの方向から見た開口部602部分の側面を示し、図6Cは、矢印Xの方向から見た開口部602の側面を示している。開口部602を形成する凸状の部分は、処理対象の基板が載置される側に形成されている。開口部602は、円板状の斜流板601の中心を通る直交座標で4分割した4つの領域内では、同一の方向を向いている。図6Aにおいて、右上の領域に配置された開口部602は、直交座標のx軸の方向を向いている。右下の領域に配置された開口部602は、直交座標のy軸の方向を向いている。左上の領域に配置された開口部602は、直交座標のy軸の方向を向いている。左下の領域に配置された開口部602は、直交座標のx軸の方向を向いている。
【0032】
図7の平面図に示す斜流板701は、複数の羽702が略円錐台状のハブ703に固定された羽根車であり、例えば斜流送風機に用いられる羽根車である。図7紙面手前より斜流板701に対して液化二酸化炭素を流入させれば、羽702により液化二酸化炭素の流れ方向が変更されるので、この斜流板701を用いても、上記実施の形態と同様の効果が得られる。
【0033】
実施の形態2
つぎに、本発明の他の形態について説明する。図8Aは、本実施の形態における超臨界乾燥装置の構成を示す断面図である。本超臨界乾燥装置は、密閉可能な容器101からなり、容器101は、容器上部101aと容器下部101bから構成されている。容器101内には、反応室102が形成され、容器下部101bの反応室102内側には基板載置台103が固定され、基板載置台103上に処理対象の基板104が載置される。この実施の形態においても、前述した実施の形態と同様に、容器上部101aと容器下部101bは、分割可能であり、容器101は、反応室102を外部に開放可能に構成されている。
【0034】
また、ボンベ105には、液化二酸化炭素が収容され、この液化二酸化炭素が、圧送ポンプ106により配管107を圧送され、配管107に連通するノズル108aから基板載置台103横より注入される。配管107の途中には、配管107内を輸送される液化二酸化炭素の流量を制御するバルブ109が設けられている。また、反応室102内に導入された液化二酸化炭素は、排出口110から容器101外部に排出される。排出口110には、反応室102からの排出量を制御するバルブ111が設けられている。圧送ポンプ106からの圧送量とバルブ111の開閉量とにより反応室102内の圧力が制御できる。
【0035】
加えて、本実施の形態の超臨界乾燥装置は、容器101側部に設けられたノズル108aと基板載置台103との間に、拡散板812を設けるようにした。拡散板812は、図8Bの上面図に示すように、複数の開口部821が設けられ、各開口部821には、拡散板812の中心から両側部に広がる方向に所定の角度で開いたフィン822が各々形成された構造となっている。このため、ノズル108aから吐出された液化二酸化炭素は、拡散板812により基板104全域に広がって基板104上に供給される。また、拡散板812により拡散された液化二酸化炭素は、基板104の一端側から基板104上に流れ込み、基板104全域を通過して基板104の他端側へ流れていく。
【0036】
この結果、リンス処理を行った結果リンス液が付着している微細なパターンが形成された基板104を本装置で処理した場合、新たに流入した液化二酸化炭素により、すでに基板上に流入してリンス液が混入した液化二酸化炭素が、基板外周へ押し流される状態となる。また、拡散板812の幅を基板104と同程度の長さに形成しておけば、基板104が直径300mmと大きなものであっても、基板全域に均一に液化二酸化炭素を供給できるようになる。
【0037】
つぎに、本超臨界乾燥装置を用いた超臨界乾燥方法に関して説明する。以下では、基板上に電子線ポジ型レジストZEP−7000(日本ゼオン製)を用いてパターンを形成し、このパターン形成におけるリンス処理の後、超臨界乾燥を行う場合について説明する。パターンは、上記レジストを膜厚250nm程度に基板に塗布し、電子線露光し、酢酸ノルマルヘキシルによる現像で形成した。パターン幅とパターン間隔は、50〜200nmの範囲で複数個形成した。また、リンス処理では、リンス液として2−プロパノールを用いた。
【0038】
まず、リンス液すなわち2−プロパノールで濡れている基板104を基板載置台103(図8A)上に載置し、反応室102を密閉状態とした後、圧送ポンプ106を動作させかつバルブ109を開放し、ボンベ105より液化二酸化炭素をノズル108aに圧送し、ノズル108a先端より液化二酸化炭素を約100ミリリットル/minで吐出させる。また、バルブ111の開放量を制御することで、反応室102内の圧力、すなわち基板104およびパターン104a周囲の圧力を7.5MPaとし反応室102内の温度は23℃とした。
【0039】
ノズル108aより吐出した液化二酸化炭素は、拡散板812を介して基板104上に到達し、基板104表面は液化二酸化炭素に浸漬した状態となる。このとき、上述したように、基板104上の一端側より他端側へ流れていく液化二酸化炭素の流れが形成され、パターン104a間のリンス液も効率よく液化二酸化炭素に置換される。
【0040】
この置換処理を20分間行った後、反応室102内の圧力を7.5MPaのままとし、加えて液化二酸化炭素の温度を35℃として超臨界状態にし、基板104に超臨界二酸化炭素が流入する状態とする。この後、バルブ111の開放量を増大させ、反応室102内の圧力を低下させて超臨界二酸化炭素を気化させれば、パターン401a間にリンス液が残ることなく、パターン倒れのない状態で、パターン104aが形成された基板104が乾燥できる。
【0041】
なお、上記実施の形態では、電子線レジストZEP−7000を用い、酢酸ノルマルヘキシルで現像することでパターンを形成し、また、2−プロパノールでリンス処理を行うようにしたが、これに限るものではない。本発明は、他のレジストを用いて他の現像液でパターンを形成し、また、他の処理液を用いたリンス処理を行う場合についても適用できるものである。また、シリコンや化合物半導体材料からなるパターンであっても、本発明の超臨界乾燥装置を用いて超臨界乾燥を行うことで、パターン倒れを抑制できるようになる。加えて、上記実施の形態では、超臨界流体として二酸化炭素を用いるようにしたが、これに限るものではなく、CHFやNOなどの臨界点を持つ種々の液体流体を用いるようにしても同様である。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、パターン層に付着しているリンス液を、効率よく二酸化炭素などの物質の液体に置換できるようになるので、パターン倒れの発生を極力抑制した状態で超臨界乾燥が行えるようになるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における超臨界乾燥装置の構成を示す構成図である。
【図2】実施の形態の超臨界乾燥装置における斜流板112の構成を示す平面図Aと側面図Bである。
【図3】実施の形態の超臨界乾燥装置における基板104上部付近における状態を示す斜視図である。
【図4】実施の形態の超臨界乾燥装置を用いた超臨界乾燥方法を説明する工程図である。
【図5】斜流板の他の形態を示す平面図Aと断面図Bである。
【図6】斜流板の他の形態を示す平面図Aと断面図B,Cである。
【図7】斜流板の他の形態を示す平面図である。
【図8】本発明の他の形態における超臨界乾燥装置の構成を示す構成図である。
【図9】リンス処理後の乾燥におけるパターン倒れを示す工程図である。
【図10】従来よりある超臨界乾燥装置の構成を示す構成図である。
【図11】従来の超臨界乾燥方法を示す工程図である。
【符号の説明】
101…容器、101a…容器上部、101b…容器下部、102…反応室、103…基板載置台、104…基板、105…ボンベ、106…圧送ポンプ、107…配管、108…ノズル、109…バルブ、110…排出口、111…バルブ、112…斜流板、113…固定部材、121…開口部、122…フィン。

Claims (6)

  1. 処理対象の基板を載置する反応室を備えた密閉可能な容器と、
    前記反応室内に大気雰囲気では気体である物質の液体を供給する液体供給手段と、
    前記反応室内の前記基板中央部の上方に配置され、前記液体供給手段により供給された前記物質の液体を前記反応室内の前記基板上部に吐出するノズルと、
    このノズルと前記基板との間に配置され、前記ノズルから吐出された前記物質の流れる方向を、前記基板表面に対して90°未満となり、かつ前記基板の中心部を円心とする円周の方向に変更する複数の開口部を備えた斜流板と、
    前記反応室内に導入された流体を排出する排出手段と、
    前記反応室内の圧力を前記物質が超臨界状態となる圧力まで加圧制御する制御手段と、
    前記反応室内の温度を所定の温度に制御する温度制御手段と
    を備えたことを特徴とする超臨界乾燥装置。
  2. 処理対象基板を載置する反応室を備えた密閉可能な容器と、
    前記反応室内に大気雰囲気では気体である物質の液体を供給する液体供給手段と、
    前記反応室内の前記基板配置位置より上の前記基板側方に配置され、前記液体供給手段により供給された前記物質の液体を前記基板の方向に吐出するノズルと、
    前記反応室内に導入された流体を排出する排出手段と、
    前記反応室内の圧力を前記物質が超臨界状態となる圧力まで加圧制御する制御手段と、
    前記反応室内の温度を所定の温度に制御する温度制御手段と
    を備えたことを特徴とする超臨界乾燥装置。
  3. 請求項2記載の超臨界乾燥装置において、
    前記ノズルと前記基板との間に配置され、前記ノズルから吐出された前記物質の流れる方向を、前記基板全域に拡散させる拡散板を備えたことを特徴とする超臨界乾燥装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の超臨界乾燥装置において、
    前記液体供給手段は、前記物質の液体を収容するボンベと、このボンベ内に収容された前記物質の液体を前記反応室内に配管を介して圧送する圧送手段とから構成されたことを特徴とする超臨界乾燥装置。
  5. 請求項1〜4いずれか1項に記載の超臨界乾燥装置において、前記物質は、二酸化炭素であることを特徴とする超臨界乾燥装置。
  6. 請求項1〜5いずれか1項に記載の超臨界乾燥装置において、前記超臨界状態は、亜臨界状態を含むことを特徴とする超臨界乾燥装置。
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