JP3592811B2 - 低温活性アルカリプロテアーゼ、これを生産する微生物及び当該アルカリプロテアーゼの製造法 - Google Patents

低温活性アルカリプロテアーゼ、これを生産する微生物及び当該アルカリプロテアーゼの製造法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なアルカリプロテアーゼ、これを生産する微生物及び当該アルカリプロテアーゼの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プロテアーゼは、ペプチド結合の加水分解を触媒する酵素群の総称で、微生物、動物及び植物中に広く分布している。その応用範囲としては、衣料用洗剤、自動食器洗浄機用洗剤、コンタクトレンズ洗浄剤、浴用剤、角質除去用化粧料、食品の改質剤(製パン、肉の軟化、水産加工)、ビールの清澄剤、皮革なめし剤、写真フィルムのゼラチン除去剤、消化助剤あるいは消炎剤があり、多分野で盛んに利用されてきた。
【0003】
その中で最も大量に工業生産され、市場規模が大きいのは洗剤用プロテアーゼであり、例えばアルカラーゼ、サビナーゼ、デュラザイム(ノボ・ノルディスク社製)、マクサカル(ギスト・ブロケイデス社製)、API−21(昭和電工社製)、ブラップ(ヘンケル社製)及びプロテアーゼK(KAP;花王社製)などが知られている。
【0004】
しかしながら、これらの大半は最適温度が高温側にあるため、水道水をそのまま用いて低温領域で衣料等の洗浄を行う場合には、その酵素特性が充分に発揮されているとは言いがたい。また、前述のプロテアーゼは、その応用分野のほとんどにおいて、体温、室温又は低温条件下で使用されるため、高温至適酵素の使用はなじまない。加えて、高温至適酵素を用いて高温処理工程を行うことは、省エネルギーの観点からも好ましいとは言えない。一方、低温至適プロテアーゼは、反応系に熱を加えられないようなケース、すなわちチーズの熟成や肉の軟化等の食品の改質に有効であると思われる。
【0005】
近年、洗剤をはじめとしてプロテアーゼの商品への配合や工業的プロセスなどにおける利用が考えられているが、この場合、室温から低温領域で有効に作用する酵素を見出すことは、省エネルギー化に加えて酵素の機能を十分発揮させるうえで、必須の条件である。これまでに、寒冷地土壌等の寒冷環境に棲息する生物、海水あるいは冷蔵中のミルク等から分離されたプロテアーゼ生産菌及び生産されるプロテアーゼに関しては数多くの報告例がある。すなわち、シュードモナスエスピー(Pseudomonas sp.)No.548株(Agric. Biol. Chem.,36巻,1185頁,1970年)、エシェリヒア フロインディ(Escherichia freundii )( Eur. J. Biochem., 44巻,87頁,1974年)、キサントモナス マルトフィラ(Xanthomonas maltophila)047/08株(FEMS Microbiol. Lett , 79巻,257頁,1991年)、シュードモナス フルオレセンス(Pseudomonas fluorescens)T16が(Appl. Environ. Microbiol.,46巻,333頁,1983年)、シュードモナス フルオレセンス(Pseudomonas fluorescens)AFT36株(Biochim. Biophys. Acta, 717巻,376頁,1982年)、シュードモナス エスピー(Pseudomonas sp.)145−2株(Microbios., 36巻,7頁,1982年)、アエロモナス サルモニシダ(Aeromonas salmonicida)(J. Appl. Bacteriol., 53巻,289頁,1983年)、シュードモナス パウシモビリス(Pseudomonas paucinomobilis),バチルス エスピー(Bacillus sp.)(J. Basic Microbiol., 31巻,377頁,1991年)、ビブリオ エスピー(Vibrio sp.)SA 1株(Antonie van Leeuwenhoek, 44巻,157頁,1978年)、シュードモナス フルオレセンス(Pseudomonas fluorescens)NCDO 2085株(J. Dairy Res., 53巻,457頁,1986年)、シュードモナス フルオレセンス(Pseudomonas fluorescens)(J. Dairy Res., 53巻,97頁,1986年)、シュードモナス フルオレセンス(Pseudomonas fluorescens)GR83株(Lebensm.−Wiss. u.−Technol., 23巻,106頁,1990年)、ペシロミセス マルクアンディ(Paecilomyces marquandii)(WO 88/03948)及びキサントモナス エスピー(Xanthomonas sp.)S−1(特開平5−211868号)などの低温で生育できる微生物が種々のプロテアーゼを生産する。また、好冷細菌(psychrotroph)が生産するプロテアーゼに関しては、Fairbainらが要領よく総説にまとめている(J. Dairy Res., 53巻,139頁,1986年)。しかしこれらのプロテアーゼについても、低温域における作用は、必ずしも満足できるものではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、低温条件下においても高い活性を保持するプロテアーゼ、及びこれを生産する微生物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者らは、斯かる問題点を解決するため、低温領域において十分作用するプロテアーゼを自然界に求め、探索してきた。その結果、茨城県水戸市の土壌から、20℃という低温条件下においても良好な生育を示す細菌を分離し、これらの中で菌体外に、低温領域においても活性を有するプロテアーゼを分泌する微生物を見出し、更に得られたプロテアーゼは低温領域で優れた活性を有するだけでなく、アルカリ側に至適pHを有するものであることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、次の酵素学的性質を有する低温活性アルカリプロテアーゼ、これを生産する微生物及び当該アルカリプロテアーゼの製造法を提供するものである。
【0009】
1)作用温度及び最適温度
0〜40℃で作用し、最適温度は約30℃にある。Ca2+イオンが存在すると作用最適温度は40℃に移行する。0℃(氷水中)においても最適温度活性値の約15%の活性を保持する。
2)温度安定性
pH10、15分間の処理条件で30℃まで安定であり、Ca2+イオンが存在すると安定性が向上する。
3)作用pH及び最適pH
作用pH範囲は5〜12以上で、最適pHは11である。pH12においても、最大活性値の85%以上の活性を保持する。
4)pH安定性
20℃、15分間の処理条件でpH5〜12までの各pHで安定である。
5)分子量
ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法による推定分子量は、約37,500である。
6)基質特異性
天然基質であるカゼイン、ジメチルカゼイン、アゾカゼイン、ヘモグロビン、ケラチン、ゼラチン、コラーゲン、エラスチン及びアゾアルブミンに対して作用する。
合成基質であるSuc−Ala−Ala−Pro−Met−pNA(Suc−AAPM−pNA)、Suc−Ala−Ala−Pro−Phe−pNA(Suc−AAPF−pNA)及びSuc−Ala−Ala−Pro−Leu−pNA(Suc−AAPL−pNA)(ここでSucはスクシニル基を、pNAは−ニトロアニリニル基を示す)に対して作用し、−ニトロアニリンを遊離させる。
7)金属イオンの影響
Fe2+、Fe3+及びHg2+イオンによって阻害される。
8)阻害剤
EDTA、EGTA、フェニルメタンスルホニルフルオライド(PMSF)及びキモスタチンによって阻害される。ジチオスレイトール(DTT)、−クロロマーキュリ安息香酸(PCMB)、−エチルマレイミド(NEM)、5,5′−ジチオ−ビス(2−ニトロ安息香酸)(DTNB)、ベスタチン、ロイペプチン、ペプスタチン及びホスホラミドンによって阻害を受けない。
9)界面活性剤の影響
アルカン硫酸ナトリウム(SAS)、α−オレフィン硫酸ナトリウム(AOS)、ポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム(ES)、ソフタノール70H及びα−スルホ脂肪酸エステル(α−SFE)、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)及び直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS)に対しても安定である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の低温アルカリプロテアーゼは、例えばバチルス(Bacillus)属に属するプロテアーゼ生産菌を培養し、その培養物から採取することにより製造することができる。
【0011】
かかるアルテロモナス属に属する本発明プロテアーゼ生産菌としては、バチルス属に属し、上記の本発明プロテアーゼを生産する限り特に制限されないが、例えば次の分類学的性質を示すKSM−SP3659株が挙げられる。
【0012】
本発明のプロテアーゼ生産菌の分離に用いられる培地を以下に示す。
【0013】
使用培地の組成(重量%で表示)
培地1. ニュートリエントブロス,0.8;寒天末(和光純薬社製),1.5
培地2. ニュートリエントブロス,0.8
培地3. ニュートリエントブロス,0.8;ゼラチン,2.0;寒天末(和光純薬社製),1.5
培地4. バクトリトマスミルク,10.5
培地5. ニュートリエントブロス,0.8;KNO,0.1
培地6. バクトペプトン,0.7;NaCl,0.5;ブドウ糖,0.5
培地7. SIM寒天培地(栄研化学社製),指示量
培地8. TSI寒天培地(栄研化学社製),指示量
培地9. バクトペプトン,1.5;酵母エキス,0.5;可溶性澱粉,2.0;KHPO,0.1;MgSO・7HO,0.02;寒天末(和光純薬社製),1.5
培地10.Koserの培地(栄研化学社製),指示量
培地11.Christensenの培地(栄研化学社製),指示量
培地12.
(1)酵母エキス,0.05;ブドウ糖,1.0;KHPO,0.1;NaSO,0.1
(2)酵母エキス,0.05;ブドウ糖,1.0;KHPO,0.1;MgSO・7HO,0.02;CaCl・2HO,0.05;FeSO・7HO,0.001;MnSO・4−6HO,0.001;窒素源としては、硝酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、塩化アンモニウム及びリン酸アンモニウムを各々0.25,0.2,0.16,0.2%となるように、上記(1)及び(2)の培地に加えて用いた。
培地13.キングA培地“栄研”(栄研化学社製),指示量
培地14.キングB培地“栄研”(栄研化学社製),指示量
培地15.尿素培地“栄研”(栄研化学社製),指示量
培地16.チトクロム・オキシダーゼ試験紙濾紙(日水製薬社製)
培地17.3%過酸化水素水
培地18.バクトペプトン,1.5;酵母エキス,0.5;KHPO,0.1;ブドウ糖,1.0;MgSO・7HO,0.02
培地19.バクトペプトン,2.7;NaCl,5.5;ブドウ糖,0.5;KHPO,0.1;ブロムチモールブルー,0.06;寒天末(和光純薬社製),1.5
培地20.(NHHPO,0.1;KCl,0.02;MgSO・7HO,0.02;酵母エキス,0.05;糖1.0
培地21.カゼイン,0.5;酵母エキス,0.05;ブドウ糖,1.0;KHPO,0.1;MgSO・7HO,0.02;寒天末(和光純薬社製),1.5
【0014】
KSM−SP3659株の分類学的性質を以下に示す。
【0015】
[分類学的性質]
(a)顕微鏡的観察結果:
菌体の大きさは、0.5〜0.8μm×1.5×6.0μmの桿菌であり、周鞭毛を有し、運動性及び楕円形の胞子の形成が認められる。
(b)グラム染色性:
陽性。
(c)各種培地における育成状態:
(1)肉汁寒天平板培養(培地1);
生育状態は良い。集落の周縁は葉状あるいは樹根状である。また、集落の色調は、黄色である。
(2)肉汁寒天斜面培養(培地1);
生育する。
(3)肉汁液体培養(培地2);
生育は良好である。
(4)肉汁ゼラチン穿刺培養(培地3);
生育し、ゼラチンの液化が認められる。
(5)リトマスミルク培地(培地4);
アルカリ化し、液化する。
(d)生理学的性質
(1)硝酸塩の還元及び脱窒反応(培地5);
硝酸塩の還元は認められず、脱窒反応は不定である。
(2)MRテスト(培地6);
陰性。
(3)VPテスト(培地6);
陰性。
(4)インドールの生成(培地7);
陰性。
(5)硫化水素の生成(培地8);
陰性。
(6)澱粉の加水分解(培地9);
陰性。
(7)クエン酸の利用(培地10、11);
陰性。
(8)無機窒素源の利用(培地12);
アンモニウム塩及び硝酸塩の利用は認められない。
(9)色素の生成(培地13、14);
生育するが、色素は産生しない。
(10)ウレアーゼ(培地15);
陰性。
(11)オキシダーゼ(培地16);
陽性。
(12)カタラーゼ(培地17);
陽性。
(13)生育の範囲(培地18);
生育の温度範囲は20〜40℃である。
生育のpH範囲は7〜12である。
(14)酸素に対する態度(培地19);
好気的。
(15)O−Fテスト(培地20);
酸化型。
(16)糖の利用性;
D−ガラクトース、シュクロース、D−グルコース、D−フラクトース、マルトース、ラフィノース、トレハロース、グリセリン及びメリビオースを利用することができる。
(17)食塩含有培地における生育(培地1中);
食塩濃度7%まで生育するが、10%では生育できない。
(18)カゼインの分解(培地21);
陽性。
【0016】
以上の分類学的性質に関する検討に基づき、バージーズ・マニュアル・オブ・システマティク・バクテリオロジー(Bergey’s Mannual of Systematic Bacteriology)第8版を参照し、比較検討した結果、本菌株は、バチルス(Bacillus)属の一種と判断された。
【0017】
従って、本菌株をバチルス エスピー(Bacillus sp.)KSM−SP3659と命名し、FERM P−15136号として工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託した。
【0018】
上記の菌株を用いて、本発明のプロテアーゼを得るには、培地に菌株を接種し、常法に従って培養すればよい。
【0019】
培養に用いる培地中には、資化しうる炭素源及び窒素源を適当量含有せしめておくことが望ましい。この炭素源及び窒素源は特に制限されないが、例えば炭素源としてグルコース、ガラクトース、フラクトース、シュクロース、マルトース、ラフィノース、トレハロース、グリセリン、メリビオースや資化しうる有機酸、例えばクエン酸などが挙げられる。また、窒素源としては、コーングルテンミール、大豆粉、コーンスティプリカー、カザミノ酸、酵母エキス、フーマメディア、肉エキス、トリプトン、ソイトン、ポリペプトン、ソイビーンミール、綿実油粕やカルチベータなどの有機窒素源が有効である。更に、燐酸塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、マンガン塩、亜鉛塩、コバルト塩、ナトリウム塩、カリウム塩等の無機塩や、必要とあれば、無機又は有機微量栄養素やビタミン類を培地中に適宜添加することができる。
【0020】
培養温度は20〜40℃、特に25〜30℃が好ましく、pHは6〜12、特に8〜10が好ましく、この条件下において通常3〜5日間で培養が完了する。
【0021】
斯くして得られた培養液の中から目的の酵素であるアルカリプロテアーゼを採取するには、一般の酵素採取の手段に準じて行うことができる。すなわち、培養後、菌体を遠心分離又は濾過等の通常の分離手段により菌体を培養液から除去して粗酵素液を得る。この粗酵素液はそのまま使用することもできるが、必要に応じて限外濾過あるいは沈澱法等の手段により回収し、適当な方法を用いて粉末化して用いることもできる。また、酵素精製の一般的な手段、例えば、適当な陽イオン交換樹脂、陰イオン交換樹脂、ヒドロキシアパタイトによるクロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィー及びゲル濾過などを適宜組み合せることによって精製することができる。
【0022】
斯くして得られる本発明低温アルカリプロテアーゼの酵素化学的性質について以下に説明する。
【0023】
〔酵素活性測定法〕
カゼイン法
カゼイン1%を含む50mMの各種緩衝液1mlを1mlの酵素溶液と混合し、30℃、15分間反応させた後、反応停止液(0.11M トリクロロ酢酸−0.22M 酢酸ナトリウム−0.33M 酢酸)2mlを加え、30℃、20分間放置した。次に濾紙(ワットマン社製、No.2)で濾過し、濾液中の蛋白分解物をフォーリン・ローリー法(Lowry, O. H. ら, J. Biol. Chem., 193巻,265頁,1951年)によって測定した。
また、上記反応条件下において、1分間に1mmolのチロシンに相当する酸可溶性蛋白分解物を生成する酵素量を1単位(1U)とした。
【0024】
合成基質法
0.9mlの55.5mM炭酸緩衝液(pH10)に50mMの各種合成基質溶液(ジメチルスルホキシドに溶解)0.05mlを混合し、30℃で5分間保温した後、0.05mlの酵素液を加え30℃で5分間反応させた。反応停止液(5%クエン酸)2mlを加えた後、分光光度計を用いて直ちに420nmにおける吸光度を測定し、遊離した−ニトロアニリンを定量した。
酵素1単位(1U)は上記反応条件において1分間に1μmolの−ニトロアニリンを遊離させるのに必要な酵素量とした。
【0025】
〔酵素学的性質〕
(1)基質特異性:
50mM炭酸緩衝液(pH10)に各種蛋白質を0.1%又は1%になるように加えた後、精製酵素を適当量添加して30℃で15分間反応を行った。カゼインを基質とした場合の分解活性を100として、それぞれの基質に対する分解酵素を表1に示す。表1から明らかなように、本酵素は天然基質であるカゼイン、ジメチルカゼイン、アゾカゼイン、ヘモグロビン、ケラチン、ゼラチン、エラスチン、コラーゲン及びアゾアルブミンに対して作用するが、リボヌクレアーゼ、リゾチーム及びアルブミンには作用しなかった。
【0026】
【表1】
Figure 0003592811
【0027】
また、−ニトロアニリン(pNA)が結合したオリゴペプチド−p−ニトロアニリド(合成オリゴペプチド基質)を用いて、これらの分解活性を調べたところ、表2に示すように、−スクシニル化したAla−Ala−Pro−Met−pNA(Suc−AAPM−pNA)、Ala−Ala−Pro−Phe−pNA(Suc−AAPF−pNA)、Ala−Ala−Pro−Leu−pNA(Suc−AAPL−pNA)に対して作用し、−ニトロアニリンの遊離が認められた。
【0028】
【表2】
Figure 0003592811
【0029】
(2)作用pH及び至適pH:
各種緩衝液(50mM)中に最終濃度0.91%となるようにカゼインを加え、30℃で15分間反応を行い、各pHでの活性を相対的に表した。図1から明らかなように、本プロテアーゼの至適pHは11付近にあると認められる。また、その作用pHは、pH5〜12以上と幅広く、pH12においても最大活性の85%以上の活性を保持している。尚、使用した各種緩衝液及びそのpH範囲は次のとおりである。
【0030】
酢酸緩衝液:pH5〜6
燐酸緩衝液:pH6〜8
ホウ酸緩衝液:pH8〜10
炭酸緩衝液:pH9〜11
燐酸緩衝液:pH10〜12
【0031】
(3)pH安定性:
ブリットロビンソン緩衝液(5mM、各pH)中に本酵素を加え、20℃で15分間放置した。この処理液について、カゼインを基質として残存活性をpH10、30℃で測定をした。その結果、図2に示すとおり、本酵素はpH5〜12の範囲で極めて安定であった。
【0032】
(4)作用温度及び至適温度:
基質として0.91%のカゼインを含む50mMホウ酸緩衝液(pH10)に本酵素を加え、15分間各温度で反応を行った。その結果を図3に示す。図3から明らかなように、本酵素の最適温度は30℃であった。また、Ca2+イオンが存在すると、最適温度は40℃に移行し、Ca2+イオン非存在下の最適温度に比べ、約2倍の活性促進が認められた。また、本酵素は0℃(氷水中)でも最適温度における活性の約15%の活性を示し、低温条件下でも十分に作用することがわかる。
【0033】
(5)温度安定性:
50mM 炭酸緩衝液(pH10)に本酵素を加え、各温度で15分間熱処理した後、氷冷した。カゼインを基質として、残存活性を求めた。その結果を図4に示す。本酵素はCa2+イオン非存在下で30℃で安定であり、Ca2+イオンが存在すると、更に安定性が改善されることがわかる。
【0034】
(6)分子量:
本酵素の分子量をドデシル硫酸ナトリウム(SDS)−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により測定した。分子量マーカーには、低分子量用マーカーキット(ファルマシア社製)である、ホスホリラーゼ(分子量:94,000)、牛血清アルブミン(分子量:67,000)、卵白オボアルブミン(分子量:43,000)、カルボニックアンヒドラーゼ(分子量:30,000)、大豆トリプシンインヒビター(分子量:20,100)、α−ラクトアルブミン(分子量:14,400)を用いた。図5から明らかなように、本精製プロテアーゼ標品は、SDS電気泳動的に単一であり、その分子量は約37,500と推定される。
【0035】
(7)金属イオンの影響
各種金属塩が1mMになるように添加した20mM炭酸緩衝液(pH10)に本酵素溶液を添加し、20℃で20分間放置した。その後、50mM炭酸緩衝液(pH10)で適当に希釈を行い、残存活性を測定した。金属塩無添加系で同様に処理した酵素活性を100%として処理群の残存活性を求めた。表3に示すように、本酵素活性は、Hg2+、Fe2+やFe3+による阻害作用が認められる。
【0036】
【表3】
Figure 0003592811
【0037】
(8)阻害剤の影響
20mM燐酸緩衝液(pH7)に各種阻害剤を所定濃度になるように加え、本酵素を添加し、20℃で20分間放置した。その後50mM炭酸緩衝液(pH10)で適当に希釈を行い、残存活性を測定した。結果を表4に示す。表4から、本プロテアーゼは、セリン酵素の阻害剤であるPMSFにより完全に阻害され、キレート剤であるEDTAやEGTAでも強い阻害を受けることから、金属依存性セリンプロテアーゼであると考えられる。
【0038】
【表4】
Figure 0003592811
【0039】
(9)界面活性剤の影響
本酵素を、0.2%の界面活性剤を含有する50mM炭酸緩衝液(pH10)に加え、20℃で20分間放置した後、残存活性を測定した。結果を表5に示す。表5から、本酵素はSDS、AOS、SAS、ES、α−SFE、ソフタノール70HやLAS(それぞれ0.2%濃度)などの界面活性剤と長時間接触させてもほとんど失活せず、むしろ活性化することから強力な界面活性剤耐性を有していることがわかる。
【0040】
【表5】
Figure 0003592811
【0041】
前述したように、低温至適を有するプロテアーゼに関しては、数多くの報告があり、その中には金属依存性セリンプロテアーゼについての報告もある。しかし、バチルス属細菌によって生産され、低温至適、高アルカリ至適を示し、界面活性剤に対して安定な金属セリン依存性プロテアーゼについての報告はないことから、本酵素は新しいタイプのプロテアーゼであると考えられる。
【0042】
【発明の効果】
本発明のプロテアーゼは、作用最適温度を低温領域に有し、種々の界面活性剤によってもほとんど阻害を受けず、また、酸性から高アルカリ溶液中で幅広く安定である。従って、本酵素は洗浄剤組成物の配合成分として、低温下で有利に使用できるものである。また、低温条件下における、食肉の軟化あるいはチーズの熟成といった食品の改質にも有効である。また、本低温活性プロテアーゼ生産菌がバチルス属細菌の一種であることから、培養条件の検討、突然変異やホスト−ベクター系(EK系やBS系)などの育種により著量の酵素を菌体生産することが可能になった。
【0043】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本願発明を更に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0044】
実施例1
茨城県水戸市より採取した土壌サンプル約1gを生理食塩水(10ml)に懸濁し、80℃で10分間熱処理を行った後、以下に示す組成を有するプロテアーゼ生産判定プレートに塗抹して、20℃で5〜7日間培養した。生育した集落の周囲にスキムミルクの分解によって生じた透明帯を指標としてプロテアーゼ生産菌を分離した。得られた分離株の中から、低温活性プロテアーゼ生産性を調べ、バチルス エスピーKSM−SP3659株を選抜した。
【0045】
【表6】
プロテアーゼ生産判定プレート(pH10.0)
(成分) (配合量)
酵母エキス(ディフコ社製) 2g
燐酸1カリウム 1g
硫酸マグネシウム 0.2g
グルコース(別滅菌) 5g
ケラチン 10g
カルボキシメチルセルロース 5g
寒天 15g
炭酸ナトリウム(別滅菌) 2g
イオン交換水 1000ml
【0046】
実施例2
実施例1で得られたバチルス エスピーKSM−SP3659株を以下に示す液体培地で好気的に20℃で2日間培養した。培養後、遠心分離(12,000×g、20分間)して得られた上清液を10mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.5;2mM CaCl含有)で5℃において一昼夜透析した。透析内液のプロテアーゼ活性を、カゼインを基質として20℃で測定したところ(50mM炭酸緩衝液中、pH10)、約1.5U/l培養液に相当するプロテアーゼの生産が認められた。
【0047】
【表7】
液体培地(pH9.3)
(成分) (配合量)
ポリペプトンS 10g
酵母エキス 0.5g
KHPO 1g
MgSO 0.2g
グルコース(別滅菌) 5g
炭酸ナトリウム(別滅菌) 2g
イオン交換水 1000ml
【0048】
実施例3
バチルス エスピーKSM−SP3659株を実施例2の液体培地に接種し、20℃で40時間培養した。培養後、遠心分離して得られた上清液を限外濾過膜(分画分子量3,000;アミコン社製)で濃縮した。この濃縮液を20mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.5;2mM CaCl含有)に対し5℃で一昼夜透析した。この透析内液を20mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.5;2mM CaCl含有)で平衡化したDEAE−バイオゲルA(バイオラッド社製)のカラムを通過させ、その非吸着画分をプールした。再度、DEAE−バイオゲルAのカラムを通過させて非吸着画分を限外濃縮した。この濃縮液を20mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.5;2mM CaCl含有)で平衡化したCM−バイオゲルA(バイオラッド社製)のカラムに添着した後、0〜100mM 塩化カリウムを用いて濃度勾配溶出を行った(pH7.5;2mM CaCl含有)。更に、活性画分を限外濾過膜上で約1mlまで濃縮した後、平衡化したセファクリルS−200スーパーファイン(ファルマシア社製)のカラムでゲルクロマトグラフィーを行い、得られた活性画分を最終精製酵素標品として使用した。この結果、本精製標品は約54U/mgタン白(仔牛血清アルブミン単位)の比活性を有していた。
得られた酵素は前記の酵素学的性質を有していた。
【図面の簡単な説明】
【図1】バチルス エスピー KSM−SP3659株が産するプロテアーゼのpH−活性曲線を示す図である。
【図2】バチルス エスピー KSM−SP3659株が産するプロテアーゼのpH安定性を示す図である。
【図3】バチルス エスピー KSM−SP3659株が産するプロテアーゼの温度−活性曲線を示す図である。
【図4】バチルス エスピー KSM−SP3659株が産するプロテアーゼの温度安定性を示す図である。
【図5】バチルス エスピー KSM−SP3659株が産するプロテアーゼの分子量測定結果を示す図であり、(a)は分子量とSDS電気泳動距離の相関を示す図、(b)は完全精製標品のSDS電気泳動写真(12%アクリルアミドゲル)を示す図である。

Claims (3)

  1. 次の酵素学的性質を有する低温活性アルカリプロテアーゼ。
    1)作用温度及び最適温度
    0〜40℃で作用し、最適温度は約30℃にある。Ca2+イオンが存在すると作用最適温度は40℃に移行する。0℃(氷水中)においても最適温度活性値の約15%の活性を保持する。
    2)温度安定性
    pH10、15分間の処理条件で30℃まで安定であり、Ca2+イオンが存在すると安定性が向上する。
    3)作用pH及び最適pH
    作用pH範囲は5〜12以上で、最適pHは11である。pH12においても、最大活性値の85%以上の活性を保持する。
    4)pH安定性
    20℃、15分間の処理条件でpH5〜12までの各pHで安定である。
    5)分子量
    ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法による推定分子量は、約37,500である。
    6)基質特異性
    天然基質であるカゼイン、ジメチルカゼイン、アゾカゼイン、ヘモグロビン、ケラチン、ゼラチン、コラーゲン、エラスチン及びアゾアルブミンに対して作用する。
    合成基質であるSuc-Ala-Ala-Pro-Met-pNA、Suc-Ala-Ala-Pro-Phe-pNA及びSuc-Ala-Ala-Pro-Leu-pNA(ここでSucはスクシニル基を、pNAは−ニトロアニリニル基を示す)に対して作用し、−ニトロアニリンを遊離させる。
    7)金属イオンの影響
    Fe2+、Fe3+及びHg2+イオンによって阻害される。
    8)阻害剤
    EDTA、EGTA、フェニルメタンスルホニルフルオライド(PMSF)及びキモスタチンによって阻害される。ジチオスレイトール(DTT)、−クロロマーキュリ安息香酸(PCMB)、−エチルマレイミド(NEM)、5,5′−ジチオ−ビス(2−ニトロ安息香酸)(DTNB)、ベスタチン、ロイペプチン、ペプスタチン及びホスホラミドンによって阻害を受けない。
    9)界面活性剤の影響
    アルカン硫酸ナトリウム(SAS)、α−オレフィン硫酸ナトリウム(AOS)、ポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム(ES)、ソフタノール70H、α−スルホ脂肪酸エステル(α−SFE)、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)及び直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS)に対して極めて安定である。
  2. バチルス エスピー(Bacillus sp.)KSM-SP3659と命名され、FERM P-15136号として寄託された請求項1記載の低温活性アルカリプロテアーゼを生産する微生物。
  3. 請求項2記載の微生物を培養し、その培養物から低温活性アルカリプロテアーゼを採取することを特徴とする請求項1記載の低温活性アルカリプロテアーゼの製造法。
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