JP3592174B2 - 有機廃棄物の堆肥化方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生ゴミなどの有機廃棄物を高温高速で堆肥化することのできる有機廃棄物の堆肥化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
わが国では家庭やレストラン等から推計で毎年1800万トンもの生ゴミが排出されている。生ゴミはリサイクル可能な有機廃棄物の一つであるにもかかわらず、その77%以上は焼却処分され、残りの大半も埋め立てにより処分されているのが現状である(有機廃棄物資源化大事典,有機質資源化推進会議編,農文協,1997年)。生ゴミの焼却は二酸化炭素やダイオキシン等の発生をもたらし、環境に悪影響を与える一因となっており、生ゴミの有効な処理方法について早急な解決が望まれている。
【0003】
近年、環境負荷のほとんどない生ゴミの処理方法として、高温高速堆肥化法が注目されている。高温高速堆肥化法は、主として好熱性微生物の作用により、1日から数日という短期間に生ゴミを堆肥に変換する技術であり、堆肥化容器に生ゴミと上記高熱性微生物を担持した基剤とを投入した上で、撹拌混合し、かつ加温しながらその変換作用を進行させるものである。現在このような高温高速堆肥化法によりリサイクルされる生ゴミの量は、生ゴミ総量の0.1%にも満たないが(有機廃棄物資源化大事典,有機質資源化推進会議編,農文協,1997年)、この方法は環境に優しい方法により生ゴミを手軽にリサイクルできる手段の一つとして、一般家庭にも広く普及する可能性を秘めており、事実、補助金を交付するなどの助成措置によりその普及を図ろうとする市区町村の数は700近くにも及んでいる。
【0004】
以上の高温高速堆肥化法は、先に述べたように、堆肥化容器を利用して実施されているが、多くの場合、これを実施する過程で、上記堆肥化容器から悪臭が発生しやすいとか、堆肥化の処理能力が必ずしも高くないとか、更には、堆肥化過程で頻繁に微生物基剤の追加又は交換の必要が生じるため維持管理が煩雑であるとかの欠点をもっており、なかなか普及しないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上の従来技術の問題点を解消し、堆肥化過程で、悪臭が発生せず、処理能力が高く、かつ堆肥化過程の維持管理が容易である有機廃棄物の堆肥化方法を提供することを解決の課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、有機廃棄物と微生物を担持した基剤とを混在させ、かつ撹拌して空気に接触させ、更に継続的に加温しながら堆肥化を図る有機廃棄物の堆肥化方法に於いて、
前記微生物として、30〜80℃の温度範囲、かつpH5以下で生育し得、堆肥化過程の全期間中の堆肥のpHを自発的に3〜6に保持することとなるスルフォロバス アシドカルダリウス( Sulfolobus acidocaldarius ATCC49426 を採用した有機廃棄物の堆肥化方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の基本的構成は、有機廃棄物と微生物を担持した基剤とを混在させ、かつ撹拌して空気に接触させ、更に継続的に加温しながら堆肥化を図る有機廃棄物の堆肥化方法に於いて、特定の微生物、即ち、スルフォロバス アシドカルダリウス( Sulfolobus acidocaldarius ATCC49426 を採用したことに特徴を有する。
【0012】
上記微生物、即ち、スルフォロバス アシドカルダリウス( Sulfolobus acidocaldarius ATCC49426 は、次の条件、即ち、30〜80℃の温度範囲、かつpH5以下で生育し得、かつ上記方法を実施した場合に、その堆肥化過程の全期間中の堆肥のpHを自発的に3〜6に保持するものであることという条件を満足する。
【0013】
このような条件を満足する微生物であるスルフォロバス アシドカルダリウス( Sulfolobus acidocaldarius ATCC49426 は、本発明方法を実施した際に、悪臭の発生を回避すること、高い堆肥化処理能力を発揮すること、該微生物の追加又は交換をすることなく長期間にわたって高い処理能力を維持すること、という優れた結果をもたらす。またこのような条件は、本発明者が、多くの微生物について実験を繰り返しながら評価することによって知り得たものである。なかでも堆肥化過程の全期間を通じて堆肥のpHを3〜6に保持する性質は、この種の堆肥化方法に従来から採用されてきた微生物の悉くが、堆肥のpHが7を下回るようになると有効に作用せず、悪臭が発生し、腐敗が進行するようになる等の問題が発生する中で、際立った特徴となっている。
【0016】
また本発明は、有機廃棄物と微生物を担持した基剤とを継続的に加温しながら堆肥化を図るものであり、その温度は、既述のように、対象とする微生物が30〜80℃の温度範囲で生育し得るものであるから、その範囲内であれば良いわけであるが、40〜80℃の範囲に保持することとすれば、微生物の活動をより一層活発にし得、堆肥化処理能力を高めることができる。50〜80℃の範囲に保持することとした場合は更に微生物の活動が活発になり、堆肥化処理能力もより向上することとなる。
【0017】
このように40℃以上、更には50℃以上に温度を高めると、有機廃棄物中に含まれている様々な雑菌、回虫卵、有鉤条虫卵又はハエの卵等を死滅又は不活化させることができる。そのため、それらの雑菌による生ゴミの腐敗や成虫化した回虫等による種々の弊害を予め除去することができることともなる。
【0018】
なお本発明の堆肥化方法は、これを実施するために、有機廃棄物及び微生物をを担持した基剤を入れる堆肥化容器と、該堆肥化容器中に入れた有機廃棄物及び微生物基剤を撹拌する撹拌手段と、それらを加温する加温手段と、上記撹拌手段の動作を制御しかつ加温手段の加温動作を制御する制御手段とを備えた有機廃棄物処理装置を使用するのが適当である。それぞれの具体的な構成は自由であり、特定のそれに限定されない。
【0019】
【実施例】
<参考例>
後記実施例の説明の都合上、予め参考例を説明する。
この参考例は、市販の生ゴミ堆肥化装置を用いて行った。
この生ゴミ堆肥化装置は、図1及び図2に示すように、容積27リットルの生ゴミ処理槽(堆肥化容器)1を有し、その内部には、水平に配した回転軸2に直角に3本の撹拌棒3、3、3を配した撹拌手段4を備え、かつその外底部にはシート状の加温手段5を備えたものである。
【0020】
上記撹拌手段4は、その回転軸2を回転させて撹拌動作を行うものである。また上記撹拌手段4の動作は図示しない制御手段によって制御される。即ち、上記撹拌手段4は、撹拌動作を約8分間継続した後に約24分間停止するように制御され、撹拌動作中は正逆回転を2分ごとに繰り返すように制御され、かつその回転速度は2rpmに制御されるようになっている。
【0021】
また前記加温手段5は、前記生ゴミ処理槽1内をその外底部から加温するものであり、図示しない制御手段により、前記生ゴミ処理槽1内を設定温度に加温すべく制御されるようになっている。
【0022】
微生物は、この参考例では、バチルス アシドカルダリウス(Bacillus acidocaldarius ATCC27009株)を用い、これをATCC培地573(pH3.0)にて55℃で48時間しんとう培養し、その培養物を、前記市販の生ゴミ堆肥化装置の生ゴミ処理槽1内に投入し、32リットルのおがくずと均一に混合して微生物基剤とした。
【0023】
生ゴミは東北大学の大学生協食堂から排出されたものを使用することとし、前記微生物基剤を投入してある生ゴミ処理槽1内に、上記大学生協食堂から排出された生ゴミ3.2kgを投入して運転を開始した。運転開始後の前記撹拌手段4及び前記加温手段5の動作は先に述べた通りに行われた。また運転開始日は1999年5月21日であり、1999年10月1日に終了した。
【0024】
運転開始以後、原則として、毎週月・水・金の13:00頃に生ゴミを投入した。投入量は図3に示す通りである。生ゴミは予めザル等を用いて水分を充分切ってから計量した上で投入した。
運転中は、後記堆肥のサンプリングの都度、生ゴミ処理槽1の上縁から堆肥表面までの深さを測定して堆肥の容積を見積もり、増量した分の堆肥を随時取り出すことにより、該生ゴミ処理槽1内の堆肥容量をほぼ一定に保った。同時に、このとき、堆肥中に混入している堆肥化に不適なビニール等を除去し、更に生ゴミ処理槽1の底部隅等にこびりついた堆肥の塊を掻き落とした。
運転開始の1999年5月21日から1999年10月1日の終了日まで、培養微生物やおがくずの追加又は生ゴミ処理槽1中の内容物の交換を行う必要はなかった。即ち、その間生ゴミの堆肥化が常に正常に進行していた。また運転期間中、ハエ等の発生はなかった。運転終了時点の生ゴミ処理槽1内の内容物重量は26.5kgであった。
【0025】
この参考例は、以上のように行ったものであるが、各回の生ゴミの投入方法とその量、生ゴミの累積投入量、運転中の堆肥温度の測定、運転中の生ゴミ堆肥化装置の周辺の臭気の測定、堆肥のサンプリングの時期及び方法並びにサンプリングした堆肥のpHの測定、サンプリング時に行う堆肥表面までの深さの測定、増量した堆肥の取り出しと取り出した堆肥の重量の測定は以下のように行った。
【0026】
(a)堆肥のサンプリング
原則として、毎週、月・水・金の午前10:00ごろ行った。堆肥は、前記撹拌手段4の作用で常に撹拌状態にあるので、特に底部のそれを取り出すようなことはせず、表面の数カ所から満遍なく15ml程を採取した。
(b)堆肥のpHの測定
サンプリングした堆肥2gを50ml容のファルコンチューブに入れ、これに20mlのMilli-Q水を加えてボルテックスミキサ(voltexmixer)で充分に撹拌混合し、懸濁液のpHをpHメータにて測定して堆肥のpHとした。
【0027】
(c)堆肥温度の測定
生ゴミ処理槽1中の堆肥深さ20cmのところまで温度計を差し込み、5分経過後の温度を読み取った。
(d)堆肥までの深さの測定
前記(a)の堆肥のサンプリングをする際に、生ゴミ処理槽1の上縁から堆肥表面までの深さを測定した。
【0028】
(e)前記(d)の堆肥までの深さを測定する際に、これによって堆肥の容積を見積もり、増量した分の堆肥を随時取り出し、取り出した堆肥の重量を測定した。
(f)生ゴミの累積投入量
投入する水を切った上で計量した生ゴミの重量を順次累積した。
【0029】
(g)生ゴミの投入量
生ゴミの投入量は予めザル等を用いて水分を充分切ってから計量した。
(h)臭気の測定
生ゴミ堆肥化装置から発生する臭気を臭気測定装置(KALMOR-Σ(カルモア社製))を用い、(a)の堆肥のサンプリングの際に、該装置から3m離れた地点におけるΣ値を測定した。
得られたΣ値は外気のΣ値と殆ど同じであり、官能検査でも殆ど臭気がないと判断された。
【0030】
以上の測定の結果の内、(b)の堆肥のpH、(c)の堆肥の温度、(d)堆肥までの深さ、(f)生ゴミの累積投入量、(g)生ゴミの投入量を図3に示した。
また以上の測定結果の内、取り出した(e)の堆肥の重量を表1に示した。
【0031】
【表1】
Figure 0003592174
【0032】
サンプリングした堆肥につき堆肥特性を分析した。その分析方法と結果を表2に示した。
【0033】
【表2】
Figure 0003592174
【0034】
<実施例>
微生物について、本発明で採用したスルフォロバス アシドカルダリウス(Sulfolobus acidocaldarius ATCC49426)を用いた外は、参考例と同様の市販の生ゴミ堆肥化装置を用いて、同様に実施したところ、150日間にわたって堆肥化は常に正常に進行した。なおこの実施例でも、参考例と同様の項目について測定した。また得られた堆肥の特性を分析し、かつ堆肥化の過程で消滅した生ゴミの消滅率を計算した。その分析方法と結果を表3に示した。
【0035】
【表3】
Figure 0003592174
【0036】
<比較例1、2>
また比較のため、他の市販の生ゴミ堆肥化装置A及びBを用いて、実施例及び参考例と同じ起源の生ゴミを同じ量だけ順次投入して、生ゴミの堆肥化処理を実施した。生ゴミ堆肥化装置A、Bによる生ゴミの堆肥化にあたっては、それぞれの装置に推奨される微生物基剤を用い、使用方法も各装置の説明書に従った。各装置は堆肥化容器と、その内容物を撹拌する撹拌手段及び加温手段を備えたものである。以上の生ゴミ堆肥化装置Aによる例を比較例1とし、生ゴミ堆肥化装置Bによる例を比較例2とする。
なお比較例1については、110日以降堆肥化が正常に進行しなくなった。また比較例2については、60日以降堆肥化が正常に進行しなくなった。
【0037】
実施例と比較例1、2との実施過程に於ける堆肥のpHの推移を図4に示した。
また比較例1で得られた堆肥の特性と堆肥化の過程で消滅した生ゴミの消滅率を前者の分析方法とともに表4に示した。比較例2についても同様の事項を表5に示した。比較例1の堆肥の特性は105日目に取り出したそれについてのものであり、消滅率は105日までのものである。比較例2の堆肥の特性は60日目に取り出したそれについてのものであり、消滅率は60日までのものである。
【0038】
【表4】
Figure 0003592174
【0039】
【表5】
Figure 0003592174
【0040】
<考察>
以上の実施例、参考例及び比較例1、2の結果を検討する。
参考例の生ゴミの累積投入量は253kgである。実施例は実施期間が若干長いので、これより若干多くの投入量となっている。比較例1、2は、前記したように、前者は110日以降、後者は60日以降、堆肥化が正常に進行しなくなったのでいずれも累積投入量は少なくなっている。
【0041】
また、参考例では、図3の深さ(cm)で示したグラフ中の矢印1〜6の数字で示した各時点で堆肥を取り出しており、その累積取り出し量は34.9kgであり、運転終了時の生ゴミ処理槽1内の堆肥重量は26.5kgである。従って参考例では、その運転期間中に総計で61.4kgの堆肥を採取したことになり、前記累積投入量が253kgであるから生ゴミの消滅率は約75.7%となる。
【0042】
また実施例では、表3に結論のみ示してあるが、これによれば、生ゴミの消滅率は87%である。
更にまた比較例1の生ゴミの消滅率は、105日までのデータであるが、表4に示すように、75%であり、比較例2の生ゴミの消滅率は、60日までのデータであるが、表5に示すように、88%である。
【0043】
実施例及び参考例と比較例1、2とを比較してみると、生ゴミの消滅率の点では、余り変わらないことが認められる。比較例1、2に限らず、従来一般の生ゴミ堆肥化装置及び堆肥化方法でも通常70%以上の消滅率を示しているようなので、その点では従来のそれと異ならないが、後述するように、実施例及び参考例は、4ヶ月以上の実施期間中一回も微生物基剤の追加を必要とせず、かつ微生物基剤を含めた内容物の交換も必要としなかったことを考慮すると、長期間にわたって高い処理能力を維持し続けたと云うことができる。
【0044】
実施例及び参考例の実施期間中、堆肥の温度は概ね45℃以上を維持し、最高では60℃に達した。いずれも実施期間中にハエ等の衛生害虫の発生はなかったが、このような高い温度の中で処理が進行したため、それらの衛生害虫卵が死滅し又は不活化したためと思われる。
【0045】
また堆肥は、実施例及び参考例のいずれに於いても、図3及び図4に示すように、その実施期間中、pHが4〜5付近に保たれていた。生ゴミ投入後、pHは一時僅かに上昇するが、その後は漸減する傾向が見られた。これは堆肥化に関与する微生物の性質に関係していると考えられ、比較例1、2とは全く異なるところである。
【0046】
比較例1では、堆肥のpHは、図4に示すように、堆肥化の開始後、一時6程度まで下がるが、その後は8程度まで上がり続け、これが下がり始めると、同時に堆肥化の不良が始まっている。比較例2では、図4に示すように、堆肥のpHは8以上の高い水準で推移し、これが8以下に下がり始めると、堆肥化の不良が始まっている。いずれにしても比較例1、2では、中性から弱アルカリ性の条件の下で良好な堆肥化が行われるようであり、従来例一般のこの種の堆肥化方法の場合と同様である。こうしてみると、実施例及び参考例に於いて、前記のように、実施期間中、堆肥のpHが4〜5を維持して良好な堆肥化作用を継続し得ることは際立って特徴的なことである。
【0047】
また実施例及び参考例によって得られた堆肥の諸特性は、表2及び表3に示すように、原料である生ゴミが殆ど同一であるため、両者間に殆ど差異はない。堆肥の諸特性は、表2〜表5に示すように、pHと含水率が低い点を除けば、比較例1、2及び従来一般的に用いられている装置又は方法によって得られた生ゴミ起源の堆肥と余り違わないものとなっている。
【0048】
また既に述べたように、実施例及び参考例のいずれの場合も、約4ヶ月強の実施期間中に培養微生物及びおがくずの追加や生ゴミ処理槽1の内容物の交換を必要としなかった。即ち、その間、堆肥化の能力の低下とか悪臭の発生とかの問題を発生することはなかったものである。
【0049】
これに対して比較例1では、既述のように、110日以降は正常な堆肥化が維持できなくなり、また比較例2では、60日以降は正常な堆肥化が維持できなくなってしまったものであり、これを継続しようとすれば、内容物の交換が必要になるというべきである。因みに内容物の交換とは、堆肥化容器内の堆肥等の全てを取り出した上で、再度、微生物基剤の投入からやり直しをすることである。
【0050】
従来のこの種の有機廃棄物の堆肥化方法や装置では、生ゴミ等の有機廃棄物の投入の度に微生物基剤を追加する必要があるものもある。それほどでないとしても、以上の比較例1、2のように、1.5ヶ月〜4ヶ月程度で内容物の交換が必要になるのが普通である。
【0051】
従ってこのような従来技術と比較すると、微生物基剤の投入に関して明らかな違いがあり、実施例及び参考例で用いられる微生物基剤が、従来のこの種の方法及び装置で用いられる微生物基剤と比較して、堆肥化処理能力を遙かに長期にわたって継続することができるものであり、長期にわたって悪臭の発生等を引き起こさないものであることが分かる。
【0052】
【発明の効果】
従って本発明の有機廃棄物の堆肥化方法によれば、撹拌手段及び加温手段を備えた堆肥化容器等を利用し、その堆肥化容器に入れた微生物基剤中に有機廃棄物を順次適量ずつ投入することにより、長期間にわたって効率的に堆肥化することができる。長期間にわたって微生物基剤の追加や交換が必要とならないので、管理が容易であり、かつ悪臭の発生もないので、周囲環境に悪影響を与えることもないものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び参考例の有機廃棄物の堆肥化方法の実施に用いた生ゴミ堆肥化装置の要部の一部切欠正面説明図。
【図2】実施例及び参考例の有機廃棄物の堆肥化方法の実施に用いた生ゴミ堆肥化装置の要部の一部切欠側面説明図。
【図3】参考例の堆肥温度、堆肥pH、生ゴミ処理槽に於ける堆肥表面までの深さ、生ゴミの累積投入量及び生ゴミの投入量をそれぞれグラフ化して示した図。
【図4】実施例と比較例1、2の実施中に於ける堆肥のpHの推移をグラフ化して示した図。
【符号の説明】
1 生ゴミ処理槽
2 回転軸
3 撹拌棒
4 撹拌手段
5 加温手段

Claims (1)

  1. 有機廃棄物と微生物を担持した基剤とを混在させ、かつ撹拌して空気に接触させ、更に継続的に加温しながら堆肥化を図る有機廃棄物の堆肥化方法に於いて、
    前記微生物として、30〜80℃の温度範囲、かつpH5以下で生育し得、堆肥化過程の全期間中の堆肥のpHを自発的に3〜6に保持することとなるスルフォロバス アシドカルダリウス( Sulfolobus acidocaldarius ATCC49426 を採用した有機廃棄物の堆肥化方法。
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