JP3591247B2 - 疎結合電力系統制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は分散型電源が多量に存在する電力系統の制御方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
今後の電力系統は電気事業法の規制緩和により、大口需要家、あるいは一般家庭が接続する電圧階級の電力系統(以下本明細書ではこの系統を「地域系統」と称する)に電池,風力発電,太陽光発電に代表される分散型電源が大量に導入される傾向にある。また、これとは別に前記大口需要家が事業として電力会社の制御対象外となる発電機を設置し、いわゆるIPP(Independent Power Producers)と称して発電事業を行う傾向にある。また、電力料金を低価格にするために、長距離送電線の建設による大容量送電よりも、市町村単位、あるいはそれよりも小さな単位で発電・送電・変電を行うことにより、流通設備使用を減少し安価な電力を需要家に供給する傾向にある。
【0003】
現在の制御体系は給電指令所が指令範囲である発電所の出力、あるいは系統全体の電圧の監視を行い、最も望ましい電力系統の運用目標値を単一の目的関数をもとに設定し、この設定値を需要家に近い制御所に伝達することにより実際の運用を行う形態が一般的である。ここでの目的関数として一般的に有効電力潮流の過負荷、あるいは電圧安定性を系統状況に応じて個々に用いる。
【0004】
ところが前記した分散型電源設備が電力系統中に大量に導入された場合には、それぞれの分散型電源設備は運転の自由度が大きいため、定常時においても電圧品質が大きく低下することが考えられる。すなわちこれまで系統状況に応じて個別に考慮してきた目的関数に加え、これまで定常時に考慮する必要がなかった高調波,定態安定度に代表される複数の目的関数を考慮して制御を行う必要がある。また、これらの目的関数は互いに相関性を持っているため、多目的関数として同時に考慮する必要がある。このような問題を解決するための方法として多目的関数をある制約条件のもとで系統内に存在する設備の出力量を最適化する方法が従来から知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来からの多目的最適化手法を用いた電力系統の運用問題は最適化する系統の範囲と操作する設備が予め決められ、その範囲の中で最適化問題を解いている。この方法では系統対象とする系統範囲自体が大きな制約条件となり、制御の自由度が少ない問題点がある。このことは、分散型電源の分布が今日までの電力会社が行ってきた設備計画のように地域ごとに均等に分布するのでなく、各地域によって大きく偏在化するものと考えると、既存の単なる設備の出力量を調整するのみの多目的最適化手法を用いた電力系統の運用では、制御方針の選択枝が限られてしまい、安定した電力供給に障害が発生することはおのずから明らかである。
【0006】
本発明では電力系統の運用に対し、従来の多目的最適化問題を用いた上記の課題点を解決し、常に安定した電力供給を全体地域にて実現する装置の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明では前記した課題点を解決するために、単に最適化を行おうと試みる系統内の設備の出力量を決定するために多目的最適化を用いるのではなく、制御対象とする地域系統を制御実行時刻における系統状況に応じて各地域系統間を接続している開閉器の入り切り操作を用いて、自由に対象系統範囲を変更することにより安定した電力系統の制御を行う。この開閉器の入り切り操作を多目的関数を用いた最適化問題として計算する。本発明ではたとえば制御目標値を各地域系統ごとに隣接する地域系統間でエネルギー発生量とエネルギー消費量のバランスを維持するとともに、そのバランスを維持するために副次的に発生する周波数変動,電圧低下,高調波発生等の電力系統にて発生する望ましくない物理現象を最小限に抑え、かつ前記バランスの維持に必要な設備制御に費やされるコストを最小限に抑える特徴を持つ。ここでは各地域系統ごとにデータを取り込んだ時点での各種物理量(評価値)を収集したデータをもとに評価し(系統状態評価)、その評価が望ましくない場合は、望ましい評価値になるように他地域系統の一部分を開閉器の切替え操作により部分系統を融合し該地域系統内での制御方法を決定する。この決定は地域系統内の各種設備の制約条件を満たす範囲内、あるいは他地域の各種設備の制約条件を満たす範囲内で、前記した評価値が最小あるいは最大となる定式化を行う最適化問題として行う。あるいは最適化問題として得た解が実際の制御方針と大きく異ならないために、予め決められた電力系統中の物理量を一定範囲に維持する制御方法を導出する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。図1は本発明方法を実施する疎結合電力系統制御方法及び装置の一例を示している。
【0009】
この装置は図示の通り小規模系統111,112,113(本実施例では以下「地域」と呼ぶ)に分割された電力系統に対してそれぞれ疎結合電力系統制御装置101−a,101−b,101−cを有する(以下、101と略する)。各地域系統中の電力系制御装置101にはデータ収集装置が各疎結合電力系統制御装置に102−a,102−b,102−cとして具備し、データベース103,状態評価装置104,制御計算装置105,制御指令装置106をそれぞれ接続する。任意の地域内のデータ収集装置は他の地域系統からの情報を得るために各装置間で接続されている。
【0010】
各地域内111,112,113中には複数の発電設備,大口需要家,一般需要家に代表されるエネルギー発生・消費設備が存在する。また、それらの設備は開閉器151〜160を通して送電設備により結合されている。図1の例では開閉器153〜156は開いた状態にあり、地域111,112,113はそれぞれ送電線161,162のみで結合されているものとする。各発電設備は需要家が設置した電池,風力発電装置,太陽光発電装置,発電機等からなる。また、各地域内の発電設備,負荷設備をはじめとした流通設備に発電量,負荷量をはじめとする各種物理量を計測するセンサが付属している。これらのセンサよりデータを装置102にて収集する。装置102で取得したデータはデータベース103に送られ格納する。また、同時に装置102にて取得したデータは状態評価装置104に送られる。さらに装置102にて取得したデータとデータベース103中の情報は制御計算装置105にて制御操作を計算する。ここで計算された結果は制御指令装置106に送られ電力系統内の設備に制御指令を出す。
【0011】
次に図1での各装置の具体的な作用について以下説明する。データ収集装置 102は電力系統中の各設備に設置されている計測器をもとに計測された各設備の特徴を表す物理量、たとえば電流,電圧等を通信線経由、あるいは無線通信を用いて収集する。また、データベース103はデータ収集装置で収集したデータを図2中の201,202,203,204に示す形式で保管する。201は系統中の設備に関するデータ、202は系統中の観測した物理量のデータ、203は制御可能な設備のデータ、205は負荷遮断,電源遮断実行時に参照する優先順位テーブルである。また、204は地域間を接続する箇所とその個所に関係する物理量の基準値、あるいはその範囲値が保存されている。
【0012】
状態評価装置104では装置102とデータベース103の情報をもとに、現在時点での各地域系統の状態を評価する。現在時点の状態を評価するためには、データ収集装置102にて収集したデータをもとに各種物理量を算出し、安定度に代表される状態監視指標を算出する。あるいは電圧のように直接母線に接続したセンサから波形を測定して高調波の影響を算出することも可能である。また、これらの状態監視指標を観測した物理量だけでは情報量が不足している場合、以下の文献
F. F. Wu, Power System State Estimation : a survey. Electrical Power & Energy Systems,12(1990),80−87.
に代表される状態推定計算を実行して、たとえば対象部分地域中の母線電圧の大きさと位相角に代表される各種物理量の尤もらしい値を求め、その後に状態監視指標、たとえば送電損失,短絡電流値,電圧安定度,過渡安定度,周波数の変動率等を求めることが可能である。
【0013】
状態評価指標の一例には、電圧不平衡度を示す零相電圧と正相電圧の大きさの比、あるいは逆相電圧と正相電圧の大きさの比で表される電圧不平衡度,系統中に発生する第n次の高調波の大きさで表す高調波発生度,地域系統の周波数とその変動量で表す周波数変動,各地域系統内の負荷特性,送電損失,短絡電流,電圧安定度,過渡安定度,発電コスト,設備運用コストなどがある。
【0014】
制御計算装置105では状態評価装置で算出した各種の状態評価指標をもとに、予め設定した各種指標の上下限値、あるいは各地域ごとに各制御時間毎に動的に決定した各種指標の上下限値と比較し、前記した現在時点での評価をもとに制御を実行する場合は現在時点で違反がある指標、あるいは将来時点での評価指標をもとに制御を行う場合は現在時点で違反が発生していなくても将来違反が発生すると思われる指標を検出する。その結果をもとに前記した違反発生指標をなくするように適切な地域系統内の設備の操作を決定する。ここでの設備の操作は任意の地域系統と他の地域系統間での系統接続を変更する開閉器の入り切りを中心に考える。もちろん任意の地域系統内における発電機の有効電力出力の調整,発電機の無効電力出力調整,発電機の並解列,任意の地域系統間の発電機の系統切替え,任意の地域内での変圧器タップの調整,任意の地域内での同期調相機の無効電力出力調整,任意の系統内に存在、あるいは任意の系統間を接続する送電設備の使用,停止,切替え,任意の地域系統内における変圧器の使用,停止,切替え,任意の地域系統内あるいは任意の地域系統間の負荷の受電,切替え,停止、あるいは任意の地域系統内での調相設備の使用,停止、あるいは任意の地域系統内の発電機端子電圧値の変化等も考慮することが可能である。
【0015】
次に前記した設備操作の決定方法について説明する。ここでの実施例では、状態評価指標が送電線有効電力損失を最小化する場合の例を説明する。最小化するための手法は様々な公知例があるが、本実施例ではこの最適化手法としてニュートン法を用いた最適化手法を用いる実施例について以下図3を用いて説明する。なお、最適化手法を用いるうえでの目的関数は以下の式
【0016】
【数1】
【0017】
で表すものとし、また、制御対象とする設備は開閉器の入り切り状態とする。もちろん地域系統内の変電所タップ比,調相設備の投入,発電機AVR端子電圧の変更,発電機有効電力,無効電力出力変更も考えることが可能である。また、制約条件は各発電機の有効電力,無効電力の出力上下限値,変圧器タップの設備上下限送電線,変圧器の潮流値の上下限,調相設備の機器数あるいは容量の上下限,発電機AVR端子電圧上下限値とする。
【0018】
このような仮定のもとで、まずラグランジェ関数を以下のように作成する。
【0019】
【数2】
【0020】
この式を各変数で微分を行い、式3の行列、あるいは右辺のベクトルに対応する数値を計算する(手順303,手順304)。
【0021】
【数3】
【0022】
ここで右辺のベクトルは対象とする地域系統内の観測値である。次に全体の計算の実行の流れについて説明する。まず手順301にて計算に必要な情報、たとえば本実施例の場合、現状の対象系統内の物理量,電力方程式に関する情報を収集する。また、この手順では変数の初期化も同時に行う。次に手順302にて前記した制約条件とその値を設定する。次に手順303にて(式3)の係数行列を作成する。これは(式3)より各変数に関する一次微分,二次微分を予め求めておき、前記した変数の値を代入することにより係数行列の要素を計算する。次に手順304にて(式3)の右辺の値を変数xを電力方程式に代入することにより求める。以上の計算が終了したら手順305にて分解計算を行い解Δxを求める。この値が手順306にて繰り返し計算一回前の値と比較して予め設定した閾値よりも小さい場合は収束と見なして手順307に進む。そうでない場合は手順303に戻り繰り返し計算を引き続き行う。手順306にて収束と判定された後に手順307にて求めた解が制約条件を違反していないかを判定する。違反がなかった場合は終了し、違反があった場合は違反した変数に0.0以外のペナルティ係数αを掛けて手順303に戻り計算を継続する。
【0023】
以上に示した具体的設備の決定方法の実施例の具体例を以下図4を用いて説明する。ここでは任意の地域に存在する疎結合電力系統制御装置が他の地域の系統状態と設備運転状態を必要とし、かつ他の地域系統との系統切替えなどの操作を必要とする場合である。この場合は図4の手順401にて、制御を行おうとする地域(以下自地域)に接続、あるいは自地域の設備が他地域へ分離可能であるかをデータ収集1装置102の情報をもとに探索する。次に手順402にて他地域との制御設備が存在するか否かの判定を行う。ここで他地域との協調がとれない場合は手順403にて自地域の制御設備を用いて制御が可能であるかどうかを判定する。制御可能である場合は該当する設備を第一の実施例と同様に求める。該当する設備がない場合は状態評価指標を悪化させている自系統内の設備を検出し、該当する設備を地域系統から切り離す。手順402にて他地域との協調をとることが可能である場合は手順406にて協調可能な設備を手順407以下で使用する定式化に利用できるように設定する。その後に手順407,408,409にて図3に示した最適化方法を用いて解を求め、設備操作に対する解が求まった場合は手順410にて該当する設備の操作を制御指令装置106に発行する。そうでない場合は手順403に戻り前記した処理を実行する。
【0024】
次に本実施例で具体的な状態評価指標を用いた例について説明する。評価指標として電圧の不平衡度を平衡電圧が印加された場合に生じる不平衡電圧比と定義した場合、目的関数は地域系統内の各母線における電圧不平衡度の二乗和とし、制御変数、すなわち式3の左辺のΔxは各ノードの各相における有効・無効電力注入量,制約条件は不平衡を解消するための設備の上下限、たとえば調相設備の上下限、あるいは送電線の潮流上下限値,各母線の電圧上下限値などである。式3の右辺に相当する数値は各ノードの各相の電圧を用いる。係数行列は電力方程式をもとに作成する。また、評価指標として周波数変動を用いる際には、目的関数を地域系統内の周波数の変化量の二乗と、基準周波数からの差の二乗を最小とし、式3の左辺のΔxは発電機の有効電力出力調整値,発電機の並解列を表す情報,他地域への送電情報等を用い、制約条件として各発電機の設備上下限,出力変化率,系統中の送電線の潮流上下限値などを用いる。また、評価指標として短絡電流を設定した場合は、目的関数を他地域との連系点にある変圧器の定格短絡容量と計算による短絡容量との差の二乗を最小化するものとする。式3の左辺のxに相当するのは変圧器の使用・停止・切替え,送電線の使用・停止・切替え,系統分割また、評価指標を、母線分割情報などとする。次に制約条件は設備上下限,安定度指標とする。また評価指標として電圧安定度を設定した場合は、目的関数をPVカーブを作成した際に求められる有効電力増加余裕量と現在有効電力負荷の総和の差の二乗を最大化するものとする。式3の左辺のxに相当するのは電圧の大きさの変化分,位相角の変化分,変圧器のタップ比の変化分,AVR発電機端子電圧値の変化分,調相設備の投入量の変化分などとする。また、制約条件は設備上下限,母線電圧の上下限とする。次に評価指標として定態安定度を設定した場合は、目的関数を相差角の和を最小化するものとする。式3の左辺のxに相当するのは発電機有効電力出力の変化分,発電機の並解列情報,電源制限情報などとする。また、制約条件は設備上下限,母線電圧の上下限とする。
【0025】
以上の疎結合電力系統制御装置の模式図を用いた例を以下図5,図6,図7,図8示すモデル系統を用いて説明する。図5は疎結合電力系統のモデルを示している。501,502,503はこれまで地域と呼んでいた部分系統に相当する。また、411,412,413,414,415,416,417,418は送電線を示し、太線が使用中の送電線,細線が使用を停止している送電線を示す。また、○印は変電所を示し、この変電所には複数の発電装置と負荷装置が存在しているものとする。また、各変電所は変圧器によって接続されているものと仮定する。図5の実施例では説明の便宜を図るために目的関数を一つに限った場合を考え、ここでは高調波を状態評価指標とする。図中、●印で表した421, 422,423の変電所にて高調波電圧ひずみが大きく発生しているものとする。また、地域402ではそれ以外の変電所では高調波は発生していないものとする。ここでは高調波の発生要因である地域間内のコンデンサの授受を行うことにより超過地域の高調波低減を図ることを目的とする。図4中、421で高調波ひずみ量が許容規定値5%よりも1%超過,422で許容規定値よりも1%超過,423で許容規定値よりも3%超過している状態であるとする。また、地域401では高調波ひずみは規定値よりも許容規定値よりも3.5% 小さく地域403では許容規定値よりも4.5% 小さいものと仮定する。また基準値を0%と設定する。この場合の目的関数を基準値からの偏差の二乗和とすると目的関数は図5の状態で1.5*1.5+9.0*9.0+0.5*0.5=83.5となる。この状態では地域502での高調波歪みが9%であるので、この違反を解消しつつ、かつ隣接している地域系統で目的関数が最小となる開閉器の操作を求めることになる。操作方法の候補として423を地域401へ切替え、421,422を地域403に切替える候補と、423を地域403へ切替え、421,422を地域401に切替える候補が最適化問題を解く際に求められたとする。この2候補のうちの目的関数を小さくするほうを選ぶことになるので、目的関数を計算すると、最初の候補の場合は3.5*3.5+4.0*4.0+3.5*3.5=40.5,二番目の候補の場合は4.5*4.5+4.0*4.0+2.5*2.5=42.5となり、最初の候補を操作として選択することになる。図3に示した最適化の過程は簡単に示すと以上のようになる。この結果にしたがって制御操作を行った結果例が図6となる。これまで停止していた送電線412,415,416を接続し、送電線418,414,417を停止することにより系統構成の切替えを行う。各地域は図6に示すように変更される。このように他地域との系統切替えを協調して行う場合は、データ収集装置102を通じて制御情報を他地域に伝達、あるいは他地域より制御情報を受け取る。
【0026】
次に状態評価指標を電圧安定度とした場合の実施例について図7,図8を用いて説明する。図7の太線,細線,白丸の意味は図5と同様である。また、631,634,635は電圧調整機器である調相設備、632,633はAVR端子電圧を制御する発電機である。電圧安定度の目的関数を現時点での負荷100%とPVカーブにて求めることが可能である限界負荷との差の二乗和とする。また電圧安定度の最低必要値を現時点での需要量から+6%と仮定し、地域701では+7%、地域702では+3%、地域703では+10%であるとする。すなわち、地域702では電圧安定度を高める必要がある。このときの各地域系統中の電圧制御設備の利用状況を地域702ではAVR発電機端子電圧が1%上昇の余裕、変圧器タップは上昇余裕なし、調相設備も上昇余裕がないと仮定する。また、地域701では他地域に接続が可能なAVR発電機端子電圧上げ余裕(機器732)が0.5%、変圧器タップの上昇余裕が0%、調相設備上昇余裕が1(機器731)%の機器があるとし、地域703では他地域に接続可能なAVR発電機端子電圧上げ余裕が1(機器733)%、変圧器タップの上昇余裕が0%、調相設備上昇余裕が1%(機器735)と4%(機器734)の機器があるとする。目的関数は6%の余裕を保てる場合の限界負荷と現在負荷の差の二乗和とすると、図3に代表される最適化手法で地域702に631,632,634,635を用いれば電圧安定度不足が解消されるとの結果を得たとする。この場合は地域702は地域701,703と協調をとり712,713,715,716の送電線を運転し、送電線717,718を停止する。制御後の結果を図8に示す。なお、ここまでの実施例では説明の便宜上、目的関数を一種類の状態評価指標を用いて行ってきたが、任意の種類の状態評価指標を組みあわせて最適化計算を行うことも可能である。また、一種類の状態評価指標を用いて最適化計算を行い、この計算を結果を受けて状態評価指標を替えた後にさらに何度も行うことも可能である。
【0027】
ここまでの制御操作はNewton法を用いた最適化手法を用いたが、線形計画法をはじめとする数理計画法を用いた最適化手法を用いても実現が可能である。
【0028】
以上のように本発明の疎結合電力系統制御装置の第一の実施例を用いて、制御範囲を系統状況を見ながら柔軟に変更することにより、これまで同時に考慮されていなかった電圧安定度,高調波対策等の複数指標のトレードオフを満足する電力系統の制御、すなわち安定した電力供給が可能となる。このことは副次的に電力系統中の電気の流れを一定方向に保つことが可能となるので、分散型電源導入による様々な問題点、特に逆潮流問題に代表される問題解決のために膨大に必要となる投資を軽減することが可能となる。またこの装置を導入する効果として、各地域で発生したエネルギー需給のアンバランスをすべて上位系の設備を用いて制御する従来方法と比較して、各地域系統で自律的に状態評価指標をもとに制御を行うために、上位系での一括制御負担に対する負荷が軽減する効果が期待できる。
【0029】
本発明の疎結合電力系統制御装置の第二の実施例は第一の実施例が指標をもとに行う制御の決定を最適化問題ととらえて解いていたのに対し、予め決められたフローチャートに基づいて他地域との協調をとりながら制御を実行する方法である。この第二の実施例について図9,図10を用いて説明する。なお、本実施例では物理量の監視点を設け、その監視点を各地域間を接続する送電線の電力潮流値であることを仮定する。また、電力供給コストを仮定し、それは予め順番を決めておく。まず(1)地域内の分散型電源の発電量が地域内の負荷量より少ない、(2)地域内の分散型電源の発電量が地域内の負荷量より多い、の2通りのケースについて述べる。1)のケースの場合を図9を用いて説明する。自地域内の発電量と負荷量を手順901にて比較した結果発電量が不足している場合、これは隣接している他地域から自地域内に電力を調達しなければならない場合である。その場合、まず自地域内のIPPの調整が可能かどうかを手順902で判定する。これが可能である場合は手順903にて自系統内のIPP発電機に出力変動要請を行い自系統内の需給バランスを確保する。IPPの調整が不可能である場合は自地域内に接続している他地域があるかを手順904にて検出する。さらに手順905にて隣接している他地域に電力融通が可能であるかを他地域の情報を取得してその可否を決定する。隣接する他地域からの電力供給が不可能である場合は手順907に進む。隣接する他地域からの電力供給が可能である場合は手順906にて発電量を調達する。その一方でもし手順905にて条件を満たす他地域が見つけられなかった場合は、引き続き他地域との協調により監視点潮流量を一定に保つため手順907にて自地域内の負荷の一部あるいはすべてを受け入れることが可能な他地域を探索する。このことが可能である場合には手順908にて自地域内の開閉器を操作して負荷を切り離し他地域に接続する。このことが不可能である場合は、自地域に存在する負荷にデータベース103にて設定されている優先順位の高い順から監視点の値が設定値になるように負荷遮断を手順909にて行う。
【0030】
次に(2)のケースの場合を図10を用いて説明する。自地域内の発電量と負荷量を手順1001にて比較した結果負荷量が不足している場合、これは隣接している他地域に自地域内より電力を調達しなければならない場合である。その場合、まず自地域内のIPPの調整が可能かどうかを手順1002で判定する。これが可能である場合は手順1003にて自系統内のIPP発電機に出力変動要請を行い自系統内の需給バランスを確保する。IPPの調整が不可能である場合は自地域内に接続している他地域があるかを手順1004にて検出する。さらに手順1005にて隣接している他地域へ電力融通が可能であるかを他地域の情報を取得してその可否を決定する。隣接する他地域への電力供給が不可能である場合は手順1007に進む。隣接する他地域への電力供給が可能である場合は手順 1006にて隣接地域に発電量を送る。その一方でもし手順1005にて条件を満たす他地域が見つけられなかった場合は、引き続き他地域との協調により監視点潮流量を一定に保つため手順1007にて自地域内の発電設備の一部あるいはすべてを受け入れることが可能な他地域を探索する。このことが可能である場合には手順1008にて自地域内の開閉器を操作して発電設備を切り離し他地域に接続する。このことが不可能である場合は、自地域に存在する負荷にデータベース103にて設定されている優先順位の高い順から監視点の値が設定値になるように電源制限を手順1009にて行う。
【0031】
以上述べた実施例では制御の順番が予めIPP,地域間電力融通,負荷切替え,電制,負荷制の順番であったが、この順番が制御実行時の状況を考慮してこれ以外の任意の組みあわせであっても構わない。
【0032】
以上の本発明の疎結合電力系統制御装置の第二の実施例を用いて、制御範囲を系統状況を見ながら柔軟に変更することにより、これまで同時に考慮されていなかった電圧安定度,高調波対策等の複数指標のトレードオフを満足する電力系統の制御、すなわち安定した電力供給が可能となる。この実施例は第一の実施例と異なり最適化計算を行わないため制御解が確実に求められることになり、制御の信頼性が増すこととなる。特に第二の実施例は第一の実施例での同等の効果をリアルタイム制御にて行う際に有効である。
【0033】
第三の実施例は第一の実施例での状態評価装置での状態評価を将来時間断面にわたって行う例である。将来時間断面にわたって行う場合には将来系統予測が必要となる。この方法はデータベース103中に格納されている過去の履歴データと、第一の実施例で推定した現在の系統状態をもとに将来時点の系統状態を予測して将来時点での地域系統の各種物理量と前記状態監視指標を算出する方法が適している。本方法については以下の公知例に詳細が述べられている。
【0034】
中島,大久保,松本,石田,田村,次期中央給電指令所向け数時間先潮流状態予測(DPF)システムの開発.電気学会全国大会,1995,1291。
【0035】
以上の本発明の疎結合電力系統制御装置の第三の実施例を用いて、将来予測を用いた系統制御を行うことにより、系統状態の急変時にも安定した電力供給が可能となる。また、第三の実施例を系統運用計画立案にも用いることが可能であるため、将来の分散型電源の導入計画を見ながら、分散型電源導入による問題点を予め解決するための補償設備の導入計画立案に用いることが可能となるため、将来時点での効率的な設備投資が可能となる。
【0036】
【発明の効果】
以上のように本発明の疎結合電力系統制御装置では、地域系統内における電力系統の特徴を表す物理量を該地域系統より収集するデータ収集装置,前記データ収集装置で収集した情報を格納するデータベース,前記データ収集装置とデータベースの情報をもとに該地域系統の状態を評価する状態評価装置,各地域毎の状態評価結果と前記物理量をもとに作成する電力系統の目的関数を他地域系統と協調して最適化する開閉器操作指令信号を発生する制御計算装置,前記制御計算装置での計算結果を該地域系統中の制御設備と他地域系統の制御設備に指令を行う制御指令装置を有するので、複数の目的関数のトレードオフを考慮しながら、常に安定した電力供給を全体系統にて実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の代表的実施例を表す図面。
【図2】データベースのデータ格納の一例。
【図3】最適化手法を用いて解く場合のフローチャート。
【図4】他地域と協調をとりながら制御を実行する場合のフローチャート。
【図5】モデル例を表す図である。
【図6】モデル例を表す図である。
【図7】モデル例を表す図である。
【図8】モデル例を表す図である。
【図9】制御計算装置のロジックを用いる実施例で発電量が過剰である場合を表す図面。
【図10】制御計算装置のロジックを用いる実施例で負荷量が過剰である場合を表す図面。
【符号の説明】
101…制御対象となる電力系統、102…データ収集装置、103…データベース、104…状態評価装置、105…制御変数決定装置、106…制御計算装置、107…制御指令装置、111,112,113…地域系統、151〜 160…開閉器、201…設備データベース格納の一例、202…系統中の物理量に関するデータベース格納の一例、203…制御可能設備に関するデータベースの一例、204…監視点に関するデータベースの一例、205…電制負荷制実行優先順位に関するデータベースの一例、301…必要データ読み込み手順、 302…制約条件設定手順、303…係数行列作成手順、304…右辺作成手順、305…分解代入計算手順、306…収束判定手順、307…制約違反判定手順、308…ペナルティ設定手順、401…他地域設備探索手順、402…設備存在手順、403…設備制御可能判定手順、404…設備遮断手順、405… 設備制御手順、406…設備格納手順、407…newton法の定式化手順、408…解を求める手順、409…計算解存在判定手順、410…系統操作指令手順、501,502,503,504,505,701,702,703…地域、 511,512,513,514,515,516,517,711,712,713,714,715,716…送電設備、521,522,523,721,722,723…変電所、731,732,733,734,735…電圧無効電力調整設備、901,1001…地域系統内需給バランス判定手順、902,1002…IPP出力変化可能判定手順、903,1003…IPP出力調整手順、904,1004…隣接地域検出手順、905,1005…電力供給判定手順、906,1006…発電量融通手順、907,1007…負荷切り離し可能判定手順、908,1008…負荷切替手順、909…負荷遮断手順、1009…電制実行手順。
Claims (2)
- 任意の数のエネルギー消費設備と任意の数のエネルギー発生設備と送配電設備からなる複数地域系統が連系開閉器を介して送電設備で結合された電力系統において、該地域系統内における電力系統の特徴を表す物理量を該地域系統より収集するデータ収集装置、前記データ収集装置で収集した情報を格納するデータベース、前記データ収集装置とデータベースの情報をもとに該地域系統の状態を評価する状態評価装置、各地域毎の状態評価結果と前記物理量をもとに作成する電力系統の電圧不平衡度,高調波発生度,周波数変動,系統地域内の負荷特性,短絡電流,電圧安定度,過渡安定度,発電コスト,設備運用コストのいずれかの複数の指標を目的関数として他地域系統と協調して最適化する開閉器操作指令信号を発生する制御計算装置、前記制御計算装置での計算結果を該地域系統中の制御設備と他地域系統の制御設備に指令を行う制御指令装置を有する疎結合電力系統制御装置。
- 任意の数のエネルギー消費設備と任意の数のエネルギー発生設備と送配電設備からなる複数地域系統が連系開閉器を介して送電設備で結合された電力系統において、該地域系統内における電力系統の特徴を表す物理量を該地域系統より収集するデータ収集装置、前記データ収集装置で収集した情報を格納するデータベース、前記データ収集装置とデータベースの情報をもとに該地域系統の状態を評価する状態評価装置、過去の履歴データと前記状態評価装置から、将来時点での系統状態と電圧不平衡度,高調波発生度,周波数変動,系統地域内の負荷特性,短絡電流,電圧安定度,過渡安定度,発電コスト,設備運用コストのいずれかの系統指標を予測し、各地域毎の状態評価結果と前記物理量をもとに作成する電力系統の電圧不平衡度,高調波発生度,周波数変動,系統地域内の負荷特性,短絡電流,電圧安定度,過渡安定度,発電コスト,設備運用コストのいずれかを目的関数として他地域系統と協調して最適化する開閉器操作指令信号を発生する制御計算装置、前記制御計算装置での計算結果を該地域系統中の制御設備と他地域系統の制御設備に指令を行う制御指令装置を有する疎結合電力系統制御装置。
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