JP3591062B2 - 顕微鏡用ランプハウス - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、顕微鏡のステージ上に載置された試料に対して光を照射するための顕微鏡ランプハウスに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の顕微鏡用ランプハウスの構造としては、概ね次に示す二通りのものが知られている。先ず一つは、図4に示すランプハウスであり、顕微鏡本体100のベース部に対して取り付け部101を差し込むことにより固定されるケーシング102の内部に、ハロゲンランプからなる光源103を備えている。ケーシング102は略直方体形状をなしており、その底面104に光源103を垂直に立てて配置した構成になっている。光源103から出される照明光の光軸105は水平方向に向けられており、その光軸105は取り付け部101の中を通って顕微鏡本体100内に(図4において左向きに)指向している。光源103の正面には、コレクタレンズ107が設けられており、光源103から出た照明光は、このコレクタレンズ107で平行光の光束とされて、顕微鏡本体100内に送り込まれ、顕微鏡本体100内において図示しないステージ上に載置された試料に照射されるようになっている。顕微鏡本体100のベース部には、ステージを昇降させるための粗微動ハンドルの動力軸109が貫通して設けられているのが一般である。そして、ランプハウスから顕微鏡本体100内に入った照明光は、その動力軸109の下側をくぐるようにして顕微鏡本体100のベース部に導入されている。
【0003】
他の一つは、図5に示すランプハウスであり、同様に顕微鏡本体のベース部に対して取り付け部110を差し込むことにより固定される略直方体形状のケーシング111の内部に、ハロゲンランプからなる光源112を備えている。但し、この図5に示すランプハウスは、ケーシング111の横の側面111aに光源112を水平に寝かせて取り付けている。光源112から出た照明光の光軸113は、取り付け部110の中を通って顕微鏡本体内に(図5において紙面に垂直に)指向されている。こうして、取り付け部110の中を通って顕微鏡本体内に入った照明光は、図4の場合と同様に、顕微鏡本体のベース部に設けられた粗微動ハンドルの動力軸114の下側をくぐって顕微鏡本体内に導入されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
以上のようなランプハウスにあっては、光源から出た照明光が粗微動ハンドルの動力軸にぶつからないようにする必要がある。しかし、図4に示すランプハウスのようにケーシング102の底面104に光源103を垂直に立てて配置したものは、光源103の大きさや高さが規格で一定に定まっているため、光源103が底面104からある一定の高さ以上になることは避けられない。このため、図4に示すランプハウスは、照明光の光軸をあまり下げることができず、動力軸に照明光がぶつかるのを避けるために顕微鏡の粗微動ハンドルの位置を通常よりも高く設定していた。ところが、粗微動ハンドルの位置を高くすると、粗微動ハンドルの操作がしづらくなるという問題を生じた。
【0005】
また、図5に示すランプハウスのようにケーシング111の横の側面111aに光源112を水平に寝かせて取り付けたものは、顕微鏡写真を撮影する場合に、光源112として用いられるハロゲンランプのフィラメントの長手方向と、カメラ内のフィルムの長手方向が一致しないという問題がある。このため、図5に示すランプハウスを用いて顕微鏡写真を撮影した場合は、写真に照明むらを生ずる心配があった。
【0006】
本発明の目的は、ランプハウスから照射される光の光軸の高さ位置を低くでき、かつ、顕微鏡写真を撮影した場合にも照明むらを生じないような顕微鏡用ランプハウスを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、「顕微鏡本体のベース部に取り付け可能なケーシングと、
前記ケーシングの内部に配置され、長手方向を有する光源を備えた顕微鏡用ランプハウスにおいて、 前記光源が発する照明光は鉛直下向き方向に照射するものであり、前記ケーシング内には前記照明光を前記顕微鏡本体方向に指向する水平方向の光軸を有する光に偏向する偏向手段を備え、 前記光源は、前記光源の長手方向と前記偏向手段で偏向した光の光軸方向が一致するように配置され、前記偏向手段は、前記偏向手段により偏向された光が前記顕微鏡本体のベース部に設けられたステージを昇降させるための動力軸と交差しないように照明光を前記顕微鏡本体内に導く位置に設置されることを特徴とする顕微鏡用ランプハウス(請求項1)」を提供する。
また、本発明は、「前記光源は、前記ケーシング内部における前記顕微鏡本体側又は前記顕微鏡本体に対向する側又は前記ケーシング内の上部に設置されることを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡用ランプハウス。(請求項2)」を提供する。
また、本発明は、「前記ケーシングの上部を取り外し自在な蓋体で構成し、前記光源を前記蓋体に取り付けた請求項1又は2に記載の顕微鏡用ランプハウス。(請求項3)」を提供する。
また、本発明は、「前記請求項1乃至3の何れか 1 項に記載の顕微鏡用ランプハウスを有することを特徴とする顕微鏡。(請求項4)」を提供する。
【0008】
この顕微鏡用ランプハウスにおいて、前記ケーシングの上部を取り外し自在な蓋体で構成し、前記光源を前記蓋体に取り付けることが可能である。また、前記顕微鏡本体に前記ケーシングを取り付けた際および/または前記ケーシングに前記蓋体を取り付けた際に前記光源に通電させる電源手段を設けることが可能である。
【0009】
本発明によれば、光源から鉛直下向き出された照明光を、ケーシングの底部に配置した偏向手段で偏向させることにより、光軸の低い状態で顕微鏡本体内に照明光を送り出すことができる。また、本発明のランプハウスは光源として用いられるハロゲンランプのフィラメントの長手方向を、顕微鏡写真を撮影する際のフィルムの長手方向と一致させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第一の実施の形態にかかるランプハウスの断面図である。
床面1の上に設置された顕微鏡本体2のベース部に対して取り付け部3を差し込むことにより、ランプハウス4のケーシング5が顕微鏡本体2に対して取り付けられている。ケーシング5は略直方体形状をなしており、その上部は取り外し自在な蓋体6に構成されている。ケーシング5の内部において、顕微鏡本体2に対向する平面8(図示の形態では、顕微鏡本体2と向かい合う側面)には、ハロゲンランプからなる光源10が水平に取り付けられている。図示の形態では、光源10は蓋体6の内面に取り外し自在に支持されており、ケーシング5から蓋体6を取り外すと、蓋体6と一緒に光源10もケーシング5内から取り出すことができるように構成されている。また、光源10は、光源10から出る照明光の光軸11を鉛直下向きに指向させるように配置されている。
【0011】
蓋体6には光源10に電源を給電するためのプラグ12が設けられている。一方、顕微鏡本体2には、そのプラグ12に対応するソケット13が設けられており、顕微鏡本体2が備えているメインの電源からこのソケット13に照明用の電源が供給されている。そして、蓋体6をケーシング5に取り付けると、同時にソケット13にプラグ12が差し込まれ、光源10に電源が給電されて点灯する構成になっている。
【0012】
ケーシング5の底部には、照明光を偏向させる偏向手段としてのミラー15が、光源10の真下位置において水平面に対し斜め45゜に傾いた状態で配置されている。このミラー15と光源10との間にはコレクタレンズ16が設けられており、光源10より出た照明光は、このコレクタレンズ16で平行光の光束とされてから、ミラー15で反射される。このミラー15で反射した照明光は、図1中左向きに指向する水平方向の光軸17を有しており、照明光は取り付け部3の中を通って顕微鏡本体2内に入るようになっている。なお、反射後の照明光の光軸17の高さ位置がケーシング5内においてなるべく低くなるように、ミラー15は、ケーシング5内のなるべく低い位置に配置されている。顕微鏡本体2のベース部には、ステージを昇降させるための粗微動ハンドルの動力軸18が貫通して設けられており、こうしてランプハウス4から顕微鏡本体2内に入った照明光は、その動力軸18の下側をくぐるようにして顕微鏡本体2のベース部に導入され、図示しないステージ上に載置された試料に照射される。
【0013】
以上のように構成された第一の実施の形態にかかるランプハウス4にあっては、顕微鏡本体2にケーシング5を取り付けた状態で蓋体6をケーシング5に取り付けると、同時にソケット13にプラグ12が差し込まれる。そして、不図示の電源スイッチをオンにすると、光源10は照明光を発する。光源10から出された照明光はコレクタレンズ16で平行光の光束とされた後、ミラー15で反射される。反射後、照明光は図1中左向きに指向し、低い光軸17を備えた状態で取り付け部3の中を通り、動力軸18の下側をくぐって顕微鏡本体2のベース部に導入される。こうして、光源10から出された照明光によって顕微鏡本体2の図示しないステージ上に載置された試料を照射することができる。
【0014】
そして、光源10が顕微鏡本体2に対向する平面8に取り付けられたことにより、光源10として用いられるハロゲンランプのフィラメントの長手方向を、顕微鏡写真を撮影する際のフィルムの長手方向と一致させることができるようになる。なお、図1に示した実施の形態では、光源10を顕微鏡本体2に対向する平面8に取り付けた場合を説明したが、当該平面8に対峙する平面7に取り付けても同様の作用効果を享受することが可能である。また、図2に示すように、ランプハウス4(蓋体6)の上面下方に取付部材30を設けて、取付部材30において顕微鏡本体2に対向する平面31を形成し、その平面31に光源10を配置しても、図1に示した実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0015】
本実施の形態では、光源10の交換の必要が生じたような場合、電源スイッチをオフにせずにケーシング5から蓋体6を取り外しても、同時にソケット13からプラグ12が抜き取られ、通電状態は解除される。また、光源10は蓋体6の内面に支持されているので、このようにケーシング5から蓋体6を取り外すことによって、同時に光源10をケーシング5内から取り出すことができる。こうして、蓋体6から古い光源10を外し、代わりに新しい光源10に交換することにより、容易に修理などを行うことができる。
【0016】
次に、図3は、本発明の第二の実施の形態にかかるランプハウスの断面図である。この第二の実施の形態にかかるランプハウス4においては、蓋体6には光源10に電源を給電するためのプラグ20が設けられている。また、ケーシング5にはプラグ20に対応するソケット21と、ソケット21に電源を給電するためのプラグ22が設けられている。更に、顕微鏡本体2には、プラグ22に対応するソケット23が設けられており、顕微鏡本体2が備えているメインの電源からこのソケット23に照明用の電源が供給されている。そして、ケーシング5を顕微鏡本体2に取り付けると、同時にソケット23にプラグ22が差し込まれて、ソケット21に電源が給電されるようになっている。また、このようにケーシング5を顕微鏡本体2に取り付けた状態で蓋体6をケーシング5に取り付けると、同時にソケット21にプラグ20が差し込まれて、光源10に電源が給電され、光源10が点灯する構成になっている。なお、第二の実施の形態における他の構成は、先に図1で説明した第一の実施の形態と同様であるので、図3において図1と同じ構成要素については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0017】
この第二の実施の形態にかかるランプハウス4にあっては、顕微鏡本体2にケーシング5を取り付けると、同時にソケット23にプラグ22が差し込まれて、ソケット21に電源が給電されるようになる。そして、このように顕微鏡本体2にケーシング5を取り付けた状態で蓋体6をケーシング5に取り付けると、ソケット21にプラグ20が差し込まれ、光源10を点灯することができる。また、この第二の実施の形態にかかるランプハウス4は、予め蓋体6をケーシング5に取り付けることによって、ソケット21にプラグ20を差し込んだ状態としておき、その後、顕微鏡本体2にケーシング5を取り付けることによっても、光源10を点灯することができる。
【0018】
そして、光源10を消灯する場合や光源10を交換するような場合は、先に説明した第一の実施の形態の場合と同様に、ケーシング5から蓋体6を取り外すと、同時にソケット22からプラグ21が抜き取られ、通電状態が解除される。
また、この第二の実施の形態のランプハウス4によれば、図3のようにケーシング5に蓋体6を取り付けた状態で、ケーシング5を顕微鏡本体2から取り外しても、プラグ20、22およびソケット21、23を破損しないといった利点がある。即ち、第一の実施の形態にあっては、図1のようにケーシング5に蓋体6を取り付けた状態で、いきなりケーシング5を顕微鏡本体2から取り外すと、互いに嵌合しているプラグ12とソケット13を破損する心配がある。従って、第一の実施の形態にあっては、顕微鏡本体2からランプハウス4を取り外す際には、逆に先ず蓋体6をケーシング5から取り外し、その後、ケーシング5を顕微鏡本体2から取り外す必要がある。また、顕微鏡本体2にランプハウス4を装着するに際しては、先ず蓋体6を取り外した状態でケーシング5を顕微鏡本体2に取り付け、その後、蓋体6をケーシング5に取り付ける必要がある。これに対して、この第二の実施の形態のランプハウス4は、そのような手順の制約に従うことなくランプハウス4の取り外しと装着ができるといった利点がある。
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、照明光の光軸の高さ位置を低くできるので、粗微動ハンドルの動力軸が低くても、問題なく照明光を顕微鏡本体に送ることができるようになる。そして、光源の長手方向が顕微鏡写真を撮影する際のフィルムの長手方向と一致しているので、顕微鏡写真を撮影した場合に、写真に照明むらを生ずる心配がない。
【0020】
特に請求項2によれば、蓋体を取り外すだけで光源の交換ができるようになり、メンテナンス性が向上する。また、請求項3によれば、顕微鏡本体からケーシングを取り外した際やケーシングから蓋体を取り外した際に確実に電源が切れるので、安全性が保たれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態に係る顕微鏡用ランプハウスを示す断面図である。
【図2】本発明の第一の実施の形態の変形例を示す図である。
【図3】本発明の第二の実施の形態に係る顕微鏡用ランプハウスを示す断面図である。
【図4】光源がケーシングの底面に垂直に立てられている従来の顕微鏡用ランプハウスを示す断面図である。
【図5】光源がケーシングの側面に横向きの状態で取り付けられている従来の顕微鏡用ランプハウスを示す断面図である。
【符号の説明】
2 顕微鏡本体
4 ランプハウス
5 ケーシング
6 蓋体
7 顕微鏡本体2に最も近接する側面
8 側面7と対峙する側面
10 光源
11、17 光軸
12 プラグ
13 ソケット
15 ミラー
Claims (4)
- 顕微鏡本体のベース部に取り付け可能なケーシングと、
前記ケーシングの内部に配置され、長手方向を有する光源を備えた顕微鏡用ランプハウスにおいて、
前記光源が発する照明光は鉛直下向き方向に照射するものであり、前記ケーシング内には前記照明光を前記顕微鏡本体方向に指向する水平方向の光軸を有する光に偏向する偏向手段を備え、
前記光源は、前記光源の長手方向と前記偏向手段で偏向した光の光軸方向が一致するように配置され、
前記偏向手段は、前記偏向手段により偏向された光が前記顕微鏡本体のベース部に設けられたステージを昇降させるための動力軸と交差しないように照明光を前記顕微鏡本体内に導く位置に設置されることを特徴とする顕微鏡用ランプハウス。 - 前記光源は、前記ケーシング内部における前記顕微鏡本体側又は前記顕微鏡本体に対向する側又は前記ケーシング内の上部に設置されることを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡用ランプハウス。
- 前記ケーシングの上部を取り外し自在な蓋体で構成し、前記光源を前記蓋体に取り付けた請求項1又は2に記載の顕微鏡用ランプハウス。
- 前記請求項1乃至3の何れか 1 項に記載の顕微鏡用ランプハウスを有することを特徴とする顕微鏡。
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JP17198495A JP3591062B2 (ja) | 1995-07-07 | 1995-07-07 | 顕微鏡用ランプハウス |
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JP17198495A JP3591062B2 (ja) | 1995-07-07 | 1995-07-07 | 顕微鏡用ランプハウス |
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JPH0921956A JPH0921956A (ja) | 1997-01-21 |
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ID=15933384
Family Applications (1)
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JP17198495A Expired - Lifetime JP3591062B2 (ja) | 1995-07-07 | 1995-07-07 | 顕微鏡用ランプハウス |
Country Status (1)
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---|---|---|---|---|
JP4534177B2 (ja) * | 1999-07-02 | 2010-09-01 | 株式会社ニコン | 正立顕微鏡 |
-
1995
- 1995-07-07 JP JP17198495A patent/JP3591062B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH0921956A (ja) | 1997-01-21 |
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