JP3590718B2 - 誘導コイルによる加熱機構を備えた成形装置 - Google Patents

誘導コイルによる加熱機構を備えた成形装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、合成樹脂等の成形加工の際に成形物を加熱するための加熱機構を備えた成形型の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
スタンピング成形、射出成形、スラッシュ成形、ブロー成形等の合成樹脂の成形装置においては、所望の成形を行うために成形型に加熱機構を設けたものがある。このような加熱を速やかに行うものとしては、例えば特開昭62−122086号公報に示すように、誘導コイルに交番電流を与え電磁誘導により鉄またはニッケルのような高抵抗体よりなる成形型に渦電流を誘起し、この渦電流のジュール熱により成形型を加熱する技術がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
誘導コイルにより交番電流を与えて電磁誘導により成形型などに渦電流を誘起する場合には、誘導コイルに電磁機械的反力が加わる。誘導コイルには通常サイリスタインバータにより交番電流が与えられるが、この交番電流は方形波であり高調波成分が多いので、誘導コイルの加わる電磁機械的反力が大きくなる。このために誘導コイルの各巻き線の間、あるいは誘導コイルと成形型などの被加熱部分との間に力が加わり、それらの間の絶縁材料が破損して絶縁不良の原因になったり、誘導コイルが被加熱部分から外れたりするという問題がある。
【0004】
また、加熱範囲を広げるために複数の誘導コイルを用いた場合には、被加熱部分の多少の形状寸法の違いなどにより、加熱される各部分の温度に差が生じるという問題がある。これを解決するには各誘導コイル毎に交番電流の電源を設けて、それぞれの出力を各部分の検出温度により制御することも考えられるが、設備が複雑かつ高価になるという問題がある。
【0005】
本発明はこのような各問題を解決して、この種の誘導コイルによる加熱機構を備えた成形装置における電磁機械的反力による破損を防止し、また設備を簡単かつ安価にすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明による誘導コイルによる加熱機構を備えた成形装置は、合成樹脂等を成形するための金属製の成形型と、この成形型の成形面と反対側となる裏面に設けられトランジスタインバータからの略正弦波形の交番電流が与えられて同成形型を加熱する誘導加熱コイルと、成形型の誘導加熱コイルにより加熱される部分の温度を検出する温度センサと、トランジスタインバータの出力を出力開始時には低電圧,低周波数でそれより所定時間以上経過後は温度センサにより検出される温度が予め定められた所定温度となりかつ出力電圧と出力周波数の比がほゞ一定となるように制御するコントローラよりなる誘導コイルによる加熱機構を備えた成形装置において、誘導加熱コイルは成形型の成形面と反対側となる裏面の複数箇所に設けられる複数個として1個のトランジスタインバータからの交番電流がそれぞれ与えられ、温度センサは各誘導加熱コイルに対応する複数個としてそれぞれ成形型の各誘導加熱コイルにより加熱される各部分の温度を検出し、各誘導加熱コイルとトランジスタインバータとの間にはそれぞれマグネットスイッチを設け、コントローラは各マグネットスイッチに対応して設けられ対応する各温度センサにより検出される各温度が予め定められた所定温度よりも高くならないように対応する各マグネットスイッチを開閉制御する複数のサブコントローラを備え、この各サブコントローラのうちの1個はそれに対応する温度センサにより検出される温度が予め定められた所定温度となるようにトランジスタインバータの出力を制御することを特徴とするものである。
【0007】
コントローラはトランジスタインバータの出力をこのように制御するので、温度センサにより検出される温度は予め定められた所定温度となり、また誘導加熱コイルに与えられる交番電流は略正弦波形でありまた交番電流に過渡的な変化が生じやすい出力開始時には低電圧,低周波数としているので誘導加熱コイルに加わる電気磁気的反力は小さくなる。また複数の誘導加熱コイルに1個のトランジスタインバータからの交番電流を与えており、前述の各作用に加え、複数のサブコントローラは各温度センサにより検出される温度が予め定められた所定温度よりも高くならないように各誘導加熱コイルとトランジスタインバータとの間に設けた各マグネットスイッチを開閉制御する。
【0008】
請求項1(前項)の発明における1個のサブコントローラは、トランジスタインバータからの出力が継続して与えられた場合、各温度センサにより検出される温度の何れもが予め定められた所定温度以下にはならないように、トランジスタインバータを制御するものとするのが好ましい。
【0009】
請求項1の発明におけるトランジスタインバータは、1個のサブコントローラによる出力の制御を行う代わりに、その出力が継続して与えられた場合に各温度センサにより検出される最終到達温度が全て所定温度を越えるような余裕を持った固定出力としてもよい。
【0010】
請求項1の発明における複数のマグネットスイッチは、トランジスタインバータからの出力が継続して与えられた場合に各温度センサにより検出される最終到達温度が最も低い部分に対応する誘導加熱コイルに設けたものを省略し、サブコントローラのうちこの部分に対応するものはこれと対応する温度センサにより検出される温度が予め定められた所定温度となるようにトランジスタインバータの出力を制御するものとするのが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
先ず図1により本発明の前提となる誘導コイルによる加熱機構を備えた成形装置の基本的構造の説明をする。この基本的構造の成形装置は互いに接近離隔可能な1対の成形型10,15を有している。上型となる成形型10の下面には成形面11が形成され、下型となる成形型15の上面には成形面11と対向する成形面16が形成され、成形型15はベッド上に固定され、成形型10は昇降可能である。図1に示す最接近状態では、両成形面11,16の間に合成樹脂製品を成形するためのキャビティCが形成されている。この基本的構造の成形型10,15の素材は、鉄またはニッケルなどの高抵抗体である。
【0012】
成形面11と反対側となる成形型10の裏面(上面)12には、多少の間をおいて誘導加熱コイル14が取り付けられている。誘導加熱コイル14は渦巻状に巻回した平板状のコイルを複数枚重ねて直列接続したものである。この誘導加熱コイル14にはトランジスタインバータ20から略正弦波形の交番電流が与えられ、成形型10には電磁誘導により渦電流が誘起され、この渦電流のジュール熱により成形型10は加熱される。成形型10の加熱される部分の裏面12には、細い孔状の凹部13が形成され、この凹部13内には温度センサ25が挿入されている。コントローラ21はこの温度センサ25により検出される被加熱部分の温度が、合成樹脂の成形に必要な予め定められた所定温度となるように、トランジスタインバータ20の出力を制御するものであり、この制御はトランジスタインバータ20と誘導加熱コイル14の間のインピーダンスマッチングをとるために、すなわち誘導加熱コイル14がトランジスタインバータ20に対し常に整合された負荷となるように、トランジスタインバータ20の出力電圧と出力周波数の比がほゞ一定となるようにしている。なお、トランジスタインバータ20から誘導加熱コイル14への出力開始時には、誘導加熱コイル14に与えられる交番電流の過渡的な変化により誘導加熱コイル14に加わる電磁機械的反力が増大するのを防ぐために、トランジスタインバータ20の出力を低電圧,低周波数とし、出力電圧と出力周波数の比をほゞ一定に保ちながら連続的または段階的に出力を増大させて、出力開始時から少時間経過後に前述のような制御を行うようにしている。
【0013】
上述した基本的構造の成形装置により合成樹脂発泡体を成形する場合には、上型である成形型10を上昇させた状態で、発泡剤(例えばアゾジカルボンアミド系のもの)が混練された所定量(キャビティCの容積よりも少ない量)の未発泡の溶融状態の合成樹脂材料(例えばポリオレフィン系のもの)を下型である成形型15の上に置き、成形型10を下降させ最接近状態として型締めをする。この型締めと前後してトランジスタインバータ20は誘導加熱コイル14に略正弦波形の交番電流を与えて成形型10を誘導加熱し、その出力は前述のように、出力開始時から少時間経過後に、温度センサ25により検出される温度が合成樹脂の発泡のために必要な予め定められた所定温度(例えば160℃)となるように、コントローラ21により制御される。合成樹脂が発泡してキャビティC内に充填されるのに必要な予め定められた所定時間が経過すれば、トランジスタインバータ20は誘導加熱コイル14への交番電流の供給を停止する。そして成形型10,15が冷却して発泡した合成樹脂が硬化してから成形型10を上昇させて、成形された合成樹脂発泡体を取り出す。
【0014】
上述した基本的構造では、発泡剤が混練された溶融状態の合成樹脂材料は所定温度に加熱されるので発泡は所望の通り行われ、また誘導加熱コイル14に与えられる交番電流は略正弦波形であるので誘導加熱コイル14に加わる電気磁気的反力は小さくなる。また、誘導加熱コイル14への出力開始時には、トランジスタインバータ20の出力を低電圧,低周波数としているので、トランジスタインバータ20からの交番電流の過渡的変化により誘導加熱コイル14に加わる電気磁気的反力が大きくなることはない。従って、誘導加熱コイル14に加わる電気磁気的反力は小さくなるので、誘導コイルの各巻き線の間、あるいは誘導コイルと成形型との間に加わる力が小さくなり、それらの間の絶縁材料が破損して絶縁不良を生じたり、誘導コイルが成形型から外れたりするおそれはない。
【0015】
図2は、図1に示す基本的構造における、成形型10の誘導加熱コイル14により誘導加熱される部分の変形例を示す。この変形例の成形型10の素材はアルミニウム鋳物のような低抵抗体であり、その裏面12には鉄等の高抵抗体を素材とする厚板状のブロック18が熱伝達可能に密着固定されている。細い孔状の凹部13はブロック18を貫通して成形型10内に達しており、この凹部13内には温度センサ25が差し込まれている。トランジスタインバータ20及びコントローラ21並びにこれらと誘導加熱コイル14及び温度センサ25との接続関係は、図1に示すのと同一である。
【0016】
トランジスタインバータ20は誘導加熱コイル14に略正弦波形の交番電流を与えてブロック18を誘導加熱し、このブロック18からの熱伝達により成形型10は加熱される。その他の作用は図1の基本的構造で説明したのと同一であるので、詳細な説明は省略する。
【0017】
以上に説明した基本的構造は、成形型10を1個の誘導加熱コイル14により誘導加熱するものであるが、図3に示す本発明の実施の形態は、1個のトランジスタインバータ20aから交番電流が与えられる3個の誘導加熱コイル14a,14b,14cにより成形型10を誘導加熱するものである。このようにした場合は、各誘導加熱コイル14a,14b,14cにより誘導加熱される各部分の温度は、そのままでは独立して制御することはできないが、この実施の形態では独立して制御することができるようになっている。以下にその詳細を説明する。
【0018】
の実施の形態も、図1に示す基本的構造と同様、1対の成形型を有しているが、図3では上型となる成形型10だけを示している。成形面11と反対側となる成形型10の裏面12には、多少の間をおいて3個の誘導加熱コイル14a,14b,14cが並んで取り付けられている。各誘導加熱コイル14a,14b,14cの構造は、図1に示す基本的構造の誘導加熱コイル14と同じである。各誘導加熱コイル14a,14b,14cは、全体としてコントローラ21を構成する3個のサブコントローラ21a,21b,21cによりそれぞれ開閉されるマグネットスイッチ22a,22b,22cを介して、1個の三相式のトランジスタインバータ20aに接続されている。従って、各誘導加熱コイル14a,14b,14cは、対応するマグネットスイッチ22a,22b,22cが閉じている場合にのみトランジスタインバータ20aからの交番電流が与えられて、成形型10の対応する部分が誘導加熱される。成形型10の裏面12には、各誘導加熱コイル14a,14b,14cによりそれぞれ誘導加熱される部分に、3個の細い孔状の凹部13a,13b,13cが形成され、この各凹部13a,13b,13c内にはそれぞれ温度センサ25a,25b,25cが設けられている。
【0019】
各サブコントローラ21a,21b,21cは、各温度センサ25a,25b,25cにより検出される各温度が予め定められた所定温度よりも高くならないように、各マグネットスイッチ22a,22b,22cを開閉制御するものである。またサブコントローラ21a,21b,21cのうちのひとつ21bは、これに対応する誘導加熱コイル14bにより誘導加熱される部分の成形型10の温度を温度センサ25bにより検出して、トランジスタインバータ20aの出力を制御するものであるが、この場合の出力の制御は、トランジスタインバータ20aからの出力が継続して与えられた場合に、各温度センサ25a,25b,25cにより検出される温度の何れもが予め定められた所定温度以下にならないようになされる。この制御はテスト運転等により予め調べた、各温度センサ25a,25b,25cにより検出される温度の間の相互関係に基づいて行えばよい。以上に述べた以外の構成は、に述べた基本的構造と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0020】
この実施の形態の成形装置により合成樹脂発泡体を成形する場合の作動は、トランジスタインバータ20aから誘導加熱コイル14a,14b,14cに与えられる交番電流の制御を除き、図1に示す基本的構造と同様である。
【0021】
の実施の形態でも、型締めと前後してトランジスタインバータ20aは、作動の初期には全て閉じている各マグネットスイッチ22a,22b,22cを介して、各誘導加熱コイル14a,14b,14cに略正弦波形の交番電流を与えて成形型10の対応する部分を誘導加熱する。この加熱により各部分の温度は上昇するが、例えば温度センサ25cにより検出される温度が先ず合成樹脂の発泡のために必要な予め定められた所定温度(例えば160℃)に達したとすれば、サブコントローラ21cは対応するマグネットスイッチ22cを開き、誘導加熱コイル14cによる成形型10の誘導加熱を停止する。同様に、温度センサ25aまたは25bにより検出される温度が所定温度に達すれば、サブコントローラ21aまたは21bはそれぞれマグネットスイッチ22aまたは22bを開いて誘導加熱コイル14aまたは14bによる成形型10の加熱を停止する。
【0022】
また各部分の加熱の停止により各部分の温度は低下するが、各温度センサ25a,25bまたは25cにより検出される温度が所定温度まで低下すれば、その都度サブコントローラ21a,21b,21cはマグネットスイッチ22a,22b,22cを閉じて、対応する誘導加熱コイル14a,14b,14cによる成形型10の誘導加熱を開始する。これにより各誘導加熱コイル14a,14b,14cにより誘導加熱される部分は、何れも所定温度に保たれる。
【0023】
トランジスタインバータ20aの出力は前述のように制御されているので、温度センサ25a,25b,25cの何れかの検出温度が所定温度以下となって対応するマグネットスイッチ22a,22b,22cが閉じたにも拘らず、対応する誘導加熱コイル14a,14b,14cによる成形型10の誘導加熱が充分になされないことはない。なお、トランジスタインバータ20aの出力は必ずしもこのように制御する必要はなく、その出力が継続して与えられた場合に各温度センサ25a,25b,25cにより検出される最終到達温度が全て所定温度を越えるような余裕を持った固定出力としてもよい。
【0024】
の実施の形態は、3個の誘導加熱コイル14a,14b,14cを備えているので成形型10の広い範囲を所定温度に誘導加熱することができるものであるが、トランジスタインバータ20aは1個であるので設備が簡単かつ安価となり、その他の作用は図1に示す基本的構造と同様に行われる。
【0025】
図4は図3に示す実施の形態の変形例を示している。トランジスタインバータ20aからの出力が各誘導加熱コイル14a,14b,14cに継続して与えられた場合に各温度センサ25a,25b,25cにより検出される最終到達温度は、成形型10の各誘導加熱コイル14a,14b,14cを取り付ける部分の形状寸法の違いなどにより同一とはならない。この変形例では温度センサ25bにより検出される最終到達温度が最も低い値であり、この部分に対応する誘導加熱コイル14bとトランジスタインバータ20aの間のマグネットスイッチ(図3の実施の形態のマグネットスイッチ22bに相当)を省略している。また、この温度センサ25bに対応するサブコントローラ21bは、温度センサ25bにより検出される温度が合成樹脂の発泡のために必要な予め定められた所定温度(例えば160℃)となるようにトランジスタインバータ20aの出力を制御するようになっている。
【0026】
従ってこの変形例では、トランジスタインバータ20aからの出力が各誘導加熱コイル14a,14b,14cに継続して与えられた場合には、温度センサ25bにより検出される温度は常に所定温度となり、温度センサ25a及び25cにより検出される温度はそれよりも高くなる。しかしながら、温度センサ25aまたは25cにより検出される温度が上昇して所定温度に達すれば、サブコントローラ21aまたは21cはそれぞれマグネットスイッチ22aまたは22cを開いて誘導加熱コイル14aまたは14cによる成形型10の誘導加熱を停止し、この温度が低下して所定温度以下になれば、サブコントローラ21aまたは21cはそれぞれマグネットスイッチ22aまたは22cを開いて誘導加熱コイル14aまたは14cによる成形型10の誘導加熱を開始するので、各誘導加熱コイル14a,14b,14cにより誘導加熱される部分は、何れも所定温度に保たれる。
【0027】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、温度センサにより検出される温度が予め定められた所定温度となるだけでなく、誘導加熱コイルに加わる電気磁気的反力は小さくなるので、誘導コイルの各巻き線の間、あるいは誘導コイルと成形型との間に加わる力が小さくなり、それらの間の絶縁材料が破損して絶縁不良を生じたり、誘導コイルが成形型から外れたりするおそれはなくなる。また、誘導加熱コイルは複数個として1個のトランジスタインバータからの交番電流が与えられ、温度センサも複数個としてそれぞれ成形型の各誘導加熱コイルにより加熱される部分の温度を検出し、各誘導加熱コイルとトランジスタインバータとの間にはそれぞれマグネットスイッチを設け、コントローラは各マグネットスイッチに対応して設けられ対応する各温度センサにより検出される各温度が予め定められた所定温度よりも高くならないように各マグネットスイッチを開閉制御する複数のサブコントローラを備え、この各サブコントローラのうちの1個はそれに対応する温度センサにより検出される温度が予め定められた所定温度となるようにトランジスタインバータの出力を制御しているので、上述した各効果に加えて、複数の誘導加熱コイルに1つのトランジスタインバータからの交番電流を与えているので、成形型の広い範囲を所定温度に加熱することができるにも拘らず設備が簡単かつ安価となり、しかも各温度センサにより検出される温度が予め定められた所定温度よりも高くならないように各誘導加熱コイル毎にマグネットスイッチを開閉制御しているので、各誘導加熱コイルにより加熱される部分の温度が高くなり過ぎることはない。
【0028】
請求項1(前項)の発明において、トランジスタインバータからの出力が継続して与えられた場合、各温度センサにより検出される温度の何れもが予め定められた所定温度以下にはならないように、トランジスタインバータを制御したものによれば、各誘導加熱コイルにより加熱される部分の温度が低くなり過ぎることもない。
【0029】
請求項1の発明におけるトランジスタインバータを、その出力が継続して与えられた場合に各温度センサにより検出される最終到達温度が全て所定温度を越えるような余裕を持った固定出力としたものによっても、各誘導加熱コイルにより加熱される部分の温度が低くなり過ぎることもない。
【0030】
請求項1の発明における複数のマグネットスイッチのうち、トランジスタインバータからの出力が継続して与えられた場合に各温度センサにより検出される最終到達温度が最も低い部分に対応する誘導加熱コイルに設けたものを省略し、サブコントローラのうちこの部分に対応するものはこれと対応する温度センサにより検出される温度が予め定められた所定温度となるようにトランジスタインバータの出力を制御するものによれば、マグネットスイッチが1個省略されるので設備が一層簡単かつ安価となり、しかも検出される温度は丁度所定温度となるように制御される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による誘導コイルによる加熱機構を備えた成形装置の前提となる基本的構造を示す図である。
【図2】図1に示す基本的構造の一部分の変形例を示す図である。
【図3】本発明による誘導コイルによる加熱機構を備えた成形装置の実施形態を示す図である。
【図4】図3に示す実施形態の変形例を示す図である。
【符号の説明】
10…成形型、11…成形面、12…裏面、14a,14b,14c…誘導加熱コイル、20a…トランジスタインバータ、21…コントローラ、21a,21b,21c…サブコントローラ、22a,22b,22c…マグネットスイッチ、25a,25b,25c…温度センサ。

Claims (4)

  1. 合成樹脂等を成形するための金属製の成形型と、この成形型の成形面と反対側となる裏面に設けられトランジスタインバータからの略正弦波形の交番電流が与えられて同成形型を加熱する誘導加熱コイルと、前記成形型の前記誘導加熱コイルにより加熱される部分の温度を検出する温度センサと、前記トランジスタインバータの出力を出力開始時には低電圧,低周波数でそれより所定時間以上経過後は前記温度センサにより検出される温度が予め定められた所定温度となりかつ出力電圧と出力周波数の比がほゞ一定となるように制御するコントローラよりなる誘導コイルによる加熱機構を備えた成形装置において、前記誘導加熱コイルは前記成形型の成形面と反対側となる裏面の複数箇所に設けられる複数個として1個の前記トランジスタインバータからの交番電流がそれぞれ与えられ、前記温度センサは前記各誘導加熱コイルに対応する複数個としてそれぞれ前記成形型の前記各誘導加熱コイルにより加熱される各部分の温度を検出し、前記各誘導加熱コイルと前記トランジスタインバータとの間にはそれぞれマグネットスイッチを設け、前記コントローラは前記各マグネットスイッチに対応して設けられ対応する各温度センサにより検出される各温度が予め定められた所定温度よりも高くならないように対応する前記各マグネットスイッチを開閉制御する複数のサブコントローラを備え、この各サブコントローラのうちの1個はそれに対応する前記温度センサにより検出される温度が予め定められた所定温度となるように前記トランジスタインバータの出力を制御することを特徴とする誘導コイルによる加熱機構を備えた成形装置。
  2. 前記1個のサブコントローラは、前記トランジスタインバータからの出力が継続して与えられた場合、前記各温度センサにより検出される温度の何れもが予め定められた所定温度以下にはならないように、前記トランジスタインバータを制御するものである請求項に記載の誘導コイルによる加熱機構を備えた成形装置。
  3. 前記トランジスタインバータは、前記1個のサブコントローラによる出力の制御を行う代わりに、その出力が継続して与えられた場合に前記各温度センサにより検出される最終到達温度が全て所定温度を越えるような余裕を持った固定出力としてなる請求項に記載の誘導コイルによる加熱機構を備えた成形装置。
  4. 前記複数のマグネットスイッチのうち、前記トランジスタインバータからの出力が継続して与えられた場合に前記各温度センサにより検出される最終到達温度が最も低い部分に対応する前記誘導加熱コイルに設けたものを省略し、前記サブコントローラのうちこの部分に対応するものはこれと対応する前記温度センサにより検出される温度が予め定められた所定温度となるように前記トランジスタインバータの出力を制御するものである請求項に記載の誘導コイルによる加熱機構を備えた成形装置。
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