JP3589316B2 - ポリアミドイミドエステル樹脂およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は新規なポリアミドイミドエステル樹脂に関する。更に詳しくは透明性、耐熱性、成型性、接着性に優れ、低沸点アルコール系溶剤に溶解するためにフィルム、繊維、成型材料、コーテイング剤、塗料、接着剤、インキのみならず、液晶表示用の光等方性基板、位相差板、偏光フィルムのカバーフィルム、カラーフィルター用インキのバインダーやプラスチックレンズ、光デイスク用基板等に有用なポリアミドイミドエステル樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポリアミドイミド樹脂は耐熱性、機械的特性、電気絶縁性、耐薬品性などに優れるため成型材料や絶縁塗料などに応用されているが、Nメチル2ピロリドンやジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドのような吸湿性が強くて沸点の高い溶剤にしか溶解しないためポリマー溶液の保存安定性が悪くて乾燥しにくいと言った問題や、着色しているために光学用途に応用できないといった問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ポリアミドイミド樹脂の耐熱性を損なわずに、着色がきわめて少なく、汎用の低沸点溶剤に可溶なポリアミドイミドエステル樹脂およびその製造方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者等は着色と溶解性の改良について鋭意研究した結果、本発明に到達した。即ち本発明は、対数粘度が0.1dl/g以上、ガラス転移温度が120℃以上、乾燥膜厚30μでの波長500nmにおける光線透過率が75%以上であるアルコール系溶剤に溶解することを特徴とするポリアミドイミドエステル樹脂に関するものであり、その好ましい態様としてポリアミドイミド成分の主たる酸成分としてトリメリット酸無水物とシクロヘキサンジカルボン酸を含有することを特徴とするポリアミドイミドエステルであり、又、ポリアミドイミド成分のアミン残基としてジシクロヘキシルメタン及び/またはイソホロン基を含有することを特徴とするポリアミドイミドエステルであって、更に、ポリアミドイミドとポリエステルがブロック共重合体であることを特徴とするポリアミドイミドエステルであり、なかんずく、ポリアミドイミド成分が30〜95重量%であることを特徴とする前記ポリアミドイミドエステル樹脂に関するものである。更に、本発明はポリアミドイミド樹脂を合成した溶液中に、予め重合したポリエステル樹脂を加えて重合することを特徴とするポリアミドイミドエステルの製造方法に関するものである。
【0005】
本発明のポリアミドイミドエステル樹脂は溶液重合法、溶融重合法またはこれらを組合せた方法で重合することができるが、本発明の好ましい態様であるブロック共重合体を得る場合には、ポリアミドイミド樹脂成分を溶液重合した溶液に、予め溶融重合したポリエステル樹脂を加えて重合する方法が好ましい。
【0006】
ポリアミドイミド成分の重合は、酸成分とイソシアネート(アミン)とから、イソシアネート法あるいは酸クロリド法などの通常の方法で、アミド系溶剤などの極性溶剤中で行なわれる。
【0007】
本発明のポリアミドイミドエステル樹脂の合成に用いられる酸成分として、以下に示す多価カルボン酸、酸クロリド、酸無水物等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。酸無水物としては、トリメリット酸無水物、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、プロピレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、1、4ブタンジオールビスアンヒドロトリメリテート、ヘキサメチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、ポリエチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、ポリプロピレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、等のアルキレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、3、3’、4、4’ジフェニルスルホンテトラカルボン酸無水物、3、3’、4、4’ビフェニルテトラカルボン酸無水物、4、4’オキシジフタル酸無水物などが挙げられる。
【0008】
また、多価カルボン酸としてはテレフタル酸、イソフタル酸、4、4’ビフェニルジカルボン酸、4、4’ビフェニルエーテルジカルボン酸、4、4’ビフェニルスルホンジカルボン酸、4、4’ベンゾフェノンジカルボン酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、3、3’、4、4’ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3、3’、4、4’ビフェニルスルホンテトラカルボン酸、3、3’、4、4’ビフェニルテトラカルボン酸、アジピン酸、セバチン酸、マレイン酸、フマル酸、ダイマー酸、スチルベンジカルボン酸、1、4シクロヘキサンジカルボン酸、1、2シクロヘキサンジカルボン酸等が、酸クロリドとしては前記多価カルボン酸の酸クロリドが挙げられる。
【0009】
また、イソシアネート成分としてはジシクロヘキシルメタン4、4’ジイソシアネート、1、3ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、2、4トリレンジイソシアネート、2、6トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン4、4’ジイソシアネート、3、3’ジメチルジフェニルメタンジイソシアネート、3、3’ジエチルジフェニルメタン4、4’ジイソシアネート、3、3’ジクロロジフェニルメタン4、4’ジイソシアネート、4、4’ジイソシアネート3、3’ジメチルビフェニル、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート等が挙げられる。
【0010】
また、アミン成分としては4、4’ジアミノジシクロヘキシルメタン、1、3シクロヘキサンビス(メチルアミン)、オルトクロロパラフェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4、4’ジアミノジフェニルエーテル、3、4ジアミノジフェニルエーテル、4、4’ジアミノジフェニルメタン、3、4ジアミノジフェニルメタン、4、4’ジアミノジフェニルスルホン、3、4’ジアミノジフェニルスルホン、4、4’ジアミノベンゾフェノン、3、4’ジアミノベンゾフェノン、2、2’ビス(アミノフェニル)プロパン、2、4トリレンジアミン、2、6トリレンジアミン、p−キシレリンジアミン、m−キシリレンジアミン、イソホロンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。
【0011】
これらの酸成分とイソシアネート(アミン)成分は、各々一種または二種以上の混合物として用いることが出来るが、酸成分としてはトリメリット酸無水物とシクロヘキサンジカルボン酸の混合物が好ましく、シクロヘキサンジカルボン酸の含有量が20モル%以上が特に好ましい。シクロヘキサンジカルボン酸のモル%が20未満では溶解性が低下し、アルコールにジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、Nメチル2ピロリドンなどのアミド系溶剤やγブチロラクトンのような高沸点溶剤を併用しないと溶解しにくくなる場合があるからである。
【0012】
また、イソシアネート(アミン)成分としては、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(ジアミン)とイソホロンジイソシアネート(ジアミン)の単独または混合物が光線透過率、耐熱性、溶解性の点から特に好ましい。
【0013】
本発明のポリアミドイミド成分の重合に使用される溶剤はジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、Nメチル2ピロリドン、ジメチル尿素、ジメチルスルホキシド、γブチロラクトン、ジメチルイミダゾリジノン等の高沸点極性溶剤の単独または混合溶剤を用いることが出来るが、副反応が少なく、合成されたポリアミドイミドエステルの透明性の点からγブチロラクトンとジメチルイミダゾリジノンの単独または混合溶剤が好ましい。
【0014】
本発明のポリアミドイミド成分は、上記溶剤中50〜230℃、好ましくは80〜200℃で攪拌することによって合成されるが、反応を促進するためにトリエチルアミン、ルチジン、ピコリン、ウンデセン、トリエチレンジアミン等のアミン類、リチウムメチラート、ナトリウムメチラート、カリウムブトキサイド、フッ化カリウム、フッ化ナトリウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属化合物、或はコバルト、チタニウム、スズ、亜鉛などの金属、半金属化合物等の触媒の存在下に行ってもよい。
【0015】
本発明のポリアミドイミドエステルの好ましい態様はブロック共重合体であり、これを得るには前記に従って合成したポリアミドイミド樹脂溶液に、予め重合したポリエステルを溶解して重合させる方法が好ましい。従って、ポリアミドイミドをイソシアネート法で合成する場合は、イソシアネート成分が過剰になるように仕込む必要がある。
【0016】
ポリエステル成分はジカルボン酸とジオールとから重合され、その組成は特に限定されるものではなく脂肪族、脂環族及び芳香族の単独及び組合せのいづれも使用でき、重合方法も溶融重合法、溶液重合法等の通常の方法で製造できるが、安価な溶融重合法が好ましい。
【0017】
本発明のポリエステル成分のジカルボン酸成分としてはテレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、2、6ナフタレンジカルボン酸、4、4’ビフェニルジカルボン酸、4、4’ビフェニルエーテルジカルボン酸、4、4’ベンゾフェノンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマール酸、ダイマー酸、ドデカンジカルボン酸、アゼライン酸等の脂肪族ジカルボン酸、1、2シクロヘキサンジカルボン酸、1、3シクロヘキサンジカルボン酸、1、4シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸などが挙げられ、これらの中では重合性、コスト、溶解性の点からテレフタル酸、イソフタル酸の混合物が好ましい。また、トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビフェニルスルホンテトラカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸などの多価カルボン酸及びその無水物を併用しても構わない。
【0018】
また、ジオール成分としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1、4ブタンジオール、1、5ペンタンジオール、1、6ヘキサンジオール、1、9ノナンジオール、1、10デカンジオール、1、2シクロヘキサンジメタノール、1、3シクロヘキサンジメタノール、1、4シクロヘキサンジメタノール、テトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等のアルキレングリコールが挙げられ、これらの中では、重合性、コスト、溶解性などからエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1、4ブタンジオール及び1、6ヘキサンジオールの一種または二種以上の混合物か好ましい。また、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価ポリオールを併用しても構わない。
【0019】
また、5スルホイソフタル酸、4スルホナフタレン2、7ジカルボン酸、5[4スルホフェノキシ]イソフタル酸等の金属塩、または2スルホ1、4ブタンジオール、2、5ジメチル3スルホ2、5ヘキサンジオール等の金属塩などのスルホン酸金属塩基を含有するジカルボン酸またはジオールを全酸または全ジオール成分の10モル%以下の範囲で使用してもよい。
【0020】
本発明のポリアミドイミドエステルは、前記ポリアミドイミドの合成の初期に、または合成の途中に、または終了時に前記ポリエステルを加え溶解、反応させることによって重合されるが、本発明の好ましい態様であるブロック共重合体とするためには合成の途中に加えるのが好ましい。
【0021】
本発明のポリアミドイミドエステル中のポリアミドイミド成分とポリエステル成分の比率は、ポリアミドイミド成分が30〜95重量%、好ましくは、50〜90の範囲が好ましい。ポリアミドイミド成分が30重量%未満では耐熱性が不足し、95重量%を越えると接着性や溶解性が改良されにくい。
【0022】
このようにして重合されたポリアミドイミドエステル樹脂は、そのままの状態で塗料やコーテイング材に、又、湿式法により繊維を成型するためのドープとして利用することができ、更に、再沈澱によって得られた粉体は熱成型材料として用いることもできるが、乾式法によるフィルム成型、接着剤、プラスッチク材料へのコーテイング材などに応用する場合には低沸点溶剤に溶解することが好ましい。
【0023】
低沸点汎用溶剤に溶解するためには、前記条件で合成したポリアミドイミドエステル溶液を水やケトン、エステル、炭化水素系の溶剤中に攪拌しながら投入、凝固させて洗浄、乾燥したポリアミドイミドエステルをアルコールを主体にした溶剤に溶解させることで達成できる。
【0024】
主たる溶剤に用いられるアルコールとしては特に制限はないが、メタノール、エタノール、1プロパノール、イソプロピルアルコール、nブタノール、イソブタノール等の低沸点のアルコールが好ましい。
【0025】
アルコールと併用する溶剤も制限はなくアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶剤等が挙げられるが、溶解性、乾燥性、コストからテトラヒドロフラン、トルエンが好ましい。
【0026】
本発明のポリアミドイミドエステル樹脂を繊維、フィルム、成型材料、コーテイング材、塗料、接着剤、インキ等に応用する場合、該ポリアミドイミドエステル樹脂の特性を損なわない範囲で、界面活性剤、染料、顔料、無機酸化物やカーボン粉等の充填剤、ポリアミドイミド、ポリエステル、アクリル、エポキシ、ウレタン、シリコン等の他の樹脂を配合しても構わない。
【0027】
【発明の効果】
本発明のポリアミドイミドエステル樹脂は耐熱性、透明性、密着性などに優れるため繊維、フィルム、成型材料、コーテイング材、塗料、接着剤、インキのみならず、液晶表示用光等方性基板、位相差板、偏光フィルムのカバーフィルム、カラーフィルター用バインダーやプラスチックレンズ、光デイスク用基板などに有用である。
【0028】
以下、実施例を示し本発明を更に詳細に説明するが、本発明は実施例によって何等制限されるものではない。
尚、実施例に示す特性は以下の方法で測定した。
【0029】
1、対数粘度;乾燥ポリマー0.5gを100mlのNMPに溶解した溶液を25℃でウベローデ型粘度管を用いて測定した。
【0030】
2、ガラス転移温度;示差熱分析器によって10℃/分の昇温速度で測定した。
【0031】
3、光線透過率;分光光度計を用いて測定した。
【0032】
実施例1
反応容器にトリメリット酸無水物72g、1,4シクロヘキサンジカルボンサン65g、イソホロンジイソシアネート167g、フッ化カリウム1gを1、3ジメチル2イミダゾリジノンと共にポリマー濃度が50重量%となるように仕込み、180℃に昇温して1時間反応させた後、バイロンRV220(東洋紡績株式会社製ポリエステル樹脂)12gを加えて更に3時間反応を続けた。得られたポリマー溶液を冷却しながらポリマー濃度が20重量%になるように希釈して、攪拌している水中に投入して沈澱させ乾燥した。得られたポリマーの対数粘度は0.45dl/g、ガラス転移温度は235℃であった。この乾燥ポリマーはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、nブチルアルコール等とトルエンまたはテトラヒドロフランの等量混合溶剤に溶解し、これらの溶液をキャストして得られた30μのフィルムの光線透過率は波長500nmで87%であった。
【0033】
実施例2
イソホロンジイソシアネートを168g、バイロンRV220を24gとした以外は実施例1と同じ方法で重合、希釈、沈澱、乾燥を行った。得られたポリマーの対数粘度は0.41dl/g,ガラス転移温度は211℃であった。このポリマーもアルコールとトルエンまたはテトラヒドロフランの混合溶剤に溶解し、キャスト法で成型した30μフィルムの光線透過率は86%であった。
【0034】
実施例3
イソホロンジイソシアネートを175g、バイロンRV220を144gとした以外は実施例1と同じ方法で重合、希釈、沈澱、乾燥を行った。得られたポリマーの対数粘度は0.38dl/g、ガラス転移温度は127℃であった。このポリマーをメチルアルコールとトルエンに溶解した溶液からキャスト法によって成型した30μノフィルムの500nmでの光線透過率は88%であった。
【0035】
実施例4
反応容器にトリメリット酸無水物101g、1,4シクロヘキサンジカルボン酸32g、イソホロンジイソシアネート84g、ジシクロヘキシルメタン1、4ジイソシアネート91g、フッ化カリウム1gを1、3ジメチル2イミダゾリジノンでポリマー濃度が50重量%となるように仕込み、180℃に昇温して1時間反応させた後、バイロンRV220を24g加えて更に3時間反応を続けた。得られたポリマー溶液を冷却しながらポリマー濃度が20重量%となるまで希釈して、攪拌している水中に投入して沈澱させ、乾燥した。得られたポリマーの対数粘度は0.54dl/g,ガラス転移温度は192℃であった。このポリマーをメチルアルコールとトルエンの等量混合溶剤に溶解した溶液からキャスト法によって得られた30μのフィルムの500nmでの光線透過率は88%であった。また、該ポリマー溶液を75μのポリエステルフィルム(東洋紡績株式会社製E5001)に膜厚が1μとなるように塗布した後、100℃で30秒間乾燥した。このフィルムの塗布面の鉛筆硬度は3Hと耐スクラッチ性が改良されており、クロスカット法による密着性テストでは全く剥離しなかった。
【0036】
比較例1
実施例1に於て、バイロンRV220を加えないポリアミドイミド樹脂を同じ条件で合成した。得られたポリマーの対数粘度は0.55dl/g、ガラス転移温度は260℃であった。このポリマーはメチルアルコールとトルエンの等量混合溶剤に溶解したが、このポリマー溶液を実施例4と同じ方法でポリエステルフィルムに塗布したところ、クロスカット法で密着性テストで全て剥離してしまった。
【0037】
比較例2
イソホロンジイソシアネートを176g、バイロンRV220を168gとした以外は実施例1と同じ方法で重合、希釈、沈澱、乾燥した。得られたポリマーのガラス転移温度は96℃と耐熱性が不十分であった。
Claims (4)
- 対数粘度が0.1dl/g以上、ガラス転移温度が120℃以上、乾燥膜厚30μでの波長500nmにおける光線透過率が75%以上であり、ポリアミドイミド成分の酸成分としてトリメリット酸無水物を80モル%未満、シクロヘキサンジカルボン酸を20モル%以上含有し、ポリアミドイミド成分のアミン残基としてジシクロヘキシルメタン及び/またはイソホロン基を含有すると共に下記(1)、(2)のいずれかを満足することを特徴とするポリアミドイミドエステル樹脂。
(1)メタノール、エタノール、1プロパノール、イソプロピルアルコール、nブタノール、イソブタノールのアルコール系溶剤に可溶である。
(2)(1)のアルコール系溶剤とアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ベンゼン、トルエン又はキシレンを併用した溶剤に可溶である。 - ポリアミドイミドとポリエステルがブロック共重合体であることを特徴とする請求項1に記載のポリアミドイミドエステル樹脂。
- ポリアミドイミド成分が30〜95重量%であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリアミドイミドエステル樹脂。
- ポリアミドイミド樹脂を合成した溶液中に、予め重合したポリエステル樹脂を加えて重合することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリアミドイミドエステル樹脂の製造方法。
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