JP3584854B2 - 光沢性塗被紙およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷用紙、包装用紙等として使用されるキャスト塗被紙において、光輝性の高い高級感を持つ美粧性に優れた光沢性塗被紙およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から光沢性塗被紙は、紙の表面を光沢顔料で装飾することによりキラキラと輝く光沢紙として知られている。例えば、特公昭39―29267号公報によれば、塩基性炭酸鉛系真珠顔料をカゼイン、ラテックス、その他のバインダー に混合して基紙に塗被する方法が記載されている。また、特公平1―47597号公報では、基紙に水性顔料塗被層、水性真珠顔料塗被層、水溶性高分子物質処理層を順次設けた構造からなる真珠顔料塗被紙が記載されている。
【0003】
オフセット印刷特性に優れ、光沢性の良い紙としてキャスト塗被紙がある。従来このキャスト塗被紙に使用されてきた塗料は水性で、金属製光沢顔料を使用する場合、種々問題があった。特開平8―49194号公報によれば、顔料と接着剤を主成分とするキャスト塗被紙用塗料に金属粉末を配合し、その金属粉末がアルミニウム、青銅、真鍮等のドライパウダーであり、その金属粉体の分散剤として、エチレングリコール系非イオン界面活性剤を使用することで、上記金属粉体の表面の疎水性を親水性に変え、かつ、さらに金属粉体の反応等劣化を防止するために、塗料調製工程において、金属粉体添加以降のpHを9.0以下に調整することで、その問題を解決したことが記載されている。
【0004】
また雲母チタンなどの真珠様光沢を有する真珠顔料を塗被紙に使用することは例えば特開平5−279989で公知である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記記載の光沢性塗被紙は、いずれもある程度の光輝性は認めれられるものの、十分な光輝感を有するものとは言えない。また、真鍮粉体などのように密度の大きい顔料は、添加重量当たりの粒子数が少なく、総合的な光輝感が乏しいと言う問題がある。
【0006】
本発明は、上記に示した従来の問題点を解決し、奥行きのある強い光輝性を有する光沢性塗被紙およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【問題を解決するための手段】
本発明は光沢顔料を含むを含む光沢層を有する光沢性塗被紙において、該光沢顔料が、フレーク状ガラスの表面を、金属の層、または該フレーク状ガラスの屈折率よりも高い屈折率を有する金属酸化物の層で被覆してなる鱗片状粒子であることを特徴とする光沢性塗被紙である。
【0008】
本発明の光沢性塗被紙は、本発明に使用される光沢顔料を除き、構成成分は従来公知のもので良く、本発明に使用される光沢顔料を含有するキャスト塗被紙用水性塗料を基紙の表面に塗布してなる光沢層と基紙から構成される。この光沢層の表面の上に透明な塗料でコートしてなる透明な樹脂塗工層を設けてもよい。
【0009】
この光沢顔料は、フレーク状ガラスの表面を金属、または該フレーク状ガラスの屈折率より高い屈折率を有する金属酸化物で被覆してなる鱗片状粒子である。このように光沢顔料の表面が、金属、または基材のフレーク状ガラスよりも高い屈折率を有する金属酸化物であることから、極めて強い反射光を発する。また最表層として透明樹脂その他の透明な材質のコート層を設けた場合には、その内部が外観に反映され、光沢層の発する強い反射光が十分にキラキラと輝き、美麗な外観を形成する。
【0010】
上記被覆に使用される金属としては、金、銀、白金、パラジウム、チタン、コバルト、ニッケル、またはそれらの合金などが挙げられる。これらの中でも、コスト、品質面に優れた銀、ニッケルまたはその合金が好ましい。フレーク状ガラス基材に金属を被覆する場合、その被覆膜の厚みは、0.04〜2μmが好ましい。この厚みが、0.04μm未満の場合は、金属本来の光沢が著しく減少し、光沢顔料としての機能を消失する。一方、2μmを越えると、金属の使用量の割には、光輝感が向上しなくなり、コストが増大するので好ましくない。
【0011】
上記金属被覆フレーク状ガラスは、所定のフレーク状ガラスの表面に通常の無電解めっき法、または粉末スパッター法等により金属を被覆することで製造することができる。例えば、特開平2―58582号公報に記載されているように、平均粒径40μm、厚み3μmのフレーク状ガラスを用い、無電解めっき法により金属被覆フレーク状ガラスが得られる。また、特開昭60―86177号公報に記載されされているように、厚み約3μm、粒度約300〜700μmのフレーク状ガラスを用い、スパッター法により金属被覆フレーク状ガラスを得ることができる。
【0012】
また、上記フレーク状ガラスの表面を被覆する金属酸化物としては、フレーク状ガラスの屈折率よりも高い屈折率を有するものが用いられ、例えば、酸化チタン、酸化鉄、酸化ジルコニウムおよび酸化セリウムなどが用いられる。これらの中で酸化チタンおよび酸化鉄(Fe)が好ましく用いられる。さらにこれらの中で、二酸化チタンが好ましく、二酸化チタンの結晶形態として、アナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型があるが、特に化学的耐久性やコスト面からアナターゼ型二酸化チタンおよびルチル型二酸化チタンが特に好ましい。とりわけ、光触媒作用が小さくて塗料のマトリックス樹脂を劣化させることが少なく、また後述のように屈折率が大きいのでルチル型二酸化チタンが好ましい。金属酸化物の被覆膜は、金属酸化物の種類や要求される光輝感の程度、所望の干渉色などによって適宜調整されるが、被覆膜が過度に薄い場合は、十分な光沢が得られず、一方過度に厚いと経済性が損なわれるので、その厚みは、0.01〜1μmであることが好ましく、0.03〜0.8μmであることがさらに好ましい。
【0013】
光沢顔料の形状は鱗片状であり、より高い光輝感を得るためには、表面積が大きい方が好ましい。金属酸化物を被覆する前のフレーク状ガラスは平均厚み0.1〜7μm、平均粒径5〜250μmを有することが好ましい。平均粒径が、250μmを超える場合には、加工過程中に粒子の割れが生じ易く、一方5μm未満になると、光輝感の低下が著しくなる。また、平均厚みが、0.1μm未満のものは破砕されやすく、一方、7μmを超えると塗膜の単位面積当たりにおける光沢顔料粒子の数が少なく、光輝感が乏しくなり、外観不良を生じ易くする。前記フレーク状ガラスのさらに好ましい寸法は平均厚み0.5〜3.0μm、平均粒径15〜90μmである。
【0014】
この金属酸化物の屈折率は、基材のガラスの屈折率に比べ高いものであることが必要であり、両者の屈折率の差は0.6以上であることが好ましく0.8以上であることが更に好ましい。金属酸化物の屈折率が高いことによって、顔料粒子面からの全反射が生じ易く、より高い光輝感が得られるからである。例えば、基材のガラスの屈折率は、通常1.5〜1.6程度であり、屈折率が約2.5のアナターゼ型二酸化チタン、約2.7のルチル型二酸化チタンなどを金属酸化物の被覆膜として用いれば、前記の全反射による強い光輝感が得られる。また、二酸化チタンの被覆膜は、干渉フィルターとして機能するので、その厚みが変わることによって、様々な色の光輝感が得られる。。すなわち、金属酸化物の被覆膜の厚みを調整することにより、光沢層の外観に微妙な有彩色の光輝感を付与し、その高級感をさらに高めることができる。二酸化チタンの被覆膜が、0.05μm付近ではシルバー色、約0.14μmでは赤紫色、0.2μm程度では黄緑色の反射色を示す。この被覆膜の干渉フィルター機能は、被覆膜における表面および母材との接触面の平滑性が大きく影響する。すなわち、これらの面がより平滑であるほど、反射光の散乱が抑えられ、干渉フィルターが有効に機能し、一方向に極めて強い反射光が生じる。母材であるフレーク状ガラスの表面は平滑性に優れているので強い光輝感が得られる。
【0015】
フレーク状ガラスを母材として、その表面を高屈折率の金属酸化物で被覆した光沢顔料を用いることにより、光沢層からなる塗布面は光の散乱が防止され、鮮明で強い光輝性を得ることができる。この光輝感は、従来の色材、例えばパールマイカ等を使用した塗布面の光輝感に比べ著しく優れており、奥行き感のある光沢性豊かな外観が形成される。
【0016】
金属酸化物被覆フレーク状ガラスは、所定のフレーク状ガラスの表面にゾルゲル法、または液相法により金属水酸化物を被覆した後、加熱処理を施すことによって金属水酸化物を脱水させて金属酸化物とすることにより製造される。例えば、ゾルゲル法による方法では、フレーク状ガラスをアルコール溶剤に分散させ、ここにチタン(IV)テトラブトキシテトラマーおよび水を順次加え、これを加熱することによりフレーク基体表面に所定厚みのチタニア水和物を被覆させる。これを450℃で加熱処理することによってチタニア水和物を加熱脱水させ、その結果として二酸化チタン層が形成され、真珠光沢の反射干渉色を呈すこととなる。 液相法による方法では、例えば、フレーク状ガラスを酸性水溶液中に分散させた後、pHを調整しながらTiCL4水溶液を注加し、所定の干渉色に達したら反応を終了し、濾過水洗してから所定の温度、例えば600℃で加熱焼成し、ルチル型二酸化チタン被覆フレーク状ガラスを得ることができる。このルチル型二酸化チタンの層が形成され真珠光沢の反射干渉色を示す。この方法をさらに発展させ、二酸化チタン被膜をむらなく均一かつ、安定に被覆する方法として、次に示す方法がある。すなわち、まず、前処理操作として、所定のフレーク状ガラスを塩酸酸性水溶液中で塩化錫により表面処理した後、ヘキサクロロ白金酸で処理する。ここで得られた前処理されたフレーク状ガラスをpH約1.0に調整した塩酸酸性水溶液に加え、そのスラリー液の温度を75℃に昇温してから、pHを調整しながらTiCL4水溶液を注加し、所定の干渉色に達したら反応を終了する。この反応生成物を濾過水洗してから所定の温度、例えば600℃で加熱焼成することにより、二酸化チタン被膜のムラ付きがなく安定かつ、均一に成膜された良好な二酸化チタン被覆フレーク状ガラスを得ることが出来る。
【0017】
光沢顔料の芯部であるフレーク状ガラスの化学組成は、通常、二酸化珪素を主成分とし、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化ナトリウムなどの金属酸化物から構成される。本発明に係わる光沢顔料に使用されるフレーク状ガラスの材質の種類は、種々掲げることができるが、例えば現在多用されているEガラス、Cガラスの他に耐アルカリガラス、高強度ガラス、石英ガラス、ソーダ石灰ガラス(以下、Aガラスと言う。)などが挙げられる。これらの中の代表的なガラスであるCガラス、Eガラス、高強度ガラス、Aガラスの組成を表1に示す。
【0018】
【表1】
Figure 0003584854
【0019】
本発明に係る光沢性塗被紙は基紙(紙基材)の表面に光沢顔料及び結着剤を含む光沢層が被覆されており、光沢顔料の基材であるフレーク状ガラスの表面は、上記金属または金属酸化物の層で被覆されているが、光沢層中における該光沢顔料粒子の均一分散性および/または耐久性の向上を図るために、顔料粒子の最上表面に保護膜をコーティングしても良い。この保護膜の材質は、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン・アルキッド樹脂などのような透明な有機材料を用いたり、二酸化珪素、二酸化珪素を主成分とし酸化アルミニウムおよび/または酸化セリウムを含有する混合物などの透明な無機系材料を使用しても良い。この保護膜は、光沢顔料の光輝性を損なわない範囲で、0.01〜0.1μmの厚みを有することが好ましい。
【0020】
さらに、必要に応じて該保護膜の表面をカップリング剤などの表面処理剤で処理しても良い。このような耐久性などを向上させる具体的な手段としては、例えば、特開昭62―91567号公報、特開平7―268241号公報および米国特許5436077号公報に記載の保護膜やカップリング剤処理を利用することができる。
【0021】
上記結着剤としては、有機溶液系または水系とがあるが、水系が好ましく、アクリル酸またはそのエステル、メタクリル酸またはそのエステルからなるアクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等の水分散性樹脂、アクリロニトリル、ブタジエン、スチレンなどの乳化重合体または乳化共重合体あるいはこれらにカルボキシル基や水酸基などの官能基を導入した水分散性樹脂(ラテックスまたはエマルジョン)、澱粉、酸化澱粉、ジアルデヒド澱粉、カチオン化澱粉、アセチル化澱粉、燐酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉などの澱粉誘導体、カゼイン、ポリビニルアルコールなどの天然あるいは合成の水溶性樹脂を挙げることができる。それらは、単独、または2種以上の複数種を混合して使用することができる。
【0022】
光沢顔料の表面を親水化し、水中における分散性を向上させるために、界面活性剤の併用は有効である。界面活性剤は、一般的に起泡し易い性質があるが、本発明に使用される水系塗料に起泡性のある界面活性剤を使用した場合、塗料表面が泡で覆われ作業性を悪くすると言う問題があり好ましくない。消泡、または抑泡効果を備えた親水化効果の高い界面活性剤が望まれる。このような特定な性質を有する界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートのような多価アルコール脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンアルキルエーテルなどの非イオン界面活性剤を挙げることができる。
【0023】
光沢層を形成するための光沢性塗料は、上記の光沢顔料及び結着剤の他に必要に応じて離型剤、分散剤、消泡剤、潤滑剤、耐水化剤、粘性改良剤、保水剤、防腐剤などの薬剤を選定し、組み合わせ使用することができる。さらには、意匠性を高めるために、既知の例えば、シアニンブルーなどの有機顔料、またはサチンホワイト、カオリン、二酸化チタンなどの無機顔料を添加することにより着色することもできる。さらには、本発明に対し悪影響を与えない範囲において、既知の光沢顔料、例えばアルミニウム粉体やパールマイカなどを使用することができる。また、本発明の光沢性塗被紙、または本発明に係わる光沢性塗料の長期間保存安定性を向上させるために、該光沢性塗料液のpHを中性付近に保持することが好適であり、具体的には5〜9に保つことが好ましい。
【0024】
本発明に係る光沢性塗被紙は、紙の表面に光沢顔料及び結着剤を含む光沢層が被覆されており、その断面図である図1に示すように、塗被される基紙1の表面に光沢層2が被覆されているが、図2に示すようにその光沢層2の上に表面処理層3を設けても良い。この表面処理層3は、光沢層2との密着性が良く、乾燥後、透明な被膜層を形成し、耐水性を有し、そしてさらには好適な印刷適性を有する。表面処理層3の材料としては、上記の光沢性塗料に使用される水系結着剤を挙げることができる。この表面処理層3を塗布するに当たりその塗被量は、0.5g/m以上が好ましく、5g/m以下が好ましい。塗被紙の表面の光沢性に悪影響を与えない範囲に塗被量を調整する必要がある。特に水系結着剤からなるクリア塗料液を用いて、光沢性塗被紙の光沢層2上に塗被し、その後乾燥するに際しては、光沢層2が湿潤状態において、例えば、極めて平滑に磨き上げられた加熱ロール面に圧着させながら乾燥する。この処理によって、光沢顔料として、例えば、ルチル型二酸化チタン被覆フレーク状ガラス(日本板硝子(株)製メタシャインRS/RCシリーズ)を使用する場合、独特の彩色と高い光輝感を呈する光沢性塗被紙に仕上げることができる。
【0025】
本発明の光沢性塗被紙の製造方法は、既知の方法で良く、例えば、ウエットキャスト法、ゲル化キャスト法およびリウェットキャスト法とがある。いずれの方法においても顔料および結着剤を主成分とする光沢性塗料を基紙の表面に塗被し、その塗被層を湿潤、または再湿潤の状態において、鏡面に仕上げられた加熱キャストドラム面に圧着し、その状態で乾燥することにより製造する方法である。光沢性塗料中に、結着剤100重量部に対して、光沢顔料は30〜120重量部含有されることが好ましい。
【0026】
本発明における基紙としては、オフセット印刷用の基材となるものを使用することができ、セルロース紙、またはプラスチックフィルムからなる合成紙等が使用される。基材にセルロースを使用する場合、その種類は問わないが、塗工層の均一性および平坦性を考慮すると、平滑性の高い紙、コート紙、アート紙が好ましい。基材としてプラスチックフィルムを使用する場合、その表面が平滑であれば特に種類は問わないが、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどが用いられる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。尚、以下において、「部」、「%」は、それぞれ「重量部」、「重量%」を示す。
[実施例1]
下記の配合により光沢性塗料を調製し、最終の固形分が35%になるように分散水の量を調整した。得られた塗料のpHを測定した処、pH8.6であった。なお、下記の添加成分の内、分散水を除きすべて固形分、または有効成分の重量部で示す。
配合割合
分散水 適宜部、
分散剤(ヘキサメタ燐酸ソーダ) 0.2部、
カオリン 78.8部、
ポリエチレングリコール非イオン界面活性剤 0.3部、
カゼイン 10 部、
SBRラテックス 15 部、
サチンホワイト 1.2 部、
離型剤(ステアリン酸カルシウム) 1.5 部、
光沢顔料;銀被覆フレーク状ガラス(日本板硝子(株)製、「REFSX−2040PS(8021)」、フレーク状ガラス;組成Eガラス、平均厚み1.5μm、平均粒径33.0μm、銀被覆厚み0.08μm) 15部。
【0028】
上記光沢顔料についての、被覆層および保護膜の厚みは電子顕微鏡法により、フレーク状ガラスの平均厚みは光学顕微鏡−画像解析法により、そして平均粒径D50はレーザー散乱法により、それぞれ測定し、その結果を表2に示した。
【0029】
この光沢性塗料液および、紙を用いて、リウエットキャスト法により、乾燥重量で20g/mの、光沢層を有する光沢性塗被紙を得た。得られた光沢性塗被紙の表面を観察し、そしてその紙を用いてオフセット印刷を行った。
【0030】
塗工性ならびに光沢性塗被紙の光輝感および奥行き感を以下に示す方法で評価し、そしておよびオフセット印刷適性を以下に示す方法で評価した。
Figure 0003584854
【0031】
上記の塗被紙の表面観察結果およびオフセット印刷の結果は、表3に示すように、奥行きのある強い光輝感を示した。また、塗工性も良く、オフセット印刷適性においても問題なく、良好であった。
【0032】
[実施例2、3、比較例1および2]
実施例1において用いた光沢顔料の代わりに、表2に示すように、実施例2、3,比較例1、2に応じて次の光沢顔料、
実施例2:ルチル型二酸化チタン被覆フレーク状ガラス(日本板硝子(株)製、[メタシャインRCFSX−1040RC(9549)]、ルチル型二酸化チタン被覆厚み0.2μm、フレーク状ガラス;組成Cガラス、平均厚み1.7μm、平均粒径37.7μm、)
実施例3:シリカ保護膜付銀被覆フレーク状ガラス(日本板硝子(株)製、[メタシャインREFSX−2040PS(8023)]、銀被覆厚み0.08μm、シリカ被覆厚み0.07μm、フレーク状ガラス;組成Eガラス、平均厚み1.5μm、平均粒径35.0μm、)
比較例1:フレーク状アルミニウム(平均厚み1μm未満、平均粒径11.0μm、東洋アルミニウム(株)製、[アルペースト1230M]の脱脂品)
比較例2:ルチル型二酸化チタン被覆雲母(パールマイカ)(平均厚み1μm未満、平均粒径20.5μm、ルチル型二酸化チタン被覆厚み0.05μm、メルク社製「イリオジン103」)
を用いたこと以外は、同様にして光沢性塗被紙を得た。そして光沢性塗被紙、その加工過程における基紙への塗工性および該光沢性塗被紙へのオフセット印刷適性を評価した。その結果は表3に示した。なお、実施例2の塗被紙外観色が、黄緑色の干渉色を呈したこと以外、実施例3、比較例1および2共に、それらの外観色は、いずれもシルバー色であった。
【0033】
[実施例4]
下記の配合によりクリア塗料液を調整し、最終の固形分が8%になるように分散水の量を調整した。得られた塗料のpHを測定した処、pH8.5であった。なお、下記の添加成分の内、分散水を除きすべて固形分、または有効成分の重量部で示す。
配合割合
分散水 適宜部
カゼイン 10部
SBRラテックス 15部
離型剤(ステアリン酸カルシウム) 0.5部
【0034】
実施例1で得られた塗被紙を用いて、上記クリア塗料液を用いてリウエットキャスト法により作製した。その結果、光輝層の上に乾燥重量で4g/mのクリア層を有する塗被紙を得た。この塗被紙の表面を観察し、そしてその光沢性塗被紙を使用してオフセット印刷を行った。
【0035】
塗工性、光沢性塗被紙の光輝性および奥行き感並びにオフセット印刷適性についての試験結果を表3に示した。
【0036】
【表2】
Figure 0003584854
【0037】
【表3】
Figure 0003584854
【0038】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明の光沢性塗被紙およびその製造方法によれば、奥行き感、高級感があり、強い光輝性を呈し、著しく美粧性に優れた光沢性塗被紙を容易に得ることができる。本発明によれば、印刷用紙、包装用紙等として、高級感のある装飾性に優れた製品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の光沢性塗被紙の部分断面図である。
【図2】この発明の表面処理層を備えた光沢性塗被紙の部分断面図である。
【符号の説明】
1 基紙
2 光沢層
3 表面処理層

Claims (8)

  1. 光沢顔料を含む光沢層を有する光沢性塗被紙において、該光沢顔料が、フレーク状ガラスの表面を、金属の層、または該フレーク状ガラスの屈折率よりも高い屈折率を有する金属酸化物の層で被覆してなる鱗片状粒子であることを特徴とする光沢性塗被紙。
  2. 該フレーク状ガラスが、0.1〜7μmの平均厚みおよび5〜250μmの平均粒径を有する請求項1記載の光沢性塗被紙。
  3. 前記被覆層が前記金属からなり0.04〜2μmの厚みを有する請求項1または2記載の光沢性塗被紙。
  4. 前記被覆層が金属酸化物からなり0.03〜0.8μmの厚みを有する請求項1または2記載の光沢性塗被紙。
  5. 前記金属酸化物はルチル型二酸化チタンよりなる請求項1、2または4記載の光沢性塗被紙。
  6. 前記光沢顔料が、前記被覆層の上に保護膜を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の光沢性塗被紙。
  7. 前記保護膜は、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン・アルキッド樹脂、二酸化珪素、ならびに、二酸化珪素を主成分とし酸化アルミニウムおよび酸化セリウムより選ばれた少なくとも1種を含有する混合物、の群から選ばれた少なくとも1種からなり、0.01〜0.1μmの厚みを有する請求項6記載の光沢性塗被紙。
  8. フレーク状ガラスの表面を、金属の層、または該フレーク状ガラスの屈折率よりも高い屈折率を有する金属酸化物の層で被覆してなる鱗片状粒子からなる光沢顔料を、結着剤100重量部に対し30〜120重量部配合してなる光沢性塗料を紙表面に塗被することを特徴とする光沢性塗被紙の製造方法。
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