JP3584323B2 - 斜面安定工法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、地山崩落の抑止工として知られる斜面安定工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
地滑り等の地山崩落を抑止する斜面安定工法としては、地山にアンカーやロックボルトを定着し、それらの頭部に取付けられた受圧板の底面で地山を押さえつけ、地山の崩落を抑止する方法が知られている。
しかし、脆弱な斜面にアンカーやロックボルトを設置すると、それらに導入された荷重により受圧板が沈下する恐れがある。
そこで従来は、そのような沈下現象に対して受圧板の接地面積の増大により対応していた。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】
前記した従来の斜面安定工法には次のような問題点がある。
<イ> 接地面積の増大による方法は、受圧板自体の大型化と用地の拡張が必要であるため、経済性において問題がある。
<ロ> また、接地面積の大きな受圧板を用いると、地山斜面の露出面積が少なくなり、緑化が十分にできなくなってしまう。
【0004】
【本発明の目的】
本発明は、以上の問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、受圧板の接地面積を小さくすることを可能とし、工費の削減と緑化面積の増大を図ることができる、斜面安定工法を提供することにある。
【0005】
【問題点を解決するための手段】
本発明は、斜面に設置したアンカーの頭部に受圧板を固定し、この受圧板を斜面に押し付けて斜面の安定を図る工法において、前記受圧板の設置予定地山中に摩擦抵抗部材を埋設し、この摩擦抵抗部材の上端と受圧板の設置面とを接触させた状態で受圧板を地山上に設置し、前記摩擦抵抗部材と周辺地山との間に発生する摩擦抵抗力により前記受圧板沈下を防止することを特徴とした、斜面安定工法である。
さらに前述した斜面安定工法において、前記摩擦抵抗部材に複数の孔或いは凹部を形成したことを特徴とする、斜面安定工法である。
さらに、上記した斜面安定工法において、アンカーを設置する地山中に固化材を注入して硬化させ、地山自体に受圧板機能を持たせることを特徴とする、斜面安定工法である。また、上記した斜面安定工法において、前記受圧板の周囲の地山中に、補助アンカーを設置したことを特徴とする、斜面安定工法である。
【0006】
【実施例1】
以下図面を参照しながら本発明の基本となる実施例について説明する。
【0007】
図1は、本発明の斜面安定工法を施した脆弱地山の断面図である。
図2は、脆弱地山1とアンカー2の受圧板3との関係を例に挙げた場合である。 なお図1、2は、アンカーとしてPC鋼線を用いた例を示しているが、アンカーとしてはロックボルトを用いる場合もある。
また、本実施例の場合、アンカー2は脆弱地山1の想定すべり面11より大深度の所定位置に定着する。
受圧板3はコンクリート又は鋼板等で形成されており、その底面である接地面31には、所要数の突起体4が接地面31から略直角方向に突設されている。
突起体4としては、鋼棒、鋼管、H鋼等の鋼板などを用い、それらの一端を受圧板3の作製時にコンクリート中に埋設するか、或いはコンクリート中の補強筋と接合して一体に形成するか、または受圧板3と突起体4を別々に作製した後に接合してもよい。
【0008】
また、突起体4としては、受圧板3の作製時にコンクリート製の突起を一体に形成してもよい。
そして、突起体4群の全体の表面積は、突起体4と周辺地山との間に発生する摩擦抵抗により受圧板3を支持するのに十分な面積を確保する。
なお、突起体4には表面積増大のために複数の孔を開設してもよい。
以上のように構成した受圧板3を、突起体4を地盤中に押し込んだ脆弱地山1の斜面12上に設置する。
そして、アンカー2を緊張し、その頭部を受圧板3の上面に定着して設置作業を終了する。
【0009】
【実施例1の作用】
脆弱地山1の斜面12上に設置した受圧板3には、アンカー2が収縮しようとする力により載荷荷重がかかるため、地山斜面の地耐力が弱いと、受圧板3が沈下し、斜面12が崩落することがある。
この場合、地山中に没入した突起体4の表面と周囲地山との間に摩擦抵抗が発生するため、地耐力にこの摩擦抵抗力を加えた抵抗力により受圧板3の沈下を抑止できるため、脆弱地山1の崩落を防止することができる。
【0010】
【実施例2】
上記実施例1は、突起体4を直接地山中に押し込んだ場合であるが、図3に示すように、受圧板3の設置予定地山に孔5を開設して固化材51を充填し、この孔5内に突起体4を挿入して受圧板3を地山斜面12上に設置する場合もある。これにより、硬化した固化材51と周辺地山との間に発生する摩擦抵抗力により前記受圧板の沈下を防止することができる。
【0011】
【実施例3】
図4に示すように、受圧板3の接地面31の周縁部に連続する突起体6を設け、この突起体6に包囲される空間を突起体6の先端から接地面31に向けて次第に狭めて形成し、突起体6を地盤中に押し込んで受圧板3を斜面12上に設置する場所もある。
なお、突起体6に包囲される空間は、突起体6の内面をテーパー面61とすることによって、突起体6の先端から接地面31に向けて次第に狭めて形成することができる。
そしてこの様に構成した場合は、突起体6と周辺地山との間に摩擦抵抗力を発生させ、かつ突起体6に包囲される空間内において地山を圧密することにより受圧板3を支持し、その沈下を防止することができる。
【0012】
【実施例4】
前記実施例1、2までは、受圧板3と突起体4とを一体に形成した場合であるが、図5に示すように、受圧板3の設置予定斜面12中に、上記実施例1に記載した突起体4のような摩擦抵抗部材7を予め埋設しておき、この摩擦抵抗部材7の上端と受圧板3の接地面31とを接触させた状態で受圧板3を斜面12上に設置する場合もある。
この場合、地山中に没入した摩擦抵抗部材7の表面と周囲地山との間に摩擦抵抗が発生するため、地耐力にこの摩擦抵抗力を加えた抵抗力により受圧板3の沈下を抑止できるため、脆弱地山1の崩落を防止することができる。
【0013】
【実施例5】
前記実施例1〜4において、突起体4,6及び摩擦抵抗部材7に孔或いは凹部を形成することにより表面積を大きくし、これらと周辺地山との間に発生する摩擦抵抗力を増大させて、沈下防止作用をより高めることができる。
【0014】
【実施例6】
前記実施例1〜5において、図2に示すように受圧板3と脆弱地山1とに跨がって、アンカー2にガイドパイプ21を外装してもよい。
このガイドパイプ21の上端は受圧板3内に位置させてもよいし、受圧板3の上面に貫通させて定着具により固定してもよい。
また、表面積増大のために複数の孔或いは凹部を開設してもよい。
このようにガイドパイプ21を設けることによって、アンカー2の位置ずれ防止および止水性の確保のほか、突起体4,6と同様に周辺地山との間に発生する摩擦抵抗により受圧板3の沈下を抑止することができる。
【0015】
【実施例7】
前記実施例1〜6において、図1に示すように斜面12のある程度の深さに亘って固化材8を注入して斜面12を一枚板状に硬化させ、地山自体に受圧板機能を持たせることにより、脆弱地山1の崩落を抑止することもできる。
この場合、固化材8による地山の改良は、斜面12の全面に実施せず受圧板3の周囲のみに行うことも考えられる。
【0016】
【実施例8】
前記実施例1〜7において、図1に示すように斜面12上に設置した各受圧板3の間に、実施例4に記載した摩擦抵抗部材7等のアンカー体を打ち込んで、補助アンカー9として機能させることもできる。
【0017】
【発明の効果】
本発明は以上説明したようになるから次のような効果を得ることができる。
<イ>受圧板の面積が小さくて済むため、地山面の露出面積が増大し、緑化面積を広く確保することが可能となる。
<ロ>固化材の注入により、脆弱斜面全体を受圧板化できるため、より一層斜面の安定化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る斜面安定工法を施工した斜面の断面図
【図2】実施例1及び実施例6に係る受圧板と斜面の断面図
【図3】実施例2に係る受圧板の縦断面図
【図4】実施例3に係る受圧板の縦断面図
【図5】実施例4に係る受圧板の縦断面図
Claims (4)
- 斜面に設置したアンカーの頭部に受圧板を固定し、この受圧板を斜面に押し付けて斜面の安定を図る工法において、
前記受圧板の設置予定地山中に摩擦抵抗部材を埋設し、
この摩擦抵抗部材の上端と受圧板の設置面とを接触させた状態で受圧板を地山上に設置し、
前記摩擦抵抗部材と周辺地山との間に発生する摩擦抵抗力により前記受圧板沈下を防止することを特徴とした、
斜面安定工法。 - 請求項1に記載の斜面安定工法において、前記摩擦抵抗部材に複数の孔或いは凹部を形成したことを特徴とする、斜面安定工法。
- 請求項1または請求項2に記載の斜面安定工法において、 アンカーを設置する地山中に固化材を注入して硬化させ、地山自体に受圧板機能を持たせることを特徴とする、斜面安定工法。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載の斜面安定工法において、前記受圧板の周囲の地山中に、補助アンカーを設置したことを特徴とする、斜面安定工法。
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