JP3581985B2 - 重量物搬送装置及びそれを備えたレール付きコンテナ - Google Patents

重量物搬送装置及びそれを備えたレール付きコンテナ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種コンテナやトラックの荷台、貨物船、工場等に重量物を整理して搬入する際の補助装置である重量物搬送装置、及び内部に重量物が搬入されるレール付きコンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ドライコンテナや貨車、貨物船等の貨物収納部の奥に500kg〜十数tの重量物を搬入する際、ドライコンテナの開口部等の搬送口付近に重量物を置いたあと、3m程の長さを有する角材を大型フォークリフトのフォークに固定し、その先端で床面にひきずらせながら半ば強引に押し込んでいた。
また、従来のコンテナとして、オープントップコンテナ,フラットラックコンテナ,ドライコンテナがあるが、特にコイル等の重量物を積み込む際は、上方から積み込むことが可能なオープントップコンテナやフラットラックコンテナにクレーンを用いて積み込んでいた。
また、重量物を水平方向に運搬する装置として、例えば、実開昭51−66960号公報(以下、イ号公報という)には、「1個のフレームに数個のローラおよびピンを設け、前記ローラの内側に挿入させるニードルベアリングと、焼入れした中心軸を設けると共に、グリース溝を備えたコロ装置」が開示されている。
また、例えば、実開昭55−104568号公報(以下、ロ号公報という)には、「1対の側板と、この側板間にその一部が側板より突出するように回転自在に軸支された荷台とから成る物体の移動装置」が開示されている。
また、例えば、実開昭57−184803号公報(以下、ハ号公報という)には、「被搬送物を担持する架台と、この架台の底部所定位置に配設されるコロ循環式ベアリングと、このコロ循環式ベアリングと搬送路面間に介挿される導板と、上記架台に付設され上記架台の昇降を行うジャッキとを備え、上記ジャッキの上昇時に上記コロ循環式ベアリングの方向転換および上記導板の前送りを行うようにした搬送装置」が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の技術は以下の課題を有していた。
(1)重量物を角材で押し込む方法は、重量物をコンテナ等の床面に引きずらせながら半ば強引に押し込むため、コンテナと重量物の間に大きな摩擦が生じ、コンテナ等の床面が損傷するので、コンテナ等の耐久性を阻害するという問題点を有していた。
(2)重量物を角材で押し込む方法は、重量物の角材が当接する部分に力が偏るので、重量物が変形し、また、思惑通りに移動させることができず、所望の位置に重量物を配置できないという問題点を有していた。
(3)重量物を角材で押し込むには、大型のフォークリフトが必要であるため、小型のフォークリフトしかない場所では重量物を角材で押し込むことができないという問題点を有していた。
(4)オープントップコンテナやフラットラックコンテナに積み込む方法は、コイル等の重量物を積み込んだ後、防水シート等で防水対策を行う必要や上部シートを取り付ける必要があり、工数が増加し作業性に欠けるという課題を有していた。
(5)イ号公報に記載の技術は、「フレーム」上に重量物が載置されており、「フレーム」に取り付けられた「シャフト(ピン)」に重量物の荷重がかかるので、破損し易く耐久性に欠けるという問題点を有していた。
(6)イ号公報に記載の技術は、床面に「ローラ」の転動を妨げる凹凸部が存在する場合は使用することが極めて困難になるという問題点を有していた。
(7)ロ号公報に記載の技術は、「側板」に軸支された「荷台」に重量物が載置されており、「側板」に取り付けられた「軸」に重量物の荷重がかかるので、破損し易く耐久性に欠けるという問題点を有していた。
(8)ハ号公報に記載の技術は、「コロ循環式ベアリング」上に配設された「架台」に重量物が載置されており、「コロ循環式ベアリング」のコロの軸に重量物の荷重がかかるので、破損し易く耐久性に欠けるという問題点を有していた。(9)イ、ロ、ハ号公報に記載の技術は、「ローラ」や「コロ循環式ベアリング」を配置する際、重量物の搬送方向と「ローラ」や「コロ循環式ベアリング」の転動方向とを平行にして配置することが困難であり、重量物を所望の方向に搬送することが困難であるという問題点を有していた。
【0004】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、簡単な操作で確実にコンテナ等の所定の場所に重量物を搬送でき、設置作業が容易な重量物搬送装置を提供すること、及び簡単な操作で確実に内部に重量物を搬送できるレール付きコンテナを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の重量物搬送装置及びそれを備えたレール付きコンテナは、以下の構成を有している。
【0006】
本発明の請求項1に記載の重量物搬送装置は、a.重量物の搬送方向と平行に配置され断面がU字状又は凹型状若しくはV字状の固定レールと、b.移動方向を重量物の搬送方向と平行にして固定レールの溝部に載置される転動体と、c.下部側が固定レールの溝部に遊嵌されて転動体上に載置されるスライド部材と、を備え、固定レールの溝部の深さが、転動体の高さより大きく、かつ、転動体の高さとスライド部材の厚みとの和より小さく形成されている構成を有している。
【0007】
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)重量物搬送装置を構成する部材は、溝型鋼や角鋼,丸鋼を切断したもの等の単純な形状であるため、生産性に優れると共に耐久性に優れる。
(2)固定レールとスライド部材との間に転動体が配設されているので、重量物をスライド部材上に載置し、重量物を搬送する方向に押圧することにより、転動体が固定レールの溝部を移動すると共にスライド部材が転動体上を移動するので、所望の搬送方向へスライド部材上の重量物を容易に搬送することができ、作業性に優れる。
(3)溝部の深さは、転動体の高さより大きく、かつ、転動体の高さとスライド部材の厚さとの和より小さく形成されており、スライド部材の下部側は固定レールの溝部に遊嵌されている。これにより、転動体とスライド部材の下部側は固定レールの内側壁にガイドされながら、また、スライド部材の上部側は固定レールの溝部から上方に突出した状態で移動する。よって、スライド部材は、固定レールに対して平行な状態で移動し、スライド部材上に載置された重量物は固定レールの側壁に当接しないので、横揺れに強く、搬送性に優れる。
(4)固定レールの外壁には何も配設されておらず、スライド部材の下部側は固定レールの溝部に遊嵌された状態で移動されるので、固定レールの外壁をコンテナの壁面等に密着して配置してもスライド部材を移動させることができ、また、固定レールの外壁に固定レールの位置決めをするためのアタッチメント等の部材を容易に配設することができる。
(5)重量物搬送装置を設定する床面又は地表面に凹凸部が存在しても、転動体は固定レールの溝部を移動するので、重量物を容易に搬送することができ、作業性に優れる。
(6)重量物の荷重は転動体にかかっているので、転動体の強度が耐え得る荷重の重量物であれば搬送することができ、耐荷重性に優れると共に重量物の搬送性に優れる。
(7)固定レールの長さを調節することにより、重量物を搬送する距離を調節することができるので、汎用性に優れる。
(8)重量物の荷重が大きい場合は転動体の密度を増やすと共にスライド部材の厚みを厚くすることにより、重量物の荷重に対応でき、反対に、該荷重が小さい場合は転動体の密度を小さくしスライド部材の厚みを薄くすることで、重量物の荷重に応じて現場で自在に対応できる。
(9)固定レールをコンテナ等の所定の場所に予め固定しておくことにより、現場で固定レールを配置する工程を省くことができ、作業性に優れる。
【0008】
ここで、固定レールとしては、溝型鋼を切断したもの等が用いられる。
スライド部材としては、角鋼、角パイプ、I型鋼等が用いられる。
スライド部材の下面の形状は、平滑なものが用いられる。転動体上をスムーズに移動でき、かつ、重量物の荷重を均等に転動体にかけるためである。また、スライド部材の前後の下面がソリ状に傾斜して形成されているもの等が用いられる。これにより、スライド部材を転動体につかえることなくスムーズに移動させることができる。
スライド部材の上面の形状としては、下面と平行であるもの、載置される重量物(コイル等)に応じて傾斜して形成されているもの、凹凸部が形成されているもの等が用いられる。重量物に応じて上面を形成することにより、スライド部材上に重量物を安定して載置することができる。
転動体としては、固定レールの溝部に複数並設される円柱状のコロ、固定レールの溝部に敷き詰められる球体等が用いられる。
重量物搬送装置は、重量物の搬送方向と平行に複数並設することが好ましい。複数の重量物搬送装置で、重量物を支持できるので重量物の形状や重量の大小に対応することができ、複数のスライド部材に重量物を載置させることができるので重量物を安定して搬送することができ、複数の重量物搬送装置を近接させて並設することにより、床全体が動く状態と同様の状態にして用いることができるので、従来、フォークリフト等が進入することが不可能であるため有効利用されていなかった倉庫や工場の隅等のいわゆるデッドスペースも、重量物の収納場所として用いることができ、敷地面積の有効利用を図ることができるためである。
【0009】
本発明の請求項2に記載の重量物搬送装置は、a.板状体と、b.板状体に重量物の搬送方向と平行に形成された1以上の溝部と、c.移動方向を重量物の搬送方向と平行にして溝部に載置される転動体と、d.下部側が溝部に遊嵌されて転動体上に載置されるスライド部材と、を備え、溝部の深さが、転動体の高さより大きく、かつ、転動体の高さとスライド部材の厚みとの和より小さく形成されている構成を有している。
【0010】
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)床板とスライド部材との間に転動体が配設されているので、重量物をスライド部材上に載置し、重量物を搬送する方向に押圧することにより、転動体が床板の溝部を移動すると共にスライド部材が転動体上を移動するので、所望の搬送方向へスライド部材上の重量物を容易に搬送することができ、作業性に優れる。(2)スライド部材に重量物が載置されるので、安定して作業をすることができる。
(3)板状体として、コンテナの床板やトラックの荷台等を用いることにより、コンテナやトラックに重量物搬送装置を常備させることができ、作業性に優れる。
(4)溝部の深さは、転動体の高さより大きく、かつ、転動体の高さとスライド部材の厚みとの和より小さく形成されているので、スライド部材の下部側と転動体は床板の溝部の内側壁にガイドされながら移動する。よって、スライド部材は、床板に対して平行な状態で移動するので、横揺れに強く、搬送性に優れる。(5)重量物の荷重は転動体にかかっているので、転動体の強度が耐え得る荷重の重量物であれば搬送することができ、耐荷重性に優れると共に重量物の搬送性に優れる。
(6)重量物の荷重が大きい場合は転動体の密度を増やすと共にスライド部材の厚みを厚くすることにより、重量物の荷重に対応でき、反対に、該荷重が小さい場合は転動体の密度を小さくしスライド部材の厚みを薄くすることで、重量物の荷重に応じて現場で自在に対応できる。
【0011】
ここで、板状体としては、コンテナの床面やトラックの荷台、工場の床面等が用いられる。また、板状体に溝部を形成していから、コンテナの床面やトラックの荷台に固定してもよい。
スライド部材としては、角鋼、角パイプ、I型鋼等が用いられる。
スライド部材の下面の形状は、平滑なものが用いられる。転動体上をスムーズに移動でき、かつ、重量物の荷重を均等に転動体にかけるためである。また、スライド部材の前後の下面がソリ状に傾斜して形成されているもの等が用いられる。これにより、スライド部材を転動体につかえることなくスムーズに移動させることができる。
スライド部材の上面の形状としては、下面と平行であるもの、載置される重量物(コイル等)に応じて傾斜して形成されているもの、凹凸部が形成されているもの等が用いられる。重量物に応じて上面を形成することにより、スライド部材上に重量物を安定して載置することができる。
転動体としては、固定レールの溝部に複数並設される円柱状のコロ、固定レールの溝部に敷き詰められる球体等が用いられる。
板状体に形成される溝部の位置や数は、搬送される重量物の重量や大きさ、収納位置等により、適宜決定されるが、好適には、各溝部間の間隔が等しいものが用いられる。偏荷重を防止するためである。
【0012】
本発明の請求項3に記載の発明は請求項1又は2に記載の重量物搬送装置であって、互いに平行に並設された複数の固定レールの溝部又は板状体の複数の溝部に、各々配置された複数のスライド部材の上面に架設固定されたスライド板を備えている構成を有している。
【0013】
この構成により、請求項1又は2の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)スライド板上に重量物を載置することができるので、安定して作業を行うことができる。
(2)並設されたスライド部材同士の間隔より小さな形状の重量物も、スライド板上に載置することにより、容易に搬送することができる。
ここで、スライド板の形状としては、上面と下面が平行であるもの、上面が載置される重量物に応じて傾斜して形成されているもの、上面に凹凸部が形成されているもの、リフトで運搬可能なパレット状のもの等が用いられる。
スライド部材とスライド板とを一体に形成した場合、これにより、スライド部材とスライド板との接続箇所がなくなり、耐久性に優れるので好ましい。
【0014】
本発明の請求項4に記載の発明は請求項1乃至3の内何れか一項に記載の重量物搬送装置であって、スライド部材の上面又はスライド板の上面に配設された2以上のコイル用歯止めを備えている構成を有している。
【0015】
この構成により、請求項1乃至3の内何れか一項の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)コイルをスライド部材又はスライド板上に容易に載置することができる。
(2)コイルをスライド部材又はスライド板上に載置する際に、コイル下部の一端側を予めスライド部材又はスライド板上固定された一のコイル用歯止めに当接させて載置し、次いで、コイル下部の他端側に他のコイル用歯止めを当接させた状態で、他のコイル用歯止めの下部をスライド部材やスライド板上に溶接やボルト止め等により固定する。
(3)搬送するコイルの大きさに合わせて、一の第1のコイル用歯止めと他のコイル用歯止めとの間の幅を調節することができるので、コイルの大小に係わらずコイルを確実に保持させて搬送することができ、汎用性に優れると共に安全性に優れる。
【0016】
ここで、コイル用歯止めとしては、コイルの周壁に当接する面がコイルの周壁の応じて傾斜又は湾入した形状のもの等が用いられる。
コイル用歯止めは、予めスライド部材又はスライド板上に配設してもよく、コイルをスライド部材又はスライド板上に載置した後に配設してもよい。
【0017】
本発明の請求項5に記載の発明は請求項1乃至4の内何れか一項に記載の重量物搬送装置であって、転動体が、複数のコロや鋼球等で形成された転動子と、複数の転動子を軸支し複数の転動子の間隔を保持する間隔保持部材と、を備えている構成を有している。
【0018】
この構成により、請求項1乃至4の内何れか一項の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)各転動子の間隔は間隔保持部材により一定に保たれているので、重量物の荷重は重量物の下方に位置する転動子に均一にかかり、耐久性に優れる。
(2)転動体を固定レールの溝部に配置することにより、複数の転動子を一度に配置することができるので、作業性に優れる。
(3)間隔保持部材を備えているので、転動体の移動方向の長さを長くすることができ、固定レールの溝部に配置した際の転動体の移動方向と重量物の搬送方向(固定レールの軸方向)とのズレを少なくすることができ、設置性に優れると共に搬送性に優れる。
(4)重量物の荷重は転動子にかかっているので、転動子の強度が耐え得る荷重の重量物であれば搬送することができ、耐荷重性に優れると共に重量物の搬送性に優れる。
【0019】
ここで、転動子としては、円筒コロ、球面コロ、長球状や球状の鋼球、一体車輪等が用いられる。鋼球や球面コロは、固定レールの溝部やスライド部材と点接触するため重量物の荷重が点接触部に集中して歪むことがあるので、超重量物を搬送する場合は、円筒コロ等が好適に用いられる。
間隔保持部材としては、両側に複数の転動子を軸支する板状体や棒状体、複数の転動子の両端を軸支する板状体や棒状体等が用いられる。間隔保持部材同士の端部に連結部を設け、間隔保持部材同士を連結できるようにしてもよい。これにより、所望の数の転動子を一工程で配置することができる。
【0020】
本発明の請求項6に記載の発明は請求項1乃至4の内何れか一項に記載の重量物搬送装置であって、転動体が、板状の間隔保持部材と、間隔保持部材に複数形成された転動子遊挿部と、転動子遊挿部に各々遊挿されたコロや鋼球等で形成された転動子と、転動子遊挿部の縁部に形成され転動子の高さの中間より上部側及び下部側の転動子の転動面に摺動自在に当接した転動子保持部と、を備えている構成を有している。
【0021】
この構成により、請求項1乃至4の内何れか一項の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)各転動子の間隔は間隔保持部材により一定に保たれているので、重量物の荷重は重量物の下方に位置する転動子に均一にかかり、耐久性に優れる。
(2)転動体を固定レールの溝部に配置することにより、複数の転動子を一度に配置することができるので、作業性に優れる。
(3)間隔保持部材を備えているので、転動体の移動方向の長さを長くすることができ、固定レールの溝部に配置した際の転動体の移動方向と重量物の搬送方向(固定レールの軸方向)とのズレを少なくすることができ、設置性に優れると共に搬送性に優れる。
(4)重量物の荷重は転動子にかかっているので、転動子の強度が耐え得る荷重の重量物であれば搬送することができ、耐荷重性に優れると共に重量物の搬送性に優れる。
(5)転動子保持部が転動子の転動面に摺動自在に当接していることによって、転動子はスムーズに回動することができるので、別途転動子に軸孔等を穿設する必要が無く、生産性に優れる。
(6)転動子保持部が転動子の高さの中間より上部側及び下部側の転動子の転動面に当接しているので、転動体を固定レール上に配置する際等に転動体を持ち上げても転動子が抜脱することがなく、作業性に優れる。
【0022】
ここで、転動子としては、円筒コロ、球面コロ、長球状や球状の鋼球、一体車輪等が用いられる。鋼球や球面コロは、固定レールの溝部やスライド部材と点接触するため重量物の荷重が点接触部に集中して歪むことがあるので、超重量物を搬送する場合は、円筒コロ等が好適に用いられる。
転動子保持部としては、転動子遊挿部の縁部から転動子の転動面の上部側及び下部側に向けて突設された爪状体や、転動子の転動面の形状に沿って凹状に形成されたもの等が用いられる。
強度が減少しない範囲で間隔保持部材に円形状や楕円形状、多角形状等の切除部を穿設した場合は、間隔保持部材が軽量化され搬送性や作業性に優れるので好ましい。
【0023】
本発明の請求項7に記載の発明は請求項1乃至6の内何れか一項に記載の重量物搬送装置であって、スライド部材の下部側の両側部に軸支され溝部の内側壁を転動するガイドローラを備えている構成を有している。
【0024】
この構成により、請求項1乃至6の内何れか一項の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)ガイドローラが転動しながら、かつ、溝部の内壁面にガイドされながら、スライド部材が移動するので、よりスムーズに重量物を搬送することができ、作業性に優れる。
【0025】
ここで、ガイドローラとしては、角柱状のスライド部材の四隅に軸支されたローラ、スライド部材の両側面に複数並設されたローラ等が用いられる。
【0026】
本発明の請求項8に記載のレール付きコンテナは、請求項1乃至7の内何れか一項に記載の重量物搬送装置が、床板の上面に配設されている構成を有している。
【0027】
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)スライド部材や転動体を構成する部材は、溝型鋼や角鋼,丸鋼を切断したもの等の単純な形状であるため、生産性に優れると共に耐久性に優れる。
(2)溝部とスライド部材との間に転動体が配設されているので、重量物をスライド部材上に載置し、重量物を搬送する方向に押圧することにより、転動体が溝部を移動すると共にスライド部材が転動体上を移動するので、コンテナの内部へスライド部材上の重量物を容易に搬送することができ、作業性に優れる。
(3)溝部の深さは、転動体の高さより大きく、かつ、転動体の高さとスライド部材の厚みとの和より小さく形成されており、スライド部材の下部側は溝部に遊嵌されている。これにより、転動体とスライド部材の下部側は溝部の側壁にガイドされながら、また、スライド部材の上部側は溝部から上方に突出した状態で移動する。よって、スライド部材は、溝部に対して平行な状態で移動し、スライド部材上に載置された重量物は固定レールの側壁や床板の上面に当接しないので、横揺れに強く、搬送性に優れる。
(4)重量物の荷重は転動体にかかっているので、転動体の強度が耐え得る荷重の重量物であれば搬送することができ、耐荷重性に優れると共に重量物の搬送性に優れる。
(5)重量物の荷重が大きい場合は転動体の密度を増やすと共にスライド部材の厚みを厚くすることにより、重量物の荷重に対応でき、反対に、該荷重が小さい場合は転動体の密度を小さくしスライド部材の厚みを薄くすることで、重量物の荷重に応じて現場で自在に対応できる。
【0028】
ここで、コンテナとしては、オープントップコンテナ、フラットラックコンテナ、ドライコンテナが用いられるが、ドライコンテナが好適に用いられる。上部シートの取り付け作業や防水シートによる防水対策が必要なく、最小の工数で作業することができるためである。
固定レールとしては、レール付きコンテナの床板に開口部から内部に向けて固定して配設されたもの、脱着自在に配設されたもの等が用いられる。
また、固定レールは、コンテナ製造時に骨組みに直接組み込むことが好ましい。これにより、耐久性が向上するとともに、固定レールの位置が低くなりコンテナの高さを有効利用することができるためである。
【0029】
本発明の請求項9に記載の発明は請求項8に記載のレール付きコンテナであって、請求項1,3,4,5,6,7の固定レールに代えて、床板の上面に重量物の搬送方向と平行に形成された溝部を備え、溝部の深さが、転動体の高さより大きく、かつ、転動体の高さとスライド部材の厚みとの和より小さく形成されている構成を有している。
【0030】
この構成により、請求項8の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)コンテナの床板に直接溝部が形成されているので、固定レールやスペーサを配置する必要がなく、作業性に優れる。
【0031】
ここで、溝部としては、レール付きコンテナの製造工程において開口部から内部にかけて床板に凹設されたもの等が用いられる。
【0032】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1における重量物搬送装置について、以下図面を参照しながら説明する。
【0033】
図1は本発明の実施の形態1における重量物搬送装置の要部斜視図であり、図2はその拡大分解斜視図である。
尚、説明の便宜上、重量物の搬送方向を前後方向とする。
図1及び図2において、1Aは本発明の実施の形態1における重量物搬送装置、2は溝型鋼等からなる断面が凹型状の固定レールである。3は固定レール2内に配置され固定レール2の溝部2aに沿って転動する転動体、3aは3列に並設された板状の間隔保持部材、3bは各間隔保持部材3a間の前後に固定された軸部、3cは軸部3bに軸支された円柱状のコロ等の転動子、4は下部が溝部2aに遊嵌されて転動体3上に配置される角柱体や角パイプ体,I型鋼等からなるスライド部材である。スライド部材4は、固定レール2の溝部2aに沿って複数の転動体3上を前後に移動させられる。
スライド部材4の下面の形状は、平滑なものが用いられる。転動体3上をスムーズに移動でき、かつ、重量物の荷重を均等に転動体3にかけるためである。また、スライド部材4の前後の下面がソリ状に傾斜して形成されているもの等を用いる場合もある。これにより、スライド部材4を転動体3につかえることなくスムーズに移動させることができる。
スライド部材4の上面の形状としては、載置される重量物(コイル等)に応じて傾斜して形成されているもの、凹凸部が形成されているもの等を用いる場合もある。重量物に応じて上面を形成することにより、スライド部材4上に重量物を安定して載置することができる。
【0034】
図3は本発明の実施の形態1における重量物搬送装置の要部正面図である。
図3において、1Aは本発明の実施の形態1における重量物搬送装置、2は固定レール、2aは溝部、3は転動体、3aは間隔保持部材、3bは軸部、3cは転動子、4はスライド部材であり、これらは図1及び図2と同様のものである。
L1は固定レール2の溝部2aの深さ、L2は転動子3cの高さ、L3はスライド部材4の厚みである。溝部2aの深さL1は、転動子3cの高さL2より大きく、かつ、転動子3cの高さL2とスライド部材4の厚みL3との和より小さく形成されている。
W1は固定レール2の溝部2aの幅、W1’は固定レール2の外側壁間の幅、W2は転動体3の幅、W3はスライド部材4の幅である。
固定レール2の溝部2aの幅W1は、転動体3の幅W2及びスライド部材4の幅W3より多少大きく形成されている。これにより、転動体3及びスライド部材4の下部側は、固定レール2の側壁にガイドされながら、溝部2aに沿って転動体3上をを前後に移動させられる。
【0035】
ここで、固定レール2の溝部2aに配置する転動体3の数量や1つの転動体3に配設される転動子3cの数量、間隔保持部材3aの長さは、搬送される重量物の重量や搬送する距離等に応じて適宜選択される。また、間隔保持部材3aの強度に応じて、間隔保持部材3aは2乃至複数列を並設させる。
転動体3として、溝部2aに敷き詰められる鋼球や、溝部2aに単独で(間隔保持部材を用いず)配置されるコロ等を用いる場合もある。鋼球を溝部2aに敷き詰める場合は、鋼球の転動方向は一方向ではないため、スライド部材4が安定して移動しづらい。また、鋼球は溝部2a及びスライド部材4と点接触するため重量物の荷重が集中し鋼球の一部が歪むことがある。コロを単独で溝部2aに配置する場合は、コロの転動方向と重量物の搬送方向とのズレを少なくして配置することが困難になる。間隔保持部材3aに鋼球やコロ等で形成された転動子3cを保持させ、重量物の搬送方向の転動体3の長さを長くすることにより、重量物の搬送方向と転動体3の移動方向とのズレを少なくして配置することが容易になる。
【0036】
上記の間隔保持部材3aを配設することにより、転動体3の移動方向と重量物の搬送方向のズレを少なくして配置することが容易になる理由について、コロを単独で溝部に配置する場合と比較して説明する。
図4(a)は本実施の形態1の転動体3を固定レール2の溝部2aに配置した場合の平面模式図であり、図4(b)はコロを単独で固定レール2の溝部2aに配置した場合の平面模式図である。
図4において、2は固定レール、2aは溝部、3は転動体、3aは間隔保持部材、3bは軸部、3cは転動子であり、これらは図1〜図3と同様のものである。
3’は固定レール2の溝部2aに単独で配置されたコロ、gは転動体3の両側と固定レール2の内側壁との間、及びコロ3’の両側と固定レール2の内側壁との間の間隙、αは重量物の搬送方向に対する転動体3の傾きが最大になったときの重量物の搬送方向と転動体3の移動方向とのズレ角度、βは重量物の搬送方向に対するコロ3’の傾きが最大になったときの重量物の搬送方向とコロ3’の移動方向とのズレ角度である。
図4に示すように、本実施の形態1における転動体3は、コロ3’より移動方向の長さが長いため、間隙gがコロ3’と同一であっても、固定レール2の溝部2aに配置された際の移動方向が重量物の搬送方向に対してずれにくい。
【0037】
以上のように構成された本発明の実施の形態1の重量物搬送装置を用いた重量物の搬送方法について、以下図面を参照しながら説明する。
図5は本発明の実施の形態1における重量物搬送装置を用いた作業状態を示す要部斜視図である。
図5において、1Aは重量物搬送装置、2は固定レール、2aは溝部、3は転動体、3aは間隔保持部材、3cは転動子、4はスライド部材であり、これらは図1〜図4と同様のものである。溝部2a及びに配置される転動体3の数量や、並設される固定レールの本数は、搬送される重量物の重量や移動距離に応じて適宜選択される。
5は並設された2本の固定レール2間の前後に配置されるスペーサ、5aはスペーサ5の上面の両側に各々一対の板状体を立設させて形成されたレール嵌合部である。スペーサ5の両側に形成されたレール嵌合部5aに固定レール2の下部側を各々嵌合させることにより、固定レール2同士を平行に保つことができる。
6は各固定レール2に延設され固定レール2の溝部2aと同一の幅,高さ,内壁空間の溝部6aをする溝型鋼等からなる延設レール、7は固定レール2と延設レール6を直線状に連結する繋ぎ部材、8は下面の左右部がスライド部材4,4上に各々載置されたパレット、9はパレット8上に載置された状態で重量物搬送装置1Aによって搬送される粉製品を収納した容器や工作機械等の重量物、10は重量物9が積載されるドライコンテナ、11はドライコンテナ10内に配置された固定レール2とドライコンテナ10外に配設される延設レール6との高さを合わせるために延設レール6の下方に配置された角材等の高さ調整部である。
ここで、ドライコンテナ10の奥側のスペーサ5は、固定レール2,2の上方から嵌合固定させる場合もある。これにより、スペーサ5をストッパとしても用いることができ、別途用意するストッパ(後述、図7)を減らすことができる。
【0038】
図6は繋ぎ部材の要部斜視図である。
図6において、2は固定レール、2aは溝部、6は延設レール、6aは溝部であり、これらは図5と同様のものなので同一の符号を付してその説明を省略する。
7は固定レール2と延設レール6との対向する端部同士の外面側に嵌合され断面が略U字状の繋ぎ部材である。
【0039】
図7はストッパの要部斜視図である。
図7において、2は固定レール、2aは溝部、3は転動体、3aは間隔保持部材、3cは転動子、4はスライド部材であり、これらは図1〜図5と同様のものなので、同一の符号を付してその説明を省略する。
12は固定レール2に上方から嵌合され曲折部12aが釘等によってドライコンテナ10の床面に固定される断面が逆U字状のストッパである。重量物9を所望の位置まで搬送した後、ストッパ12を固定レール2に嵌合・固定させることによって、スライド部材4が係止されスライド部材4がドライコンテナ10の揺れや傾きにより移動することを防止する。
【0040】
重量物9のドライコンテナ10内への搬送は、まず、ドライコンテナ10に2本の固定レール2を並設し、嵌合部5aに固定レール2の下部側を各々嵌合させて、スペーサ5を2本の固定レール2間の前後に配置する。これにより、2本の固定レール2が平行に配置される。次いで、高さ調整部11を上面がドライコンテナ10の内底面と同一の高さになるようにドライコンテナ10の開口部から外側に向けて配置し支持台等で固定する。次いで、高さ調整部11上に延設レール6を配置して、各固定レール2に延設レール6を延設させる。この際、固定レール2と延設レール6との対向する端部同士の外面側に繋ぎ部材7を嵌合させ、固定レール2と延設レール6とを直線状に配置する。次いで、各固定レール2の溝部2a及び各延設レール6の溝部6aに所定数の転動体3を配置する。
次いで、各延設レール6の溝部6aに配置された転動体3上にスライド部材4を配置する。次いで、フォークリフト(図示せず)やクレーン(図示せず)等を用い、重量物9をパレット8に載置された状態でスライド部材4上に載置する。重量物9が単独でスライド部材4上に載置可能である場合は、パレット8を使用しない場合もある。次いで、作業員(図示せず)が、重量物9をドライコンテナ10内に押し進めて行く。ドライコンテナ10内の所定の位置まで重量物9を搬送したら、ストッパ12(図7参照)を固定レール2に嵌合させ曲折部12aを釘等でドライコンテナ10の床面に固定し、スライド部材4が移動しないようにする。複数の重量物9を積載する場合は、上記動作を繰り返す。
全ての重量物9を積載した後、延設レール6及び高さ調整部11を取り外し、ドライコンテナ10内へ重量物9を搬送する作業を終了する。ドライコンテナ10内へ搬送された重量物9は、ワイヤロープ等でラッシングされ、ドライコンテナ10に固定される。
【0041】
以上のように構成された本発明の実施の形態1の重量物搬送装置によれば、以下のような作用が得られる。
(1)重量物搬送装置1Aを構成する部材は、溝型鋼や角鋼,丸鋼を切断したもの等の単純な形状であるため、生産性に優れると共に耐久性に優れる。
(2)固定レール2とスライド部材4との間に転動体3が配設されているので、重量物9をスライド部材4上に載置し、重量物9を搬送する方向に押圧することにより、転動体3が固定レール2の溝部2aを移動すると共にスライド部材4が転動体3上を移動するので、所望の搬送方向へスライド部材4上の重量物9を容易に搬送することができ、作業性に優れる。
(3)溝部2aの深さL1は、転動子3cの高さL2より大きく、かつ、転動子3cの高さL2とスライド部材4の厚みL3との和より小さく形成されているので、スライド部材4の下部と転動子3cは固定レール2の内側壁にガイドされながら移動する。よって、スライド部材4は、固定レール2に対して平行な状態で移動するので、横揺れに強く、搬送性に優れる。
(4)固定レール2の外側壁間の幅W1’は、スライド部材4の幅W3より大きく形成されているので、固定レール2の外壁をドライコンテナ10の壁面近くに配置してもスライド部材4を移動させることができ、また、固定レール2の外壁にスペーサ5等の部材を容易に配設することができ、設置性に優れると共に作業性に優れる。
(5)重量物搬送装置1Aを設置する床面又は地表面に凹凸部が存在しても、転動体3は固定レール2の溝部2aを移動するので、重量物9を容易に搬送することができ、作業性に優れる。
(6)重量物9の荷重は転動子3cにかかっているので、転動子3cの強度が耐え得る荷重の重量物9であれば搬送することができ、耐荷重性に優れると共に重量物9の搬送性に優れる。
(7)固定レール2の長さを調節することにより、重量物9を搬送する距離を調節することができるので、汎用性に優れる。
(8)重量物9の荷重が大きい場合は転動体3や転動子3cの個数を増やし密度を増やすと共にスライド部材4の厚みを厚くすることにより、重量物9の荷重に対応でき、反対に、該荷重が小さい場合は転動体3や転動子3cの密度を小さくしスライド部材4の厚みを薄くすることで、重量物9の荷重に応じて現場で自在に対応できる。
(9)スペーサ5を用いることにより、2本の固定レール2を容易に平行に配置することができる。
(10)固定レール2をドライコンテナ10内に予め平行にして固定しておくことにより、現場でスペーサ5を用いて2本の固定レール2を平行に配置する工程を省くことができ、作業性に優れる。
(11)各転動子3cの間隔は間隔保持部材3aにより一定に保たれているので、重量物9の荷重は重量物9の下方に位置する各転動子3cに分散されて均一にかかり、転動子3cが変形することなく耐久性に優れる。
(12)転動体3を固定レール2の溝部2aに配置することにより、間隔保持部材3aに軸支された複数の転動子3cを一工程で配置することができるので、作業性に優れる。
(13)間隔保持部材3aを備えているので、転動体3の移動方向の長さを長くすることができ、固定レール2の溝部2aに配置した際の転動体3の移動方向と重量物の搬送方向(固定レール2の軸方向)とのズレを少なくすることができ、設置性に優れると共に搬送性に優れる。
(14)繋ぎ部材7を備えているので、固定レール2と延設レール6とを直線状に連結させることができ、固定レール2と延設レール6との連結部において転動体3がつかえることがなく、スムーズに重量物8を搬送することができる。
尚、本実施の形態1においては、重量物搬送装置1Aを使用してドライコンテナ10に重量物9を積載する場合について説明したが、トラックの荷台や倉庫に重量物を搬送する場合や、工場で工作機械を移動させる場合等に重量物搬送装置1Aを使用しても同様に実施可能である。
また、本実施の形態1においては、間隔保持部材3aを3列並設しその間に転動子3cを軸支させた転動体3を用いたが、間隔保持部材3aを2列並設しその間に固定レール2の溝部2aの幅より若干幅の狭いコロ等の転動子を軸支させた転動体を用いても同様に実施可能である。並設される間隔保持部材3aの数量は、固定レールの溝部の幅や転動子の幅に応じて適宜選択される。
また、本実施の形態1においては、転動子3cを軸部3bに軸支させたが、転動子の両側に突起部を形成し(転動子と軸部を一体に形成し)その突起部を間隔保持部材に軸支させても同様に実施可能である。
また、本実施の形態1においては、繋ぎ部材7を用いて固定レール2と延設レール6とを直線状に連結したが、スペーサ5の嵌合部5aに固定レール2と延設レール6の端部を嵌合させる場合もある。これにより、並設された固定レール2同士を平行に配置することができると共に固定レール2と延設レール6を直線状に連結させることができる。
【0042】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2における重量物搬送装置について、以下図面を参照しながら説明する。
【0043】
図8は本発明の実施の形態2における重量物搬送装置を用いた作業状態を示す要部斜視図である。
図8において、1Bは本発明の実施の形態2におけるコイルを搬送する重量物搬送装置、2は固定レール、2aは溝部、3は転動体、4はスライド部材、5はスペーサ、5aは嵌合部、6は延設レール、6aは溝部、7は繋ぎ部材、10はドライコンテナ、11は高さ調整部であり、これらは実施の形態1と同様のものであり、同一の符号を付してその説明を省略する。
21は隣接するスライド部材4に予め架設・固定された第1のコイル用歯止め、22は下部側にスライド部材4の上面に溶接等により固定される固定部22aを有し第1のコイル用歯止め21に対向して配設される第2のコイル用歯止め、23は下部側が第1のコイル用歯止め21,第2のコイル用歯止め22に挟持されてスライド部材4上に載置されるコイルである。第1のコイル用歯止め21,第2のコイル用歯止め22は、コイル23の周壁に当接する面が傾斜して形成されている。
第2のコイル用歯止め22は、コイル23をスライド部材4上に載置した後、コイル23の大きさに合わせて第1のコイル用歯止め21にコイル23が当接する面を対向させて固定部22aがスライド部材4上に溶接やボルト止め等により固定される。
尚、本実施の形態2における重量物搬送装置1Bの第1のコイル用歯止め21,第2のコイル用歯止め22以外の構成及び作業方法は、実施の形態1の重量物搬送装置1Aと同様なので、その説明を省略する。
【0044】
以上のように構成された本発明の実施の形態2の重量物搬送装置によれば、実施の形態1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)搬送するコイル23の大きさに合わせて、第1のコイル用歯止め21と第2のコイル用歯止め22との間の幅を調節することができるので、コイル23の大小に係わらずコイル23を確実に保持させて搬送することができ、汎用性に優れると共に安全性に優れる。
尚、本実施の形態2においては、コイル23を載置した後に第2のコイル用歯止め22をスライド部材4に固定したが、コイル23の大きさが一定の場合等は、予め第1のコイル用歯止め21及び第2のコイル用歯止め22をスライド部材4上に固定しておいてもよい。
【0045】
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3における重量物搬送装置について、以下図面を参照しながら説明する。
【0046】
図9は本発明の実施の形態3における重量物搬送装置の要部正面図である。
図9において、2は固定レール、2aは溝部、3は転動体、3aは間隔保持部材、3bは軸部、3cは転動子であり、これらは実施の形態1と同様のものであるので同一の符号を付してその説明を省略する。
1Cは本発明の実施の形態3における重量物搬送装置、4’は角柱状のスライド部材、4aはスライド部材4’の下部側の四隅に形成された凹部、4bは凹部4aに配設されたローラ軸、4cはローラ軸4bに軸支され溝部2aの内側壁を転動するガイドローラである。ガイドローラ4cは一部がスライド部材4’の側面より固定レール2の内壁面側に突出させて配設されている。
尚、本実施の形態3の重量物搬送装置1Cが、実施の形態1の重量物搬送装置1Aと異なる点は、スライド部材4’がガイドローラ4cを備えた点であり、それ以外の構成は同様のものなので説明を省略する。
【0047】
以上のように構成された本実施の形態3の重量物搬送装置によれば、実施の形態1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)ガイドローラ4cが転動しながら、かつ、固定レール2の内壁面にガイドされながら、スライド部材4’が移動するので、よりスムーズに重量物を搬送することができ、作業性に優れる。
尚、本実施の形態3においては、ガイドローラ4cをスライド部材4’の四隅に配設したが、スライド部材4’の両側壁にガイドローラ4cを複数並設させても同様に実施可能である。
【0048】
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4におけるレール付きコンテナについて、以下図面を参照しながら説明する。
【0049】
図10は本発明の実施の形態4におけるレール付きコンテナを用いた作業状態を示す要部斜視図であり、図11はその正面図である。
図10及び図11において、3は転動体、3aは間隔保持部材、3bは軸部、3cは転動子、4はスライド部材、8はパレット、9は重量物であり、これらは実施の形態1と同様のものであるので、同一の符号を付してその説明を省略する。
1Dは本実施の形態4におけるドライ型のレール付きコンテナ、32はレール付きコンテナ1Dの床板、32aはレール付きコンテナ1Dの床板32に開口部からレール付きコンテナ1D内部に向けて複数並設された溝部、33は平行に並設された複数のスライド部材4の上面に架設固定されたスライド板、34は溝部32aと同一の幅,高さ,内壁空間の溝部34aを複数有し溝部32aと溝部34aとが連通するように床板32に延設される延設板である。
床板32の溝部32aの深さは、転動子3cの高さより大きく、かつ、転動子3cの高さとスライド部材4の厚みとの和より小さく形成されている。
スライド部材4とスライド板33は一体に形成する場合もある。これにより、スライド部材4とスライド板33との接合箇所がなくなり、耐久性を向上させることができる。
【0050】
以上のように構成された本実施の形態4のレール付きコンテナを用いた重量物の搬送方法について、以下図面を参照しながら説明する。
重量物9のレール付きコンテナ1D内への搬送は、まず、溝部34aと溝部32aとを各々連通させて延設板34を床板32に延設する。次いで、床板32の各溝部32a及び延設板34の各溝部34aに転動体3を配置する。溝部32a及び溝部34aに配置される転動体3の数量は搬送される重量物の重量や移動距離に応じて適宜選択される。
次いで、延設板34の各溝部34aに配置された転動体3上にスライド板33のスライド部材4を載置する。次いで、フォークリフト(図示せず)やクレーン(図示せず)等を用い、重量物9をパレット8に載置された状態でスライド板33上に載置する。次いで、作業員が(図示せず)が、重量物9をレール付きコンテナ1D内に押し進めて行く。複数の重量物9を積載する場合は、上記動作を繰り返す。
全ての重量物9を積載した後、延設板34を取り外し、レール付きコンテナ1D内へ重量物9を搬送する作業を終了する。レール付きコンテナ1D内へ搬送された重量物9は、ワイヤロープ等でラッシングされレール付きコンテナ1D内に固定される。
【0051】
以上のように構成された本発明の実施の形態4におけるレール付きコンテナによれば、以下のような作用が得られる。
(1)レール付きコンテナ1Dの床板32に直接溝部32aが形成されているので、実施の形態1のように固定レール2やスペーサ5を配置する必要がなく、作業性に優れる。
(2)スライド板33に重量物9が載置されるので、安定して作業をすることができる。
(3)床板32とスライド板33のスライド部材4との間に転動体3が配設されているので、重量物9をスライド板33上に載置し、重量物9を搬送する方向に押圧することにより、転動体3が床板32の溝部32aを移動すると共にスライド板33が転動体3上を移動するので、レール付きコンテナ1D内部へスライド板33上の重量物9を容易に搬送することができ、作業性に優れる。
(4)溝部32aの深さは、転動子3cの高さより大きく、かつ、転動子3cの高さとスライド板33のスライド部材4の厚みとの和より小さく形成されているので、スライド部材4の下部と転動子3cは床板32の溝部32aの内側壁にガイドされながら移動する。よって、スライド板33は、床板32に対して平行な状態で移動するので、横揺れに強く、搬送性に優れる。
(5)重量物9の荷重は転動子3cにかかっているので、転動子3cの強度が耐え得る荷重の重量物9であれば搬送することができ、耐荷重性に優れると共に重量物9の搬送性に優れる。
(6)重量物9の荷重が大きい場合は転動体3や転動子3cの密度を増やすと共にスライド板33の厚みを厚くすることにより、重量物9の荷重に対応でき、反対に、該荷重が小さい場合は転動体3や転動子3cの密度を小さくしスライド板33の厚みを薄くすることで、重量物9の荷重に応じて現場で自在に対応できる。
(7)各転動子3cの間隔は間隔保持部材3aにより一定に保たれているので、重量物9の荷重は重量物9の下方に位置する転動子3cに均一にかかり、耐久性に優れる。
(8)転動体3を床板32の溝部32aに配置することにより、複数の転動子3cを一度に配置することができるので、作業性に優れる。
(9)間隔保持部材3aを備えているので、転動体3の移動方向の長さを長くすることができ、床板32の溝部32aに配置した際の転動体3の移動方向と重量物の搬送方向(床板32の溝部32aの軸方向)とのズレを少なくすることができ、設置性に優れると共に搬送性に優れる。
尚、本実施の形態4においては、延設板34を用いたが、実施の形態1と同様の延設レール6と高さ調整部11を用いても同様に実施可能である。
また、本実施の形態4においては、5本の溝部32a全てに転動体3を配置したが、転動体3を配置する溝部32aの数は重量物9の重量や形状に応じて適宜選択される。
【0052】
(実施の形態5)
次に、本発明の実施の形態5における転動体について、以下図面を参照しながら説明する。
【0053】
図12は本発明の実施の形態5における転動体の要部斜視図であり、図13はそのX−X線における矢視断面図である。
図12及び図13において、41は本実施の形態5における転動体、42は両側部が下方へ折曲された板状の間隔保持部材、43は間隔保持部材42の長手方向に並べて複数開口された転動子遊挿部、44は転動子遊挿部43に各々遊挿された円柱状のコロ等の転動子、45は転動子遊挿部43の縁部に突設され転動子44の高さの中間より上部側の転動子44の転動面に当接した上部側転動子保持部、46は転動子遊挿部43の縁部から下方に折曲されて形成され下部側が転動子44の高さの中間より下部側の転動子44の転動面に当接した下部側転動子保持部、47は各転動子遊挿部43同士の間の間隔保持部材42に円形状に穿設された切除部である。
尚、転動子44の装設は下部側転動子保持部46を下方に折曲させた後、転動子44の上部側を上部側転動子保持部45に当接させ、下部側転動子保持部46の下部を転動子44の転動面に当接するように湾曲させることによって、又は、下部側転動子保持部46の下部を湾曲させた後、上部側転動子保持部45と下部側転動子保持部46とによって形成された空間に側方から転動子44を挿設すること等によって行う。
【0054】
以上のように構成された本発明の実施の形態5における転動体を備えた重量物搬送装置やレール付きコンテナによれば、以下のような作用が得られる。
(1)各転動子44の間隔は間隔保持部材42により一定に保たれているので、重量物の荷重は重量物の下方に位置する転動子44に均一にかかり、耐久性に優れる。
(2)転動体41を固定レール2の溝部に配置することにより、複数の転動子44を一度に配置することができるので、作業性に優れる。
(3)間隔保持部材42を備えているので、転動体41の移動方向の長さを長くすることができ、固定レールの溝部に配置した際の転動体41の移動方向と重量物の搬送方向(固定レールの軸方向)とのズレを少なくすることができ、設置性に優れると共に搬送性に優れる。
(4)重量物の荷重は転動子44にかかるので、転動子44の強度が耐え得る荷重の重量物であれば搬送することができ、耐荷重性に優れると共に重量物の搬送性に優れる。
(5)上部側転動子保持部45及び下部側転動子保持部46が転動子44の転動面に摺動自在に当接していることによって、転動子44はスムーズに回動することができるので、別途転動子44に軸孔等を穿設する必要が無く、生産性に優れると共に転動子44の耐荷重性に優れる。
(6)上部側転動子保持部45及び下部側転動子保持部46が転動子44の高さの中間より上部側及び下部側の転動子44の転動面に当接しているので、転動体41を固定レール上に配置する際等に転動体41を持ち上げても転動子遊挿部43から転動子44が抜脱することがなく、作業性に優れる。
(7)切除部47が穿設されているので、間隔保持部材42を軽量化することができ、搬送製に優れる共に作業性に優れる。
(8)間隔保持部材42の両側部が折曲されているので、縦方向の曲げ応力に対して耐久性に優れる。
尚、本実施の形態5の転動体41は、実施の形態1〜4における重量物搬送装置やレール付きコンテナの転動体に代えて用いられる場合もある。
また、本実施の形態5においては、切除部47を円形に穿設したが、楕円形や多角形等に穿設する場合もある。
【0055】
【発明の効果】
以上のように本発明のによれば、以下のような有利な効果が得られる。
請求項1に記載の発明によれば、以下の効果を有する。
(1)重量物搬送装置を構成する部材は、溝型鋼や角鋼,丸鋼を切断したもの等の単純な形状であるため、生産性に優れると共に耐久性に優れる。
(2)固定レールとスライド部材との間に転動体が配設されているので、重量物をスライド部材上に載置し、重量物を搬送する方向に押圧することにより、転動体が固定レールの溝部を移動すると共にスライド部材が転動体上を移動するので、所望の搬送方向へスライド部材上の重量物を容易に搬送することができ、作業性に優れる。
(3)溝部の深さは、転動体の高さより大きく、かつ、転動体の高さとスライド部材の厚さとの和より小さく形成されており、スライド部材の下部側は固定レールの溝部に遊嵌されている。これにより、転動体とスライド部材の下部側は固定レールの内側壁にガイドされながら、また、スライド部材の上部側は固定レールの溝部から上方に突出した状態で移動する。よって、スライド部材は、固定レールに対して平行な状態で移動し、スライド部材上に載置された重量物は固定レールの側壁に当接しないので、横揺れに強く、搬送性に優れる。
(4)固定レールの外壁には何も配設されておらず、スライド部材の下部側は固定レールの溝部に遊嵌された状態で移動されるので、固定レールの外壁をコンテナの壁面等に密着して配置してもスライド部材を移動させることができ、また、固定レールの外壁に固定レールの位置決めをするためのアタッチメント等の部材を容易に配設することができる。
(5)重量物搬送装置を設定する床面又は地表面に凹凸部が存在しても、転動体は固定レールの溝部を移動するので、重量物を容易に搬送することができ、作業性に優れる。
(6)重量物の荷重は転動体にかかっているので、転動体の強度が耐え得る荷重の重量物であれば搬送することができ、耐荷重性に優れると共に重量物の搬送性に優れる。
(7)固定レールの長さを調節することにより、重量物を搬送する距離を調節することができるので、汎用性に優れる。
(8)重量物の荷重が大きい場合は転動体の密度を増やすと共にスライド部材の厚みを厚くすることにより、重量物の荷重に対応でき、反対に、該荷重が小さい場合は転動体の密度を小さくしスライド部材の厚みを薄くすることで、重量物の荷重に応じて現場で自在に対応できる。
(9)固定レールをコンテナ等の所定の場所に予め固定しておくことにより、現場で固定レールを配置する工程を省くことができ、作業性に優れる。
【0056】
請求項2に記載の発明によれば、以下の効果を有する。
(1)床板とスライド部材との間に転動体が配設されているので、重量物をスライド部材上に載置し、重量物を搬送する方向に押圧することにより、転動体が床板の溝部を移動すると共にスライド部材が転動体上を移動するので、所望の搬送方向へスライド部材上の重量物を容易に搬送することができ、作業性に優れる。
(2)スライド部材に重量物が載置されるので、安定して作業をすることができる。
(3)板状体として、コンテナの床板やトラックの荷台等を用いることにより、コンテナやトラックに重量物搬送装置を常備させることができ、作業性に優れる。
(4)溝部の深さは、転動体の高さより大きく、かつ、転動体の高さとスライド部材の厚みとの和より小さく形成されているので、スライド部材の下部側と転動体は床板の溝部の内側壁にガイドされながら移動する。よって、スライド部材は、床板に対して平行な状態で移動するので、横揺れに強く、搬送性に優れる。(5)重量物の荷重は転動体にかかっているので、転動体の強度が耐え得る荷重の重量物であれば搬送することができ、耐荷重性に優れると共に重量物の搬送性に優れる。
(6)重量物の荷重が大きい場合は転動体の密度を増やすと共にスライド部材の厚みを厚くすることにより、重量物の荷重に対応でき、反対に、該荷重が小さい場合は転動体の密度を小さくしスライド部材の厚みを薄くすることで、重量物の荷重に応じて現場で自在に対応できる。
【0057】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加え、以下の効果を有する。
(1)スライド板上に重量物を載置することができるので、安定して作業を行うことができる。
(2)並設されたスライド部材同士の間隔より小さな形状の重量物も、スライド板上に載置することにより、容易に搬送することができる。
【0058】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3の内何れか一項の効果に加え、以下の効果を有する。
(1)コイルをスライド部材又はスライド板上に容易に載置することができる。
(2)コイルをスライド部材又はスライド板上に載置する際に、コイル下部の一端側を予めスライド部材又はスライド板上固定された一のコイル用歯止めに当接させて載置し、次いで、コイル下部の他端側に他のコイル用歯止めを当接させた状態で、他のコイル用歯止めの下部をスライド部材やスライド板上に溶接やボルト止め等により固定する。
(3)搬送するコイルの大きさに合わせて、一の第1のコイル用歯止めと他のコイル用歯止めとの間の幅を調節することができるので、コイルの大小に係わらずコイルを確実に保持させて搬送することができ、汎用性に優れると共に安全性に優れる。
【0059】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至4の内何れか一項の効果に加え、以下の効果を有する。
(1)各転動子の間隔は間隔保持部材により一定に保たれているので、重量物の荷重は重量物の下方に位置する転動子に均一にかかり、耐久性に優れる。
(2)転動体を固定レールの溝部に配置することにより、複数の転動子を一度に配置することができるので、作業性に優れる。
(3)間隔保持部材を備えているので、転動体の移動方向の長さを長くすることができ、固定レールの溝部に配置した際の転動体の移動方向と重量物の搬送方向(固定レールの軸方向)とのズレを少なくすることができ、設置性に優れると共に搬送性に優れる。
(4)重量物の荷重は転動子にかかっているので、転動子の強度が耐え得る荷重の重量物であれば搬送することができ、耐荷重性に優れると共に重量物の搬送性に優れる。
【0060】
請求項6に記載の発明によれば、請求項1乃至4の内何れか一項の効果に加え、以下の効果を有する。
(1)各転動子の間隔は間隔保持部材により一定に保たれているので、重量物の荷重は重量物の下方に位置する転動子に均一にかかり、耐久性に優れる。
(2)転動体を固定レールの溝部に配置することにより、複数の転動子を一度に配置することができるので、作業性に優れる。
(3)間隔保持部材を備えているので、転動体の移動方向の長さを長くすることができ、固定レールの溝部に配置した際の転動体の移動方向と重量物の搬送方向(固定レールの軸方向)とのズレを少なくすることができ、設置性に優れると共に搬送性に優れる。
(4)重量物の荷重は転動子にかかっているので、転動子の強度が耐え得る荷重の重量物であれば搬送することができ、耐荷重性に優れると共に重量物の搬送性に優れる。
(5)転動子保持部が転動子の転動面に摺動自在に当接していることによって、転動子はスムーズに回動することができるので、別途転動子に軸孔等を穿設する必要が無く、生産性に優れる。
(6)転動子保持部が転動子の高さの中間より上部側及び下部側の転動子の転動面に当接しているので、転動体を固定レール上に配置する際等に転動体を持ち上げても転動子が抜脱することがなく、作業性に優れる。
【0061】
請求項7に記載の発明によれば、請求項1乃至6の内何れか一項の効果に加え、以下の効果を有する。
(1)ガイドローラが転動しながら、かつ、溝部の内壁面にガイドされながら、スライド部材が移動するので、よりスムーズに重量物を搬送することができ、作業性に優れる。
【0062】
請求項8に記載の発明によれば、以下の効果を有する。
(1)スライド部材や転動体を構成する部材は、溝型鋼や角鋼,丸鋼を切断したもの等の単純な形状であるため、生産性に優れると共に耐久性に優れる。
(2)溝部とスライド部材との間に転動体が配設されているので、重量物をスライド部材上に載置し、重量物を搬送する方向に押圧することにより、転動体が溝部を移動すると共にスライド部材が転動体上を移動するので、コンテナの内部へスライド部材上の重量物を容易に搬送することができ、作業性に優れる。
(3)溝部の深さは、転動体の高さより大きく、かつ、転動体の高さとスライド部材の厚みとの和より小さく形成されており、スライド部材の下部側は溝部に遊嵌されている。これにより、転動体とスライド部材の下部側は溝部の側壁にガイドされながら、また、スライド部材の上部側は溝部から上方に突出した状態で移動する。よって、スライド部材は、溝部に対して平行な状態で移動し、スライド部材上に載置された重量物は固定レールの側壁や床板の上面に当接しないので、横揺れに強く、搬送性に優れる。
(4)重量物の荷重は転動体にかかっているので、転動体の強度が耐え得る荷重の重量物であれば搬送することができ、耐荷重性に優れると共に重量物の搬送性に優れる。
(5)重量物の荷重が大きい場合は転動体の密度を増やすと共にスライド部材の厚みを厚くすることにより、重量物の荷重に対応でき、反対に、該荷重が小さい場合は転動体の密度を小さくしスライド部材の厚みを薄くすることで、重量物の荷重に応じて現場で自在に対応できる。
【0063】
請求項9に記載の発明によれば、請求項8の効果に加え、以下の効果を有する。
(1)コンテナの床板に直接溝部が形成されているので、固定レールやスペーサを配置する必要がなく、作業性に優れる。
【0064】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における重量物搬送装置の要部斜視図
【図2】本発明の実施の形態1における重量物搬送装置の拡大分解斜視図
【図3】本発明の実施の形態1における重量物搬送装置の要部正面図
【図4】(a)本実施の形態1の転動体を固定レールの溝部に配置した場合の平面模式図
(b)コロを単独で固定レールの溝部に配置した場合の平面模式図
【図5】本発明の実施の形態1における重量物搬送装置を用いた作業状態を示す要部斜視図
【図6】繋ぎ部材の要部斜視図
【図7】ストッパの要部斜視図
【図8】本発明の実施の形態2における重量物搬送装置を用いた作業状態を示す要部斜視図
【図9】本発明の実施の形態3における重量物搬送装置の要部正面図
【図10】本発明の実施の形態4におけるレール付きコンテナを用いた作業状態を示す要部斜視図
【図11】本発明の実施の形態4におけるレール付きコンテナを用いた作業状態を示す要部正面図
【図12】本発明の実施の形態5における転動体の要部斜視図
【図13】図12のX−X線における矢視断面図
【符号の説明】
1A,1B,1C 重量物搬送装置
1D レール付きコンテナ
2 固定レール
2a 溝部
3 転動体
3’ コロ
3a 間隔保持部材
3b 軸部
3c 転動子
4,4’ スライド部材
4a 凹部
4b ローラ軸
4c ガイドローラ
5 スペーサ
5a 嵌合部
6 延設レール
6a 溝部
7 繋ぎ部材
8 パレット
9 重量物
10 ドライコンテナ
11 高さ調整部
12 ストッパ
12a 曲折部
21 第1のコイル用歯止め
22 第2のコイル用歯止め
22a 固定部
23 コイル
32 床板
32a 溝部
33 スライド板
34 延設板
34a 溝部
41 転動体
42 間隔保持部材
43 転動子遊挿部
44 転動子
45 上部側転動子保持部
46 下部側転動子保持部
47 切除部

Claims (9)

  1. a.重量物の搬送方向と平行に配置され断面がU字状又は凹型状若しくはV字状の固定レールと、
    b.移動方向を前記重量物の搬送方向と平行にして前記固定レールの溝部に載置される転動体と、
    c.下部側が前記固定レールの前記溝部に遊嵌されて前記転動体上に載置されるスライド部材と、
    を備え、
    前記固定レールの前記溝部の深さが、前記転動体の高さより大きく、かつ、前記転動体の高さと前記スライド部材の厚みとの和より小さく形成されていることを特徴とする重量物搬送装置。
  2. a.板状体と、
    b.前記板状体に重量物の搬送方向と平行に形成された1以上の溝部と、
    c.移動方向を前記重量物の搬送方向と平行にして前記溝部に載置される転動体と、
    d.下部側が前記溝部に遊嵌されて前記転動体上に載置されるスライド部材と、
    を備え、
    前記溝部の深さが、前記転動体の高さより大きく、かつ、前記転動体の高さと前記スライド部材の厚みとの和より小さく形成されていることを特徴とする重量物搬送装置。
  3. 互いに平行に並設された複数の前記固定レールの前記溝部又は前記板状体の複数の前記溝部に、各々配置された複数の前記スライド部材の上面に架設固定されたスライド板を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の重量物搬送装置。
  4. 前記スライド部材の上面又は前記スライド板の上面に配設された2以上のコイル用歯止めを備えていることを特徴とする請求項1乃至3の内何れか一項に記載の重量物搬送装置。
  5. 前記転動体が、
    複数のコロや鋼球等で形成された転動子と、複数の前記転動子を軸支し複数の前記転動子の間隔を保持する間隔保持部材と、を備えていることを特徴とする請求項1乃至4の内何れか一項に記載の重量物搬送装置。
  6. 前記転動体が、
    板状の間隔保持部材と、前記間隔保持部材に複数形成された転動子遊挿部と、前記転動子遊挿部に各々遊挿されたコロや鋼球等で形成された転動子と、前記転動子遊挿部の縁部に形成され前記転動子の高さの中間より上部側及び下部側の前記転動子の転動面に摺動自在に当接した転動子保持部と、を備えていることを特徴とする請求項1乃至4の内何れか一項に記載の重量物搬送装置。
  7. 前記スライド部材の下部側の両側部に軸支され前記溝部の内側壁を転動するガイドローラを備えていることを特徴とする請求項1乃至6の内何れか一項に記載の重量物搬送装置。
  8. 請求項1乃至7の内何れか一項に記載の重量物搬送装置が、床板の上面に配設されていることを特徴とするレール付きコンテナ。
  9. 請求項1,3,4,5,6,7の前記固定レールに代えて、前記床板の上面に前記重量物の搬送方向と平行に形成された溝部を備え、
    前記溝部の深さが、前記転動体の高さより大きく、かつ、前記転動体の高さと前記スライド部材の厚みとの和より小さく形成されていることを特徴とする請求項8に記載のレール付きコンテナ。
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