JP3581006B2 - 測距装置およびその調整方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カメラ等に用いるのに好適なアクティブ型の測距装置およびその調整方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、カメラにおけるアクティブ型の測距装置として、図13に示すものが知られている。図13は、第1の従来技術に係る測距装置の構成図である。
【0003】
この図に示す測距装置では、CPU110による制御の下、ドライバ112は、赤外線発光ダイオード(以下「IRED」という。)114を駆動して赤外光を出力させ、その赤外光を投光レンズ(図示せず)を介して測距対象物に投光する。その測距対象物で反射した赤外光は受光レンズ(図示せず)を経て位置検出素子(以下「PSD」という。)116に集光され、PSD116は、その赤外光の反射光を受光した位置に応じて2つの信号I1 およびI2 を出力する。第1信号処理回路118は、信号I1 に含まれるノイズとなる定常光成分を除去し、第2信号処理回路120は、信号I2 に含まれるノイズとなる定常光成分を除去する。
【0004】
演算回路132は、定常光成分が除去された信号I1 およびI2 に基づいて、出力比(I1 /(I1+I2))を演算により求め、測距対象物までの距離に応じた出力比信号を出力する。積分回路134は、多数回このようにして演算回路132から出力される出力比信号を積分してS/N比を改善する。この積分回路134から出力される信号(以下「AF信号」という。)は、測距対象物までの距離に応じたものである。そして、CPU110は、積分回路134から出力されるAF信号に基づいて、所定の演算を行って距離信号を求め、この距離信号に基づいてレンズ駆動回路136を制御してレンズ138を合焦位置まで移動させる。
【0005】
図14は、この第1の従来技術の積分回路134から出力されるAF信号と測距対象物までの距離との関係を示す図である。この図に示すグラフにおいて、横軸は、測距対象物までの距離Lの逆数(1/L)であり、縦軸は、出力比(I1 /(I1+I2))すなわちAF信号である。この図に示すように、或る距離L4 以下では、距離Lの逆数(1/L)に対して出力比は略線形関係にあり、距離Lが大きく(1/Lが小さく)なると出力比は小さくなる。しかし、距離L4 以上では、距離Lが大きくなると逆にノイズ成分の影響が大きくなる。ノイズ成分をIn (In ≧0)とすると、出力比は、(I1+In)/(I1+In+I2+In)となり、距離L4 以遠では、出力比は大きくなる方向に変動する。しかも、In はランダムに発生する為、測距条件により不安定になる。これは、距離Lが大きくなると、PSD116が受光する反射光の強度が小さくなってノイズ成分In が相対的に大きくなるからである。このような現象が起きると、測距対象物までの距離Lを出力比から一意的に決定することができない。
【0006】
そこで、このような問題を解決する測距装置として、以下のようなものが知られている。図15は、第2の従来技術に係る測距装置の構成図である。なお、この図では、受光側のみ示している。この図に示す測距装置では、PSD140から出力された信号I1 およびI2 それぞれは、定常光除去回路142および144それぞれにより定常光成分が除去された後、演算回路146および148の双方に入力する。演算回路146は、定常光成分が除去された信号I1 およびI2 に基づいて、I1 /(I1+I2)なる演算を行って出力比を求め、積分回路150は、その出力比を積分する。一方、演算回路148は、I1+I2なる演算を行って光量を求め、積分回路152は、その光量を積分する。そして、選択部160は、出力比および光量の一方を選択して、これに基づいて測距対象物までの距離を求める。なお、選択部160は、CPUにおける処理である。
【0007】
また、図16は、第3の従来技術に係る測距装置の構成図である。なお、この図でも、受光側のみ示している。この図に示す測距装置では、PSD170から出力された信号I1 およびI2 それぞれは、定常光除去回路172および174それぞれにより定常光成分が除去された後、スイッチ176の一端に入力する。このスイッチ176は、CPUにより制御され、定常光除去回路172および174のいずれかの出力を積分回路178に入力させるものである。積分回路178は、入力した信号I1 およびI2 の何れか一方を積分し、演算部180は、その積分結果に基づいて、I1 /(I1+I2)なる演算を行って出力比を求め、一方、演算部182は、I1+I2なる演算を行って光量を求める。そして、選択部184は、出力比および光量の一方を選択して、これに基づいて測距対象物までの距離を求める。なお、演算部180,182および選択部184は、CPUにおける処理である。
【0008】
これら第2および第3の従来技術に係る測距装置(図15、図16)は、共に、測距対象物までの距離Lが小さいときには、出力比(I1 /(I1+I2))に基づいて距離Lを求め、距離Lが大きいときには、光量(I1+I2)に基づいて距離Lを求めるものであり、このようにすることにより、距離Lを一意的に決定することができるものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、第2および第3の従来技術に係る測距装置(図15、図16)は、共に、第1の従来技術に係る測距装置(図13)の問題点を解決し得るものではある。しかし、第2の従来技術に係る測距装置(図15)は、演算回路および積分回路を共に2組設ける必要があり、これを第1の従来技術に係る測距装置(図13)と比較すると、回路規模が大きくなってコスト高になるという問題点がある。一方、第3の従来技術に係る測距装置(図16)は、回路規模が小さくなるものの、PSD170からの信号I1およびI2の双方を同時に検出することができないので、第2の従来技術に係る測距装置(図15)と同程度のS/N比で距離Lを求めようとすれば2倍の時間を要する。
【0010】
また、上記何れの従来技術とも、カメラ組立時においてIREDとPSDとの相対的位置関係が異なることがあり、このような場合、測距結果に誤差が生じる。すなわち、図17に示すように、IREDとPSDとの相対的位置関係(図17(a))が設計どおりの位置にある場合(図17(b))には、PSDからの出力信号は、実際の距離を示すが、その相対的位置関係がずれることにより、PSDからの出力信号は、測距対象物が実際よりも遠くにあることを示したり(図17(c))、あるいは、実際よりも近くにあることを示したりする(図17(d))。したがって、PSD出力から距離信号を算出する際に用いられる変換式のパラメータを、製造時(出荷前の調整時)にカメラ毎に求めておき、カメラのメモリに予め記憶しておく必要がある。しかし、測距対象物までの距離が大きくなると、実測に基づいてそのパラメータを求めることが困難となる。
【0011】
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、小さい回路規模で且つ短時間に、測距対象物までの距離が大きくても一意的に距離を求めることができる測距装置およびその調整方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る測距装置は、(1) 測距対象物に向けて光束を出力する発光手段と、(2) 測距対象物に投光された光束の反射光を、測距対象物までの距離に応じた受光位置で受光し、その受光位置に基づいて、受光光量が一定であれば距離が遠いほど大きな値である遠側信号と、受光光量が一定であれば距離が近いほど大きな値である近側信号とを出力する受光手段と、(3) 遠側信号を入力してクランプ信号のレベルと大小比較し、遠側信号のレベルがクランプ信号のレベル以上の場合には遠側信号をそのまま出力し、そうでない場合にはクランプ信号を出力するクランプ手段と、(4) 近側信号とクランプ手段から出力された信号との比を演算して出力比信号を求め、この出力比信号を積算してAF信号を求めて、このAF信号を出力する演算手段と、(5) AF信号が基準被検体反射率で定められたクランプ効果有無判断基準レベルより近側である場合には第1の変換式に従って、そうでない場合には第2の変換式に従ってAF信号を距離に応じた距離信号に変換する変換手段と、を備える。さらに、第2の変換式が、クランプ効果有無判断基準レベルより近側にある距離におけるAF信号測定値、基準被検体反射率SRに対して小さいクランプ効果量実測時反射率MRを有する対象物をクランプ手段によるクランプ効果が確認できるクランプ効果実測距離LCに配置して実測されたAF信号測定値、クランプ効果有無判断基準レベルより近側にある距離におけるAF信号設計値および出力比設計値、クランプ効果実測距離LCにおけるAF信号設計値、クランプ信号のレベル、ならびに、距離(LC/ ( MR/SR ) 1/2 )におけるAF信号設計値に基づいて決定されたものであることを特徴とする。
【0013】
この測距装置によれば、発光手段から測距対象物に向けて出力された光束は、その測定対象物で反射し、その反射光は、受光手段により、測距対象物までの距離に応じた受光位置で受光され、その受光位置に基づいて、受光光量が一定であれば距離が遠いほど大きな値である遠側信号と、受光光量が一定であれば距離が近いほど大きな値である近側信号とが出力される。クランプ手段により、この遠側信号がクランプ信号のレベルと大小比較され、遠側信号のレベルがクランプ信号のレベル以上の場合には、遠側信号がそのまま出力され、そうでない場合には、当該クランプ信号が出力される。演算手段により、近側信号とクランプ手段から出力された信号との比が演算されて出力比信号が求められ、この出力比信号が積算されてAF信号が求められて、このAF信号が出力される。変換手段により、AF信号が基準被検体反射率で定められたクランプ効果有無判断基準レベルより近側である場合には第1の変換式に従って、そうでない場合には第2の変換式に従って、AF信号が距離に応じた距離信号に変換されて出力される。ここで、第2の変換式は、クランプ効果有無判断基準レベルより近側にある距離におけるAF信号測定値、基準被検体反射率SRに対して小さいクランプ効果量実測時反射率MRを有する対象物をクランプ手段によるクランプ効果が確認できるクランプ効果実測距離LCに配置して実測されたAF信号測定値、クランプ効果有無判断基準レベルより近側にある距離におけるAF信号設計値および出力比設計値、クランプ効果実測距離LCにおけるAF信号設計値、クランプ信号のレベル、ならびに、距離(LC/ ( MR/SR ) 1/2 )におけるAF信号設計値に基づいて決定されている。そして、この測距装置がカメラに組み込まれて自動焦点用に用いられるものであれば、その距離信号に基づいて撮影レンズが合焦制御される。
【0014】
また、本発明に係る測距装置の調整方法は、(1) 測距対象物に向けて光束を出力する発光手段と、(2) 測距対象物に投光された光束の反射光を、測距対象物までの距離に応じた受光位置で受光し、その受光位置に基づいて、受光光量が一定であれば距離が遠いほど大きな値である遠側信号と、受光光量が一定であれば距離が近いほど大きな値である近側信号とを出力する受光手段と、(3) 遠側信号を入力してクランプ信号のレベルと大小比較し、遠側信号のレベルがクランプ信号のレベル以上の場合には遠側信号をそのまま出力し、そうでない場合にはクランプ信号を出力するクランプ手段と、(4) 近側信号とクランプ手段から出力された信号との比を演算して出力比信号を求め、この出力比信号を積算してAF信号を求めて、このAF信号を出力する演算手段と、(5) AF信号が基準被検体反射率で定められたクランプ効果有無判断基準レベルより近側である場合には第1の変換式に従って、そうでない場合には第2の変換式に従って、AF信号を距離に応じた距離信号に変換する変換手段と、を備える測距装置の調整方法であって、(a) 第1の変換式を実測に基づいて求め、(b) 第2の変換式を、クランプ効果有無判断基準レベルより近側にある距離におけるAF信号測定値、基準被検体反射率SRに対して小さいクランプ効果量実測時反射率MRを有する対象物をクランプ手段によるクランプ効果が確認できるクランプ効果実測距離LCに配置して実測されたAF信号測定値、クランプ効果有無判断基準レベルより近側にある距離におけるAF信号設計値および出力比設計値、クランプ効果実測距離LCにおけるAF信号設計値、クランプ信号のレベル、ならびに、距離(LC/ ( MR/SR ) 1/2 )におけるAF信号設計値に基づいて決定することを特徴とする。
【0015】
この測距装置の調整方法によれば、第1の変換式については、比較的近距離にある測距対処物について容易に実測に依り求めることができ、一方、第2の変換式については、基準被検体反射率SRに対して小さいクランプ効果量実測時反射率MRを有する対象物をクランプ手段によるクランプ効果が確認できるクランプ効果実測距離LCに配置して実測されたAF信号測定値等に基づく演算により決定することができるので、実測のための広い調整室が不要であり、また、調整に要する時間が短い。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。尚、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0017】
先ず、本実施形態に係る測距装置の全体の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る測距装置の構成図である。
【0018】
CPU1は、この測距装置を備えるカメラ全体を制御するものであり、EEPROM2に予め記憶されているプログラムおよびパラメータに基づいて、この測距装置を含むカメラ全体を制御する。この図に示す測距装置においては、CPU1は、ドライバ3を制御してIRED4からの赤外光の出射を制御し、自動焦点用IC(以下「AFIC」という。)10の動作を制御するとともに、AFIC10から出力されるAF信号を入力する。
【0019】
IRED4から出射された赤外光は、IRED4の前面に配された投光レンズ(図示せず)を介して測距対象物に投光され、その一部が反射され、そして、その反射光は、PSD5の前面に配された受光レンズ(図示せず)を介してPSD5の受光面上の何れかの位置で受光される。この受光位置は、測距対象物までの距離に応じたものである。そして、PSD5は、その受光位置に応じた2つの信号I1 およびI2 を出力する。信号I1 は、受光光量が一定であれば距離が近いほど大きな値である近側信号であり、信号I2 は、受光光量が一定であれば距離が遠いほど大きな値である遠側信号であり、信号I1 およびI2 の和は、PSD5が受光した反射光の光量を表し、出力比(I1 /(I1+I2))は、PSD5の受光面上の受光位置すなわち測距対象物までの距離を表す。そして、近側信号I1 は、AFIC10のPSDN端子に入力し、遠側信号I2 は、AFIC10のPSDF端子に入力する。ただし、実際には、外界条件により近側信号I1 および遠側信号I2 それぞれに定常光成分I0 が付加された信号がAFIC10に入力される場合がある。
【0020】
AFIC10は、集積回路(IC)であって、第1信号処理回路11、第2信号処理回路12、クランプ回路13、演算回路14および積分回路15から構成される。第1信号処理回路11は、PSD5から出力された信号I1+I0を入力し、その信号に含まれる定常光成分I0 を除去して、近側信号I1 を出力するものであり、また、第2信号処理回路12は、PSD5から出力された信号I2+ I0を入力し、その信号に含まれる定常光成分I0 を除去して、遠側信号I2 を 出力するものである。
【0021】
クランプ回路13は、第2信号処理回路12から出力された遠側信号I2 を入力し、或る一定レベルのクランプ信号Ic および遠側信号I2 それぞれのレベルを大小比較し、前者が大きいときにはクランプ信号Ic を出力し、そうでないときには遠側信号I2 をそのまま出力する。以下では、このクランプ回路13から出力される信号をI2cで表す。ここで、クランプ信号Ic は、図14で示した距離L4 に対応する遠側信号I2 のレベルと略同じレベルとする。
【0022】
演算回路14は、第1信号処理回路11から出力された近側信号I1 と、クランプ回路13から出力された信号I2c(遠側信号I2 およびクランプ信号Ic の何れか)とを入力し、出力比(I1/(I1+I2c))を演算し、その結果を出力する。積分回路15は、その出力比を入力し、AFIC10のCINT 端子に接続された積分コンデンサ6とともに、その出力比を多数回積算し、これによりS/N比の改善を図る。そして、その積算された出力比は、AF信号としてAFIC10のSOUT端子から出力される。
【0023】
CPU1は、AFIC10から出力されたAF信号を入力し、所定の演算を行ってAF信号を距離信号に変換し、その距離信号をレンズ駆動回路7に送出する。レンズ駆動回路7は、その距離信号に基づいて撮影レンズ8を合焦動作させる。なお、CPU1におけるAF信号から距離信号への変換演算については後述する。
【0024】
次に、AFIC10の第1信号処理回路11、クランプ回路13および積分回路15について、より具体的な回路構成について説明する。図2は、本実施形態に係る測距装置における第1信号処理回路11および積分回路15の回路図である。また、図3は、本実施形態に係る測距装置におけるクランプ回路13の回路図である。なお、第2信号処理回路12も、第1信号処理回路11と同様の回路構成である。
【0025】
第1信号処理回路11は、その回路図が図2に示されており、PSD5から出力された定常光成分I0 を含む近側信号I1 を入力し、これに含まれる定常光成分I0 を除去して、近側信号I1 を出力するものである。PSD5の近距離側端子から出力される電流(I1 +I0 )は、AFIC10のPSDN端子を経て、第1信号処理回路11のオペアンプ20の−入力端子に入力される。オペアンプ20の出力端子はトランジスタ21のベース端子に接続されており、トランジスタ21のコレクタ端子は、トランジスタ22のベース端子に接続されている。トランジスタ22のコレクタ端子には、オペアンプ23の−入力端子が接続され、このコレクタ端子の電位が演算回路14に接続されている。さらに、トランジスタ22のコレクタ端子には圧縮ダイオード24のカソード端子が、また、オペアンプ23の+入力端子には圧縮ダイオード25のカソード端子がそれぞれ接続されており、これら圧縮ダイオード24および25それぞれのアノード端子には第1基準電源26が接続されている。
【0026】
また、AFIC10のCHF端子には定常光除去コンデンサ27が外付けされており、この定常光除去コンデンサ27は、第1信号処理回路11内の定常光除去用トランジスタ28のベース端子に接続されている。定常光除去コンデンサ27とオペアンプ23はスイッチ29を介して接続されており、このスイッチ29のオン/オフはCPU1により制御される。定常光除去用トランジスタ28のコレクタ端子はオペアンプ20の−入力端子に接続されており、トランジスタ28のエミッタ端子は他端が接地された抵抗30に接続されている。
【0027】
クランプ回路13は、その回路図が図3に示されている。クランプ回路13の判定用コンパレータ37の+入力端子は、第2信号処理回路12のトランジスタ22のコレクタ端子に接続されるとともに、スイッチ38を介して演算回路14の入力端子に接続されている。一方、判定用コンパレータ37の−入力端子は、+入力端子に接続されているトランジスタ22および圧縮ダイオード24と同様に、トランジスタ51のコレクタ端子と圧縮ダイオード52のカソード端子とに接続されるとともに、スイッチ39を介して演算回路14の入力端子に接続されている。
【0028】
また、トランジスタ51のベース端子には、定電流源41が接続されており、これによって所定のクランプレベルが設定されて、所定の大きさの電流がトランジスタ51のベース端子に入力される。この電流はトランジスタ51のベース電流となり、その大きさに応じたコレクタ電位が判定用コンパレータ37の−入力端子に入力される。
【0029】
また、スイッチ39には判定用コンパレータ37の出力端子が接続されており、判定用コンパレータ37の出力信号が入力される。また、スイッチ38にはインバータ40を介して判定用コンパレータ37の出力端子が接続されており、判定用コンパレータ37の出力信号が反転されてから入力される。したがって、スイッチ38および39は、判定用コンパレータ37からの出力信号により、一方がオン状態になると、他方がオフ状態となる関係にある。
【0030】
積分回路15は、その回路構成が図2に示されている。AFIC10のCINT 端子に外付けされた積分コンデンサ6は、スイッチ60を介して演算回路14の出力端子に接続され、スイッチ62を介して定電流源63に接続され、スイッチ65を介してオペアンプ64の出力端子に接続され、また、直接にオペアンプ64の−入力端子に接続され、さらに、その電位がAFIC10のSOUT端子から出力される。これらスイッチ60,62および65は、CPU1からの制御信号により制御される。また、オペアンプ64の+入力端子には、第2基準電源66が接続されている。
【0031】
以上のように構成されるAFIC10の作用について、図2および図3を参照しながら説明する。CPU1は、IRED4を発光させていないときには、第1信号処理回路11のスイッチ29をオン状態にする。このときにPSD5から出力される定常光成分I0 は、第1信号処理回路11に入力して、オペアンプ20ならびにトランジスタ21および22から構成される電流増幅器により電流増幅され、圧縮ダイオード24により対数圧縮されて電圧信号に変換され、この電圧信号がオペアンプ23の−入力端子に入力する。オペアンプ20に入力する信号が大きいと、圧縮ダイオードのVF が大きくなるので、オペアンプ23から出力される信号が大きく、したがって、コンデンサ27が充電される。すると、トランジスタ28にベース電流が供給されることになるので、トランジスタ28にコレクタ電流が流れ、第1信号処理回路11に入力した信号I0 のうちオペアンプ20に入力する信号は小さくなる。そして、この閉ループの動作が安定した状態では、第1信号処理回路11に入力した信号I0 の全てがトランジスタ28に流れ、コンデンサ27には、そのときのベース電流に対応した電荷が蓄えられる。
【0032】
CPU1がIRED4を発光させるとともにスイッチ29をオフ状態にすると、このときにPSD5から出力される信号I1+I0のうち定常光成分I0 は、コンデンサ27に蓄えられた電荷によりベース電位が印加されているトランジスタ28にコレクタ電流として流れ、近側信号I1 は、オペアンプ20ならびにトランジスタ21および22から構成される電流増幅器により電流増幅され、圧縮ダイオード24により対数圧縮され電圧信号に変換されて出力される。すなわち、第1信号処理回路11からは、定常光成分I0 が除去されて近側信号I1 のみが出力され、その近側信号I1 は、演算回路14に入力する。
【0033】
一方、第2信号処理回路12も、第1信号処理回路11と同様に、定常光成分I0 が除去されて遠側信号I2 のみが出力され、その遠側信号I2 は、クランプ回路13に入力する。クランプ回路13に入力した遠側信号I2 は、クランプ回路13の判定用コンパレータ37の+入力端子に入力する。定電流源41から出力された信号は、トランジスタ51のベース電流として流れ、これに伴い生じるトランジスタ51のコレクタ端子の電位(クランプ信号Ic )が判定用コンパレータ37の−入力端子に入力する。近側信号I2 とクランプ信号Ic とは、判定用コンパレータ37により大小比較され、その結果に応じて、スイッチ38および39のうち一方がオンされ、他方がオフされる。すなわち、近側信号I2 がクランプ信号Ic より大きいときには、スイッチ38がオン状態となり、スイッチ39がオフ状態となり、クランプ回路13の出力信号I2cとして近側信号I2 が出力される。大小関係が逆の場合には、スイッチ38がオフ状態となり、スイッチ39がオン状態となり、クランプ回路13の出力信号I2cとしてクランプ信号Ic が出力される。
【0034】
クランプ回路13から出力された信号I2cおよび第1信号処理回路11から出力された近側信号I1 は、演算回路14に入力され、演算回路14により出力比(I1/(I1+I2c))が演算されて出力され、その出力比は、積分回路15に入力する。IRED4が所定回数だけパルス発光している時には、積分回路15のスイッチ60はオン状態とされ、スイッチ62および65はオフ状態とされて、演算回路14から出力された出力比信号は積分コンデンサ6に蓄えられる。そして、所定回数のパルス発光が終了すると、スイッチ60はオフ状態とされ、スイッチ65はオン状態とされて、積分コンデンサ6に蓄えられた電荷は、オペアンプ64の出力端子から供給される逆電位の電荷によって減少していく。CPU1は、積分コンデンサ6の電位をモニタして、元の電位に復帰するのに要する時間を測定し、その時間に基づいてAF信号を求め、更に、測距対象物までの距離を求める。
【0035】
このようにして得られたAF信号と測距対象物までの距離Lとの関係を図4に示す。図4は、本実施形態に係る測距装置の積分回路から出力されるAF信号と測距対象物までの距離との関係を示す図である。この図に示すグラフにおいて、横軸は、測距対象物までの距離Lの逆数(1/L)であり、縦軸は、出力比(I1 /(I1+I2))すなわちAF信号である。この図に示すように、測距対象物までの距離Lが或る距離L4 以下(L≦L4 )では、クランプ回路13から出力される信号は、I2 であり、出力比は、I1 /(I1+I2)であり、距離Lの逆数(1/L)に対して出力比は略線形関係にあり、距離Lが大きく(1/Lが小さく)なると出力比は小さくなる。また、距離Lが距離L4 以上(L≧L4 )では、クランプ回路13から出力される信号は、Ic であり、出力比は、I1 /(I1+Ic)であり、この場合も、距離Lが大きくなると出力比は小さくなる。このように、クランプ回路13を用いれば、測距対象物までの距離Lは、出力比(AF信号)から一意的かつ安定に決定することができる。
【0036】
CPU1は、このようにして得られたAF信号に基づいて、撮影レンズ8の駆動量を表す距離信号を演算により求め、その距離信号をレンズ駆動回路7に送出して撮影レンズ8を合焦動作させる。図5は、本実施形態に係る測距装置におけるAF信号から距離信号への変換の説明図である。この図に示すグラフでは、横軸は、測距対象物までの距離Lの逆数(1/L)であり、左縦軸はAF信号であり、右縦軸は距離信号である。また、このグラフでは、距離LとAF信号との関係および距離Lと距離信号との関係をそれぞれ示しており、特に、距離L2,L3,L4およびL5(ただし、L2<L3<L4<L5)それぞれに対して、AF信号はy2,y3,y4およびy5それぞれであり、距離信号はx2,x3,x4およびx5それぞれであることを示している。
【0037】
ここで、距離L≦L4 の範囲および距離L>L4 の範囲それぞれにおいて、AF信号は距離Lの逆数(1/L)に対して略線形関係であり、また、距離Lの全範囲において、距離信号は距離Lの逆数(1/L)に対して略線形関係である。したがって、距離L≦L4 の範囲および距離L>L4 の範囲それぞれにおいて、AF信号と距離信号との間の関係も略線形関係である。
【0038】
そこで、基準被検体反射率(36%)で定められるクランプ効果有無判断基準レベルCOUNT_B とAF信号yとの大小を比較し、その結果に応じて違いに異なる係数の変換式で、AF信号yを距離信号xに変換する。なお、基準被検体反射率の場合、クランプ効果有無判断基準レベルCOUNT_B に対応する距離LはL4 であり、また、COUNT_B はy4 に等しい。すなわち、距離L≦L4 の範囲では、
【0039】
【数1】
Figure 0003581006
【0040】
【数2】
Figure 0003581006
なるパラメータに基づいて、AF信号yから距離信号xを
【0041】
【数3】
Figure 0003581006
なる変換式で求める。また、距離L>L4 の範囲では、
【0042】
【数4】
Figure 0003581006
【0043】
【数5】
Figure 0003581006
なるパラメータに基づいて、AF信号yから距離信号xを
【0044】
【数6】
Figure 0003581006
なる変換式で求める。なお、パラメータA2((1)式),B2((2)式),A3((4)式)およびB3((5)式)は、この測距装置が組み込まれるカメラ毎に製造時に求められ、EEPROM2等に予め記憶されている。そして、これらのパラメータは測距時にCPU1により読み出されて、 (3)式または (6)式の演算が行われて、AF信号yから距離信号xへ変換される。
【0045】
しかし、距離L5 は大きい(例えば10m以上である)ので、カメラ毎に距離L5 を設定してAF信号y5 および距離信号x5 を実測して求めることは困難であり、したがって、パラメータA3 およびB3 それぞれを (4)式および (5)式それぞれにより求めるのは困難である。そこで、本実施形態では、以下のようにしてカメラ毎にパラメータA3 およびB3 を求める。
【0046】
なお、IRED4からの出射光量やIRED4とPSD5との相対的位置関係にバラツキがある場合に、クランプ回路13におけるクランプ効果量を一定にし、クランプ効果開始距離が一定になるように、クランプ信号Ic のレベルを変更してクランプ調整を行ったり、或いは、IRED4の出射光量の調整を行うことも考えられる。しかし、このようにした場合、クランプを決定する為に数種類のクランプレベルを変更して測定する必要があるため調整に時間を要し、回路規模が大きくなることからコストが高くなる。また、制御が複雑になる等の種々の問題点がある。そこで、本発明では、クランプ回路13におけるクランプ信号Ic のレベルを一定に保ちクランプ調整を行わうことなく、以下のようにして、AF信号yから距離信号xへの変換式を求める。
【0047】
次に、本実施形態に係る測距装置の調整方法、すなわち、パラメータA2 ,B2 ,A3 およびB3 の求め方について説明する。図6は、本実施形態に係る測距装置の調整方法、すなわち、パラメータA3 およびB3 の求め方の説明図である。
【0048】
まず、測距対象物までの距離L2 およびL3 は数m程度であるので、カメラ毎にAF信号y2 およびy3 ならびに距離信号x2 およびx3 を容易に実測して求めることができ、その結果に基づいて、 (1)式および (2)式それぞれに従ってパラメータA2 およびB2 それぞれを求める。
【0049】
次に、AF信号の設計値と実測値との差から、AF信号の係数を求める。すなわち、距離L2 およびL3 それぞれに対するAF信号の設計値をKS2 およびKS3 それぞれとすると、傾斜係数KKは、
【0050】
【数7】
Figure 0003581006
で得られ、平行移動係数HKは、
【0051】
【数8】
Figure 0003581006
で得られる。そして、距離L2 に対する出力比設計値SS2 、距離L3 に対する出力比設計値SS3 、および、クランプ効果実測距離LCに対するAF信号設計値KSCに基づいて、クランプ回路13が動作していない場合におけるクランプ効果実測距離LCに対する出力比SSCを、
【0052】
【数9】
Figure 0003581006
で求める。さらに、クランプ回路13が動作している場合におけるクランプ効果実測距離LCに対するクランプ効果のある場合の出力比SDCを、クランプ効果実測距離LCに対するAF信号の測定値ycを用いて、
【0053】
【数10】
Figure 0003581006
で求める。
【0054】
次に、クランプ効果実測距離LCに対するPSD5から出力される近側信号I1 をCHNCとし、クランプ電流(測定値および設計値の何れでも可)をCLとすると、
【0055】
【数11】
Figure 0003581006
であるから、これより、CHNCを表す式として、
【0056】
【数12】
Figure 0003581006
が得られる。また、クランプ効果実測距離LCに対するPSD5から出力される遠側信号I2 をCHFCとすると、
【0057】
【数13】
Figure 0003581006
であるから、これより、CHFCを表す式として、
【0058】
【数14】
Figure 0003581006
が得られる。
【0059】
次に、反射率が異なる場合の測距対象物からの入力電流比の距離係数NDを以下のようにして求める。すなわち、クランプ効果量実測時反射率が異なる場合には、基準被検体反射率をSRとし、クランプ効果量実測時反射率をMRとして、NDを
【0060】
【数15】
Figure 0003581006
なる式で求める。あるいは、クランプ効果量実測時入射光を滅光させた場合には、フィルタ低下率をDR(%)として、NDを
【0061】
【数16】
Figure 0003581006
なる式で求める。そして、このNDに基づいて、調整距離L5 を
【0062】
【数17】
Figure 0003581006
なる式で求める。
【0063】
次に、調整距離L5 におけるクランプなし出力比SS5 を、調整距離L5 におけるAF信号の設計値KS5 に基づいて、
【0064】
【数18】
Figure 0003581006
なる式で求め、調整距離L5 における近側信号CHN5 を、
【0065】
【数19】
Figure 0003581006
なる式で求め、調整距離L5 における遠側信号CHF5 を、
【0066】
【数20】
Figure 0003581006
なる式で求める。そして、調整距離L5 におけるクランプあり出力比SD5 を、
【0067】
【数21】
Figure 0003581006
なる式で求め、調整距離L5 におけるクランプありAF信号値y5 を、
【0068】
【数22】
Figure 0003581006
なる式で求める。
【0069】
次に、距離L5 およびL4 それぞれの出力比の変化は小さいとして光量の変化だけを考慮すると、CHF=CLなる関係式から、クランプ回路13によるクランプの効果が現れる距離L4 は、
【0070】
【数23】
Figure 0003581006
で得られる。また、この場合、距離L4 では測定しないで、距離L2 から距離L4 の範囲で直線であると仮定して、クランプ効果有無判断基準レベルCOUNT_B を、
【0071】
【数24】
Figure 0003581006
なる式で求める。ここで、LD は、フィルム面と受光レンズ主点との間の距離である。
【0072】
次に、距離L3 における距離信号設計値をx3 とし、距離が無限大における距離信号設計値を0とすると、距離信号の調整係数Aは、
【0073】
【数25】
Figure 0003581006
で表され、これより、クランプの効果が現れる距離L4 における距離信号設計値x4 は、
【0074】
【数26】
Figure 0003581006
で表され、また、調整距離L5 における距離信号設計値x5 は、
【0075】
【数27】
Figure 0003581006
で表される。
【0076】
そして、以上より、パラメータA3 およびB3 を、
【数28】
Figure 0003581006
【0077】
【数29】
Figure 0003581006
なる式で求める。
【0078】
このようにして求めたパラメータA3 およびB3 を用いた変換式( (6)式)を用いることにより、AF信号xから距離信号yへ精度よく変換することができる。したがって、クランプ回路13においてクランプ信号Ic のレベルを一定にしたままでよく、調整時間が短く、回路規模が大きくなることなく、制御も容易である。また、距離L≧L4 の範囲では、距離L4 におけるクランプ効果有無判断基準レベルCOUNT_B 、調整距離L5 およびAF信号y5 については計算により求め、距離LCに対するAF信号ycのみを測定すればよいことから、容易かつ短時間に調整を行うことができる。
【0079】
次に、本実施形態に係る測距装置におけるAF信号および距離信号の計算例を示す。図7ないし図9それぞれは、PSD5とその前面に配されている受光レンズの中心との間の距離が変動した場合を示しており、図7は、PSD5が設計どおりの位置(距離 0.2225mm )にある場合の距離Lに対するAF信号および距離信号それぞれの計算結果を示すグラフであり、図8は、PSD5が遠側位置(距離 0.3025mm )にある場合の距離Lに対するAF信号および距離信号それぞれの計算結果を示すグラフであり、図9は、PSD5が近側位置(距離 0.1425mm )にある場合の距離Lに対するAF信号および距離信号それぞれの計算結果を示すグラフである。
【0080】
図10ないし図12それぞれは、IRED4から出力される赤外光の光量が変動した場合を示しており、図10は、IRED4の光量が設計どおり(光量 1)である場合の距離Lに対するAF信号および距離信号それぞれの計算結果を示すグラフであり、図11は、IRED4の光量が設計値より大きい場合(光量 1.25 )の距離Lに対するAF信号および距離信号それぞれの計算結果を示すグラフであり、図12は、IRED4の光量が設計値より小さい場合(光量 0.75 )の距離Lに対するAF信号および距離信号それぞれの計算結果を示すグラフである。
【0081】
また、図7ないし図12それぞれにおいて、(a)は、AF信号と距離Lとの関係を示すグラフであり、(b)は、上述した測距装置の調整方法により求めたパラメータA2,B2,A3およびB3を用いて、AF信号から変換して求めた距離信号を示すグラフである。
【0082】
これらの図に示すように、本発明に係る測距装置の調整方法を用いると、IRED4とPSD5との相対的位置関係が変動しても、あるいは、IRED4から出力される赤外光の光量が変動しても、距離Lが大きくなると常に距離信号は小さくなり、良好な結果が得られている。
【0083】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したとおり本発明によれば、発光手段から測距対象物に向けて出力された光束は、その測定対象物で反射し、その反射光は、受光手段により、測距対象物までの距離に応じた受光位置で受光され、その受光位置に基づいて、受光光量が一定であれば距離が遠いほど大きな値である遠側信号I2 と、受光光量が一定であれば距離が近いほど大きな値である近側信号I1 とが出力される。クランプ手段により、この遠側信号I2 がクランプ信号のレベルIc と大小比較され、遠側信号I2 のレベルがクランプ信号のレベルIc 以上の場合には、遠側信号I2 がそのまま出力され、そうでない場合には、当該クランプ信号Ic が出力される。演算手段により、近側信号I1 とクランプ手段から出力された信号Ic2との比が演算されて出力比信号が求められ、この出力比信号が積算されてAF信号が求められて、このAF信号が出力される。
【0084】
そして、変換手段により、AF信号が基準被検体反射率で定められたクランプ効果有無判断基準レベルより近側である場合には第1の変換式に従って、そうでない場合には第2の変換式に従って、AF信号が距離に応じた距離信号に変換されて出力される。ここで、第2の変換式は、クランプ効果有無判断基準レベルより近側にある距離におけるAF信号測定値、基準被検体反射率SRに対して小さいクランプ効果量実測時反射率MRを有する対象物をクランプ手段によるクランプ効果が確認できるクランプ効果実測距離LCに配置して実測されたAF信号測定値、クランプ効果有無判断基準レベルより近側にある距離におけるAF信号設計値および出力比設計値、クランプ効果実測距離LCにおけるAF信号設計値、クランプ信号のレベル、ならびに、距離(LC/ ( MR/SR ) 1/2 )におけるAF信号設計値に基づいて決定される。この測距装置がカメラに組み込まれて自動焦点用に用いられるものであれば、その距離信号に基づいて撮影レンズが合焦制御される。
【0085】
このような構成としたので、回路規模を大きくすることなく且つ短時間に、従来の光量測距併用方式と同程度の測距結果が得られ、測距対象物までの距離が大きくても一意的かつ安定に距離を求めることができる。また、測距装置の調整方法において、実測に基づいて第1の変換式のパラメータおよびクランプ効果量のみを求め、基準被検体反射率SRに対して小さいクランプ効果量実測時反射率MRを有する対象物をクランプ手段によるクランプ効果が確認できるクランプ効果実測距離LCに配置して実測されたAF信号測定値等に基づいて第2の変換式を求めることにしたので、測距対象物までの距離が大きい場合に実測する必要が無く、実測のための広い調整室が不要であり、また、AF信号(出力比信号)から距離信号への変換式が短時間に容易に求められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る測距装置の構成図である。
【図2】本実施形態に係る測距装置における第1信号処理回路および積分回路の回路図である。
【図3】本実施形態に係る測距装置におけるクランプ回路の回路図である。
【図4】本実施形態に係る測距装置の積分回路から出力されるAF信号と測距対象物までの距離との関係を示す図である。
【図5】本実施形態に係る測距装置におけるAF信号から距離信号への変換の説明図である。
【図6】本実施形態に係る測距装置の調整方法の説明図である。
【図7】PSD5が設計どおりの位置にある場合の距離Lに対するAF信号および距離信号それぞれの計算結果を示すグラフである。
【図8】PSD5が遠側位置にある場合の距離Lに対するAF信号および距離信号それぞれの計算結果を示すグラフである。
【図9】PSD5が近側位置にある場合の距離Lに対するAF信号および距離信号それぞれの計算結果を示すグラフである。
【図10】IRED4の光量が設計どおりである場合の距離Lに対するAF信号および距離信号それぞれの計算結果を示すグラフである。
【図11】IRED4の光量が設計値より大きい場合の距離Lに対するAF信号および距離信号それぞれの計算結果を示すグラフである。
【図12】IRED4の光量が設計値より小さい場合の距離Lに対するAF信号および距離信号それぞれの計算結果を示すグラフである。
【図13】第1の従来技術に係る測距装置の構成図である。
【図14】第1の従来技術の積分回路から出力されるAF信号と測距対象物までの距離との関係を示す図である。
【図15】第2の従来技術に係る測距装置の構成図である。
【図16】第3の従来技術に係る測距装置の構成図である。
【図17】IREDとPSDとの相対的位置関係のずれによる測定誤差の説明図である。
【符号の説明】
1…CPU、2…EEPROM、3…ドライバ、4…IRED(発光ダイオード)、5…PSD(位置検出素子)、6…積分コンデンサ、7…レンズ駆動回路、8…撮影レンズ、10…AFIC(自動焦点用IC)、11…第1信号処理回路、12…第2信号処理回路、13…クランプ回路、14…演算回路、15…積分回路。

Claims (2)

  1. 測距対象物に向けて光束を出力する発光手段と、
    前記測距対象物に投光された前記光束の反射光を、前記測距対象物までの距離に応じた受光位置で受光し、その受光位置に基づいて、受光光量が一定であれば前記距離が遠いほど大きな値である遠側信号と、受光光量が一定であれば前記距離が近いほど大きな値である近側信号とを出力する受光手段と、
    前記遠側信号を入力してクランプ信号のレベルと大小比較し、前記遠側信号のレベルが前記クランプ信号のレベル以上の場合には前記遠側信号をそのまま出力し、そうでない場合には前記クランプ信号を出力するクランプ手段と、
    前記近側信号と前記クランプ手段から出力された信号との比を演算して出力比信号を求め、この出力比信号を積算してAF信号を求めて、このAF信号を出力する演算手段と、
    前記AF信号が基準被検体反射率で定められたクランプ効果有無判断基準レベルより近側である場合には第1の変換式に従って、そうでない場合には第2の変換式に従って、前記AF信号を前記距離に応じた距離信号に変換する変換手段と、
    を備え、
    前記第2の変換式が、前記クランプ効果有無判断基準レベルより近側にある距離におけるAF信号測定値、前記基準被検体反射率SRに対して小さいクランプ効果量実測時反射率MRを有する対象物を前記クランプ手段によるクランプ効果が確認できるクランプ効果実測距離LCに配置して実測されたAF信号測定値、前記クランプ効果有無判断基準レベルより近側にある距離におけるAF信号設計値および出力比設計値、前記クランプ効果実測距離LCにおけるAF信号設計値、前記クランプ信号のレベル、ならびに、距離(LC/ ( MR/SR ) 1/2 )におけるAF信号設計値に基づいて決定されたものである、
    ことを特徴とする測距装置。
  2. 測距対象物に向けて光束を出力する発光手段と、
    前記測距対象物に投光された前記光束の反射光を、前記測距対象物までの距離に応じた受光位置で受光し、その受光位置に基づいて、受光光量が一定であれば前記距離が遠いほど大きな値である遠側信号と、受光光量が一定であれば前記距離が近いほど大きな値である近側信号とを出力する受光手段と、
    前記遠側信号を入力してクランプ信号のレベルと大小比較し、前記遠側信号のレベルが前記クランプ信号のレベル以上の場合には前記遠側信号をそのまま出力し、そうでない場合には前記クランプ信号を出力するクランプ手段と、
    前記近側信号と前記クランプ手段から出力された信号との比を演算して出力比信号を求め、この出力比信号を積算してAF信号を求めて、このAF信号を出力する演算手段と、
    前記AF信号が基準被検体反射率で定められたクランプ効果有無判断基準レベルより近側である場合には第1の変換式に従って、そうでない場合には第2の変換式に従って、前記AF信号を前記距離に応じた距離信号に変換する変換手段と、
    を備える測距装置の調整方法であって、
    前記第1の変換式を実測に基づいて求め、
    前記第2の変換式を、前記クランプ効果有無判断基準レベルより近側にある距離におけるAF信号測定値、前記基準被検体反射率SRに対して小さいクランプ効果量実測時反射率MRを有する対象物を前記クランプ手段によるクランプ効果が確認できるクランプ効果実測距離LCに配置して実測されたAF信号測定値、前記クランプ効果有無判断基準レベルより近側にある距離におけるAF信号設計値および出力比設計値、前記クランプ効果実測距離LCにおけるAF信号設計値、前記クランプ信号のレベル、ならびに、距離(LC/ ( MR/SR ) 1/2 )におけるAF信号設計値に基づいて決定する、
    ことを特徴とする測距装置の調整方法。
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