JP3577452B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真方式を用いた複写機、プリンター、FAXなどの画像形成装置に関する。更に詳しくは、そこで用いられるアモルファスシリコン(a−Si)感光体ドラムのヒータ制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式の画像形成装置においては、表面に感光層が塗布され円筒形状の感光体ドラムの周囲に、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置、クリーニング装置、除電装置等が配置された画像形成部を有し、感光体ドラム上に形成されたトナー画像を用紙上に写し取り画像形成が行なわれる。
【0003】
上記の画像形成部における画像形成の基本プロセスを説明すると、まず感光体ドラムは一定速度で一方向に回転しながら、帯電装置のコロナ放電により表面が一様に帯電される。その帯電された表面は回転方向の下流側において露光装置から画像情報の露光光が照射されて静電潜像が形成される。さらにその下流側に配置された現像装置によって、静電潜像にトナーが付着されトナー画像が形成される。転写装置では搬送されてきた用紙がドラム表面と接触し、逆電位の印荷によりトナー画像が用紙に写し取られる。転写装置で用紙に転写されず感光体ドラム表面に残留したトナーはクリーニング装置でブレード部材により掻き取られて回収される。その後の感光体ドラム表面には除電装置にて均一な光が照射され残留電位が消去される。
【0004】
上記の感光体ドラムは円筒基材の表面に数十μmの感光層が形成されたものであるが、感光層は構成する主材料により有機感光体、セレン砒素感光体、アモルファスシリコン(以下a−Siと記す)感光体等に分類できる。有機感光体は比較的安価であるが、磨耗し易すく寿命が短く頻繁に交換する必要がある。また、セレン砒素感光体は有機感光体に比べて長寿命であるが、毒性を有する物質であるため取り扱いが面倒である欠点を持つ。一方、a−Si感光体は有機感光体に比べて高価であるが、無害な物質で取り扱いが容易なこと長寿命である特性から、環境対策の観点やトータルコストで優れる点などから注目され近年需要が増加してきている。
【0005】
a−Si感光体は、一般的に図3に示すような構成と特性を有している。図3(a)に示すように、a−Si感光体は円筒基材2aの表面にプラズマCVD法などによって、a−Siの光導電層2bとa−SiC(アモルファスシリコンカーバイド)の表面保護層2cが積層形成される。プラズマCVD法では、出発原料ガスとしてシランガス、メタンガス、水素ガス、ジボランガス、酸化窒素ガスが注入された反応容器内に、各膜の添加物質に応じて各種ガスを導入してプラズマにより反応させて積層形成する。光導電層2bは20〜80μm程度の膜であり、光に反応して導電性を生じる。表面保護層2cはa−SiC系の無機高抵抗材料からなる0.3〜1μm程度の高硬度の膜であり、光導電層の表面電位と静電潜像の電位分布を維持する機能を持つ。
【0006】
また、a−Si感光体は光導電層の厚さ等により図3(b)に示すようにで特性が変化する。光導電層の厚さを80μm程度にすると(図中A)、高い表面電位が得られるが温度による影響が大きくなる。光導電層の厚さを30μm程度にすると、温度の影響を受けにくいが膜が薄いために暗減衰が速くなり、表面電位を高く維持できずに表面電位が低く抑えられる特性を有している。
【0007】
また、a−Si感光体を用いた電子写真方式の画像形成装置では、使用環境によってときどき画像流れと呼ばれる現象が発生する。画像流れとは、画像がかすれたようになったり、あるいは画像の周囲が滲んだようになる現象である。画像流れの発生要因は、空気中の水分が感光体ドラムの表面に吸着して表面抵抗が低下し、形成された静電潜像の電荷が周面方向に流れて電位の低下したり境界が不明確になるためと考えられる。
【0008】
感光体ドラム表面へ水分が吸着される要因としては、a−Si感光体表面の分子構造は水分を吸着しやすい構造を有していることが上げられる。さらに、感光体表面上にて画像形成プロセスが繰り返されると、帯電装置のコロナ放電により発生するオゾンが紙粉等と反応し硝酸イオンやアンモニウムイオンなどの放電生成物を生じ、それが感光体表面に付着して水分を吸着する影響が考えられる。このような条件の中で高湿環境に置かれると、ドラム表面に水分画像流れを生じるレベルまで感光体の表面抵抗が低下する現象が発生する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来のa−Si感光体を用いた画像形成装置では性能の安定化と画像流れの対策として、感光体ドラムの内部にドラムヒータを設けて加熱して、表面を常に一定温度に保持することで空気中の水分の吸着を防止することがおこなわれていた。しかし、環境問題に対応する必要性が高まる中で、画像形成装置の待機時や使用時における消費電力の低減が強く求められる状況になってきている。感光体ドラムに設けられるヒータの制御においても、常時作動させるのではなく環境条件やa−Si感光体の特性を考慮した効果的な制御により消費電力を低減することが求められる。
【0010】
そこで本発明はa−Si感光体を用いた画像形成装置において、温度検知手段と湿度検知手段を設けて画像形成装置が置かれている環境雰囲気の温度と湿度を測定し、適切なタイミングでドラムヒータを作動させ、作業効率を低下させることなく画像流れ等を確実に防止するとともに、消費電力を低減して経済的な装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の画像形成装置においは、画像形成部にはa−Si感光体ドラムが用いられ、その周囲に帯電装置・現像装置・転写装置・クリーニング装置・除電装置などが配置されて画像形成が行われる。感光体ドラムは円筒形状に形成され、その内面に沿ってドラムヒータが設けられている。また、画像形成装置の内部には湿度検知手段と温度検知手段が設けられており、常に画像形成装置が設置されている環境の雰囲気中の湿度と温度を検知している。その各検知手段の信号は画像形成装置の動作を制御する制御手段に送られて判断され、ドラムヒータのオンオフ動作の制御を行う。
【0012】
請求項1にかかわる画像形成装置は、定着装置の熱源や原稿読取り部の光源などからの放熱や、冷却ファンによる周辺空気の複雑な移動等の影響を受けずに室内の雰囲気温度や湿度を正しく測定するために、用紙収納段の給紙方向と逆側の側板と外装カバーとの隙間部分に設けられた前記湿度検知手段と前記温度検知手段により、前記画像形成装置が置かれた環境の湿度と温度が検知され、その測定結果に基づき必要な場合を判断して感光体ドラム内部に設置されたヒータ装置を作動させるため、ムダな電力の消費が抑えられ経済的である。
【0013】
請求項2にかかわる画像形成装置は、温度検知手段と湿度検知手段の検知結果に応じて画像流れが発生する環境であると判断した場合には、直ちにヒータ装置を作動させ、感光体ドラム表面に水分が吸着されている場合でも画像流れが発生しない状態にまで調整される時間に設定された既定時間作動させたのちに、画像形成動作を許可する制御手段を有する。また、画像流れが発生しないと判断される場合はヒータ装置を作動させず定着などの温度が安定すると直ちに画像形成動作を許可する。これにより、装置の使用開始時においても画像流れの発生を防ぎ良好な画像を形成することが可能である。また、画像流れを発生させない良好な環境に設置されていた場合は、短時間で画像形成動作可能な状態になる効果がある。
【0014】
請求項にかかわる画像形成装置は、湿度検知手段による湿度と温度検知手段による温度の測定結果に応じて絶対湿度を判断して温度を確認してヒータ装置を作動させるので、画像流れを防止するとともにヒーター装置の作動を最小限に抑えて消費電力を低減することが可能である。また、消費電力の大きい画像形成動作中にヒート装置を停止させるので、最大消費電力を低く抑えることが可能である。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。実施例は画像形成装置としての複写装置であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、a−Si感光体を電子写真プロセスとして採用するレーザービームプリンタ、LEDプリンタ、FAX等の各種画像形成装置に適用できる。
【0016】
図1は本発明を採用した複写装置の全体を示す概略図である。下部には画像形成する用紙を収納する複数の用紙収納段11が配置されている。その上方には、用紙の両面に画像を形成する場合に、片面に画像が形成された用紙を一時的にスタックして反転するための両面装置6である。その上方には画像形成部12と定着装置8が配置される。収納段から送り出された用紙は搬送路に沿って搬送され画像形成部12を通過する際に感光体ドラム2の表面に接触してトナー画像を写し取り、さらに下流に搬送され定着装置8により用紙上のトナー画像が熱融着される。画像形成部12の上方には画像読取り装置10と画像出力装置9が配置される。また、最上部前方には複写条件の設定や複写動作の開始等を支持する操作パネル18が設けられ、その後方には原稿搬送装置7が設置されている。また、用紙収納段11の給紙方向と逆側の側板と外装カバーとの隙間部分には温度検知手段20と湿度検知手段22が設けられている。これらの装置や電子部材は本体制御手段40(図示せず)により制御される。
【0017】
ここで、温度検知手段20と湿度検知手段22の設置位置について説明を補足する。複写装置1の上部は定着装置の熱源や原稿読取り部の光源などからの放熱があり、さらに冷却ファンにより周辺空気が複雑に移動するため、それらの影響を受けずに室内の雰囲気温度や湿度を正しく測定することは困難である。図1における温度検知手段20と湿度検知手段22の設置場所は、近くに熱源がなくファンによる空気が流れ込むこともない。また、樹脂カバーで覆われているだけであり、一部には隙間があるため外部の空気との循環もなされ、外部環境の温度と湿度の変化に追随したズレの小さい測定値が得られる。
【0018】
次に、図2において画像形成部12について更に詳しく説明する。画像形成部12は感光体ドラム2を中心に帯電装置13、現像装置4、転写装置5、クリーニング装置3、除電装置14が配置されている。また現像装置4の上流には感光体ドラム表面の電位を測定する電位センサー16が設置されている。
【0019】
帯電装置13にはコロナ放電のためのチャージワイヤーが張設され、そのチャージワイヤ−―に接してフェルト製の清掃部材が帯電装置13の長さ方向にスライド移動可能に支持されている。清掃部材は小型モータとロープなどを用いた駆動機構によりチャージワイヤーに沿って接しながら往復移動し、ワイヤ−に付着したトナーや紙粉などを除去する。
【0020】
現像装置4にはキャリヤとトナーの混合された2成分現像材が収納され、攪拌しながらトナーを帯電している。現像剤の一部は感光体ドラム2に対向して配置され回転する現像スリーブ4aの表面に磁力で保持された状態で接しており、ここで感光体ドラム2表面の静電潜像にトナーが付着する。現像剤中のトナーの比率は(以下トナー濃度と表記する)トナコンセンサー4b(図示せず)により検知され、その出力値をモニターしながら感光体ドラム表面に付着して消費されたトナーはトナータンクから補給される。トナコンセンサー4bは現像剤の透磁率を測定してトナー濃度を判断しているが、温度と湿度の影響でその検出値は若干変化するため補正が必要である。また、温度と湿度により帯電や転写などの画像形成プロセスの電気的特性が若干変化するが、その影響による用紙上に転写された画像の変化を補正するためにトナー濃度の変更が行われる。それらの補正は、温度検知手段20と湿度検知手段22により雰囲気の温度と湿度を検出値し、予め本体制御手段に記憶された補正データに基づき実行される。
【0021】
転写装置5には転写ベルト5aが張設され、感光体ドラム2の周速と同じ速度で移動される。転写ベルト5aに内側には転写ローラ5bが配置されており、転写ベルト5aを感光体ドラム2方向に押圧しており、画像形成時には高電圧が印加され、転感光体ドラム2と転写ベルト5aの間を通過する用紙にトナー画像を写し取る。
【0022】
クリーニング装置3には、毛状部材で形成されクリーニングブラシ3aと、ウレタンゴムで形成されたクリーニングブレード3bが感光体ドラム2表面に接して設けられている。クリーニングブラシ3aは回転駆動され、感光体ドラム表面に残留したトナーを掃き落とし、更にクリーニングブレード3bは残ったトナーを掻き落としている。
【0023】
次に、感光体ドラム2は、アルミニウム合金の円筒基材2aの表面にa−Siの導電感光層2bとa−SiCの表面保護層2Cが形成されており、回転自在に支持され図1において時計方向に回転する。感光層の厚さは約30μmであり、電圧と温度の特性は図3(b)のCとほぼ同じである。感光体ドラム2の外観寸法は直径が約100mmでありA3サイズの用紙に画像形成が可能な幅方向の長さを有している。
【0024】
また、図2、4に示すように感光体ドラム2の円筒基材2aの内部にはドラムヒータ17が配設されている。ドラムヒータ17は弾性を有する耐熱性の絶縁シート上に発熱コイル17aが適当な間隔で配置され、中央付近にはヒータ温度センサー17bが配置されている。ドラムヒータ17は丸めて感光体ドラム2の円筒基材の内部に挿入され、シートの弾性で広がりその内面に沿って密着して摩擦力で固定される。また、感光体ドラム2の両端にはフランジ30が圧入され、そのボス部にベアリング31が装着されて画像形成部に設けられた軸受部で回転自在に支持される。一端側のフランジ31のにはドラムヒータ17への電力供給の端子32と温度センサーの出力信号読取り端子33が取り付けらている。端子32,33の一端側には発熱コイル17aとヒータ温度センサー17bが接続され、他端側は外部のボス部に固定された円盤状の電極板34、35とアースされた共通の電極板36に連結されている。電極板34、35、36の周面には電極37、38、39が常に接触し、感光体ドラム2の回転中も電気的に連結している。また、
【0025】
ドラムヒータ17は、後で説明するように必要に応じて作動されるが、作動時にはヒータ温度センサー17aの温度検知に基づき感光体ドラム2を一定温度に維持するように発熱コイル17aへの通電がオンオフされる。その制御温度はa−Si感光体の特性と水分除去の目的から約40〜50℃の範囲であり、範囲の中央付近の45℃前後が望ましいがドラムヒータ17の制御におけるオーバーシュート等を考慮して、複写装置1では43℃に設定されている。
【0026】
次に、ドラムヒータ17の作動制御について説明する。図5は複写装置1の動作制御に関する電気的な構成を示すブロック図である。複写装置1内の各電子部材を制御して画像形成を実行させる制御手段40は中央演算装置(CPU)41、プログラム記憶装置(ROM)42、可変記憶装置(RAM)43などから構成される。CPU41は電源投入信号や操作パネル18からの入力信号に応じてROM42に記憶された各制御プログラムを読取り、その命令に従って各種電子機器への作動指示を出したり、検知手段の出力値を読取り規定値との比較して判断する。また、必要に応じて操作パネル18上での設定や検知手段の出力値や処理枚数やタイマーのカウント数などデータを一時的にRAM43に保管する。制御プログラムには電源投入時制御44、待機状態制御45、コピー動作制御46、ドラムヒータ制御47、電位補正制御48、定着温度制御49、トナー濃度制御50、環境モニター制御51などがある。
【0027】
図6は装置本体への電源投入時における電源投入時制御44の流れを説明するフローチャートである。また、図7は電源投入時からコピー可能状態になるまでの安定するまでの装置の動作状態を示すタイミングチャートである。複写装置1の電源スイッチをオンするとステップS1において温度検知手段20の出力値が読取られて、既定値(ドラムヒータ17の設定温度:43℃)との大小が比較される。小さい場合(43℃より低い温度)はステップS2に進み湿度検知手段22の出力値が読取られ、温度検知手段20の出力値に応じてあらかじめ決められた設置値との大小が確認される。湿度検知手段22の出力値が高い(湿度が高い)場合は、ステップS3においてドラムヒータ17が作動されるとともにタイマーTM1がスタートする。
【0028】
ステップS4においてタイマーTM1は時間t1が経過するまでカウントする。時間t1は想定される環境条件で最も画像流れが発生しやすいと考えられる環境(35℃、85%程度を想定)に長時間放置されていた場合にも、ドラムヒータ17の作動により感光体ドラム表面の表面抵抗が画像流れを生じないレベルまでに回復されるに十分な時間に設定される。複写装置1では約10分に設定されている。タイマーTM1がt1に達するとステップS5においてタイマーTM1をクリアーして、ステップS6の電位補正に進む。
【0029】
また、電源投入時にはステップS10が先の温湿度検知と並行して開始される。ステップS10では帯電装置13のチャージワイヤーの清掃が開始されるとともに、定着装置8に設けられた定着ローラ8aを加熱するための定着ランプ8bが点灯される。定着ローラ8aの表面には近接して定着温度センサー8cが配置されており定着ローラ8aの表面温度が測定される。ステップ11においては、定着ローラ8aがトナーの溶融する温度である一次安定温度TR1(約165℃)に達するかがモニターされる。次にステップS12においてタイマーTM1が作動しているかが確認される。温度と湿度の条件によりドラムヒータ17が作動していない場合、TM1はクリアーされた状態であり、その時はステップS6に進み電位補正が開始される。
【0030】
ステップS6の電位補正では、画像形成部12の各装置が駆動される。ここで、画像形成部12を駆動するモータM1は定着装置8も駆動しており定着ローラ8aも同時に回転する。また、帯電装置13には電圧が印加され、そのコロナ放電により帯電された感光体ドラム2表面の電位が電位センサー16により測定される。ここで、測定された表面電位が最適値から外れている場合は、電位補正制御48はズレ量を補正すべく帯電装置に印加する電圧値の調節量を予測して、電圧制御装置に指示をだす。再度電位センサー16の測定値が読取られて最適値からのズレが確認され、外れている場合は再度調整が実行され、最適値の一定範囲になるまで繰り返され電位補正が終了する。
【0031】
また、定着装置は一次安定温度TR1に達した後も定着ローラは加熱され続けており、ステップS20に進んでトナー画像を用紙に定着するのに最適の温度である二次安定温度TR2(約195℃)に達するかがモニターされる。二次安定温度TR2に達すると、ステップS21に進みTR2を維持するように定着ランプはオンオフ制御が開始される。また、ステップS22でタイマーTM1がクリアされているかが確認され、クリアされていればステップS23,24において定着装置が一定時間t2の間駆動される。t2は定着ローラの温度分布を均一にするために行われる。ここでは約30秒に設定されている。それが終了すると、コピー可能状態となる。なお、画像形成部12と定着装置8をそれぞれ独立したモータで駆動する構成として、それぞれ単独で必要時のみ回転させることも可能である。
【0032】
コピー可能状態以降のドラムヒータ17の制御について、図8にフローチャートを示す。本体制御手段40は環境モニター制御49を一定時間間隔で実行し温度検知手段20と湿度検知手段の22の出力値を確認し、予め設定された温度T1と、T1以下の場合において各温度に応じて設定されている湿度H1の値を比較してドラムヒータの作動を判断させ、その結果に応じた信号をドラムヒータ制御47に送信する。またコピー動作制御は、コピー開始時とコピー終了時の信号をドラムヒータ制御手段に送信する。ドラムヒータ制御47はそれらの信号に基づき、ドラムヒータ17を作動させる。
【0033】
これにより、電源投入状態においては常に環境中の水分量が確認され必要時にのみドラムヒータ17が作動され画像流れが防止されムダな電力消費も抑えられる。またコピー中は、感光体ドラム2はクリーニングブレード3bの摩擦熱や除電装置14のランプの熱などで上昇するのを考慮してドラムヒータ17を停止させるため、更に消費電力のムダがなくなる。
【0034】
ここで、実施例の複写装置1における画像流れの発生状況と本発明の画像流れ防止の効果についての、いくつかの環境条件で実験した結果を図9に示す。使用している感光体はa−Siであり、その膜厚は約30μmである。過去の経験から、画像流れは温度と湿度の関係により発生することが予測されたため、温度と湿度から求めた絶対湿度を画像流れの発生基準に設定した。図10には温度と相対湿度と絶対湿度の関係をグラフ化して示す。先ず、幾つかの環境を設定してドラムヒータを作動させない場合について複写装置1における画像流れの発生状況の確認を行った。その結果と過去の経験的な知識から、画像流れを発生限界と想定される絶対湿度を17.8g/mと予測した。そして、それに基づいて環境モニター制御51の判断基準の値を設定し、温度検知手段20と湿度検知手段22の出力を利用して上記で説明した電源投入時とコピー可能状態移行のドラムヒータ17の制御を行い再度各環境において画像流れ発生の確認実験を行った。結果としてある程度の効果は得られたが、いくつかの環境においては画像流れが発生する場合があった。
【0035】
実験結果から予測されるのは、実際の環境温湿度と複写装置1内に設けられた温度・湿度検知手段の測定値において、変化に対する時間的な遅れ等のために差異が生じることなどである。よって、放置状態の複写装置1に電源が投入されファンなどが作動して感光体ドラムの周辺に流れ込む外気の絶対湿度が予測値よりも高くなっている可能性が考えられる。また、a−Si感光体表面の水分との結合特性の影響や、放電生成物の感光体表面への付着状態などの影響等が相互に作用するものと考えられる。これらの要因により、画像流れの発生と絶対湿度の関係には画像形成装置の構成や使用状況などによりある程度のバラツキが避けられないと考えられる。
【0036】
温度検知手段と湿度検知手段を感光体ドラムの近傍に設けることも考えられるが、空気の流れがあるために場所による違いや変化の激しさが想定され正確な測定が困難であることが予測される。よって、温湿度検知手段の設置場所としては図1に示す位置が、スペースの確保も容易で設計上の便利さがあり、外部環境温度を最も近似的に反映する上で有効な位置と考えられる。しかし、実環境の温湿度変化に対する遅れや多少の差異は避けられず予測は困難である。よって、ドラムヒータ17を作動させる絶対湿度を設定する場合に、多少消費電力の削減効果は低下する可能性があるが、測定値の誤差を想定して低めに設定する必要があることがわかる。
【0037】
そこで、ドラムヒータ作動の境界値の再検討をおこなった。大部分の画像形成装置が利用されるのは空調された事務所などであり、そのような快適な環境においては画像流れは発生しないことが経験的に知られている。そこでの環境条件は一般的に25℃以下で60%以下と予想される。図10より、25℃/60%の絶対湿度は13.4g/mである。そこで、ドラムヒータ17の作動条件を絶対湿度13.5g/mに設定して、本発明の制御を行い再度環境実験を実施した。
【0038】
この確認実験においては、画像流れは発生せず、ほぼ満足できる結果が得られた。ドラムヒータを作動させる絶対湿度の設定値や作動時の制御温度は、感光体の特性や機械の構成などの影響を受けるものであり、この値よりも高く設定できる可能性もある。しかし、一般的に画像形成装置を使用する環境が空調された事務所であることを考えれば、その環境から外れた時にのみドラムヒータを作動させる設定でも消費電力の低減等の経済的な効果は十分に得られると考えられる。特に湿度が下がる季節においては大きな効果が得られる。さらに、設置する部屋の環境や季節に合わせて、画像流れ発生の危険性や経済性を考慮して、最適なドラムヒータの作動の絶対湿度や温度の設定値を変更したり、幾つかの環境を想定してそれぞれに対応した最適の設定値を既定した設定モードを設け、利用者が選択できるようにすることも可能である。
【0039】
ドラムヒータ17の消費電力は感光体ドラムのサイズや環境温度で影響を受けるが、実施例の複写装置1においては通電時のワット数は約70Wである。よって、本発明のドラムヒータ制御によればコピー中の最大消費電力が削減できるとともに、消費電力の削減も図れる。
【0040】
【発明の効果】
以上に説明した実験から、a−Si感光体を用いた電子写真方式の画像形成装置では感光体温度を一定に維持するためと画像流れを防止するためにドラムヒータを常に点灯させていたが、温度特性の影響を受け難い薄膜タイプのa−Si感光体では温度と湿度から画像流れが発生する危険性のある環境を予測することが可能であり、必要時にのみドラムヒータを作動させることが可能である。また、コピー動作中は感光体ドラムに他からの熱が与えられるためドラムヒータを停止させても問題ないことがわかる。そこで本発明の画像形成装置が置かれた環境の雰囲気温度と湿度の検知結果によって作動するドラムヒータ制御を用いれば、画像流れが確実に防止できるとともに消費電力を低減させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を用いた複写装置の主ナ構成を説明するための概略図である。
【図2】図1に示した複写装置の感光体ドラムとその周辺の画像形成部の構成を示す概略図である。
【図3】(a)a−Si感光体の構成を示す概略図である。(b)a−Si感光体の温度と表面電位の関係における特性データを示すグラフである。
【図4】感光体ドラム内部に設けられたドラムヒータの構成を説明する為のドラム軸方向における概略断面図である。
【図5】図1の複写装置における動作制御に関する電気的な構成を説明するブロック図である。
【図6】図1の複写装置における電源投入時からコピー可能状態になるまでの制御を説明するためのフローチャートである。
【図7】図1の複写装置における電源投入時からコピー可能状態になるまでのドラムヒータなどの動作状態を示すタイミングチャートである。
【図8】図1の複写装置におけるコピー可能状態以後のドラムヒータの制御について説明するフローチャートである。
【図9】図1の複写装置に本発明の制御手段を用て、各環境において画像流れ現象の発生を確認した実験結果である。
【図10】温度と相対湿度における絶対湿度値を示す湿り空気線図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置
2 感光体ドラム
3 クリーニング装置
4 現像装置
5 転写装置
12 画像形成部
13 帯電装置
14 除電装置
15 転写部
16 電位センサー
17 ドラムヒータ
20 温度検知手段
22 湿度検知手段

Claims (4)

  1. a−Si感光体ドラムの表面上に形成された静電画像を、現像装置にてトナー画像化した後用紙上に転写する方式の画像形成装置において、前記画像形成装置内には該画像形成装置が置かれた環境の雰囲気温度と湿度を検知する各検知手段の両方が、用紙収納段の給紙方向と逆側の側板と外装カバーとの隙間部分に設けられ、前記感光体ドラムに対しては表面温度を上昇させるドラムヒータ装置が配設されて、前記画像形成装置の電源投入状態において前記温度検知手段と前記湿度検知手段による検知結果から、前記ドラムヒータ装置を作動させる制御手段を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記制御手段は電源投入時に前記湿度検知手段と前記温度検知手段の検知結果から、前記ヒータ装置を作動させる必要があると判断した場合に、前記ドラムヒータ装置を既定時間作動させた後に画像形成可能状態に移行することを特徴とする請求項1の画像形成装置。
  3. 前記制御手段は前記温度検知手段と前記湿度検知手段の検知結果から絶対湿度を判断し、絶対湿度が既定値以上である場合に前記ドラムヒータ装置を作動させることを特徴とする請求項1及至2いずれかの画像形成装置。
  4. 前記制御手段は、画像形成処理中は前記ドラムヒータ装置を停止状態に維持することを特徴とする請求項1乃至3いずれかの画像形成装置。
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