JP3577250B2 - オープンセンタ型全油圧式パワーステアリング装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばフォークリフトのような建設車両に用いられるオープンセンタ型全油圧式パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
建設車両、例えばフォークリフトに用いられている従来型全油圧式パワーステアリング装置は、装置内部における圧油の漏れに起因して生じる場合のあるステアリングホイールの回転量又はかじ取り角と操舵輪のかじ取り角のずれを補正して、フォークリフトの適正な操縦を達成するための手段を採用している。
【0003】
かかる補正手段を備えたオープンセンタ型パワーステアリング装置の一例が図4に示されている。このオープンセンタ型パワーステアリング装置1は、いわゆるオービットロール(Orbitrol:登録商標)から成るオープンセンタ型ステアリング制御ユニット2を採用している。オービットロールは、当該技術分野において用いられることが多い当業者には周知の油圧制御ユニットであり、フォークリフトの操舵輪(図示せず)とキングピン3を介して連携した油圧ステアリングシリンダ4にライン5経由で供給される油圧ポンプ6からの圧油の流量を制御する計量機構部(「ジロータ」と呼ばれることがある)を内蔵した形式のものである。オービットロールの構成及び動作原理は当業者には周知なので説明を省くが、もし必要であれば例えば特開平4−271962号公報を参照されたい。符号7はノブ8が設けられたステアリングホイール、5及び9はそれぞれ、ステアリングホイールが右回転中の時、油圧ポンプ6から制御ユニット2を経て油圧シリンダ4へ向かう作動油供給ライン及び油圧シリンダ4から制御ユニット2を経て戻り油ルザーバ10へ向かう作動油戻りライン、11は、分流弁である。
【0004】
図示のように、ホイール回転量センサ又はポテンショメータ12がステアリングシャフトの周りに設置されると共にステアリングホイールの操作に応じて得られる操舵輪のかじ取り角又は切れ角を検出するためのかじ取り角センサ又はポテンショメータ13がキングピン3と連携して設置されている。これらセンサ12,13の出力信号はコントローラ14に送られ、コントローラは、これら信号の比較結果に基づいてライン5,9相互間の連結ライン15に設けられた例えば常態では閉じ位置にあるオンオフ電磁切換弁又は開閉弁16を開いて供給ライン5中の圧油の一部を油圧シリンダをバイパスして戻りライン9に送り、それにより油圧シリンダのストロークにステアリングホイールの動作状態を追従させて(図示の構成例は、油圧シリンダの実際のストローク位置が正規の位置よりも進んでいるような場合に適用される)、ステアリングホイールの回転量と操舵輪かじ取り角を一致させるようになっている。この場合、ステアリングホイールはホイール回転量と操舵輪かじ取り角のずれが無くなるまで空転することになる。
【0005】
しかしながら、かかる全油圧式パワーステアリング装置では、車両の直進走行中、電磁開閉弁が何らかの原因又は故障により制御不能状態になって開いたままになり、それにより供給回路と戻り回路が連結ラインを介して連通すると、車両が蛇行走行を起こす場合があった。
【0006】
ステアリングホイールの回転量又はかじ取り角と操舵輪のかじ取り角のずれを補正する別の手段が、本出願人の特開平3−45470号公報に開示されている。かかる補正手段は、ロードセンシング(負荷感応)型パワーステアリング装置に組み込まれたものであり、その全体構成が図5の略図に示されている。図4のパワーステアリング装置の構成要素と同一又は類似の図5の構成要素には、プライム記号の付いた同一の参照符号が用いられている。ロードセンシングシステムは、1台のポンプを用いてステアリング装置の油圧回路だけでなく、他のアクチュエータの油圧回路にも圧油を供給できるようにしたものであり、所要流量の圧油が優先的にステアリング回路に供給され、残りの圧油は他のアクチュエータ回路に供給されるようになっている。このために、専用の高価な分流弁17(通常、「プライオリティバルブ」と呼ばれる)が用いられる。また、図示のロードセンシング型パワーステアリング装置では、オービットロール2′の計量機構部18をバイパスする2つのライン19,20が設けられ、これらラインにはそれぞれ、コントローラ14′により制御される電磁開閉弁又は切換弁21,22が設けられている。
【0007】
特開平3−45470号公報のシステムは、2つの補正回路を利用することにより、ステアリングホイールの回転量に対する操舵輪のかじ取り角の遅れ又は進みの両方のずれを補正できるようになっている。すなわち、このシステムは、戻りライン9′中の戻り油の流量を1としたときに、計量機構部を含む供給ライン5′中の圧油流量比を0.9とし、そしてバイパスライン19,20及び電磁開閉弁21,22でそれぞれ構成される補正油圧回路中の各圧油流量比が0.1となるよう構成されている。したがって、コントローラ14′は、ステアリングホイールが中立位置から左右いずれかの方向に回転したとき、センサ12′,13′からの信号を比較して操舵輪のかじ取り角に対応する油圧シリンダの実際のストローク位置がステアリングの回転量に対応する所期の位置にあることを判断すると(即ち、ずれが無い場合)、電磁開閉弁のうち何れか一方(例えば、20)を開放し、供給ライン5′にバイパスライン19を経て0.1の補正流量を追加し、結果的にステアリングシリンダ4′の供給回路と戻り回路のバランスをとる。もし、油圧シリンダの実際のストローク位置がステアリングの回転量に対応する所期の位置よりも遅れている場合、電磁開閉弁21だけでなく、電磁開閉弁22も開いて、結果的にステアリングシリンダへの供給流量を1.1とし、それによりステアリングシリンダのストローク位置を補正してステアリング回転量に合わせるようになっている。逆に、油圧シリンダの実際のストローク位置がステアリングの回転量に対応する所期の位置よりも進んでいれば、両方の電磁開閉弁21,22を閉じてステアリングシリンダへの供給流量を0.9とし、それによりずれの補正を行うようになっている。かかる構成のステアリングシステムでは、車両の直進中に2つの電磁開閉弁が制御不能になっても車両が蛇行走行することはない。
【0008】
しかしながら、このロードセンシング型パワーステアリング装置は、高価なプライオリティバルブを必要とする。
【0009】
本発明の目的は、十分な走行上の安全性を確保しながら構造が比較的簡単で且つ安価に製造でき、ステアリングホイールの回転量又はかじ取り角と操舵輪のかじ取り角のずれを確実に補正できるオープンセンタ型全油圧式パワーステアリング装置を提供することにある。
【0010】
上記の目的に鑑みて、本発明は、ステアリングホイールと作動的に連携していて、加圧流体源から操舵輪用流体圧作動装置に供給される流体の流量を制御するステアリング制御ユニットが、流体入口及び流体出口並びに操舵輪用流体圧作動装置に連結された第1及び第2の流体ポートを備えたハウジングと、ハウジングに関し固定された内歯付きリング部材、該リング部材内にこれに対して自公転自在に設けられていて、リング部材の内歯数よりも一つだけ少ない外歯付きのスター部材、及び内歯と外歯の間に形成された複数の計量容積室から成る計量機構部と、ハウジング内に設けられ、ステアリングホイールに連結された回転部材及びこれと協働する従動部材で構成されて、計量機構部と作動的に関連する制御弁組立体とを有し、該制御弁組立体が、ハウジングと協働して流体入口と第1の流体ポートを連通させる第1の流体ライン及び第2の流体ポートと流体出口を連通させる第2の流体ラインを構成し、該ステアリング制御ユニットは、ステアリングホイールが中立位置にある時は、加圧流体源から流体入口に流入した流体を流体出口を経て流体リザーバに戻し、ステアリングホイールがかじ取りのために中立位置から回転操作されると、ステアリングホイールの回転量に応じて定まる計量された量の流体を操舵輪用流体圧作動装置に供給してステアリングホイールの回転量に対応する操舵輪の所期のかじ取り角を達成するようになっているオープンセンタ型全油圧式パワーステアリング装置において、ステアリングホイールを回転させると加圧流体源からの流体の一部を計量機構部をバイパスして操舵輪用流体圧作動装置に供給するために、制御弁組立体の回転部材と従動部材の協働により形成されるバイパスラインと、該バイパスライン中に設けられた開閉弁と、ステアリングホイールの回転量を検出してこれを表す第1の信号を出力するステアリングホイール回転量センサと、操舵輪の実際のかじ取り角を検出してこれを表す第2の信号を出力するかじ取り角センサと、第1の信号と第2の信号の差が所定の閾値を越えると、これに応答して開閉弁を作動することにより前記流体の一部を補正流量として操舵輪用流体圧作動装置に供給して所期のかじ取り角を達成させるコントローラとを有し、該コントローラは、ステアリングホイール回転量センサからの第1の信号を処理してステアリングホイールが回転しているか否かを判定し、ステアリングホイールが非回転状態の時は開閉弁を作動してバイパスラインを閉じ、ステアリングホイールが回転中である時は開閉弁を作動してバイパスラインを開くことを特徴とするオープンセンタ型全油圧式パワーステアリング装置を提供する。
【0011】
前記ステアリング制御ユニットは、前記流体入口及び前記流体出口を備え、更に前記流体圧作動装置に連結された第1及び第2の流体ポートを備えているハウジングと、前記計量機構部と関連して該ハウジング内に設けられていて、前記ステアリングホイールに連結された回転部材及びこれと協働する従動部材で構成された制御弁組立体とを有し、該制御弁組立体は、前記ハウジングと協働して前記流体入口と前記第1の流体ポートを連通させる第1の流体ライン及び前記第2の流体ポートと前記流体出口を連通させる第2の流体ラインを構成し、更に、前記制御弁組立体の前記回転部材と前記従動部材は、前記ステアリングホイールの前記かじ取り操作位置において前記バイパスラインを形成するよう互いに協働する構成になっている。
【0012】
好ましくは、前記コントローラは、前記ホイール回転量センサからの前記第1の信号を処理して前記ステアリングホイールが回転しているか否かを判定し、前記ステアリングホイールが非回転状態であることが判定されると、前記開閉弁を作動して前記バイパスラインを閉じ、前記ステアリングホイールが回転中であることが判定検出されると、前記開閉弁を作動して前記バイパスラインを開くようになっている。このようにすると、ステアリングホイールを或る量回転させてそのかじ取り角度のまま車両を走行させるためにステアリングホイールを動かさないでいる場合、補正流量が引き続きステアリングシリンダに供給されてステアリングシリンダが必要以上に動作することがない。
【0013】
好ましくは、前記ステアリングホイールが回転しているか否かを検出する速度センサが前記ステアリングホイールと関連して設けられると共に前記コントローラに接続される。前記コントローラは、前記速度センサにより前記ステアリングホイールが非回転状態であることが検出されると、前記開閉弁を作動して前記バイパスラインを閉じ、前記速度センサにより前記ステアリングホイールが回転中であることが検出されると、前記開閉弁を作動して前記バイパスラインを開く。前記速度センサは、前記ホイール回転量センサと一体形のものであることが望ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態によるオープンセンタ型全油圧式パワーステアリング装置の油圧回路構成を概略的に示している。なお、図1では、図4に示した全油圧式パワーステアリング装置の構成要素と同一又は類似の構成要素は、100番台の同一参照符号で示してある。なお、上記と同様以下においても、一対の操舵輪を一方向、例えば左に旋回操舵する場合について説明する。右旋回を達成するためにはLポートとRポートの圧油の流れを逆にするよう制御ユニット内の弁装置を動作させればよいことはいうまでもない。なお、一対の操舵輪の各々にステアリングシリンダを連結した形式のステアリング装置にも本発明の原理はそのまま適用できることは明らかである。
【0015】
図1に示す油圧回路構成は、全体としては図5の油圧回路構成に類似しているが、ステアリング制御ユニット102としてオープンセンタ型オービットロールを採用している点において異なっている。したがって、本実施形態では、高価なプライオリティバルブに代えて汎用型の分流弁111が用いられていることに注目されたい。オープンセンタ型オービットロールの構成及び動作原理についての詳細は、例えば上記の特開平4−271962号公報を参照されたい。かかるオービットロールの構成を簡単に説明すると、オービットロールは、圧油ポート(流体入口)29、戻りポート(流体出口)30、油圧ステアリングシリンダで構成される流体圧作動装置104に連結された第1及び第2の流体ポート31,32を備えたハウジング、回転ステアリングホイール107と作動的に連携していて、ステアリングシリンダ104に供給される油圧ポンプ106からの流体流量を制御する計量機構部(ジロータ)118、及びこの計量機構部と関連してハウジング内に設けられていて、入れ子関係にある筒状回転スプール125と筒状従動スリーブ126で構成された制御弁組立体124(図2参照)を有する。回転スプール125には、ステアリングホイール107が連結されている。計量機構部は、当業者には周知のように、固定された内歯付きのリング部材と、リング部材内にこれに対して自公転自在に設けられていて、リング部材の内歯数よりも一つだけ少ない外歯付きのスター部材と、内歯と前記外歯との間に形成された複数の計量容積室とから成る。
【0016】
また、本実施形態では、油圧ポンプ106からの圧油の一部を補正流量として、計量機構部118をバイパスしてステアリングシリンダ104に供給する一系統の補正ライン127が設けられていることに注目されたい。かかる補正ラインには、コントローラ114に接続された常閉のオンオフ電磁切換弁又は開閉弁123が設けられている。また、電磁開閉弁の下流側には、ステアリングシリンダ側からの圧油の流れを阻止する逆止弁128が設けられている。補正ライン127を形成する制御弁組立体124の構成については図2及び図3を参照して後で詳細に説明する。
【0017】
操舵輪の実際のかじ取り角を検出してこれを表す信号をコントローラ114に出力するかじ取り角センサ113は、図4及び図5に示した従来型かじ取り角センサと同一のものであってよい。本発明の実施形態で用いられるホイール回転量センサ112は、図4及び図5に示したようなホイール回転量を検出してこれを表す信号を出力する従来型ホイール回転量センサ12又は12′の機能に加えて、ステアリングホイールが回転しているか否かを判定するための速度センサ機能を兼ね備えたものであるのがよい。このようにすることにより、ステアリングホイールを或る量回転させてそのかじ取り角度のまま車両を走行させるためにステアリングホイールを動かさないでいる場合、補正流量が引き続きステアリングシリンダに供給されてステアリングシリンダが必要以上に動作するという不都合が回避される。実際には、コントローラ114が、ホイール回転量センサ112からの信号を処理してステアリングホイール107が回転しているか否かを判定し、ステアリングホイールが非回転状態であれば、開き状態にある電磁開閉弁123を閉じてバイパスライン127を遮断する。これに対して、ステアリングホイールが回転中であれば、コントローラは、電磁開閉弁を付勢してバイパスラインを開くようになっている。変形例として、従来型ホイール回転量センサに加えて速度センサを追加して用いてもよい。
【0018】
図1に示されているオープンセンタ型全油圧式パワーステアリング装置の作用を説明すると、ステアリングホイールが中立位置にあるとき、従ってステアリングホイールが連結された回転スプールとこれに従動するスリーブから成る制御弁組立体124が中立位置(図3(A))にあるとき、オービットロール102は、そのハウジングの圧油ポート29に流入した油圧ポンプ106からの圧油をハウジング戻りポート30を経てリザーバ110に戻す。ステアリングホイールがかじ取りのために中立位置から回転操作されたとき、もしステアリングシリンダの実際のストローク位置がステアリングの回転量に対応する所期の位置よりも遅れていることがコントローラ114におけるセンサ112,113からの信号の比較により判定されると、コントローラは、電磁弁123を開いて圧の一部をバイパスライン127を通ってステアリングシリンダに供給してステアリングホイールの回転量又はかじ取り角と操舵輪のかじ取り角のずれを補正する。
【0019】
コントローラは、ホイール回転量センサからの信号を処理してステアリングホイールが回転しているか否かを判定することができる。ステアリングホイールが非回転状態であれば、コントローラは、動作状態にある電磁切換弁を消勢してバイパスラインを遮断し、補正流量がステアリングシリンダに供給されないようにする。その結果、ステアリングホイールが停止状態にあるときのステアリングシリンダの作動を阻止し、かくして操舵輪のそれ以上のかじ取り動作を防止する。ステアリングホイールが回転中であれば、コントローラは、電磁切換弁を引き続き付勢して開いたままにする。
【0020】
本発明の構成によれば、ステアリングホイールの回転中にのみ、換言すると、制御弁組立体の入れ子関係にあるスプールとスリーブが相対的に変位しているときだけ、圧油補正流量がステアリングシリンダに供給され、ステアリングホイール(従って、制御弁組立体の)中立位置では、補正流量がステアリングシリンダに流れることはなく、特に直進走行中における蛇行が阻止される。
【0021】
図2は、オービットロールの制御弁組立体124を構成する筒状スプール125及びスリーブ126を平面形態で示している。当業者には周知のように、スプール125の外周面には複数本の軸方向溝又はスロット129が設けられ、スリーブ126にはその周囲方向に貫通孔が設けられている。本発明の重要な一特徴によれば、図示のように、スプールの軸方向溝のうち一本には軸方向延長溝130が設けられ、これと協働する一対の貫通孔131がスリーブ126に設けられており、これらは可変オリフィスを形成するようになっている。溝130と貫通孔131の相対的位置関係が図3に示されている。図3の(A)は、制御弁組立体の中立位置(即ち、ステアリングホイールの中立位置)における溝130と貫通孔131の相対位置を示し、(B)は、制御弁組立体の相対的変位位置(即ち、ステアリングホイールの回転操作位置)における溝130と貫通孔131の相対位置を示している。(B)は、ステアリングホイールの回転方向に一致してスプールを相対的に右側へ移動させた状態を示しているが、ステアリングホイールを逆方向に回転させると、スプールはそれに応じて左へ移動することはいうまでもない。当業者には自明なように、制御弁組立体をこのようにオリフィス構成することによりステアリングホイールを中立位置から何れかの方向に回転させると、それに伴って制御弁組立体125は、図3(A)の状態から図3(B)の状態になり、補正ライン127が実現されることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のオープンセンタ型全油圧式パワーステアリング装置の略図である。
【図2】本発明のオープンセンタ型全油圧式パワーステアリング装置に用いられるステアリング制御ユニットを構成するオービットロールの制御弁組立体を示す分解図であり、制御弁組立体を構成する入れ子関係にある筒状スプールと筒状スリーブを平面形態で示す図である。
【図3】筒状スプールと筒状スリーブの相対的位置関係を示す略図であり、(A)は、制御弁組立体の中立位置、(B)は、制御弁組立体の相対的変位状態を示す図である。
【図4】従来型オープンセンタ型パワーステアリング装置の略図である。
【図5】従来型ロードセンシング型パワーステアリング装置の略図である。
【符号の説明】
101 オープンセンタ型全油圧式パワーステアリング装置
102 ステアリング制御ユニット又はオービットロール
104 ステアリングシリンダ
106 油圧ポンプ
107 流体圧作動装置又はステアリングホイール
111 分流弁
112 ホイール回転量センサ
113 かじ取り角センサ
114 コントローラ
118 計量機構部
123 電磁切換弁又は電磁開閉弁
127 補正ライン
Claims (3)
- ステアリングホイールと作動的に連携していて、加圧流体源から操舵輪用流体圧作動装置に供給される流体の流量を制御するステアリング制御ユニットが、流体入口及び流体出口並びに操舵輪用流体圧作動装置に連結された第1及び第2の流体ポートを備えたハウジングと、ハウジングに関し固定された内歯付きリング部材、該リング部材内にこれに対して自公転自在に設けられていて、リング部材の内歯数よりも一つだけ少ない外歯付きのスター部材、及び内歯と外歯の間に形成された複数の計量容積室から成る計量機構部と、ハウジング内に設けられ、ステアリングホイールに連結された回転部材及びこれと協働する従動部材で構成されて、計量機構部と作動的に関連する制御弁組立体とを有し、該制御弁組立体が、ハウジングと協働して流体入口と第1の流体ポートを連通させる第1の流体ライン及び第2の流体ポートと流体出口を連通させる第2の流体ラインを構成し、該ステアリング制御ユニットは、ステアリングホイールが中立位置にある時は、加圧流体源から流体入口に流入した流体を流体出口を経て流体リザーバに戻し、ステアリングホイールがかじ取りのために中立位置から回転操作されると、ステアリングホイールの回転量に応じて定まる計量された量の流体を操舵輪用流体圧作動装置に供給してステアリングホイールの回転量に対応する操舵輪の所期のかじ取り角を達成するようになっているオープンセンタ型全油圧式パワーステアリング装置において、
ステアリングホイールを回転させると加圧流体源からの流体の一部を計量機構部をバイパスして操舵輪用流体圧作動装置に供給するために、制御弁組立体の回転部材と従動部材の協働により形成されるバイパスラインと、
該バイパスライン中に設けられた開閉弁と、
ステアリングホイールの回転量を検出してこれを表す第1の信号を出力するステアリングホイール回転量センサと、
操舵輪の実際のかじ取り角を検出してこれを表す第2の信号を出力するかじ取り角センサと、
第1の信号と第2の信号の差が所定の閾値を越えると、これに応答して開閉弁を作動することにより前記流体の一部を補正流量として操舵輪用流体圧作動装置に供給して所期のかじ取り角を達成させるコントローラとを有し、
該コントローラは、ステアリングホイール回転量センサからの第1の信号を処理してステアリングホイールが回転しているか否かを判定し、ステアリングホイールが非回転状態の時は開閉弁を作動してバイパスラインを閉じ、ステアリングホイールが回転中である時は開閉弁を作動してバイパスラインを開くことを特徴とするオープンセンタ型全油圧式パワーステアリング装置。 - 速度センサは、ステアリングホイール回転量センサと一体のものであることを特徴とする請求項1記載のオープンセンタ型全油圧式パワーステアリング装置。
- 加圧流体源とステアリング制御ユニットとの間の流体供給ラインには、分流弁が設けられていることを特徴とする請求項1記載のオープンセンタ型全油圧式パワーステアリング装置。
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