JP3575201B2 - スクロール形流体機械 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、圧縮機、真空ポンプ、膨張機等に用いられるスクロール形流体機械に関するものであり、特に可動スクロールの鏡板に背圧力を加えることによって可動スクロールを固定スクロールに押付けるようにしたスクロール形流体機械に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のスクロール形流体機械は、たとえば、特開平5−296163号公報に開示されている。この公報にも開示されているが、スクロール形流体機械の動作中においては、可動スクロールに対して種々の力が作用している。具体的には、可動スクロールの鏡板の背面に加えられる軸方向に向く背圧力、固定スクロールおよび可動スクロールの渦巻体間に閉込められるガスによって作り出されるガス荷重、公転運動する可動スクロールによって作り出される遠心力等が存在する。
【0003】
可動スクロールに対して作用する種々の力の位置関係により転覆モーメントが働き、そのため、可動スクロールの鏡板部等で片当たりが生じたり、可動スクロールが倒れて可動スクロールの軸受け部の負荷が増大したりする問題が生ずる。
【0004】
特開平5−296163号公報に開示されたスクロール形流体機械においては、可動スクロールの鏡板の背面に偏心した円形のシールリングを設けることによって、可動スクロールに作用する転覆モーメントを低減しようとしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特開平5−296163号公報に開示されたような偏心シールリングを設けようとすれば、加工コストが増大する。また、偏心シールリングを設けても、転覆モーメントの低減は十分ではない。
【0006】
図9は、スクロール形流体機械の動作中において、可動スクロールに対して作用する力がどのように変化するかを示している。縦軸は力の大きさを示し、横軸は公転運動する可動スクロールの回転角度を示している。
【0007】
bpは、可動スクロールの鏡板の背面に作用する軸方向に向く背圧力荷重であり、可動スクロールの回転角度にかかわらずほぼ一定の大きさとなっている。
【0008】
固定スクロールの渦巻体と可動スクロールの渦巻体との間に閉込められるガスによって作り出されるガス荷重が、可動スクロールに作用する。Fpaは、そのようなガス荷重の軸方向成分であり、Fptはガス荷重の接線方向成分であり、Fprはガス荷重の半径方向成分である。ガス荷重は、両スクロールの渦巻体間に閉込められるガス圧によって変化する。とくに、ガス荷重軸方向成分Fpaは、吐出開始時において最大となり、吸込み完了時において最小となる。
【0009】
irは、公転運動する可動スクロールに作用する遠心力荷重であり、動作中においてはほぼ一定の大きさである。
【0010】
背圧力荷重Fbpおよびガス荷重軸方向成分Fpaは可動スクロールの鏡板に対して軸方向に作用する。この両荷重の差圧はスラスト反力Fとして、可動スクロールの鏡板に作用する。
【0011】
図9に示すように、スラスト反力Fは、FbpからFpaを差し引いた力の大きさ、すなわちFbp−Fpaである。そのため、スラスト反力Fの大きさは、スクロール形流体機械の吐出開始時に最も小さくなり、吸込み完了時に最も大きくなる。
【0012】
上述のように、スラスト反力Fは可動スクロールの回転角度に応じて変化する。モーメントの釣合いのために、スラスト反力Fの作用点も、可動スクロールの回転角度に応じて変化する。スラスト反力Fの大きさが小さいときには、可動スクロール中心からスラスト反力作用点までの距離は大きくなり、スラスト反力Fの大きさが大きいときには可動スクロール中心からスラスト反力作用点までの距離は小さくなる。
【0013】
図10は、可動スクロール1とともにスラスト反力作用点の軌跡Lを示している。2は鏡板、3は渦巻体、4はオルダムキー溝である。図示するように、スラスト反力作用点は、動作中において、可動スクロール中心からの距離が刻々と変化する。吐出開始時、すなわちガス荷重軸方向成分Fpaが最大になるときにスラスト反力が最小となるため、スラスト反力の作用点が可動スクロール中心から最も遠ざかる。その際、スラスト反力作用点は可動スクロール1の鏡板中心2から外方に外れたところに位置する。鏡板外径が充分でないと、スラスト反力を受ける作用点が鏡板2上に位置しないようになるため、軸方向に作用する力のバランスが崩れ、可動スクロール1が傾いてしまう。図10に示すような状態では、可動スクロールは、1回転中に一度、すなわち吐出開始時に傾いてしまうことになる。
【0014】
この発明の目的は、特に製造コストを増大することなく、可動スクロールに対する転覆モーメントを低減することのできるスクロール形流体機械を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
この発明の前提となるスクロール形流体機械は、渦巻体を有する固定スクロールと、固定スクロールの渦巻体に摺接する渦巻体を鏡板上に有する可動スクロールとを備え、可動スクロールの鏡板の背面に軸方向に向く背圧力を加えることによって可動スクロールを固定スクロールに押付け、背圧力荷重と、両スクロールの渦巻体間に閉込められるガスによって作り出されるガス荷重の軸方向成分との差圧に釣り合うスラスト反力を可動スクロールの鏡板に作用させるようにするものである。
【0016】
請求項1に記載のスクロール形流体機械は、吐出開始時にあるときの固定スクロール中心から可動スクロール中心を通る半直線をXとし、可動スクロール中心を起点とし半直線Xに対して回転方向に90°回転させた半直線をYとし、半直線Xと半直線Yとによって囲まれた領域を第1領域、さらに90°ずつ回転方向に回転させた領域を順に第2領域、第3領域、第4領域としたとき、吐出開始時に可動スクロール中心から最も遠ざかるようになるスラスト反力の作用点を受止める反力受止め部を可動スクロール鏡板の第2領域に設けたことを特徴とする。
【0017】
本願発明者は、スラスト反力の作用点が可動スクロール中心から最も遠ざかる領域は、第2領域になることを見出した。したがって、請求項1に記載の発明においては、第2領域に設けられた反力受止め部が確実にスラスト反力の作用点を受止めるので、吐出開始時における可動スクロールの傾きを効果的に防止することができる。
【0018】
請求項2に記載のスクロール形流体機械では、可動スクロール鏡板の主たる外径の中心位置を、可動スクロールの駆動軸中心に対して第2領域に偏心させることによって、反力受止め部を第2領域に設けている。この請求項2に記載の発明によれば、反力受止め部を形成するのに特別な加工を必要としないので、製造コストの増大を抑えることができる。さらに、可動スクロールの重量を増加させることはない。
【0019】
請求項3に記載のスクロール形流体機械では、第2領域に位置する可動スクロール鏡板の外縁を半径方向外方に膨出させることによって、反力受止め部を第2領域に設けている。この請求項3に記載の発明によれば、膨出部が確実にスラスト反力の作用点を受止めるので、可動スクロールの転覆を効果的に防止することができる。
【0020】
請求項4に記載のスクロール形流体機械では、膨出部分にオルダムキー溝が形成されている。オルダムキー溝は、公転運動する可動スクロールが自転しないようにするために、この種のスクロール形流体機械においては必ず形成されるものである。請求項4に記載の発明では、必ず必要となるオルダムキー溝の位置を第2領域にし、膨出部分と兼用することによって、スラスト反力を受止めるようにしている。このようにすれば、製造コストの増大を防止することができる。
【0021】
請求項5に記載のスクロール形流体機械においては、膨出部分の厚みを、他の部分に比べて薄くしている。膨出部分を形成することによってその部分の重みが負荷されることになるが、請求項5に記載の発明のように、その厚みを小さくすれば、重量の増加を防ぐことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1は、固定スクロール10の渦巻体11と、可動スクロール12の渦巻体13とが噛合っている状態を示す断面図である。可動スクロール12は、鏡板14と、駆動軸の偏心ピンを受入れるピン受け筒部15とを備える。
【0023】
可動スクロール12の鏡板14の背面にはシール部材16および17が配置されており、この両シール部材間に背圧室18が形成される。両スクロールの渦巻体間に形成される中間圧力はガス通路19を経由して背圧室18に導かれる。
【0024】
背圧室18によって形成される背圧力Fbpは、可動スクロール12を固定スクロール10に向かって軸方向に押付ける。また、両スクロールの渦巻体間に閉込められるガスによって作り出されるガス荷重の軸方向成分Fpaは、可動スクロール12を、固定スクロール10から軸方向に遠ざけるように作用する。図9を用いて説明したように、背圧力荷重Fbpはガス荷重軸方向成分Fpaよりもかなり大きいため、可動スクロール12は間隔dだけ浮上がる。可動スクロール12の鏡板14の外周部分は固定スクロール10に押付けられ、そのため鏡板14に対してスラスト反力Fが背圧力とは逆方向に作用する。F=Fbp−Fpaである。
【0025】
図2および図3は、可動スクロール12に作用する種々の力を図解的に示している。図2は可動スクロールを上方から見た図であり、図3は可動スクロールを側方から見た図である。
【0026】
可動スクロールに作用する力の関係をまとめると、以下の表1のようになる。
【0027】
【表1】
Figure 0003575201
【0028】
表1に示された各力について、図2および図3を用いて詳しく説明する。可動スクロールは固定スクロールの中心Ofsのまわりを回転する。可動スクロールの中心をOosとし、その回転の半径をRorとする。回転方向は、図2において反時計方向である。固定スクロール中心Ofsから可動スクロール中心Oosを通る方向をr軸とし、可動スクロール中心Oosを通る接線の方向をt軸とする。また、可動スクロール中心Oosを通って紙面に対して垂直方向に延びる軸をa軸とする。
【0029】
ガス荷重Fpa、Fpt、Fprは、固定スクロール中心Ofsと可動スクロール中心Oosとの間の中点に作用する。ガス荷重軸方向成分Fpaは軸方向に沿って下向きに作用する。a軸に沿って下向きの方向を負とすると、表1に示すようにガス荷重のa軸成分は−Fpaとなる。その作用点座標は、r軸で見ると−Ror/2である。
【0030】
ガス荷重接線方向成分Fptのa軸方向の作用点は、渦巻体の高さの中央の位置である。したがって、図3に示すようにa軸方向の作用点の座標はhとなる。t軸方向で見ると負であるので、力の成分は−Fptとなる。
【0031】
ガス荷重半径方向成分Fprは、r軸方向に見たとき負であるので、力の成分は−Fprとなる。Fprのa軸方向の作用点座標はhである。
【0032】
遠心力Firは、可動スクロール中心Oosに作用する。r軸方向に見たとき正であるので力の成分はFirである。a軸方向に見たとき、遠心力Firの作用点は、可動スクロールの重心位置となるので、a軸の座標はhである。
【0033】
r軸方向の力の成分で見たとき、ガス荷重半径方向成分Fprよりも遠心力荷重Firの方がかなり大きい。このことは図9からも明らかである。そのため、その力の差に対応するピン軸反力が、駆動軸の偏心ピンを受入れるピン受け筒部15に作用する。ピン軸反力のr軸成分Rは遠心力Firと逆向きであるため、−Rとなる。
【0034】
t軸方向の力の成分を見ると、ガス荷重接線方向成分Fptと同じ力の大きさで、逆向きのピン軸反力t軸成分Rがピン受け筒部15に作用する。ピン軸反力t軸成分は、ガス荷重接線方向成分Fptと逆向きであるため、t軸成分はRとなる。ピン軸反力R、Rの作用点は、図2においては可動スクロール中心Oosであり、図3に示したa軸方向においては、ピン受け筒部15の高さの約2分の1の位置である。したがって、a軸の作用点座標は、−hとなる。
【0035】
背圧力Fbpは固定スクロール中心Ofsを通って上方に作用する。したがって、a軸に沿う力の成分は、Fbpであり、作用点座標は−Rorである。
【0036】
a軸方向の力の成分を見たとき、下向きのガス荷重軸方向成分Fpaよりも上向きの背圧力荷重Fbpの方がかなり大きい。このことは、図9からも明らかである。そのため、a軸方向の力の釣合いをとるために、背圧力荷重Fbpとガス荷重軸方向成分Fpaとの力の差に対応するスラスト反力Fが、背圧力荷重Fbpとは逆向きに作用する。この作用点座標を、r軸に見たときAとし、t軸に見たときAとする。a軸方向にみたとき、スラスト反力の作用点は、鏡板14の上面であるので、hである。
【0037】
次に、スラスト反力Fの作用点がどこに位置するのかについて検討してみる。そのために、モーメントの釣合いを考える。
【0038】
まず、r軸まわりのモーメントの釣合いを考えてみる。正のモーメントはF・Aである。一方、r軸まわりの負のモーメントは、R・hおよびFpt・hである。
【0039】
次にt軸まわりのモーメントについて考えてみる。t軸まわりの正のモーメントは、F・Aである。また、Fbp・Ror、R・h、Fir・hもt軸まわりの正のモーメントとなる。一方、Fpr・hおよびFpa・Ror/2がt軸まわりの負のモーメントとなる。
【0040】
上述したモーメントの釣合いを整理すると、次のようになる。
【0041】
【数1】
Figure 0003575201
【0042】
図4を参照して、吐出開始時にあるときの固定スクロール中心Ofsから可動スクロール中心Oosを通る半直線をXとし、可動スクロール中心Oosを起点とし半直線Xに対して回転方向に90°回転させた半直線をYとし、半直線Xと半直線Yとによって囲まれた領域を第1領域、さらに90°ずつ回転方向に回転させた領域を順に第2領域、第3領域、第4領域とする。
【0043】
上述の式(1)を満足するためには、F・Aは必ず正でなければならない。Fは正であるので、Aも正でなければならない。ということは、Fの作用点は、必ず第1領域または第2領域に存在しなければならない。
【0044】
次に、式(2)に記載されている(Fbp・Ror+R・h+Fir・h)と(Fpr・h+Fpa・Ror/2)の大きさを比較してみる。図9を参照して、FbpはFpaよりもかなり大きい。また、RorはRor/2よりも大きいため、Fbp・Ror≫Fpa・Ror/2の関係となる。
【0045】
図9から、FirはFprよりもかなり大きいことがあきらかである。一方、hとhとはそれほど大きさに差はない。したがって、Fir・h>Fpr・hの関係が成り立つ。さらに、R・hが正成分として作用するので、確実に以下の関係式が成り立つ。
【0046】
【数2】
Figure 0003575201
式(3)の関係でなおかつ式(2)の条件を満足するためには、F・Aは負でなければならない。Fは正の力成分であるので、Aは負である。
【0047】
以上のモーメントの釣合いから考えると、Aは正であり、Aは負である。そのような領域は、第2領域である。
【0048】
以上のことから、スラスト反力の作用点は、必ず第2領域に位置することになる。その作用点は吐出開始時に最大となる。言換えれば、吐出開始時に可動スクロール中心Oosから最も遠ざかるようになるスラスト反力Fの作用点は、必ず第2領域に位置する。そこでこの発明では、そのようなスラスト反力Fの作用点を受止める反力受止め部を可動スクロール鏡板の第2領域に設ける。
【0049】
図5に示した実施例では、可動スクロール12の鏡板14の主たる外径の中心位置Cを、可動スクロールの駆動軸中心Oosに対して第2領域に偏心させている。したがって、オルダムキー溝21を除いて、可動スクロール中心Oosから鏡板14の外縁に至るまでの距離は、第2領域において最大となる。スラスト反力の作用点の軌跡Lから明らかなように、吐出開始時にスラスト反力の作用点が可動スクロール中心Oosから最も遠ざかる。その際、大きな面積を占めるようになった第2領域の鏡板が反力受止め部20となってスラスト反力を受止める。こうして、可動スクロールの転覆を防止できる。
【0050】
図6は、この発明に従った他の実施例を示している。この実施例では、第2領域に位置する可動スクロール鏡板14の外縁を半径方向外方に膨出させることによって、スラスト反力を受止める反力受止め部20を形成している。膨出部22は反力受止め部20を形成するために設けられたものであるが、可動スクロールのバランサとして作用させるようにしてもよい。
【0051】
図7は、この発明のさらに他の実施例を図示している。この実施例では、反力受止め部を形成するための膨出部22の厚みを小さくすることによって、重量の増加を防いでいる。
【0052】
図8は、この発明に従ったさらに他の実施例を図示している。図8では、オルダムキー溝21を適正な場所に位置させることによって、オルダムキー溝21に反力受止め部20を形成するようにしている。この実施例では、オルダムキー溝21の位置を適正に選ぶだけでよいので、製造コストおよび重量の増加を防ぐことができる。
【0053】
以上図示しかつ説明した実施例はこの発明を例示的に示したものにすぎない。したがって、この発明の均等の範囲内において、種々の修正や変形が可能である。
【0054】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、吐出開始時に可動スクロール中心から最も遠ざかるようになるスラスト反力の作用点を受止める反力受止め部を可動スクロール鏡板の第2領域に設けたので、可動スクロールの転覆モーメントを確実に低減することができる。
【0055】
請求項2に記載の発明によれば、可動スクロール鏡板の主たる外径の中心位置を可動スクロールの駆動軸中心に対して偏心させることによって反力受止め部を形成するものであるので、製造コストの増加を防ぐことができる。
【0056】
請求項3に記載の発明によれば、可動スクロール鏡板の外縁を半径方向外方に膨出させることによって反力受止め部を形成しているので、スラスト反力の作用点を確実に受止めることができる。
【0057】
請求項4に記載の発明によれば、オルダムキー溝を利用して反力受止め部を形成するものであるので、製造コストの増加を防ぐことができる。
【0058】
請求項5に記載の発明によれば、膨出部分の厚みを小さくしているので、重量の増加を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】固定スクロールと可動スクロールとが噛合っている状態を示す断面図である。
【図2】可動スクロールに作用する種々の力を上方から見た図である。
【図3】可動スクロールに作用する力を側方から見た図である。
【図4】可動スクロールを4つの領域に区分した図である。
【図5】この発明に従った実施例を示す図である。
【図6】この発明に従った他の実施例を示す図である。
【図7】この発明に従ったさらに他の実施例を示す図である。
【図8】この発明に従ったさらに他の実施例を示す図である。
【図9】可動スクロールに作用する種々の力と回転角度との関係を示す図である。
【図10】従来の可動スクロールを示す図である。
【符号の説明】
12 可動スクロール
13 渦巻体
14 鏡板
20 反力受止め部
L スラスト反力作用点の軌跡
C 主たる外径の中心
os 可動スクロール中心
21 オルダムキー溝

Claims (5)

  1. 渦巻体(11)を有する固定スクロール(10)と、前記固定スクロールの渦巻体に摺接する渦巻体(13)を鏡板(14)上に有する可動スクロール(12)とを備え、前記可動スクロールの鏡板の背面に軸方向に向く背圧力(Fbp)を加えることによって可動スクロールを固定スクロールに押付け、前記背圧力荷重(Fbp)と、両スクロールの渦巻体間に閉込められるガスによって作り出されるガス荷重の軸方向成分(Fpa)との差圧に釣り合うスラスト反力(F)を可動スクロールの鏡板に作用させるようにしたスクロール形流体機械において、
    吐出開始時にあるときの固定スクロール中心(Ofs)から可動スクロール中心(Oos)を通る半直線をXとし、可動スクロール中心(Oos)を起点とし前記半直線Xに対して回転方向に90°回転させた半直線をYとし、半直線Xと半直線Yとによって囲まれた領域を第1領域、さらに90°ずつ回転方向に回転させた領域を順に第2領域、第3領域、第4領域としたとき、吐出開始時に可動スクロール中心(Oos)から最も遠ざかるようになる前記スラスト反力(F)の作用点(Lmax )を受止める反力受止め部(20)を可動スクロール鏡板の第2領域に設けたことを特徴とする、スクロール形流体機械。
  2. 前記可動スクロール鏡板(14)の主たる外径の中心位置(C)を、可動スクロールの駆動軸中心(Oos)に対して前記第2領域に偏心させることによって、前記反力受止め部(20)を第2領域に設けた、請求項1に記載のスクロール形流体機械。
  3. 前記第2領域に位置する可動スクロール鏡板の外縁を半径方向外方に膨出させることによって、前記反力受止め部(20)を第2領域に設けた、請求項1に記載のスクロール形流体機械。
  4. 前記膨出部分(22)にオルダムキー溝(21)が形成されている、請求項3に記載のスクロール形流体機械。
  5. 前記膨出部分(22)の厚みが、他の部分に比べて薄くされている、請求項3に記載のスクロール形流体機械。
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