JP3572721B2 - 粉体塗料組成物及びその製造方法 - Google Patents

粉体塗料組成物及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は2ピース、3ピース缶の内面塗料用、特に溶接缶のサイドシーム部の補正塗料用として優れた塗料及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属缶は、2ピース、3ピース缶に大別でき、3ピース缶は缶胴の接合方法により半田缶、接着缶及び溶接缶に分けられる。2ピース缶は、生産性と充填時の巻き締め性の良さから伸びが著しく、又、3ピース缶の中では、缶の機械的強度が大きい理由から溶接缶が次第に普及してきている。溶接缶の場合には、缶胴素材の両切断断面を重ね合わせて溶接するため、溶接部分では金属面が缶内面に露出し腐食が起こり易い。これを防ぐ目的で溶接部に補正塗料を塗布し保護皮膜を形成するが、かかる溶接部に存在する溶接段差が比較的大きいため充分に被覆することが困難である。また、溶接部は、製缶工程で更に加工される部分であるので塗膜としての加工性が要求され、併せて補正塗料の塗装硬化速度が溶接缶の生産性を左右する重要な要素となっている。
【0003】
金属缶の内面塗料は、一般的に溶剤系のエポキシフェノール樹脂系塗料,エポキシアミノ樹脂系塗料、エポキシエステル樹脂系塗料や塩化ビニール樹脂系のオルガノゾル塗料、熱硬化ビニール樹脂系塗料が用いられている他、水溶性のエポキシアクリルフェノール樹脂系分散型水性塗料、エポキシアクリルアミノ樹脂系分散型水性塗料が次第に普及しつつあるが、いずれの塗料も労働衛生上また大気汚染に悪影響を及ぼす有機溶剤を含有している。
【0004】
これらの溶剤系塗料は、ロールコートやスプレーコートにより、素材金属板に塗装が施されるものであるが、取扱いや塗装時における溶剤の揮発による臭気等の労働衛生上の問題を抱えている。粉体塗料は、流動浸漬法、静電塗装法、機械式落下法等により塗装が施されているが、静電塗装法が主流を占めている。静電塗装時、粉体塗料貯蔵容器より静電塗装ノズル口に至るまでの、粉体塗料が通る2〜5mm径程度のチューブ内の搬送性が粉体塗料の吐出量に影響し塗装被覆膜厚が不均一に成り易いという問題があり、製缶分野での粉体塗料の実績は極めて少ない。
【0005】
一方、粉体塗料の製造方法は、数種類の原料樹脂を均一に混合した後、溶融混練し、粗粉砕、微粉砕、分級工程等の複雑で多くの工程、及び時間を経て塗料化がなされるものである。特に、少量多品種の場合工程及び品質管理の複雑さや、歩留まりが悪いという問題を抱えている。
【0006】
ところで、前記した、溶接部段差を完全に被覆するためには、40〜60μmの補正塗料膜厚が必要であるとされている。従来の上記溶剤系塗料は、塗膜形成時に発泡を起こし易く厚膜形成をしにくいという欠点を共通して持ち、特に、高温短時間焼付に於ける厚膜形成時に、有機溶剤に溶解または分散した熱硬化性樹脂塗料及び熱可塑性樹脂塗料は有機溶剤を媒介とした泡が発生しやすくなる。この発泡を抑制するため、一般的に、予備加熱処理後を施した後、焼付を行うという時間のかかる方法で対応している。
【0007】
溶接部は、厚膜塗装して、焼付後に、フランジ加工や、巻き締め、更には近年缶体の軽量化が進む中での缶蓋の縮径化のための、トリプルネックイン加工等の高加工性が要求されているが、これらの塗料は亀裂や剥離を生じ易いという欠点を併せ持つ。この亀裂や剥離は、内容物充填後に行われるレトルト殺菌等の熱処理によって助長される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、容易な製造方法により労働衛生及び大気汚染上問題の少ない粉体塗料を製造し、流動性に優れ、高加工性を損なうことなく高温短時間焼付での厚膜形成が容易な缶被覆用粉体塗料を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、10〜50μmの平均粒子径を有する熱可塑性樹脂粉体表面に0.1〜10μmの平均粒子径を有する熱硬化性樹脂粉体と粉体状硬化剤及び第一の粉体状添加剤としての変性アクリル樹脂粉体及び又は金属酸化物粉体を複合化して被覆せしめ、更にこの複合化粉体表面の少なくとも一部を0.001〜10μmの平均粒子径を有する第二の粉体状添加剤としての変性アクリル樹脂粉体及び又は金属酸化物粉体によって、被覆せしめた粉体塗料であって、前記熱可塑性樹脂粉体100重量部に対する前記熱硬化性樹脂粉体の含有量が1〜30重量部であることを特徴とする粉体塗料組成物及びその製造方法を提供するものである。
【0010】
先ず、第一段階の混合で熱可塑性樹脂として平均粒子径が10〜50μmであるナイロン12樹脂粉体、又はポリエステル樹脂粉体の単独又は2種を組み合わせた粒子表面に、平均粒子径が0.1〜10μmであるエポキシ樹脂粉体及び又はフェノール樹脂粉体と、硬化剤粉体部としての金属キレート化合物又は酸無水物と、粉体状添加剤として平均粒子径が0.001〜10μmである金属酸化物粉体及び又は変性アクリル樹脂粉体を複合化させる。その後、更に、第二段階の混合で、添加剤として、第一段階と同種、又は異なる、平均粒子径が0.001〜10μmである変性アクリル樹脂粉体、及び又は金属酸化物粉体とを複合化せしめることによって缶被覆用粉体塗料組成物を得ることが出来る。
【0011】
本発明の重要な特徴は、平均粒子径を規定した熱可塑性樹脂粉体表面に同じく平均粒子径を規定した熱硬化性樹脂粉体及び添加剤を複合化させた後、その最外郭表面に、金属酸化物及び又は変性アクリル樹脂粉体を緩すぎも強すぎもせずに複合化することにより、従来に見ない流動性を得たことにある。既存粉体塗料の流動性が劣るために、扱い難さからその使用を控えていた該当業界で飛躍的に発展することが期待される。
【0012】
次に重要な特徴は、基本樹脂として、硬化反応時間を必要としない、強靱で柔軟な熱可塑性樹脂を用いた点にある。熱可塑性樹脂を用いることにより短時間焼付が可能となり高加工性を保持した被覆組成物を得ることが可能となった。
【0013】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明で使用する、熱可塑性樹脂は、市販品を使用することができる。ポリアミド樹脂であるナイロン12の市販品としては、例えば東レ社製商品名「SP−」,宇部興産社製商品名「UBE−」,日本リルサン社製商品名「オルガゾ−ル」,ダイセルヒュルス社製商品名「ダイアミド」,東亜合成社製商品名「プラチロン」,大日本インキ製「グリラックス」などがあげられる。
【0014】
ポリエステル樹脂の市販品としては、例えば東洋紡績製「バイロン」、ユニチカ製「エリーテル」、大日本インキ製「グリラックス」、東亜合成社製「アロンメルト」などを使用することができる。これらの熱可塑性樹脂粉体の平均粒子径は、10〜50μmが好ましく、より好ましくは、15〜30μmである。平均粒子径が10μm未満であると流動性が著しく劣り、50μmを越えると塗膜形成時の平滑性が劣るため好ましくない。平均粒子径が10〜50μmであるナイロン12樹脂粉体,ポリエステル樹脂粉体は単独あるいは2種類の混合粉体として使用できる。
【0015】
熱硬化性エポキシ樹脂としては、数平均分量が1000〜5800でありエポキシ当量が450〜3000であるビスフェノール型エポキシ樹脂が好ましい。エポキシ当量がこれより低いと固形物としては得られず、高いと微粉砕が困難である。市販品としては、例えば、油化シェル化学製の「エピコート1001」、「エピコート1004」、「エピコート1007」、「エピコート1009」、「エピコート1010」、旭チバ社製の「AER661」、「AER664」、「AER667」、「AER669」等が挙げられる。
【0016】
熱硬化性フェノール樹脂は、触媒下でフェノール類にホルムアルデヒドを付加縮合させる公知の方法によって得られる。例えば、フェノール類としては、フェノール、O−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−オクチルフェノール、p−フェニルフェノール、メチルフェノール、エチルフェノール、プロピルフェノール、イソプロピルフェノール、ブチルフェノール、p−tert−アミノフェノール、4.4’sec−ブチリデンジフェノール、p−シクロヘキシルフェノール、4.4’イソプロピリデンジフェノール、キシレノール、フェニル−O−クレゾール等を単独か2種以上混合して用いる。触媒としては、アンモニア、エチルアミン、ブチルアミン、ジエタノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、塩酸、硫酸、りん酸酢酸、シュウ酸等を用い公知の方法でホルムアルデヒドを付加縮合して得られる。
【0017】
これらの熱硬化性樹脂を、公知の方法により平均粒子径が0.1〜10μm、より好ましくは0.1〜5μmに微粉砕し、熱可塑性樹脂粉体100重量部に対し1〜30部、より好ましくは1〜25重量部使用する。エポキシ樹脂とフェノール樹脂は、単独あるいは混合して使用することができる。平均粒子径がこれより小さいと、微粉砕が困難であり、大きいと複合化が困難なため流動性が劣り、結果として得られる被覆組成物でのエポキシ樹脂及び又はフェノール樹脂が不均一となりやすく下地金属との密着性が劣る。また、熱可塑性樹脂に対する添加量がこれより少ないと、得られた被覆組成物の密着性が劣り、多いと加工性が劣る。
【0018】
硬化剤としての金属キレート化合物としては、一般式Al(OR)n (L)3−n (式中Rはアルキル基、Lはケトエノール型変異性化合物、n は0〜3の整数を示す。)で示されるアルミニウム系キレート化合物が主に用いられる。特にn=3で表されるアルミニウムアルコラートとしてはアルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリ−n−ブトキシド、アルミニウムトリイソブトキシド等がある。n=0、1、2のアルミニウム錯化合物は、アルミニウムアルコラートと(L)としてアセチルアセトンに代表されるビス−(β−ジケトン)、アセト酢酸エステル、ロマン酸エステル等のケトエノール型互変異性化合物を混合することにより容易に得られるものである。本発明においてはアルミニウムアルコラート、アルミニウム錯化合物共に用いることができるがアルミニウムアルコラートは、加水分解しやすく作業性及び得られる被覆組成物の保存安定性を損ねる場合があるのでアルコキシ基の一部又は全部をケトエノール型互変異化合物で置換したアルミニウム錯化合物を使用する。
【0019】
硬化剤としての酸無水物としては、無水フタル酸,テトラヒドロ無水フタル酸,ヘキサヒドロ無水フタル酸,無水クロレンディック酸,無水ピロメリット酸,ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物,エチレングリコールビス(アンヒドロトリメート),メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物,無水トリメリット酸,ポリアゼライン酸無水物等を単独あるいは混合物として使用できる。
【0020】
これらの硬化剤を、公知の方法により0.1〜10μmに微粉砕し、熱可塑性樹脂100重量部に0.1〜3重量部使用する。熱可塑性樹脂に対する割合がこれより少ないと、得られた被覆組成物の密着性が劣り、多いと加工性が劣る。
【0021】
第一段階での混合時に添加する粉体状添加剤としては、変性アクリル樹脂粉体及び又は金属酸化物粉体が用いられるが、変性アクリル樹脂粉体としては、商品名「モダフロ−」、「ポリフロ−」等の共重合アクリル樹脂を酸化ケイ素粉体(微粉末シリカ)と複合化して得られる粉体が用いられる。
【0022】
第一段階の混合で添加される金属酸化物粉体としては、アルカリ土類金属及びその水酸化物等の、例えばアスベスチン、けい酸アルミニウム類、けい酸マグネシウム酸化亜鉛、酸化アンチモン、二酸化チタン、酸化鉄類等、着色及び体質顔料等で使用されるものを単独あるいは混合して用いることができる。これらの金属酸化物を、公知の方法により0.001〜10μmに微粉砕し、熱可塑性樹脂粉体100重量部に0.1〜3重量部使用する。平均粒子径がこれより大きいか或いは添加量が少ないと粉体としての流動性が劣り、得られる被覆組成物の平滑性が劣る。添加量が多いと得られた被覆組成物の密着性が劣る場合があるため好ましくない。
【0023】
本発明は、以上の第一段階の混合で得られる、熱可塑性樹脂粉体、熱硬化性粉体、粉体状硬化剤及び粉体状添加剤の粉体混合物に、更に第二段階の混合として、最外殻表面に第二の粉体状添加剤として金属酸化物粉体及び又は変性アクリル樹脂粉体を複合させることを特徴とした缶被覆用組成物である。
【0024】
第二段階の粉体状添加剤は、第一段階で複合化させるのに使用する金属酸化物粉体及び又は変性アクリル樹脂粉体と、同一あるいは異種のものを用いることができる。しかしながら、二つの段階の混合の全ての配合を第一段階に一度に混合してしまうことは粉体塗料として求められる流動性を著しく欠くため避けなければならない。
【0025】
第二段階の粉体状添加剤としての変性アクリル樹脂粉体としては、商品名「モダフロ−」、「ポリフロ−」等の共重合アクリル樹脂を微粉末シリカと複合化して得られる粉体が用いられる。又、金属酸化物粉体としては、商品名「アエロジル」、「サイリシア」等の微粉末シリカが用いられる。これらの平均粒径としては0.001〜10μm、より好ましくは0.001〜5μmのものが用いられる。
【0026】
複合化させる機器及び方法としては、簡便的には乳鉢、ボールミル、ヘンシェルミキサーの市販品及び改良型が使用出来、ハンマーミル、ピンミル等の高速回転式衝撃粉砕機及びジェットミル、奈良機械製作所製ハイブリダイゼーションシステム、ホソカワミクロン製メカノフュージョンシステム、川崎重工製クリプトロン等のシステムの一部或いは全てが使用できる。
【0027】
【実施例】
(実施例1)
平均粒径10μmのナイロン12粉体100重量部に、平均粒径0.1μmのエポキシ樹脂である油化シェル製「E−1004」粉体10重量部と、分子量が900である平均粒径0.1μmのフェノール樹脂である大日本インキ製「TD−2635」粉体1重量部と、平均粒径が0.1μmのアルミキレート粉体1重量部と、平均粒径が0.1μmの硫酸バリウム粉体0.1重量部とを、改良型ヘンシェルミキサーにて第一段階の混合として15分間複合化した。次に第二段階の混合として、平均粒径が1.6μmの富士シリシア化学社製微粉末シリカである「サイリシア320」粉体0.5重量部を加え、再度改良型ヘンシェルミキサーにて5分間複合化を行った。複合化された粉体を開口径74μmである200メッシュ金網にて分級を行い粉体塗料組成物Aを得た。
【0028】
(実施例2)
平均粒径30μmのナイロン12粉体100重量部に、平均粒径3μmのエポキシ樹脂である油化シェル製「E−1007」粉体5重量部と、分子量が900である平均粒径3μmのフェノール樹脂である大日本インキ製「TD−2635」粉体1重量部と、平均粒径が3μmのアルミキレート粉体1重量部と、平均粒径が3μmの硫酸バリウム粉体2重量部とを、改良型ヘンシェルミキサーにて第一段階の混合として5分間複合化した。その後、平均粒径が1.6μmの富士シリシア化学社製微粉末シリカである「サイリシア320」粉体1重量部を加え、実施例1と同様に第二段階の混合、分級を実施し、粉体塗料組成物Bを得た。
【0029】
(実施例3)
平均粒径50μmのナイロン12粉体100重量部に、平均粒径10μmのエポキシ樹脂である油化シェル製「E−1007」粉体10重量部と、分子量が900である平均粒径10μmのフェノール樹脂である大日本インキ製「TD−2635」粉体1重量部と、平均粒径が10μmのアルミキレート粉体2重量部と、平均粒径が10μmの硫酸バリウム粉体0.5重量部とを、改良型ヘンシェルミキサーにて第一段階の混合として15分間複合化した。その後、平均粒径が1.6μmの富士シリシア化学社製微粉末シリカである「サイリシア320」粉体0.5重量部を加え、実施例1と同様に第二段階の混合、分級を実施し、粉体塗料組成物Cを得た。
【0030】
(実施例4)
平均粒径30μmのポリエステル粉体100重量部に、平均粒径3μmのエポキシ樹脂である油化シェル製「E−1004」粉体1重量部と、平均粒径3μmのエチレングリコールビス(アンヒドロトリメート)0.2重量部と、平均粒径が10μmの変性アクリル樹脂系添加剤、商品名「モダフロー」を微粉末シリカと複合化させた粉体2重量部とを、改良型ヘンシェルミキサーにて第一段階の混合として15分間複合化した。その後、平均粒径が1.6μmの富士シリシア化学社製微粉末シリカである「サイリシア320」粉体0.5重量部を加え、実施例1と同様に第二段階の混合、分級を実施し、粉体塗料組成物Dを得た。
【0031】
(実施例5)
平均粒径25μmのナイロン12粉体100重量部に、平均粒径3μmのエポキシ樹脂である油化シェル製「E−1004」粉体1重量部と、分子量が900である平均粒径3μmのフェノール樹脂である大日本インキ製「TD−2635」粉体0.1重量部と、平均粒径が3μmのアルミキレート粉体0.1重量部と、平均粒径が3μmの硫酸バリウム粉体0.1重量部とを、改良型ヘンシェルミキサーにて第一段階の混合として5分間複合化した。その後、平均粒径が1.6μmの富士シリシア化学社製微粉末シリカである「サイリシア320」粉体0.5重量部を加え、実施例1と同様に第二段階の混合、分級を実施し、粉体塗料組成物Eを得た。
【0032】
(実施例6)
平均粒径30μmのナイロン12粉体100重量部に、平均粒径5μmのエポキシ樹脂である油化シェル製「E−1004」粉体5重量部と、分子量が900である平均粒径3μmのフェノール樹脂である大日本インキ製「TD−2635」粉体0.5重量部と、平均粒径が3μmのアルミキレート粉体0.5重量部とを、改良型ヘンシェルミキサーにて第一段階の混合として5分間複合化した。その後、平均粒径が1.6μmの富士シリシア化学社製微粉末シリカである「サイリシア320」粉体1重量部を加え、実施例1と同様に第二段階の混合、分級を実施し、粉体塗料組成物Fを得た。
【0033】
(実施例7)
平均粒径30μmのナイロン12粉体100重量部に、平均粒径3μmのエポキシ樹脂である油化シェル製「E−1007」粉体25重量部と、分子量が900である平均粒径3μmのフェノール樹脂である大日本インキ製「TD−2635」粉体3重量部と、平均粒径が3μmのアルミキレート粉体3重量部と、平均粒径が3μmの硫酸バリウム粉体0.5重量部と、平均粒系が10μmである変性アクリル樹脂系添加剤、商品名「モダフロー」を微粉末シリカと複合化させた粉体1重量部とを、改良型ヘンシェルミキサーにて第一段階の混合として15分複合化した。その後、平均粒径が1.6μmの富士シリシア化学社製微粉末シリカである「サイリシア320」粉体1重量部を加え、実施例1と同様に第二段階の混合、分級を実施し、粉体塗料組成物Gを得た。
【0034】
(比較例1)
平均粒径8μmのナイロン12粉体100重量部に、平均粒径3μmのエポキシ樹脂である油化シェル製「E−1007」粉体10重量部と、分子量が900である平均粒径3μmのフェノール樹脂である大日本インキ製「TD−2635」粉体1重量部と、平均粒径が3μmのアルミキレート粉体1重量部と、平均粒径が3μmの硫酸バリウム粉体0.5重量部とを、改良型ヘンシェルミキサ−にて第一段階の混合として15分間複合化した。その後、平均粒径が1.6μmの富士シリシア化学社製微粉末シリカである「サイリシア320」粉体2重量部を加え、実施例1と同様に第二段階の混合、分級を実施し、粉体塗料組成物Hを得た。
【0035】
(比較例2)
平均粒径60μmのナイロン12粉体100重量部に、平均粒径3μmのエポキシ樹脂である油化シェル製「E−1007」粉体10重量部と、分子量が900である平均粒径3μmのフェノール樹脂である大日本インキ製「TD−2635」粉体1重量部と、平均粒径が3μmのアルミキレート粉体1重量部と、平均粒径が3μmの硫酸バリウム粉体0.5重量部とを、改良型ヘンシェルミキサーにて第一段階の混合として15分間複合化した。その後、平均粒径が1.6μmの富士シリシア化学社製微粉末シリカである「サイリシア320」粉体0.5重量部を加え、実施例1と同様に第二段階の混合、分級を実施し、粉体塗料組成物Iを得た。
【0036】
(比較例3)
平均粒径30μmのナイロン12粉体100重量部に、平均粒径3μmのエポキシ樹脂である油化シェル製「E−1004」粉体5重量部と、分子量が900である平均粒径3μmのフェノール樹脂である大日本インキ製「TD−2635」粉体0.5重量部と、平均粒径が3μmのアルミキレート粉体0.5重量部と平均粒径が3μmの硫酸バリウム粉体0.5重量部と、平均粒径が1.6μmの富士シリシア化学社製微粉末シリカである「サイリシア320」粉体0.5重量部を加え、改良型ヘンシェルミキサーにて第一段階の混合として20分間複合化を行った。複合化された粉体を開口径74μmである200メッシュ金網にて分級を行い粉体塗料組成物Jを作成した。
【0037】
(比較例4)
平均粒径30μmのナイロン12粉体100重量部に、平均粒径15μmのエポキシ樹脂である油化シェル製「E−1004」粉体30重量部と、分子量が900である平均粒径15μmのフェノール樹脂である大日本インキ製「TD−2635」粉体3重量部と、平均粒径が15μmのアルミキレート粉体3.5重量部と、平均粒径が15μmの硫酸バリウム粉体2重量部とを、改良型ヘンシェルミキサーにて第一段階の混合として15分間複合化した。次に第二段階の混合として、平均粒径が1.6μmの富士シリシア化学社製微粉末シリカである「サイリシア320」粉体2重量部を加え、再度改良型ヘンシェルミキサーにて15分間複合化を行った。複合化された粉体を開口径74μmである200メッシュ金網にて分級を行い粉体塗料組成物Kを得た。
【0038】
(比較例5)
平均粒径30μmのナイロン12粉体100重量部に、平均粒径3μmのエポキシ樹脂である油化シェル製「E−1007」粉体0.5重量部と、分子量が900である平均粒径3μmのフェノール樹脂である大日本インキ製「TD−2635」粉体0.1重量部と、平均粒径が3μmのアルミキレート粉体0.1重量部と、平均粒径が3μmの硫酸バリウム粉体0.1重量部とを、改良型ヘンシェルミキサーにて第一段階の混合として15分間複合化した。次に第二段階の混合として、平均粒径が1.6μmの富士シリシア化学社製微粉末シリカである「サイリシア320」粉体0.1重量部を加え、再度改良型ヘンシェルミキサーにて1分間複合化を行った。複合化された粉体を開口径74μmである200メッシュ金網にて分級を行い粉体塗料組成物Lを得た。
【0039】
この様にして得られた粉体塗料組成物を溶接缶内面溶接部に静電塗装機を用い40−KVにてコロナ塗装し、高速熱風オーブン250℃12秒の焼付を行った。得られた膜厚50μmの試験用塗装板を用いて下記の性能評価を行った。平均粒子径は、島津製作所製レーザー散乱回折型SALD−2000粒度分布測定機により、水可溶樹脂粉体についてはセイシン企業製乾式粒度分布測定機によって測定した。実施例1〜7、比較例1〜5の配合を第1表(1〜4)に、更に評価結果を第2表に示す。
【0040】
1)粉体の流動性
静電塗装時の粉体の流動性を観察し下記の4段階に評価した。
◎ 全く問題無く流れる
○ 若干流れ難いが支障はない
△ 僅かに流れる
× 流れ無い
【0041】
2)発泡性
塗装焼付した塗膜の発泡状態を観察して下記の4段階に評価した。
◎ 全く発泡しない
○ 僅かに発泡する
△ 発泡する
× 著しく発泡する
【0042】
3)デュポン衝撃性
直径3/8インチ、500gの荷重を高さ50cmより落下させ、クラックの程度を下記の4段階に評価した。
【0043】
◎ 全くクラックが発生しない
○ 一部にクラックが発生する
△ クラックが発生する
× クラックが発生すると共に塗膜剥離も認められる
【0044】
4)デュポン衝撃処理後レトルト
3)の加工処理を施した試料を125℃30分熱水レトルト処理を行い、加工部のクラックの程度下記の4段階に評価した。
【0045】
◎ 全くクラックが発生しない
○ 一部にクラックが発生する
△ クラックが発生する
× クラックが発生すると共に塗膜剥離も認められる
【0046】
【表1】
Figure 0003572721
【0047】
【表2】
Figure 0003572721
【0048】
【表3】
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【0049】
【表4】
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【0050】
【表5】
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【0051】
【発明の効果】
本発明により労働衛生上、大気汚染上影響の少ない粉体塗料組成物が容易に得られ、高温短時間焼付に於いて厚膜塗膜の形成が可能であり、加工性及び加工後の熱処理性を有する缶用被覆剤を提供することができる。

Claims (11)

  1. 10〜50μmの平均粒子径を有する熱可塑性樹脂粉体表面に0.1〜10μmの平均粒子径を有する熱硬化性樹脂粉体と粉体状硬化剤及び第一の粉体状添加剤としての変性アクリル樹脂粉体及び又は金属酸化物粉体を複合化して被覆せしめ、更にこの複合化粉体表面の少なくとも一部を0.001〜10μmの平均粒子径を有する第二の粉体状添加剤としての変性アクリル樹脂粉体及び又は金属酸化物粉体によって、被覆せしめた粉体塗料であって、前記熱可塑性樹脂粉体100重量部に対する前記熱硬化性樹脂粉体の含有量が1〜30重量部であることを特徴とする粉体塗料組成物
  2. 前記した熱可塑性樹脂粉体100重量部に対し、前記した粉体状硬化剤を0.1〜3.0重量部含有する請求項1に記載の粉体塗料組成物
  3. 前記した 熱可塑性樹脂粉体100重量部に対し、前記した第一の粉体状添加剤を0.1〜3.0重量部含有する請求項1又は2に記載の粉体塗料組成物
  4. 前記した熱可塑性樹脂粉体がポリアミド樹脂及び又はポリエステル樹脂である請求項1に記載の粉体塗料組成物
  5. 前記したポリアミド樹脂がナイロン12である請求項に記載の粉体塗料組成物
  6. 前記した熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂及び又はフェノール樹脂である請求項1に記載の粉体塗料組成物
  7. 前記した硬化剤が金属キレート化合物及び又は有機酸無水物である請求項1に記載の粉体塗料組成物
  8. 前記した金属キレート化合物がアルミニウム系キレート化合物である請求項記載の粉体塗料組成物
  9. 前記した第二の粉体状添加剤が微粉末シリカである請求項1に記載の粉体塗料組成物
  10. 前記した粉体塗料が缶用被覆剤である請求項1記載の粉体塗料組成物
  11. 熱可塑性樹脂粉体表面に、熱硬化性樹脂粉体と粉体状硬化剤と、変性アクリル樹脂粉体及び又は金属酸化物粉体からなる第一の粉体状添加剤を複合化して被覆せしめた後、更にこの複合化粉体表面の少なくとも一部を変性アクリル樹脂粉体及び又は金属酸化物粉体からなる第二の粉体状添加剤によって被覆せしめることを特徴とする粉体塗料組成物の製造方法。
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