JP3569936B2 - 円筒型非水電解質電池 - Google Patents

円筒型非水電解質電池 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、円筒型の電池缶内に巻回電極体を収納した円筒型非水電解質電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の電子技術のめざましい進歩は、電子機器の小型・軽量化を次々と実現させている。それに伴い移動用電源としての電池に対しても益々小型・軽量かつ高エネルギー密度のものが求められている。
【0003】
従来、一般用途の二次電池としては鉛電池、ニッケル・カドミウム電池等の水溶液系電池が主流であった。しかし、これら水溶液系電池は、サイクル特性には優れるものの電池重量やエネルギー密度の点で十分満足できるものとは言えない。
【0004】
そこで、最近、リチウムやリチウム合金もしくは炭素材料のような,リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な物質を負極に用い、リチウムコバルト複合酸化物等のリチウム複合酸化物を正極に使用する非水電解液二次電池の研究・開発が行われている。この電池は電池電圧が高く、高いエネルギー密度を有している。
【0005】
ところで、これら非水電解液二次電池の用途としては、高エネルギー密度が得られるという特長を活かして、ビデオ・カメラやラップ・トップ・パソコン等の比較的消費電流の大きな携帯用電子機器の供給電源が想定されている。
【0006】
電池を比較的消費電流の大きな電子機器の供給電源として用いる場合には、電極形式として巻回電極体形式を採ることが望ましい。巻回電極体は、帯状正極と帯状負極とを間にセパレータを介して積層し、この積層体を渦巻状に巻回することで作製されるものであり、電極面積が広くとれ、耐重負荷放電に耐え得るものである。
【0007】
ここで、このような巻回電極体では、セパレータと、帯状正極,帯状負極の幅を全く同一にすると、作製過程で帯状正極,帯状負極とが高さ方向にずれたときに、セパレータより帯状正極,帯状負極の一部がはみ出して、互いに接触して内部短絡が誘発される虞れがある。
【0008】
このため、セパレータとして帯状正極,帯状負極よりも幅が大なるものを用いて、積層体を巻回した状態でセパレータの一部が帯状正極,帯状負極より上下にはみ出すようにし、帯状負極,帯状正極が少し位上下にずれても、セパレータを越えて接触するといったことのないような、余裕を持った設計とされるのが通常である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようにセパレータの一部が帯状正極,帯状負極より上下にはみ出すような設計にすると、電池缶にも、当然そのセパレータのはみ出し分に相当する余分な容積を確保することが必要になってくる。
【0010】
巻回電極体を用いる非水電解液二次電池では、この電池容量に関与しない余分なスペースを確保する必要があることから、電極の実質的な充填量の増大が制限され、体積当たりのエネルギーを十分に高めることができないのが実情である。
【0011】
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、セパレータより帯状正極、帯状負極とがはみ出して内部短絡が誘発されるといったことがなく、電極の実質的な充填量を増大させることができ、高容量の円筒型非水電解質電池を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明は、集電体の両面に活物質を成型した帯状正極と集電体の両面に炭素質材料を含む活物質を成型した帯状負極との間にセパレータを介在させて渦巻状に巻回した巻回電極体を、非水電解液が注入された電池缶に収納した非水電解質電池であり、この電池の巻回電極体は、上記帯状正極及び上記帯状負極よりも幅が大なるセパレータが上記帯状負極及び上記帯状正極の上下にはみ出して巻回されるとともに、上記セパレータの上記帯状負極及び上記帯状正極の上下にはみ出した部分が、加熱成型によって上記帯状正極及び上記帯状負極の上下をそれぞれ覆うように当該巻回電極体の内側又は外側に折り曲げられ、且つ、上記セパレータの折り曲げられた部分が上記非水電解液の移行を可能とする状態で重ね合わせられている。
【0013】
本発明に係る円筒型非水電解質電池の巻回電極体を構成する帯状正極は、活物質として遷移金属とリチウムとの複合化合物を用い、集電体として金属箔が用いられる。
【0014】
本発明に係る円筒型非水電解質電池を構成する巻回電極体は、図1に示すように、セパレータ3として帯状正極2、帯状負極1よりも幅が大なるものが用いられる。巻回電極体は、帯状正極2と帯状負極3との間にセパレータ3を介在させた積層体を巻回して形成される。このとき、巻回電極体は、帯状正極2及び帯状負極3の上下にセパレータ3の一部がはみ出すように巻回される。セパレータ3の帯状正極2及び帯状負極3の上下にはみ出した部分は、図2に示すように、帯状正極2及び帯状負極3の上下を覆うように巻回電極体の内側に向かって折り曲げられる。この折り曲げは、セパレータ3のはみ出した部分を加熱成型して行われる。なお、セパレータ3の帯状正極2及び帯状負極3の上下にはみ出した部分は、巻回電極体の外側に向かって折り曲げるようにしてもよい。
【0015】
このように積層体を巻回した状態で帯状正極2,帯状負極1よりはみ出したセパレータ3の一部を加熱成型によって内側または外側に曲折するようにすると、セパレータ3とセパレータ3の間の帯状正極2あるいは帯状負極1が配置されているスペース4が、セパレータの曲折部によっていわば蓋をされた状態になる。したがって、帯状負極1,帯状正極2とが何らかの原因で上下にずれたとしても、セパレータを越えて互いに接触するといったことはなく、帯状正極2,帯状負極1同士の接触による内部短絡が防止される。
【0016】
また、このように帯状正極2,帯状負極1より上下にはみ出したセパレータ3が曲折されている巻回電極体では、セパレータ3のはみ出し分がそのまま高さ方向に延在されている巻回電極体に比べて高さが低く抑えられる。したがって、
電池缶容積を低減でき、実質的な電極充填密度が大きく、容量の大なる円筒型非水電解質二次電池が得られることになる。
【0017】
なお、電池の内部短絡を確実に防止するためには、巻回電極体全体の高さと帯状負極1,帯状正極2の高さのバランスが重要である。
【0018】
すなわち、図1に示すように加熱成型していない状態のセパレータ3の高さをh,電極のうち長さの長い方の電極1の高さをhとし、図2に示すように加熱成型した状態の巻回電極体全体の高さをH,電極のうち長さの長い方の電極1の高さをHとしたときに、hとhが0.8h≦h≦hより好ましくは0.9h≦h≦0.98hなる条件を満たし、HとHが0.94H≦H≦Hより好ましくは、0.95H≦H≦0.99Hなる条件を満たすことが望ましい。
【0019】
帯状電極1,2の高さが上記範囲を超える場合には、加熱成型した状態の電極配置スペース4において蓋となるセパレータ3の曲折部と帯状電極1,2端部の間に余裕がないために、該曲折部とそれと隣り合うセパレータ3の間の僅かな隙間から帯状電極1,2端部が露出し、これが内部短絡の原因になる。
【0020】
逆に、帯状電極1,2の高さが上記範囲を下回る場合には、巻回電極体当たりのセパレータ3使用面積が増大することを意味し、材料コストの面から好ましくない。
【0021】
上記セパレータ3としては、通常、非水電解質電池において用いられているものがいずれも使用可能であり、ポリプロピレン,ポリエチレン,ポリブチレン等のポリオレフィン系樹脂、ナイロン、セルロースアセテート、ニトロセルロース、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン等よりなる微多孔性フィルムが用いられる。
【0022】
これらセパレータ3を加熱成型する方法は特に限定されないが、セパレータ3に対して熱風を吹きつけることで成型する熱風ブロー方式、加熱治具により上下から圧力を印加することで成型する加熱加圧方式等が採用できる。
【0023】
但し、加熱成型の際の加熱温度は、セパレータ3を軟化させ且つ溶融させない温度、すなわちセパレータ3の軟化点以上、融点未満に設定することが望ましい。加熱温度をセパレータ3の融点以上に設定した場合には、セパレータ3が溶融して空孔の一部が埋まる、溶融したセパレータ3と、それと隣合うセパレータ3とが融着一体化する等により、電極配置スペース4に非水電解液が移行し難い状況になる。これにより、電極1,2の電解液含浸量が不足し、放電容量の低下につながる。
本発明においては、セパレータ3は、軟化点以上、融点未満の加熱温度で加熱成型されるので、折り曲げられて重なり合う部分での融着することがなく、電極配置スペース4に非水電解液が移行可能な状態にある。
【0024】
一方、帯状負極1,帯状正極2は、帯状の電極集電体に、電極活物質を含有する電極合剤を塗布することで作製されるものである。
【0025】
負極活物質としては、リチウム,リチウム合金,ポリアセチレン等の導電性ポリマー,コークス等の炭素材料等を用いることができる。
【0026】
正極活物質としては、二酸化マンガン,五酸化バナジウムのような遷移金属化合物や、硫化鉄等の遷移金属カルコゲン化合物、さらにはこれらとリチウムとの複合化合物を用いることができる。
【0027】
また、電解液としては、例えばリチウム塩を電解質とし、これを有機溶媒に溶解した電解液が用いられる。
有機溶媒としては、特に限定されるものではないが、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、r−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジエキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル等の単独もしくは二種類以上の混合溶媒が使用できる。
電解質にも、従来より公知のものがいずれも使用でき、LiClO,LiAsF,LiPF,LiBF,LiB(C,LiCl,LiBr,CHSOLi,CFSOLi等がある。
【0028】
【作用】
本発明に係る円筒型非水電解質電池を構成する巻回電極体は、帯状正極と帯状負極とを間にセパレータを介して積層し、この積層体を渦巻き状に巻回することで作製される。
【0029】
このようにして巻回電極体を作製するに際して、セパレータとして帯状正極,帯状負極よりも幅が大なるものを用いて、積層体を巻回した状態で帯状正極,帯状負極よりセパレータの一部が上下にはみ出すようにし、このはみ出したセパレータの一部を加熱成型によって内側または外側に曲折するようにすると、内部短絡を招くことなく容量の大なる円筒型非水電解質二次電池が作製される。
【0030】
すなわち、積層体を巻回した状態で帯状正極,帯状負極よりはみ出したセパレータの一部を加熱成型によって内側または外側に曲折するようにすると、セパレータとセパレータの間の帯状正極あるいは帯状負極が配置されたスペースが、セパレータの曲折部によっていわば蓋をされた状態になる。したがって、帯状負極,帯状正極とが何らかの原因で上下にずれたとしても、セパレータを越えて互いに接触するといったことはなく、帯状正極,帯状負極同士の接触による内部短絡が防止される。
【0031】
また、このように帯状正極,帯状負極より上下にはみ出したセパレータが曲折されている巻回電極体では、セパレータのはみ出し分がそのまま高さ方向に延在されている巻回電極体に比べて高さが低く抑えられる。したがって、電池缶容積を低減でき、実質的な電極充填密度が大きく、容量の大なる円筒型非水電解質二次電池が獲得される。
【0032】
【実施例】
本発明の好適な実施例について実験結果に基づいて説明する。
【0033】
実施例1
本実施例で作製する円筒型非水電解質電池の縦断面図を図3に示す。このような構成の円筒型非水電解質電池を以下のようにして作製した。
【0034】
まず、帯状負極21を次のようにして作製した。
【0035】
出発原料として石油ピッチを用い、これに酸素を含む官能基を10〜20%重量導入(いわゆる酸素架橋)した後、不活性ガス気流中,温度1000℃で焼成して、ガラス状炭素に近い性質を持った炭素質材料を得た。この炭素質材料について、X線回折測定を行った結果、(002)面の面間隔は3.76Åであった。またピクノメータ法により真比重を測定したところ、1.58g/cmであった。この炭素質材料を粉砕し、平均粒径10μmの炭素質材料粉末とした。
このようにして得た炭素質材料粉末を負極活物質担持体とし、この炭素質材料粉末90重量部、結着材となるポリフッ化ビリニデン(PVDF)10重量部を混合し、負極合剤を調製した。この負極合剤を、溶剤であるN−メチルピロリドンに分散させて負極スラリー(ペースト状)とした。
【0036】
負極集電体29として厚さ10μmの帯状の銅箔を用い、この負極集電体の両面に上記負極合剤スラリーを塗布、乾燥させた後、圧縮成型して帯状負極1を作製した。なお、この帯状負極21の電極の寸法は、幅43.4mm、長さ700mmとし、成型後の合剤厚さは両面共に80μmで同一とした。
【0037】
次に、帯状正極22を以下のようにして作製した。
【0038】
炭酸リチウム0.5モルと炭酸コバルト1モルを混合し、空気中,温度900℃で5時間焼成してLiCoOを得た。LiCoOを正極活物質とし、これの91重量部、導電剤となるグラファイト6重量部及び結着剤となるポリフッ化ビリニデン3重量部を混合し、正極合剤を調製した。この正極合剤をN−メチルプロリドンに分散させて正極スラリー(ペースト状)とした。
【0039】
正極集電体30として厚さ20μmの帯状のアルミニウム箔を用い、この正極集電体30の両面に均一に上記正極合剤スラリーを塗布、乾燥させた後、圧縮成型して帯状正極22を作製した。なお、この帯状正極22の電極の寸法は、幅41.4mm、長さ650mmとし、成型後の合剤厚さは両面共に80μmで同一とした。
【0040】
以上のようにして作製された幅43.4mm,長さ700mmの帯状負極21と、幅41.4mm,長さ650mmの帯状正極22を、厚さ25μm、幅45.9mmの微多孔性ポリプロピレンフィルムをセパレータ23として、帯状負極21、セパレータ23、帯状正極22、セパレータ23の順に積層し、この積層体を幅方向が巻回体の高さ方向になるような向きで多数回巻回した。そして、最外周に位置するセパレータ最終端部を、幅40mmのテープで固定することで、直径19.6mm,高さ45.9mmの巻回電極体を作製した。この巻回体は、帯状負極21,帯状正極22よりセパレータ23が上下にはみ出しており、巻回体の全高さに対する帯状負極21の高さの割合が94.6%であった。
【0041】
次に、この巻回体の上下にはみ出した状態になっているセパレータのはみ出し部分を、内側に折り曲げ、この状態で温度150℃に加熱したアルミニウム製治具を用いて圧力3.8kg/cmで約5秒間加圧した。その結果、高さが44.0mm、全高さに対する帯状負極21の高さの割合が98.6%の巻回電極体が得られた。
【0042】
このようにして作製された巻回電極体をニッケルめっきを施した鉄製電池缶25に、巻回電極体上下両面に絶縁体板24を配置して収納した。そして、アルミニウム製正極リード32を正極集電体から導出して電池蓋27に、ニッケル製負極リード31を負極集電体から導出して電池缶25に溶接した。
【0043】
この電池缶25の中に、プロピレンカーボネートとジエチルカーボネートとの等容量混合溶媒中に、LiPFを1モル/リットルの割合で溶解した電解液を注入した。そして、アスファルトで表面を塗布した絶縁封口ガスケット26を介して電池缶25をかしめることにより、電流遮断機構を有する安全弁装置8並びに電池蓋27を固定し、電池内の気密性を保持させることで、直径20mm、高さ50mmの円筒型非水電解質電池を作製した。
【0044】
実施例2
セパレータとなる幅48.4mmの微多孔性ポリプロピレンフィルムと、実施例1と同様にして作製された幅43.4mm,長さ700mmの帯状負極と、幅41.4mm,長さ650mmの帯状正極を、帯状負極,セパレータ,帯状正極,セパレータの順に積層し、この積層体を渦巻き型に多数回巻回した。そして、最外周のセパレータ端部を、幅40mmのテープで固定して直径19.6mm,高さ48.4mmの巻回体を作製した。この巻回体は、帯状負極,帯状正極よりセパレータが上下にはみ出しており、巻回体の全高さに対する帯状負極の高さの割合は89.7%であった。
【0045】
次に、この上下にはみ出した状態になっているセパレータのはみ出し部分を、内側に折り曲げ、実施例1と同様な条件にて加圧成型した。その結果、高さが44.0mm、全高さに対する帯状負極の高さの割合が98.6%の巻回電極体が得られた。
【0046】
この巻回電極体を実施例1と同様の電池缶内に収納し、リードの溶接,電解液の注入,電池蓋の固定を行うことで、直径20mm、高さ50mmの円筒型非水電解質電池を作製した。
【0047】
実施例3
セパレータとなる幅44.4mmの微多孔性ポリプロピレンフィルムと、実施例1と同様にして作製された幅43.4mm,長さ700mmの帯状負極と、幅41.4mm,長さ650mmの帯状正極を、帯状負極,セパレータ,帯状正極,セパレータの順に積層し、この積層体を渦巻き型に多数回巻回した。そして、最外周のセパレータ端部を、幅40mmのテープで固定して直径19.6mm,高さ44.4mmの巻回体を作製した。この巻回体は、帯状負極,帯状正極よりセパレータが上下にはみ出しており、巻回体の全高さに対する帯状負極の高さの割合は97.7%であった。
【0048】
次に、この上下にはみ出した状態になっているセパレータのはみ出し部分を、内側に折り曲げ、実施例1と同様な条件にて加圧成型した。その結果、高さが44.0mm、全高さに対する帯状負極の高さの割合が98.6%の巻回電極体が得られた。
【0049】
この巻回電極体を実施例1と同様の電池缶内に収納し、リードの溶接,電解液の注入,電池蓋の固定を行うことで、直径20mm、高さ50mmの円筒型非水電解質電池を作製した。
【0050】
実施例4
セパレータとなる幅44.4mmの微多孔性ポリプロピレンフィルムと、実施例1と同様にして作製された幅43.4mm,長さ700mmの帯状負極と、幅41.4mm,長さ650mmの帯状正極を、帯状負極,セパレータ,帯状正極,セパレータの順に積層し、この積層体を渦巻き型に多数回巻回した。そして、最外周のセパレータ端部を、幅40mmのテープで固定して直径19.6mm,高さ44.4mmの巻回体を作製した。この巻回体は、帯状負極,帯状正極よりセパレータが上下にはみ出しており、巻回体の全高さに対する帯状負極の高さの割合は98.6%であった。
【0051】
次に、この巻回電極体を実施例1と同様な条件にて加圧成型した。その結果、高さが44.0mm、全高さに対する帯状負極の高さの割合が98.6%の巻回電極体が得られた。
【0052】
この巻回電極体を実施例1と同様の電池缶内に収納し、リードの溶接,電解液の注入,電池蓋の固定を行うことで、直径20mm、高さ50mmの円筒型非水電解質電池を作製した。
【0053】
比較例1
セパレータとなる幅44.4mmの微多孔性ポリプロピレンフィルムと、電極幅をそれぞれ41.5mm,39.5mmに設定すること以外は実施例1と同様にして作製された帯状負極,帯状正極を、帯状負極,セパレータ,帯状正極,セパレータの順に積層し、この積層体を渦巻き型に多数回巻回した。そして、最外周のセパレータ端部を、幅40mmのテープで固定して直径19.6mm,高さ44.4mmの巻回体を作製した。この巻回体は、帯状負極,帯状正極より上下にセパレータがはみ出しており、巻回体の全高さに対する帯状負極の高さの割合は94.3%であった。
【0054】
この巻回体を加熱成型せずに、実施例1と同様の電池缶内に収納し、リードの溶接,電解液の注入,電池蓋の固定を行うことで、直径20mm、高さ50mmの円筒型非水電解質電池を作製した。
【0055】
以上、実施例1〜実施例4及び比較例1に準じた方法で各々合計100本の電池を作製し、それぞれについて上限電圧4.2V,電流300mAの条件で定電流充電を8時間行い、この充電状態のまま温度23℃条件下、1ヵ月間保存した。そして、上限電圧4.2V,電流1Aの条件で定電流充電を2.5時間行った後、電流400mA,終止電圧2.75Vの条件で放電を行うといった充放電サイクルを2回繰り返し、この2サイクル目の放電容量を測定した。
【0056】
表1に、各電池について、加熱成型前後における巻回電極体の全高さに対する電極の高さの割合,電極はみ出し不良数及び2サイクル目の放電容量を示す。
【0057】
【表1】
Figure 0003569936
【0058】
表1からわかるように、セパレータを加熱成型して巻回電極体の高さを低くした実施例1〜実施例4の電池は、セパレータを加熱成型していない比較例1の電池と比較して、電池缶内に収納する電極充填密度を高く設計でき、これを反映して高い放電容量が得られている。
【0059】
このことから、セパレータを加熱成型して巻回電極体全体の高さを低くすることは、電池の体積当たりの放電容量の増大を図る上で有効であることがわかる。
【0060】
なお、セパレータを加熱成型した実施例1〜実施例4の電池について、電極はみ出し不良数を比較すると、電極はみ出し不良数は、加熱成型されていない状態での、巻回体の全高さに対する電極の高さの割合に大きく関与していることがわかる。
【0061】
加熱成型されていない状態の巻回体での、全高さに対する電極高さの割合が小さい場合、すなわち、電極よりはみ出すセパレータのはみ出し長さが小さい場合(例えば実施例3,実施例4)には、加熱成型した状態で電極の端部が、セパレータ曲折部と、それと隣合うセパレータの僅かな隙間から露出し、これが原因して内部短絡が多発する。
【0062】
このような電極のはみ出し不良は、実施例1,実施例2のように、電極からのセパレータのはみ出し量が大きくなる程、確実に抑えられるようになる。
【0063】
すなわち、加熱成型していない状態での巻回体全体の高さと電極の高さの割合は80〜100%以内、好ましくは90〜98%以内が適当であり、加熱成型した状態での、巻回電極体全体の高さと電極の高さの割合は94〜99%以内の範囲が適当である。
【0064】
但し、以上の例ではいずれもセパレータの加熱成型温度を150℃に設定しているが、この加熱温度を175℃に設定して実施例1と同様に電池を作製すると、780mAhと放電容量が小さい電池しか得られない。これは加熱成型温度が高過ぎるために、セパレータと隣合うセパレータとが融着して一体化する,セパレータの空孔の一部が埋まり、電極に電解液が含浸し難い状態になるからである。したがって、セパレータの加熱成型温度は、セパレータを軟化させ且つ溶融させない温度,すなわちセパレータの軟化点以上,融点未満に設定することが望ましい。
【0065】
【発明の効果】
上述したように、本発明は、セパレータとして帯状正極、帯状負極よりも幅が大なるものを用い、これらの積層体を巻回した状態で帯状正極と帯状負極の上端部、下端部からセパレータの一部がはみ出すようにし、この帯状正極と帯状負極からはみ出したセパレータの一部を融着させることがない温度で加熱成型して内側または外側に曲折して巻回電極体を形成しているので、セパレータから帯状正極、帯状負極とがはみ出して互いに接触するといったことがなく、且つ、電極の実質的な充填量を増大することができ、容量の大なる円筒型非水電解質電池を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】加熱成型していない状態の巻回電極体を示す模式図である。
【図2】加熱成型した状態の巻回電極体を示す模式図である。
【図3】本発明の製造方法で製造された円筒型非水電解質電池を示す概略縦断面図である。
【符号の説明】
1・・・帯状負極
2・・・帯状正極
3・・・セパレータ

Claims (2)

  1. 集電体の両面に活物質を成型した帯状正極と集電体の両面に炭素質材料を含む活物質を成型した帯状負極との間にセパレータを介在させて渦巻状に巻回した巻回電極体を、非水電解液が注入された電池缶に収納した非水電解質電池において、
    上記巻回電極体は、
    上記帯状正極及び上記帯状負極よりも幅が大なるセパレータが上記帯状負極及び上記帯状正極の上下にはみ出して巻回されるとともに、
    上記セパレータの上記帯状負極及び上記帯状正極の上下にはみ出した部分が、加熱成型によって上記帯状正極及び上記帯状負極の上下をそれぞれ覆うように当該巻回電極体の内側又は外側に折り曲げられ、
    且つ、上記セパレータの折り曲げられた部分が上記非水電解液の移行を可能とする状態で重ね合わせられている
    ことを特徴とする円筒型非水電解質電池。
  2. 上記帯状正極は、上記活物質が遷移金属とリチウムとの複合化合物であり、上記集電体が金属箔であることを特徴とする請求項1記載の円筒型非水電解質電池。
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