JP3569142B2 - マイクロ波信号光伝送装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロ波帯の信号伝送に用いられるマイクロ波信号光伝送装置に関するものであり、特に、光ファイバ等の低損失な特性を利用し、マイクロ波帯の電気信号を長距離伝送するマイクロ波信号光伝送装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
以下、従来のマイクロ波信号光伝送装置について説明する。図10は、「“Lightwave Subcarrier CATV Transmission Systems”, IEEE TRANSACTION ON MICROWAVE THEORY AND TECHNOLOGES, VOL.38, NO.5, 1990 」に示された歪み補償回路を有するマイクロ波信号光伝送装置である。
【0003】
図において、25は入力された電気信号を光信号に変換する電気光変換素子、26は電気光変換素子25において発生する変調歪みを補償するための歪み補償回路、27は歪み補償回路26内で2次歪みを発生する2乗回路、28は2乗回路27で発生した2次歪みの大きさを調整するための可変減衰器、29は2乗回路27で発生した2次歪みの位相を調整するための移相器、30は歪み補償回路26内で3次歪みを発生する3乗回路、31は3乗回路30で発生した3次歪みの大きさを調整するための可変減衰器、32は3乗回路30で発生した3次歪みの位相を調整するための移相器、33は2次歪み発生経路および3次歪み発生経路と電気長を合わせるための遅延線、である。
【0004】
上記のように構成される歪み補償回路26を有するマイクロ波信号光伝送装置において、歪み補償回路26にて発生する2次歪みおよび3次歪みは、電気光変換素子25にて発生する2次歪みおよび3次歪みに対して逆相となるように、可変減衰器28および可変減衰器31にて歪みの大きさが調整され、さらに、移相器29および移相器32にて位相が調整される。そのため、このマイクロ波信号光伝送装置では、電気光変換素子25にて発生する変調歪みを、前記調整された逆相の歪みで打ち消すことができる。その後、歪みの少ない良好な光信号の伝送を行うため、この光信号は、光ファイバに結合され、例えば、光通信システムの伝送路光ファイバに導かれる。
【0005】
このように、従来のマイクロ波信号光伝送装置では、歪み補償回路26にて調整した2次歪みおよび3次歪みを用いて歪み補償を行い、歪みの少ない良好な光信号の伝送を行っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記、従来のマイクロ波信号光伝送装置では、先に説明したような歪み補償回路にて発生する2次歪みおよび3次歪みの位相を、移相器等を用いて調整している。すなわち、歪み補償回路にて発生する歪みと、電気光変換素子の歪みと、の位相関係が逆相になるように位相器等を調整している。このとき、マイクロ波信号の狭い周波数範囲においては、電気光変換素子の歪みとの位相関係を逆相にすることができる。
【0007】
しかしながら、広い周波数範囲、特に高い周波数領域においては、細かい調整が必要となり、歪み補償回路にて発生する変調歪みと、電気光変換素子にて発生する変調歪みと、の位相関係を逆相にすることが非常に難しい、という問題があった。
【0008】
また、歪み補償回路にて発生する2次歪みおよび3次歪みの大きさも、広い周波数範囲にわたって一定にすることが非常に難しい、という問題があった。
【0009】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、どのような周波数領域においても、十分な歪み補償効果が得られ、歪みの少ない信号伝送が可能なマイクロ波信号光伝送装置を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかるマイクロ波信号光伝送装置にあっては、複数の光源(後述する実施の形態の光源1a、1bに相当)と、前記複数の光源からの光を合波して入射し、その合波された光を、入力されるマイクロ波帯の電気信号に応じて、2次変調歪みを打ち消すように変調する光変調手段(電界吸収型光変調器4に相当)と、前記電気信号の電圧を調整する電圧調整手段(印加電圧調整部5に相当)と、を具備することを特徴とし、前記マイクロ波帯の電気信号を光信号に変換し、その光信号を伝送するものである。
【0011】
この発明によれば、変調歪みが逆相となるような複数の光源からの光を光変調手段に入射させ、入力電気信号により入射光を変調している。これにより、複数の光源による変調歪みが光変調手段内部で打ち消し合い、歪みの少ない信号を伝送することが可能となる。また、光変調手段にて発生する変調歪みの位相の周波数特性が小さく、かつ、その変調歪みの強度(大きさ)の周波数特性が各光源に同様に作用するため、広い周波数帯域にわたって歪みの少ない信号を伝送することができる。また、光変調手段への入射光の光源が複数で、その光の強度が同一であれば、各光源の雑音の位相がランダムなため、一つの光源を用いた場合よりも雑音が少なくなる。
【0012】
つぎの発明にかかるマイクロ波信号光伝送装置にあっては、光変調手段を、電界吸収型光変調器(後述する実施の形態の電界吸収型光変調器4に相当)とすることを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、光変調手段として電界吸収型光変調器を用いているため、吸収特性が入射光の波長および偏波によって変わる。そのため、波長および偏波の異なる複数の光源からの光を入射することによって、電界吸収型光変調器内で変調歪みが打ち消し合い、歪みの少ない信号を伝送することが可能となる。また、電界吸収型光変調器への入射光の光源が複数で、その光の強度が同一であれば、各光源の雑音の位相がランダムなため、一つの光源を用いた場合よりも雑音が少なくなる。
【0014】
つぎの発明にかかるマイクロ波信号光伝送装置において、光変調手段に入射する複数の光源からの光の、少なくとも一つの光の偏波は、他の光源からの光の偏波と異なることを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、少なくとも一つの光源からの光の偏波が、他の光源からの光の偏波と異なるため、伴って、光変調手段の吸収特性が変わる。これにより、偏波の異なる複数の光源からの光を入射することで、複数の光源による変調歪みが互いに打ち消し合い、歪みの少ない信号を伝送することが可能となる。
【0016】
つぎの発明にかかるマイクロ波信号光伝送装置において、光変調手段に入射する複数の光源からの光の、少なくとも一つの光の波長は、他の光源からの光の波長と異なることを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、少なくとも一つの光源からの光の波長が、他の光源からの光の波長と異なるため、伴って、光変調手段の吸収特性が変わる。これにより、波長の異なる複数の光源からの光を入射することで、複数の光源による変調歪みが互いに打ち消し合い、歪みの少ない信号を伝送することが可能となる。
【0018】
つぎの発明にかかるマイクロ波信号光伝送装置において、電気信号により最も大きく変調される光の光変調手段による透過率は、他の光源からの光の光変調手段による透過率より、高いことを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、入力電気信号により最も大きく変調される光の透過率が、他の光源からの光の透過率より高いため、信号レベルへの寄与が少ない光源からの雑音が少なくなる。また、光変調手段では、歪みを打ち消すための変調歪みを発生している。これにより、効果的に歪み補償を行うことができ、さらに、複数の光源による変調歪みが互いに打ち消し合い、低雑音で歪みの少ない信号の伝送が可能となる。
【0020】
つぎの発明にかかるマイクロ波信号光伝送装置にあっては、さらに、光変調手段に入射する光源からの光の出力比を調整する光出力調整手段(後述する実施の形態の光出力調整部2に相当)を具備し、光出力調整手段を調整することにより、光変調手段にて発生する変調歪みを調整し、その変調歪みを低い状態に制御することを特徴とする。
【0021】
この発明によれば、光変調手段へ入射する光源からの光の出力比を調整するため、容易に、変調歪みの強度が等しく、さらに位相が逆相となるようにすることができる。これにより、変調歪みの打ち消し合いが可能となり、容易に歪みの少ない信号を伝送することが可能となる。
【0022】
つぎの発明にかかるマイクロ波信号光伝送装置にあっては、一つの光源(後述する実施の形態の光源1に相当)と、光源からの光の偏波のTE偏波成分とTM偏波成分とを回転させるための偏波回転手段(偏波回転部20に相当)と、前記偏波回転手段からの光の偏波を入射し、その光の偏波を前記電気信号に応じて、2次変調歪みを打ち消すように変調する光変調手段(電界吸収型光変調器4に相当)と、前記電気信号の電圧を調整する電圧調整手段(印加電圧調整部5に相当)と、を具備することを特徴とし、前記マイクロ波帯の電気信号を光信号に変換し、その光信号を伝送するものである。
【0023】
この発明によれば、一つの光源からの光の偏波を、光変調手段の接合面に対して斜めに入射させ、入射光を変調する。これは、直交する二つの偏光成分(TE偏光、TM偏光)を持った二つの偏波の合成と考えることができ、すなわち、光変調手段に入射する光は、二つの偏波を有する二つの光源からの光を入射させたことと等価、と考えることができる。これにより、二つの光源による変調歪みが光変調手段内部で互いに打ち消し合い、歪みの少ない信号を伝送することが可能となる。また、光変調手段にて発生する変調歪みの位相の周波数特性が小さく、かつ、その変調歪みの強度(大きさ)の周波数特性が各光源に同様に作用するため、広い周波数帯域にわたって歪みの少ない信号を伝送することができる。
【0024】
つぎの発明にかかるマイクロ波信号光伝送装置において、前記偏波回転手段は、光変調手段に入射する光源からの光の偏波を調整することにより、光変調手段にて発生する変調歪みを調整することを特徴とする。
【0025】
この発明によれば、光変調手段へ入射する光源からの偏波を調整するため、容易に、変調歪みの強度が等しく、さらに位相が逆相となるようにすることができる。これにより、変調歪みの打ち消し合いが可能となり、容易に歪みの少ない信号を伝送することが可能なマイクロ波信号光伝送装置を得ることができる。
【0026】
つぎの発明にかかるマイクロ波信号光伝送装置において、前記電圧調整手段は、電気信号の電圧を調整することにより、光変調手段にて発生する変調歪みを調整し、その変調歪みを低い状態に制御することを特徴とする。
【0027】
この発明によれば、光変調手段への印加電圧を調整するため、容易に、変調歪みの強度が等しく、さらに位相が逆相となるようにすることができる。これにより、複数の光源による変調歪みが互いに打ち消し合い、容易に歪みの少ない信号を伝送することが可能となる。
【0028】
つぎの発明にかかるマイクロ波信号光伝送装置にあっては、複数の光源(後述する実施の形態の光源1a、1b、…、1nに相当)と、前記複数の光源のそれぞれに対応し、入射される光を、入力されるマイクロ波帯の電気信号に応じて変調する複数の光変調手段(電界吸収型光変調器4a、4b、…、4nに相当)と、前記電気信号の電圧を調整し、各光変調手段に同一の電気信号を供給する電圧調整手段(印加電圧調整部5に相当)と、を具備することを特徴とし、前記マイクロ波帯の電気信号を光信号に変換し、その光信号を伝送するものである。
【0029】
この発明によれば、少なくとも一つの光源からの光が光変調手段に入射され、同一の信号源からの電気信号によりその入射光を変調するため、光源または光変調手段の特性を変えることで、各光変調手段による吸収特性を変えることができる。これにより、位相の異なる複数の変調歪みが発生し、それらが互いに打ち消し合うことによって、歪みの少ない信号を伝送することが可能となる。また、同一の信号源からの入力電気信号をn個(nは2以上の整数)の光変調手段に分配し、各光変調手段にて光信号に変換しているため、1個の光変調手段で変調をかける場合に比べ、2次歪みを1/nに、また3次歪みを1/nにすることができる。
【0030】
つぎの発明にかかるマイクロ波信号光伝送装置にあっては、さらに、複数の光変調手段により変調された光信号を検出し、それぞれ対応する光信号をマイクロ波帯の電気信号に変換する複数の光信号検出手段(後述する実施の形態の光検出器6a、6b、…、6nに相当)と、前記複数の光信号検出手段からの電気信号を合成する電気信号合成手段(電気信号合成部24に相当)と、を具備し、前記電気信号合成手段により、前記マイクロ波帯の電気信号と同一の電気信号を得ることを特徴とする。
【0031】
この発明によれば、複数の光変調手段により変調された光信号を、対応する複数の光信号検出手段において、それぞれマイクロ波帯の電気信号に変換し、さらに電気信号合成手段にてその電気信号を合成することにより、信号源からの電気信号を得る。この構成では、低損失な特性をもつ光ファイバ等を使用して、マイクロ波帯の電気信号を長距離伝送できる。
【0032】
つぎの発明にかかるマイクロ波信号光伝送装置にあっては、さらに、複数の光変調手段により変調された光信号に対して、光の偏波合成を行う光合成手段(後述する実施の形態の光合部3に相当)と、前記光合成手段にて合成された光信号を検出し、マイクロ波帯の電気信号に変換する光信号検出手段(光検出器6に相当)と、を具備し、前記光信号検出手段により、前記マイクロ波帯の電気信号と同一の電気信号を得ることを特徴とする。
【0033】
この発明によれば、複数の光変調手段により変調された光信号に対して、光の偏波合成を行い、一つの光信号検出手段がその合成された光信号をマイクロ波帯の電気信号に変換し、信号源からの電気信号を得る。この構成では、低損失な特性をもつ光ファイバ等を使用して、マイクロ波帯の電気信号を長距離伝送でき、さらに、光信号検出手段を光変調手段毎に設ける必要がなく構成が簡素化する。
【0034】
つぎの発明にかかるマイクロ波信号光伝送装置にあっては、さらに、複数の光変調手段により変調された光信号に対して、光の波長合成を行う光合成手段と、前記光合成手段にて合成された光信号を検出し、その光信号を電気信号に変換する光信号検出手段と、を具備し、前記光信号検出手段により、前記マイクロ波帯の電気信号と同一の電気信号を得ることを特徴とする。
【0035】
この発明によれば、複数の光変調手段により変調された光信号に対して、光の波長合成を行い、一つの光信号検出手段がその合成された光信号をマイクロ波帯の電気信号に変換し、信号源からの電気信号を得る。この構成では、低損失な特性をもつ光ファイバ等を使用して、マイクロ波帯の電気信号を長距離伝送でき、さらに、光信号検出手段を光変調手段毎に設ける必要がなく構成が簡素化する。
【0036】
つぎの発明にかかるマイクロ波信号光伝送装置にあっては、さらに、複数の光変調手段により変調された光信号に対して空間合成を行い、空間合成された光信号を検出し、その光信号を電気信号に変換する光信号検出手段を具備し、前記光信号検出手段により、前記マイクロ波帯の電気信号と同一の電気信号を得ることを特徴とする。
【0037】
この発明によれば、複数の光変調手段により変調された光信号に対して、空間合成を行い、一つの光信号検出手段がその合成された光信号をマイクロ波帯の電気信号に変換し、信号源からの電気信号を得る。この構成では、低損失な特性をもつ光ファイバ等を使用して、マイクロ波帯の電気信号を長距離伝送でき、さらに、光信号検出手段を光変調手段毎に設ける必要がなく構成が簡素化する。
【0038】
つぎの発明にかかるマイクロ波信号光伝送装置において、電圧調整手段は、電気信号の電圧を調整することにより、複数の光変調手段にて発生する変調歪みを調整し、その変調歪みを低い状態に制御することを特徴とする。
【0039】
この発明によれば、複数の光変調手段への印加電圧を調整するため、容易に、変調歪みの強度が等しく、さらに位相が逆相となるようにすることができる。これにより、複数の光源による変調歪みが互いに打ち消し合い、容易に歪みの少ない信号を伝送することが可能となる。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明にかかるマイクロ波信号光伝送装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0041】
実施の形態1.
図1は、本発明にかかるマイクロ波信号光伝送装置の実施の形態1の構成を示すものである。図1において、1aおよび1bは光源、2は光源1aおよび1bからの光出力を調整する光出力調整部、3は光源1aおよび1bからの光を合波する光合波部、4は光合波部3にて合波された光を入力電気信号に応じて変調する光変調手段として動作する、例えば、電界吸収型光変調器、5は電界吸収型光変調器4への印加電圧を調整する印加電圧調整部、6は電界吸収型光変調器4により変調された光を検出し、電気信号に変換する光検出器、である。なお、本実施の形態では、説明の便宜上二つの光源を使用するが、光源はこれに限らず、例えば、光源を三つ以上用いて図1のような構成をとることとしてもよい。その際、光合部3では、三つ以上の光源からの光を合成することになる。
【0042】
上記のように構成されるマイクロ波信号光伝送装置の基本的な動作について、以下に簡単に説明する。光源1aおよび1bにおいて発生した無変調光は、光合波部3により合波され、電界吸収型光変調器4に入射される。電界吸収型光変調器4では、入射された無変調光に対して、入力電気信号(図示のマイクロ波の電気信号)に応じた変調を行い、その電気信号を光信号に変換する。
【0043】
電界吸収型光変調器4による変調の際には、変調歪みが小さくなるように、例えば、印加電圧調整部5により光変調器の印可電圧を調整するか、または、光出力調整部2により光源1からの光出力の比を調整する(または、両方を調整してもよい)。なお、この調整の詳細については後述する。
【0044】
その後、電界吸収型光変調器4により変換された光信号は、光ファイバ等の伝送路を伝播し、受信器側の光検出器6にて受信され、再び電気信号に変換される。
【0045】
このようにして、マイクロ波信号光伝送装置では、光ファイバ等の低損失な特性を利用して、マイクロ波帯の電気信号の長距離伝送を実現している。
【0046】
つぎに、本発明にかかるマイクロ波信号光伝送装置内の電界吸収型光変調器4にて実行される、光源からの光を変調する動作について説明する。電界吸収型光変調器4は、半導体のバンドギャップが印加電圧によって変化することを利用し、印加電圧調整部5にて調整された印加電圧(本実施の形態ではマイクロ波帯の電気信号)に応じて入射光を吸収し、電気信号を光信号に変換している。
【0047】
図2は、電界吸収型光変調器4の吸収特性を示すものである。なお、図2(1)は、印加電圧と透過率(吸収率)の関係を示す図であり、図2(2)は、印加電圧と信号出力(光信号)の関係を示す図である。図2(1)において、7は電界吸収型光変調器4の透過率の印加電圧依存性、すなわち、吸収特性を示すラインであり、8は入射光の偏波または波長の変化による電界吸収型光変調器4の透過率の印加電圧依存性の範囲、すなわち、吸収特性の範囲を示すラインである。また、図2(2)において、9は電界吸収型光変調器4による変調の信号出力(光信号)の印加電圧依存性を示すラインであり、10は電界吸収型光変調器4にて発生する2次歪みの印加電圧依存性を示すラインであり、11は電界吸収型光変調器4にて発生する3次歪みの印加電圧依存性を示すライン、である。
【0048】
電界吸収型光変調器4の吸収特性7は、図2(1)に示すように、印加電圧を大きくすると吸収が大きくなる(透過率が下がる)特性を持っている。電界吸収型光変調器4の吸収は、先に述べたように、半導体の吸収を利用しているため、入射光の波長が変わると、半導体のバンドギャップと入射光のエネルギー(波長)との関係により吸収特性の範囲8内で変化する。
【0049】
また、量子井戸構造の電界吸収型光変調器の場合には、K. Wakitaらの「”Anisotropic electroabsorption and optical modulation in InGaAs/InAlAs multiple quantum well structure,” IEEE Journal of Quantum Electronics, vol.22, 1986. 」に示されるように、入射光の偏波により、電界吸収型光変調器の吸収特性が吸収特性の範囲8のように変化する。
【0050】
なお、入射光の波長および偏波によるバンドギャップと入射光のエネルギーとの関係の変化は、電界吸収型光変調器4への印加電圧によるバンドギャップの変化とほぼ等価であるため、入射光の波長および偏波が変わったときの吸収特性は、吸収特性7を横方向に平行移動させたものとほぼ同じになる。
【0051】
また、電界吸収型光変調器4にて変調された光信号の出力は、吸収特性7の印加電圧に対する微分係数の2乗に比例する。このため、光信号出力の印加電圧依存性9は、図2()に示すとおり、吸収特性7の勾配が最も大きくなる印加電圧において最大となる。
【0052】
また、電界吸収型光変調器4にて発生する2次歪みは、吸収特性7の印加電圧に対する2次微分係数の2乗に比例する。このため、2次歪みの印加電圧依存性10は、ほぼ光信号出力の印加電圧依存性9を印加電圧に対して微分した形になり、信号出力が最大になる印加電圧において2次歪みが最小になり、その前後の印加電圧において2次歪みが最大になる。なお、2次歪みが最小となる印加電圧の前後において2次歪みの位相は反転している。
【0053】
さらに、電界吸収型光変調器4にて発生する3次歪みは、吸収特性7の印加電圧に対する3次微分係数の2乗に比例する。このため、3次歪みの印加電圧依存性11は、ほぼ2次歪みの印加電圧依存性10を印加電圧に対して微分した形になり、2次歪みが最小となる印加電圧において3次歪みが最大になり、その前後の2次歪みが最大になる印加電圧において3次歪みが最小となる。なお、3次歪みが最小となる印加電圧の前後において、3次歪みの位相は反転している。
上記のように、本発明にかかるマイクロ波信号光伝送装置内の電界吸収型光変調器4では、光源からの光を変調している。
【0054】
以下、本発明にかかるマイクロ波信号光伝送装置の動作について詳細に説明する。図3は、二つの光源1a、1bからの光の吸収特性が異なる場合における、電界吸収型光変調器4による変調の経過を示している。なお、図3(1)は、印加電圧と信号出力(光信号)の関係を示す図であり、図3(2a)および(2b)は、所定の印加電圧における信号出力の時間と振幅の関係を示す図であり、図3(c)は、受信側の光検出器6にて合成された歪みの少ない信号を示す図、である。
【0055】
図3(1)において、9aおよび9bは電界吸収型光変調器4による変調の信号出力(光信号)の印加電圧依存性を示すラインであり、10aおよび10bは電界吸収型光変調器4にて発生する2次歪みの印加電圧依存性を示すライン(以後、2次歪み10a、10bと呼ぶ)であり、11aおよび11bは電界吸収型光変調器4にて発生する3次歪みの印加電圧依存性を示すライン(以後、3次歪み11a、11bと呼ぶ)、である。また、図3(2a)および(2b)において、13aおよび13bはそれぞれ光源1aおよび光源1bからの光が、動作点12において、電界吸収型光変調器4により変調された信号の時間波形であり、14aおよび14bはそれぞれ光源1aおよび光源1bからの光が、動作点12において、電界吸収型光変調器4により変調されて発生した2次歪みの時間波形、である。また、図3(3)において、15は時間波形13aおよび13bを合成した信号の時間波形である。
【0056】
まず、光源1aおよび1bにおいて発生した無変調光は、光合波部3により合波され、電界吸収型光変調器4に入射される。電界吸収型光変調器4では、入射された無変調光に対して、入力電気信号(図示のマイクロ波の電気信号)に応じた変調を行い、その電気信号を光信号に変換する。
【0057】
このとき、光源aおよび光源bからの光に対する吸収特性は、図3(1)のとおり、印可電圧に対してズレており、動作点12において、3次歪み11a、11bがゼロになり、また、2次歪み10a、10bの出力が同一値で、位相が逆になり、さらに、信号9a、9bの出力が同一値となっている。このため、動作点12における、光源1aおよび1bからの光を電界吸収型光変調器4で変調したときの信号出力の時間波形は、図3(2a)、(2b)のとおり、時間波形13aと13bの振幅および位相が一致し、2次歪み14aと14bの振幅が一致し、位相が逆になっている。
【0058】
ここで、説明を容易にするため、例えば、信号13a、13bの振幅を1、また、2次歪み14a、14bの振幅を0.5とする。このとき、光源1aおよび1bからの光は、電界吸収型光変調器4にて、図3(2a)および(2b)のとおり、個別に変調されている。そして、これらの変調光を同時に光検出器6において電気信号に変換すると、時間波形13a、13bおよび2次歪み14a、14bを電界合成した時間波形が得られる。すなわち、図3(3)に示すとおり、時間波形15の振幅は2になり、2次歪みは打ち消し合い、ゼロとなる。
【0059】
このように、変調歪み(この場合は2次歪み10a、10b)が逆相となるような複数の光を電界吸収型光変調器4に入射して変調することによって、変調歪みが打ち消し合い、歪みの少ない信号を伝送可能なマイクロ波信号光伝送装置を得ることができる。また、電界吸収型光変調器4の変調歪みの位相に関する周波数特性は小さく、かつ、変調歪みの強度(大きさ)の周波数特性は各光源に同様に作用するため、広い周波数帯域にわたって、歪みの少ない信号を伝送することができる。また、電界吸収型光変調器4への入射光の光源が複数で、光の強度が同一であれば、各光源の雑音の位相はランダムなので、一つの光源を用いた場合よりも、雑音を少なくすることができる。
【0060】
なお、光出力調整部2および印加電圧調整部5を調整することによって、容易に、各光源からの光の変調歪みの強度を等しくでき、さらに位相が逆相となるようにすることができる。これにより、変調歪みの打ち消し合いが可能となり、容易に歪みの少ない信号を伝送することが可能となる。
【0061】
図4は、二つの光源1a、1bからの光の吸収特性が等しい場合における、電界吸収型光変調器4による変調の経過を示している。なお、図4(1)は、印加電圧と信号出力(光信号)の関係を示す図であり、図4(2a)および(2b)は、所定の印加電圧における信号出力の時間と振幅の関係を示す図であり、図4()は、受信側の光検出器6にて合成された歪みの少ない信号を示す図、である。なお、図4において、図3と同一の波形には、同一の符号を付して説明を省略する。
【0062】
図4(2a)および(2b)において、1aおよび1bは、それぞれ光源1aおよび1bからの光が、動作点12において、電界吸収型光変調器4により変調されて発生した3次歪みの時間波形、である。また、図4(3)において、17は時間波形16aおよび16bを合成した信号の時間波形である。
【0063】
まず、光源1aおよび1bにおいて発生した無変調光は、光合波部3により合波され、電界吸収型光変調器4に入射される。電界吸収型光変調器4では、入射された無変調光に対して、入力電気信号(図示のマイクロ波の電気信号)に応じた変調を行い、その電気信号を光信号に変換する。
【0064】
このとき、光源aおよび光源bからの光に対する吸収特性は、図4(1)のとおり、印可電圧に対してほぼ等しい特性となっており、動作点12において、2次歪み10a、10bがゼロになり、また、3次歪み11a、11bの出力が同一値になり、さらに、信号9a、9bの出力が同一値となっている。このため、動作点12における、光源1aおよび1bからの光を電界吸収型光変調器4で変調したときの信号出力の時間波形は、図4(2a)、(2b)のとおり、時間波形13aと13bの振幅および位相が一致し、さらに3次歪み16aと16bの振幅および位相も一致している。
【0065】
ここで、説明を容易にするため、例えば、信号13a、13bの振幅を1、また、3次歪み16a、16bの振幅を0.5とする。このとき、光源1aおよび1bからの光は、電界吸収型光変調器4にて、図4(2a)および(2b)のとおり、個別に変調されている。そして、これらの変調光を同時に光検出器6において電気信号に変換すると、時間波形13a、13bおよび3次歪み16a、16bを電界合成した時間波形が得られる。すなわち、図(3)に示すとおり、時間波形15の振幅は2になり、3次歪みの時間波形17の振幅は1となる。
【0066】
図4に示すような場合、時間波形15と3次歪みの時間波形17の比は、個々の光を変調した時の時間波形13a、13bと3次歪みの時間波形16a、16bの比と同じであるが、より大きな信号出力(電気信号)が得られる、という面で歪みの少ない信号の伝送が可能、といえる。仮に、一つの光源を用いて同じ信号出力を得ようとした場合には、本実施の形態よりも大きな電気信号の入力が必要となる。また、一つの光源を用いて同じ信号出力を得た場合、すなわち、時間波形15の振幅が2のときは、3次歪みの時間波形17の振幅が4となり、図4(3)の場合と比較すると、3次歪みについては振幅が4倍、強度が16倍になってしまい、良好な伝送ができない。
【0067】
このように、本実施の形態では、同一の吸収特性の光を電界吸収型光変調器4に入射して、変調することによっても、歪みの少ない信号を伝送可能なマイクロ波信号光伝送装置を得ることができる。
【0068】
図5は、光源1aおよび1bからの光を、電界吸収型光変調器4にて変調したときの信号出力9aおよび9bと、2次歪み10aおよび10bの印加電圧依存性を示す図である。なお、ここでの電界吸収型光変調器4の吸収特性は、図5に示すとおり、異なっているものとする。また、図3および図4と同様の部分については説明を省略する。
【0069】
ここでも、2次歪みの強度が等しく、位相が逆相となるように、すなわち、印加電圧調整部5にて動作点18の値に印加電圧を調整することにより、図3において説明したように、2次歪み10a、10bが互いに打ち消し合い、容易に、歪みの少ない信号の伝送を行うことができる。なお、2次歪みの強度が異なる印加電圧、例えば、動作点19の電圧値においても、電界吸収型光変調器4に入射する光源1aと光源1bからの光の強度の比を、光出力調整部2にて調整することにより、2次歪みの強度を等しくすることができ、上記のように、2次歪み10a、10bが互いに打ち消し合い、容易に、歪みの少ない信号の伝送を行うことができる。
【0070】
さらに、図5において、電界吸収型光変調器4の印加電圧を動作点18で駆動する場合、光源1bからの光は、光源1aからの光より、大きな変調を受けていることになる。すなわち、信号出力が大きい。そして、この動作点での電界吸収型光変調器4の透過率は、図2に示すとおり、光源1bからの光の方が大きくなっている。このため、信号レベルの寄与が少ない光源1aからの雑音は少なく、さらに、電界吸収型光変調器4では光源1bからの歪みを打ち消す2次歪みを発生しており、効果的な歪み補償が可能となる。
【0071】
このように、本実施の形態では、電界吸収型光変調器4に入射する複数の光源からの光のうち、大きく変調される光の透過率が高くなるように、光源の波長および偏波(光出力調整部2による)と、印加電圧(印加電圧調整部5)とを調整することにより、低雑音で、歪みの少ない信号の伝送を行うことができる。
【0072】
実施の形態2.
図6は、本発明にかかるマイクロ波信号光伝送装置の実施の形態2の構成を示すものである。なお、図6において、先に説明した図1(実施の形態1)と同様の構成および効果については説明を省略し、ここでは、図1と異なる部分について説明する。
【0073】
図6において、1は光源、20は光の偏波を回転する偏波回転部、4は偏波回転部20からの光を入力電気信号に応じて変調する光変調手段として動作する、例えば、電界吸収型光変調器、5は電界吸収型光変調器4への印加電圧を調整する印加電圧調整部、6は電界吸収型光変調器4により変調された光を検出し、電気信号に変換する光検出器、である。実施の形態1の構成とは、光源が一つであることと、光が偏波回転部20を介して電界吸収型光変調器4に入射されていることが異なっている。
【0074】
図7は、電界吸収型光変調器4へ入射される光の偏波に関する説明図である。図7において、21は光源1からの入射光の偏波であり、22は偏波21の電界吸収型光変調器4のTE偏光成分、23は偏波21の電界吸収型光変調器4のTM偏光成分、である。
【0075】
以下、本発明にかかるマイクロ波信号光伝送装置の動作について詳細に説明する。まず、光源1において発生した無変調光は、偏波回転部20を介して、電界吸収型光変調器4に入射される。電界吸収型光変調器4では、入射された無変調光に対して、入力電気信号(図示のマイクロ波の電気信号)に応じた変調を行い、その電気信号を光信号に変換する。
【0076】
このとき、電界吸収型光変調器4による変調の際には、変調歪みが小さくなるように、印加電圧調整部5または偏波回転部20により、それぞれ印可電圧または光源1からの光の偏波、を調整している。なお、電界吸収型光変調器4に入射される光の偏波21は、図7に示すとおり、直交する二つの偏光成分、すなわち、TE偏光成分22とTM偏光成分23との合成と考えることができる。これは、電界吸収型光変調器4に入射する光が、TE偏波成分22とTM偏波成分23とを有する二つの光源からの光(例えば、図1の光源1aと1b)と等価であることを意味しており、これにより、実施の形態1と同様の効果が得られることになる。
【0077】
その後、電界吸収型光変調器4により変換された光信号は、光ファイバ等の伝送路を伝播し、受信器側の光検出器6にて受信され、再び電気信号に変換される。
【0078】
このようにして、本実施の形態におけるマイクロ波信号光伝送装置では、光ファイバ等の低損失な特性を利用して、マイクロ波帯の電気信号の長距離伝送を実現している。
【0079】
実施の形態3.
図8は、本発明にかかるマイクロ波信号光伝送装置の実施の形態3の構成を示すものである。なお、図8において、先に説明した図1(実施の形態1)および図6(実施の形態2)と同様の構成および効果については説明を省略し、ここでは、図1および図6と異なる部分について説明する。
【0080】
図8において、1a、1b、…、1nは光源、4a、4b、…、4nは各光源からの光と個別に対応し、入力電気信号に応じてその光を変調する光変調手段として動作する、例えば、電界吸収型光変調器、5は各電界吸収型光変調器への印加電圧を調整する印加電圧調整部、6a、6b、…、6nは各電界吸収型光変調器に個別に対応し、それぞれにより変調された光を検出して電気信号に変換する光検出器、24は各光検出器からの複数の電気信号を合成する電気信号合成部24、である。なお、変数nは任意の整数を示す。
【0081】
以下、本発明にかかるマイクロ波信号光伝送装置の動作について詳細に説明する。各光源において発生した無変調光は、それぞれ対応する電界吸収型光変調器に入射される。各電界吸収型光変調器では、入射された無変調光を入力電気信号に応じて変調を行い、電気信号を光信号に変換する。このとき、各電界吸収型光変調器による変調の際には、変調歪みが小さくなるように、印加電圧調整部5により、印可電圧を調整している。なお、本実施の形態では、実施の形態1と同様に光出力調整部を設け、光の波長および偏波を調整することで電界吸収型光変調器4の特性を変え、変調歪みが小さくなるようにする構成としてもよい。
【0082】
その後、各電界吸収型光変調器により変換された光信号は、光ファイバ等の伝送路を伝播し、対応する受信器側の各光検出器にて受信され、再び電気信号に変換される。そして、各光検出器にて変換された複数の電気信号は、電気信号合成部24に合成され、もとのマイクロ波帯の電気信号となる。
【0083】
このようにして、本実施の形態におけるマイクロ波信号光伝送装置では、光ファイバ等の低損失な特性を利用して、マイクロ波帯の電気信号の長距離伝送を実現している。
【0084】
なお、各電界吸収型光変調器による変調の際、本実施の形態では、入力電気信号をn個の電界吸収型光変調器に分配し、その印加電圧に応じて電気信号を光信号に変換するため、各電界吸収型光変調器に供給される電気信号が少なくなる。従って、この構成では、各電界吸収型光変調器にて発生する2次歪みおよび3次歪みを、1個の電界吸収型光変調器4により変調をかける場合(実施の形態1および実施の形態2)と比較して、それぞれ1/nおよび1/nとすることができる。これにより、電気信号合成部24により合成された電気信号についても、1個の電界吸収型光変調器4により変調をかける場合と比較すると、2次歪みを1/nに、また3次歪みを1/nにすることができる。
【0085】
また、本実施の形態におけるマイクロ波信号光伝送装置においても、複数の光を各電界吸収型光変調器に入射してそれぞれ変調することによって、電気信号合成部24にて各変調歪みが打ち消し合い、歪みの少ない信号を伝送することができる。
【0086】
実施の形態4.
図9は、本発明にかかるマイクロ波信号光伝送装置の実施の形態4の構成を示すものである。なお、図8において、先に説明した図1(実施の形態1)、図6(実施の形態2)、および図8(実施の形態3)と同様の構成および効果については説明を省略し、ここでは、各実施の形態と異なる部分について説明する。
【0087】
図9において、1a、1b、…、1nは光源、4a、4b、…、4nは各光源からの光と個別に対応し、入力電気信号に応じてその光を変調する光変調手段として動作する、例えば、電界吸収型光変調器、3は各電界吸収型光変調器からの複数の光信号を合成(例えば、偏波合成、波長合成、および空間合成等に相当する)する光合部、5は各電界吸収型光変調器への印加電圧を調整する印加電圧調整部、6は光合部3にて合成された光信号を検出して電気信号に変換する光検出器、である。なお、変数nは任意の整数を示す。
【0088】
以下、本発明にかかるマイクロ波信号光伝送装置の動作について詳細に説明する。各光源において発生した無変調光は、それぞれ対応する電界吸収型光変調器に入射される。各電界吸収型光変調器では、入射された無変調光を入力電気信号に応じて変調を行い、電気信号を光信号に変換する。このとき、各電界吸収型光変調器による変調の際には、変調歪みが小さくなるように、印加電圧調整部5により、印可電圧を調整している。なお、本実施の形態では、実施の形態1と同様に光出力調整部を設け、光の波長および偏波を調整することで電界吸収型光変調器4の特性を変え、変調歪みが小さくなるようにする構成としてもよい。
【0089】
その後、各電界吸収型光変調器により変換された光信号は、光ファイバ等の伝送路を伝播し、光合部3に入力される。そして、各光信号は、光合部3にて、例えば、波長合成、偏波合成、または空間合成され、その後、受信器側の各光検出器にて受信され、再びマイクロ波帯の電気信号に変換される。
【0090】
このようにして、本実施の形態におけるマイクロ波信号光伝送装置では、光ファイバ等の低損失な特性を利用して、マイクロ波帯の電気信号の長距離伝送を実現している。
【0091】
なお、各電界吸収型光変調器による変調の際、本実施の形態では、実施の形態3と同様に、入力電気信号をn個の電界吸収型光変調器に分配し、その印加電圧に応じて電気信号を光信号に変換するため、各電界吸収型光変調器に供給される電気信号が少なくなる。従って、ここでも、各電界吸収型光変調器にて発生する2次歪みおよび3次歪みを、1個の電界吸収型光変調器4により変調をかける場合(実施の形態1および実施の形態2)と比較して、それぞれ1/nおよび1/nとすることができる。これにより、光合部3により合成された光信号についても、1個の電界吸収型光変調器4により変調をかける場合と比較すると、2次歪みを1/nに、また3次歪みを1/nにすることができる。
【0092】
また、本実施の形態におけるマイクロ波信号光伝送装置においては、複数の光を各電界吸収型光変調器に入射してそれぞれ変調することによって、光合部3にて各変調歪みが打ち消し合い、歪みの少ない信号を伝送することができる。
【0093】
【発明の効果】
以上、説明したとおり、この発明によれば、変調歪みが逆相となるような複数の光源からの光を光変調手段に入射させ、入力電気信号により入射光を変調している。これにより、複数の光源による変調歪みが光変調手段内部で打ち消し合い、歪みの少ない信号を伝送することが可能となる、という効果を奏する。また、光変調手段にて発生する変調歪みの位相の周波数特性が小さく、かつ、その変調歪みの強度(大きさ)の周波数特性が各光源に同様に作用するため、広い周波数帯域にわたって歪みの少ない信号を伝送することができる、という効果を奏する。また、光変調手段への入射光の光源が複数で、その光の強度が同一であれば、各光源の雑音の位相がランダムなため、一つの光源を用いた場合よりも雑音が少なくなる、という効果を奏する。
【0094】
つぎの発明によれば、光変調手段として電界吸収型光変調器を用いているため、吸収特性が入射光の波長および偏波によって変わる。そのため、波長および偏波の異なる複数の光源からの光を入射することによって、電界吸収型光変調器内で変調歪みが打ち消し合い、歪みの少ない信号を伝送することが可能となる、という効果を奏する。また、電界吸収型光変調器への入射光の光源が複数で、その光の強度が同一であれば、各光源の雑音の位相がランダムなため、一つの光源を用いた場合よりも雑音が少なくなる、という効果を奏する。
【0095】
つぎの発明によれば、少なくとも一つの光源からの光の偏波が、他の光源からの光の偏波と異なるため、伴って、光変調手段の吸収特性が変わる。これにより、偏波の異なる複数の光源からの光を入射することで、複数の光源による変調歪みが互いに打ち消し合い、歪みの少ない信号を伝送することが可能となる、という効果を奏する。
【0096】
つぎの発明によれば、少なくとも一つの光源からの光の波長が、他の光源からの光の波長と異なるため、伴って、光変調手段の吸収特性が変わる。これにより、波長の異なる複数の光源からの光を入射することで、複数の光源による変調歪みが互いに打ち消し合い、歪みの少ない信号を伝送することが可能となる、という効果を奏する。
【0097】
つぎの発明によれば、入力電気信号により最も大きく変調される光の透過率が、他の光源からの光の透過率より高いため、信号レベルへの寄与が少ない光源からの雑音が少なくなる。また、光変調手段では、歪みを打ち消すための変調歪みを発生している。これにより、効果的に歪み補償を行うことができ、さらに、複数の光源による変調歪みが互いに打ち消し合い、低雑音で歪みの少ない信号の伝送が可能となる、という効果を奏する。
【0098】
つぎの発明によれば、光変調手段へ入射する光源からの光の出力比を調整するため、容易に、変調歪みの強度が等しく、さらに位相が逆相となるようにすることができる。これにより、変調歪みの打ち消し合いが可能となり、容易に歪みの少ない信号を伝送することが可能となる、という効果を奏する。
【0099】
つぎの発明によれば、一つの光源からの光の偏波を、光変調手段の接合面に対して斜めに入射させ、入射光を変調する。これは、直交する二つの偏光成分(TE偏光、TM偏光)を持った二つの偏波の合成と考えることができ、すなわち、光変調手段に入射する光は、二つの偏波を有する二つの光源からの光を入射させたことと等価、と考えることができる。これにより、二つの光源による変調歪みが光変調手段内部で互いに打ち消し合い、歪みの少ない信号を伝送することが可能となる、という効果を奏する。また、光変調手段にて発生する変調歪みの位相の周波数特性が小さく、かつ、その変調歪みの強度(大きさ)の周波数特性が各光源に同様に作用するため、広い周波数帯域にわたって歪みの少ない信号を伝送することができる、という効果を奏する。
【0100】
つぎの発明によれば、光変調手段へ入射する光源からの偏波を調整するため、容易に、変調歪みの強度が等しく、さらに位相が逆相となるようにすることができる。これにより、変調歪みの打ち消し合いが可能となり、容易に歪みの少ない信号を伝送することが可能なマイクロ波信号光伝送装置を得ることができる、という効果を奏する。
【0101】
つぎの発明によれば、光変調手段への印加電圧を調整するため、容易に、変調歪みの強度が等しく、さらに位相が逆相となるようにすることができる。これにより、複数の光源による変調歪みが互いに打ち消し合い、容易に歪みの少ない信号を伝送することが可能となる、という効果を奏する。
【0102】
つぎの発明によれば、少なくとも一つの光源からの光が光変調手段に入射され、同一の信号源からの電気信号によりその入射光を変調するため、光源または光変調手段の特性を変えることで、各光変調手段による吸収特性を変えることができる。これにより、位相の異なる複数の変調歪みが発生し、それらが互いに打ち消し合うことによって、歪みの少ない信号を伝送することが可能となる、という効果を奏する。また、同一の信号源からの入力電気信号をn個(nは2以上の整数)の光変調手段に分配し、各光変調手段にて光信号に変換しているため、1個の光変調手段で変調をかける場合に比べ、2次歪みを1/nに、また3次歪みを1/nにすることができる、という効果を奏する。
【0103】
つぎの発明によれば、複数の光変調手段により変調された光信号を、対応する複数の光信号検出手段において、それぞれマイクロ波帯の電気信号に変換し、さらに電気信号合成手段にてその電気信号を合成することにより、信号源からの電気信号を得る。この構成では、低損失な特性をもつ光ファイバ等を使用して、マイクロ波帯の電気信号を長距離伝送できる、という効果を奏する。
【0104】
つぎの発明によれば、複数の光変調手段により変調された光信号に対して、光の偏波合成を行い、一つの光信号検出手段がその合成された光信号をマイクロ波帯の電気信号に変換し、信号源からの電気信号を得る。この構成では、低損失な特性をもつ光ファイバ等を使用して、マイクロ波帯の電気信号を長距離伝送でき、さらに、光信号検出手段を光変調手段毎に設ける必要がなく構成が簡素化する、という効果を奏する。
【0105】
つぎの発明によれば、複数の光変調手段により変調された光信号に対して、光の波長合成を行い、一つの光信号検出手段がその合成された光信号をマイクロ波帯の電気信号に変換し、信号源からの電気信号を得る。この構成では、低損失な特性をもつ光ファイバ等を使用して、マイクロ波帯の電気信号を長距離伝送でき、さらに、光信号検出手段を光変調手段毎に設ける必要がなく構成が簡素化する、という効果を奏する。
【0106】
つぎの発明によれば、複数の光変調手段により変調された光信号に対して、空間合成を行い、一つの光信号検出手段がその合成された光信号をマイクロ波帯の電気信号に変換し、信号源からの電気信号を得る。この構成では、低損失な特性をもつ光ファイバ等を使用して、マイクロ波帯の電気信号を長距離伝送でき、さらに、光信号検出手段を光変調手段毎に設ける必要がなく構成が簡素化する、という効果を奏する。
【0107】
つぎの発明によれば、複数の光変調手段への印加電圧を調整するため、容易に、変調歪みの強度が等しく、さらに位相が逆相となるようにすることができる。これにより、複数の光源による変調歪みが互いに打ち消し合い、容易に歪みの少ない信号を伝送することが可能となる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるマイクロ波信号光伝送装置の実施の形態1の構成を示すブロック図である。
【図2】電界吸収型光変調器の特性を示す図である。
【図3】二つの光源からの光の吸収特性が異なる場合における、電界吸収型光変調器による変調の経過を示す図である。
【図4】二つの光源からの光の吸収特性が等しい場合における、電界吸収型光変調器による変調の経過を示す図である。
【図5】電界吸収型光変調器にて変調したときの各信号の印加電圧依存性を示す図である。
【図6】本発明にかかるマイクロ波信号光伝送装置の実施の形態2の構成を示すブロック図である。
【図7】電界吸収型光変調器への入射光の偏波に関する説明図である。
【図8】本発明にかかるマイクロ波信号光伝送装置の実施の形態3の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明にかかるマイクロ波信号光伝送装置の実施の形態4の構成を示すブロック図である。
【図10】従来におけるマイクロ波信号光伝送装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1,1a,1b,1n 光源、2,2a,2b 光出力調整部、3 光合部、4,4a,4b,4n 電界吸収型光変調器、5 印加電圧調整部、6,6a,6b,6n 光検出器、20 偏波回転部、24 電気信号合成部。

Claims (9)

  1. マイクロ波帯の電気信号を光信号に変換し、その光信号を伝送するマイクロ波信号光伝送装置において、
    複数の光源と、
    前記複数の光源からの光を合波して入射し、その合波された光を前記電気信号に応じて、2次変調歪みを打ち消すように変調する光変調手段と、
    前記電気信号の電圧を調整する電圧調整手段と、
    を具備することを特徴とするマイクロ波信号光伝送装置。
  2. 前記光変調手段を、電界吸収型光変調器とすることを特徴とする請求項1に記載のマイクロ波信号光伝送装置。
  3. 前記光変調手段に入射する複数の光源からの光の、少なくとも一つの光の偏波は、他の光源からの光の偏波と異なることを特徴とする請求項1または2に記載のマイクロ波信号光伝送装置。
  4. 前記光変調手段に入射する複数の光源からの光の、少なくとも一つの光の波長は、他の光源からの光の波長と異なることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のマイクロ波信号光伝送装置。
  5. 前記電気信号により最も大きく変調される光の前記光変調手段による透過率は、他の光源からの光の前記光変調手段による透過率より、高いことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のマイクロ波信号光伝送装置。
  6. さらに、前記光変調手段に入射する光源からの光の出力比を調整する光出力調整手段を具備し、
    前記光出力調整手段を調整することにより、前記光変調手段にて発生する変調歪みを調整し、その変調歪みを低い状態に制御することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のマイクロ波信号光伝送装置。
  7. マイクロ波帯の電気信号を光信号に変換し、その光信号を伝送するマイクロ波信号光伝送装置において、
    一つの光源と、
    光源からの光の偏波のTE偏波成分とTM偏波成分とを回転させるための偏波回転手段と、
    前記偏波回転手段からの光の偏波を入射し、その光の偏波を前記電気信号に応じて、2次変調歪みを打ち消すように変調する光変調手段と、
    前記電気信号の電圧を調整する電圧調整手段と、
    を具備することを特徴とするマイクロ波信号光伝送装置。
  8. 前記偏波回転手段は、
    前記光変調手段に入射する光源からの光の偏波を調整することにより、前記光変調手段にて発生する変調歪みを調整することを特徴とする請求項7に記載のマイクロ波信号光伝送装置。
  9. 前記電圧調整手段は、
    前記電気信号の電圧を調整することにより、前記光変調手段にて発生する変調歪みを調整し、その変調歪みを低い状態に制御することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載のマイクロ波信号光伝送装置。
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