JP3569113B2 - 塗工紙 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、塗工紙に関し、詳しくは、顔料塗工層中の顔料の一成分として真珠又は貝殻の焼結体を含有する塗工紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
顔料を紙の表面に塗工して、その紙の表面に色相を帯びさせることは、一般的に行われている。
【0003】
特に、白色顔料塗工層を表面に有する、いわゆる「白板紙」と呼ばれる紙は、加工食品の内装カートン、飲料・一般食品のギフト箱等、一般に広く使用されている。また、近年、白板紙の用途は、ケーキ、ピザ等直接カートンにいれる食品包装用にも広がっており、紙自体の抗菌・抗カビ性も要求されるようになってきた。
【0004】
上記白板紙に抗菌・抗カビ性を付与する手段として、銀等を担持した無機抗菌剤や、チアベンダゾール等の有機系防カビ剤が使用される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記抗菌剤を用いた場合、銀の黒変により白板紙の白色度の低下を招きやすい。また、上記防カビ剤を用いた場合、人体への影響を無視することができない。さらに、上記の抗菌剤や防カビ剤を使用すると、白板紙自体のコスト増を招くこととなる。
【0006】
そこで、この発明の課題は、白色度の低下を及ぼさず、人体へ影響しないような抗菌性を有する顔料成分を有する塗工紙を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、この発明は、少なくとも片面に顔料塗工層を設けた塗工紙において、上記顔料塗工層と紙との間に合成樹脂層を設け、上記顔料塗工層中の顔料の一成分として貝殻又は真珠の焼結体を含有することを特徴とする。また、上記焼結体を上記顔料に対して0.2〜5重量%含有させることができる。
【0008】
顔料の一成分として、白色を有する貝殻又は真珠の焼結体を用いたので、白板紙に使用しても、白色度の低下を及ぼすことなく、また、経時的に変色を生じない。
【0009】
また、色板紙に使用しても、上記焼結体が色板紙の色相に影響を与えることがない。
【0010】
さらに、顔料の一成分として使用される貝殻又は真珠の焼結体は抗菌性を有することから、塗工紙に抗菌性を付与することができる。
【0011】
さらにまた、顔料塗工層と紙の間に合成樹脂層を設けたので、紙に含まれるリグニン等の抗菌性阻害物質と上記の焼結体が直接接触することを防止することができ、焼結体の抗菌性を有効に発揮することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を説明する。
【0013】
この発明にかかる塗工紙は、少なくとも片面に顔料塗工層を設けた紙である。
【0014】
この紙としては、特に限定されるものではなく、洋紙であっも、板紙であってもよい。
【0015】
上記顔料塗工層は顔料を含有しており、この顔料によって紙の色相が決定される。この顔料の例として、クレー、サチン白、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、二酸化チタン等があげられる。
【0016】
また、上記顔料塗工層中の顔料の一成分として、貝殻又は真珠の焼結体を含有する。
【0017】
上記真珠又は貝殻の焼結体とは、くず真珠等の真珠や、牡蠣、ホタテ、アコヤ貝、ホッキ貝等の貝殻の焼結体、特に上記真珠や上記貝殻の石灰部分の焼結体をいい、白色を有する。この焼結体は、上記真珠や貝殻を細かく砕いて粉末とし、500〜1800℃で、10〜120分間焼結することにより得ることができる。この焼結体は、主成分として酸化カルシウムを含み、他の成分としてカリウムやリンの酸化物、その他微量成分を含有し、抗菌性を有する。この焼結体は、白色顔料として使用することができ、また、他の有色顔料と組み合わせることにより、その有色顔料の助剤として使用することができる。
【0018】
上記顔料塗工層に含まれる顔料全体に対する上記焼結体の含有量は、特に限定されないが、0.2〜5重量%含有させることが好ましい。0.2重量%未満の場合は、白色度や抗菌性を有効に発揮しえないことがあるからである。また、5重量%を越えてもよいが、それ以上添加しても白色度や抗菌性に大きな変化が見られないため、5重量%で十分だからである。
【0019】
上記の紙と顔料塗工層の間には、合成樹脂層が設けられる。この合成樹脂層は、上記の紙と顔料塗工層とが接触するのを防止するので、紙中に含まれるリグニン等の抗菌性阻害物質と、顔料塗工層中に含まれる焼結体が接触するのを防止することができる。
【0020】
上記合成樹脂層は、それに含まれる合成樹脂に特に限定はなく、アクリルエマルジョンやラテックスエマルジョン等を塗布すること等によって得ることができる。
【0021】
上記の合成樹脂層及び顔料塗工層を形成する方法、すなわち、紙に合成樹脂塗工液及び顔料塗工液を塗布する方法は、いずれも、特に限定されるものでなく、合成樹脂塗工液、顔料塗工液をその順にカレンダー加工等の通常の方法で塗工すればよい。両塗工層を形成した紙は、所定温度で乾燥して塗工紙を得ることができる。
【0022】
この発明にかかる塗工紙は、白板紙として、又は色板紙として、若しくは、段ボール用カラーライナー、壁紙、書籍用紙等のこれまで使用されてきた各種の用途に使用することができる。
【0023】
また、抗菌性を有することから、食品用シート、食品用包装紙等の抗菌性が要請される分野にも使用することができる。
【0024】
【実施例】
以下、この発明の実施例について示す。なお、実施例及び比較例中の部は、重量部を示す。
【0025】
〔実施例1〜3〕
貝殻又は真珠の焼結体を含有するトップコート液の顔料塗工液の調整は以下のように行った。
【0026】
水60部、分散剤0.3部、アンモニア0.5部、消泡剤0.1部、顔料として、表1に記載の酸化チタン、1級カオリン、2級カオリン、軽質炭酸カルシウム、及び牡蠣の貝殻の粉砕焼結体(カイホウ社製:ハイセアーS;以下「焼結体」と称する。)を表1に記載の部数を添加し、ディスパーを使用して1500回転で20分間分散混合した。この分散液にSBRラテックス(日本ゼオン(株)社製、LX407F;固形分50重量%)42部を加えて均一混合し、各顔料塗工液(濃度60重量%)を得た。
【0027】
最初に市販のアクリルエマルジョン(新中村化学工業(株)社製、EP−2;固形分33重量%)を、350g/m2 の白板用原紙にドライ塗工量約10g/m2 でバーコーターを用いて塗工後、110℃で30秒間乾燥させた。続いて、このアンダーコート層上に得られた上記各顔料塗工液を、350g/m2 の白板用原紙にドライ塗工量約10g/m2 でバーコーターを用いて塗工し、110℃の熱風乾燥機中で30秒間乾燥して、塗工紙をそれぞれ作成した。
【0028】
なお、表1中の「焼結体着量」は、塗工紙1m2 中の焼結体の含量(g)を示す。
【0029】
また、下記の方法により白色度の測定及び抗菌試験を行った。その結果を表1に示す。
【0030】
白色度の測定
日本電色工業(株)社製のハンター白色度計(ND−10/DP)を用いて、JIS P−8123法に基づき測定した。
【0031】
抗菌試験
試験菌として、大腸菌(Escherichia coli IFO 3972 (ATCC 8739))を用い、これを普通寒天培地に移植し、温度37±1℃で16〜20時間培養(前培養)した。
【0032】
次いで、生理食塩水に前培養した菌を均一に分散させて、菌数を約1×105 〜1×106 個/mlとなるように調製した。
【0033】
上記の各塗工紙を25mm角の正方形に切断し、1時間紫外線照射した。これを滅菌カップに入れ、その全面に上記の調製した菌液0.2mlを滴下し、35℃−95%RHの条件下で24時間保存した。24時間後、試験片に付着している菌液を生理食塩水(9.8ml)を用いて十分に洗い出した。この洗い出し液1ml中の生菌数を標準寒天培地を使用した寒天平板培養法により測定した。
【0034】
なお、表1中の「増減値差」は、下記式により導き出された値である。
「増減値差」=Log(C/D)
C:無加工試験区(比較例1)の生菌数
D:抗菌加工試験区(各実験例)の生菌数
「増減値差」が2以上のときは、無加工品と比べて抗菌加工品は99%以上の減菌率がある。また、「増減値差」が3以上のときは、無加工品と比べて抗菌加工品は99.9%以上の減菌率がある。
【0035】
〔実施例4、5〕
顔料として酸化チタン、1級カオリン、2級カオリンを使用しなかった以外は、実施例1の場合と同様にして、表1に記載の顔料の種類及び量を用いて、各顔料塗工液(濃度59重量%)を得た。
【0036】
実施例1で得られた上記合成樹脂塗工液を、350g/m2 の白板用原紙にドライ塗工量約10g/m2 でバーコーターを用いて塗工した。続いて、得られた上記各顔料塗工液を、350g/m2 の白板用原紙にドライ塗工量約10g/m2 でバーコーターを用いて塗工し、110℃の熱風乾燥機中で30秒間乾燥して、塗工紙をそれぞれ作成した。
【0037】
また、上記の方法により白色度の測定及び抗菌試験を行った。その結果を表1に示す。
【0038】
〔比較例1〕
顔料として焼結体を使用しなかった以外は、実施例1の場合と同様にして、表1に記載の顔料の種類及び量を用いて、各塗工カラー(濃度59重量%)を得た。
【0039】
実施例1で得られた上記合成樹脂塗工液を、350g/m2 の白板用原紙にドライ塗工量約10g/m2 でバーコーターを用いて塗工した。続いて、得られた上記各顔料塗工液を、350g/m2 の白板用原紙にドライ塗工量約10g/m2 でバーコーターを用いて塗工し、110℃の熱風乾燥機中で30秒間乾燥して、塗工紙をそれぞれ作成した。
【0040】
得られた各塗工紙について、上記の方法により白色度の測定及び抗菌試験を行った。その結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
結果
焼結体を用いても板紙の白色に影響はなく、また、24時間経過後においても、焼結体を用いない場合と同様、白色度を保持した。
【0043】
また、十分な抗菌効果を発揮することが明らかとなった。
【0044】
さらに、得られた各塗工紙を24時間放置した後の白色度の変化は見られないことが明らかとなった。
【0045】
【発明の効果】
この発明によれば、真珠又は貝殻の焼結体は、白板紙の白色顔料として充分に使用に耐えることができ、また、色板紙に使用しても、填料として使用でき、有色顔料の色相に影響を与えない。
【0046】
また、抗菌性を有することから、白色性を与えたり、填料として使用できるだけでなく、得られる紙は抗菌紙ともなり得る。
【発明の属する技術分野】
この発明は、塗工紙に関し、詳しくは、顔料塗工層中の顔料の一成分として真珠又は貝殻の焼結体を含有する塗工紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
顔料を紙の表面に塗工して、その紙の表面に色相を帯びさせることは、一般的に行われている。
【0003】
特に、白色顔料塗工層を表面に有する、いわゆる「白板紙」と呼ばれる紙は、加工食品の内装カートン、飲料・一般食品のギフト箱等、一般に広く使用されている。また、近年、白板紙の用途は、ケーキ、ピザ等直接カートンにいれる食品包装用にも広がっており、紙自体の抗菌・抗カビ性も要求されるようになってきた。
【0004】
上記白板紙に抗菌・抗カビ性を付与する手段として、銀等を担持した無機抗菌剤や、チアベンダゾール等の有機系防カビ剤が使用される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記抗菌剤を用いた場合、銀の黒変により白板紙の白色度の低下を招きやすい。また、上記防カビ剤を用いた場合、人体への影響を無視することができない。さらに、上記の抗菌剤や防カビ剤を使用すると、白板紙自体のコスト増を招くこととなる。
【0006】
そこで、この発明の課題は、白色度の低下を及ぼさず、人体へ影響しないような抗菌性を有する顔料成分を有する塗工紙を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、この発明は、少なくとも片面に顔料塗工層を設けた塗工紙において、上記顔料塗工層と紙との間に合成樹脂層を設け、上記顔料塗工層中の顔料の一成分として貝殻又は真珠の焼結体を含有することを特徴とする。また、上記焼結体を上記顔料に対して0.2〜5重量%含有させることができる。
【0008】
顔料の一成分として、白色を有する貝殻又は真珠の焼結体を用いたので、白板紙に使用しても、白色度の低下を及ぼすことなく、また、経時的に変色を生じない。
【0009】
また、色板紙に使用しても、上記焼結体が色板紙の色相に影響を与えることがない。
【0010】
さらに、顔料の一成分として使用される貝殻又は真珠の焼結体は抗菌性を有することから、塗工紙に抗菌性を付与することができる。
【0011】
さらにまた、顔料塗工層と紙の間に合成樹脂層を設けたので、紙に含まれるリグニン等の抗菌性阻害物質と上記の焼結体が直接接触することを防止することができ、焼結体の抗菌性を有効に発揮することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を説明する。
【0013】
この発明にかかる塗工紙は、少なくとも片面に顔料塗工層を設けた紙である。
【0014】
この紙としては、特に限定されるものではなく、洋紙であっも、板紙であってもよい。
【0015】
上記顔料塗工層は顔料を含有しており、この顔料によって紙の色相が決定される。この顔料の例として、クレー、サチン白、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、二酸化チタン等があげられる。
【0016】
また、上記顔料塗工層中の顔料の一成分として、貝殻又は真珠の焼結体を含有する。
【0017】
上記真珠又は貝殻の焼結体とは、くず真珠等の真珠や、牡蠣、ホタテ、アコヤ貝、ホッキ貝等の貝殻の焼結体、特に上記真珠や上記貝殻の石灰部分の焼結体をいい、白色を有する。この焼結体は、上記真珠や貝殻を細かく砕いて粉末とし、500〜1800℃で、10〜120分間焼結することにより得ることができる。この焼結体は、主成分として酸化カルシウムを含み、他の成分としてカリウムやリンの酸化物、その他微量成分を含有し、抗菌性を有する。この焼結体は、白色顔料として使用することができ、また、他の有色顔料と組み合わせることにより、その有色顔料の助剤として使用することができる。
【0018】
上記顔料塗工層に含まれる顔料全体に対する上記焼結体の含有量は、特に限定されないが、0.2〜5重量%含有させることが好ましい。0.2重量%未満の場合は、白色度や抗菌性を有効に発揮しえないことがあるからである。また、5重量%を越えてもよいが、それ以上添加しても白色度や抗菌性に大きな変化が見られないため、5重量%で十分だからである。
【0019】
上記の紙と顔料塗工層の間には、合成樹脂層が設けられる。この合成樹脂層は、上記の紙と顔料塗工層とが接触するのを防止するので、紙中に含まれるリグニン等の抗菌性阻害物質と、顔料塗工層中に含まれる焼結体が接触するのを防止することができる。
【0020】
上記合成樹脂層は、それに含まれる合成樹脂に特に限定はなく、アクリルエマルジョンやラテックスエマルジョン等を塗布すること等によって得ることができる。
【0021】
上記の合成樹脂層及び顔料塗工層を形成する方法、すなわち、紙に合成樹脂塗工液及び顔料塗工液を塗布する方法は、いずれも、特に限定されるものでなく、合成樹脂塗工液、顔料塗工液をその順にカレンダー加工等の通常の方法で塗工すればよい。両塗工層を形成した紙は、所定温度で乾燥して塗工紙を得ることができる。
【0022】
この発明にかかる塗工紙は、白板紙として、又は色板紙として、若しくは、段ボール用カラーライナー、壁紙、書籍用紙等のこれまで使用されてきた各種の用途に使用することができる。
【0023】
また、抗菌性を有することから、食品用シート、食品用包装紙等の抗菌性が要請される分野にも使用することができる。
【0024】
【実施例】
以下、この発明の実施例について示す。なお、実施例及び比較例中の部は、重量部を示す。
【0025】
〔実施例1〜3〕
貝殻又は真珠の焼結体を含有するトップコート液の顔料塗工液の調整は以下のように行った。
【0026】
水60部、分散剤0.3部、アンモニア0.5部、消泡剤0.1部、顔料として、表1に記載の酸化チタン、1級カオリン、2級カオリン、軽質炭酸カルシウム、及び牡蠣の貝殻の粉砕焼結体(カイホウ社製:ハイセアーS;以下「焼結体」と称する。)を表1に記載の部数を添加し、ディスパーを使用して1500回転で20分間分散混合した。この分散液にSBRラテックス(日本ゼオン(株)社製、LX407F;固形分50重量%)42部を加えて均一混合し、各顔料塗工液(濃度60重量%)を得た。
【0027】
最初に市販のアクリルエマルジョン(新中村化学工業(株)社製、EP−2;固形分33重量%)を、350g/m2 の白板用原紙にドライ塗工量約10g/m2 でバーコーターを用いて塗工後、110℃で30秒間乾燥させた。続いて、このアンダーコート層上に得られた上記各顔料塗工液を、350g/m2 の白板用原紙にドライ塗工量約10g/m2 でバーコーターを用いて塗工し、110℃の熱風乾燥機中で30秒間乾燥して、塗工紙をそれぞれ作成した。
【0028】
なお、表1中の「焼結体着量」は、塗工紙1m2 中の焼結体の含量(g)を示す。
【0029】
また、下記の方法により白色度の測定及び抗菌試験を行った。その結果を表1に示す。
【0030】
白色度の測定
日本電色工業(株)社製のハンター白色度計(ND−10/DP)を用いて、JIS P−8123法に基づき測定した。
【0031】
抗菌試験
試験菌として、大腸菌(Escherichia coli IFO 3972 (ATCC 8739))を用い、これを普通寒天培地に移植し、温度37±1℃で16〜20時間培養(前培養)した。
【0032】
次いで、生理食塩水に前培養した菌を均一に分散させて、菌数を約1×105 〜1×106 個/mlとなるように調製した。
【0033】
上記の各塗工紙を25mm角の正方形に切断し、1時間紫外線照射した。これを滅菌カップに入れ、その全面に上記の調製した菌液0.2mlを滴下し、35℃−95%RHの条件下で24時間保存した。24時間後、試験片に付着している菌液を生理食塩水(9.8ml)を用いて十分に洗い出した。この洗い出し液1ml中の生菌数を標準寒天培地を使用した寒天平板培養法により測定した。
【0034】
なお、表1中の「増減値差」は、下記式により導き出された値である。
「増減値差」=Log(C/D)
C:無加工試験区(比較例1)の生菌数
D:抗菌加工試験区(各実験例)の生菌数
「増減値差」が2以上のときは、無加工品と比べて抗菌加工品は99%以上の減菌率がある。また、「増減値差」が3以上のときは、無加工品と比べて抗菌加工品は99.9%以上の減菌率がある。
【0035】
〔実施例4、5〕
顔料として酸化チタン、1級カオリン、2級カオリンを使用しなかった以外は、実施例1の場合と同様にして、表1に記載の顔料の種類及び量を用いて、各顔料塗工液(濃度59重量%)を得た。
【0036】
実施例1で得られた上記合成樹脂塗工液を、350g/m2 の白板用原紙にドライ塗工量約10g/m2 でバーコーターを用いて塗工した。続いて、得られた上記各顔料塗工液を、350g/m2 の白板用原紙にドライ塗工量約10g/m2 でバーコーターを用いて塗工し、110℃の熱風乾燥機中で30秒間乾燥して、塗工紙をそれぞれ作成した。
【0037】
また、上記の方法により白色度の測定及び抗菌試験を行った。その結果を表1に示す。
【0038】
〔比較例1〕
顔料として焼結体を使用しなかった以外は、実施例1の場合と同様にして、表1に記載の顔料の種類及び量を用いて、各塗工カラー(濃度59重量%)を得た。
【0039】
実施例1で得られた上記合成樹脂塗工液を、350g/m2 の白板用原紙にドライ塗工量約10g/m2 でバーコーターを用いて塗工した。続いて、得られた上記各顔料塗工液を、350g/m2 の白板用原紙にドライ塗工量約10g/m2 でバーコーターを用いて塗工し、110℃の熱風乾燥機中で30秒間乾燥して、塗工紙をそれぞれ作成した。
【0040】
得られた各塗工紙について、上記の方法により白色度の測定及び抗菌試験を行った。その結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
結果
焼結体を用いても板紙の白色に影響はなく、また、24時間経過後においても、焼結体を用いない場合と同様、白色度を保持した。
【0043】
また、十分な抗菌効果を発揮することが明らかとなった。
【0044】
さらに、得られた各塗工紙を24時間放置した後の白色度の変化は見られないことが明らかとなった。
【0045】
【発明の効果】
この発明によれば、真珠又は貝殻の焼結体は、白板紙の白色顔料として充分に使用に耐えることができ、また、色板紙に使用しても、填料として使用でき、有色顔料の色相に影響を与えない。
【0046】
また、抗菌性を有することから、白色性を与えたり、填料として使用できるだけでなく、得られる紙は抗菌紙ともなり得る。
Claims (3)
- 少なくとも片面に顔料塗工層を設けた塗工紙において、上記顔料塗工層と紙との間に合成樹脂層を設け、上記顔料塗工層中の顔料の一成分として貝殻又は真珠の焼結体を含有することを特徴とする塗工紙。
- 上記焼結体を上記顔料に対して0.2〜5重量%含有させることを特徴とする請求項1に記載の塗工紙。
- 紙に合成樹脂塗工液を塗工して合成樹脂層を形成し、貝殻又は真珠の焼結体0.2〜5重量%含有する顔料を一成分とする顔料塗工液を塗工して顔料塗工層を形成し、次いで、乾燥する塗工紙の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20759597A JP3569113B2 (ja) | 1997-08-01 | 1997-08-01 | 塗工紙 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20759597A JP3569113B2 (ja) | 1997-08-01 | 1997-08-01 | 塗工紙 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1150391A JPH1150391A (ja) | 1999-02-23 |
JP3569113B2 true JP3569113B2 (ja) | 2004-09-22 |
Family
ID=16542384
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20759597A Expired - Fee Related JP3569113B2 (ja) | 1997-08-01 | 1997-08-01 | 塗工紙 |
Country Status (1)
Country | Link |
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Families Citing this family (3)
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JP4549498B2 (ja) * | 1999-12-22 | 2010-09-22 | 日本エイアンドエル株式会社 | 紙被覆用共重合体ラテックスおよびその用途 |
WO2001067866A1 (fr) * | 2000-03-13 | 2001-09-20 | Surfcera Co., Ltd. | Agent antibacterien a base de coquillages, procede de purification de l'eau l'utilisant et procede de nettoyage de produits fermiers l'utilisant |
-
1997
- 1997-08-01 JP JP20759597A patent/JP3569113B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH1150391A (ja) | 1999-02-23 |
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