JP3568040B2 - モジュール支持体におけるプリント板の前面着脱システム - Google Patents
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Description
このような装置は以下の欠点を持っている。例えばプリント板が完全にモジュール支持体に挿入された状態にあるとき、例えばこれをモジュール支持体から取り外そうとすると、先ず力を作用させてレバーを拘束位置から動かさねばならない。これにより、鍵状の部分がピンから外れ、レバー部分が回転中心の回りを旋回可能となり、レンチ状の掴み部がモジュール支持体と接触する。このときに掴み部にさらに力を加えることによって、初めて、プリント板モジュールをモジュール支持体から取り外すことができる。その場合、この2つの連続して力を加える工程は確実には互いに分けることができないという問題が生ずる。寧ろ、最初の力を加えることによりレバーハンドルの鎖錠を解除することが、直ちにプリント板全体をモジュール支持体から取り外す行程に移行するという危険がある。このことは、実際には、極めて望ましくない。レバーハンドルを拘束位置から鎖錠解除することは簡単な準備行動であるので、多くの場合多数のプリント板からなる全体システムの1つのプリント板をモジュール支持体から完全に取り外すことは思い切った操作である。これを準備するために操作者の側から、事情によっては、その他の異なる手段が、例えば、最も簡単な例では、付勢力を中断するといった手段がとられる。この理由から、プリント板の正面側におけるレバーハンドルの簡単な鎖錠解除とプリント板をモジュール支持体から取り出す本来の行程との間で、誤って滑るように移行することは安全性の理由から望ましくない。
ヨーロッパ特許第0129833号明細書からは、米国特許第4233646号明細書に記載されているものに相当するレバーハンドルの異なる構成が公知である。この場合、そこにあるアングルレバーのグリップ部分の前面に、プリント板モジュールの前面板に向けて、端部に係合鼻部を持った板ばねが突出している。この板ばねは、レバーを拘束するために前面板の窓状の開口に係合される。レバーをこの拘束位置から鎖錠解除するためには、グリップ部分に力を加えることによって板ばねを押し込み、同時にレバーを旋回させねばならない。これは、一つには、大きな力でしか可能でない。それだけでなく、他には、この場合も、既に米国特許第4233646号明細書について記載したような、レバーの鎖錠を解除するという初めの行程と、プリント板全体を取り出すという主行程とが完全に分離できないという問題が生ずる。
ヨーロッパ特許第0194515号明細書からは、同様に原理的には米国特許第4233646号明細書及びヨーロッパ特許第0129833号明細書に記載されている構造に相当するレバーハンドルの別の構成が公知である。この場合も、レバーは板ばねの係合鼻部を介して前面板の表面にプリント板モジュールをできるだけ接する位置に拘束することができる。レバーハンドルの内部には付加的に渦巻きばねが収納されている。この渦巻きばねは、回転可能に支承されている全体のレバーに、このレバーができるだけ拘束位置の方向に旋回され、もしくはこれに向いて自動的に跳ね戻るような予圧を与えている。
この発明の課題は、レバーハンドルが、一つには、容易に操作可能で、さらにレバーの鎖錠解除及びプリント板の取り外し行程がはっきり分離されるような前面着脱システムを提供することにある。
この課題は、請求項1に記載されたプリント板のための前面着脱システムによって解決される。この発明のその他の、有利な実施例はそれ以下の請求項に記載されている。
この発明を、以下の簡略図に示された実施例を参照して詳しく説明する。図面において、
図1はこの発明による前面着脱システムの好ましい実施例の裏面を俯瞰した図であり、この場合レバーハンドルは前面部材の下端部分もしくは上端部分に取り付けられている。
図2はレバーハンドルに収納されたロックスライダの好ましい実施例の俯瞰側面図である。
図3は図1によるこの発明の前面着脱システムの、レバーハンドルの好ましい実施例の俯瞰正面図である。
図4はこれらの図の実施例によるレバーハンドルの一部分の切断面図で、この場合、前面着脱システムの付勢手段の、渦巻きばねの好ましい実施例の詳細を拡大して示している。
図5はプリント板の前面着脱システムの下端に取り付けられたレバーハンドルの断面図で、この場合、レバーハンドルは鎖錠位置にあり、プリント板は完全にモジュール支持体の中に押し込まれている状態にある。
図6はプリント板の前面着脱システムの下端に取り付けられたレバーハンドルの断面図で、この場合、レバーハンドルは鎖錠解除された位置にあるが、プリント板はまだ完全にモジュール支持体の中に押し込まれている状態にある。
図7はプリント板の前面着脱システムの下端に取り付けられたレバーハンドルの断面図で、この場合、レバーハンドルは鎖錠解除された位置にあり、プリント板はモジュール支持体から引き出された状態にある。
図1に示された俯瞰図にはこの発明により構成された前面着脱システムの好ましい構成の裏面側が示されている。レバーハンドル1は、その場合、長く延びた第一のレバーアーム3を備え、このレバーアームはレバーハンドル1のグリップ部分2から貫通孔5にまで達している。この貫通孔5は、レバーハンドル1の回転中心となる支承軸12によって貫通されている。この貫通孔5から第二の短いレバーアーム4が延び、これは、好ましくはレンチ状の掴み部6で終わっている。この部分は少なくとも1つの、いわゆる押し込み縁7と、少なくとも1つの引出し縁8とを備えている。これらの縁部は、レバーハンドル1がモジュール支持体の方に向かって、モジュールを押し込むようにもしくはモジュール支持体から離れる方向に向かって、モジュールを引き出すように回転中心12の回りを旋回する際に、モジュール支持体に当たっている。特に、レンチ状の掴み部6の両縁部7、8はモジュール支持体の上側もしくは下側のクロスレールに当たっている。以下の図4乃至7では、モジュール支持体55の下側のクロスレール39が断面で例示されている。このクロスレールは、横方向に一連の係合開口41を備えている突き出た支持部片40を備えている。
プリント板をモジュール支持体の中に押し込む際に押込み縁7は空間的に付属された係合開口41の内面に当たる。これは、プリント板37が完全にモジュール支持体に押し込まれた状態を示す図5の例で示されている。この場合、プリント板37の図示されていないプラグが、モジュール支持体の内部に配置されている対応のソケットと電気的に接触している。他方、引出し縁8は支持部片40の外側の端面に当たっている。このような状態は、プリント板37がモジュール支持体55から引き出される始めの状態、即ちレバーハンドル1の上側のグリップ部分2に力を作用させることによってレバーハンドル1がプリント板37の端面56から離れて旋回される状態を示している図6の例で示されている。
図1に示された、プリント板モジュールの前面着脱システムの例とした下側のレバーハンドル1は、特に、前面着脱システムのいわゆる前面部材の回転可能に支承されている。この前面部材はまたプリント板37の正面側の端面56に取り付けられている。前面部材は、特に、プリント板37の端面56をカバーし、図4乃至6の断面図において図示されている、いわゆる前面板38を含んでいる。さらに、前面部材は特に各1つの端部片を備えるのがよく、この端部片は前面板38の上端及び下端に取り付けられ、これを介して前面板38がプリント板37と結合されている。各図に示された上面では例としてそれぞれ1つの下端部11が示されている。図1の図示によれば、このような端部片11は孔14を持つ突出した保持ブロック13を備えるのがよく、これを介して例えば保持ブロック11はプリント板37の下縁部に固定される。
さらに、保持ブロックのモジュール支持体側に向いた端面にはガイドピン16が設けられている。このガイドピンは、多くの場合、プリント板を押し込む行程の始めにおいて既にモジュール支持体の対応の開口に潜っており、プリント板が側面側に逃げるのを阻止している。さらに、保持ブロック11のこの端面にはコードピンを差し込むためのコード孔15がある。さらにまた、保持ブロック11は孔17を通して到達する保持ボルトを介してモジュール支持体に固く拘束される。図1に示された保持ブロック11に相当する保持ブロックは、図1では分かり易くするために示されなかったプリント板の上端にも取り付けられている。図1に既に示されるように、前面着脱システムの例示した下側のレバーハンドル1は支承軸12を介して直接対応の端部11に回転可能に支承されるのがよい。図1は、レバーハンドル1及びこれに属する端部11を俯瞰裏面図で示し、その場合レバーハンドル1は旋回された位置にあり、分かり易くするためにこれに属するプリント板及び前面部材の前面板は示されていない。
この発明によれば、レバーハンドル1にはロックスライダ10が納められている。このロックスライダは好ましくは縁状の押圧部27を持ち、この押圧部はグリップ部分2を形成し、掴み部6に対向するレバーハンドル1の端部に操作のために近づくことができる。このロックスライダ10はレバーハンドル1の内部の案内溝9に嵌められている。図1に示れさた実施例では、レバーハンドル1のグリップ部分2は長く延びたレバーアーム3の部分よりも低い深さに形成されている。これによりグリップ部分の操作性が容易になる。このような場合、ロックスライダ10の案内溝9は長く延びたレバーアーム3の部分にのみ延びているのが有利である。ロックスライダ10の押圧部27を形成する端部は、その場合、レバーハンドル1のグリップ部分2に自由に近づくことができ、例えば人指し指で簡単に操作することができる。
この発明による前面着脱システムは、さらに、いわゆる付勢手段を含む。この付勢手段は押圧部27の方に向いた予圧をロックスライダ10に与えるので、ロックスライダは図1に示された初期位置に保たれる。この予圧の方向は図1では上向きの矢52で表されている。別の下向きの矢57の方向に、例えば指で押圧部27に押圧力を加えることによりロックスライダ10はその初期位置から動くことができる。これにより係合手段が鎖錠解除される。これについては後に詳しく記載する。
この発明によれば、さらに、前面部材の上隅もしくは下隅に係合手段が配置されている。プリント板37の前面部材の方に向かってレバーハンドル1が旋回すると、レバーハンドル1はロックスライダ10、付勢手段及び前面部材の上に、レバーハンドル1ができるだけ前面部材に接して鎖錠位置に保持されるように係合する。このような鎖錠位置は図4において例示されている。他方、係合手段は、既に記載したように、ロックスライダ10の押圧部27に力が加えられ、付勢手段の予圧52に反対方向にロックスライダ10が移動することによって再び鎖錠解除される。図1及び4の例では、このため、ロックスライダは下向きに案内溝、従って長い方のレバーアーム3に押し込まれる。
この発明による前面着脱システムは、そのレバーハンドルが大きな力を加えるないでも、そして人間工学上好ましい方法で操作できるという利点を持っている。特に、レバーハンドルの鎖錠解除、即ちその係合手段の係合の解除が簡単な方法で可能である。この鎖錠解除は、従って、プリント板をモジュール支持体から完全に引き出す行為から力的には殆ど完全に分離されている。ロックスライダの押圧部を指で操作することによってレバーハンドルの鎖錠の解除を行うことができるが、プリント板の引出しためにかなり大きな力をレバーアームに与えなければならない。このために、図6の図示において既に前面板からやや離れて旋回した位置にある、鎖錠解除されたレバーハンドルのグリップ部分2を多くの指で或いは手全体で完全に掴んでおくことが極く一般的に必要である。即ち、レバーハンドルの鎖錠を解除し、プリント板を完全に引き出すためにはレバーハンドルに2つの異なるグリップ行為を実施しなければならない。それ故、レバーの鎖錠解除から本来のプリント板の引出しに誤って移行することは殆ど排除される。
この発明による前面着脱システムのこれらの特性は、図1乃至7に既に示されたこの発明の他の実施例においては、レバーハンドル1が係合手段の鎖錠位置において前面部材に対してほぼ平行に延びかつこれにできるだけ平に接するように、レバーハンドル1が長く延びて形成されるときに、さらに、助長される。レバーハンドル1の頭部端のグリップ部分2、長い方のレバーアーム3、短い方のレバーアーム4及びレバーハンドルの足端がほぼ1つの平面内にあるときに、特に有利である。このような場合、レバーハンドルは何らの突出部を持たず、鎖錠された位置においてプリント板の前面部材の前面板に殆ど完全に平に接している。その場合、ロックスライダ10は直接的に延びた、第一の長い方のレバーアーム3に支承され、レバーハンドル1の端部においてロックスライダ10の押圧部27に矢57の方向にもたらされる鎖錠解除力が殆ど完全にレバーハンドルの軸において、プリント板の前面部材に対して殆ど理想的に平行に通るのが有効である。これらの力は、それ故、プリント板を引き出すために前面板から離れた方向に向いて旋回することによりレバーハンドルに加えられる力から分離される。
さらに異なる実施例によれば、係合手段は係合片22を備えるのがよく、この係合片は、付勢手段によってロックスライダ10に加えられる予圧52によりロックスライダ10及び前面部材が互いに係合して、レバーハンドル1が鎖錠位置に保たれるように形成されている。
各図に示されたこの発明の好ましい実施例において、係合手段は特に係合片22の形で直接前面板38のそれぞれの端部における端部片11に結合されている。かくして、例えば図1の図解においては端部片11の本体から回転可能に支承されたレバーハンドル1の方向に係合片22が突出している。その下側に向いた係合溝23はレバーハンドル1が垂直に立った状態においてロックスライダ10と係合して、上向きの矢52の方向にロックスライダ10に向けられた予圧によりロックスライダ10が係合片22の係合溝23に挟着される。このようにしてレバーハンドルは鎖錠位置において殆ど垂直に立って、できるだけプリント板の端面縁に接して保持されることができる。この挟着は下向きの矢57の方向にロックスライダ10に押圧力を与えることにより再び解除される。この場合、ロックスライダ10は係合片の係合溝から外され、レバーハンドルは前方に旋回して鎖錠位置から外れる。
図2においてレバーハンドルに収納されるロックスライダ10の良好な実施例が俯瞰図で示されている。このロックスライダ10は、その場合、ほぼ平に延びた板の形を持っている。このロックスライダ10は、付加的に、少なくとも1つの貫通開口25を備え、その開口において側壁部26が付勢手段によって矢52の方向にロックスライダに与えられる予圧により、特に下に向いた係合片22の形で構成された係合手段と係合する。この貫通開口25の側壁部26は、従って係合溝23に押圧されて、レバーハンドルがほぼ垂直に立って鎖錠位置に保持される。この状態は図5の断面図に示されている。
図2に図示するように、ロックスライダ10は、有利には、下側の保持部片29によって区画されている第二の貫通開口28を備えている。この貫通開口28により付勢手段は簡単にロックスライダに作用でき、矢52の方向に向いた予圧をロックスライダに与えることができる。付勢手段は渦巻きばね43を持つのが特によい。このような渦巻きばねの良好な実施例は図4乃至7を参照してなお詳しく説明する。有利には、このような渦巻きばねは少なくとも1つの、第一の付勢湾曲部47を持ち、これによりロックスライダ10の押圧部27の方に向いた予圧52が与えられる。その場合、第一の湾曲部47は一方では前面部材に当たり、他方このばねの他端のループ35が、特に押圧的にロックスライダ10の第二の貫通開口28の下側にある第二の保持部片29に作用する。
このことは、この発明による前面着脱システムのレバーハンドルの、図1に相当する良好な実施例から明らかである。案内溝9内にあるロックスライダ10は、貫通開口25の下端の部片29に引っ掛かっている、特に渦巻きばね状の付勢手段のループ35により、上に向かってレバーハンドル1のグリップ部2の方向に押圧される。特に係合片状の係合手段22並びに特に渦巻きばね状の付勢手段43の係合を容易にするために、レバーハンドル本体は、特にその長い方のアーム3の部分に図3に見られる前面を貫通する貫通開口を備えるのがよい。
図3に示される、この発明による前面着脱システムのレバーハンドル1の構成は、グリップ部分2となる端部にさらに半月状の切り欠き30を備えている。この構成は、ロックスライダ10の押圧部27に特に指を容易に近づけることができ、レバーハンドルの鎖錠を解除するための、下向きの押圧力が問題なくもたらされるという利点を持っている。さらに、長い方のレバーアーム3の正面側には表示部分31が設けられている。レバーハンドル1が鎖錠状態において垂直に立っている位置により表示部分31に記入された表示は何時でもよく見える。さらに、レバーハンドル10が線形に延びた構造により大きな表示面積が得られる。
先行の図の実施例によるレバーハンドルの一部の、図4の部分図を参照して以下に、前面着脱システムの付勢手段の渦巻きばねの良好な構成を詳しく説明する。既に図示されたように、渦巻きばね43は少なくとも湾曲部47を備え、これにより図4において示される二重矢の方向に向いたばね力が与えられている。渦巻きばね43の一方の端部は、望ましくはU字形の保持ループ44の形に形成されている。端部片11に突出した保持桟45をこのU字形の保持ループ44によって抱えることによりこの渦巻きばね43は前面部材に支持されている。渦巻きばね43の他方の端部は、既に記載されたような形のループ35を持っている。このループはロックスライダ10の足端における第二の貫通開口28に係合し、矢52の方向に向いた予圧を貫通開口28の下端の保持部片29に与えている。この予圧により、ロックスライダは矢53の方向に上方にレバーハンドルのグリップ部分に向かって予圧が与えられている。
図4に既に図示されているように、渦巻きばね43は、望ましくは第一の湾曲部47に接続された第二の湾曲部46を備えている。これにより、図4において示されたもう1つの二重矢の方向に、さらに別のこのような向きの予圧がレバーハンドル1に与えられ、レバーハンドル1は鎖錠解除された状態において前面部材から離れる方向に旋回される。従ってロックスライダ10が矢印52、53の方向と反対に、下に向けて押されると、保持部片26は係合溝23から外れ、レバーハンドル1が係合片22によって妨げられることなく矢54の方向に前面板56から離れる方向に自動的に旋回される。この自動的な旋回は渦巻きばね43の第二の湾曲部46により行われる。第一及び第二の湾曲部の作用の結合解除を行わせるために、付勢ばねはほぼこれらの湾曲部の間にある範囲において支承軸12にわたって向きを変えている。ばね中央部をこの支承軸12で支持することにより、第一の湾曲部47により生み出された予圧は主としてロックスライダ10を押し上げるように作用し、一方第二の湾曲部46で生み出された予圧は主としてレバーハンドルを回転させるように作用する。
図4の実施例において、ばね体は第一及び第二の湾曲部47、46の間にU字形の押圧ループ33を持ち、このループは鎖錠解除されたレバーハンドルに係合して、矢49、50の方向に回転中心として作用する支承軸12を中心にした回転運動をレバーハンドルに与えている。長い方のレバーアーム3及び特に図4においては見えないグリップ部分2は、それ故、自動的に矢54の方向に旋回する。渦巻きばね43のU字形のループ33は、レバーハンドルのフロントにおける貫通孔24を下に向かって区画している第二の保持部片34を抱えている。
さらに別の、図1に既に図示されたこの発明の実施例においては、前面着脱システムの前面部材に付加的に、開閉素子18が、係合手段の鎖錠された状態において一方の開閉状態に、そして係合手段の鎖錠が解除された状態において他方の開閉位置にあるように組み込まれている。図1のこの組み込まれた開閉素子18は特にマイクロスイッチの形に構成されている。このマイクロスイッチは孔19を介して図示されていない取付けねじにより前面部材の下部の端部片11に取り付けられている。開閉リンク20は、特にレバーハンドル1の長い方のアーム3の内側に配置されかつ突出している接触子42を介して、レバーハンドル1が垂直に立って鎖錠位置にあるときに操作される。この開閉素子の裏側には、プリント板に載置されている部分回路に接続される端子接点19が配置されている。このような部分回路によりプリント板に配置された主回路の機能が規定通りに遮断される。これは、プリント板の電気的機能が、既に、レバーハンドルが鎖錠解除され、しかしプリント板がレバーハンドルのその後の作動によりモジュール支持体から引き出され、その場合、強制的にプリント板とモジュール支持体との間の全ての差し込み接点が遮断されるときに、規定通りに終了されるという利点を持っている。
この発明による前面着脱システムは、付加的にリミットスイッチに準じて動作する開閉素子18が組み込まれている前面部材に対して特に適している。これについては図5、6及び7により詳しく説明する。図5はプリント板37の前面部材38、11の下端に取付けられたレバーハンドル1の断面を示し、この場合レバーハンドル1は鎖錠位置にあり、プリント板37はまだ完全にモジュール支持体55の中に押し込まれている状態にある。これに対して図6は、レバーハンドル1は鎖錠解除された位置にあるものの、プリント板37はなお完全にモジュール支持体55の中に押し込まれている状態を示す。図7は、レバーハンドル1が鎖錠解除された位置にあり、かつプリント板37がモジュール支持体55から引き出されている状態を示す。
図5の断面図はモジュール支持体55の、下側及び上側のクロスレール対の下側のクロスレール39を例示している。例示的に示された電気部品54を備えたプリント板37は、その外側に向いた端面56側に、特に前面板38及び下側及び上側の端部を持つ前面部材を備えている。なお、図5では下側の端部11が例示されている。図示の実施例ではプリント板37の下側の、前側の隅に下側の端部11が取り付けられている。前面板38とレバーハンドル1は同様に下側の端部片11に支承されている。一般に、図では示されていない別のレバーハンドルが前面部材の上側の端部片に取り付けられている。プリント板37は下側及び上側の縁部を介して対向する対の案内レールに特に垂直に立ってモジュール支持体55に配置されている。その場合、図5の断面においては下側の案内レール36が例示されている。レバーハンドル1によりプリント板はモジュール支持体の中に押し込まれもしくはこれから再び引き出される。
図1においてレバーハンドル1は鎖錠位置にあり、それ故、垂直に立って、プリント板37の端面56もしくは前面板38にできるだけ近くに接している。プリント板は完全にモジュール支持体55の中に押し込まれているので、この上にある電気回路の機能は使用される状態になければならない。このために、レバーハンドル1は特に突出している接触子42を介して開閉素子18の開閉リンク20に係合し、この開閉素子が回路を動作させる開閉状態にある。既に説明したように、レバーハンドル1は係合片22がロックスライダー10に係合することによって図示の鎖錠位置に保持される。
さて、プリント板を、例えば試験目的で、モジュール支持体から取り出そうとするとき、先ずレバーハンドル1の鎖錠を解除しなければならない。既に上述したように、このために、レバーハンドル1のレンチ状の掴み部6に付勢手段の予圧に反対方向に加わる押圧力を、ロックスライダー10の押圧部27に与えて、ロックスライダー10が係合片22の係合範囲から外れるようにする。特に渦巻きばねの形に構成された付勢手段が第二の湾曲部を持っている場合には、レバーハンドルは自動的に鎖錠位置から旋回し、図6に示された位置を取る。この旋回により、一つには、グリップ部分6は、引出し縁8が支持部片40の端面に接している活動状態にもたらされる。他方、開閉素子18の開閉リンク20が外されて、開閉素子が他の開閉位置を取る。この状態は、一般に、プリント板における電気的機能を規定通りの方法で終了させるために利用される。
プリント板を完全に引き出そうとするときには、図6に示された位置において、今度は、充分に大きな力をレバーハンドルの横に引き出された、従って完全に手が届くグリップ部分2に加える。引出し縁8を下側のクロスレール39に当てることにより前面板は図示されていないコネクタから引き出されて、例えば図7に示された位置を取る。レバーハンドルは、そのグリップ部分6の部材が下側のクロスレール39の係合開口41に接触していないから、今や、完全に前方に旋回している。前面板37は、完全に案内レール36から引き出され、モジュール支持体55から取り外される。
図5、6及び7に示された、プリント板を引き出すときに生ずる運動経過を基に、この発明による前面着脱システムの利点を特に明らかに認識することができる。即ち、これらの利点は、一方では、レバーハンドルの鎖錠を解除するために、他方では、プリント板を引き出すために必要な、レバーハンドルに加える力と、これにより生じた運動経過とが互いに分離されるので、両行程の間に誤った、殆ど密やかに進む移行が確実に回避されることにある。
Claims (10)
- 互いに対向している対の相並んで配置された案内レール(36)を介して、特に垂直に立ってモジュール支持体(55)の中に押し込まれもしくは引き出されるプリント板(37)のための前面着脱システムにおいて、
a)プリント板(37)の正面側の側面に前面部材(38、11)が取り付けられ、
b)各1つのレバーハンドル(1)がこの前面部材(38、11)の上隅もしくは下隅に取り付けられ、回転中心(5、12)を介してプリント板(37)の平面内において旋回可能に支承され、さらに前面部材のそれぞれの隅に向いた端部に掴み部(6)を備え、これらを介して、モジュール支持体(55)への支持によりプリント板をモジュール支持体(55)の中に押し込みもしくは引出しできるようにし、
c)レバーハンドル(1)には、その掴み部(6)に対向しているロックスライダ(10)の一端に押圧部(27)を備える各1つのロックスライダ(10)が収納され、
d)この押圧部(27)に向いた予圧(52、53)をロックスライダ(10)に与え、これを初期位置に保持する付勢手段(43、32、28、29、35)が設けられ、
e)前面部材(38、11)の上隅もしくは下隅に配置され、プリント板(37)の前面部材(38、11)に向かってレバーハンドル(1)が旋回する際ロックスライダ(10)、付勢手段(43、32、28、29、35)及び前面部材(38、11)に係合して、レバーハンドル(1)をできるだけ前面部材(38、11)に接して鎖錠位置(図4)に保持する係合手段(22、23、26)が設けられ、この係合手段(22、23、26)が、レバーハンドル(1)のロックスライダ(10)の押圧部(27)に加えられた力により付勢手段(43、32、28、29、35)の予圧(52、53)に抗してロックスライダ(10)が移動することにより再び鎖錠解除される
ようにしたプリント板の前面着脱システム。 - 係合手段(22、23、26)が係合片(22)を備え、この係合片が、付勢手段(43、32、28、29、35)によりロックスライダ(10)に与えられる予圧(52、53)によりロックスライダ(10)と前面部材(38、11)とが互いに係合して、レバーハンドル(1)が鎖錠位置(図4)に保持されるように形成されている請求項1に記載の前面着脱システム。
- a)プリント板(37)の前面部材(38、11)が前面板(38)と、この前面板(38)の下端及び上端の各1つの終端部材(11)を備え、これを介して前面板(38)がプリント板(37)と結合され、
b)係合手段(22、23、26)が前面板(38)のそれぞれの端部の終端部材(11)と結合されている
請求項1又は2に記載の前面着脱システム。 - ロックスライダ(10)が少なくとも1つの貫通開口(25)を備え、その側壁部(26)が付勢手段(43、32、28、29、35)によってロックスライダ(10)に与えられる予圧(52、53)により係合手段(22)と係合している請求項3に記載の前面着脱システム。
- 掴み部(6)に対向する、レバーハンドル(1)の端部に、特に半月状の切り欠き(30)が設けられ、この部分にロックスライダ(10)の押圧部(27)がある請求項1〜4の1つに記載の前面着脱システム。
- 付勢手段(43、32、28、29、35)が渦巻きばね(43)を備え、この渦巻きばねが、
a)少なくとも1つの第一の湾曲部(47)を持ち、これによりロックスライダ(10)の押圧部(27)に向いた予圧(52、53)が与えられ、
b)この第一の湾曲部(47)は前面部材(38、11)に支持されている請求項1〜5の1つに記載の前面着脱システム。 - 渦巻きばね(43)が第一の湾曲部(47)と接続された第二の湾曲部(46)を備え、これによりレバーハンドル(1)に、このレバーハンドル(1)が鎖錠解除された状態において前面部材(38、11)から離れる方向に旋回されるような向きの予圧(54)が与えられる請求項6に記載の前面着脱システム。
- 前面部材(38、11)に電気開閉素子(18、19)が、この開閉素子が係合手段(22、23、26)の鎖錠状態において一方の開閉状態に、係合手段(22、23、26)の鎖錠解除状態において他方の開閉状態にあるように、組み込まれている請求項1〜7に1つの記載の前面着脱システム。
- レバーハンドル(1)が係合手段(22、23、26)の鎖錠状態においてプリント板の前面部材(38、11)にほぼ平行にかつこれにできるだけ平らに接するように嵌め込まれている請求項1〜8の1つに記載の前面着脱システム。
- レバーハンドル(1)が少なくとも1つの第一の、直線的に伸びたレバーアーム(3)を備え、この部分にロックスライダ(10)が納められるとともに上記アーム(3)がロックスライダ(10)の押圧部(27)の端部に接している請求項9に記載の前面着脱システム。
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