JP3567202B2 - カード処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気カードやICカードのデータを処理するカード処理装置に関し、特にカード処理装置におけるカードの挿入機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種のカード処理装置は、カードが挿入、排出されるカード挿入口と、カード挿入口に連通して形成されたカード挿入路と、カード挿入路内にてカードのデータを処理するデータ処理部とから概ね構成されている。例えば、ICカード処理装置にあっては、データ処理部として、カード挿入路に挿入されたICカードに当接するカード当接部と、ICカードの電極部と対接する接点端子とを有する接点ユニットが備えられている。接点ユニットは、カード当接部に挿入されたICカードが当接することにより、挿入されたICカードと共に装置本体に対して移動することにより、カード挿入路内に接点端子を進出させるように構成されている。従って、ICカード処理装置においては、挿入されたICカードの接点端子とICカードの電極部とが対接した状態において、これら接点端子と電極部を介してICカードのデータ処理が行われる。(特開平8−263602号公報参照)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述したようなカード処理装置においては、カード挿入口から異物等が挿入されることにより、接点ユニット等のデータ処理部が損傷を受ける、あるいは、カード挿入路が詰まりカードが挿入できなくなるといった問題が発生し、ICカードのデータ処理が適切に行えなくなることがある。このため、カード挿入口から異物等が挿入されることを防止するために、カード挿入路にシャッタ部材を設けることが考えられるが、使用するカードが挿入されるときには、カードの挿入に対して障害とならないようシャッタ部材を移動させる必要がある。シャッタ部材の移動制御のために、カードの挿入を検出するフォトセンサ、シャッタ部材を移動させる電磁ソレノイド等を設け、電気的に制御することが考えられる。しかしながら、上述した構造にあっては、フォトセンサ及び電磁ソレノイド等をレイアウトするために、カード処理装置の大型化及び装置構成の複雑化は避けられない。
【0004】
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、カード挿入口から異物等が挿入されることを防止するためのシャッタ部材を、カード処理装置の大型化及び装置構成の複雑化を招くことなく、且つ、カード挿入路へのカードの挿入に対して障害とならないように設けることが可能なカード処理装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、カードが挿入、排出されるカード挿入口と、カード挿入口に連通して形成されたカード挿入路と、カード挿入路に対して進出方向及び退出方向に移動可能に設けられ、カード挿入路に挿入されたカードが当接することによりカード挿入路から退出方向に移動するシャッタ部材と、シャッタ部材に対して、シャッタ部材の進出方向に付勢力を付与する付勢手段と、シャッタ部材と当接した状態では、シャッタ部材の退出方向への移動を規制するストッパ部と、挿入されたカードが当接するようにカード挿入路に突出して設けられたカード当接部を有し、シャッタ部材と当接して設けられるレバー部材と、を備え、シャッタ部材とストッパ部とは、カード当接部に挿入されたカードが当接してレバー部材を揺動させることにより、シャッタ部材がストッパ部に対して移動して、シャッタ部材が退出方向に移動可能となるように当接状態が解かれることを特徴としている。
【0006】
請求項1に記載のカード処理装置によれば、カードが挿入されていない状態において、シャッタ部材は、付勢手段によりカード挿入路に対して進出方向に付勢力が付与され、ストッパ部との当接関係により退出方向への移動を規制されているため、カード挿入路に対して進出した状態が維持される。これにより、カード挿入口からカード挿入路に異物等が挿入されることを防止することができる。また、カード挿入路に挿入されたカードが挿入された場合には、挿入されたカードがカード当接部に当接することによりレバー部材が揺動し、シャッタ部材がストッパ部に対して移動して、ストッパ部とシャッタ部材との当接状態が解かれる。これにより、シャッタ部材は退出方向に移動可能となり、挿入されたカードにより押され、付勢手段による付勢力に抗しながらカード挿入路から退出方向に移動する。従って、フォトセンサ及び電磁ソレノイド等を設けることなく、シャッタ部材とレバー部材とによる機械的な可動機構により、シャッタ部材をカード挿入路へのカードの挿入に対して障害とならないように移動させることが可能となり、カード処理装置の大型化及び装置構成の複雑化を招くことが防止できる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、シャッタ部材は、レバー部材に当接するレバー部材当接部と、ストッパ部に当接するストッパ当接部とを有し、カード挿入方向とは交わる方向に伸びる中心軸回りに揺動可能且つ中心軸方向に移動可能に設けられており、シャッタ部材は、中心軸回りに揺動することにより、カード挿入路に対して進出方向及び退出方向に移動し、レバー部材の揺動がレバー部材当接部を介してシャッタ部材に伝達されることにより、シャッタ部材はカード挿入方向と交わる方向に移動されて、ストッパ当接部とストッパ部との当接状態が解かれることを特徴としている。この場合には、シャッタ部材の、カード挿入路に対して進出方向及び退出方向への移動、及び、ストッパ部との当接状態を解除するための移動を実現するための構造を、簡易且つ低コストで実現することが可能となる。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、ストッパ当接部は、シャッタ部材に中心軸方向に所定間隔を有して複数設けられ、ストッパ部は、ストッパ当接部に対応して、複数設けられていることを特徴としている。この場合には、カード挿入口からカード挿入路に異物、例えば金尺を強制的に挿入しようとした場合でも、シャッタ部材はストッパ当接部が設けられた複数の位置にてストッパ部に当接するので、異物を押し込むことにより作用する力がシャッタ部材から各ストッパ部に分散して作用することになり、上述した力が集中することによるシャッタ部材の変形を抑制することができ、シャッタ部材の変形による異物の挿入を防止することが可能となる。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の発明において、カード挿入路は、カード厚さ方向に一対の壁部を有し、シャッタ部材は、カード挿入路の一方の壁部側からカード挿入路に進出するように設けられ、カード挿入路の他方の壁部には、カード挿入路に進出したシャッタ部材の先端部が位置する孔部が設けられ、孔部は、先端部が中心軸方向に移動し得るように中心軸方向に所定の間隔を有する第1孔部と、中心軸方向での間隔が第1孔部より小さい間隔を有し、且つ、先端部が中心軸方向に移動された状態から中心軸回りに揺動し得るようにカード挿入方向に所定の間隔を有する第2孔部とを含み、ストッパ部は、第1孔部を形成する壁面のうちカード挿入方向で見て前側の壁面で構成されることを特徴としている。この場合には、カード挿入路の他方の壁部に設けられた孔部に、カード挿入路に進出したシャッタ部材の先端部が位置するため、カード挿入口から紙あるいは金尺といった厚さの薄い異物が挿入された場合においても、上述したような異物の挿入を確実に阻止することが可能となる。また、孔部には、先端部が中心軸方向に移動し得るように中心軸方向に所定の間隔を有する第1孔部と、中心軸方向での間隔が第1孔部より小さい間隔を有し、且つ、先端部が中心軸方向に移動された状態から中心軸回りに揺動し得るようにカード挿入方向に所定の間隔を有する第2孔部とが設けられており、第1孔部を形成する壁面のうちカード挿入方向で見て前側の壁面をストッパ部とするため、孔部にも、シャッタ部材の退出方向への移動を規制するためのストッパ部の機能を持たせることができ、構成の簡素化を図ることが可能となる。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項2〜4のいずれか一項に記載の発明において、シャッタ部材とストッパ部とが当接する位置に復帰させるために、シャッタ部材に対して中心軸方向に付勢力を付与する弾性部材が設けられており、弾性部材により付与される付勢力は、レバー部材に対してカード当接部をカード挿入路に突出させる方向に作用することを特徴としている。この場合には、弾性部材の付勢力により、カード当接部がカード挿入路に突出し、且つ、ストッパ部によりシャッタ部材の退出方向への移動を規制した状態が維持される。従って、上述した弾性部材を設けることにより、シャッタ部材の退出方向への移動を規制した状態を、レバー部材及びシャッタ部材の初期状態として設定することが可能となり、構成の簡素化及び部品点数の削減を図ることができる。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の発明において、カード当接部には、カード厚さ方向に所定間隔を有する溝部が形成されており、溝部の底部とカード当接部に対向するカード挿入路の壁部とのカード挿入方向に直交する方向での間隔が、使用されるカードの挿入方向に直交する方向でのカード幅より大きい値に設定されていることを特徴としている。この場合には、使用されるカードより厚さの薄いカードが挿入された場合には、使用されるカードより厚さの薄いカードが溝部を通過するので、レバー部材が揺動することはない。これにより、シャッタ部材の退出方向への移動を規制した状態が維持され、誤って、使用されるカードより厚さの薄いカードが挿入されることを防止できる。以上のことから、新たにセンサ等を設けることなく、カード厚さの検知を機械的に行うことが可能となる。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、溝部の開口部近傍は、カード挿入方向から見て、テーパ状に形成されていることを特徴としている。この場合には、使用されるカードのカード厚さにバラツキが存在する場合でも、このバラツキを吸収してスムーズにカードを挿入することが可能となる。
【0014】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の発明において、レバー部材に当接して、レバー部材の揺動方向に応じてON又はOFFするスイッチ手段が設けられていることを特徴としている。この場合には、カードが挿入されることによりレバー部材が揺動することを利用して、カード挿入口からカードが挿入されたことを検出することが可能となる。これにより、カードが挿入されたことを検出する検出手段を簡素化することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は本発明に係るカード処理装置の全体の外観を示す斜視図、図2は同じくカバーを取った状態での平面図、図3は同じくカバーを取った状態での正面図、図4は図2におけるIV−IV線に沿った断面図、図5は図2におけるV−V線に沿った断面図である。本実施形態においては、ICカード処理装置に適用した例を示している。
【0017】
機器本体Aは、概ねベース板1と囲い壁2とで構成されている。ベース板1は、合成樹脂で略平板状に形成されている。ベース板1には前方側、すなわちICカードCを挿入する側に矩形の切欠部3が形成されている。囲い壁2は、ベース板1を囲むようにして平面視略コ字状にベース板1と一体形成されており、ICカードCを挿入する側が開放されている。囲い壁2は、互いに対向して設けられカード挿入方向に延びる壁部2a,2bと、カード挿入方向に直交する方向に延びる壁部2cとで構成されている。
【0018】
ベース板1の下面には、切欠部3と連設された凹部4が形成されている。凹部4の両側壁4a,4bは、ICカードCの幅よりも僅かに大きい間隔を隔てて対向するようにして、カード挿入方向に延設されている。凹部4は、囲い壁2のカード挿入方向に直交する壁部2cに形成された開口部5にも連設されて形成されており、カード挿入方向前方が機器本体Aの外に開口している。凹部4のカード挿入方向の前端近傍には、一方の側壁4aから突出した突出部(図示せず)が凹部4内に設けられている。突出部(図示せず)は、凹部4内に挿入されるICカードCの前端が当接し、ICカードCの挿入限界を決めるカード用ストッパとして機能する。
【0019】
ベース板1のカード挿入方向に直交する方向で見て略中央には、ガイド溝8aが穿設された一対の第1ガイド壁8,8が対向して設けられ、一対の第1ガイド壁8,8間にはカード挿入方向前方に延在するガイド孔9が穿設されている。ガイド溝8aは、カード挿入方向で見てガイド溝8aの前側部分が後側部分に比してベース板1に近づけられて(カード挿入方向に向かって前下がり)形成されている。ガイド孔9のカード挿入方向で見て前側端部の一方の側部には、第2ガイド壁10が立設されている。第2ガイド壁10の上部には、ガイド溝8aと同様に、前側部分が後側部分に比してベース板1に近づけられて(カード挿入方向に向かって前下がり)形成されたガイド面10aが設けられている。ガイド孔9のカード挿入方向で見て前側端部のには、断面略逆L字状に形成された規制部12が立設されている。規制部12の上部の下面はストッパ面を形成している。ガイド孔9のカード挿入方向に見て後側端部には、一対の第1ガイド壁8,8間にカード挿入方向に直交する方向に延びる縦壁11が立設されている。縦壁11には、フック部11aがカード挿入方向で見て前方に突出して形成されている。ガイド孔9と囲い壁2のカード挿入方向に延びる一方の壁部2bとの間に位置するベース板1には、ガイド孔9と同方向に延在するサブガイド孔13が穿設されている。サブガイド孔13は、凹部4の突出部(図示せず)が設けられる側壁4aに対向する側壁4bを一部切り欠く形で形成される。
【0020】
平面視で、ガイド孔9と囲い壁2のカード挿入方向に延びる他方の壁部2aとの間に位置するベース板1の上面には、ピン14a,14bがカード挿入方向に略直列に立設されている。ピン14a,14bには、カードの挿入状態を検出する第1マイクロスイッチ15が位置決めされて固定される。ピン14a,14bには第1マイクロスイッチ15が圧入されてベース板1上に取り付けられている。第1マイクロスイッチ15は、平面視長方形を呈しており、長軸方向がカード挿入方向と略平行、且つ、第1マイクロスイッチ15のスイッチ部15aが壁部2aに対向するように設けられている。ここで、第1マイクロスイッチ15(スイッチ部15a)が各請求項におけるスイッチ手段を構成している。
【0021】
平面視で、ガイド孔9(カード挿入方向で見て前側端部)と囲い壁2のカード挿入方向と直交する方向に延びる壁部2cとの間に位置するベース板1の上面には、ピン14c,14dがカード挿入方向と直交する方向に略直列に立設されている。ピン14c,14dには、カードの挿入状態を検出する第2マイクロスイッチ16が位置決めされて固定される。ピン14c,14dには第2マイクロスイッチ16が圧入されてベース板1上に取り付けられている。第2マイクロスイッチ16は、平面視長方形を呈しており、長軸方向がカード挿入方向と略直交、且つ、第2マイクロスイッチ16のスイッチ部16aがカード挿入方向後側に向くように設けられている。
【0022】
ベース板1の下面には、ICカードCの厚みよりもやや大きい間隔を隔てて、ベース板1と対向する合成樹脂製の底板18が固定されている。底板18には、ベース板1の切欠部3に対応して略同じ外形の切欠部19が形成されている。ベース板1の凹部4がこの底板18によって覆われることにより、凹部4と底板18とで画成される空間がカード挿入路20を形成することになると共に、ベース板1及び底板18の端部にカード挿入口21が形成されることになる。底板18には、囲い壁2のカード挿入方向に延びる一方の壁部2bと近傍の位置に、ベース板1に形成されたサブガイド孔13に対応して、サブガイド孔13と同方向に延在する切欠部22が穿設されている。底板18のカード挿入方向に見て後方側には、切欠部19を挟んでカード載置部18a,18bが対向するように設けられている。
【0023】
底板18の一方のカード載置部18bには、ICカードC上に記録された磁気情報を読み出すための磁気ヘッド25が、凹部4の一方の側壁4bからカード挿入方向に直交する方向に所定距離を隔てて設けられている。磁気ヘッド25は、底板18下面からカード厚み方向(上下方向)に延びて固定された支柱26,26上をカード厚み方向に移動可能となっており、バネ27により底板18方向(上方)に付勢力が与えられている。磁気ヘッド25が設けられるカード載置部18bに対向するベース板1の対向面1aには、磁気ヘッド25に対向してローラ28が設けられている。ローラ28は、ベース板1の対向面1a上に突設されたボス部29に固定されたシャフト30に回転自在に軸支されている。
【0024】
ベース板1のガイド壁8には、接点ユニット31が支持されている。接点ユニット31は、厚みの薄い直方体に形成された端子取付部32と、カード挿入路20に挿入されたICカードCが当接するカード当接部33とを有している。端子取付部32とカード当接部33とは、腕部34により接続されており、これら端子取付部32、カード当接部33及び腕部34は合成樹脂により一体成形されている。端子取付部32のカード挿入方向で後方側となる位置の両側には、一対のダボ35,35が突出形成されている。端子取付部32の下面32aには、薄片状の導電材をくの字状に折り曲げ形成した接点端子36が取り付けられている。また、端子取付部32のカード挿入方向で前方側となる位置の一方の側部(カード当接部が設けられる側と反対側)には、ダボ(図示せず)が突出形成されている。腕部34にはバネ掛け部38が形成され、カード当接部33にはカード当接面39が形成されている。
【0025】
接点ユニット31は、ガイド壁8のガイド溝8aの開口からダボ35,35をガイド溝8a内に係入し、縦壁11のフック部11aとバネ掛け部38とに引張りスプリング41を掛けることによって、常に、カード当接部33のカード当接面39がベース板1のサブガイド孔13を介して凹部4に臨むようにガイド壁8に支持される。ダボ(図示せず)は、フック部11aとバネ掛け部38とに引張りスプリング41が掛けられた状態で、第2ガイド壁10のガイド面10aに当接する。カード当接部33(カード当接面39)は凹部4の側壁4bに近接した位置に設けられることになり、カード挿入路20に挿入されたICカードCの角部が当接するように構成されている。ガイド壁8に支持された接点ユニット31は、ガイド溝8a及びガイド面10aによって、後方斜め上方から前方斜め下方に移動自在に案内され、引張りスプリング41によって、接点ユニット31を常時後方側に付勢されている。端子取付部32はベース板1のガイド孔9内をカード挿入方向の前後方向に移動し、カード当接部33はベース板1のサブガイド孔13内をカード挿入方向の前後方向に移動する。
【0026】
切欠部3のカード挿入方向に見て前端部分には、シャッタ部材42が設けられている。シャッタ部材42は、ベース板1に穿設されたシャッタ部材格納孔(図示せず)内に設けられている。シャッタ部材格納孔(図示せず)は、そのカード挿入方向に直交する方向での長さが凹部4のカード挿入方向に直交する方向での幅より長く設定されている。シャッタ部材42は、図10にも示されるように、囲い壁2の対向する壁部2a,2b間に架設されたシャフト44に対して揺動自在に支持されている。シャフト44は、シャッタ部材格納孔(図示せず)の上方に位置して設けられている。これらの構成により、シャッタ部材42は、ベース板1側から、凹部4(カード挿入路20)に対して進出方向及び退出方向に移動自在に設けられることになる。シャッタ部材42は、バネ45により、凹部4(カード挿入路20)に対して進出方向に常に付勢力が付与されている。また、シャッタ部材42は、バネ46により、カード挿入方向に直交する方向で且つカード挿入方向に延びる壁部2bからカード挿入方向に延びる壁部2aの方向に常に付勢力が付与されている。ここで、バネ45は請求項における付勢手段を、バネ46は請求項における弾性部材を構成している。
【0027】
シャッタ部材42は、ベース板1の凹部4のカード挿入方向に直交する方向での幅よりやや短いシャッタ部42aと、中心軸方向(カードのカード挿入方向に直交する幅方向)に所定間隔を隔てて設けられ、シャフト44に軸支される一対の軸受部42b,42bとを有している。シャッタ部42aは、凹部4(カード挿入路20)に対して進出した状態において、カード挿入路20を概ね塞ぐようにその形状が設定されている。シャッタ部42aの先端部には、シャフト44の中心軸方向(カードのカード挿入方向に直交する幅方向)に所定間隔を隔てて、複数の突出部47a,47b,47c,47d,47eがシャッタ部42aと一体的に設けられており、シャッタ部42aは櫛形に形成されている。各突出部47a,47b,47c,47d,47eは、シャフト44の中心軸方向(カードのカード挿入方向に直交する幅方向)に所定の長さを有している。シャフト44の中心軸方向(カードのカード挿入方向に直交する幅方向)に見て両端に位置する突出部47a,47eには、ICカードCの挿入、引き抜きをスムーズに行わせるため、ICカードCと当接する爪部48,48が一体的に設けられている。爪部48,48は、各爪部48が挿入されたICカードCのカード挿入方向に直交する幅方向での端部の表面に当接するように、その位置が設定されている。シャッタ部42aは、図3あるいは図10にも示されているように、凹部4(カード挿入路20)に対して進出した状態において、シャッタ部42aの爪部48(突出部47a,47e)が設けられた位置でのカード厚さ方向の長さが、突出部47b,47c,47dが設けられた位置でのカード厚さ方向の長さより長くなるように、その形状が設定されている。
【0028】
シャフト44の中心軸方向(カードのカード挿入方向に直交する幅方向)に見て両端に位置する突出部47a,47eのうち一方の突出部47aには、カード挿入方向前方に延設される第1延設部49が一体的に設けられて形成されている。一対の軸受部42b,42bのうち、第1延設部49からシャフト44の中心軸方向に見て遠い(壁部2bに近い)軸受部42bには、カード挿入方向後方に延設される第2延設部50が一体的に設けられて形成されている。また、シャッタ部42aの第1延設部49が設けられる側の端部には、カード厚さ方向で見て突出部47aが延びる方向とは反対の方向(上方)に延設されるレバー部材当接部51が一体的に設けられている。ここで、第1延設部49及び第2延設部50は、各請求項におけるストッパ当接部を構成している。同様に、突出部47b,47c,47d,47eも、各請求項におけるストッパ当接部を構成している。
【0029】
底板18には、シャッタ部材42が凹部4(カード挿入路20)に対して進出して、シャッタ部42aによりカード挿入路20が塞がれた状態において、各突出部47a,47b,47c,47d,47eの入り得る孔部52,53,54,55,56が、各突出部47a,47b,47c,47d,47eに対応する位置に、各々形成されている。各孔部52,53,54,55,56は、第1孔部52a,53a,54a,55a,56aと第2孔部52b,53b,54b,55b,56bとを有している。第1孔部52a,53a,54a,55a,56aは、各突出部47a,47b,47c,47d,47eがシャフト44の中心軸方向(カードのカード挿入方向に直交する幅方向)に移動し得るようにシャフト44の中心軸方向(カードのカード挿入方向に直交する幅方向)に所定の間隔を有している。第2孔部52b,53b,54b,55b,56bは、シャフト44の中心軸方向(カードのカード挿入方向に直交する幅方向)での間隔が第1孔部より小さい間隔を有し、且つ、シャッタ部材42がシャフト44の中心軸方向(カードのカード挿入方向に直交する幅方向)に移動された状態からシャフト44回りに揺動し得るように、カード挿入方向に各突出部47a,47b,47c,47d,47eの先端の移動軌跡と干渉しない所定の間隔を有している。シャフト44の中心軸方向(カードのカード挿入方向に直交する幅方向)に見て両端に位置する突出部47a,47eに対応する孔部52,56の第2孔部52b,56bのカード挿入方向での間隔は、特に、爪部48,48の先端の移動軌跡と干渉しないように、他の第2孔部53b,54b,55bのカード挿入方向での間隔よりも大きく設定されている。
【0030】
第1孔部52a,53a,54a,55a,56aは、カード挿入方向で見て前側の壁面52c,53c,54c,55c,56cとカード挿入方向で見て後側の壁面52d,53d,54d,55d,56dとの間に形成されている。
シャフト44の中心軸方向(カードのカード挿入方向に直交する幅方向)に見て最も壁部2a寄りの第1孔部52aのカード挿入方向での間隔は、バネ45からの付勢力を受けてシャッタ部材42が凹部4(カード挿入路20)に対して進出しており、且つ、バネ46からの付勢力を受けてシャッタ部材42がカード挿入方向に延びる壁部2a寄りの位置にある状態において、シャッタ部材42がシャフト44回りに所定の微小角度揺動した際に、突出部47aの第1延設部49が前側の壁面52cと当接し、シャッタ部材42の所定の微小角度以上の揺動を規制するように設定されている。
【0031】
ベース板1の対向面1aのカード挿入方向で見てシャッタ部材格納孔(図示せず)より後側の位置に、凸部57が設けられている。凸部57の高さは、バネ45からの付勢力を受けてシャッタ部材42が凹部4(カード挿入路20)に対して進出しており、且つ、バネ46からの付勢力を受けてシャッタ部材42がカード挿入方向に延びる壁部2a寄りの位置にある状態において、第1延設部49と前側の壁面52cとの関係と同様に、シャッタ部材42がシャフト44回りに所定の微小角度揺動した際に、第2延設部50が凸部57と当接し、シャッタ部材42の所定の微小角度以上の揺動を規制するように設定されている。ここで、第1孔部52aにおける前側の壁面52c及び凸部57は、各請求項におけるストッパ部を構成している。
【0032】
第1孔部52a以外の第1孔部53a,54a,55a,56aのカード挿入方向での間隔は、第1孔部52aの間隔より、カード挿入方向に長く設定されている。第1延設部49あるいは前側の壁面52c、及び、第2延設部50あるいは凸部57が変形し、シャッタ部材42の揺動を規制することが不可能となった場合に、各突出部47b,47c,47d,47eが対応する前側の壁面53c,54c,55c,56cと当接することにより、シャッタ部材42の揺動を規制する補助的な役割を果たす。ここで、各第1孔部53a,54a,55a,56aにおける前側の壁面53c,54c,55c,56cも、第1孔部52aにおける前側の壁面52c及び凸部57と同様に、各請求項におけるストッパ部を構成している。
【0033】
ベース板1のカード挿入方向で見てシャッタ部材格納孔(図示せず)より前側の部分は、孔部52,53,54,55,56(第2孔部52b,53b,54b,55b,56b)の形状に対応して切り欠かれた切欠部58a,58b,58c,58d,58eが設けられている。従って、孔部52,56(第2孔部52b,56b)に対応する切欠部58a,58eのカード挿入方向での切欠き長さは、他の切欠部58b,58c,58dのカード挿入方向での切欠き長さよりも大きく設定されている。切欠部58b,58dの上部には、切欠部58b,58dのカード挿入方向での前側端部を覆う形で、突出部47b,47dと当接して、シャッタ部材42の揺動を規制するための規制部59,59が設けられている。
【0034】
切欠部3を挟んで、磁気ヘッド25が設けられたカード載置部18bに対向するベース板部分1bには、レバー部材60が設けられている。レバー部材60は、概ねカード挿入方向に平行な状態で、ベース板1に形成されたレバー部材支持部61に揺動自在に支持されている。レバー部材支持部61は、ベース板1から上方に延びて筒状に形成されている。レバー部材60は基部62を有し、図2に示すように、ベース板1に設けられた状態でカード挿入方向に見て、順にカード当接部63、支点部64、シャッタ部材当接部65及びスイッチ当接部66とを有している。
【0035】
基部62は、ベース板1に設けられた状態で、カード挿入方向に延びる略平板状に形成されている。カード当接部63は、基部62のカード挿入方向後方端から下方に延びて形成されており、カード挿入路20に挿入されたICカードCに当接し得るようになっている。スイッチ当接部66は、基部62のカード挿入方向前方端に設けられ、第1マイクロスイッチ15のスイッチ部15aに当接し得るようになっている。支点部64は、基部62のカード当接部63とスイッチ当接部66との間の位置に、下方に延びて形成され、筒状に形成されたレバー部材支持部61に挿入されるようになっている。従って、レバー部材60は、支点部64のカードの厚さ方向に延びる中心軸を中心にして、ICカードCに略平行な面内において揺動する。シャッタ部材当接部65は、基部62の支点部64とスイッチ当接部66との間の位置に設けられ、図10に示されるように、シャッタ部材42の第1延設部49とレバー部材当接部51との間の間隙に位置し、レバー部材当接部51と当接し得るようになっている。シャッタ部材当接部65及びスイッチ当接部66とは剛性を高めるために基部62より所定長さ下方に延びて形成され、また、シャッタ部材当接部65とスイッチ当接部66との間には上下方向に延びる壁部67が形成されている。
【0036】
ベース板1の切欠部3及び底板18の切欠部19を挟んで、磁気ヘッド25が設けられたカード載置部18bに対向するベース板部分1b及びカード載置部18aには、切欠部3に連設して、切欠部68が形成されている。カード当接部63の下方部は、切欠部68内に位置し、凹部4(カード挿入路20)内に進出した状態で設けられる。カード挿入方向に直交する方向で且つカード挿入方向に延びる壁部2bからカード挿入方向に延びる壁部2aの方向に方向に作用するバネ46の付勢力が、シャッタ部材42(レバー部材当接部51)を介してレバー部材60に作用するので、レバー部材60のスイッチ当接部66は、壁部2aに向けて(図2において上方向)付勢力を受ける。これにより、レバー部材60は、カード当接部63が凹部4(カード挿入路20)内に進出する方向に、常時付勢されることになる。
【0037】
図12に示すように、カード当接部63のICカードCと当接する部分には、カード厚さ方向に所定間隔(α)を有する溝部69が形成されている。ICカードCが挿入されていない状態において、溝部69の底部70とカード当接部63に対向する凹部4の側壁4bとのカード挿入方向に直交する方向での間隔は、使用されるICカードCの挿入方向に直交する方向でのカード幅より大きい値に設定されている。また、溝部69の開口部71近傍は、カード挿入方向から見て、テーパ状に形成されている。上述した溝部69のカード厚さ方向での所定間隔(α)は、使用されるICカードCの厚さより若干小さい値に設定されており、使用されるICカードに応じて設定を変更することが望ましい。
【0038】
上述したレバー部材60と第1マイクロスイッチ15との当接関係により、第1マイクロスイッチ15は、レバー部材60の支点部64を中心とした揺動、すなわち、ICカードCがカード挿入口21から挿入されたか否かを検出することが可能となる。第1マイクロスイッチ15は、ICカードCがカード挿入口21から挿入され、カード当接部63にICカードCが当接してレバー部材60が揺動することにより、スイッチ部15a(接点)が押圧されてON信号が出力され、ICカードCがカード挿入口21から引き抜かれ、ICカードCの無い状態では、スイッチ部15a(接点)が復帰してOFF信号が出力されるように構成されている。
【0039】
また、第2マイクロスイッチ16は、接点ユニット31(端子取付部32)との当接関係により、ICカードCの前端部が凹部4(カード挿入路20)のカード挿入方向前端側の所定位置まで挿入されたか否かを検出することが可能となる。第2マイクロスイッチ16は、挿入されたICカードCの角部がカード当接部33に当接して接点ユニット31(端子取付部32)をカード挿入方向に移動させ、ICカードCの前端部が凹部4(カード挿入路20)のカード挿入方向前端側の所定位置まで挿入された際に、接点ユニット31(端子取付部32)のカード挿入方向前端面が当接することにより、スイッチ部16a(接点)が押圧されてON信号が出力され、ICカードCがカード挿入口21から引き抜かれ、ICカードCの無い状態では、スイッチ部16a(接点)が復帰してOFF信号が出力されるように構成されている。
【0040】
ベース板1のカード挿入方向前端近傍の位置には、カード押圧部材72が、ベース板1から上方に延びて形成された筒部73内に納められた状態で設けられている。カード押圧部材72(筒部73)は、第1マイクロスイッチ15の長軸方向の略延長線上且つ第2マイクロスイッチ16の長軸方向の略延長線上に位置している。カード押圧部材72は、その下端に押圧部(図示せず)を有し、この押圧部(図示せず)がベース板1をカード厚さ方向に貫通して形成された孔部(図示せず)を介して、ベース板1の下面から凹部4(カード挿入路20)内のカード挿入方向前端近傍の位置に進出するように設けられると共に、バネ(図示せず)により底板18方向に付勢力が付与されている。バネ(図示せず)の上端部は、筒部73の上端部に係合固定されるプレート部材76に当接しており、バネ(図示せず)は予め圧縮された状態で筒部73内に納められている。押圧部(図示せず)の下面のカード挿入方向後方側は、カード挿入方向前方に向かって下側にやや傾斜してテーパ状に形成されている。これにより、挿入されたICカードC先端部が、押圧部(図示せず)の下面の下に入りやすく構成されている。
【0041】
機器本体Aの上面は略平板状に形成されたカバー81で覆われており、カバー81はベース板1上に立設されたボス部(図示せず)にネジによって固定される。カバー81の下面には、レバー部材60のシャッタ部材当接部65に対応する位置、第1マイクロスイッチ15に対応する位置、第2マイクロスイッチ16に対応する位置の各々に下方に延設された突出部83が形成されている。各突出部83は、レバー部材60(特に、シャッタ部材当接部65)、第1マイクロスイッチ15及び第2マイクロスイッチ16の上方への移動を規制するようにその高さが設定されている。ICカードCの上面には、接点ユニット31の接点端子36が対接する電極部C1と、ICカードCの所有者氏名等がエンボス加工されて記録されているエンボス加工部C2が形成されている。
【0042】
このような構成において、図1に示すように、ICカードCを底板18のカード載置部18a,18bと、凹部4の両側壁4a,4bとの間に挿入し、カード挿入口21から凹部4(カード挿入路20)に挿入する。ICカードCが未だ挿入されていない状態又は挿入されたICカードCがレバー部材60のカード当接部63に達していない状態(図2に示された状態)では、シャッタ部材42は、バネ45からの付勢力を受けて凹部4(カード挿入路20)に対して進出した状態にある。シャッタ部材42が凹部4(カード挿入路20)に対して進出した状態では、各突出部47a,47b,47c,47d,47eが各々対応する孔部52,53,54,55,56内に入った状態とされている。また、シャッタ部材42は、バネ46からカード挿入方向に直交する方向で且つカード挿入方向に延びる壁部2bからカード挿入方向に延びる壁部2aの方向に方向に作用する付勢力を受けて、カード挿入方向に延びる壁部2a寄りの位置にある状態とされる。レバー部材60に対してはシャッタ部材42(レバー部材当接部51)を介して上述されたバネ46の付勢力が作用し、レバー部材60はカード当接部63を凹部4(カード挿入路20)内に進出させた状態とされる。
【0043】
上述された状態では、第1延設部49が前側の壁面52cと対向する位置、及び、第2延設部50が凸部57と対向する位置にあるため、何らかの手段によりシャッタ部材42をカード挿入方向に押圧し、シャッタ部材42を揺動させようとしても、シャッタ部材42がシャフト44回りに所定の微小角度揺動した際に、第1延設部49が前側の壁面52cと当接し、第2延設部50が凸部57と当接し、上述した所定の微小角度以上のシャッタ部材42の凹部4(カード挿入路20)からの退出方向への揺動が規制され、シャッタ部材42は、カード挿入路20に対して進出した状態が維持される。また、各突出部47b,47c,47d,47eも、前側の壁面53c,54c,55c,56cと対向する位置にあり、前側の壁面53c,54c,55c,56cと当接することにより、シャッタ部材42の揺動を補助的に規制している。
【0044】
ICカードCが挿入され、挿入されるICカードC前端の一方の角部がレバー部材60のカード当接部63に当接する(図6に示された状態)と、角部はカード当接部63を平面視で見て凹部4(カード挿入路20)から退出する方向(図6において上方向)に押圧する。ICカードCによるカード当接部63への押圧により、レバー部材60は支点部64を中心に時計回りに揺動し、シャッタ部材当接部65及びスイッチ当接部66を平面視で見て凹部4(カード挿入路20)の内側方向(図6において下方向)に移動させる。これにより、スイッチ当接部66は第1マイクロスイッチ15のスイッチ部15a(接点)を押圧する。第1マイクロスイッチ15は、スイッチ部15aの押圧を受け、ON信号を出力する。シャッタ部材当接部65はシャッタ部材42のレバー部材当接部51に当接し、シャッタ部材42をバネ46の付勢力に抗しながら、カード挿入方向に直交する方向で且つカード挿入方向に延びる壁部2aからカード挿入方向に延びる壁部2bの方向に移動させる。第1延設部49が前側の壁面52cと対向する位置、及び、第2延設部50が凸部57と対向する位置から外れるため、上述したシャッタ部材42の凹部4(カード挿入路20)からの退出方向への移動規制が解除され、シャッタ部材42は凹部4(カード挿入路20)から退出が可能な状態とされる。
【0045】
図12(a)に示すように、通常使用されるICカードCが挿入された場合、ICカードCはカード当接部63に形成されたテーパ面に当接し、上述した様にカード当接部63(レバー部材60)が、図12(a)においては左方向に移動する。しかしながら、厚さが溝部69の所定間隔(α)より薄いカードDが挿入された場合は、図12(b)に示すように、カードDがカード当接部63に当接することはない。従って、レバー部材60が揺動することはなく、第1延設部49が前側の壁面52cと対向する位置、及び、第2延設部50が凸部57と対向する位置にあるため、カードDによりシャッタ部材42をカード挿入方向に押圧したとしても、第1延設部49が前側の壁面52cと当接し、第2延設部50が凸部57と当接し、シャッタ部材42の凹部4(カード挿入路20)からの退出方向への移動が規制され、シャッタ部材42は、カード挿入路20に対して進出した状態が維持される。
【0046】
ICカードCの挿入が進むと、ICカードCの前端面がシャッタ部材42と当接するようになる。この状態では、シャッタ部材42の凹部4(カード挿入路20)からの退出方向への移動規制が解除されているので、ICカードCからの押圧力を受けて、シャッタ部材42はシャフト44を中心にして揺動する。シャッタ部材42の揺動により、シャッタ部42aの各突出部47a,47b,47c,47d,47eが孔部52,53,54,55,56(第2孔部52b,53b,54b,55b,56b)内を移動し、シャッタ部材42(シャッタ部42a)は凹部4(カード挿入路20)から退出する。従って、図11に示されるように、ICカードCはシャッタ部材42を押し上げながらカード挿入路20内を進むことになる。ICカードCがシャッタ部材42を押し上げながらカード挿入路20内を進む際には、シャッタ部42aの爪部48(突出部47a,47e)が設けられた位置でのカード厚さ方向の長さが、突出部47b,47c,47dが設けられた位置でのカード厚さ方向の長さより長くなるように設定されているので、図9又は図11に示されるように、爪部48,48がICカードCのカード挿入方向に直交する幅方向での端部の表面に当接し、突出部47b,47c,47dがICカードCの表面に当接することはない。
【0047】
更に、ICカードCが挿入されると、挿入されるICカードC前端の他方の角部は、接点ユニット31のカード当接部33(カード当接面39)に当接し、カード当接部33を引張りスプリング41のバネ力に抗してカード挿入方向に押圧する。押圧されたカード当接部33は、サブガイド孔13内をカード挿入方向に移動する。また、カード当接部33にICカードCから与えられた押圧力は、腕部34を介して端子取付部32に伝わり、端子取付部32は、第1ガイド壁8のガイド溝8a及び第2ガイド壁10のガイド面10aによってカード挿入方向に降下する。ICカードCの挿入が進むと、端子取付部32は、ガイド孔9から接点端子36をカード挿入路20内に臨ませながら下降且つカード挿入方向に移動し、端子取付部32の接点端子36がICカードCの電極部C1に対接することになる。
【0048】
ICカードCは、ICカードC前端の他方の角部が突出部(図示せず)に当接することにより、カード挿入方向への挿入が規制される(図7及び図8に示される状態)。このとき、ICカードC前端の一方の角部の近傍部分は、下面のカード挿入方向後方側がテーパ状に形成された押圧部(図示せず)の下方に入り込むことになる。ICカードCには、筒部73内に設けられたバネ(図示せず)からの付勢力がカード押圧部材72を介して凹部4下面から底板18方向に向かって作用する。これにより、ICカードC前端の一方の角部の近傍部分は底板18の上面に押圧され、ICカードCは突出部(図示せず)に当接した状態に保持される。接点ユニット31(端子取付部32)のカード挿入方向前端面側がガイド孔9(サブガイド孔13)のカード挿入方向前端近傍に到達すると、接点ユニット31(端子取付部32)のカード挿入方向前端面は第2マイクロスイッチ16のスイッチ部16a(接点)を押圧する。第2マイクロスイッチ16は、スイッチ部16aの押圧を受け、ON信号を出力する。
【0049】
端子取付部32の接点端子36がICカードCの電極部C1に対接した状態で、接点端子36を介してICカードCのデータが処理される。詳細には、第1マイクロスイッチ15及び第2マイクロスイッチ16の両者からON信号が出力されている場合に、ICカードCのデータが処理されることになる。また、ICカードCの所定位置に磁気情報が記録されている場合は、磁気情報が記録されている部分が磁気ヘッド25を通過する際に、磁気ヘッド25により記録された磁気情報が読み出される。詳細には、第1マイクロスイッチ15からON信号が出力され第2マイクロスイッチ16からON信号が出力されるまでの間、磁気情報が読み出されることになる。読み出された磁気情報は、カード会社等のホストコンピュータ等に通信され、挿入されたカードが使用可能なものか否かが判断され、その結果が返送されてくるように構成されている。
【0050】
上述されたように、本実施形態のICカード処理装置においては、ICカードCが挿入されていない状態において、シャッタ部材42は、バネ45によりカード挿入路20(凹部4)に対して進出方向に付勢力が付与され、第1延設部49が前側の壁面52cと対向する位置、及び、第2延設部50が凸部57と対向する位置にあり、第1延設部49と前側の壁面52cとの当接関係、及び、第2延設部50が凸部57との当接関係により退出方向への移動を規制されているため、カード挿入路20(凹部4)に対して進出した状態が維持される。これにより、カード挿入口21からカード挿入路20(凹部4)に異物等が挿入されることを防止することができる。また、各突出部47b,47c,47d,47eも前側の壁面53c,54c,55c,56cと対向する位置にあり、各突出部47b,47c,47d,47eと前側の壁面53c,54c,55c,56cとの当接関係によっても、シャッタ部材42は退出方向への移動を規制されるため、万が一、第1延設部49あるいは前側の壁面52c、及び、第2延設部50あるいは凸部57が変形し、シャッタ部材42の揺動を規制することが不可能となった場合においても、カード挿入路20(凹部4)に対して進出した状態が維持される。
【0051】
また、第1延設部49、第2延設部50、各突出部47b,47c,47d,47eは、シャフト44の中心軸方向に見て所定間隔を有してシャッタ部材42に設けられると共に、これら第1延設部49、第2延設部50、各突出部47b,47c,47d,47eに対応して、前側の壁面52c,53c,54c,55c,56c、凸部57が設けられているので、カード挿入口21からカード挿入路20(凹部4)に異物、例えば金尺を強制的に挿入しようとした場合でも、シャッタ部材42は、上述した第1延設部49、第2延設部50、各突出部47b,47c,47d,47eの複数の位置にて、各々前側の壁面52c,53c,54c,55c,56c、凸部57に当接し、異物を押し込むことにより作用する力がシャッタ部材42から各前側の壁面52c,53c,54c,55c,56c、凸部57に分散して作用することになり、力が集中することによるシャッタ部材42の変形を抑制することができ、シャッタ部材42の変形による異物の挿入を防止することが可能となる。
【0052】
また、特に、異物を押し込むことにより作用する力がシャッタ部材42から各前側の壁面52c,53c,54c,55c,56cに分散して作用することになるため、シャフト44の中心軸方向に見て、シャッタ部材42における異物から力が作用する位置と第1延設部49、各突出部47b,47c,47d,47e(各前側の壁面52c,53c,54c,55c,56c)が設けられた位置とが近づけられることになり、異物から作用する位置と第1延設部49、各突出部47b,47c,47d,47e(各前側の壁面52c,53c,54c,55c,56c)が設けられた位置が離れることによるシャッタ部材42のねじれ変形を抑制することができ、シャッタ部材42の変形による異物の挿入を防止することが可能となる。
【0053】
また、第1延設部49及び第2延設部50が、シャフト44の中心軸方向に見てシャッタ部材42に端部近傍位置に各々設けられているので、第1延設部49と前側の壁面52c、及び、第2延設部50と凸部57の2カ所で当接関係を有するように構成した場合においても、効果的にシャッタ部材42の上述した変形を抑制することが可能となる。
【0054】
また、カード挿入路20(凹部4)に挿入されたICカードCが挿入された場合には、挿入されたICカードCがカード当接部63に当接することによりレバー部材60が揺動し、シャッタ部材42がカード挿入方向に直交する方向で且つカード挿入方向に延びる壁部2aからカード挿入方向に延びる壁部2bの方向に移動し、第1延設部49が前側の壁面52cと対向する位置、及び、第2延設部50が凸部57と対向する位置から外れ、第1延設部49と前側の壁面52cとの当接関係、及び、第2延設部50が凸部57との当接関係が解かれる。これにより、第1延設部49と前側の壁面52cとが、また、第2延設部50と凸部57とが当接することなく、シャッタ部材42はカード挿入路20(凹部4)から退出方向に移動可能となり、挿入されたICカードCにより押され、バネ45による付勢力に抗しながらカード挿入路20(凹部4)から退出方向に移動する。従って、フォトセンサ及び電磁ソレノイド等を設けることなく、シャッタ部材42とレバー部材60とによる機械的な可動機構により、シャッタ部材42をカード挿入路20(凹部4)へのICカードCの挿入に対して障害とならないように移動させることが可能となり、ICカード処理装置の大型化及び装置構成の複雑化を招くことが防止できる。
【0055】
また、シャッタ部材42は、レバー部材60に当接するレバー部材当接部51と、ストッパ部としての前側の壁面52cに対向、当接する第1延設部49と、同じくストッパ部としての凸部57に対向、当接する第2延設部50とを有し、カード挿入方向とは交わる方向に伸びるシャフト44の中心軸回りに揺動可能且つシャフト44の中心軸方向に移動可能に設けられている。シャッタ部材42は、シャフト44の中心軸回りに揺動することにより、カード挿入路20(凹部4)に対して進出方向及び退出方向に移動し、レバー部材60の揺動がレバー部材当接部51を介してシャッタ部材42に伝達されることにより、シャッタ部材42はカード挿入方向と交わる方向に移動されて、第1延設部49と前側の壁面52cとの当接関係、及び、第2延設部50が凸部57との当接関係が解かれるように構成されているので、シャッタ部材42の、カード挿入路20(凹部4)に対して進出方向及び退出方向への移動、及び、第1延設部49と前側の壁面52cとの当接関係、及び、第2延設部50が凸部57との当接関係を解除するための移動を実現するための構造を、簡易且つ低コストで実現することが可能となる。
【0056】
また、底板18に形成された各孔部52,53,54,55,56に、シャッタ部材42がカード挿入路20(凹部4)に対して進出して、シャッタ部42aによりカード挿入路20が塞がれた状態において、対応する突出部47a,47b,47c,47d,47eが入っているので、カード挿入口21から紙あるいは金尺といった厚さの薄い異物が挿入された場合においても、上述したような異物の挿入を確実に阻止することが可能となる。
【0057】
また、各孔部52,53,54,55,56は、各突出部47a,47b,47c,47d,47eがシャフト44の中心軸方向(カードのカード挿入方向に直交する幅方向)に移動し得るようにシャフト44の中心軸方向(カードのカード挿入方向に直交する幅方向)に所定の間隔を有した第1孔部52a,53a,54a,55a,56aと、シャフト44の中心軸方向(カードのカード挿入方向に直交する幅方向)での間隔が第1孔部より小さい間隔を有し、且つ、シャッタ部材42がシャフト44の中心軸方向(カードのカード挿入方向に直交する幅方向)に移動された状態からシャフト44回りに揺動し得るように、カード挿入方向に各突出部47a,47b,47c,47d,47eの先端の移動軌跡と干渉しない所定の間隔を有した第2孔部52b,53b,54b,55b,56bとを含んでおり、第1孔部52a,53a,54a,55a,56aの前側の壁面52c,53c,54c,55c,56cが各々第1延設部49、各突出部47b,47c,47d,47eと対向、当接するように構成されるため、各孔部52,53,54,55,56に、シャッタ部材42の退出方向への移動を規制するためのストッパ部の機能を持たせることができ、構成の簡素化を図ることが可能となる。
【0058】
また、カード挿入口21から紙のように厚さが薄く且つ容易に変形する異物が挿入された場合に、異物がシャッタ部材42に当接して湾曲し、突出部47a,47b,47c,47d,47eの下方に潜り込む状態となり、突出部47a,47b,47c,47d,47eと孔部52,53,54,55,56の底部との間から挿入されてしまうことが考えられる。しかしながら、各突出部47a,47b,47c,47d,47eに対応して、孔部52,53,54,55,56が設けられているため、突出部47a,47b,47c,47d,47eが入る孔部がシャフト44の中心軸方向に連続した1つの孔部とはならず、底板18の孔部52,53,54,55,56の間の部分には孔部が形成されない面が設けられることになり、上述したように異物が突出部47a,47b,47c,47d,47eの下方に潜り込み、突出部47a,47b,47c,47d,47eと孔部52,53,54,55,56の底部との間から挿入されてしまうことを防止することが可能となる。
【0059】
また、シャッタ部材42を、第1延設部49、第2延設部50、各突出部47b,47c,47d,47eが各々前側の壁面52c,53c,54c,55c,56c、凸部57と対向、当接する位置に復帰させるために、シャッタ部材42に対してシャフト44の中心軸方向に付勢力を付与するバネ46が設けられており、バネ46の付勢力は、レバー部材60に対してカード当接部63をカード挿入路20(凹部4)に突出させる方向に作用する。これにより、バネ46の付勢力により、カード当接部63がカード挿入路20(凹部4)に突出し、且つ、シャッタ部材42の退出方向への移動を規制した状態が維持される。従って、バネ46を設けることにより、シャッタ部材42の退出方向への移動を規制した状態を、レバー部材60及びシャッタ部材42の初期状態として設定することが可能となり、構成の簡素化及び部品点数の削減を図ることができる。
【0060】
また、カード当接部63には、カード厚さ方向に所定間隔(α)を有する溝部69が形成されており、溝部69の底部70とカード当接部63に対向するカード挿入路20(凹部4)の側壁4bとのカード挿入方向に直交する方向での間隔が、使用されるカードの挿入方向に直交する方向でのカード幅より大きい値に設定されている。これにより、使用されるICカードCより厚さの薄い異なるカードが挿入された場合には、使用されるICカードCより厚さの薄いカードが溝部69を通過することになり、レバー部材60が揺動されることはない。従って、シャッタ部材42の退出方向への移動を規制した状態が維持され、誤って、異なるカードが挿入されることを防止できる。また、新たに検出手段等を設けることなく、カード厚さの検知を機械的に行うことが可能となり、構造が複雑化及び部品点数が増加することが抑制される。
【0061】
また、溝部69の開口部71近傍は、カード挿入方向から見て、テーパ状に形成されている。これにより、使用されるICカードCのカード厚さにバラツキが存在する場合でも、このバラツキを吸収してスムーズにICカードCを挿入することが可能となる。
【0062】
また、レバー部材60のカード挿入方向前方端に形成されたスイッチ当接部66に当接して第1マイクロスイッチ15が設けられている。第1マイクロスイッチ15は、レバー部材60の揺動方向に応じてON信号又はOFF信号を出力する。これにより、ICカードCが挿入されることによりレバー部材60が揺動することを利用して、カード挿入口21からICカードCが挿入されたことを検出することが可能となる。従って、ICカードCが挿入されたことを検出する検出手段を簡素化することができる。
【0063】
また、レバー部材60はカード挿入方向に略平行な状態で、ベース板1(レバー部材支持部61)に支持されており、第1マイクロスイッチ15はその長軸方向がカード挿入方向に略平行な状態で、同じくベース板1に設けられている。これにより、レバー部材60及び第1マイクロスイッチ15を設けるに際して、機器本体Aのカード挿入方向に直交するカード幅方向での長さが大きくなること抑制し、カード処理装置の小型化を図ることが可能となる。また、ICカードCが先端まで挿入されたことを検出する第2マイクロスイッチ16も、その長軸方向がカード挿入方向に略直交する状態でベース板1に設けられているので、機器本体Aのカード挿入方向での長さが大きくなること抑制できる。特に、シャフト44の中心軸方向(カードのカード挿入方向に直交する幅方向)に見て端に位置する突出部47aに対応する孔部52の第2孔部52bのカード挿入方向での間隔は、爪部48の先端の移動軌跡と干渉しないように、他の第2孔部53b,54b,55bのカード挿入方向での間隔よりも大きく設定されており、機器本体Aのカード挿入方向での長さの抑制に対して制約となるが、第2マイクロスイッチ16は、第1マイクロスイッチ15の長軸方向での延長線上から離れた位置で且つ長軸方向がカード挿入方向に略直交する状態でベース板1に設けられているので、上述した制約の存在にも拘わらず、カード処理装置の小型化をより図ることが可能となる。
【0064】
上述された実施形態においては、シャッタ部材42の揺動を規制するストッパ部として第1孔部52aにおける前側の壁面52c及び凸部57を設け、ストッパ当接部としてシャッタ部材42に第1延設部49及び第2延設部50を設けているが、必ずしも、ストッパ部及びストッパ当接部を2カ所設ける必要はなく、第1孔部52aにおける前側の壁面52cあるいは凸部57、及び、第1延設部49あるいは第2延設部50の一方を設けるように構成しても良い。また、シャッタ部材42の揺動を補助的に規制するように、各突出部47b,47c,47d,47eと前側の壁面53c,54c,55c,56cと対向させているが、必ずしもこれらを設ける必要はない。また、第1孔部52aにおける前側の壁面52cと第1延設部49、及び、凸部57と第2延設部50を設けることなく、各突出部47b,47c,47d,47eと前側の壁面53c,54c,55c,56cとを、上述した所定の微小角度以上のシャッタ部材42の凹部4(カード挿入路20)からの退出方向への揺動が規制されるように、対向させて配置してもよい。
【0065】
また、本実施形態においては、ICカード処理装置に基づいて説明したが、これに限られることなく、磁気カードを用いた磁気カード処理装置にも採用することも可能であり、その他種々のカード処理装置に適用できる。
【0066】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、カード挿入口から異物等が挿入されることを防止するためのシャッタ部材を、カード処理装置の大型化及び装置構成の複雑化を招くことなく、且つ、カード挿入路へのカードの挿入に対して障害とならないように設けることが可能なカード処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るカード処理装置の全体の外観を示す斜視図である。
【図2】本発明に係るカード処理装置のカバーを取った状態での平面図である。
【図3】本発明に係るカード処理装置のカバーを取った状態での正面図である。
【図4】図2におけるIV−IV線に沿った断面図である。
【図5】図3におけるV−V線に沿った断面図である。
【図6】本発明に係るカード処理装置に含まれる、レバー部材及びシャッタ部材の動作を説明する平面図である。
【図7】本発明に係るカード処理装置に含まれる、レバー部材及びシャッタ部材の動作を説明する平面図である。
【図8】本発明に係るカード処理装置に含まれる、レバー部材及びシャッタ部材の動作を説明する正面図である。
【図9】本発明に係るカード処理装置に含まれる、シャッタ部材の動作を説明する説明図である。
【図10】本発明に係るカード処理装置に含まれる、レバー部材及びシャッタ部材の当接関係を説明する要部分解斜視図である。
【図11】本発明に係るカード処理装置に含まれる、レバー部材及びシャッタ部材の動作を説明する説明図である。
【図12】本発明に係るカード処理装置に含まれる、レバー部材の動作を示す説明図であり、(a)は通常使用されるICカードが挿入された状態を示し、(b)は薄いカードが挿入された状態を示す。
【符号の説明】
1…ベース板、4…凹部、4a…側壁、4b…側壁、15…第1マイクロスイッチ、18…底板、20…カード挿入路、21…カード挿入口、31…接点ユニット、36…接点端子、42…シャッタ部材、42a…シャッタ部、44…シャフト、45…バネ、46…バネ、47a,47b,47c,47d,47e…突出部、48…爪部、49…第1延設部、50…第2延設部、51…レバー部材当接部、52,53,54,55,56…孔部、52a,53a,54a,55a,56a…第1孔部、52b,53b,54b,55b,56b…第2孔部、52c,53c,54c,55c,56c…壁面、57…凸部、60…レバー部材、63…カード当接部、64…支点部、65…シャッタ部材当接部、66…スイッチ当接部、69…溝部、70…底部、71…開口部、81…カバー、A…機器本体、C…ICカード、C1…電極部、C2…エンボス加工部。
Claims (8)
- カードが挿入、排出されるカード挿入口と、
前記カード挿入口に連通して形成されたカード挿入路と、
前記カード挿入路に対して進出方向及び退出方向に移動可能に設けられ、前記カード挿入路に挿入されたカードが当接することにより前記カード挿入路から前記退出方向に移動するシャッタ部材と、
前記シャッタ部材に対して、前記シャッタ部材の前記進出方向に付勢力を付与する付勢手段と、
前記シャッタ部材と当接した状態では、前記シャッタ部材の前記退出方向への移動を規制するストッパ部と、
前記挿入されたカードが当接するように前記カード挿入路に突出して設けられたカード当接部を有し、前記シャッタ部材と当接して設けられるレバー部材と、
を備え、
前記シャッタ部材と前記ストッパ部とは、前記カード当接部に前記挿入されたカードが当接して前記レバー部材を揺動させることにより、前記シャッタ部材が前記ストッパ部に対して移動して、前記シャッタ部材が前記退出方向に移動可能となるように前記当接状態が解かれることを特徴とするカード処理装置。 - 前記シャッタ部材は、前記レバー部材に当接するレバー部材当接部と、前記ストッパ部に当接するストッパ当接部とを有し、カード挿入方向とは交わる方向に伸びる中心軸回りに揺動可能且つ前記中心軸方向に移動可能に設けられており、
前記シャッタ部材は、前記中心軸回りに揺動することにより、前記カード挿入路に対して進出方向及び退出方向に移動し、
前記レバー部材の揺動が前記レバー部材当接部を介して前記シャッタ部材に伝達されることにより、前記シャッタ部材は前記カード挿入方向と交わる前記方向に移動されて、前記ストッパ当接部と前記ストッパ部との前記当接状態が解かれることを特徴とする請求項1に記載のカード処理装置。 - 前記ストッパ当接部は、前記シャッタ部材に前記中心軸方向に所定間隔を有して複数設けられ、
前記ストッパ部は、前記ストッパ当接部に対応して、複数設けられていることを特徴とする請求項2に記載のカード処理装置。 - 前記カード挿入路は、カード厚さ方向に一対の壁部を有し、
前記シャッタ部材は、前記カード挿入路の一方の壁部側から前記カード挿入路に進出するように設けられ、
前記カード挿入路の他方の壁部には、前記カード挿入路に進出した前記シャッタ部材の先端部が位置する孔部が設けられ、
前記孔部は、前記先端部が前記中心軸方向に移動し得るように前記中心軸方向に所定の間隔を有する第1孔部と、前記中心軸方向での間隔が前記第1孔部より小さい間隔を有し、且つ、前記先端部が前記中心軸方向に移動された状態から前記中心軸回りに揺動し得るように前記カード挿入方向に所定の間隔を有する第2孔部とを含み、
前記ストッパ部は、前記第1孔部を形成する壁面のうち前記カード挿入方向で見て前側の壁面で構成されることを特徴とする請求項2又は3に記載のカード処理装置。 - 前記シャッタ部材と前記ストッパ部とが当接する位置に復帰させるために、前記シャッタ部材に対して前記中心軸方向に付勢力を付与する弾性部材が設けられており、
前記弾性部材により付与される前記付勢力は、前記レバー部材に対して前記カード当接部を前記カード挿入路に突出させる方向に作用することを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載のカード処理装置。 - 前記カード当接部には、カード厚さ方向に所定間隔を有する溝部が形成されており、
前記溝部の底部と前記カード当接部に対向する前記カード挿入路の壁部とのカード挿入 方向に直交する方向での間隔が、使用されるカードの挿入方向に直交する方向でのカード幅より大きい値に設定されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のカード処理装置。 - 前記溝部の開口部近傍は、カード挿入方向から見て、テーパ状に形成されていることを特徴とする請求項6に記載のカード処理装置。
- 前記レバー部材に当接して、前記レバー部材の揺動方向に応じてON又はOFFするスイッチ手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のカード処理装置。
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