JP3565911B2 - 半導体装置の作製方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ガラス等の絶縁基板、あるいは各種基板上に形成された絶縁性被膜上に設けられ、PVD法やCVD法によって形成された酸化珪素膜をゲイト絶縁膜として用いる半導体装置、例えば、薄膜トランジスタ(TFT)または、それを応用した薄膜集積回路、特にアクティブ型液晶表示装置(液晶ディスプレー)用薄膜集積回路の作製方法に関し、特に、良好な特性のゲイト絶縁膜を得るためのゲイト絶縁膜の加熱処理方法および加熱処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ガラス等の絶縁基板上にTFTを有する半導体装置、例えば、TFTを画素の駆動に用いるアクティブ型液晶表示装置やイメージセンサー等が開発されている。
これらの装置に用いられるTFTには、薄膜状の珪素半導体を用いるのが一般的である。薄膜状の珪素半導体としては、非晶質珪素半導体からなるものと結晶性を有する珪素半導体からなるものの2つに大別される。非晶質珪素半導体は作製温度が低く、気相法で比較的容易に作製することが可能で量産性に富むため、もっとも一般的に用いられているが、導電率等の物性が結晶性を有する珪素半導体に比べて劣るため、今後、より高速性を得るためには結晶性を有する珪素半導体からなるTFTの作製方法の確立が強く求められている。
【0003】
移動度の小さな非晶質珪素を用いたTFTの場合には、ゲイト絶縁膜の特性はあまり問題とならなかった。例えば、非晶質珪素を用いたTFTでは、ゲイト絶縁膜として酸化珪素よりも電気的特性に劣る窒化珪素膜が用いられる。しかし、移動度の高い結晶性の珪素膜を用いたTFTでは、珪素膜自体の特性を同じくらいゲイト絶縁膜の特性が大きな問題であった。
ゲイト絶縁膜として好ましいものとしては熱酸化膜がある。例えば、石英基板のように高温に耐える基板上であれば、熱酸化法を用いてゲイト絶縁膜を得ることができた。(例えば、特公平3−71793)
【0004】
熱酸化法によって、ゲイト絶縁膜として使用するに足る酸化珪素膜を得るには、950℃以上の高温が必要であった。しかしながら、このような高温処理に耐えうる基板材料は石英の他にはなく、石英基板は高価であり、かつ、融点が高いために大面積化が困難であるという問題があった。
しかし、より安価なガラス基板材料は、歪み点が750℃以下、一般的には550〜650℃で、通常の方法で熱酸化膜を得るだけの高温に基板が耐えないという問題があった。そのため、より低温で形成できる物理的気相成長法(PVD法、例えばスパッタ法)や化学的気相成長法(CVD法、例えばプラズマCVD法、光CVD法等)によってゲイト絶縁膜が形成された。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、PVD法、CVD法によって作製した絶縁膜は不対結合手や水素の濃度が高く、また、界面特性も良くなかった。そのため、ホットキャリヤ等の注入に対しても弱く、不対結合手や水素が原因となり、電荷捕獲中心が形成されやすかった。このため、TFTのゲイト絶縁膜として用いた場合に電界移動度やサブスレシュホールド特性値(S値)が、良くないという問題点、あるいはゲイト電極のリーク電流が多く、オン電流の低下(劣化・経時変化)が甚だしいという問題点があった。
【0006】
例えば、PVD法であるスパッタ法を用いる場合には、高純度の酸素と珪素からなる合成石英をターゲットとすれば、原理的には酸素と珪素の化合物の被膜のみが形成される。しかし、得られる被膜の酸素と珪素の比率が化学量論比に近く、かつ、不対結合手の少ない酸化珪素膜を得ることは極めて難しかった。例えば、スパッタガスとして酸素が好ましかった。しかし、酸素は原子量が小さく、スパッタ速度(堆積速度)が小さく、量産を考慮すると、スパッタガスとしては不適切であった。
また、アルゴン等の雰囲気においては、十分な成膜速度が得られたものの、酸素と珪素の比率が化学量論比と異なり、ゲイト絶縁膜としては極めて不適当なものであった。
【0007】
さらに、スパッタ雰囲気をどのようにしても珪素の不対結合手を低減することは難しく、成膜後に水素雰囲気での加熱処理をおこなうことによって、珪素の不対結合手Si・もしくはSiO・をSi−H、Si−OHとして、安定化させることが必要であった。しかしながら、Si−H、Si−OH結合は不安定で、加速した電子によって、容易に切断され、もとの珪素の不対結合手に変化してしまった。このような弱い結合Si−H、Si−OHの存在が上述のホットキャリヤ注入による劣化の要因となったものである。
同様にプラズマCVD法を用いて作製された酸化珪素膜にもSi−H、Si−OHの形で多くの水素が含有されており、不対結合手も多く、上記の問題の源泉となっていた。本発明は、上記の問題を解決する手段を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
酸化珪素膜、例えば、熱酸化法によって形成された酸化珪素膜をアンモニア(NH)、ヒドラジン(N)等の窒化水素の雰囲気中において、900℃以上の加熱処理を施すことによって、窒化されて不対結合が低減することにより、酸化珪素膜中の窒素濃度が高くなり、ゲイト絶縁膜として理想的な酸化珪素膜を得られることが知られている。
【0009】
しかし、この際におこなわれる加熱処理は、温度が900℃以上と高いため、石英基板のように歪み点が高い基板においてのみ可能なプロセスであった。そのため、歪み点が750℃以下、代表的には550〜650℃の各種ガラス基板を用いてTFTを形成する低温プロセスにおいては、この加熱処理を導入することはできなかった。
【0010】
本発明者らは、この反応の低温化について研究を進め、NHまたはN雰囲気中における加熱処理の際に、紫外光を照射することによって、300〜700℃、好ましくは500〜600℃の加熱処理で、900℃以上の加熱処理をおこなったのと同様の効果が得られることを見出した。この際、使用される紫外光の波長としては100〜350nm、好ましくは150〜300nmとする。
【0011】
本発明の第1は、PVD法あるいはCVD法によって形成された酸化珪素膜に対して、NH、またはN等の窒化水素雰囲気において、300〜700℃、好ましくは500〜600℃で加熱処理を施すと同時に紫外光照射をおこなうことによって、ゲイト絶縁膜として用いるに十分な酸化珪素膜に改質することを特徴とする。
【0012】
窒化水素雰囲気における加熱処理の時間は、酸化珪素膜の特性・加熱処理温度・紫外光の強度等に依存するが、量産性を考慮すると30分〜6時間とすることが望ましい。また、加熱処理工程における基板温度の上昇あるいは下降の速度は本発明を実施するものが決定すればよいのであるが、量産性を考慮した場合、5〜30℃/minの速度で、昇温または冷却することが望ましい。また、この昇温・冷却の際には窒素雰囲気でおこなってもよい。
【0013】
本発明においては、例えば、PVD法としてはスパッタ法、CVD法としては、プラズマCVD法、減圧CVD法、大気圧CVD法を用いればよい。その他の成膜方法も用いることが可能である。また、プラズマCVD法もしくは減圧CVD法としては、TEOSを原料とする方法を用いてもよい。前者の場合においては、TEOSと酸素を原料として基板温度200〜500℃で堆積させればよい。後者の場合においては、TEOSとオゾンを原料として、比較的低温(例えば、375℃±20℃)で、プラズマによるダメージの無い酸化珪素膜を得ることができる。
同様に減圧CVD法を用いて、モノシラン(SiH)と酸素ガス(O)を主たる原料としても、活性層へのプラズマダメージを与えること無く酸化珪素膜を得ることができる。また、プラズマCVD法のうち、ECR(電子サイクロトロン共鳴)条件の放電を用いる、ECR−CVD法は、プラズマによるダメージが小さいので、より良好なゲイト絶縁膜を形成することができる。
【0014】
本発明の第2は、上記工程をおこなうに適切な加熱処理装置に関するもので、加熱処理のためのチャンバーと、加熱処理をおこなう前の基板および加熱処理後の基板をセットする予備室と、基板を移送するための搬送機が備えてある前室とを有し、前記チャンバーには、基板を加熱するヒーターを備えた基板ホルダーが備えてあり、前記基板を加熱するためのチャンバーの外部もしくは内部に、基板に紫外光を照射するための光源が取りつけられていることを特徴とする加熱処理装置である。
【0015】
この装置においては、より生産性を向上させるために、チャンバー内部の基板ホルダーを、耐熱性のメタルで構成された概略コンベアー状の搬送装置にして、基板を移動させながら加熱処理がおこなえるようにしてもよい。また、基板を加熱するためのチャンバー内部の基板ホルダーを、耐熱性のメタルで構成された概略コンベアー状の搬送装置にして、複数枚の基板を取りつけて一度に加熱処理がおこなえるようにしてもよい。さらには、概略コンベアー状の搬送装置の下部にヒーターを設けてもよい。
【0016】
本発明の他の装置は、円柱状のチャンバーを有し、前記円柱状のチャンバーの周囲には、基板を加熱するためのヒーターが設けられており、前記円柱状のチャンバーの中心部には、基板に紫外光を照射するための光源が設けられており、前記円柱状のチャンバーの内壁に沿うようにして基板を取りつける構造を有するものである。かくすることにより、紫外光を有効に利用することができ、生産性を向上せしめることができる。
【0017】
【作用】
CVD法もしくはPVD法によって成膜した酸化珪素膜をNHもしくはN雰囲気中で900℃以上の加熱処理をおこなうと、窒素によって不対結合手が埋められたり、酸化珪素膜中のSi−H結合やSi−OH結合が窒化され、Si≡N、あるいはSi=N−H結合に変化し、酸化珪素膜中の窒素が増加する。特にこの反応は酸化珪素と珪素の界面で進行しやすく、結果として窒素は酸化珪素−珪素界面に集中する。このような手段で界面付近に集中して添加される窒素の量は、酸化珪素膜の平均的な濃度の10倍以上になる。酸化珪素中に0.1〜10原子%、代表的には、1〜5原子%の窒素を含有せしめるとゲイト絶縁膜として好ましい。
【0018】
この結果、ゲイト絶縁膜と活性層の界面における不対結合手や、結合が弱く、ホットキャリヤによって簡単に分断されるSi−H結合やSi−OH結合が、結合の強固なSi≡N結合、Si=N−O結合等に置き換えられ、ホットキャリヤによる化学状態の変動が極めて小さくなる。
【0019】
このように、酸化珪素膜中、特に、珪素膜との界面付近の不対結合手やSi−H結合やSi−OH結合が窒化されることにより、ホットキャリヤに対する耐性が向上し、TFTのゲイト絶縁膜として用いた場合の電界移動度やサブスレシュホールド特性値(S値)が向上し、オン電流の低下(劣化・経時変化)を防止する上で格段の効果が生じた。
【0020】
以上のような反応は900℃以上の加熱処理においてのみ進行した。これは、主としてNH、およびNを分解するのに要する温度が900℃以上であるためと推定される。しかし、紫外光の照射を併用するとその温度を低下させることができた。この際、使用される紫外光の波長としては100〜350nm、好ましくは150〜300nmとする。これは、紫外光によってNH、およびNが分解されるのことにより、300〜700℃、好ましくは、500〜600℃の加熱処理においても上記と同等な反応が可能となったものと推定される。また、紫外光の照射された酸化珪素膜においては、特に不対結合手やSi−H結合、Si−OH結合が紫外光を吸収しやすく、この結果、このような部分が化学的に励起された状態となり、化学反応が促進されたためとも考えられる。
【0021】
本発明をスパッタ法によって成膜した酸化珪素膜(特に、スパッタ雰囲気をアルゴン等とすることにより、酸素濃度が化学量論比より少ない酸化珪素膜)に適用した場合には特に効果が顕著である。すなわち、このような膜は不対結合手が多いのであるが、NH、N等の窒化水素の雰囲気において、紫外光を照射しつつ、300〜700℃、好ましくは、500〜600℃で加熱処理することにより、不対結合手を窒化し、化学量論比に対して不足している酸素の代わりに窒素を結合させて、不対結合手の少ない酸化窒化膜とすることができる。
【0022】
上記のことはスパッタ法による酸化珪素膜の成膜が不利でないことを示すものである。すなわち、従来、スパッタ法によって酸化珪素膜を形成するには、組成を化学量論比に近づけるため、限られた条件の雰囲気でしかおこななかった。例えば、雰囲気として、酸素とアルゴンの混合雰囲気の系を考えると、酸素/アルゴン>1という条件を満たすことが必要で、好ましくは、純粋な酸素雰囲気でおこなうことが望まれた。そのため、成膜速度が低く、量産に適さなかった。また、酸素は反応性のガスであり、真空装置、チャンバー等が酸化されることも問題であった。
【0023】
しかしながら、本発明によって、化学量論組成より離れた組成の酸化珪素膜であっても、ゲイト絶縁膜として用いるに適する酸化珪素膜に変換できるので、同じ酸素とアルゴンの混合雰囲気の系においても、酸素/アルゴン≦1というように、成膜速度に関してより有利な条件で実施することができる。例えば、純粋なアルゴン雰囲気のように極めて成膜速度が高く、安定した条件で成膜することも可能となった。
【0024】
このような効果はスパッタ法以外のPVD法、あるいは各種CVD法によって形成された酸化珪素膜に対しても得られる。このように、本発明を用いることにより、300〜700℃という低温でありながら、PVD法やCVD法によって形成された酸化珪素膜中の不対結合手を減少させ、窒素の濃度を高めることができる。そして、この酸化珪素膜をゲイト絶縁膜とした用いたTFTは、優れた特性と高い信頼性を示す。
【0025】
【実施例】
〔実施例1〕
本実施例はプラズマCVD法によって形成した酸化珪素膜に対して、NH加熱処理と同時に紫外光照射をおこなって改質し、これをゲイト絶縁膜としてNチャネル型TFTを形成した例である。図7に本実施例のTFTの作製工程を、また、図1に上記の酸化珪素膜の加熱/紫外光照射処理に用いた装置の概略を示す。
【0026】
まず、基板701上に下地の酸化珪素膜702をプラズマCVD法によって3000Åに形成した。そして、非晶質珪素膜をプラズマCVD法によって500Åに成膜した。その後、N雰囲気中において加熱処理を施して、非晶質珪素膜を結晶化せしめた。このとき、非晶質珪素膜の結晶化を促進させるために、ニッケル等の非晶質珪素の結晶化を促進する元素を微量添加してもかまわない。また、結晶化を向上させるためにレーザーアニールを施してもかまわない。(図7(A))
【0027】
次に、結晶化した珪素膜703をエッチングして、島状領域704を形成した。この島状領域704はTFTの活性層である。そして、ゲイト絶縁膜として、1000Åの酸化珪素膜705を形成した。本実施例では、以下に示す第1〜第3の異なる方法によって酸化珪素膜を作製した。(図7(B))
第1はTEOSを原料とするプラズマCVD法によるものである。これは、ベーパライザーによって気化させたTEOSと酸素を平行平板型の電極を有するチャンバーに導入し、RF電力(例えば、13.56MHz)を導入して、プラズマを発生させ、基板温度200〜500℃、好ましくは250〜400℃で堆積させた。本実施例では、反応圧力は4Pa、投入電力を150W、基板温度を350℃とした。
【0028】
第2はスパッタ法によるものである。これは、ターゲットとして合成石英を用い、酸素100%、1Paの雰囲気において、スパッタすることによって成膜した。投入電力は350W、基板温度は200℃とした。
第3はECR−CVD法によるもので、原料ガスとしてモノシラン(SiH)と酸素を用いた。酸素の代わりにNO、NO、NO等の酸化窒素ガスを用いてもよい。また、このときの成膜条件としては、基板加熱をおこなわず、マイクロ波(周波数2.45MHz)の投入電力を400Wとした。
【0029】
その後、図1に示す加熱処理装置によって、NH雰囲気での加熱処理を施した。図1に示すように、本実施例に用いた加熱処理装置は、加熱処理をおこなうためのチャンバー101と、処理前の基板を保管してある予備室102と、処理後の基板を保管する予備室103と、搬送機110を備えた前室109から構成されており、基板111はこれらのチャンバー間を搬送機110によって移送される。なお、本実施例においては、チャンバー101においては、一度に一枚の加熱処理がおこなえる枚葉式となっている。
【0030】
また、チャンバー101は、基板105を加熱するためのヒーターが下部に設けられた基板ホルダー104を有している。さらに、チャンバー101の外部には、紫外光源106が設けられてある。本実施例において紫外光源として、低圧水銀ランプ(中心波長246nm、および185nm)を使用した。チャンバー101の上部で紫外光源106が取りつけられている部分は、紫外光を取り込むために石英等の紫外光を吸収しない素材によって窓が形成されてある。なお、本実施例においては紫外光源はチャンバーの外部に設置されているが、チャンバーの内部に設置しても構わない。
【0031】
また、チャンバー101と前室109には、排気をおこなうための排気系108とガスを導入するためのガス導入系107が設けられている。
まず、未処理の基板を複数枚カセットにセットして、予備室102にセットした。そして、基板は搬送機110によって前室109に移送され、そこで排気系により真空引きして前室を減圧してから、既に減圧されている加熱処理用のチャンバー101に移送されて基板ホルダー104に設置された。
【0032】
そして、チャンバー101内にガス導入系107よりNHを導入して、チャンバー内部の圧力を大気圧とした実質的に100%NH雰囲気において、紫外光を照射しながら加熱処理をおこなった。この際、加熱温度は350〜600℃、例えば500℃とした。また、処理時間は30分〜6時間、例えば3時間とした。
【0033】
このような加熱処理をおこなった後、処理された基板は搬送機110によって前室109に移送され、その後、処理後の基板を設置する予備室103内のカセットにセットして、1枚の基板の処理工程が終了した。以後、同様の工程を繰り返しおこなった。
以上のようにして本発明の加熱処理がなされたが、この結果、NH雰囲気中、900℃の加熱処理をおこなったときに得られた効果と同様の効果が、500℃の加熱処理において得られた。
【0034】
つまり、紫外光併用の加熱処理をおこなった試料を2次イオン質量分析法(SIMS)によって分析した結果、酸化珪素膜中、特に、上記の第1の方法(TEOSのプラズマCVD法)によって作製した酸化珪素膜では珪素膜との界面において窒素(N)の量が増加したことが確認された。同様なことは、第2の方法(スパッタ法)、第3の方法(ECR−CVD法)によって形成された酸化珪素膜についても同様であった。このような組成の酸化珪素膜はゲイト絶縁膜としては好ましいものであった。
比較のため、上記第1〜第3の方法によって形成された酸化珪素膜を図1の装置において、NHの代わりに窒素雰囲気で同じ温度条件で加熱しても、窒素の濃度において変化は観察されなかった。
【0035】
その後、厚さ5000Åのアルミニウム(1wt%のSi、もしくは0.1〜0.3wt%のScを含む)膜をスパッタリング法によって形成して、これをエッチングし、ゲイト電極706を形成した。次にアンモニアでpH≒7に調整した1〜3%の酒石酸のエチレングリコール溶液に基板を浸し、白金を陰極、このアルミニウムのゲイト電極を陽極として、陽極酸化をおこなった。陽極酸化は、最初一定電流で120Vまで電圧を上げ、その状態で1時間保持して終了させた。このようにして、厚さ1500Åの陽極酸化物を形成した。
【0036】
その後、イオンドーピング法によって、島状珪素膜704にゲイト電極706をマスクとして自己整合的に不純物(ここでは燐)を注入した。この場合のドーズ量は1×1014〜5×1015原子/cm、加速電圧は10〜90kV、例えば、ドーズ量を1×1015原子/cm、加速電圧を80kVとした。この結果、N型不純物領域707が形成された。(図7(C))
さらに、KrFエキシマレーザー(波長248nm、パルス幅20nsec)を照射して、ドーピングされた不純物領域707の活性化をおこなった。レーザーのエネルギー密度は200〜400mJ/cm、好ましくは250〜300mJ/cmが適当であった。この工程は、加熱処理によっておこなってもかまわない。
【0037】
次に、層間絶縁膜708として、プラズマCVD法によって酸化珪素膜を厚さ4000Åに成膜した。(図7(D))
そして、層間絶縁膜708とゲイト絶縁膜705のエッチングをおこない、ソース/ドレインにコンタクトホールを形成した。その後、アルミニウム膜をスパッタリング法によって成膜し、パターニングをおこなってソース/ドレイン電極709を形成し、Nチャネル型のTFTを作製した。
【0038】
本実施例において作製したTFTの劣化を評価した。TFTの作製方法はゲイト絶縁膜の作製方法(第1〜第3のいずれか)およびゲイト絶縁膜の加熱処理方法(NH雰囲気/紫外光照射あり/500℃/3時間(以上の条件を「NH雰囲気」と記す)、もしくは、N雰囲気/紫外光照射なし/500℃/3時間(以上の条件を「N雰囲気」と記す)のいずれか)を下表のように変更した以外は全て同じとした。また、得られたTFTはドレイン電圧を+14Vに固定し、ゲイト電圧を−17V〜+17Vまで変動させて、ドレイン電流を測定した。この測定を10回測定し、最初に測定して得られた電界効果移動度μと10回目に測定して得られた電界効果移動度μ10を比較し、1−(μ10/μ)を劣化率と定義した。その結果を、下表に示す。(劣化率の負号は移動度の上昇したことを意味する)
【0039】
試料名 ゲイト絶縁膜成膜法 加熱処理法 劣化率
A−1 第1(TEOSのプラズマCVD) NH雰囲気 4.3%
A−2 第1(TEOSのプラズマCVD) N雰囲気 50.6%
B−1 第2(スパッタ法) NH雰囲気 −0.8%
B−2 第2(スパッタ法) N雰囲気 12.5%
C−1 第3(ECR−CVD法) NH雰囲気 1.2%
C−2 第3(ECR−CVD法) N雰囲気 21.6%
【0040】
このように、いずれの試料においても本発明のNH雰囲気において、加熱処理をおこなう際に紫外光を照射することによって劣化率が著しく低下したことが明らかとなった。また、同様の実験より、NH雰囲気において、加熱処理をおこなう際に紫外光を照射しなければ、劣化率に対して改善が見られないことも明らかになった。
【0041】
本実施例において作製したTFTは、ゲイト絶縁膜にPVD法やCVD法によって作製した酸化珪素膜を用いているのにもかかわらず、耐久性がよく劣化の少ないものが得られ、かつ、特性の優れたものが得られた。これは、本発明によるNH雰囲気において紫外光照射併用の加熱処理を施したことによって、不対結合手やSi−H、Si−OH結合が窒化されて、酸化珪素膜中の窒素が増加したことによるものである。
【0042】
〔実施例2〕
本実施例は、TEOSを原料としてプラズマCVD法によって、珪素膜上に形成された酸化珪素膜を、図2に示す加熱処理装置を用いて、加熱処理をおこなった例である。本実施例で用いた酸化珪素膜は実施例の酸化珪素膜705(図7(B)参照)の第1の方法によって形成した。
図2に示すように、本実施例に用いた加熱処理装置は、実施例1に示した枚葉式のチャンバーとは異なり、加熱処理をおこなうためのチャンバーのみから構成されていて、一度に複数枚の基板を処理することができるバッチ式の構造になっている。
【0043】
本実施例のチャンバー201は、円柱状になっており、内壁にそって基板203を設置できるようになっている。なお、基板203はチャンバー201の周囲に設けられたヒーター202によって加熱されるようになっている。さらに、すべての基板に等しく紫外光が照射されるように、チャンバー201内の中央部に紫外光源204が設けられてある。本実施例において紫外光源として、低圧水銀ランプ(中心波長246nm、および185nm)を使用した。
【0044】
また、チャンバーには、排気をおこなうための排気系206とガスを導入するためのガス導入系205が設けられている。
本処理装置を用いた処理例について説明する。基板203をチャンバー201の内壁にそって、紫外光源204を取り囲むようにしてセットした。そして、チャンバー201内にガス導入系よりNを導入して、チャンバー内をNに置換した。このとき、排気系206から排気して、チャンバー内が常に一定の圧力を保つようにした。
【0045】
次に、チャンバー内がNに置換されたら、ヒーターを加熱して、紫外照射をおこなった。この際、加熱温度は300〜700℃、例えば500℃とした。
所定の温度に基板が加熱されたら、NをNで置換して、紫外光を照射した。このとき、処理時間は30分〜6時間、例えば4時間とした。
以上の処理をおこなった酸化珪素膜を2次イオン質量分析法(SIMS)によって、分析したところ、初期の酸化珪素膜に含まれていた窒素濃度よりも窒素が増加し、特に、珪素膜との界面において窒素の集積が観察された。
【0046】
〔実施例3〕
本実施例は、ターゲットとして合成石英を用い、酸素100%雰囲気における、スパッタ法によって珪素膜上に形成された酸化珪素膜を、図3に示す加熱処理装置を用いて、加熱処理をおこなった例である。本実施例で用いた酸化珪素膜は実施例の酸化珪素膜705(図7(B)参照)の第2の方法によって形成した。
【0047】
図3に示すように、本実施例に用いた加熱処理装置は、加熱処理をおこなうためのチャンバー301と、処理前の基板を保管してある予備室302と、処理後の基板を保管する予備室303と、搬送機306、307を備えた前室304、305から構成されており、基板308、309はこれらのチャンバー間を搬送機306、307によって移送される。なお、本実施例においては、加熱処理をおこなうためのチャンバーは、コンベアーによって一度に複数枚の基板が移動して加熱処理がおこなえるバッチ式になっている。
【0048】
図4(A)、(B)にチャンバー301内部の構造を示す。チャンバー301には、基板を移動しながら加熱処理がおこなえるように耐熱性のメタルで構成されているコンベアー401が設けられている。また、コンベアー401の下部には、基板402を加熱するためのヒーター406、407、408が設けられている。なお、ヒーターは基板の温度を上昇させる部分406と、一定温度で加熱する部分407と、冷却する部分408との3つの異なるゾーンから構成されている。さらに、一定温度で加熱する部分のコンベアーの上部には、紫外光源409が設けられてある。本実施例において紫外光源として、低圧水銀ランプ(中心波長246nm、および185nm)を使用した。
【0049】
また、チャンバー301には、排気をおこなうための排気系412、413とガスを導入するためのガス導入系409、410、411が設けられている。本実施例において、基板を昇温および冷却させる部分403、405においてはN雰囲気中となっており、また、紫外光を照射しながら、一定温度で加熱する部分404においてはNH雰囲気中となっているため、各部分それぞれにガス導入系が設けられてある。なお、各ゾーンの境界付近には導入されたガスを排気するための排気系412、413が設けられている。この境界部分に排気系412、413が設けられていることによって、各ゾーンでのガスの混合を防いでいる。
【0050】
次に作業工程を示す。まず、未処理の基板を複数枚カセットにセットして、予備室302にセットした。ここで本実施例においては、未処理の基板をセットするための予備室、および、処理された基板をセットするための予備室がそれぞれ2室づつあるが、これは流れ作業をおこなう際に、装置を停止することなく基板を交換できるようにして、作業の効率を高めるためである。この後、基板は搬送機306によって前室304に移送され、さらに、加熱処理用のチャンバー301に移送されてコンベアー401に設置された。このとき、コンベアー401上には基板402が2枚並んで設置されるようになっている。
【0051】
そして、加熱工程に移るが、コンベアー401上における温度勾配を図4(C)に示す。まず加熱ゾーン403において、基板は5〜30℃/min、例えば、10℃/minの割合で加熱される。このとき、ガス導入系409からはNが導入されていてN雰囲気中において加熱がおこなわれた。
【0052】
その後、基板は一定温度で加熱されるゾーン404に移動した。ここでは、コンベアー上に設けられた紫外光源より紫外光が照射されながら加熱処理がおこなわれた。加熱温度は500〜600℃、例えば、550℃とした。この際、ガス導入系410からはNHが導入されてNH雰囲気になっていた。なお、ゾーン404においては一度に20枚の基板が処理できるようになっている。また、1枚の基板がこのゾーンを通過するのに要する時間、つまり、1枚の基板が加熱処理されるのに要する時間は、30分〜6時間、例えば3時間とした。
【0053】
このような加熱処理をおこなった後、冷却ゾーン405によって250℃まで冷却される。このときの冷却速度は、加熱時と同じく5〜30℃/min、例えば、10℃/minとした。なお、このときガス導入系411よりNを導入してN雰囲気とした。
その後、処理された基板は搬送系307によって前室305に移送され、その後、処理後の基板を設置する予備室303内のカセットにセットされ、基板の処理工程が終了した。
【0054】
このようにして、紫外光照射を併用したNH雰囲気中での加熱処理がおこなわれたが、実施例1に示した装置においては1枚の基板を処理するのに、4時間程度要していたが、本実施例に示す装置を用いることによって、10数分となり生産性が向上した。
以上のようにして本発明の加熱処理がなされた。2次イオン質量分析法(SIMS)による分析の結果、紫外光併用の加熱処理をおこなった結果、酸化珪素膜中、特に、珪素膜との界面において窒素の量が増加したことが観察された。これは、NH雰囲気中で900℃の加熱処理をおこなったときと同様であった。
【0055】
〔実施例4〕
本実施例は、原料ガスとしてモノシラン(SiH)と酸素を用いたECR−CVD法によって珪素膜上に形成された酸化珪素膜を、図5に示す加熱処理装置を用いて、加熱処理をおこなった例である。本実施例で用いた酸化珪素膜は実施例の酸化珪素膜705(図7(B)参照)の第3の方法によって形成した。
【0056】
図5に示すように、本実施例に用いた加熱処理装置は、加熱処理をおこなうためのチャンバー501と、処理前の基板を保管してある予備室502と、処理後の基板を保管する予備室503と、搬送機505を備えた前室504から構成されており、基板506はこれらのチャンバー間を搬送機505によって移送される。なお、本実施例においては、チャンバー501は、コンベアーによって一度に複数枚の基板が移動して加熱処理がおこなえるバッチ式になっている。
【0057】
図6(A)、(B)にチャンバー501内部の構造を示す。チャンバー501には、基板602を設置するための耐熱性のメタルで構成されているコンベアー601が設けられている。また、コンベアー601の下部には、基板を加熱するためのヒーター603が設けられている。さらに、コンベアー601の上部には、紫外光源604が設けられてある。本実施例において紫外光源として、低圧水銀ランプ(中心波長246nm、および185nm)を使用した。
【0058】
また、チャンバー501には、基板を昇温および冷却させるときはN雰囲気、一定温度で加熱するときにおいてはN雰囲気とするため、ガス導入系605が設けられてある。さらに、導入されたガスを排気するための排気系606が設けられている。また、基板に紫外光を照射するための光源605が設けられている。
【0059】
次に処理工程について説明する。未処理の基板を複数枚カセットにセットして、予備室502にセットした。そして、基板は搬送機505によって前室504に移送され、さらに、加熱処理用のチャンバー501に移送されてコンベアー601に設置された。このとき、基板602はコンベアー601上を送られ、横に2枚づつ並び、計20枚設置された段階で停止するようになっている。
加熱処理中の時間による温度変化の様子を図6(C)に示す。昇温時は、基板は5〜30℃/min、例えば、10℃/minの割合で加熱された。このとき、ガス導入系605よりNが導入されて、N雰囲気中において加熱がおこなわれた。
【0060】
その後、加熱処理をおこなう温度に達すると、コンベアー601上に設けられた紫外光源604より紫外光が照射された。加熱温度は500〜600℃、例えば、550℃で加熱をおこなった。この際、温度が加熱処理をおこなう温度に達する直前にガス導入系605よりNを導入して、加熱処理をおこなう温度に達したときには完全にN雰囲気において加熱処理がおこなわれるようになっていてもよい。このとき、加熱処理時間は、30分〜6時間、例えば4時間とした。
【0061】
このような加熱処理をおこなった後、250℃まで冷却された。このときの冷却速度は、加熱時と同じく5〜30℃/min、例えば、10℃/minとした。なお、このときガス導入系605よりNを導入して、N雰囲気においておこなった。
その後、処理された基板は搬送機505によって前室504に移送され、その後、処理後の基板を設置する予備室503内のカセットにセットされ、基板の処理工程が終了した。
【0062】
以上のようにして本発明の加熱処理がなされた。上記の処理により、N雰囲気中、900℃の加熱処理をおこなったときに得られたものと同程度の量の窒素が酸化珪素膜に含有されていることが2次イオン質量分析法(SIMS)によって確認された。
【0063】
〔実施例5〕
本実施例は、モノシラン(SiH)と酸素ガス(O)を原料とする減圧CVD法によって、珪素膜上に形成された酸化珪素膜を、図5に示す加熱処理装置を用いて、加熱処理をおこなった例である。本実施例で用いた酸化珪素膜の成膜条件としては、基板温度を300〜500℃、チャンバー内の圧力を0.1〜10torr、例えば400℃、1.5torrとした。
【0064】
まず、未処理の基板を複数枚カセットにセットして、予備室502にセットした。そして、基板は搬送機505によって前室504に移送され、さらに、加熱処理用のチャンバー501に移送されてコンベアー601に設置された。
加熱処理中の時間による温度変化の様子を図6(C)に示す。昇温時は、基板は5〜30℃/min、例えば、10℃/minの割合で加熱された。このとき、ガス導入系605よりNが導入されて、N雰囲気中において加熱がおこなわれた。
【0065】
その後、加熱処理をおこなう温度に達すると、コンベアー601上に設けられた紫外光源604より紫外光(中心波長246nm、185nm)が照射された。加熱温度は500〜600℃、例えば、550℃で加熱をおこなった。この際、温度が加熱処理をおこなう温度に達する直前にガス導入系605よりNを導入して、加熱処理をおこなう温度に達したときには完全にN雰囲気において加熱処理がおこなわれるようになっていてもよい。このとき、加熱処理時間は、30分〜6時間、例えば3時間とした。
【0066】
このような加熱処理をおこなった後、250℃まで冷却された。このときの冷却速度は、加熱時と同じく5〜30℃/min、例えば、10℃/minとした。なお、このときガス導入系605よりNを導入して、N雰囲気においておこなった。
その後、処理された基板は搬送機505によって前室504に移送され、その後、処理後の基板を設置する予備室503内のカセットにセットされ、基板の処理工程が終了した。
【0067】
以上のようにして本発明の加熱処理がなされた。上記の処理により、N雰囲気中、900℃の加熱処理をおこなったときに得られたものと同程度の量の窒素が酸化珪素膜に含有されていることが2次イオン質量分析法(SIMS)によって確認された。
【0068】
【発明の効果】
本発明のように、PVD法もしくはCVD法によって形成された酸化珪素膜を、NHまたはN雰囲気中において、紫外光照射しながら、300〜700℃、好ましくは500〜600℃程度の低温での加熱処理を施すことによって、酸化珪素膜中、特に、酸化珪素と珪素の界面における窒素濃度を増大せしめることができた。
【0069】
実施例では、TEOSを原料とするプラズマCVD法、ターゲットとして合成石英を用い、酸素100%雰囲気におけるスパッタ法、原料ガスとしてモノシラン(SiH)と酸素を用いたECR−CVD法および減圧CVD法による酸化珪素膜について述べたが、他のPVD法やCVD法を用いて形成された酸化珪素膜においても不対結合手や多量の水素が含有されており、本発明を実施することにより、不対結合手を低減させ、窒素の濃度を増大させることによって、ゲイト絶縁膜として好ましい酸化珪素膜に改質できる効果が得られることは明らかであろう。
このように、本発明によって処理した酸化珪素膜をゲイト絶縁膜として用いることによって、劣化しにくく、特性の優れたTFTを作製することができ、本発明は工業上有益な発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1による加熱処理装置を示す。
【図2】実施例2による加熱処理装置を示す。
【図3】実施例3による加熱処理装置を示す。
【図4】実施例3による加熱処理装置のチャンバー内部および加熱時の温度勾配を示す。
【図5】実施例4、5による加熱処理装置を示す。
【図6】実施例4、5による加熱処理装置のチャンバー内部および加熱時の温度勾配を示す。
【図7】実施例1のTFTの作製工程を示す。
【符号の説明】
101・・・・・・加熱処理用チャンバー
102、103・・予備室
104・・・・・・基板ホルダー
105・・・・・・基板
106・・・・・・UV光源
107・・・・・・ガス導入系
108・・・・・・排気系
109・・・・・・前室
110・・・・・・搬送機

Claims (13)

  1. 結晶性を有する珪素膜に接してCVD法またはPVD法によって酸化珪素膜を形成し、
    窒素雰囲気において、前記酸化珪素膜に紫外光を照射しながら前記酸化珪素膜を加熱した後、前記加熱の温度を保ちながら前記窒素雰囲気を窒化水素雰囲気に置換し、
    前記窒化水素雰囲気において、前記加熱の温度を保ちながら前記酸化珪素膜に紫外光を照射することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  2. 絶縁表面を有する基板上に非晶質珪素膜を形成し、
    前記非晶質珪素膜を加熱して結晶性を有する珪素膜を形成し、
    前記結晶性を有する珪素膜に接してCVD法またはPVD法によって酸化珪素膜を形成し、
    窒素雰囲気において、前記酸化珪素膜に紫外光を照射しながら前記酸化珪素膜を加熱した後、前記加熱の温度を保ちながら前記窒素雰囲気を窒化水素雰囲気に置換し、
    前記窒化水素雰囲気において、前記加熱の温度を保ちながら前記酸化珪素膜に紫外光を照射することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  3. 請求項において、前記加熱する前に前記非晶質珪素膜にニッケルを添加することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  4. 請求項1乃至のいずれか一において、前記窒化水素はアンモニアであることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  5. 請求項1乃至のいずれか一において、前記窒化水素はヒドラジンであることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  6. 請求項1乃至のいずれか一において、前記酸化珪素膜を300℃以上700℃以下に加熱することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  7. 請求項1乃至のいずれか一において、前記酸化珪素膜を500℃以上600℃以下に加熱することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  8. 請求項1乃至のいずれか一において、モノシランと酸素とを原料ガスとして減圧CVD法により前記酸化珪素膜を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  9. 請求項1乃至のいずれか一において、TEOSを原料ガスとしてプラズマCVD法により前記酸化珪素膜を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  10. 請求項1乃至のいずれか一において、前記PVD法はスパッタ法であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  11. 請求項1乃至のいずれか一において、モノシランと酸素とを原料ガスとしてECR−CVD法により前記酸化珪素膜を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  12. 請求項1乃至11のいずれか一において、前記結晶性を有する珪素膜をガラス基板上に形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  13. 請求項1乃至請求項12のいずれか一において、前記窒化水素雰囲気において前記加熱の温度を保ちながら前記酸化珪素膜に紫外光を照射した後、前記酸化珪素膜上にゲイト電極を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
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