JP3564905B2 - 表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は表示装置に関し、特に、液晶とフィルムの複合多層膜を用いた液晶装置および、この液晶装置により反射/透過を制御する表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、反射型液晶表示装置は、微少電力で動作する表示装置として、ウォッチ、電卓、セルラー、小型携帯機器、各種家庭電器製品等の情報伝達媒体として大きな発展、普及を遂げてきた。表示モードもTN(ツイスティド・ネマチック)型、STN(スーパーツイスティド・ネマチック)型、強誘電型等、多種発明されてきた。しかし、これらは全て偏光板を使用するものであり、現実的には、液晶素子への入射光の約60%は該偏光板により、吸収されてしまうため暗い画面となり、理想的な反射型表示、例えば白色背景に黒表示といった見易さからは遠いものであった。
【0003】
特に反射型カラー液晶表示装置では、偏光板とカラーフィルター双方による光吸収のため、最大でも表示装置に入射する入射外光の10%以下の光を反射して表示することになり、非常に暗く、印刷物表示のような、明るい鮮やかなカラー表示には、遠く及ばないものであった。
【0004】
最近、上述した欠点を解決し、偏光板を使わず明るいカラーディスプレイを実現する方法として、従来例1(特開平6−294952号公報)が提案され、注目されている。この提案では、液晶材料と光硬化性樹脂からなる高分子材料とを混合したものを、一対の基板間に挿入し、上、下2方向よりレーザー光を照射し、該2本のレーザー光の干渉パターンにより、液晶と高分子材料の混合層中に光の強弱縞を得る。そして、この強弱縞パターンに応じ、層状に高分子光硬化樹脂を光硬化させ、高分子光硬化性樹脂層/液晶層/高分子光硬化性樹脂層/液晶層/・・・の多層膜を実現し、複合多層膜干渉反射の原理に従い、特定波長域の光を干渉反射させる。そして上記一対の基板内面の電極により多層膜に電圧を印加すると液晶層に於いては、液晶分子の分子軸方向が変わり、それに伴い、液晶層の屈折率も変化する。従って、上記干渉反射の条件から外れ、反射光強度も変わる。このようにして電圧による光変調が可能となり、表示装置として機能する。上述した表示装置では、偏光板を全く用いないため、明るい色を出す事ができるとともに、照射レーザー光の波長、又は照射角度を変える事により、干渉ピッチを自由に選択でき、光の干渉ピッチを自由に選択できるため、任意の色の表示色を実現でき、特に反射型カラー表示装置としては、従来のTN型、STN型の反射型カラー表示装置に比べ優れたものであった。
【0005】
しかし、上述した表示装置の欠点として、例えば従来例2(ASIA DISPLAY ’95 P603〜606)に示されるように、2本のレーザー光の干渉により、光硬化性樹脂の層を作るため、その干渉ピッチは極めて精度の高いものとなり、干渉反射光の波長幅が非常に狭く、従って色は鮮やかであるが、反射型表示としては明るさに欠けるものであった。通常、反射型表示の背景色としては、白色が最も望ましく、このためには可視光の広い波長域にわたって、干渉反射の条件を充たすようにする必要があるが、上記従来例1、2では、その構造から、層の上下で干渉ピッチを連続的に変える事は、極めて困難で、明るい白色表示を得る事に問題があった。第2の問題としては、光硬化樹脂と液晶層との境界面は、干渉反射の強度を上げるためにフラット(平面的)が望ましいが、従来例2に示されるように細かい凹凸を持った形で接している。従って、全ての入射光が干渉反射をおこすという事ではなく、一部の光が透過してしまい、より明るい反射型表示装置を実現する上で問題となっていた。
【0006】
次にもう一つの従来例として従来例3(特開平4−178623号公報)が、やはり偏光板を使わず、干渉反射を利用した明るい反射型カラー表示装置の例として挙げられる。本従来例に於いては、液晶層とSiO層を重ね合わせ、各層の厚みと屈折率とを、干渉反射の条件に適合するように設定し、特定波長の選択反射を生じさせる。ここに上下電極間に電圧を印加すると、前述と同様に液晶層の屈折率が変わり、上記干渉反射条件から離脱して、反射光強度が変わるため、表示機能が具現化できるものである。本従来例の問題点は、まず、干渉反射をおこさせる層がSiO膜/液晶層/SiO膜のわずか3層からなり、これでは充分な干渉反射光強度が得られず、ほとんどの入射光が透過して、下部の光吸収層に吸収されてしまうため、充分な明るさをもった反射型表示装置は実現できない。反射光強度を上げるには、SiO膜/液晶層/SiO膜膜/液晶層/SiO膜・・・と少なくとも10層以上の複合多層膜が好ましいが、本従来例では、その複合多層膜の形成は極めて困難である。つまり液晶層の上に、直接SiO膜を形成する事ができず、本従来例にも図示されている通り、一旦スペーサー層を全面に形成し、その上にS膜を形成した後、該スペーサーを周辺部のみを残して、それ以外の部分をエッチング除去し、その除去された空泡部に液晶を注入し、液晶層を形成している。これらは液晶層の上に、直接S膜を形成する事ができない理由から生ずる困難さで、この構造で10層以上の複合多層膜を製造する事は現実的でない事は明らかである。更に本従来例では、オーバーエッチング除去された空泡部に液晶を注入しているため、液晶分子軸方向を揃えるための配向処理ができず、注入された液晶の分子軸方向は、バラバラのドメイン状になっていると考えられる。通常、干渉反射光の強度を上げるためには、液晶層の厚みと屈折率を精度よくコントロールする事が重要であり、本従来例では上述した様に、屈折率の精密なコントロールが困難で、充分な干渉反射光の強度が得られず、均一で明るい反射型の表示装置の実現には問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、従来の技術においては、反射型液晶表示装置として、可視光波長域の広い波長帯で干渉反射の条件を充たすことが困難な事、そして、全ての入射光が干渉反射をおこすという事ではなく、一部の光が透過してしまい、より明るい反射型表示装置を実現する上で問題があり、また、屈折率の精密なコントロールが困難で、充分な干渉反射光の強度が得られず、均一で明るい反射型の表示装置の実現には問題があった。
【0008】
本発明は上述の課題を解決するためになされたもので、反射光強度の高い均一で明るい表示装置、更には背景が白色で黒色表示となるモノクロ表示、またはコントラストの高いカラー表示が可能なより見易い表示装置を実現可能な表示装置を提供する事を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1によれば、
フィルムと液晶層とが交互に積層された複合多層膜を備え、前記複合多層膜に電圧を印加して前記複合多層膜における光反射率を制御する表示装置であって、前記液晶層に使用される液晶の所定の波長(λ )の光に対する長軸方向の屈折率nLC1(λn) および短軸方向の屈折率nLC2(λn) と、前記フィルムの前記所定の波長(λ )の光に対する前記フィルム面内の互いに直交するX軸方向とY軸方向のそれぞれの屈折率nF1(λn)およびnF2(λn)とを、
前記複合多層膜の前記フィルムと液晶層のうちの少なくとも隣り合う一組のフィルムと液晶層との間において、
下記〔1〕および〔2〕の条件
【0010】
【数25】
Figure 0003564905
【0011】
を満たすようにしたことを特徴とする表示装置が提供される。
【0012】
この請求項1の表示装置においては、〔1〕および〔2〕の条件を満たす場合に、所定の波長(λ )の光のX軸方向成分の光およびY軸方向成分の光に対して共に透過状態となる。なお、反射はフィルムと液晶層との間で屈折率が異なれば生じ、また、液晶は一般に印加電圧を変えると屈折率が変わるから、反射状態は電圧の印加状態を変えることによって生じさせることができ、電圧による光変調が可能である。
【0013】
また、請求項2によれば、
前記nF1(λn)と、nLC2(λn) と、前記液晶層の厚みdLCと、前記フィルムの厚みd とを、前記少なくとも隣り合う一組のフィルムと液晶層との間において、下記〔3〕および〔4〕の条件
【0014】
【数26】
Figure 0003564905
【0015】
の少なくとも一方の条件を満たすようにしたことを特徴とする請求項1記載の表示装置が提供される。
【0016】
この請求項2の表示装置においては、〔3〕の条件を満たす場合に所定の波長(λ )の光のX軸方向成分の光に対してフィルムによる反射が強くなり、〔4〕の条件を満たす場合に所定の波長(λ )の光のX軸方向成分の光に対して液晶層による反射が強くなる。なお、前記所定の波長(λ )の光のY軸方向成分の光に対しては条件〔2〕より透過状態となる。
【0017】
また、請求項3によれば、
前記液晶層に使用される液晶分子の長軸が、電圧無印加時に、少なくとも前記フィルム近傍において前記フィルムに対しほぼ水平方向に配向(ホモジニヤス配向)しかつ前記X軸方向に配向するようにし、
前記複合多層膜が電圧無印加時に光透過状態となり電圧印加時に光反射状態となるようにしたことを特徴とする請求項1または2記載の表示装置が提供される。
【0018】
この請求項3の表示装置においては、電圧無印加時に所定の波長(λ )の光のX軸方向成分の光およびY軸方向成分の光に対して共に光透過状態となり、電圧印加時に所定の波長(λ )の光のX軸方向成分の光に対して反射が強くなり、Y軸方向成分の光に対しては透過状態となる。また、液晶層には誘電率異方性(Δε)が正(Δε>0)のものが好ましく使用される。
【0019】
また、請求項4によれば、
前記nLC1(λn) 、nLC2(λn) 、nF1(λn)およびnF2(λn)を、前記少なくとも隣り合う一組のフィルムと液晶層との間において、下記〔5〕および〔6〕の条件
【0020】
【数27】
Figure 0003564905
【0021】
を満たすようにしたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の表示装置が提供される。
【0022】
この請求項4の表示装置は、液晶が電圧無印加時にフィルムに対してプレチルト角をほとんど有さないで配向している場合に、電圧無印加時に所定の波長(λ )の光のX軸方向成分の光およびY軸方向成分の光に対して共に高い透過率を与える。
【0023】
また、請求項5によれば、
前記液晶が電圧無印加時に前記フィルムに対してプレチルト角をほとんど有さないで配向していることを特徴とする請求項3または4記載の表示装置が提供される。
【0024】
また、請求項6によれば、
前記nLC1(λn) およびnF1(λn)を、前記少なくとも隣り合う一組のフィルムと液晶層との間において、下記〔7〕の条件
【0025】
【数28】
Figure 0003564905
【0026】
を満たすようにしたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の表示装置が提供される。
【0027】
液晶が電圧無印加時にフィルムに対して所定のプレチルト角をもって配向している場合には、液晶層のX軸方向の屈折率は液晶の長軸方向の屈折率nLC1(λn)よりも小さくなる。そこで、条件〔7〕の範囲内において、プレチルト角に応じてnLC1(λn) とnF1(λn)とを適切に設定することにより、好ましくはnF1(λn)を電圧無印加時における液晶層の所定の波長(λ )の光に対するX軸方向の平均的な屈折率とほぼ等しくすることにより、所定の波長(λ )の光のうちX軸方向成分の光を前記少なくとも隣り合う一組のフィルムと液晶層とを十分に透過するようにすることができる。従って、この請求項6の表示装置は、液晶がプレチルト角をもって配向している場合に電圧無印加時に所定の波長(λ )の光のX軸方向成分の光に対して高い透過率を与える。なお、Y軸方向成分の光に対しては条件〔2〕より高い透過率が得られる。
【0028】
また、請求項7によれば、
前記液晶が電圧無印加時に前記フィルムに対して所定のプレチルト角、好ましくは1度から40度、をもって配向していることを特徴とする請求項3または6記載の表示装置が提供される。
【0029】
また、請求項8によれば、
前記nF1(λn)を、電圧無印加時における前記液晶層の前記所定の波長(λ )の光に対する前記X軸方向の平均的な屈折率とほぼ等しくし、且つ前記nF2(λn)を、電圧無印加時における前記液晶層の前記所定の波長(λ )の光に対する前記Y軸方向の平均的な屈折率とほぼ等しくしたことを特徴とする請求項3乃至7のいずれかに記載の表示装置が提供される。
【0030】
このようにすれば、電圧無印加時において、所定の波長(λ )の光のX軸方向成分の光およびY軸方向成分の光に対して共に高い透過率が得られる。
【0031】
また、請求項9によれば、
前記nF1(λn)と、nLC1(λn)と、nLC2(λn)と、前記液晶層の厚みdLCと、前記フィルムの厚みd とを、前記少なくとも隣り合う一組のフィルムと液晶層との間において、下記〔8〕および〔9〕の条件
【0032】
【数29】
Figure 0003564905
【0033】
の少なくとも一方の条件を満たすようにしたことを特徴とする請求項3乃至8のいずれかに記載の表示装置が提供される。
【0034】
この請求項9の表示装置においては、〔8〕の条件を満たす場合に所定の波長(λ )の光のX軸方向成分の光に対してフィルムによる反射が強くなる。また、電圧印加時には、液晶分子が完全にフィルムに対して垂直にならない場合が多いが、条件〔9〕の範囲内において、印加電圧に応じてnLC2(λn) とdLCとを適切に設定することにより、所定の波長(λ )の光のX軸方向成分の光に対する液晶層による反射を強くすることができる。なお、前記所定の波長(λ )の光のY軸方向成分の光に対しては条件〔2〕より透過状態となる。
【0035】
また、請求項10によれば、
前記液晶層に使用される液晶分子の長軸が、電圧無印加時に、少なくとも前記液晶層の前記積層方向での中央部付近において、前記フィルムに対しほぼ垂直方向に配向(ホメオトロピック配向)するようにし、
前記複合多層膜が電圧印加時に光透過状態となり電圧無印加時に光反射状態となるようにしたことを特徴とする請求項1または2記載の表示装置が提供される。
【0036】
この請求項10の表示装置においては、電圧印加時に所定の波長(λ )の光のX軸方向成分の光およびY方向成分の光に対して共に光透過状態となり、電圧無印加時に所定の波長(λ )の光のX軸方向成分の光に対して反射が強くなり、Y軸方向成分の光に対しては透過状態となる。また、液晶層には誘電率異方性(Δε)が負(Δε<0)のものが好ましく使用される。
【0037】
また、請求項11によれば、
前記nLC1(λn) 、nLC2(λn) およびnF1(λn)を、前記少なくとも隣り合う一組のフィルムと液晶層との間において、下記〔10〕の条件
【0038】
【数30】
Figure 0003564905
【0039】
を満たすようにしたことを特徴とする請求項10記載の表示装置が提供される。
【0040】
請求項10の表示装置においては、電圧印加時に所定の波長(λ )の光のX軸方向成分の光に対して光透過状態となるが、電圧印加時には液晶分子が完全にフィルムに対して水平にならない場合が多い。そこで、請求項11のように、条件〔10〕の範囲内において、印加電圧に応じてnLC1(λn) とnF1(λn)とを適切に設定することにより、好ましくはnF1(λn)を電圧印加時における液晶層の所定の波長(λ )の光に対するX軸方向の平均的な屈折率とほぼ等しくすることにより、所定の波長(λ )の光のうちX軸方向成分の光を電圧印加時に前記少なくとも隣り合う一組のフィルムと液晶層とを十分に透過するようにすることができる。なお、前記所定の波長(λ )の光のY軸方向成分の光に対しては条件〔2〕より透過状態となる。
【0041】
また、請求項12によれば、
前記nF1(λn)を、電圧印加時における前記液晶層の前記所定の波長(λ )の光に対する前記X軸方向の平均的な屈折率とほぼ等しくしたことを特徴とする請求項10または11記載の表示装置が提供される。
【0042】
また、請求項13によれば、
前記nF1(λn)と、nLC2(λn)と、前記液晶層の厚みdLCと、前記フィルムの厚みd とを、前記少なくとも隣り合う一組のフィルムと液晶層との間において、下記〔11〕および〔12〕の条件
【0043】
【数31】
Figure 0003564905
【0044】
の少なくとも一方の条件を満たすようにしたことを特徴とする請求項10乃至12のいずれかに記載の表示装置が提供される。
【0045】
この請求項13の表示装置においては、〔11〕の条件を満たす場合に所定の波長(λ )の光のX軸方向成分の光に対してフィルムによる反射が強くなり、〔12〕の条件を満たす場合に所定の波長(λ )の光のX軸方向成分の光に対して液晶層による反射が強くなる。なお、前記所定の波長(λ )の光のY軸方向成分の光に対しては条件〔2〕より透過状態となる。この表示装置は、液晶層に使用される液晶分子の長軸が、電圧無印加時に、フィルム近傍において、フィルムに対してほぼ垂直方向に配向している場合に、所定の波長(λ )の光のX軸方向成分の光に対してフィルムおよび液晶層の少なくとも一方による反射が強くなる。
【0046】
また、請求項14によれば、
前記液晶層に使用される液晶分子の長軸が、電圧無印加時に、前記フィルム近傍において、前記フィルムに対してほぼ垂直方向に配向していることを特徴とする請求項10乃至13のいずれかに記載の表示装置が提供される。
【0047】
また、請求項15によれば、
前記nLC2(λn) およびdLCを、前記少なくとも隣り合う一組のフィルムと液晶層との間において、下記〔13〕および〔14〕の条件
【0048】
【数32】
Figure 0003564905
【0049】
を満たすようにしたことを特徴とする請求項10乃至12のいずれかに記載の表示装置が提供される。
【0050】
この請求項15の表示装置においては、〔13〕の条件を満たす場合に所定の波長(λ )の光のX軸方向成分の光に対してフィルムによる反射が強くなる。また、液晶層に使用される液晶分子の長軸が、電圧無印加時に、フィルム近傍において、フィルムに対して垂直方向から所定の角度傾いて配向している場合には、液晶層のX軸方向の屈折率は液晶の短軸方向の屈折率nLC2(λn) よりも大きくなる。そこで、条件〔14〕の範囲内において、電圧無印加時における液晶分子の垂直方向からの傾きに応じてnLC2(λn) とdLCとを適切に設定することにより、所定の波長(λ )の光のうちX軸方向成分の光に対する液晶層による電圧無印加時の反射を強くすることができる。なお、前記所定の波長(λ )の光のY軸方向成分の光に対しては条件〔2〕より透過状態となる。
【0051】
また、請求項16によれば、
前記液晶層に使用される液晶分子の長軸が、電圧無印加時に、前記フィルム近傍において、前記フィルムに対して垂直方向から所定の角度、好ましくは1度から40度、傾いて配向していることを特徴とする請求項10、11、12または15記載の表示装置が提供される。
【0135】
また、本発明において、上記各請求項記載の発明は、好ましくは、前記複合多層膜または前記積層された複数の複合多層膜が一対の基板間に挟持される。
【0136】
そして、好ましくは、前記一対の基板の一方の外側に光散乱手段を配置し、前記一対の基板の他方の外側に光吸収手段を具備する。
【0137】
前記液晶層は、好ましくは、ネマチック液晶、もしくはスメクチック液晶、もしくはネマチック液晶、もしくはネマチック型高分子液晶、もしくはスメクチック型高分子液晶、もしくはそれらの混合物からなる。
【0138】
また、前記液晶層はディスコティック液晶、もしくはディスコティック液晶とネマチック液晶との混合物からなることも好ましい。
【0139】
また、前記液晶層はネマチック液晶分子からなり、且つ該液晶分子の長軸は
、電圧無印加時に前記基板又は前記フィルムに対しほぼ水平方向に配列させてなるようにすることができる。
【0140】
また、前記液晶層はネマチック液晶分子からなり、且つ該液晶分子の長軸は
、電圧無印加時に前記基板又は前記フィルムに対しほぼ垂直方向に配列させてなるようにしてもよい。
【0141】
また、前記光吸収手段は、前記複合多層膜を透過する任意の波長帯域もしくは可視光領域の波長帯域の光を吸収するようにすることが好ましい。
【0142】
また、前記積層された複数の複合多層膜を一対の基板間に挟持する場合には、好ましくは、前記1対の基板の内面または外面に電極をそれぞれ設け、前記積層された複数の複合多層膜間の所定の部分に、少なくとも片面、好ましくは両面に電極を有する中間層を一層もしくは複数層介在させ、前記一対の基板の一方の外側に光散乱手段、前記一対の基板の他方の外側に光吸収手段を配置する。
【0143】
また、好ましくは、前記各複合多層膜毎に独立に電圧印加する電極を配置する。
【0144】
また、好ましくは、前記液晶層はネマチック液晶分子からなり、前記表示装置は、該ネマチック液晶分子の略長軸方向もしくは該長軸方向と略直交する方向の偏光成分の光を反射するように設定された複合多層膜を少なくとも含む。
【0145】
また、好ましくは、前記フィルムは光学的に略一軸性を持ったフィルム、又は延伸させたフィルムである。
【0146】
また、好ましくは、前記積層された複合多層膜を2つのブロックに分割し、第1のブロックの液晶層の液晶分子長軸方向と第2のブロックの液晶層の液晶分子長軸方向とをほぼ直交させる。
【0147】
この場合に、好ましくは、前記第1及び第2のブロックに独立に電圧印加する電極を配置する。
【0148】
また、好ましくは、前記フィルム面の少なくとも一面に前記液晶層の材料を塗布し、前記液晶材料が塗布されたフィルムを、複数層ローラーで重ね合わせ、一体化させて前記複合多層膜を形成する。
【0149】
そして、好ましくは、前記ローラーで重ね合わせる際に、定められた温度に加熱して、前記液晶層の粘度を下げた状態で、一体化させる。
【0150】
また、前記フィルムに予め一軸延伸処理を施し、液晶分子を配向させる配向機能を持たせておくことも好ましい。
【0151】
また、前記フィルム面上に前記液晶層の材料を塗布し、前記液晶材料が塗布されたフィルムを、複数層ローラーで重ね合わせ、一体化させた後、更に圧延ローラーで延伸処理を施し、フィルムの厚みと液晶層の厚みとを、所定の値に合わせ込むことにより前記複合多層膜を形成することも好ましい。
【0152】
また、前記フィルムに導電性を付与させてもよい。
【0153】
また、前記複合多層膜は、前記液晶層と前記フィルムを少なくとも10層以上積層して構成することが好ましい。
【0154】
さらに好ましくは、前記複合多層膜は、前記液晶層と前記フィルムを少なくとも21層以上積層して構成する。
【0155】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を添付の図面を参照して説明する。
【0156】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明に係わる表示装置の基本構造及びその表示原理を示す図、すなわち、反射/透過を制御する光変調素子の基本構造を示す図である。1及び2は、透明プラスチック板、もしくは透明プラスチックフィルム、もしくは透明ガラス板からなる上、下基板、3および4は、該上、下基板上1、2にそれぞれ形成された透明電極層で、酸化インジウム、酸化スズ、又はそれらの混合物からなる。8、9、10、11は液晶層、5、6、7はプラスチックフィルム(以下、単にフィルムと呼ぶ)で、該液晶層8、9、10、11と該フィルム5、6、7は交互に重なり合って複合多層膜18を構成している。12は上下の基板1、2を接着固定する周辺シール部で、以上より本発明の表示装置は基本的に構成されている。本実施の形態に於いては、液晶層8、9、10、11は誘電異方性が正のネマチック液晶を用い、その液晶分子長軸はフィルム5、6、7の面にほぼ水平に配向させてある。
【0157】
図2(a)、図2(b)は、本発明の表示原理を示す図で、フィルム5、6、7、液晶層8、9、10、11を抜き出して図示している。従って、図1の各フィルム、各液晶層に図番を対応させてある。図2(a)は図1の13の領域すなわち上下の電極3、4間に電圧が印加されていない領域(詳しくは液晶のしきい値電圧以下の電圧印加状態の領域を示すと考えてもよい。以下、各実施の形態および各実施例における電圧無印加の状態とは同様の状態であると考えてもよい。)の状態を示す図である。ここでは、液晶分子はフィルム面に対し、ほぼ水平に配向した状態であり、液晶層の液晶分子長軸方向の屈折率はnLC1 である。図2(b)は、図1の14の領域、すなわち上下の電極3、4間に電圧の印加されている領域(詳しくは液晶の飽和電圧の印加状態の領域を示すと考えてよい。以下、各実施の形態および各実施例における電圧印加の状態とは同様の状態であると考えてもよい。)の状態を示す図である。ここでは液晶分子はフィルム面に対し略垂直に配向した状態で、液晶層の屈折率は液晶分子短軸方向の屈折率nLC2 である。ネマチック液晶の一般的性質より、電圧印加の有無により液晶層の屈折率は変化し、
【0158】
【数49】
Figure 0003564905
【0159】
である。そこで、
【0160】
【数50】
Figure 0003564905
【0161】
(2)式を充たすような液晶材料及びフィルム材を選定し、上記液晶層8、9、10、11およびフィルム5、6、7に使用すると図1、図2(b)に示すように電圧印加領域14では、上記液晶層とフィルムとの境界では屈折率差がなく、入射光16はそのまま透過する。
【0162】
実際には、上述した様に、液晶分子は上記液晶層の層内全てで、フィルム面に対して垂直に配列する事はなく、フィルム面に近接した液晶分子はフィルム面に水平な方向成分を持つ配列を取る。従って、この時の各液晶層の平均的な屈折率はnLC2 とはならず、それよりも大きな屈折率《nLC2 》(《nLC2 》>nLC2 )となる。この場合にはフィルムの屈折率n を《nLC2 》とした場合、すなわち
【0163】
【数51】
Figure 0003564905
【0164】
の場合に入射光16を最も強く透過する。
【0165】
更に好ましくは、フィルムには若干の複屈折性(X軸方向の屈折率をnF1、Y軸方向の屈折率をnF2とする。なおここでX軸方向とはフィルムに隣接する上記液晶分子の長軸方向であり、Y軸方向とは同短軸方向である。)を持たせ
【0166】
【数52】
Figure 0003564905
【0167】
とすれば、入射光16は、表面、裏面による反射損失を除き殆ど全て透過する。
【0168】
次に電圧無印加領域13に於いては、文献1(応用光学II、鶴田匡夫著、4−3−3(II)参照)に示すように、次式(3)、(4)
【0169】
【数53】
Figure 0003564905
【0170】
を充たすように、液晶層8、9、10、11の厚みと、フィルム5、6、7の厚みを設定すれば、図1、図2(a)に示すように、波長λの入射光15を最も強く干渉反射する。
【0171】
又、反射光17の強度は、上記液晶層及びフィルムの枚数の多い程、言い換えれば上記複合多層膜の層数の多い程、反射光17の強度は増す。本実施の形態の図面ではフィルムと液晶層との合計で7層しか描かれていないが、好ましくは10層以上が良い。
【0172】
以上の様に、正の誘電異方性を持つネマチック液晶材料とフィルム材料とを(2)式、(2)’式または(2)’’式および(2)’’’式を充たす様にそれぞれ選定し、(3)式、(4)式を充たす様に液晶層の厚みとフィルムの厚みとを合わせ込み、上記液晶層とフィルムを交互に好ましくは10層以上積み重ねれば、電圧印加時には入射光が透過し、電圧無印加時には入射光が反射する光変調素子が出来、表示装置として機能する事が判る。そして、上記表示装置では、光を吸収する偏光板を使用せず、光を有効に利用した明るい表示装置となる事も明らかである。更にフィルムと液晶層との境界面がフラットであるため、従来例1に比べ、その干渉反射強度も明るさで優れている事も判る。
【0173】
上述した第1の実施の形態では、液晶層としてネマチック液晶材料を用いたが、複屈折性を有し、電界で液晶分子方向が変わり、それにより屈折率が変化する条件を備えた材料ならば何でも良く、ネマチック液晶の他、スメクチック液晶、カイラルスメクチック液晶、ネマチック液晶分子又はスメクチック液晶分子をポリマー鎖に結合させた高分子液晶、更には上記液晶と高分子液晶の混合物などの材料も液晶層として使用できる。
【0174】
特に文献2(液晶、基礎編、岡野光治・小林駿介共著、培風館、1.3参照)に示されるディスコティック液晶を用いれば、光学的に負の一軸性を持った複屈折性を有している事から、フィルム層に略水平に配向させた時、入射光に対する屈折率が全ての偏光方向で一様となり、より強い多層膜干渉反射が得られる。この場合、上記ディスコティック液晶そのものだけを電界で分子方向制御してもよいが、特にネマチック液晶とディスコティック液晶とを混合した液晶を用いれば、粘度も下がり、より容易に電界に従って分子軸の向きを変える事ができる。
【0175】
尚、本実施の形態を反射型表示装置として用いる場合、下基板2の外側に光吸収層を配置してもよく、電圧無印加領域で波長λ光の表示、電圧印加領域で透過光が吸収されて黒色表示となる、偏光板が不要でコントラストの高い表示装置が実現できる。
【0176】
(第2の実施の形態)
次に本発明に係わる表示装置の第2の実施の形態を図3により説明する。31、32は各々上、下基板であり互に対向する面上に透明電極膜33、34をそれぞれ有する。23、24、25、26は各々液晶層で、27、28、29は各々フィルムで、各液晶層と各フィルムは図示する様に、交互に重なり合った構造をとり、全体として複合多層膜30を形成している。35はエポキシ樹脂等からなり上下基板を固着する周辺シール部である。本実施の形態では、誘電異方性が正のネマチック液晶材料を上記液晶層23、24、25、26に使用し、各フィルム面に対しほぼ水平配向をさせている。
【0177】
上記ネマチック液晶材料の複屈折率をnLC1’ (液晶分子の長軸方向)、nLC2 (液晶分子の短軸方向)とし、nLC1 >nLC2 となるように設定する。一方、フィルム27、28、29は一軸性の複屈折性を有するフィルムであり、その屈折率はX軸方向の屈折率をnF1’、Y軸方向の屈折率をnF2’とし、nF1’>nF2’となるように設定する。一般的にフィルムを延伸処理した場合、多くのフィルム材は延伸方向の光軸屈折率が大きく、延伸方向と直交する方向の光軸屈折率が小さくなる一軸性の複屈折性を示す事が知られている。この場合、延伸方向が上記X軸であり、該X軸と直交する方向がY軸となる。そして、上記ネマチック液晶分子は各フィルム27、28、29の各面に対し水平にかつその分子長軸方向を上記フィルムのX軸方位に配列させてある。
【0178】
さらに本実施の形態では、電圧無印加領域40で波長λの入射光36が透過するように条件を設定してある。すなわち、波長λに対して、
【0179】
【数54】
Figure 0003564905
【0180】
を充たす様に、まず液晶材料、及びフィルム材料を選定する。次に電圧印加部で波長λの入射光37が最も強く干渉反射をおこすように、文献1に従い
【0181】
【数55】
Figure 0003564905
【0182】
の条件を充たす様に、各液晶層の厚み(dLC’)と各フィルムの厚み(d )を設定すれば、電圧無印加領域40では波長λの入射光36は透過し、電圧印加領域39では波長λの入射光37は反射し、反射光38となる。
【0183】
前述した様に、本実施の形態に於いても反射光強度を上げて、明るい表示装置を得るためには、複合多層膜30の液晶層及びフィルムの層数を少なくとも10層以上にする事が好ましい。以上の様に、本実施の形態では電圧印加時に入射光を反射し、電圧無印加時に入射光を透過する表示装置で、第1の実施の形態とは、逆転したパターン表示が可能となる。
【0184】
尚、本実施の形態を反射型表示装置としても用いる場合、下基板32の外側に光吸収層を配置してもよく、電圧無印加領域は透過光が吸収されて黒色表示となり、電圧印加領域では波長λ光の表示となり、偏光板が不要でコントラストの高い表示装置が実現できる。
【0185】
(第3の実施の形態)
図4は本発明の第3の実施の形態で、41、42はそれぞれ上、下基板、43、44はそれぞれ該上、下基板41、42の互いに対向する面上にそれぞれ形成された透明電極、45はエポキシ樹脂等からなり上下基板を固着する周辺シール部である。46、47、48、49は液晶層で、フィルム50、51、52とそれぞれ交互に積層され、複合多層膜57を形成している。本実施の形態に於いては、液晶層46、47、48、49にはネマチック液晶材料を用い、該ネマチック液晶材の分子配列は、電圧無印加時に於いて、上、下基板41、42、及びフィルム50、51、52の各面に対して液晶分子の長軸を略垂直(ホメオトロピック配列)に配向させておく。そして、上記ネマチック液晶として誘電異方性が負の液晶材を選択すれば、上記上下電極43、44間にほぼ飽和電圧が印加された電圧印加領域54では、上記液晶分子は上、下基板41、42及びフィルム50、51、52の各面にほぼ水平に配向する。上記ネマチック液晶材のその分子長軸方向の屈折率をnLC1’’ 、その分子短軸方向の屈折率をnLC2’’ (nLC1’’ >nLC2’’ )となるように設定し、入射光55、56の波長λに対して
【0186】
【数56】
Figure 0003564905
【0187】
(7)式を充たすように上記液晶層46、47、48、49と上記フィルム50、51、52の材料を選択すれば、電圧無印加領域(詳しくは液晶のしきい値電圧以下の電圧印加状態の領域)53に於いては、上記フィルムと液晶層の境界面に於いては屈折率の差が殆どなく、波長λの入射光55はほぼ透過する。
【0188】
ここでも前述したように入射光55に対する液晶層46、47、48、49の各層の層内にわたる平均屈折率《nLC2’’ 》とフィルムの屈折率とを一致させる事が、最も強い透過光を得るために有効である。
【0189】
更に入射光波長λに対して、下記(8)、(8)’式を充たす様、液晶層厚、フィルム厚を設定すれば、
【0190】
【数57】
Figure 0003564905
【0191】
電圧印加領域54にて波長λの入射光56は、複合多層膜57により強く干渉反射される。以上の様に、電圧印加の有無により、入射光の反射/透過のスイッチングが可能となり、表示装置として機能する事が判る。
【0192】
尚、本実施の形態を反射型表示装置として用いる場合、下基板42の外側に光吸収層を設けてもよい。そうすると、電圧無印加領域では透過光が吸収されて黒色表示となり、電圧印加領域では波長λの光の表示となり、偏光板が不要でコントラストの高い表示装置を実現できる。
【0193】
以上、3つの実施の形態を示したが、表示装置としては干渉反射波長(λ)の波長帯域を広げた明るい表示装置が望ましい。
【0194】
最も望ましい白色反射光を得るためには、赤、緑、青色等各色の波長域で、前記干渉反射条件を充たす各複合多層膜を用意し、それらを重ね合わせた多重複合多層膜を使用すれば良い。又、前記液晶層、フィルムの各々厚みを連続的に変え、好ましくは100層以上とした複合多層膜を使用しても、明るい表示装置の実現は可能となる。更に、上記実施の形態に用いたネマチック液晶の代わりに、特にディスコティック液晶を用いれば、フィルムにほぼ水平に配向した状態で、ほぼ均一な光の屈折率(入射光の各偏光に対して屈折率がほぼ均一)をもつため、より光反射率が高く明るい表示装置となる。又、前述した(2)、(2)’、(5)、(5)’、(7)式では波長λに対して、液晶層の一方の屈折率とフィルムの屈折率とを一致させ、入射光が透過するようにさせたが、可視光波長域で全て上述した各式を充たす様な屈折率を実現する事が好ましいが、そのためには、フィルム材料の屈折率の波長分散と液晶材料の屈折率の波長分散とをできるだけ合わせる事も、各材料の選定にあたっては重要である。しかし、一般的には液晶とフィルムの波長分散を一致させる事は困難で、その場合、フィルム材を固定し、干渉反射波長毎に(2)、(2)’、(5)、(5)’、(7)式を充たす様に液晶材の屈折率を成分調合比により調整する方法が現実的である。
【0195】
(第4の実施の形態)
次に、本発明に係わる明るい反射型表示装置の第4の実施の形態を図5を用いて説明する。148、149、150、151は液晶層、145、146、147はフィルム層で、それらは交互に重なり合って複合多層膜159を形成している。上記液晶層148、149、150、151とフィルム145、146、147の各層の屈折率と厚みは前述した第1の実施の形態に示した様に、式(1)、(2)、(2)’、(3)、(4)をほぼ充たす様に設定された複合多層膜159である。152は上基板142の上部に形成された光散乱層又は光散乱板からなる光散乱部である。153は下基板141の下部に形成された光吸収層又は光吸収板からなる光吸収部である。本実施の形態の動作は、まず電圧無印加領域154に入射した光156は第1の実施の形態に示した様に干渉反射され、該反射光は光散乱部152で散乱光158となり、外部に放出される。従って鏡面のような反射光ではなく、紙面による反射光のような見易い散乱反射光となる。一方、電圧印加領域155では、入射した光157は前述の第1の実施の形態に示した様に、そのまま透過し、光吸収部153迄到達して吸収される。従って、電圧印加領域155では光吸収部153の色が観察される。
【0196】
本実施の形態では、各液晶層148、149、150、151の厚みは全て等しく、更に各フィルム145、146、147の厚みも全て等しく設定してあるため、限られた波長λの光でしか透過/反射の電圧制御ができなかったが、可視光波長域全ての波長域で、上記干渉反射条件を充たすためには、上記広い可視光波長域を構成する個々の狭い波長域(λ、λ、λ、・・・、λ)毎に、各々干渉反射条件を充たすよう上記した実施の形態の複合多層膜を設け、干渉反射する波長の異なるn個の複合多層膜を積層して、各液晶層とフィルムの厚みの組み合わせを光の進行方向に沿って変え、トータルの層数を増やせばよい。つまり、前述した様に、赤、緑、青色等の各色の波長域で、前記干渉反射条件を充たす各複合多層膜を用意して、それらを重ね合わせた多重複合多層膜を複合多層膜159として使用すれば、白色背景に黒表示を表示する(又は黒色背景に白色表示すること)事も可能である。この場合、勿論、光吸収部153は黒色にしておく事が必要である。
【0197】
以上第4の実施の形態によれば、可視光の各波長域に対応した干渉反射の条件を充たす複数の複合多層膜により、従来例のように偏光板による光吸収がなく、又、従来例1、2と違い液晶層とフィルム層の境界面はフラットのため、干渉反射強度の高い、明るい白/黒表示外観をもった反射型表示装置が提供できる。更に上述した干渉ピッチの異なる複数の複合多層膜を重ねた多重複合多層膜も、前述した方法により、容易に得られる。
【0198】
(第5の実施の形態)
図6は、第5の実施の形態で、白色の背景地上に黒、赤、青等、多数の色の文字、図形等を表示させる例である。
【0199】
61、62は内面に透明電極を有する上、下基板、63は前述した様に液晶層とフィルム層とを交互に積み重ねた複合多層膜であり、第4の実施の形態にて説明したように、液晶層及びフィルムの厚みの組み合わせは複合多層膜63の上下方向で異ならせ、可視光領域全体の波長光に対して干渉反射条件を充たす様に設定されている。また、複合多層膜63は第1の実施の形態で述べた式(1)、(2)、(2)’、(3)、(4)をほぼ満たす。図6に於いては、紙面の制約から液晶層とフィルム層とを合わせて7層しか描かれていないが、可視光波長域全てで充分な干渉反射を行うためには、可視光領域内の複数の波長を干渉反射する複合多層膜を反射すべき波長毎に設け、これを積層することになるので、液晶層とフィルム層とを合わせた全層数を少なくとも100層以上とすることが好ましい。64、65、66は光吸収部でそれぞれ黒、赤、緑色の色違いの光吸収層又は光吸収板からなる。64、65、66を黒、赤、緑色のフィルタとし、その下に光反射層68を形成してもよい。67は光散乱部である。本実施の形態では、電圧無印加領域に於いては、上記複合多層膜63は可視光波長域の光を干渉反射し、ほぼ白色Wを呈する。一方、電圧印加領域に於いては、入射光はそのまま透過し、下部に配された異なった色調をもつ光吸収部(フィルタ部)64、65、66で吸収され、このフィルタ部を透過し、反射層68により反射された波長帯域が、異なった色の表示として現れる(図中では赤色光と緑色光が反射されている)。なお、黒の光吸収部64は多層膜層を透過した光を吸収するため、この部分においては電圧印加時には黒表示となる。従って同一表示面上で白色地の背景に、黒色、赤色、緑色等を表示し図形/文字表現する事が可能である。更に前記光吸収部64、65、66を画素毎に赤、青、緑の光吸収部に置き換えれば、フルカラーの反射型表示装置にもなる事は明白である。
【0200】
尚、光吸収部を赤、青、緑のカラーフィルタとして下基板の内面に配置しても構わない。この場合、反射層は下基板62の電極を反射電極としてもよく、また反射層を下基板の外側に配置しても構わない。
【0201】
(第6の実施の形態)
図7は、本発明の第6の実施の形態で、71、72は内面に透明電極を有する上、下基板、74は光吸収部、73は光散乱部である。80、81は、それぞれ液晶層とフィルム層とが交互に積層してなる複合多層膜で、前述した様に、電圧無印加時に於いて所望の波長域で干渉反射条件を充たす様に、各層の屈折率及び膜厚が設定されている。77はフィルム層で、上記複合多層膜80、81を構成するフィルムと同じ材質、厚みでも、違う材質、厚みでも構わない。上記フィルム層77の上、下面にはそれぞれ透明電極層78、79が形成されている。これにより、上下2つの複合多層膜80と81とを別々に電圧印加できるため、駆動電圧が約半分に低減できる。上述した例では、透明電極層を有するフィルム層77を中間部に1層挟んだが、複数層挟めば、更に駆動電圧が低減でき、耐圧の低い半導体ICドライバーによる表示駆動も可能となる事は明らかである。図中、電極75と78に接続された構成、電極76と79に接続された構成は駆動回路を示す(後述の実施の形態でも同様)。この2つの駆動回路は2つの複合多層膜を別々に駆動してもよい。別々に駆動すれば、反射強度が2段階に制御できる。また、別々に駆動される複合多層膜をより多く設けてもよく、この場合には反射強度がより多レベルとなり階調表示が可能となる。本実施の形態のように、複合多層膜の間に電極を有する中間フィルムを介在する構成は、前述の全ての実施の形態と組み合わせることができる。
【0202】
このように、本発明では、フィルム層を表示機能材の一つとして用いるため、容易に中間部に電極層が挿入でき、低電圧駆動が可能になるとともに、以下の実施の形態に示すように、反射型カラー表示装置も容易に実現できる。
【0203】
(第7の実施の形態)
図8は、本発明による第7の実施の形態で、明るい反射型カラー表示装置の具体例である。91、92は上、下基板で互に対向する面上に透明電極膜108、109をそれぞれ有している。93は黒色の光吸収部、94は光散乱部である。95は複合多層膜で、前述した様に液晶層とフィルム層との複合多層膜からなる。又、該液晶層及び該フィルム層の各々の屈折率と層厚は、前述した方法に従い、電圧無印加時に赤色光を選択的に干渉反射し、電圧印加時には透過するように設定されている。図8に於いては、該複合多層膜95は3層構造のものとして図示されているが、実際は、10層以上の複合多層膜95が良好な干渉反射を得るために好ましい。同様に、複合多層膜96、97は各々緑色、青色を電圧無印加時に選択的に干渉反射するように、そして電圧印加時には透過するように、各々の液晶層とフィルム層の屈折率及び層厚が設定されている。98、99は各々上下面に透明電極100と101及び102と103を有する中間フィルム基板である。本実施の形態に於いては、上述した通り、赤色光選択反射層95、緑色光選択反射層96、青色光選択反射層97の3つの複合多層膜からなる多重複合多層膜を有し、中間フィルム基板98、99を各色の複合多層膜間に挿入する事により、各々の複合多層膜95、96、97を独立して電圧を印加する事が可能になり、赤色、緑色、青色を自由に表示制御できる。図8に示す様に、表示領域110では、赤色光選択反射層95、緑色光選択反射層96、は電圧が印加されていないため、それぞれ色光を干渉反射し、青色光選択反射層97には電圧が印加されていることにより、青色光はそのまま透過し、下部の黒色光吸収部93で吸収される。よって、赤色、緑色光が反射し、反射光106は黄色となる事を示している。一方、表示領域111では、赤色光選択反射層95、緑色光選択反射層96は共に電圧印加され、それぞれ、赤及び緑色光が透過し、黒色光吸収部93で光吸収され、青色光選択反射層97では電圧無印加で青色光が干渉反射される。よって表示領域111では青色を呈する。
【0204】
上述した様に、本実施の形態に於いては、赤色光を選択反射する赤色複合多層膜95、緑色光を選択反射する緑色複合多層膜96、青色を選択反射する青色複合多層膜97を各々積層し、各々の複合多層膜を挟んで、透明電極層98、99を配するため、各色毎独立に光透過率/反射率を制御できる。本実施の形態にて白色表示する場合は、3つの複合多層膜95、96、97を共に電圧印加しない場合であり、赤、青、緑色光が共に反射して白色表示となる。また、黒色表示の場合は、3つの複合反射膜95、96、97に電圧印加した状態であり、この場合入射光は透過して光吸収部93に吸収されて黒色表示となる。従って、白色地に黒は勿論、白色地に赤、青、緑色又はそれらの混合色が自由に表現できる明るいフルカラー反射型表示装置が可能となる。上述した例では、赤、緑、青色に対応した複合多層膜を用いたが、勿論、色の組み合わせは、シアン、マゼンダ、イエロー等自由に選択できる。
【0205】
(第8の実施の形態)
図9は本発明の第8の実施の形態で、112、126は内面に透明電極を有する上、下基板、113は黒色の光吸収部、114は光散乱部、115は複合多層膜でネマチック液晶層123とフィルム層124とが交互に積層された構造から構成される。ここでは液晶層123は、電圧無印加時に於いて、液晶分子の長軸方向を揃え、しかもフィルム層124の面にほぼ水平に分子軸が揃った(ホモジニヤス配向)液晶層を使用している。上述した、液晶分子の長軸を揃え、基板面に水平に配向させる方法としては、既存の液晶表示装置の製造方法として一般的なポリイミド樹脂とラビング工程の組み合わせでも、簡単に達成できるが、本実施の形態では後述する様にフィルム層124を延伸した膜にすれば、その面上の液晶分子は長軸を延伸方向に揃えて並ぶ性質があり、特別な配向処理をしなくとも、上記配向をもった液晶層を実現できる。上記ネマチック液晶層では、液晶分子の長軸方向と短軸方向とでは屈折率が異なる。今、電圧無印加領域117に於いて、液晶分子の長軸が紙面に平行に向くように配向させた場合、紙面に平行の入射偏光成分と、紙面に垂直の入射偏光成分とでは、液晶層の屈折率が異なってくる。本実施の形態では、液晶分子長軸方向の屈折率(nLC1 )とフィルムの屈折率(n)とが一致する様に液晶材料とフィルム材料を選定する。そのため、電圧無印加時においては、入射光118のうち、紙面に平行な偏光成分119は複合多層膜115を透過し下部の黒色光吸収部113にて吸収される。一方、紙面に垂直な偏光成分120に対しては、液晶層123の屈折率はnLC2 (nLC1 >nLC2 )となり、フィルム層の屈折率(n)とは異なる。ここで、フィルム層の厚み(d)と液晶層の厚み(dLC)とを
【0206】
【数58】
Figure 0003564905
【0207】
(9)、(9)’式を充たす様に設定すれば、波長λの光に対する干渉反射の条件を充たし、反射光127として反射する。一方、電圧印加領域116に於いては、液晶層123の液晶分子はフィルム層124の面に対して略垂直に配向し、入射光125から見た液晶層124の屈折率は、全ての入射偏光面に対して(nLC3 )となる。ネマチック液晶の一般的な性質から、
【0208】
【数59】
Figure 0003564905
【0209】
が成り立ち、上記(9)式に従い、波長λの入射光125は全て反射し、反射光121、122となる。
【0210】
上述した干渉反射の条件は、波長λの光に対して作用するが、前述した様に、液晶層厚とフィルム層厚の組み合わせを変えた複数の複合多層膜を重ねた多重複合多層膜を複合多層膜115の代わりに用いれば、可視光波長域全てをカバーする干渉反射波長巾の広い白色背景の明るい表示装置が実現できる。
【0211】
(第9の実施の形態)
図10は、本発明の第9の実施の形態で、130、131はそれぞれ内面に透明電極を有する上、下基板、132は黒色の光吸収部、135は光散乱部である。133は複合多層膜で、正の誘電異方性を持つネマチック液晶層(以下、本実施の形態においては、単にネマチック液晶層と呼ぶ)143とフィルム142を交互に積み重ねた構造を有する。134も複合多層膜で、やはりネマチック液晶層144とフィルム145の積層構造から成る。
【0212】
本実施の形態に於いては、電圧無印加時には、液晶層143の液晶分子の長軸方向は各フィルム142の面にほぼ水平、且つ紙面にほぼ平行になるようにホモジニヤス配向させてある。一方、液晶層144では、やはり電圧無印加時に於いては、液晶分子の長軸方向は各フィルム145の面に対しては、ほぼ水平方向であるが、紙面に対してはほぼ垂直の方向、つまり上記143の液晶層の液晶分子長軸とは略直交する方向にホモジニヤス配向させてある。
【0213】
上記ネマチック液晶層は複屈折性を有するが、今、液晶分子の長軸に平行な偏光に対する屈折率をnLC1 、そして該長軸に垂直な偏光に対する屈折率をnLC2 とする。
【0214】
更にフィルム142、145の屈折率は、X軸方向の屈折率をnF1、Y軸方向の屈折率をnF2(nF1≧nF2)とおく。ここで、X軸方向は隣接する上記ホモジニヤス配向を取る液晶分子の長軸方向と略一致させてある。そこで
【0215】
【数60】
Figure 0003564905
【0216】
となるようにフィルムの屈折率nF1、nF2を設定すれば入射光141は複合多層膜133、134を透過する。
【0217】
なお、前述した様に、電圧印加時に液晶分子は上記液晶層の層内全てでフィルム面に対して垂直に配列する事はなく、フィルム面に近接した液晶分子は、フィルム面に水平な方向成分を持つ配列を取る。従って、この時の各液晶層の平均的な屈折率はnLC2 とはならず、nLC2 よりも大きく、nLC1 よりも小さな値となる。従ってフィルムのX軸方向の屈折率nF1は、入射光141に対する液晶層の電圧印加時に於けるX軸方向の平均的な屈折率《nLC2 》と等しくした時に入射光141は最も強く透過する。
【0218】
次に電圧無印加時の反射条件として、
【0219】
【数61】
Figure 0003564905
【0220】
(11)、(11)’、(12)、(12)’式を充たす様に液晶層143、144の屈折率と厚み、及びフィルム層142、145の屈折率と厚みを設定すれば、前述した説明に従い、図10に示す通り、電圧無印加領域136に於いては、波長λの入射光138は、紙面に平行な偏光成分は複合多層膜133で反射(反射光139)される。そして、入射光138の紙面に垂直な偏光成分は、複合多層膜133では(11)式を充たす為透過し、複合多層膜134に到達し、そこで(12)、(12)’式より、干渉反射を受け反射され、反射光140となる。従って、波長λの入射光138は電圧無印加領域136では全て反射される。ここでも前述した通り、複合多層膜133、134の層数を増やし、尚且つ各層厚の組み合わせの異なる複数の複合多層膜を重ね合わせた多重複合多層膜とすれば、反射光波長域を拡大し、白色反射光を得る事が可能である。
【0221】
一方、電圧印加領域137に於いては、液晶層143、144を構成する液晶分子が正の誘電異方性を持つネマチック液晶材であるため、フィルム142、145の各面に対し、略垂直に該液晶分子の長軸を揃える。従って全ての偏光に対し、(11)、(11)’式を充たし、入射光141は複合多層膜133及び134を透過し、下部の黒色光吸収部132にて光吸収される。勿論、この透過率を上げるためには、全ての可視光波長域に対しても(11)、(11)’式を充たすよう、液晶層とフィルム層の屈折率を合わせ込む配慮が重要である。
【0222】
以上の様に、本実施の形態に於いては、入射する光の全ての偏光に対して、ほとんどを散乱反射する白色地に、ほぼ完璧な黒色表示(黒色地に白色表示も可能)を表現でき、まさに紙に黒色表示を描いたような明るい反射型表示装置が可能になる。
【0223】
又、第9の実施の形態で示した紙面に垂直と並行の2つの偏光軸に対してそれぞれ干渉反射条件を充たす2つの複合多層膜をペアにした二重複合多層膜を、前述した第1乃至第7の実施の形態に示した各複合多層膜の代わりに用いれば、よりコントラストの高い表示装置が実現できることは容易に理解できる。
【0224】
図10に於いては、第6の実施の形態と同様に複合多層膜133と134の中間に、上、下電極層137、138を有するフィルム136を中間電極層として挿入してあるが、これにより、より低い電圧で表示動作をさせる事が可能になる。
【0225】
以上、9つの実施の形態により本発明を説明してきたが、本発明に用いたフィルム材料は、略透明で薄膜化できるフィルム材料ならば、何でも良い。例えば、ポリエチレンナフサレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、セルロース系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂等、種々の屈折率を持った樹脂から選択できる。液晶材料は、前述した様に、ネマチック液晶、スメクチック液晶、さらにはこれらの液晶分子を含む高分子液晶、さらにはこれらの液晶の混合物等、電界印加により液晶分子軸の方向が変えられ、それにより液晶層の屈折率が変化すれば、何でも良いが、前述した通り、特にディスコティック液晶は層面に平行に配向した状態で干渉反射能力が高く、より好ましい(ディスコティック液晶と前述の液晶と混合してもよい)。
【0226】
更に、前述した9つの実施の形態に於いては、そこで用いた液晶層を構成する液晶分子は上、下基板間の電圧印加の有無により、該分子長軸は水平/垂直とほぼ90°の軸方向の変位で説明した。液晶層の電圧印加の有無による屈折率差の絶対値が大きい程、干渉反射の能力は高く、複合多層膜の層数が少なくとも、その表示性能は高い。しかし、実際には、液晶分子全体の電圧印加有無による90°の分子軸変位は理想的で、印加電圧にもよるが、平均的に80°あるいはそれ以下の変位のケースの方が多いと推測される。しかし、本発明の主旨は、前記複合多層膜を構成する液晶層の屈折率が電圧印加によって変化すれば、分子軸変位が80°あるいはそれ以下であっても、複合多層膜の層数を増やす事により干渉反射光強度を補えるため、各実施の形態に示した表示性能が得られる事は明らかである。
【0227】
また、表示駆動の電圧については、前述した様に、複合多層膜の中間部に電極を有する複数の基板を挿入し、結果的に分割された複合多層膜にそれぞれ電圧を印加すれば、より低い電圧で表示駆動させる事は可能であるが、もう一つの方法として、フィルム層に多少なりとも導電性を付与させる事が、より低い電圧での表示駆動という目的を達成する上で有効な手段となる。
【0228】
つまり、通常の導電性のないフィルムを用いた場合、液晶層全体に印加される電圧(V)は、ほぼ下記(13)式の通りとなる。
【0229】
【数62】
Figure 0003564905
【0230】
通常、液晶層の誘電率(εLC)は10〜15、フィルム層の誘電率は3〜4である。従って液晶層全体に印加される電圧(V)は、0.2V前後となり、Vの1/5前後に低減してしまう。よって、上述した様に、フィルム層に多少の導電性を付与させる事により、V≒Vとする事ができ、上下電極間に印加する電圧が殆どそのまま液晶層に印加される。上記フィルムに導電性を付与する方法としては、ポリアセチレン系、ポリパラフェニレン系といった導電性を持つプラスチックを前記フィルムに混入させる事により、上記効果を実現できる。
【0231】
以上、本発明の構成について、種々の実施の形態を挙げてきたが、各実施の形態において説明された内容は、他の実施の形態において適宜組み合わせて実施できることは言うまでもない。次に、以上の実施の形態による表示装置の具体的な製造方法、特に前記複合多層膜の製造方法について説明する。
【0232】
(第10の実施の形態)
図11は、上記複合多層膜の製造方法の実施の形態で、1101は液晶材料で壺1108内に保持されている。1102は第1のローラーで、矢印1109の方向に回転し、液晶材1101を第1のローラー面上に一様にコートしながら回転方向に巻き上げる。1103は、コートされた液晶層の厚みを一定に保つ為に設けられた第2のローラーで、必要に応じ取り付ける。1105は前記複合多層膜を構成する材料となるプラスチックフィルム(以下、単にフィルムと呼ぶ)材で、第1のローラー1102と第3のローラー1104の接点部で液晶材1101が上記フィルム1105の面上に均一に塗布される。液晶層の膜厚の制御は、第1のローラー1102と第3のローラー1104の間隙調整で可能である。その他やはり上記膜厚の制御法として、液晶材の精密な粘度コントロールによっても可能で、その為に、液晶層の温度管理、又は液晶材料と溶媒の混合系による粘度管理によっても液晶層の精密な厚みの管理は可能となる。勿論、溶媒系との組み合わせでは、液晶層をコーティングした後、溶媒除去の工程が必要である。
【0233】
次に同様な方法で、やはり液晶層が面上にコートされたフィルム1110と前述のフィルム1105とが、第4のローラー1106と第五のローラー1107の間で重なり合わされ、複合4層膜が形成される。同様の事を繰り返す事により、10層以上の複合多層膜が容易に製造できる事は明らかである。
【0234】
以上は、基本的な製造方法の例であるが、勿論、液晶層厚の均一化、更にはフィルム同志の貼り合わせの際に気泡を抱き込まないように、更にローラー数を増やしたり、均一熱源により加熱し液晶の粘度を下げて塗布しローラーで張り合わせるといった工夫をすれば、更に目的に合った複合多層膜が得られるが、既存の精度の高い多層膜製造工程が参考になる事は容易に理解できる。
【0235】
又、前述した実施の形態に於ける複合多層膜を構成する各フィルム及び液晶層に要求される各膜厚は、可視光波長の4分の1、つまり0.1μmから0.2μm程度の極薄の厚みが必要になる。このためには図11に示した様な0.2μm以下の厚みのフィルムを使用し、液晶層をコートする際、高い温度で粘度を下げたり、溶媒に溶かして低粘性にした状態で塗布し、極薄膜液晶層を得る事も可能であるが、図12に示す方法を用いれば、更に容易に上記複合多層膜が得られる。
【0236】
(第11の実施の形態)
図12は、上記複合多層膜の製造方法の他の実施の形態で、1201は図11の方法で作成された比較的厚い(例えばフィルム、液晶層単層の厚みが1μm以上)複合多層膜、上記複合多層膜は1段目の圧延ローラー1202、及び1203で延伸される。更に延伸された複合多層膜1206は2段目の圧延ローラー1204と1205とにより延伸される。このように延伸処理を多数回行う事により、当初の複合多層膜1201は徐々に液晶層、フィルムの厚みを減じ、所望の薄層を得る事が容易に可能となる。このようにして作成した複合多層膜を所定のサイズに切断し、図1に示す様に上、下基板1、2間に液晶材料とともに挟み込み、周辺部をエポキシ系接着剤等でシールすれば、図1に示す様な複合多層膜を有する表示装置が比較的容易に完成する。
【0237】
以上本発明の各実施の形態に於いては、プラスチックフィルム(以下、単にフィルムと呼ぶ)上に液晶層をコーティング塗布したものを複合多層膜の単位複合膜とし、それを10層以上ローラー等で重ねあわせる事により、極めて容易に上記複合多層膜を実現し、そしてフィルムと液晶層の界面がフラットで、干渉反射光強度の高い反射型表示装置が提供できる。
【0238】
又、フィルムの厚みは自由に選択でき、更に液晶層の厚みもロールコート法ならびに、その際の温度又は溶剤等による液晶粘度のコントロールにより、比較的容易に精度よく管理できるため、干渉反射の波長域も簡単に設定できる。更に上記、フィルム層、液晶層の厚みの管理された複合多層膜は、層単位で厚みを変化させる事も容易で、広い波長帯域に於いて干渉反射条件を充たす事が可能になり、任意の色、そして白色の背景色を持った明るい反射型表示装置が容易に実現できる。
【0239】
又、上記複合多層膜が可視光波長域で干渉反射条件を充たすためには、フィルム、液晶層の各膜厚とも0.2μm以下の極めて薄い膜厚が要求されるが、製造方法として、比較的厚い(1μm以上)フィルムを用い、その上にロールコート法等により液晶材料をコーティング塗布した後、該液晶材料がコーティング塗布されたフィルムを多層、ローラー等で重ね合わせ、比較的厚い複合多層膜を形成した後に、該複合多層膜を圧延ローラーで多段回、延伸処理を施せば、極めて容易に所望の厚みを有する複合多層膜が実現できるとともに、精密な膜厚コントロールが可能になる。更にこの延伸処理は、フィルム高分子ポリマーの分子軸方向を揃え、それがこのフィルムの上にコーティングされた液晶層の液晶分子の配向方向を揃える効果もあり、液晶分子長軸の揃った屈折率の均一な液晶層が得られるため、干渉反射光の波長を、精密にそして容易に制御でき、均一で明るい反射型表示装置が得られる。勿論、あらかじめ、フィルム上にポリイミド等の配向材を塗布そして乾燥し、従来の液晶表示体製造で、一般的な回転ブラシラビング法によっても、液晶分子を所望の方向に均一に配向させる事は可能である。
【0240】
更に、上記複合多層膜の一方のベース材料としてフィルムを用いているため、透明電極も容易にフィルム上に形成でき、該複合多層膜の中間部に電極層を持つフィルムを挿入すれば、より低電圧の駆動が可能になる。又、赤、緑、青色等の選択干渉反射を示す各複合多層膜のブロックの上下に、それぞれ該電極層を持つフィルムを挟み、上記各ブロックを重ねて一体化すれば、各々独立に表示駆動ができ、反射型のフルカラー表示装置が実現できる。
【0241】
【実施例】
次に、複合多層膜としてにおける液晶層とフィルムの積層数と反射率との関係等を、以下の実施例により説明する。
【0242】
(第1の実施例)
図13は450nmの入射光の波長を干渉反射する複合多層膜の例である。図13(a)は複合多層膜の積層を模式化した図であり、図13(b)は積層数を変えて450nm付近での干渉反射率を測定した結果の図である。液晶(液晶分子の長軸方向の屈折率n =1.7、短軸方向の屈折率n =1.5)を用い、フィルムとしてポリエチレン樹脂(屈折率n=1.5)を、図13(a)に示されるように基板間に積層した。電圧無印加時の液晶分子の配向は基板にほぼ水平方向とし、配向方向を紙面に垂直方向に設定した液晶層と平行方向に設定した液晶層とをほぼ同数になるように設けた。また、液晶層とフィルム層の厚みは、450nmの波長に対して(3)(4)式を満たすように設定した。図13(b)は横軸が波長、縦軸が反射率であり、Aは液晶層とフィルム層を合計した複合多層膜が21層(奇数になるのは、複合多層膜の両側に液晶層が配置されるため、液晶層とフィルムの組み合わせに対して液晶層が1層多くなることによる。又上記層数は前記紙面に垂直方向に配向した液晶層を有する複合多層膜及び水平方向に配向した液晶層を有する複合多層膜の各々の層数であり、全層数はその2倍となる。)、Bは同じく41層、Cは61層、Dは81層、Eは101層の場合の反射率を示す。電圧無印加の時、液晶層の液晶分子はフィルム面に対して平行方向に配向し、屈折率がn1=1.7となりフィルムの屈折率1.5と異なるので、450nmの波長を選択的に干渉反射する。図から明かなように、複合多層膜は21層以上あれば好ましく、さらに41層以上、さらには61層以上あればより好ましい事が判る。
【0243】
(第2の実施例)
図14は450nm、550nm、650nm、750nmの入射光の波長をそれぞれ干渉反射する複合多層膜を更に積層した例である。図14(a)は4つの波長に対応する複合多層膜の積層を模式化した図であり、図14(b)は積層数を変えて各波長付近での干渉反射率を測定した結果の図である。液晶(液晶分子の長軸方向の屈折率n =1.7、短軸方向の屈折率n =1.5)を用い、フィルムとしてポリエチレン樹脂(屈折率n=1.5)を、図14(a)に示されるように基板間に積層した。電圧無印加時の液晶分子の配向は基板にほぼ水平方向とし、配向方向を紙面に垂直方向に設定した液晶層と平行方向に設定した液晶層とをほぼ同数になるように設けた。また、4つの波長に対応する複合多層膜は、液晶層とフィルム層の厚みを450nmの波長、550nmの波長、650nmの波長、750nmの波長に対してそれぞれ(3)(4)式を満たすように設定した。図14(b)は横軸が波長、縦軸が反射率である。各波長に対応する4つの複合多層膜は、上記紙面に垂直方向に配向を設定した液晶層を含む複合多層膜と同じく水平方向に配向を設定した液晶層を含む複合多層膜とをそれぞれ有し、図のA〜Eは、各波長を干渉反射する各複合多層膜において、上記紙面に垂直方向に配向を設定した液晶層を含む複合多層膜及び同じく水平方向に配向を設定した液晶層を含む複合多層膜の各々の層数を示す。従って、総層数はA〜Eの層数のほぼ8倍となる。Aは各波長を干渉反射する液晶層とフィルム層を合計した複合多層膜が21層(奇数になるのは、複合多層膜の両側に液晶層が配置されるため、液晶層とフィルムの組み合わせに対して液晶層が1層多くなることによる。)、Bは同じく41層、Cは61層、Dは81層、Eは101層の場合の反射率を示す。電圧無印加の時、液晶層の液晶分子はほぼ水平方向に配向し、屈折率がn =1.7となりフィルムの屈折率1.5と異なるので、各波長を選択的に干渉反射する。図から明かなように、各波長を干渉反射する各複合多層膜において、上記紙面に垂直方向に配向を設定した液晶層を含む複合多層膜及び同じく水平方向に配向を設定した液晶層を含む複合多層膜の各々の層数は21層以上あることが好ましく、さらに41層以上、さらには61層以上あればより好ましい事が判る。
【0244】
(第3の実施例)
次に、第3乃至第10の実施例として、複合多層膜のフィルムと液晶層の屈折率及びこれらの層数と反射率との関係を種々の構造の表示装置について調べた。
【0245】
図15A乃至図15Cおよび図16A、Bは、第3の実施例乃至第10の実施例の表示装置における印加電圧と液晶分子の配向状態との一般的な関係を説明するための図であって、図15A、B、C、図16A、Bは、それぞれ液晶層に0.5V、1.0V、1.5V、2.0V、2.5Vを印加したときの液晶の配向状態を模式的に示している。第3の実施例乃至第10の実施例においては、液晶層に使用する液晶を誘電率異方性が正のネマチック液晶とし、電圧無印加時に液晶がフィルムまたは基板に対し水平に配向(ホモジニヤス配向)するような構造であるとして、表示素子の反射率のシミュレーションを行った。このような構造の表示素子においては、図15A〜C、図16A、Bに示すように、印加電圧を高くしていくと、液晶は次第に傾いてくるが、この傾きはセルの厚さ方向で一様ではなく、フィルムまたは基板に近い部分では傾きは小さく、セルの中央部においては傾きは大きくなる。従って、図17に示すように、液晶はセル内において、その厚さ方向に、印加電圧に応じた屈折率分布を持つようになる。第3乃至第10の実施例においては、液晶層はこのような屈折率分布を持っているとして反射率をシミュレーションした。なお、図17の屈折率分布は、セル厚0.1μmのものについてのものである。
【0246】
図18は、本発明の第3の実施例の表示装置の構造を説明するための図である。
【0247】
この第3の実施例の表示装置においては、図18Aに示すように、波長450nm、550nm、650nm、750nmの入射光をそれぞれ干渉反射する4つの複合多層膜を積層している。
【0248】
各波長の光を干渉反射する複合多層膜は、図18Bに示すように、それぞれP波用の複合多層膜200とS波用の複合多層膜300とを備えている。P波用の複合多層膜200においては、フィルム201と液晶層211とを交互に積層し、各液晶層211においては、電圧無印加時の液晶分子の長軸の配向方向は、フィルム201にほぼ水平であってしかも紙面に並行であるとした。S波用の複合多層膜300においては、フィルム301と液晶層311とを交互に積層し、各液晶層311においては、電圧無印加時の液晶分子の長軸の配向方向は、フィルム301にほぼ水平であってしかも紙面に垂直であるとした。各波長の光を干渉反射する複合多層膜内においては、P波用の複合多層膜200のフィルム201と液晶層211の層数とS波用の複合多層膜300のフィルム301と液晶層311の層数とは同じとした。また、各波長の光を干渉反射する複合多層膜間においても、P波用の複合多層膜200のフィルム201と液晶層211の層数とS波用の複合多層膜200のフィルム301と液晶層311の層数とは同じとした。なお、この各波長の光を干渉反射する複合多層膜の構造は、第4乃至第9の実施例おいても、同様である。
【0249】
第3の実施例においては、液晶分子の長軸方向の屈折率をnLC1 =1.7、同じく短軸方向の屈折率をnLC2 =1.5とし、フィルムのX軸方向の屈折率をnF1=1.7、Y軸方向の屈折率をnF2=1.5とした。(ここでX軸方向は該フィルムに隣接する上記液晶分子の長軸方向であり、Y軸方向は同じく短軸方向である。)4つの波長の光をそれぞれ干渉反射する複合多層膜は、液晶層とフィルムの厚みを450nmの波長、550nmの波長、650nmの波長、750nmの波長に対してそれぞれ(3)、(4)式を満たすように設定した。
【0250】
電圧を印加した場合のセル内の厚さ方向の屈折率分布は、図19Aのようになり、液晶層はこのような屈折率分布を持つとして表示装置の反射率を求め、印加電圧0.5V、1.0V、1.5V、2.0Vおよび2.5Vの場合について、それぞれ図19B、図20A、図20B、図21A、図21Bに示した。
【0251】
これらの図においては、横軸が波長、縦軸が反射率である。これらの各図においては、各波長の光を干渉反射する各複合多層膜の層数がそれぞれ21×2(A)、41×2(B)、61×2(C)、81×2(D)および101×2(E)の場合について反射率をそれぞれ求めている。ここで、例えばAの場合については、21×2とは、各波長の光を干渉反射する各複合多層膜内において、P波用の複合多層膜の層数が21であり、S波用の複合多層膜の層数が21であることを示している。従って、本実施例のAの場合では、全層数は21×2×4=168となる。B、C、D、Eの場合も同様である。
【0252】
なお、例えばAの場合については、P波用またはS波用の複合多層膜の層数が21であるとは、P波用、S波用それぞれについて、液晶層が11層、フィルムが10層であることを示す。このように、液晶層とフィルムを合計した複合多層膜が21層(奇数)になるのは、複合多層膜の両端には液晶層が配置されるため、液晶層とフィルムの組み合わせに対して液晶層が1層多くなることによる。B、C、D、Eの場合も同様である。
【0253】
電圧無印加の時、液晶層の液晶分子はほぼ水平方向に配向し、X軸方向では液晶層の屈折率(n )及びフィルムの屈折率(nF1)ともn =nF1=1.7となり透過状態となる。同様にY軸方向でも液晶層の屈折率(n )及びフィルムの屈折率(nF2)ともn =nF2=1.5となり透過状態となり、全ての入射光(P波、S波)は複合多層膜を透過する。電圧を印加していくと、図19Aに示したように、屈折率が1.7よりも小さくなっていくので、各波長の光を選択的に干渉反射するようになる。
【0254】
層数を増加させると、反射率が増加するが、反射率は普通の紙で約70%、上質紙で約80%程度であることを考慮すれば、各波長の光を干渉反射する各複合多層膜内において、P波用またはS波用の複合多層膜の層数が21あれば、実用上十分な反射率が得られることがわかる。
【0255】
(第4の実施例)
図22は、本発明の第4の実施例の表示装置の構造を説明するための図である。この第4の実施例の表示装置においては、波長450nm、500nm、550nm、600nm、650nm、700nm、750nmの入射光をそれぞれ干渉反射する7つの複合多層膜を積層している。この7つの複合多層膜のそれぞれの構造は、図18Bを参照して説明した第3の実施例の場合と同様である。
【0256】
本実施例においては、液晶分子の長軸方向の屈折率n =1.8、短軸方向の屈折率n =1.52とし、フィルムの屈折率をnF1=1.8、nF2=1.52とした。この場合、液晶分子の配向方向とフィルムの配置との関係は第3の実施例の場合と同様である。7つの波長の光をそれぞれ干渉反射する複合多層膜は、液晶層とフィルムの厚みを450nmの波長、500nmの波長、550nmの波長、600nm、650nmの波長、700nmの波長、750nmの波長に対してそれぞれ(6)、(6)’式を満たすように設定した。
【0257】
電圧を印加した場合のセル内の厚さ方向の屈折率分布は、図23Aのようになり、液晶層はこのような屈折率分布を持つとして表示装置の反射率を求め、印加電圧0.5V、1.0V、1.5V、2.0Vおよび2.5Vの場合について、それぞれ図23B、図24A、図24B、図25A、図25Bに示した。
【0258】
これらの図においては、横軸が波長、縦軸が反射率である。これらの各図においては、各波長の光を干渉反射する各複合多層膜の層数がそれぞれ11×2(F)、21×2(A)、31×2(G)および41×2(B)の場合について反射率をそれぞれ求めている。ここで、各場合の層数の内容については、第3の実施例の場合と同様である。
【0259】
電圧無印加の時、液晶層の液晶分子はほぼ水平方向に配向し、液晶層の屈折率(n 、n )とフィルムの屈折率(nF1、nF2)との関係は、n =nF1=1.8、n =nF2=1.52となりP波、S波とも屈折率の差がなく透過状態となる。電圧を印加していくと、図23Aに示したように、屈折率が1.8よりも小さくなっていくので、各波長を選択的に干渉反射するようになる。
【0260】
本実施例では、液晶の屈折率が長軸方向で1.8、短軸方向で1.52であり、第3の実施例よりも複屈折率性が高いので、少ない層数で高い反射率が得られている。各波長の光を干渉反射する各複合多層膜内において、P波用またはS波用の複合多層膜の層数が11の場合でも、実用上十分な反射率が得られており、21層の場合には、80%以上と上質紙以上の反射率が得られていることがわかる。
【0261】
(第5の実施例)
図26は、本発明の第5の実施例の表示装置の構造を説明するための図である。この第5の実施例の表示装置においては、波長400nm、450nm、500nm、550nm、600nm、650nm、700nm、750nm、800nmの入射光をそれぞれ干渉反射する9つの複合多層膜を積層している。この9つの複合多層膜のそれぞれの構造は、図18Bを参照して説明した第3の実施例の場合と同様である。
【0262】
本実施例においては、液晶分子の長軸方向の屈折率n =1.8、短軸方向の屈折率n =1.52とし、フィルムの屈折率をnF1=1.8、nF2=1.52とした。ここで液晶分子の配列方向とフィルムの配置との関係は第3の実施例の場合と同様である。9つの波長の光をそれぞれ干渉反射する複合多層膜は、液晶層とフィルムの厚みを400nm、450nmの波長、500nmの波長、550nmの波長、600nm、650nmの波長、700nmの波長、750nmの波長、800nmの波長に対してそれぞれ(3)、(4)式を満たすように設定した。
【0263】
電圧を印加した場合のセル内の厚さ方向の屈折率分布は、図27Aのようになり、液晶層はこのような屈折率分布を持つとして表示装置の反射率を求め、印加電圧0.5V、1.0V、1.5V、2.0Vおよび2.5Vの場合について、それぞれ図27B、図28A、図28B、図29A、図29Bに示した。
【0264】
これらの図においては、横軸が波長、縦軸が反射率である。これらの各図においては、各波長の光を干渉反射する各複合多層膜の層数がそれぞれ5×2(H)、11×2(F)、15×2(I)および21×2(A)の場合について反射率をそれぞれ求めている。ここで、各場合の層数の内容については、第3の実施例の場合と同様である。
【0265】
電圧無印加の時、液晶層の屈折率(n 、n )とフィルムの屈折率(nF1、nF2)との関係はn =nF1=1.8、n =nF2=1.52となりP波、S波とも屈折率の差がなく透過状態となる。電圧を印加していくと、図27Aに示したように、屈折率が1.8よりも小さくなっていくので、各波長を選択的に干渉反射するようになる。
【0266】
(第6の実施例)
図30は、本発明の第6の実施例の表示装置の構造を説明するための図である。この第6の実施例の表示装置においては、波長450nm、550nm、650nm、750nmの入射光をそれぞれ干渉反射する4つの複合多層膜を積層している。この4つの複合多層膜のそれぞれの構造は、図18Bを参照して説明した第3の実施例の場合と同様である。
【0267】
本実施例においては、液晶分子の長軸方向の屈折率n =1.8、短軸方向の屈折率n =1.52とし、フィルムの屈折率をnF1=1.8、nF2=1.52とした。この場合、液晶分子の配向方向とフィルムの配置との関係は第3の実施例の場合と同様である。4つの波長の光をそれぞれ干渉反射する複合多層膜は、液晶層とフィルムの厚みを450nmの波長、550nmの波長、650nmの波長、750nmの波長に対してそれぞれ(3)、(4)式を満たすように設定した。
【0268】
電圧を印加した場合のセル内の厚さ方向の屈折率分布は、図31Aのようになり、液晶層はこのような屈折率分布を持つとして表示装置の反射率を求め、印加電圧0.5V、1.0V、1.5V、2.0Vおよび2.5Vの場合について、それぞれ図31B、図32A、図32B、図33A、図33Bに示した。
【0269】
これらの図においては、横軸が波長、縦軸が反射率である。これらの各図においては、各波長の光を干渉反射する各複合多層膜の層数がそれぞれ5×2(H)、11×2(F)、15×2(I)および21×2(A)の場合について反射率をそれぞれ求めている。ここで、各場合の層数の内容については、第3の実施例の場合と同様である。
【0270】
電圧無印加の時、液晶層の屈折率(n 、n )とフィルムの屈折率(nF1、nF2)との関係は、n =nF1=1.8、n =nF2=1.52となりP波、S波とも屈折率の差がなく透過状態となる。電圧を印加していくと、図31Aに示したように、屈折率が1.8よりも小さくなっていくので、各波長を選択的に干渉反射するようになる。
【0271】
(第7の実施例)
図34は、本発明の第7の実施例の表示装置の構造を説明するための図である。この第7の実施例の表示装置においては、波長450nm、500nm、550nm、600nm、650nm、700nm、750nmの入射光をそれぞれ干渉反射する7つの複合多層膜を積層している。この7つの複合多層膜のそれぞれの構造は、図18Bを参照して説明した第3の実施例の場合と同様である。
【0272】
本実施例においては、液晶分子の長軸方向の屈折率n =1.8、短軸方向の屈折率n =1.52とし、フィルムの屈折率をnF1=nF2=1.52とした。7つの波長の光をそれぞれ干渉反射する複合多層膜は、液晶層とフィルムの厚みを450nmの波長、500nmの波長、550nmの波長、600nm、650nmの波長、700nmの波長、750nmの波長に対してそれぞれ(3)、(4)式を満たすように設定した。本実施例のように屈折率が1.5程度のフィルムは種類が多く、例えば、ポリエチレン、ポリエステル、ポリカーボネート等が好ましく用いれられる。
【0273】
電圧を印加した場合のセル内の厚さ方向の屈折率分布は、図35Aのようになり、液晶層はこのような屈折率分布を持つとして表示装置の反射率を求め、印加電圧0.5V、1.0V、1.5V、2.0Vおよび2.5Vの場合について、それぞれ図35B、図36A、図36B、図37A、図37Bに示した。
【0274】
これらの図においては、横軸が波長、縦軸が反射率である。これらの各図においては、各波長の光を干渉反射する各複合多層膜の層数がそれぞれ11×2(F)、21×2(A)、31×2(G)、41×2(B)および51×2(J)の場合について反射率をそれぞれ求めている。ここで、各場合の層数の内容については、第3の実施例の場合と同様である。
【0275】
電圧無印加の時、液晶層の液晶分子はほぼ水平方向に配向し、屈折率がn =1.8となるが、フィルムの屈折率は1.52であるので、各波長で干渉反射される。電圧を印加していくと、図35Aに示したように、屈折率が1.8よりも小さくなっていくので、各波長の干渉反射の程度が次第減少し、透過率が上昇してくるが、電圧を2.0V、2.5Vとかけていっても、反射率は0にはならない。これは、図35Aに示すように、電圧を印加した場合の液晶の屈折率は、液晶の短軸方向の屈折率に等しくはならないからである。
【0276】
(第8の実施例)
図38は、本発明の第8の実施例の表示装置の構造を説明するための図である。この第8の実施例の表示装置においては、波長450nm、500nm、550nm、600nm、650nm、700nm、750nmの入射光をそれぞれ干渉反射する7つの複合多層膜を積層している。この7つの複合多層膜のそれぞれの構造は、図18Bを参照して説明した第3の実施例の場合と同様である。
【0277】
本実施例においては、液晶分子の長軸方向の屈折率n =1.8、短軸方向の屈折率n =1.52とし、フィルムの屈折率をnF1=nF2=1.58とした。7つの波長の光をそれぞれ干渉反射する複合多層膜は、液晶層とフィルムの厚みを450nmの波長、500nmの波長、550nmの波長、600nm、650nmの波長、700nmの波長、750nmの波長に対してそれぞれ(3)、(4)式を満たすように設定した。
【0278】
電圧を印加した場合のセル内の厚さ方向の屈折率分布は、図39Aのようになり、液晶層はこのような屈折率分布を持つとして表示装置の反射率を求め、印加電圧0.5V、1.0V、1.5V、2.0Vおよび2.5Vの場合について、それぞれ図39B、図40A、図40B、図41A、図42Bに示した。
【0279】
これらの図においては、横軸が波長、縦軸が反射率である。これらの各図においては、各波長を干渉する各複合多層膜の層数がそれぞれ11×2(F)、21×2(A)、31×2(G)、41×2(B)および51×2(J)の場合について反射率をそれぞれ求めている。ここで、各場合の層数の内容については、第3の実施例の場合と同様である。
【0280】
電圧無印加の時、液晶層の液晶分子はほぼ水平方向に配向し、屈折率がn =1.8となるが、フィルムの屈折率は1.58であるので、各波長で干渉反射される。電圧を印加していくと、図39Aに示したように、屈折率が1.8よりも小さくなっていくので、各波長の干渉反射の程度が次第減少し、透過率が上昇する。そして、電圧を2.5Vと印加した場合に、反射率はほぼ0となる。図39Aに示すように、電圧を2.5V印加した場合には、液晶層の平均的な屈折率はフィルムの屈折率の1.58にほぼ等しくなるからである。
【0281】
(第9の実施例)
図42は、本発明の第9の実施例の表示装置の構造を説明するための図である。この第9の実施例の表示装置においては、波長450nm、500nm、550nm、600nm、650nm、700nm、750nmの入射光をそれぞれ干渉反射する7つの複合多層膜を積層している。この7つの複合多層膜のそれぞれの構造は、図18Bを参照して説明した第3の実施例の場合と同様である。
【0282】
本実施例においては、液晶分子の長軸方向の屈折率n =1.8、短軸方向の屈折率n =1.52とし、フィルムの屈折率をnF1=nF2=1.6とした。7つの波長の光をそれぞれ干渉反射する複合多層膜は、液晶層とフィルムの厚みを450nmの波長、500nmの波長、550nmの波長、600nm、650nmの波長、700nmの波長、750nmの波長に対してそれぞれ(3)、(4)式を満たすように設定した。
【0283】
電圧を印加した場合のセル内の厚さ方向の屈折率分布は、図43Aのようになり、液晶層はこのような屈折率分布を持つとして表示装置の反射率を求め、印加電圧0.5V、1.0V、1.5V、2.0Vおよび2.5Vの場合について、それぞれ図43B、図44A、図44B、図45A、図45Bに示した。
【0284】
これらの図においては、横軸が波長、縦軸が反射率である。これらの各図においては、各波長を干渉反射する各複合多層膜の層数がそれぞれ11×2(F)、21×2(A)、31×2(G)、41×2(B)および51×2(J)の場合について反射率をそれぞれ求めている。ここで、各場合の層数の内容については、第3の実施例の場合と同様である。
【0285】
電圧無印加の時、液晶層の液晶分子はほぼ水平方向に配向し、屈折率がn =1.8となるが、フィルムの屈折率は1.6であるので、各波長で干渉反射される。電圧を印加していくと、図43Aに示したように、屈折率が1.8よりも小さくなっていくので、各波長の干渉反射の程度が次第減少し、透過率が上昇する。そして、印加電圧を2.0Vとした場合に、反射率はほぼ0となり、印加電圧をさらに増加させて、2.5Vとすると、反射率は逆に増加する。図43Aに示すように、電圧を2.0V印加した場合には、液晶層の平均的な屈折率はフィルムの屈折率の1.6にほぼ等しくなるから反射率がほぼ0となり、電圧を2.5V印加した場合には、液晶層の平均的な屈折率はフィルムの屈折率1.6よりも小さくなるからまた反射率が増加している。なお、本実施例では、第8の実施例の場合よりもフィルムの屈折率を液晶の長軸方向の屈折率に近づけているので、駆動電圧を下げることができる。
【0286】
このように、フィルムの屈折率を印加電圧によってきまる液晶の平均的な屈折率にほぼ等しくすれば、その印加電圧での反射率を小さくすることができる。
【0287】
(第10の実施例)
図46は、本発明の第10の実施例の表示装置の構造を説明するための図である。この第10の実施例の表示装置においては、液晶層およびフィルムからなる複合多層膜を、隣接する液晶層およびフィルムの間では、(3)、(4)式をほぼ成立させながら、干渉反射する波長を450nmから750nmまで連続的変化させて表示装置を構成した。なお、各波長の光を干渉反射する複合多層膜は、それぞれP波用の複合多層膜とS波用の複合多層膜を備えており、P波用の複合多層膜の液晶層においては、電圧無印加時の液晶分子の長軸の配向方向は、フィルムにほぼ水平であってしかも紙面に並行であるとし、S波用の複合多層膜の液晶層においては、電圧無印加時の液晶分子の長軸の配向方向は、フィルムにほぼ水平であってしかも紙面に垂直であるとした。各波長の光を干渉反射する複合多層膜内においては、P波用の複合多層膜のフィルムと液晶層の層数とS波用の複合多層膜のフィルムと液晶層の層数とは同じとした。
【0288】
本実施例においては、液晶分子の長軸方向の屈折率n 、短軸方向の屈折率n をそれぞれ、n /n =1.6/1.5、1.55/1.4、1.7/1.5、1.15/1.3、とし、それぞれの表示装置の電圧印加時の反射率分布を図47A、47B、48A、48Bにそれぞれ示した。なお、フィルムはいづれも複屈折性を有するフィルムを用い、X軸方向の屈折率は隣接する液晶分子の長軸方向の屈折率と等しくし、Y軸方向の屈折率はやはり隣接する液晶分子の短軸方向の屈折率と等しくなるように設定している。これらの図においては、横軸が波長、縦軸が反射率である。これらの各図においては、450nmから750nmまでの光を干渉反射する複合多層膜における液晶層とフィルムの全層数がそれぞれ51×2(a)、101×2(b)、151×2(c)、201×2(d)、251×2(e)、301×2(f)、351×2(g)、401×2(h)、451×2(i)および501×2(j)の各場合について反射率をそれぞれ求めている。ここで、例えばaの場合、51×2とは、P波用の複合多層膜の層数が51であり、S波用の複合多層膜の層数が51であることを示している。従って、本実施例の場合では、全層数は51×2=102となる。b乃至jの場合も同様である。
【0289】
液晶の複屈折率性(=長軸方向の屈折率(n 、nCL1 )/短軸方向の屈折率(n 、nCL2 ))が大きい程、また、層数が多い程、反射率が高くなっている。
【0290】
図49には、この複屈折率性をパラメータとして、全層数と反射率との関係を示している。これによれば、複屈折性が1.1以上で、全層数が100以上あれば、従来のTN液晶の反射率よりも高い反射率が得られることがわかる。
【0291】
なお、上記第3乃至第10の実施例においては、電圧無印加時に液晶がフィルムまたは基板に対し水平に配向(ホモジニヤス配向)するような構造であるとしてシミュレーションを行ったが、電圧無印加時に液晶がフィルムまたは基板に対しほぼ垂直に配向(ホメオトロピック配向)するような構造であっても、その原理は同じである。ただ、この場合には、フィルムの屈折率が液晶の長軸方向の屈折率に近い場合には、電圧無印加で光反射、電圧印加で光透過となり、フィルムの屈折率が液晶の短軸方向の屈折率に近い場合には、電圧無印加で光透過、電圧印加で光反射となる。
【0292】
【発明の効果】
以上、説明した様に、本発明にかかわる表示装置に於いては、偏光板を使わず、明るい表示装置が可能となり、特に反射型表示装置として従来の液晶表示装置では得られなかった明るい白/黒表示、更には、明るい反射型カラー表示装置が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る表示装置の第1の実施の形態を説明するための図である。
【図2】本発明に係る表示原理を説明するための図である。
【図3】本発明に係る表示装置の第2の実施の形態を説明するための図である。
【図4】本発明に係る表示装置の第3の実施の形態を説明するための図である。
【図5】本発明に係る表示装置の第4の実施の形態を説明するための図である。
【図6】本発明に係る表示装置の第5の実施の形態を説明するための図である。
【図7】本発明に係る表示装置の第6の実施の形態を説明するための図である。
【図8】本発明に係る表示装置の第7の実施の形態を説明するための図である。
【図9】本発明に係る表示装置の第8の実施の形態を説明するための図である。
【図10】本発明に係る表示装置の第9の実施の形態を説明するための図である。
【図11】本発明に係る表示装置に使用する複合多層膜の製造方法を説明するための図である。
【図12】本発明に係る表示装置に使用する複合多層膜の他の製造方法を説明するための図である。
【図13】本発明に係る表示装置の第1の実施例における複合多層膜の層数と干渉反射率の関係を説明するための図である。
【図14】本発明に係る表示装置の第2の実施例における複合多層膜の層数と干渉反射率の関係を説明するための図である。
【図15】本発明に係る表示装置の第3の実施例乃至第10の実施例における印加電圧と液晶分子の配向状態との関係を説明するための図である。
【図16】本発明に係る表示装置の第3の実施例乃至第10の実施例における印加電圧と液晶分子の配向状態との関係を説明するための図である。
【図17】本発明に係る表示装置の第3の実施例乃至第10の実施例におけるセル厚方向と液晶の屈折率との関係を印加電圧をパラメータとして説明するための図である。
【図18】本発明の第3の実施例の表示装置の構造を説明するための図である。
【図19】本発明の第3の実施例の表示装置を説明するための図であり、図19Aは、第3の実施例の表示装置におけるセル厚方向と液晶の屈折率との関係を印加電圧をパラメータとして説明するための図であり、図19Bは、第3の実施例の表示装置における複合多層膜の層数と干渉反射率の関係を説明するための図である。
【図20】本発明の第3の実施例の表示装置における複合多層膜の層数と干渉反射率の関係を説明するための図である。
【図21】本発明の第3の実施例の表示装置における複合多層膜の層数と干渉反射率の関係を説明するための図である。
【図22】本発明の第4の実施例の表示装置の構造を説明するための図である。
【図23】本発明の第4の実施例の表示装置を説明するための図であり、図23Aは、第4の実施例の表示装置におけるセル厚方向と液晶の屈折率との関係を印加電圧をパラメータとして説明するための図であり、図23Bは、第4の実施例の表示装置における複合多層膜の層数と干渉反射率の関係を説明するための図である。
【図24】本発明の第4の実施例の表示装置における複合多層膜の層数と干渉反射率の関係を説明するための図である。
【図25】本発明の第4の実施例の表示装置における複合多層膜の層数と干渉反射率の関係を説明するための図である。
【図26】本発明の第5の実施例の表示装置の構造を説明するための図である。
【図27】本発明の第5の実施例の表示装置を説明するための図であり、図27Aは、第5の実施例の表示装置におけるセル厚方向と液晶の屈折率との関係を印加電圧をパラメータとして説明するための図であり、図27Bは、第5の実施例の表示装置における複合多層膜の層数と干渉反射率の関係を説明するための図である。
【図28】本発明の第5の実施例の表示装置における複合多層膜の層数と干渉反射率の関係を説明するための図である。
【図29】本発明の第5の実施例の表示装置における複合多層膜の層数と干渉反射率の関係を説明するための図である。
【図30】本発明の第6の実施例の表示装置の構造を説明するための図である。
【図31】本発明の第6の実施例の表示装置を説明するための図であり、図31Aは、第6の実施例の表示装置におけるセル厚方向と液晶の屈折率との関係を印加電圧をパラメータとして説明するための図であり、図31Bは、第6の実施例の表示装置における複合多層膜の層数と干渉反射率の関係を説明するための図である。
【図32】本発明の第6の実施例の表示装置における複合多層膜の層数と干渉反射率の関係を説明するための図である。
【図33】本発明の第6の実施例の表示装置における複合多層膜の層数と干渉反射率の関係を説明するための図である。
【図34】本発明の第7の実施例の表示装置の構造を説明するための図である。
【図35】本発明の第7の実施例の表示装置を説明するための図であり、図35Aは、第7の実施例の表示装置におけるセル厚方向と液晶の屈折率との関係を印加電圧をパラメータとして説明するための図であり、図35Bは、第7の実施例の表示装置における複合多層膜の層数と干渉反射率の関係を説明するための図である。
【図36】本発明の第7の実施例の表示装置における複合多層膜の層数と干渉反射率の関係を説明するための図である。
【図37】本発明の第7の実施例の表示装置における複合多層膜の層数と干渉反射率の関係を説明するための図である。
【図38】本発明の第8の実施例の表示装置の構造を説明するための図である。
【図39】本発明の第8の実施例の表示装置を説明するための図であり、図39Aは、第8の実施例の表示装置におけるセル厚方向と液晶の屈折率との関係を印加電圧をパラメータとして説明するための図であり、図39Bは、第8の実施例の表示装置における複合多層膜の層数と干渉反射率の関係を説明するための図である。
【図40】本発明の第8の実施例の表示装置における複合多層膜の層数と干渉反射率の関係を説明するための図である。
【図41】本発明の第8の実施例の表示装置における複合多層膜の層数と干渉反射率の関係を説明するための図である。
【図42】本発明の第9の実施例の表示装置の構造を説明するための図である。
【図43】本発明の第9の実施例の表示装置を説明するための図であり、図43Aは、第9の実施例の表示装置におけるセル厚方向と液晶の屈折率との関係を印加電圧をパラメータとして説明するための図であり、図43Bは、第9の実施例の表示装置における複合多層膜の層数と干渉反射率の関係を説明するための図である。
【図44】本発明の第9の実施例の表示装置における複合多層膜の層数と干渉反射率の関係を説明するための図である。
【図45】本発明の第9の実施例の表示装置における複合多層膜の層数と干渉反射率の関係を説明するための図である。
【図46】本発明の第10の実施例の表示装置の構造を説明するための図である。
【図47】本発明の第10の実施例の表示装置における複合多層膜の層数と干渉反射率の関係を説明するための図である。
【図48】本発明の第10の実施例の表示装置における複合多層膜の層数と干渉反射率の関係を説明するための図である。
【図49】本発明の第10の実施例の表示装置における複合多層膜の全層数と干渉反射率の関係を説明するための図である。
【符号の説明】
1 上基板
2 下基板
5、6、7 プラスチックフィルム
8、9、10、11 液晶層
13 電圧無印加領域
14 電圧印加領域
15、16 入射光
17 干渉反射光

Claims (16)

  1. フィルムと液晶層とが交互に積層された複合多層膜を備え、前記複合多層膜に電圧を印加して前記複合多層膜における光反射率を制御する表示装置であって、
    前記液晶層に使用される液晶の所定の波長(λn )の光に対する長軸方向の屈折率nLC1(λn) および短軸方向の屈折率nLC2(λn) と、前記フィルムの前記所定の波長(λn )の光に対する前記フィルム面内の互いに直交するX軸方向とY軸方向のそれぞれの屈折率nF1(λn)およびnF2(λn)とを、
    前記複合多層膜の前記フィルムと液晶層のうちの少なくとも隣り合う一組のフィルムと液晶層との間において、
    下記〔1〕および〔2〕の条件
    Figure 0003564905
    を満たすようにしたことを特徴とする表示装置。
  2. 前記nF1(λn)と、nLC2(λn) と、前記液晶層の厚みdLCと、前記フィルムの厚みdF とを、前記少なくとも隣り合う一組のフィルムと液晶層との間において、下記〔3〕および〔4〕の条件
    Figure 0003564905
    の少なくとも一方の条件を満たすようにしたことを特徴とする請求項1記載の表示装置。
  3. 前記液晶層に使用される液晶分子の長軸が、電圧無印加時に、少なくとも前記フィルム近傍において前記フィルムに対しほぼ水平方向かつ前記X軸方向に配向するようにし、
    前記複合多層膜が電圧無印加時に光透過状態となり電圧印加時に光反射状態となるようにしたことを特徴とする請求項1または2記載の表示装置。
  4. 前記nLC1(λn) 、nLC2(λn) 、nF1(λn)およびnF2(λn)を、前記少なくとも隣り合う一組のフィルムと液晶層との間において、下記〔5〕および〔6〕の条件
    Figure 0003564905
    を満たすようにしたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の表示装置。
  5. 前記液晶が電圧無印加時に前記フィルムに対してプレチルト角をほとんど有さないで配向していることを特徴とする請求項3または4記載の表示装置。
  6. 前記nLC1(λn) およびnF1(λn)を、前記少なくとも隣り合う一組のフィルムと液晶層との間において、下記〔7〕の条件
    Figure 0003564905
    を満たすようにしたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の表示装置。
  7. 前記液晶が電圧無印加時に前記フィルムに対して所定のプレチルト角をもって配向していることを特徴とする請求項3または6記載の表示装置。
  8. 前記nF1(λn)を、電圧無印加時における前記液晶層の前記所定の波長(λn )の光に対する前記X軸方向の平均的な屈折率とほぼ等しくし、且つ前記nF2(λn)を、電圧無印加時における前記液晶層の前記所定の波長(λn )の光に対する前記Y軸方向の平均的な屈折率とほぼ等しくしたことを特徴とする請求項3乃至7のいずれかに記載の表示装置。
  9. 前記nF1(λn)と、nLC1(λn)と、nLC2(λn)と、前記液晶層の厚みdLCと、前記フィルムの厚みdF とを、前記少なくとも隣り合う一組のフィルムと液晶層との間において、下記〔8〕および〔9〕の条件
    Figure 0003564905
    の少なくとも一方の条件を満たすようにしたことを特徴とする請求項3乃至8のいずれかに記載の表示装置。
  10. 前記液晶層に使用される液晶分子の長軸が、電圧無印加時に、少なくとも前記液晶層の前記積層方向での中央部付近において、前記フィルムに対しほぼ垂直方向に配向するようにし、
    前記複合多層膜が電圧印加時に光透過状態となり電圧無印加時に光反射状態となるようにしたことを特徴とする請求項1または2記載の表示装置。
  11. 前記nLC1(λn) 、nLC2(λn) およびnF1(λn)を、前記少なくとも隣り合う一組のフィルムと液晶層との間において、下記〔10〕の条件
    Figure 0003564905
    を満たすようにしたことを特徴とする請求項10記載の表示装置。
  12. 前記nF1(λn)を、電圧印加時における前記液晶層の前記所定の波長の光に対する前記X軸方向の平均的な屈折率とほぼ等しくしたことを特徴とする請求項10または11記載の表示装置。
  13. 前記nF1(λn)と、nLC2(λn)と、前記液晶層の厚みdLCと、前記フィルムの厚みdF とを、前記少なくとも隣り合う一組のフィルムと液晶層との間において、下記〔11〕および〔12〕の条件
    Figure 0003564905
    の少なくとも一方の条件を満たすようにしたことを特徴とする請求項10乃至12のいずれかに記載の表示装置。
  14. 前記液晶層に使用される液晶分子の長軸が、電圧無印加時に、前記フィルム近傍において、前記フィルムに対してほぼ垂直方向に配向していることを特徴とする請求項10乃至13のいずれかに記載の表示装置。
  15. 前記nLC2(λn) およびdLCを、前記少なくとも隣り合う一組のフィルムと液晶層との間において、下記〔13〕および〔14〕の条件
    Figure 0003564905
    を満たすようにしたことを特徴とする請求項10乃至12のいずれかに記載の表示装置。
  16. 前記液晶層に使用される液晶分子の長軸が、電圧無印加時に、前記フィルム近傍において、前記フィルムに対して垂直方向から所定の角度傾いて配向していることを特徴とする請求項10、11、12または15記載の表示装置。
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