JP3562648B2 - 代理メールアドレスによる電子メール送信システム - Google Patents
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Description
【0001】
本発明は、ユーザーの主メールアドレスおよび送信先の相手のメールアドレスから、該当する代理メールアドレスを抽出して、ユーザーの主メールアドレスを代理メールアドレスに変換し、送信先の相手のメールアドレス宛に送信するための代理メールアドレスによる電子メール送信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、個人の主メールアドレスの漏洩の懸念があるとき、無料メールアドレスなどでセカンドメールアドレスを取得し、セカンドメールアドレスを使用して送信を行い、メール転送機能を使って個人の主メールアドレスに受信内容を転送すれば、セカンドメールアドレスが漏洩し、不用不快なダイレクトメールが送られてくるようになったら、そのメールアドレスを手動で破棄する方法がある。
メールアドレスの管理が重要になっている。インターネットショッピングや懸賞の応募により、メールアドレス・個人情報の漏洩が行われるのが現実である。業者間にメールアドレスが漏洩すると、“ダイレクトメール”が頻繁に送られてくる、受信料もばかにできない。ウイルスが送られてくるかも知れない。
このような問題を解決するための技術としては、たとえば特開2001−127788「ネットワークメールシステム電子メールシステム」においては、不適当な相手と意に反して通信することになる危険を除去するための技術内容が開示されている。
この発明によれば、ネットワークの中に、アドレスを変換する特別のサーバーを置き、これを中立の機関が管理し、実のアドレスを仮のアドレスに変換してメールを仲介することにより、未知の交信者同士が、相手に本名や住所などが漏れないままメール交信を行なう。またアドレスを変換するためのデータベースを不正な攻撃から保護する手段を有し、さらに該サーバーに出入りするメールの対応関係を外部から調べる事により名前やアドレスの対応関係などが漏れることを防ぐ手段を有する。また交信人同士の同意に基づき、相手の情報を開示するサービスを行なう。
【0003】
しかしながら、このような技術を用いた場合にも、実のアドレスを仮のアドレスに変換するだけの対応であるために、ユーザーの本当のメールアドレスを隠すという効果を生じるだけである。またこの発明においては、ユーザーの認証をパスワード等を利用して行うように構成されており、その操作や管理も煩雑である。
あるいは特開平11−341045「電子メール転送装置および電子メール転送方法並びに電子メール転送制御プログラムを記録した記録媒体」においては、電子メールの実アドレスを懸賞の応募などで公開することで不必要な宣伝やダイレクトメールを送付される不利益を防止するための技術内容が開示されている。
この発明によれば、実アドレスとは独立した仮想アドレスのみを電子メールアドレスとして公開し、電子メールを受け取ると、その仮想アドレスに対応する転送先の実アドレスを利用者データべースから検索し、転送先にその電子メールの転送を行うとともに、その転送メールの累積数が転送回数上限を上回った場合、無効化処理を予約する。また利用者データべースを検索して、現在の日時よりも古い有効期限のアドレスの無効化処理を予約する。予約された無効化処理はその電子メールの実アドレス宛てへの転送が終わった後、速やかに行われる。利用者が自動継続を希望する場合は、新しい仮想アドレスを自動的に作成して、新しい仮想アドレス宛ての電子メールがその利用者の実アドレスに転送されるよう設定し、利用者に通知する。
【0004】
しかしながらこの場合にも、実のアドレスを仮のアドレスに変換するだけの対応であるために、ユーザーの本当のメールアドレスを隠すという効果を生じるだけである。またこの発明においては、アドレスの無効化処理が必須の構成となっているために、メールアドレスを使い捨てせずに使い続けるということをすることができない。
さらに、これまでに述べた従来技術においては、仮のメールアドレスが意図しない第三者に知られてしまった場合の対応について、たとえば不要な広告やスパムメールなど、受信を希望しないメールが届いてしまうようになった場合の有効な対処方法がとられていない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、上記の様々な課題を解決するため、本発明のシステムにおいては、ユーザーの主メールアドレスおよび送信先の相手のメールアドレスと、代理メールアドレスとを1対1に対応づけたメールアドレス対応テーブルを設ける構成を採用する。
この「使い捨てメール」システムを使うと、本人の主メールアドレスの代わりにサーバーが“代理メールアドレス”を自動的に発行し、その“代理メールアドレス”を使って送信する。返信メールは“代理メールアドレス”が受け取り、本人の主メールアドレスに転送する。
“代理メールアドレス”が業者間に漏洩したときは、これを廃棄することができる。一般的なメール転送サービスでは、複数のメールアドレスの一元化が主な目的だが、「使い捨てメール」では個人メールアドレスの隠蔽と漏洩調査・対策を目的とする。
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明においては、
送信元ユーザーの主メールアドレスと送信先メールアドレスとの間の電子メール送受信処理を行うサーバーシステムを備えた電子メールシステムにおいて、
前記サーバーシステムは、
送信元ユーザーの主メールアドレスと送信先メールアドレスとの組み合わせに一対一に対応する代理メールアドレスを記憶するメールアドレス対応テーブルと、
前記代理メールアドレスごとのメールボックスと、
送信元ユーザーの主メールアドレスから送信先メールアドレスに送信される電子メールの主メールアドレスを、前記組み合わせに対応する代理メールアドレスに変換して送信するプログラムとを有し、
送信元ユーザーの主メールアドレスから送信先メールアドレスに送信される送信電子メールの主メールアドレスを、前記メールアドレス対応テーブルの組み合わせに基づき、対応する代理メールアドレスに変換した後に該送信電子メールを送信先メールアドレスに送信し、
前記メールアドレス対応テーブルに規定された組み合わせとは異なる相手からの受信電子メールがあった場合には、該受信電子メールを受信した前記送信元ユーザーが、所定外の受信に対する処理の中から、当該電子メールまたは当該メールアドレス対応テーブルまたは当該代理メールアドレスのメールボックスの内の少なくともいずれかについて実行する処理を選択できるようにした、電子メールシステムであることを特徴としている。
【0007】
また、上記課題を解決するため、請求項2に記載の発明においては、
送信元ユーザーの主メールアドレスと送信先メールアドレスとの間の電子メール送受信処理を行うサーバーシステムを備えた電子メールシステムにおいて、
前記サーバーシステムは、
前記送信元ユーザーの主メールアドレスと送信先メールアドレスとの組み合わせに一対一に対応する代理メールアドレスを記憶するメールアドレス対応テーブルと、
前記代理メールアドレスごとのメールボックスと、
前記送信元ユーザーの主メールアドレスと前記送信先メールアドレスとの組み合わせに一対一に対応する代理メールアドレスを発行して前記メールアドレス対応テーブルに記憶するとともに、送信元ユーザーの主メールアドレスから送信先メールアドレスに送信され る電子メールの主メールアドレスを、前記組み合わせに対応する代理メールアドレスに変換して送信するプログラムとを有し、
発行され前記メールアドレス対応テーブルに記憶される前記代理メールアドレスは、プリフィックス部分とサフィックス部分からなり、該プリフィックス部分は前記サーバーシステムから取得され、該プリフィックス部分はユーザーが定義可能にされた、電子メールシステムであることを特徴としている。
【0008】
また、上記課題を解決するため、請求項3に記載の発明においては、
送信元ユーザーの主メールアドレスと送信先メールアドレスとの間の電子メール送受信処理を行うサーバーシステムを備えた電子メールシステムにおいて、
前記サーバーシステムは、
前記送信元ユーザーの主メールアドレスと送信先メールアドレスとの組み合わせに一対一に対応する代理メールアドレスを記憶するメールアドレス対応テーブルと、
前記代理メールアドレスごとのメールボックスと、
前記送信元ユーザーの主メールアドレスと前記送信先メールアドレスとの組み合わせに一対一に対応する代理メールアドレスを発行して前記メールアドレス対応テーブルに記憶するとともに、送信元ユーザーの主メールアドレスから送信先メールアドレスに送信される電子メールの主メールアドレスを、前記組み合わせに対応する代理メールアドレスに変換して送信するプログラムとを有し、
発行され前記メールアドレス対応テーブルに記憶される前記代理メールアドレスには、エラー検出機能のための冗長部分が付加されている、電子メールシステムであることを特徴としている。
【0009】
また、上記課題を解決するため、請求項4に記載の発明においては、
前記サーバーシステムは、前記送信元ユーザーから受信した代理メールアドレス発行依頼データに対応して、前記送信元ユーザーの主メールアドレスと送信先メールアドレスとの組み合わせに一対一に対応する代理メールアドレスを発行して、前記メールアドレス対応テーブルに記憶する、請求項1〜3のいずれかに記載の電子メールシステムであることを特徴としている。
【0010】
また、上記課題を解決するため、請求項5に記載の発明においては、
前記送信元ユーザーから受信した電子メールの前記送信先メールアドレスが、前記メールアドレス対応テーブルに記憶されていない場合には、
前記送信元ユーザーの主メールアドレスと該送信先メールアドレスとの組み合わせに一対一に対応する代理メールアドレスを発行して前記メールアドレス対応テーブルに記憶する、請求項1〜3のいずれかに記載の電子メールシステムであることを特徴としている。
【0010】
また、上記課題を解決するため、請求項6に記載の発明においては、
前記メールアドレス対応テーブルに記憶される一つの代理メールアドレスに対応して、複数の送信先メールアドレスが記憶される、請求項1〜5のいずれかに記載の電子メールシステムであることを特徴としている。
【0011】
また、上記課題を解決するため、請求項7に記載の発明においては、
前記メールアドレス対応テーブルに記憶された組み合わせに対応した前記送信先メールアドレスからの代理メールアドレスに対する受信電子メールがあった場合には、該代理メールアドレスを対応する主メールアドレスに変換して該主メールアドレスに転送する、請求項1〜6のいずれかに記載の電子メールシステムであることを特徴としている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
本発明の、代理メールアドレスによる電子メール送信システムは、入力手段、制御手段、表示手段、出力手段、記憶手段等を備えるコンピュータや携帯情報端末等のユーザー端末において、ユーザーの操作により情報処理が行われるシステムであって、ユーザー端末からアクセスが行われるサーバーシステムとにより構成されるシステムである。
【0013】
サーバーシステムにはメールサーバーが備えられ、代理メールアドレスごとのメールボックスが設けられる。
またサーバーシステムには、ユーザーの主メールアドレスおよび送信先の相手のメールアドレスと、代理メールアドレスとを1対1に対応づけたメールアドレス対応テーブルが記憶される。
またサーバーシステムには、代理メールアドレスを生成してユーザーに発行し、ユーザー端末から送信された電子メールのユーザーの主メールアドレスを代理メールアドレスに変換して送信先宛に送信するためのプログラムが備えられる。
ユーザー端末から送信される電子メールに含まれる、ユーザーの主メールアドレスおよび送信先の相手のメールアドレスから、該当する代理メールアドレスを抽出して、ユーザーの主メールアドレスを代理メールアドレスに変換し、送信先の相手のメールアドレス宛に送信することを特徴とする。
【0015】
第1図は代理メールアドレスによる電子メール送信システムの基本的な構成を示すシステム概念図である。
第2図は、メールアドレス対応テーブルの一例を示す図である。
メールの送受信は「代理メールアドレス」を介して行われる。
代理メールアドレスの作成は、後述するように自動的に行われることが望ましく、送信先である相手のメールアドレスと関連付けをされて、メールアドレス対応テーブルに記憶される。いったん代理メールアドレスが生成されてメールアドレス対応テーブルに記憶されれば、2度目以降の送信はこの関連情報から以前に使用した代理メールアドレスを選択し、送受信を行うことができる。
新しい送信先であれば、別の新しい代理メールアドレスを作成して送受信する。送信先と代理メールアドレスは1対1の関係になる。送信先をグループとして管理することもできる。
代理メールアドレスが業者間に知れ渡りダイレクトメールが送られてきた場合、この送信元メールアドレスは「関連付け」とは異なり、漏洩されたと判断できる。そして、メールの破棄・漏洩状況の通知・代理メールアドレスの一時停止・廃棄などさまざまな対応・対策が行え、これにより使い捨てメールアドレスとして利用することもできる。なお、以下、本明細書及び図面において、「代理メールアドレスによる電子メール送信システム」を必要に応じ「使い捨てメールシステム、「代理メールアドレス」を「使い捨てメールアドレス」と称するが、意味は同様である。
【0016】
第3図は、「使い捨てメール」システムのサーバーシステム及びユーザーのクライアント端末を示す図である。
「使い捨てメール」システムでは、ユーザーはたとえばマイクロソフト(商標)社のOutlookExpress(商標)等の一般的なPOP3メールソフトを使ってメールの送受信が行える。
「使い捨てメール」システムのクライアントソフトが中継することで代理メールアドレスの発行などのサービスが利用できる。ユーザーはクライアントソフトのインストールと設定が必要になるが、それ以後のメール送受信は本発明のサーバーシステムを使用しないで直接メールを相手に送るのと、まったく同じである。つまり、手間がかからない。「使い捨てメール」クライアント機能は、メールソフト内に取り込むこともできる。
【0017】
以下、本発明の処理の流れの一例を、ユーザー[email protected]が[email protected]へ「使い捨てメール」システムを利用してメールを出す場合を例にして説明する。
初めに、第4図に示すように、相手のメールアドレスに電子メールを送信する際に、ユーザー端末から相手のメールアドレスを指定して、代理メールアドレス発行依頼データを前記のサーバーシステムに送信し、サーバーシステムにおいて受信する処理を行う。
「使い捨てメール」システムがインストールされた環境でメール送信を行うと、クライアントソフトを通じて「使い捨てメール」サーバーにメールが転送される。サーバーでは送信先を確認し、新規の相手であれば新しい代理メールアドレスを自動的に発行し、メールアドレス対応テーブルに登録する。サーバーシステムにおいて、受信した代理メールアドレス発行依頼データに基づき、ユーザーの主メールアドレスおよび送信先の相手のメールアドレスと、に1対1に対応づけられた代理メールアドレスを発行し、前記のメールアドレス対応テーブルに記憶する処理が行われる。代理メールアドレスは自動的に発行・管理される。
【0018】
第5図は、メールアドレス対応テーブルのデータの一例を示す。
代理メールアドレスに対応する代理メールアドレスごとのメールボックスを設定する処理を行い、次いで、ユーザー端末から送信される電子メールに含まれる、ユーザーの主メールアドレスおよび送信先の相手のメールアドレスから、該当する代理メールアドレスを抽出して、ユーザーの主メールアドレスを代理メールアドレスに変換し、ユーザーの主メールアドレスと相手のメールアドレスから代理メールアドレスを決定する。
ユーザーの主メールアドレスおよび送信先の相手のメールアドレスと、に1対1に対応づけられた代理メールアドレスを発行し、前記のメールアドレス対応テーブルに記憶されるので、ユーザーが別の相手にメールを送る場合は、別の代理メールアドレスを発行する。
【0019】
ただし、一つの代理メールアドレスを複数の相手に使うこともできる。
この場合には請求の範囲6に記載したように、送信先と代理メールアドレスが1対1の対応付けをされる前記のメールアドレス対応テーブルにおいて、送信先をグループとして管理することにより、一つの代理メールアドレスを複数の相手に使うことが可能になる。
なお、発行された代理メールアドレスは、送信先と代理メールアドレスが1対1の対応付けをされる前記のメールアドレス対応テーブルにおいて記憶管理されるが、ユーザーからの削除依頼などにより、メールアドレス対応テーブルから削除できるようにすることが望ましい。
ユーザーは「使い捨てメール」システムを利用する上で漏洩時のメール対応設定程度が必要になるが、通常のメール送受信と比べても特別な作業はない。漏洩検出した場合には、漏洩検出のレポートを確認、その後の処理・漏洩した代理メールアドレスの廃棄をサーバーに依頼することはユーザーが行う。
【0020】
第6図は、代理メールアドレスを用いてメールの送信を行い、返信を受ける処理を示す概念図である。いったん代理メールアドレスが生成されてメールアドレス対応テーブルに記憶されれば、2度目以降の送信はこの関連情報から以前に使用した代理メールアドレスを選択し、送受信を行うことができる。
次に、第4図に示すようにユーザーから相手先宛に送信されたメールは、サーバーシステムにおいて、クライアントソフトから転送されたメールの送信元を代理メールアドレスに置き換え、送信先(相手)にメールを送信する。相手から見た返信先は代理メールアドレスになり、本来の発信者は完全に隠蔽される。第6図において、「[email protected]」がこの場合の代理メールアドレスである。
【0021】
次に、ユーザー端末からメールを送信し、受信された相手先の端末から、代理メールアドレス宛に返信をする処理について説明する。
請求の範囲7に記載したように、送信先の相手から送信された返信メールは、サーバーシステムにおいて前記の代理メールアドレスのメールボックスが受信し、次いでユーザーの主メールアドレスに転送する処理を行う。
第7図は、代理メールアドレスのメールボックスが受信し、次いでユーザーの主メールアドレスに転送する処理を示す概念図である。代理メールアドレス[email protected]が受信したメールは、ユーザー[email protected]に送られる。
【0022】
次に、代理メールアドレスに対する相手のメールアドレス以外からメールが届いた場合について説明する。つまり、第8図に示されるように、メールアドレスがダイレクトメール業者などに漏洩された場合など、ユーザーが意図しない相手先から代理メールアドレス宛にメールが届く場合である。
代理メールアドレスに対応する相手のメールアドレス以外からメールが届いたとき、メールアドレス対応テーブルを参照し、ダイレクトメール業者のメールアドレス[email protected]と代理メールアドレス[email protected]から、本来の相手ではないので、メールアドレスの漏洩と判断できる。
サーバーシステムは、代理メールアドレスへ届いたメールを個人の主メールアドレスへ、無条件に転送する。受信したいメールとそうでないメールの区別は行わない。
【0023】
個人の主メールアドレスに転送されてきたメールを見てから、その後どうするかを決める。具体的には、(1)代理メールアドレスの一時停止、(2)廃棄、(3)メールアドレス対応テーブルの代理メールアドレスはそのままで、相手のメールアドレスのみの変更。または(4)複数登録である。また、メールアドレスの一元化が主な目的であるから、メール全てを個人の主メールアドレスで受信することになる。もちろん転送機能を使わなければ独立したメールアドレスになるので、主メールアドレスへの転送を行わずに、個々のメールアドレスとして利用することもできる。
代理メールアドレスに対しダイレクトメールが送られてきた場合など、所定外の受信があった場合には、その送信元メールアドレスは前記のメールアドレス対応テーブルに記憶される「関連付け」とは異なり、漏洩されたと判断する処理を行い、電子メールの破棄・漏洩状況の通知・代理メールアドレスの一時停止・廃棄などの対応をユーザーが選択可能にすることができる。
【0024】
代理メールアドレスに対応する相手以外からきたメールの対処方法は、
・“代理メールアドレス”を一時的に使用禁止にする。
・“代理メールアドレス”を廃棄する。
・メールアドレス対応テーブルの“相手のメールアドレス”を変更する。
・メールアドレス対応テーブルの“相手のメールアドレス”に追加する。つまり、複数登録する。
などの方法をとることができる。
【0025】
次に、本発明の実施形態として、相手先からの送信により、代理メールアドレスを用いたメールのやり取りが始まる形態について説明する。
ユーザーがあらかじめ代理メールアドレスをサーバーシステムから取得して確保することが可能であって、店頭で商品の購入時などに連絡先として代理メールアドレスを通知するなどした場合に、サーバーシステムにおいてその代理メールアドレス宛にメールを受信した際、その代理メールアドレスを送受信可能なアドレスとしてメールアドレス対応テーブルに自動登録する処理を行い、代理メールアドレスが利用可能になるようにすることができる。
第9図は、ユーザーがあらかじめ代理メールアドレスを「使い捨て」メールサーバーから取得する処理を示す概念図である。
ユーザーがユーザー端末から、代理メールアドレスの取得依頼をサーバーシステムに送信し、あらかじめ代理メールアドレスを「使い捨て」メールサーバーから取得しておく。この段階では、メールアドレス対応テーブルにはまだ登録されておらず、ただ確保しただけである。
店頭で商品の購入時などに、連絡先としてメールアドレスを記載する。相手からその代理メールアドレス宛にメールがきたら、その代理メールアドレスを送受信可能なアドレスとして、サーバーシステムにおいてメール対応テーブルに自動登録し、活性化させる。第10図はこの処理を示す概念図である。
【0026】
本発明の実施形態として、予約確保した不活性の代理メールアドレスをあらかじめ用意しておく場合の別の形態について説明する。
ユーザーがあらかじめ代理メールアドレスをサーバーシステムから取得して確保することが可能であって、ブラウザからのアクセス、代理メールアドレス取得用の電子メール等によりユーザーがサーバーシステムにアクセスした際に、代理メールアドレス名がユーザー端末に返信されることにより、あらかじめ予約して確保した代理メールアドレスが利用可能になるようにすることができる。
ブラウザからのアクセスで「使い捨てメール」サーバーシステムから取得する。
代理メールアドレス取得用の電子メールを「使い捨てメール」サーバーシステムに送ることにより、サーバーシステムからユーザー端末に代理メールアドレス名が返信される。これにより携帯電話など、あらゆる通信手段からも追加・取得が可能となる。
【0027】
また、ユーザーが予約確保しておいた、不活性の代理メールアドレスを使用してユーザー側からメールを出しても構わない。メールアドレス対応テーブルへの登録、活性化は同じように行われる。
すなわち、ユーザー端末から代理メールアドレスを相手先とする電子メールを送信し、サーバーシステムにおいて受信されることにより、あらかじめ予約して確保した代理メールアドレスが利用可能になる。
【0028】
次に、サーバーシステムにおいて、受信した代理メールアドレス発行依頼データに基づき、ユーザーの主メールアドレスおよび送信先の相手のメールアドレスと、に1対1に対応づけられた代理メールアドレスを発行する処理における、様々な実施形態について補足して説明する。
サーバーから取得する代理メールアドレス名をプリフィクス+サフィックスに分けて、プリフィクス部分をサーバーから取得し、サフィックス部分をユーザーが自由に定義できるようにする。
第11図は、本実施形態において発行される代理メールアドレスの一例を示し、第12図はメールアドレス対応テーブルの一例を示す。
例えば、ユーザーA用の代理メールアドレスは“DAIRI****@domain”のように必ず“DAIRI”で始め(プリフィクス)、更に文字を追加(サフィックス)したメールアドレスとする。ユーザーAが代理メールアドレスを追加したい場合、サフィックスの部分に日付・相手の名称などを入れて“DAIRI0921@domain”のようにする。ユーザーは代理メールアドレスの管理が非常にしやすくなる。
「使い捨てメール」サーバーはメールを受信すると、メールアドレスのプリフィクス部分からそのユーザーを特定できるため、メールをユーザーに転送できる。
代理メールアドレスはユーザーごとに決められたプリフィクスを持つ。新しい代理メールアドレスが必要になればサフィックスを追加したメールアドレスを指定することで「使い捨てメール」システムで運用できる。プリフィクスが同じメールアドレスは該当する同一のユーザー用として管理する。
【0029】
次に、サーバーシステムが自動生成する代理アドレスに冗長部分を付加し、エラー検出機能をつける処理を含むことを特徴とする。
ある種のアルゴリズムによって、生成されたメールアドレス群に対して、一方的に送りつけてくる場合の防御方法である。
「使い捨てメール」サーバーが自動生成する代理アドレスに冗長部分を付加し、エラー検出機能をつける。
代理アドレスの全バイトに対して、分散し冗長部分が組み込まれているため、冗長部分だけを切り離すことは不可能である。悪意のある人がある種のアルゴリズムにより生成されたメールアドレスを使い攻撃してきても、ほとんどはエラー検出機能により排除される。排除できない率は、代理アドレスのバイト数と付加した冗長バイト数により決定される。
排除率99%のときを例にして防御方法を説明する。悪意のある人から届いたメールの99%は即時に廃棄することができる。
メールアドレスが不正であると判断されると、そのメールの送信元に対して着信規制をかける。つまり、同じ送信元が送ってきたメールは、メールアドレスの本物、不正にかかわらず、ある一定時間受けとらない。または転送しない。これにより、ある種のアルゴリズムによりメールアドレスを生成させ、大量にメールを送りつけてくる攻撃を防げる。
【0030】
本発明は、これまでに説明したいずれの形態においても、メールアドレスを最大数十バイトの文字列として扱う現状の方法だけでなく、代理メールアドレスは、データファイルとして記憶管理されることにより、メールアドレスをファイルとして扱う方式にも対応する。ファイルの大きさに制限は無い。
【産業上の利用可能性】
【0031】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、ユーザー端末から送信される電子メールに含まれる、ユーザーの主メールアドレスおよび送信先の相手のメールアドレスから、該当する代理メールアドレスを抽出して、ユーザーの主メールアドレスを代理メールアドレスに変換し、送信先の相手のメールアドレス宛に送信する、代理メールアドレスによる電子メール送信システムを提供することができる。
これにより「使い捨てメール」システムを使うと、本人の主メールアドレスの代わりにサーバーが“代理メールアドレス”を自動的に発行し、その“代理メールアドレス”を使って送信する。返信メールは“代理メールアドレス”が受け取り、本人の主メールアドレスに転送することができる。
また、“代理メールアドレス”が業者間に漏洩したときは、これを廃棄することができ、個人メールアドレスの隠蔽と漏洩調査・対策を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】代理メールアドレスによる電子メール送信システムの基本的な構成を示すシステム概念図である。図1において、符号1は代理メールアドレスでの送信要求、2は代理メールアドレス[email protected]で送信、3は代理メールアドレスが漏洩、4は勧誘メール、5はヘッダー部に2種類の情報を付加して転送、の処理を示す。
【図2】メールアドレス対応テーブルの一例を示す図である。
【図3】サーバーシステム及びユーザーのクライアント端末を示す図である。
【図4】相手のメールアドレスに電子メールを送信する際に、ユーザー端末から相手のメールアドレスを指定して、代理メールアドレス発行依頼データを前記のサーバーシステムに送信し、サーバーシステムにおいて受信する処理を示す概念図である。
【図5】メールアドレス対応テーブルのデータの一例を示す。
【図6】代理メールアドレスを用いてメールの送信を行い、返信を受ける処理を示す概念図である。
【図7】代理メールアドレスのメールボックスが受信し、次いでユーザーの主メールアドレスに転送する処理を示す概念図である。
【図8】メールアドレスがダイレクトメール業者などに漏洩された場合など、ユーザーが意図しない相手先から代理メールアドレス宛にメールが届く場合を示す図である。
【図9】ユーザーがあらかじめ代理メールアドレスを「使い捨て」メールサーバーから取得する処理を示す概念図である。
【図10】相手から代理メールアドレス宛にメールがきたら、その代理メールアドレスを送受信可能なアドレスとして、サーバーシステムにおいてメール対応テーブルに自動登録する処理を示す概念図である。
【図11】本発明の実施形態において発行される代理メールアドレスの一例を示す。メールアドレス対応テーブルの一例を示す。
【図12】本発明の実施形態におけるメールアドレス対応テーブルの一例を示す。
Claims (7)
- 送信元ユーザーの主メールアドレスと送信先メールアドレスとの間の電子メール送受信処理を行うサーバーシステムを備えた電子メールシステムにおいて、
前記サーバーシステムは、
送信元ユーザーの主メールアドレスと送信先メールアドレスとの組み合わせに一対一に対応する代理メールアドレスを記憶するメールアドレス対応テーブルと、
前記代理メールアドレスごとのメールボックスと、
送信元ユーザーの主メールアドレスから送信先メールアドレスに送信される電子メールの主メールアドレスを、前記組み合わせに対応する代理メールアドレスに変換して送信するプログラムとを有し、
送信元ユーザーの主メールアドレスから送信先メールアドレスに送信される送信電子メールの主メールアドレスを、前記メールアドレス対応テーブルの組み合わせに基づき、対応する代理メールアドレスに変換した後に該送信電子メールを送信先メールアドレスに送信し、
前記メールアドレス対応テーブルに規定された組み合わせとは異なる相手からの受信電子メールがあった場合には、該受信電子メールを受信した前記送信元ユーザーが、所定外の受信に対する処理の中から、当該電子メールまたは当該メールアドレス対応テーブルまたは当該代理メールアドレスのメールボックスの内の少なくともいずれかについて実行する処理を選択できるようにした、電子メールシステム。 - 送信元ユーザーの主メールアドレスと送信先メールアドレスとの間の電子メール送受信処理を行うサーバーシステムを備えた電子メールシステムにおいて、
前記サーバーシステムは、
前記送信元ユーザーの主メールアドレスと送信先メールアドレスとの組み合わせに一対一に対応する代理メールアドレスを記憶するメールアドレス対応テーブルと、
前記代理メールアドレスごとのメールボックスと、
前記送信元ユーザーの主メールアドレスと前記送信先メールアドレスとの組み合わせに一対一に対応する代理メールアドレスを発行して前記メールアドレス対応テーブルに記憶するとともに、送信元ユーザーの主メールアドレスから送信先メールアドレスに送信される電子メールの主メールアドレスを、前記組み合わせに対応する代理メールアドレスに変換して送信するプログラムとを有し、
発行され前記メールアドレス対応テーブルに記憶される前記代理メールアドレスは、プリフィックス部分とサフィックス部分からなり、該プリフィックス部分は前記サーバーシステムから取得され、該プリフィックス部分はユーザーが定義可能にされた、電子メールシステム。 - 送信元ユーザーの主メールアドレスと送信先メールアドレスとの間の電子メール送受信処理を行うサーバーシステムを備えた電子メールシステムにおいて、
前記サーバーシステムは、
前記送信元ユーザーの主メールアドレスと送信先メールアドレスとの組み合わせに一対一に対応する代理メールアドレスを記憶するメールアドレス対応テーブルと、
前記代理メールアドレスごとのメールボックスと、
前記送信元ユーザーの主メールアドレスと前記送信先メールアドレスとの組み合わせに一対一に対応する代理メールアドレスを発行して前記メールアドレス対応テーブルに記憶するとともに、送信元ユーザーの主メールアドレスから送信先メールアドレスに送信される電子メールの主メールアドレスを、前記組み合わせに対応する代理メールアドレスに変換して送信するプログラムとを有し、
発行され前記メールアドレス対応テーブルに記憶される前記代理メールアドレスには、エラー検出機能のための冗長部分が付加されている、電子メールシステム。 - 前記サーバーシステムは、前記送信元ユーザーから受信した代理メールアドレス発行依頼データに対応して、前記送信元ユーザーの主メールアドレスと送信先メールアドレスとの組み合わせに一対一に対応する代理メールアドレスを発行して、前記メール アドレス対応テーブルに記憶する、請求項1〜3のいずれかに記載の電子メールシステム。
- 前記送信元ユーザーから受信した電子メールの前記送信先メールアドレスが、前記メールアドレス対応テーブルに記憶されていない場合には、前記送信元ユーザーの主メールアドレスと該送信先メールアドレスとの組み合わせに一対一に対応する代理メールアドレスを発行して前記メールアドレス対応テーブルに記憶する、請求項1〜3のいずれかに記載の電子メールシステム。
- 前記メールアドレス対応テーブルに記憶される一つの代理メールアドレスに対応して、複数の送信先メールアドレスが記憶される、請求項1〜5のいずれかに記載の電子メールシステム。
- 前記メールアドレス対応テーブルに記憶された組み合わせに対応した前記送信先メールアドレスからの代理メールアドレスに対する受信電子メールがあった場合には、該代理メールアドレスを対応する主メールアドレスに変換して該主メールアドレスに転送する、請求項1〜6のいずれかに記載の電子メールシステム。
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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