JP3562216B2 - 流体封入式筒形マウント - Google Patents

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、内部に封入された非圧縮性流体の流動作用に基づいて防振効果を得るようにした流体封入式筒形マウントに係り、特に、互いに異なる周波数域にチューニングされた複数のオリフィス通路を設け、それらのオリフィス通路を通じて流動せしめられる流体の流動作用に基づいて、複数の乃至は広い周波数域の振動に対して防振効果が発揮されるようにした流体封入式筒形マウントに関するものである。
【0002】
【背景技術】
従来から、振動伝達系を構成する部材間に介装される防振連結体や防振支持体等の防振装置の一種として、特開平1−116329号公報や米国特許第4690389号明細書等に記載されているように、互いに径方向に所定距離を隔てて配された軸金具と金属スリーブを本体ゴム弾性体で連結する一方、軸金具を挟んで径方向で対向位置する両側に、それぞれ金属スリーブに設けられた窓部を通じて外周面に開口する主ポケット部と副ポケット部を形成せしめ、金属スリーブに外筒金具を外嵌装着してそれらのポケット部の開口部分を閉塞せしめることにより、壁部の一部が本体ゴム弾性体で構成されて振動入力時に内圧変動が生ぜしめられる主液室と、壁部の一部がゴム弾性膜で構成されて容積変化が許容される副液室を形成し、それら主液室と副液室に非圧縮性流体を封入すると共に、それら主液室と副液室を相互に連通するオリフィス通路を設けた構造の流体封入式筒形マウントが知られている。このような流体封入式筒形マウントは、オリフィス通路を通じて流動する非圧縮性流体の共振作用等の流動作用に基づいて優れた防振効果を得ることが出来るのであり、例えば自動車用エンジンマウント等として有利に用いられる。
【0003】
ところで、流体の共振作用等の流動作用に基づく防振効果は、一般に、オリフィス通路がチューニングされた狭い周波数域の入力振動に対してしか、有効には発揮されない。一方、自動車用エンジンマウント等の防振装置では、車両の走行条件等に応じて複数の乃至は広い周波数域に亘る振動に対して防振効果が要求される場合がある。例えば、自動車用エンジンマウントでは、一般に、一次〜数次のアイドリング振動やこもり音振動等に相当する20〜80Hz程度の広い周波数域で低動ばね特性による振動絶縁性能が要求され、また、シェイク等に相当する10Hz程度の低周波数域では高減衰性能が要求される。
【0004】
そこで、このような要求特性に対処するために、特開平1−126452号公報や特公平7−99186号公報等において、二つの独立した副液室を形成すると共に、それら各副液室を主液室に連通せしめる二つの独立したオリフィス通路を形成し、それら二つのオリフィス通路を互いに異なる周波数域にチューニングすることにより、オリフィス通路を流動せしめられる流体の共振作用に基づく防振効果を二つの周波数域で発揮せしめるようにしたマウント構造が、提案されている。
【0005】
ところが、このような構造のものであっても、流体の流動作用に基づく有効な防振効果が、二つのオリフィス通路がチューニングされた二つの周波数域の入力振動に対してしか発揮されないのであり、より広い周波数域の入力振動に対して、流体の流動作用に基づく防振効果が有効に発揮され得るマウント構造が、要求されていたのである。
【0006】
なお、かかる要求に対処するために、特開平8−42626号公報等においては、二つの独立して形成された副液室の一方を、第一のオリフィス通路を通じて主液室に連通せしめる一方、他方の副液室と主液室の間に第二のオリフィス通路と第三のオリフィス通路を形成すると共に、第三のオリフィス通路を連通/遮断するバルブ手段を設けることにより、互いに異なる周波数域にチューニングされた3つのオリフィス通路を選択的に利用するようにしたマウント構造が開示されている。しかしながら、かかる構造のものにおいては、バルブ手段とその駆動機構が必要となるために、構造および作動制御が極めて複雑となることが避けられず、必ずしも有効な方策ではなかったのである。
【0007】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、互いに異なる周波数域にチューニングされた3つのオリフィス通路が、簡単な構造と優れたスペース効率をもって形成されて、それら各オリフィス通路を通じて流動せしめられる流体の流動作用に基づく防振効果が、互いに異なる周波数域の振動に対して有効に発揮され得る、改良された構造の流体封入式筒形マウントを提供することにある。
【0008】
【解決手段】
そして、このような課題を解決するために、請求項1に記載の発明の特徴とするところは、(a)軸部材と、(b)該軸部材の外周側に所定距離を隔てて配された、4つの窓部が互いに周方向に離隔して形成されてなる金属スリーブと、(c)それら軸部材と金属スリーブの間に介装されて両者に接着されることにより、該軸部材と該金属スリーブを連結する本体ゴム弾性体と、(d)該本体ゴム弾性体において、前記金属スリーブにおける窓部の1つを通じて外周面に開口して形成された主ポケット部と、(e)前記金属スリーブにおける他の3つの窓部を、それぞれ、内周側からゴム弾性膜で覆蓋せしめることによって、外周面に開口して互いに独立して形成された第一,第二及び第三の副ポケット部と、(f)前記金属スリーブに外挿されて外嵌固定された外筒部材と、(g)前記主ポケット部が該外筒部材で覆蓋されることにより形成された、内部に非圧縮性流体が封入されて振動入力時に前記本体ゴム弾性体の弾性変形に伴って内圧変化が生ぜしめられる主液室と、(h)前記第一の副ポケット部が前記外筒部材で覆蓋されることにより形成された、内部に非圧縮性流体が封入されると共に、前記ゴム弾性膜の変形に基づいて容積変化が許容される第一の副液室と、(i)前記第二の副ポケット部が前記外筒部材で覆蓋されることにより、前記第一のポケット部よりも大きな壁ばね剛性をもって形成された、内部に非圧縮性流体が封入されると共に、前記ゴム弾性膜の変形に基づいて容積変化が許容される第二の副液室と、(j)前記第三の副ポケット部が前記外筒部材で覆蓋されることにより、前記第一のポケット部を挟んで前記第二のポケット部とは周方向反対側に位置して、該第二のポケット部よりも更に大きな壁ばね剛性をもって形成された、内部に非圧縮性流体が封入されると共に、前記ゴム弾性膜の変形に基づいて容積変化が許容される第三の副液室と、(k)前記外筒部材の内周面に沿って前記主液室から周方向一方の側に延びる形態をもって形成されて、該主液室を前記第一の副液室に連通せしめる第一のオリフィス通路と、(l)前記外筒部材の内周面に沿って前記主液室から該第一のオリフィス通路と周方向に同じ側に延びる形態をもって形成されて、該主液室を前記第二の副液室に連通せしめる、該第一のオリフィス通路よりも高周波数域にチューニングされた第二のオリフィス通路と、(m)前記外筒部材の内周面に沿って前記主液室から前記第一及び第二のオリフィス通路と周方向反対側に延びる形態をもって形成されて、該主液室を前記第三の副液室に連通せしめる、該第二のオリフィス通路よりも更に高周波数域にチューニングされた第三のオリフィス通路とを、有する流体封入式筒形マウントにある。
【0009】
このような請求項1に係る発明に従う構造とされた流体封入式筒形マウントにおいては、3つの副液室のうち、一番低い周波数域にチューニングされた第一のオリフィス通路が接続される第一の副液室が、第二及び第三の副液室によって周方向に挟まれた中央に形成されて、主液室から周方向に最も離れて位置せしめられていることから、第一のオリフィス通路の長さを有利に確保することが出来る。しかも、一番高い周波数域にチューニングされた第三のオリフィス通路が、主液室から第一及び第二のオリフィス通路とは反対側に延びる形態をもって形成されていることから、第三のオリフィス通路の断面積を有利に確保することが出来る。これによって、第一,第二及び第三のオリフィス通路を流動せしめられる流体の流動作用に基づく防振効果が、効率的に発揮されるのであり、これら各オリフィス通路がチューニングされた3つの周波数域において優れた防振性能が実現され得るのである。
【0010】
すなわち、オリフィス通路のチューニングは、一般に、流体室の壁ばね剛性や封入流体の粘性等を考慮して、通路断面積:Aと通路長さ:Lの比:A/Lの値を調節することによって行われることとなるが、優れた防振効果を得るためには、通路断面積:Aを大きくして流体マスを確保することが有効であり、そのために、スペース効率上等の理由から、特に、低周波数域へのチューニングに際しては通路長さ:Lの確保がネックとなる一方、高周波数域へのチューニングに際しては通路断面積:Aの確保がネックとなる。
【0011】
ここにおいて、請求項1に係る発明に従う構造とされた流体封入式筒形マウントにあっては、互いに異なる周波数域にチューニングされたオリフィス通路と各オリフィス通路に接続される平衡室を、それぞれ、上述の如き特定の配設形態をもって設けたことによって、一番低い周波数域にチューニングされた第一のオリフィス通路における通路長さ:Lの確保と、一番高い周波数域にチューニングされた第三のオリフィス通路における通路断面積:Aの確保が、極めて効率的に且つ有利に達成され得るのであり、それによって、第一〜三のオリフィス通路を通じて流動せしめられる流体の流動作用に基づく防振効果が何れも有利に発揮されて、優れた防振性能が実現され得るのである。
【0012】
しかも、かかる流体封入式筒形マウントにおいては、第一〜三の副液室の壁ばね剛性が相互に異ならされていることにより、入力振動の種類、即ち周波数に応じた振幅等の相違に基づいて、第一〜三のオリフィス通路が選択的に機能せしめられることから、バルブ手段等の特別なオリフィス切換機構が必要とされるようなこともない。それ故、3つのオリフィス通路によって複数の乃至は広い周波数域の振動に対して有効な防振効果を発揮し得る筒形マウントが、簡単な構造をもって有利に実現され得るのである。
【0013】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に係る発明に従う構造とされた流体封入式筒形マウントであって、前記金属スリーブにおいて、前記第二の副ポケット部の開口面積が、前記第三の副ポケット部の開口面積よりも大きく設定されていると共に、前記第一の副ポケット部の開口面積が、該第二の副ポケット部の開口面積よりも更に大きく設定されていることを、特徴とする。
【0014】
このような請求項2に係る発明に従う構造とされた流体封入式筒形マウントにおいては、振幅が一般に大きくなる低周波側の振動に対してチューニングされたオリフィス通路に接続された副液室ほど、それを形成する副ポケット部の開口面積が大きく設定されていることから、大きな容積を有利に設定することが出来るのであり、振幅が大きい低周波側の振動にチューニングされたオリフィス通路においても流体流動量が十分に確保され得て、有効な防振効果が発揮され得ることとなる。
【0015】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に係る発明に従う構造とされた流体封入式筒形マウントにおいて、前記第二のオリフィス通路および前記第三のオリフィス通路が、前記外筒部材の内周面に沿って前記主液室から周方向に直線的に延びる形状をもって形成されている一方、前記第一のオリフィス通路が、該外筒部材の内周面に沿って該主液室から屈曲乃至は湾曲して周方向に延びる形態をもって形成されていることを、特徴とする。
【0016】
このような請求項3に係る発明に従う構造とされた流体封入式筒形マウントにおいては、第二及び第三のオリフィス通路の断面積を確保しつつ、低周波側の振動にチューニングされた第一のオリフィス通路の通路長さをより効率的に大きく設定することが可能となり、それによって、3つのオリフィス通路を通じて流動せしめられる流体の流動作用に基づく防振効果が、より一層有効に発揮されるのである。
【0017】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れかに係る発明に従う構造とされた流体封入式筒形マウントにおいて、周方向に半周より大きな長さで延びる略C字形状を有するオリフィス部材が、周方向両端部間の開口部において前記金属スリーブに対して軸直角方向外方から嵌め込まれることにより、前記第二の副液室を跨いで前記主液室から前記第一の副液室にまで至る長さで、前記外筒部材の外周面に沿って周方向に配設されており、該オリフィス部材によって、前記第一のオリフィス通路および前記第二のオリフィス通路が形成されていることを、特徴とする。
【0018】
このような請求項4に係る発明に従う構造とされた流体封入式筒形マウントにおいては、組み付けが容易な単一のオリフィス部材によって、第一のオリフィス通路と第二のオリフィス通路を有利に形成することが出来るのであり、特に、第三のオリフィス通路よりも低周波側にチューニングされる第一及び第二のオリフィス通路の長さを十分に確保しつつ、マウント構造の簡略化と製作製の向上が有利に達成され得るのである。なお、オリフィス部材の材質は特に限定されるものでなく、合成樹脂等を採用することも可能であるが、変形に対する反発合成が大きい金属等の材質が好適に採用されることとなり、それによって、外筒部材による支持強度やオリフィス通路の流体密性等が長期間に亘って有利に発揮されて、安定した防振性能を得ることが可能となる。
【0019】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れかに係る発明に従う構造とされた流体封入式筒形マウントにおいて、前記金属スリーブにおける、前記主ポケット部の開口窓と前記第三の副ポケット部の開口窓との間の隔壁部分に、周方向に延びる凹溝が形成されており、該凹溝が前記外筒金具で覆蓋されることによって前記第三のオリフィス通路が形成されていることを、特徴とする。
【0020】
このような請求項5に係る発明に従う構造とされた流体封入式筒形マウントにおいては、実質的に金属スリーブと外筒部材とが軸直角方向に直接的に対向せしめられて、それらの対向面間に第三のオリフィス通路が形成されることから、第三のオリフィス通路を形成するために特別なオリフィス部材を組み付ける必要がなく、構造が簡単とされると共に、第三のオリフィス通路の通路断面積を一層有利に確保することが出来、第三のオリフィス通路を通じて流動せしめられる流体の流動作用に基づく高周波側振動に対する防振効果を一層有効に得ることが可能となるのである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0022】
先ず、図1〜4には、本発明の一実施形態としての自動車用エンジンマウント10が示されている。このエンジンマウント10は、軸部材としての内筒金具12と、外筒部材としての外筒金具14が、互いに径方向に所定距離を隔てて配設されていると共に、それらの間に介装された本体ゴム弾性体16によって連結されている。そして、内筒金具12と外筒金具14の各一方が、図示しないボデーとパワーユニットの各何れか一方に取り付けられることにより、ボデーをパワーユニットに対して防振支持せしめるようになっている。なお、内筒金具12と外筒金具14は、僅かに偏心配置されており、装着状態下でパワーユニット重量が及ぼされて本体ゴム弾性体16が弾性変形することにより、内外筒金具12,14が略同軸的に位置せしめられるようになっていると共に、防振すべき主たる振動が内外筒金具12,14の略偏心方向に入力されるようになっている。
【0023】
より詳細には、内筒金具12は、小径の円筒形状を有しており、その径方向外方には、所定距離を隔てて且つ僅かに偏心して略大径円筒形状の金属スリーブ18が配設されている。この金属スリーブ18には、内筒金具12との偏心方向における離隔距離の大なる側に、周方向略半周弱に亘って開口する第一の窓部24が設けられている一方、内筒金具12との偏心方向における離隔距離の小なる側に、第二の窓部26,第三の窓部27および第四の窓部28が、互いに周方向に離隔して設けられている。
【0024】
ここにおいて、内筒金具12との偏心方向における離隔距離の小なる側に設けられた3つの窓部26,27,28のうち、周方向で第三の窓部27と第四の窓部28で挟まれて中間部分に位置せしめられた第二の窓部26が、最も大きな開口面積をもって形成されており、第四の窓部28が、最も小さな開口面積をもって形成されている。また、第一の窓部24と第三及び第四の窓部27,28とのの周方向隔壁部分、および第二の窓部26と第三の窓部27との周方向隔壁部分は、軸方向中央部分が所定幅で凹陥されており、それぞれ、窓部間に亘って周方向に延びる凹溝23が形成されている。なお、これらの凹溝23の内周面には、薄肉のシールゴム層22が形成されている。
【0025】
そして、これら内筒金具12と金属スリーブ18の径方向対向面間に、本体ゴム弾性体16が介装されており、内筒金具12の外周面と金属スリーブ18の内周面に対してそれぞれ加硫接着された一体加硫成形品とされている。また、内筒家具12と金属スリーブ18の間には、それらの偏心方向における離隔距離の小なる側において、軸方向に貫通する貫通空所30が、周方向に略半周に亘って形成されており、本体ゴム弾性体16が、実質的に、内筒金具12と金属スリーブ18の間において、それらの偏心方向における離隔距離の大なる側にだけ介装されている。これにより、パワーユニット荷重が本体ゴム弾性体16に及ぼされた際、本体ゴム弾性体16における引張応力の発生が軽減乃至は防止されて、優れた耐久性が確保されるようになっている。
【0026】
また、本体ゴム弾性体16には、外周面に開口する凹所状の主ポケット部32が設けられており、金属スリーブ18の第一の窓部24を通じて外周面に開口せしめられている。また一方、貫通空所30には、それぞれ薄肉の袋形状を有する、第一のゴム弾性膜34,第二のゴム弾性膜35および第三のゴム弾性膜36が配設されており、第一のゴム弾性膜34によって第二の窓部26が、第二のゴム弾性膜35によって第三の窓部27が、第三のゴム弾性膜36によって第四の窓部28が、それぞれ、内周側から流体密に覆蓋されている。それによって、第二の窓部26を通じて外周面に開口する第一の副ポケット部38と、第三の窓部27を通じて外周面に開口する第二の副ポケット部39、および第四の窓部28を通じて外周面に開口する第三の副ポケット部40が、それぞれ形成されている。
【0027】
なお、本実施形態では、第一,第二及び第三のゴム弾性膜34,35,36が、何れも、本体ゴム弾性体16と同じ材質のゴム弾性体により、略同一の肉厚をもって形成されているが、その大きさや展張状態,形状等が考慮されることによって、第一のゴム弾性膜34よりも第二のゴム弾性膜35のほうが変形ばね剛性が大きく、更に第二のゴム弾性膜35よりも第三のゴム弾性膜36のほうが変形ばね剛性が大きく設定されている。なお、第一のゴム弾性膜34の底部中央には、開口部側に向かって突出する緩衝ゴム部41が、一体形成されている。
【0028】
さらに、このような本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品には、オリフィス部材44が、外周面上に組み付けられている。このオリフィス部材44は、アルミニウム合金等の大きな変形剛性を有する材料で形成されており、金属スリーブ18の凹溝23に対応した断面形状をもって、周方向に略3/4周弱の長さで延びるC字形の切欠きリング形状を有している。また、オリフィス部材44には、図5にも示されているように、周方向一方の端部から周方向他方の端部近くまで延び、該周方向端部近くでUターン状に折り返して、再び周方向中央部分まで延びるオリフィス溝46が、外周面上に開口して形成されていると共に、該オリフィス溝46の周方向中央部分側の端部は、周方向に所定長さに亘って、内周面側に貫通した長孔形状のスリット部48とされている。更にまた、オリフィス部材44には、周方向両側の端部近くにおいて、径方向内方に向かって所定高さで突出するストッパ部52,54が一体形成されており、径方向で対向位置せしめられている。
【0029】
そして、かかるオリフィス部材44は、内筒金具12と金属スリーブ18の偏心方向に略直交する径方向一方の側(図1中、右側)から軸直角方向に外挿されることにより、金属スリーブ18の凹溝23に嵌め込まれて、金属スリーブ18の外周面に組み付けられている。即ち、オリフィス部材44は、略C字形状とされており、周方向両端部間に形成された開口部51の大きさが、一体加硫成形品に対して軸直角方向で外挿組み付け可能なように、周方向に略四半周強とされているのである。
【0030】
このように組み付けられたオリフィス部材44は、図1に示されているように、第一の窓部24の開口部上から周方向一方の側に向かって延び、第三の窓部27の開口部を周方向に跨いで、第二の窓部26の開口部上にまで至るようにして配設されている。要するに、このオリフィス部材44は、周方向中間部分において、それぞれ金属スリーブ18に形成された、第一の窓部24と第三の窓部27との間の凹溝23aと、第三の窓部27と第二の窓部26との間の凹溝23bとに嵌め込まれており、金属スリーブ18に対して位置決めされている。また、オリフィス部材44に形成されたストッパ部52,54は、主たる振動入力方向において本体ゴム弾性体16や緩衝ゴム41を介して内筒金具12に対向位置せしめられており、内筒金具12に対して緩衝的に当接せしめられることにより、エンジンマウント10のバウンド方向およびリバウンド方向における内外筒金具12,14の相対的変位量が制限されるようになっている。
【0031】
また、このようにして一体加硫成形品に組み付けられたオリフィス部材44は、スリット部48の周方向中間部分が、金属スリーブ18の凹溝23aで底部側から覆蓋せしめられることによって、主ポケット部32と第二の副ポケット部39の間に跨がって周方向に直線的に延び、それら主ポケット部32と第二の副ポケット部39を相互に連通する周溝55が形成されている。更に、オリフィス溝46は、周方向両端部が主ポケット部32と第一の副ポケット部38の間に跨がって屈曲して往復状に延び、それら両ポケット部32,38を相互に連通するように構成されている。
【0032】
さらに、オリフィス部材44が組み付けられた一体加硫成形品には、外筒金具14が外挿され、八方絞り加工等によって金属スリーブ18に外嵌固定されており、以て、金属スリーブ18における第一〜四の窓部24,26,27,28やオリフィス部材44が嵌め込まれていない凹溝23c、およびオリフィス部材44に形成されたオリフィス溝46や周溝55の外周側開口が、それぞれ、外筒金具14によって流体密に覆蓋されている。これにより、主ポケット部32や第一〜三の副ポケット部38,39,40が、外部空間に対して密閉されており、以て、それぞれ内部に所定の非圧縮性流体が封入された主液室56と第一〜三の副液室58,59,60が形成されていると共に、主液室56と第一の副液室58を相互に連通する第一のオリフィス通路62と、主液室56と第二の副液室59を相互に連通する第二のオリフィス通路63および主液室56と第三の副液室60を相互に連通する第三のオリフィス通路64が、それぞれ形成されている。
【0033】
なお、外筒金具14の内周面には、略全面に亘ってシールゴム層66が形成されており、金属スリーブ18への嵌着面の流体密性が確保されるようになっている。また、封入流体としては、水やアルキレングリコール,ポリアルキレングリコール,シリコーン油等が採用され得、特に流体の共振作用に基づく防振効果を有利に得るためには粘性率が0.1Pa・s以下の低粘性流体が有利に採用される。更にまた、流体の封入は、例えば、一体加硫成形品への外筒金具14の組付けを流体中で行うこと等によって、容易に為され得る。
【0034】
前記主液室56は、壁部の一部が本体ゴム弾性体16で構成されており、内外筒金具12,14間への振動入力時には、本体ゴム弾性体16の弾性変形に基づいて内圧変動が生ぜしめられるようになっている。更に、第一,第二及び第三の平衡室58,59,60は、それぞれ壁部の一部が第一,第二及び第三のゴム弾性膜34,35,36で構成されており、それら第一,第二及び第三のゴム弾性膜34,35,36の弾性変形が比較的容易に許容されることによって、第一,第二及び第三の平衡室58,59,60の容積変化が許容されて圧力変化が吸収されて、大きな圧力変化が回避されるようになっている。ここにおいて、第一〜三のゴム弾性膜35におけるばね剛性や大きさ等の差によって、第一の副液室58よりも第二の副液室59のほうが壁ばね剛性が大きく、更に第二の副液室59よりも第三の副液室60のほうが壁ばね剛性が大きくされている。換言すれば、第三の副液室60よりも第二の副液室59、更に第一の副液室58のほうが、同じ量だけ室内容積を変化させるために必要とされる室内圧力の変化量が小さく設定されていると共に、大きな容積変化が容易に許容されるようになっているのである。
【0035】
また一方、第一〜三のオリフィス通路62,63,64においては、通路断面積:Aと通路長さ:Lの比:A/Lの値が、第一のオリフィス通路62よりも第二のオリフィス通路63のほうが大きく、且つ第二のオリフィス通路63よりも第三のオリフィス通路64のほうが更に大きく設定されている。これにより、各オリフィス通路62,63,64を通じて流動せしめられる流体の流動作用に基づく防振効果の発揮される周波数域が、第一のオリフィス通路62よりも第二のオリフィス通路63のほうが高く、且つ第二のオリフィス通路63よりも第三のオリフィス通路64のほうが更に高くチューニングされている。
【0036】
その結果、内外筒金具12,14間に、第一〜三の各オリフィス通路62,63,64がチューニングされた低周波大振幅振動と中周波中振幅振動および高周波小振幅振動の3つの異なる周波数域の振動が入力される場合を考えると、先ず、高周波小振幅振動の入力時には、流通抵抗が最も小さい第三のオリフィス通路64を通じて主液室56と第三の副液室60の間での流体流動が生ぜしめられて、該第三のオリフィス通路64を通じて流動する流体の流動作用に基づく防振効果が有効に発揮されるようになっている。次に、中周波中振幅振動の入力時には、第三の副液室60の壁ばね剛性が立ち上がって第三のオリフィス通路64を通じての流体流動量が制限されると共に、第二のオリフィス通路63を流通せしめられる流体の共振作用等に基づいて、第二のオリフィス通路63を通じて主液室56と第二の副液室59の間での流体流動が生ぜしめられて、該第二のオリフィス通路63を通じて流動する流体の流動作用に基づく防振効果が有効に発揮されるようになっている。更に、低周波大振幅振動の入力時には、第二の副液室59の壁ばね剛性も立ち上がって第二のオリフィス通路63を通じての流体流動量も制限されると共に、第一のオリフィス通路62を流通せしめられる流体の共振作用等に基づいて、第一のオリフィス通路62を通じて主液室56と第一の副液室58の間での流体流動が生ぜしめられて、該第一のオリフィス通路62を通じて流動する流体の流動作用に基づく防振効果が有効に発揮されるようになっている。
【0037】
従って、上述の如き構造とされたエンジンマウント10においては、その装着状態下で内外筒金具12,14間に振動が入力されると、主液室56と第一〜三の副液室58,59,60の間に惹起される内圧差に基づいて、第一〜三のオリフィス通路62,63,64を通じての流体の流動が生ぜしめられることとなり、各オリフィス通路62,63,64のチューニング周波数域の入力振動に対しては、チューニングされた何れかのオリフィス通路62,63,64が択一的に作用せしめられて、流体の流動作用に基づく低動ばね効果乃至は高減衰効果等の防振効果が発揮されるのである。
【0038】
そこにおいて、第一のオリフィス通路62は、それによって連通される第一の副液室58が、第二及び第三の副液室59,60で周方向に挟まれた中間部分に形成されて、主液室56から周方向に遠く離れて位置せしめられていると共に、オリフィス部材44に形成された屈曲形状のオリフィス溝46によって形成されていることから、通路長さを有利に確保することが出来るのであり、それによって、低周波数域へのチューニングに際しても通路断面積を大きく設定することが可能となり、内部を通じて流動せしめられる流体の共振作用に基づく防振効果が、低周波数域の振動に対して有効に発揮されるのである。
【0039】
また、中周波数域にチューニングされた第二のオリフィス通路63が、主液室56の周方向一方の側において、第一のオリフィス通路62と並設されることにより、主液室56の周方向他方の側において、高周波数域にチューニングされた第三のオリフィス通路64だけが形成されていることから、第三のオリフィス通路64の通路断面積を、第一及び第二のオリフィス通路62,63によって制限を受けることなく、大きく設定することが出来るのであり、それによって、高周波数域に有利にチューニングされ得て、内部を通じて流動せしめられる流体の共振作用に基づく防振効果が、高周波数域の振動に対して有効に発揮されるのである。
【0040】
しかも、第二のオリフィス通路63にあっても、第一のオリフィス通路62における通路長さと第三のオリフィス通路64における通路断面積を、共に有利に確保しつつ、中周波数域にチューニングするに際して必要にして十分な通路長さと断面積を、効率的に設定することが出来るのであり、それによって、中周波数域に有利にチューニングされ得て、内部を通じて流動せしめられる流体の共振作用に基づく防振効果が、中周波数域の振動に対して有効に発揮されるのである。
【0041】
加えて、本実施形態のエンジンマウント10においては、単一のオリフィス部材44を一体加硫成形品に組み付けることによって、互いに異なる周波数域にチューニングされた第一〜三のオリフィス通路62,63,64が、少ない部品点数と簡単な構造をもって有利に形成されるのであり、しかも、オリフィス部材44は、略C字形状とされて、金属スリーブ18の軸直角方向外方から組み付けられることから、組付け作業も容易且つ迅速に行うことが出来、優れた製造性が発揮されるのである。
【0042】
また、C字形状のオリフィス部材44を採用したことにより、第三の副液室60や第三のオリフィス通路64の形成部位にはオリフィス部材44が配設されないことから、第三の副液室60の容積や第三のオリフィス通路64の通路断面積を、より一層有利に確保することが出来るのであり、それによっても、防振性能の更なる向上が図られ得ることとなる。
【0043】
因みに、本実施形態に従う構造とされたエンジンマウントを製作し、その防振性能の周波数特性を実測した結果を、図6に示す。
【0044】
かかる図6からも、自動車のアイドル1次振動等に相当する20〜40Hz付近の低周波側では、第一のオリフィス通路62による低動ばね効果が発揮されると共に、こもり音等に相当する70〜100Hz付近の高周波側では、第三のオリフィス通路64による低動ばね効果が発揮され、更に、低速こもり音やアイドル2次振動等に相当する40〜70Hz付近の中周波数域では、第二のオリフィス通路63による低動はね効果が発揮されていることが認められ、それによって、全体として広い周波数域に亘って良好なる防振効果が発揮されることが明らかである。また、そこにおいて、特に、第一のオリフィス通路62の通路長さが十分に確保されると共に、第三のオリフィス通路64の通路断面積が十分に確保されることによって、低周波側,中周波域および高周波側の何れの周波数域においても、第一〜三のオリフィス通路62,63,64による効果が、何れも、極めて有効に発揮され得て、全体として略均一な低動ばね効果が実現され得ることが、認められる。
【0045】
以上、本発明の一実施形態について詳述してきたが、これは文字通りの例示であって、本発明は、かかる実施形態や具体的な実測結果等の記載によって、何等限定的に解釈されるものではない。
【0046】
例えば、前記実施形態では、全体として略C字形状を有するオリフィス部材44を用いてオリフィス通路が形成されていたが、オリフィス構造は特に限定されるものでない。具体的には、例えば、金属スリーブの外周面に対して、一対の半円筒体を径方向両側から互いに組み合わせて円筒形状のオリフィス部材を形成し、かかるオリフィス部材によって、第一〜三のオリフィス通路を形成すること等も可能である。
【0047】
また、C字形状のオリフィス部材を採用するに際しても、かかるオリフィス部材は、金属スリーブに対して軸直角方向から嵌め込み可能な開口部の大きさを有するものであれば良く、外周面に形成されるオリフィス溝等の具体的形状は、マウントの要求特性等に応じて適宜に決定されるべきであって、何等限定的に解釈されるものでない。
【0048】
さらに、第一〜三のオリフィス通路のチューニング周波数は、マウントに要求される防振特性等に応じて決定されるものであって、何等限定的に解釈されるものでない。例えば、図5に示された実測データを測定するためのエンジンマウントでは、第一のオリフィス通路がアイドル一次振動に、第二のオリフィス通路が低速こもり音乃至はアイドル二次振動に、第三のオリフィス通路が中乃至高速こもり音に、それぞれ対応する周波数域にチューニングされていたが、第一のオリフィス通路のチューニング周波数をもっと下げることにより、第一のオリフィス通路を流動せしめられる流体の共振作用等の流動作用に基づいて、10Hz程度のシェイク等の低周波数域の振動に対して有効な減衰効果を得るようにすること等も、可能である。
【0049】
加えて、本発明は、自動車用エンジンマウントの他、ボデーマウントやデフマウント,サスペンションブッシュ、或いは自動車以外の各種筒形マウントに対して、何れも、有効に適用されることは、勿論である。
【0050】
その他、一々列挙はしないが、本発明は当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
【0051】
【発明の効果】
上述の説明から明らかなように、請求項1乃至5に記載の発明に従う構造とされた流体封入式筒形マウントにおいては、何れも、それぞれ主液室に対してオリフィス通路を通じて連通せしめられた、壁ばね剛性の異なる3つの副液室を、特定の配置形態をもって形成すると共に、それら各副液室を主液室に連通せしめる3つのオリフィス通路を、特定の配設形態をもって形成したことにより、低周波側にチューニングされた第一のオリフィス通路における通路長さと、高周波側にチューニングされた第三のオリフィス通路における通路断面積とを、優れたスペース効率をもって有利に確保することができたのであり、それによって、第一,第二及び第三のオリフィス通路を通じて流動せしめられる流体の流動作用に基づく防振効果が、それぞれチューニングされた互いに異なる周波数域の振動に対して、何れも、極めて有効に発揮され得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としてのエンジンマウントを示す横断面図であって、図2におけるI−I断面に相当する図である。
【図2】図1におけるII−II断面図である。
【図3】図1における III−III 断面図である。
【図4】図1におけるIV−IV断面図である。
【図5】ステアリングカップリング1に示されたエンジンマウントを構成するオリフィス部材を示す側面図である。
【図6】図1に従う構造とされたエンジンマウントについて、防振性能の周波数特性を実測した結果を示すグラフである。
【符号の説明】
10 エンジンマウント
12 内筒金具
14 外筒金具
16 本体ゴム弾性体
18 金属スリーブ
34 第一のゴム弾性膜
35 第二のゴム弾性膜
36 第三のゴム弾性膜
44 オリフィス部材
56 主液室
58 第一の副液室
59 第二の副液室
60 第三の副液室
62 第一のオリフィス通路
63 第二のオリフィス通路
64 第三のオリフィス通路

Claims (5)

  1. 軸部材と、
    該軸部材の外周側に所定距離を隔てて配された、4つの窓部が互いに周方向に離隔して形成されてなる金属スリーブと、
    それら軸部材と金属スリーブの間に介装されて両者に接着されることにより、該軸部材と該金属スリーブを連結する本体ゴム弾性体と、
    該本体ゴム弾性体において、前記金属スリーブにおける窓部の1つを通じて外周面に開口して形成された主ポケット部と、
    前記金属スリーブにおける他の3つの窓部を、それぞれ、内周側からゴム弾性膜で覆蓋せしめることによって、外周面に開口して互いに独立して形成された第一,第二及び第三の副ポケット部と、
    前記金属スリーブに外挿されて外嵌固定された外筒部材と、
    前記主ポケット部が該外筒部材で覆蓋されることにより形成された、内部に非圧縮性流体が封入されて振動入力時に前記本体ゴム弾性体の弾性変形に伴って内圧変化が生ぜしめられる主液室と、
    前記第一の副ポケット部が前記外筒部材で覆蓋されることにより形成された、内部に非圧縮性流体が封入されると共に、前記ゴム弾性膜の変形に基づいて容積変化が許容される第一の副液室と、
    前記第二の副ポケット部が前記外筒部材で覆蓋されることにより、前記第一のポケット部よりも大きな壁ばね剛性をもって形成された、内部に非圧縮性流体が封入されると共に、前記ゴム弾性膜の変形に基づいて容積変化が許容される第二の副液室と、
    前記第三の副ポケット部が前記外筒部材で覆蓋されることにより、前記第一のポケット部を挟んで前記第二のポケット部とは周方向反対側に位置して、該第二のポケット部よりも更に大きな壁ばね剛性をもって形成された、内部に非圧縮性流体が封入されると共に、前記ゴム弾性膜の変形に基づいて容積変化が許容される第三の副液室と、
    前記外筒部材の内周面に沿って前記主液室から周方向一方の側に延びる形態をもって形成されて、該主液室を前記第一の副液室に連通せしめる第一のオリフィス通路と、
    前記外筒部材の内周面に沿って前記主液室から該第一のオリフィス通路と周方向に同じ側に延びる形態をもって形成されて、該主液室を前記第二の副液室に連通せしめる、該第一のオリフィス通路よりも高周波数域にチューニングされた第二のオリフィス通路と、
    前記外筒部材の内周面に沿って前記主液室から前記第一及び第二のオリフィス通路と周方向反対側に延びる形態をもって形成されて、該主液室を前記第三の副液室に連通せしめる、該第二のオリフィス通路よりも更に高周波数域にチューニングされた第三のオリフィス通路とを、
    有することを特徴とする流体封入式筒形マウント。
  2. 前記金属スリーブにおいて、前記第二の副ポケット部の開口面積が、前記第三の副ポケット部の開口面積よりも大きく設定されていると共に、前記第一の副ポケット部の開口面積が、該第二の副ポケット部の開口面積よりも更に大きく設定されている請求項1に記載の流体封入式筒形マウント。
  3. 前記第二のオリフィス通路および前記第三のオリフィス通路が、前記外筒部材の内周面に沿って前記主液室から周方向に直線的に延びる形状をもって形成されている一方、前記第一のオリフィス通路が、該外筒部材の内周面に沿って該主液室から屈曲乃至は湾曲して周方向に延びる形態をもって形成されている請求項1又は2に記載の流体封入式筒形マウント。
  4. 周方向に半周より大きな長さで延びる略C字形状を有するオリフィス部材が、周方向両端部間の開口部において前記金属スリーブに対して軸直角方向外方から嵌め込まれることにより、前記第二の副液室を跨いで前記主液室から前記第一の副液室にまで至る長さで、前記外筒部材の外周面に沿って周方向に配設されており、該オリフィス部材によって、前記第一のオリフィス通路および前記第二のオリフィス通路が形成されている請求項1乃至3の何れかに記載の流体封入式筒形マウント。
  5. 前記金属スリーブにおける、前記主ポケット部の開口窓と前記第三の副ポケット部の開口窓との間の隔壁部分に、周方向に延びる凹溝が形成されており、該凹溝が前記外筒金具で覆蓋されることによって前記第三のオリフィス通路が形成されている請求項1乃至4の何れかに記載の流体封入式筒形マウント。
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