JP3561745B1 - 薄膜製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板11に、c軸を配向させようとする方向に温度勾配を形成して、ZnO薄膜を堆積させる。ここで、温度勾配は、例えば基板11を設置する基板台14の一端面をヒータ13で加熱しつつ、その端面に対向する端面を冷却ユニット15で冷却することにより形成する。ZnO薄膜の堆積には、スパッタ法やCVD法等を用いることができる。こうして基板11に堆積したZnO薄膜は、そのc軸が温度勾配の方向に配向したものとなる。この方法では、Al,Cu等の金属基板やガラス基板等の様々な基板を用いることができる。また、この方法を用いて単結晶基板上にZnO薄膜を形成することにより、従来よりも結晶性が高い良質のZnO単結晶薄膜を得ることができる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の方向に配向した単結晶又は多結晶薄膜の製造方法、及び該薄膜を用いたデバイスに関する。本発明は特に、酸化亜鉛(ZnO)薄膜の製造に適したものである。
【0002】
【従来の技術】
超音波計測において計測器の性能を向上させるために、分解能の高いトランスデューサが求められている。トランスデューサとは、音響的な表面波やバルク波を励振又は検出する素子である。この計測用トランスデューサは、主に材料定数の測定や、媒質中の欠陥・傷等の探査及び応力の測定等に用いられる。一般にトランスデューサには、音波により歪みが与えられることに伴い分極が変化する現象である圧電効果を有する圧電体が用いられる。測定系の空間分解能は音速に反比例し、動作周波数に比例するため、上記の計測を高い分解能で行うには、(i)縦波に比べて音速が遅い横波を用い、(ii)高周波領域で励振及び検出を行う必要がある。従って、計測分野においては高周波横波用トランスデューサが求められている。
【0003】
また、携帯電話等の移動体通信機器の小型化に伴い、それらに用いられる信号処理デバイスの小型化が求められている。そのデバイスのひとつに、SAW(Surface Acoustic Wave:弾性表面波)デバイスがある。SAWデバイスにおいては従来、圧電体膜上を伝播する、縦波と横波の合成波であるレイリー波を利用していた。レイリー波は圧電体膜の端面で反射する場合に減衰するため、従来は反射器を設けてこの減衰を防ぐ必要があった。それに対して近年、圧電体膜に平行に振動する横波成分のみから成る表面SH波を利用したSAWデバイス(表面SH波デバイス)が用いられるようになった。表面SH波は圧電体膜端面で全反射するため、この表面SH波デバイスは従来のように反射器を設ける必要はなく、従来よりも小型化することができる。
【0004】
上記のトランスデューサや表面SH波デバイスは、数百MHz〜数GHzの高周波領域で動作する。これらのデバイス中の圧電体において、周波数ν(sec−1)、音速v(m/s)、圧電体の厚さd(m)の間にはν=v/(2d)の関係がある。圧電体を伝播する横波の音速を3000m/s〜8000m/sとすると、このような高周波領域でこれらのデバイスが動作するためには、厚さdを数μm〜数十μmにする必要がある。このような厚さまで薄膜化が可能な圧電材料には、ZnO、Pb(Zr,Ti)O3(略称:PZT)、ポリフッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン(P(VDF−TrFE))等がある。
【0005】
横波を励振するには、圧電体がすべりモードで振動しなければならず、そのためには分極軸を電界方向に垂直に揃える必要がある。そのため、PZTやP(VDF−TrFE)の薄膜では、面内方向に強電界(50MV/m以上)を印加して分極処理を行わなければならないが、そのような処理を数mm以上の領域に亘って行うことは困難である。一方、ZnO薄膜では分極処理を行わなくとも、その結晶配向を揃えることにより横波を励振することができる。例えば、c軸が薄膜の面内の一方向に配向すれば、その薄膜を電極で挟んでc軸と電界方向を垂直にすることにより、横波が励振される。従って、上記のトランスデューサや表面SH波デバイスに用いる圧電膜には、c軸を面内の一方向に配向させたZnO薄膜を用いることが望ましい。
【0006】
表面を(01−12)面としたサファイア単結晶基板上にZnO薄膜をエピタキシャル成長させれば、c軸を面内の一方向に配向させることができる。しかし、このZnO薄膜を用いて横波用トランスデューサを作製する際には、横波を伝播させる媒質の表面に形成された電極に、接着剤層を介してZnO薄膜を接着しなければならない。この接着剤層の存在により、ZnO薄膜の振動を、媒質を伝播する横波に変換する効率が低下していた。また、サファイア単結晶基板は高価でありコスト面で不利である。更に、基板の種類が制約されるため、デバイスへの応用のうえでその特性が制約されてしまう。
【0007】
デバイスに用いる電極となる層の上に直接ZnO薄膜を形成することができれば接着剤層が不要となり、また、ZnO薄膜と電極層との接合工程が不要となる。また、これらの電極層は前記のサファイア単結晶基板よりも安価であるため、コスト面でも望ましい。しかし、電極層となる金属層等の上にスパッタ法等を用いてZnO薄膜を作製すると、c軸は薄膜の面に垂直な方向に配向しやすい。そこで、c軸が面内の一方向に配向したZnO薄膜を電極層上に形成するために、様々な方法が検討されてきた。特許文献1には、アルミニウム電極層上に、アルミニウム又はアルミニウム酸化物をドープしたZnO薄膜を形成し、そのc軸が面内に配向することについて記載されている。特許文献2には、スパッタ法において、スパッタターゲット面から斜めに指向したビームを基板に照射することにより、そのビームの方向にc軸が揃った薄膜を作製することが記載されている。特許文献3には、サファイア(01−12)単結晶基板上に、まず電極となる低抵抗のZnO薄膜をエピタキシャル成長させ、その上に圧電体となる高抵抗のZnO薄膜を成長させることが記載されている。ここで、低抵抗ZnO薄膜は、低酸素雰囲気中で作製するか、アルミニウム等をドープすることにより作製する。
【0008】
【特許文献1】
特公昭50−23918号公報(第1ページ左欄36行目〜第2ページ左欄2行目)
【特許文献2】
特公昭51−20719号公報(第2ページ右欄40〜42行目、第3ページ左欄18〜23行目)
【特許文献3】
特開平8−228398号公報([0017]〜[0025])
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1の方法では、c軸は、薄膜の面内方向に配向するが、面内では方向を揃えることはできない。特許文献2の方法では、c軸を基板(電極層)に対して斜めの一方向に配向させることはできるが、基板に平行な一方向に配向させることはできない。特許文献3の方法では、作製される低抵抗ZnO薄膜の電気抵抗率が金属のそれよりも高いため、デバイスへの応用が難しい。また、ZnO薄膜を作製する工程が2回分必要となり、製造工程が複雑になる。更に、サファイア単結晶基板を用いているため、前記と同様にコストの問題や、基板の種類の制約によりデバイスの特性が制約されるという問題が生じる。このように、特許文献1〜3の方法では、いずれもトランスデューサや表面SH波デバイス等のデバイスに適した、電極層上でc軸が面内の一方向に配向したZnO薄膜を作製することはできない。
【0010】
c軸が面内の一方向に配向したZnO薄膜は、電極層上に限らず、ガラス基板等の様々な基板に作製できることが望ましい。また、ZnO以外についても、所定の方向に配向した薄膜を作製できることが望ましい。
【0011】
本発明はこのような課題を解決するために成されたものであり、その目的とするところは、基板の種類を選ばず、その基板上に所望の一方向に配向した薄膜を作製することができる薄膜の製造方法を提供することにある。併せて、これらの薄膜を用いたデバイスを提供する。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために成された本発明に係る薄膜製造方法は、基板に平行な方向に温度勾配を形成し、該基板上に薄膜を堆積させることにより該方向に所定の結晶軸を配向させることを特徴とする。
【0013】
この方法は特に、ZnO薄膜の製造に適したものである。本発明に係るZnO薄膜製造方法は、基板に平行な方向に 0.3 ℃ /mm 〜 30 ℃ /mm の温度勾配を形成し、該基板上に薄膜を堆積させることにより該方向に c 軸を配向させることを特徴とする。
【0014】
更にこの方法は、酸化亜鉛の原料を含むプラズマ柱を形成して基板を該プラズマ柱内であって中心から外れた位置に設置し、遅い成膜速度、低い基板温度、低い雰囲気ガス圧で薄膜を堆積させることを特徴とする。
【0015】
この方法により製造されたZnO薄膜は、圧電素子の圧電層に好適に用いることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明に係る薄膜製造方法について説明する。薄膜を堆積させる基板には、単結晶等のように薄膜の配向を促すものを用いる必要はなく、金属製やガラス製等の様々な基板を用いることができる。基板に、薄膜の所定の結晶軸を配向させようとする方向に温度勾配を形成する。この温度勾配は、例えば基板の一部を、ヒーターにより局所的に加熱することや、水等により局所的に冷却すること等により形成することができる。また、製造装置の内部に自然に形成される温度勾配を利用してもよい。更に、この自然に形成される温度勾配と、前記局所的な加熱及び/又は冷却等とを併用してもよい。形成する温度勾配の大きさは、製造する薄膜に応じて適宜設定する。
【0017】
この基板上に薄膜を堆積させる。薄膜の堆積には、その薄膜の製造に用いられる通常の方法(スパッタ法、化学蒸着(CVD)法、有機金属化学蒸着(MOCVD)法、分子線エピタキシー(MBE)法等)及び条件(温度、成膜速度等)を用いることができる。これにより、所定の結晶軸が所定の一方向(温度勾配の方向)に配向した薄膜を製造することができる。
【0018】
基板の熱エネルギーが平衡状態にある場合には、薄膜となる結晶の表面エネルギーの最も低い面が基板面に平行となるように成長する。従って、基板温度が高い平衡状態にある限り、優先配向の方向を所望の方向にするように制御することはできない。しかし、基板温度の低い非平衡状態では、基板に温度勾配を形成すると、優先配向の方向を制御することができるようになる。
【0019】
具体的には、以下の理由により配向が生じると考えられる。薄膜の原料となる粒子やガスイオン等は、基板表面に到達して拡散する際に温度の高い方向から低い方向へ熱を輸送しようとするため、温度勾配の方向に大きく拡散する。そのため、結晶面の成長速度に異方性が生じる。その結果、勾配方向に均一に配向した薄膜が形成されると考えられる。
【0020】
本発明に係るZnO薄膜製造方法について説明する。本発明においては、セラミックス基板、ガラス基板やその他の非晶質基板、銅基板・アルミニウム基板等の金属基板、セラミックス基板やガラス板等の表面に金属膜を蒸着した金属膜蒸着基板、等の様々な材料の基板を用いることができる。これらの基板は単結晶である必要はない。上記の方法により、基板上に0.3℃/mm〜30℃/mmの温度勾配を形成する。
【0021】
温度勾配を形成した基板上に、通常のZnO薄膜の製造に用いられるスパッタ法やCVD法等の方法により、ZnO薄膜を堆積させる。これにより、c軸が該温度勾配の方向に配向したZnO薄膜を製造することができる。
【0022】
本発明の方法では、従来の単結晶基板を用いる方法のように基板のエピタキシャルな拘束力を利用することなく、前記のように様々な材料の基板上に、c軸が温度勾配の方向に配向したZnO薄膜を製造することができる。
【0023】
本発明のZnO薄膜製造方法においてはスパッタ法を用いることができるため、c軸が所定の一方向に配向した薄膜を比較的高速で製造することができる。
【0024】
本発明のZnO薄膜製造方法において、スパッタ法やCVD法等のプラズマを用いた方法により堆積を行う場合には、形成されるプラズマの領域(プラズマ柱)内であってその中心から外れた位置に基板を設置することが望ましい。これにより、基板に自然に温度勾配が形成される。この自然に形成される温度勾配が0.3℃/mm〜30℃/mmの範囲にあれば、別途ヒータ等により温度勾配を形成する必要はない。また、自然に形成される温度勾配とヒータ等により形成する温度勾配とを併用してもよい。
【0025】
プラズマを用いて本発明の方法を実施する際には、成膜速度を遅く、基板温度を低く、雰囲気ガス圧を低くすることが望ましい。
【0026】
本発明の方法によって得られるZnO薄膜を圧電層とするトランスデューサ、弾性表面波デバイス等の圧電素子を製造することができる。これらの圧電素子は、温度勾配を基板に平行に形成することによりZnO薄膜のc軸が膜に平行な一方向に配向するため、その薄膜を電極で挟んでc軸と電界方向を垂直にすることにより、横波を励振又は検出することに好適に用いることができる。前記電界方向は、横波を励振する際には薄膜に印加する電界の方向であり、横波を検出する際には該横波により薄膜内に生じる電界の方向である。
【0027】
上記のように様々な基板を用いることができるため、金属基板や金属膜蒸着基板を用いた電極上に直接ZnO薄膜を形成することができる。そのため、圧電素子に接着剤層を設ける必要はなく、また、電極とZnO薄膜とを接合する工程を省略することができる。
【0028】
キャリアをドープしたZnO薄膜は、光に対して透明であり、且つ高い電気伝導性を有するため、透明電極として用いることができる。この透明電極は従来より、例えば太陽電池等に用いられている。このキャリアをドープしたZnO薄膜のc軸に平行な方向の電気抵抗率は、c軸に垂直な方向の電気抵抗率よりも2桁小さい。本発明の方法で得られるZnO薄膜にキャリアをドープすることにより、面内の所定の方向の電気伝導性が従来よりも更に高い透明電極を得ることができる。
【0029】
本発明においては、基板が単結晶であることは必須条件ではないが、単結晶基板上に本発明の方法で薄膜を作製することにより、従来の方法により単結晶基板を用いてc軸を基板面に平行な一方向に配向させた場合よりも、結晶性が高い良質の単結晶薄膜を得ることができる。これは、単結晶基板によるエピタキシャルな拘束力に加えて、温度勾配による結晶成長速度の異方性により、結晶が更に強く配向するためであると考えられる。近年、ZnO単結晶薄膜を用いた発光ダイオードやレーザ発振素子等の発光素子の開発が盛んに行われている。本発明の方法により、それらの素子を実用化するために必要となる良質のZnO単結晶薄膜を提供することができる。
【0030】
【発明の効果】
本発明により、所定の結晶軸が所定の方向に配向した薄膜を製造することができる。この方法により、c軸が膜に平行な一方向に配向したZnO薄膜を製造することができる。この方法を用いれば、基板のエピタキシャルな拘束力を利用する必要はない。そのため、金属基板、ガラス基板、セラミック基板等の様々な基板上に該ZnO薄膜を作製することができる。
【0031】
c軸が膜に平行な一方向に配向したZnO薄膜が求められる圧電素子、トランスデューサ、弾性表面波デバイス等に、本発明の方法により製造したZnO薄膜を好適に用いることができる。また、金属基板を用いることができるため、該ZnO薄膜を電極上に直接作製することにより製造工程を簡素化することができる。
【0032】
【実施例】
本発明の薄膜製造方法の一実施例として、c軸が膜に平行な一方向に配向したZnO薄膜を、スパッタ法を用いて製造する方法について説明する。図1に、本実施例で用いた製造装置を示す。成膜室10の上部に接地電極12を設ける。接地電極12の下面にヒータ13を設ける。ヒータ13の側部に、基板11を設置するための基板台14を設ける。基板台14の、ヒータ13に接する端面に対向する端面に冷却ユニット15を設ける。冷却ユニット15内部に冷却水が通過する管を配設する。基板11のヒータ13側の端面の近傍の基板台14上に第1熱電対161を、冷却ユニット15側の端面の近傍の基板台14上に第2熱電対162を設ける。
【0033】
成膜室10の下部にマグネトロン回路17を設ける。マグネトロン回路17に整合器18を介して高周波電源19を接続する。成膜室10にターボ分子ポンプ20を接続する。また、成膜室10にアルゴン(Ar)ガス及び酸素(O2)ガスのガス源21を接続する。
【0034】
図1の装置を用いて、c軸が膜に平行な一方向に配向したZnO薄膜を製造する方法を説明する。基板11を基板台14の下面に設置する。ヒータ13と冷却ユニット15とを結ぶ方向(図1の左右方向)の基板台14の長さは108mmである。基板11の水平方向の位置は、基板11の中心が基板台14の中心から冷却ユニット15側に20mm離れた位置とする。この位置は、本実施例に用いた装置において最もプラズマ密度が高くなる位置である。本実施例では、ガラス基板、銅基板、アルミニウム基板、アルミニウム蒸着基板の4種類の基板を用いた。図1の左右方向の基板11の長さは50mmである。マグネトロン回路17の上に、ZnO薄膜の原料であるZnO焼結体ターゲット22を載置する。ZnO焼結体ターゲット22と基板との距離は50mmである。
【0035】
成膜室10内をターボ分子ポンプ20により減圧した後、ArとO2を1:3の比で混合したガスを、ガス圧が1×10−3Torrになるように導入する。ヒータ13を加熱し、冷却ユニット15内に冷却水を導入する。第1熱電対161及び第2熱電対162により基板11の両端面の温度を測定し、ヒータ13側の基板端面の温度が200℃、冷却ユニット15側の基板端面の温度が100℃になるように、ヒータ13の出力及び冷却ユニット15の冷却水の流量を制御する。これにより、基板11には、ヒータ13と冷却ユニット15とを結ぶ方向に5℃/mmの温度勾配が形成される。
【0036】
高周波電源19からマグネトロン回路17に、13.56MHz、30Wの高周波電力を供給する。これによりマグネトロン回路17と接地電極12との間に電界が形成され、マグネトロン回路17の電磁石によりZnO焼結体ターゲット22の近傍に磁界が形成される。成膜室10内のArガスは電界により電離して電子を放出する。この電子がZnO焼結体ターゲット22近傍の電界及び磁界により、トロイダル曲線を描きながら運動する。これによりZnO焼結体ターゲット22近傍にプラズマが発生し、このプラズマによりZnO焼結体ターゲット22がスパッタされる。
【0037】
スパッタされた原料が基板11に達して、基板11表面に堆積する。その際の成膜(体積)速度を0.25μm/hourとする。基板11には上記のように温度勾配が形成されているため、その温度勾配の方向にc軸が配向したZnO薄膜が形成される。上記の実施例における作製条件はZnO薄膜を作製する最適条件である。
【0038】
このように作製したZnO薄膜のX線回折パターンを測定した結果を図2に示す。図2には、基板11に(a)ガラス基板、(b)銅基板、(c)アルミニウム基板、(d)アルミニウム蒸着基板を用いた場合の回折パターンをそれぞれ示す。いずれの基板を用いた場合にも、ZnOの(11−20)面による回折ピークが見られるのに対して、(0002)面による回折ピーク(2θ=34.42°)は見られない。このことから、作製されたZnO薄膜のc軸は膜に平行に配向していることがわかる。
【0039】
更に、c軸が一方向に配向していることを確認するために、本実施例の製造方法によりアルミニウム蒸着基板上に作製したZnO薄膜の、膜に平行な面である(11−20)面の極点図を図3(a)に示す。このZnO薄膜を作製する際には、図3(a)の矢印31の方向に温度勾配を形成した。
【0040】
変形例として、ヒータ13及び冷却ユニット15による温度勾配を形成せず、他の条件(基板11の位置等)を本実施例と同じとして作製したZnO薄膜の(11−20)面の極点図を図3(b)に示す。これは、基板11の位置において自然に形成される温度勾配を利用したものである。また、比較例として、基板11を基板台14の中央に設置し、ヒータ13及び冷却ユニット15による温度勾配を形成せずに作製したZnO薄膜の(11−20)面の極点図を図3(c)に示す。
【0041】
これらの極点図は、薄膜の仰角αを90°としたときのX線の入射角度θを(11−20)面の回折条件である28.3°(2θ=56.6°)に固定し、薄膜の仰角α及び方位角βを走査して、検出したX線回折の強度をマッピングしたものである。いずれにおいてもα=90°に強度分布が集中している。これは(11−20)面の回折によるものである。一方、α=30°において、(a)ではβ=90°及び270°付近に集中した強度分布(極321及び322)が見られるのに対して、(b)ではそれらの位置における集中度が(a)よりも弱く、同心円状の強度分布が見られる。更に(c)では、α=30°においてβ=90°及び270°付近に強度が集中することなく、同心円状の強度分布が見られる。α=30°に現れる強度分布は、(11−20)面をc軸を中心に60°回転した(1−210)面及び(−2110)面の回折によるものである。これらの結果は、(c)の薄膜ではc軸が薄膜に平行な面内でランダムな方向に向いているのに対して、(a)の薄膜ではc軸が矢印31の方向、即ち作製時の温度勾配の方向に配向していることを示している。また、(b)は、c軸が面内の一方向に配向する傾向はあるものの、その配向は不十分なものであることを示している。
【0042】
同様の方法により得た(11−22)面の極点図を、図4(a)(本実施例)、(b)(変形例)及び(c)(比較例)に示す。図4では図3よりも明瞭な極点図が得られる。α=58°,β=0°及び180°付近における極が、(a)では明瞭に、(b)では(a)よりもやや弱く見られる。(c)では同心円状の分布が見られる。更に、(a)、(b)について、βを走査して得られたα=58°におけるX線回折の強度を図5に示す。(a)と比較すると(b)のピーク幅が広いことから、(b)における面内一方向の配向性が弱いことがわかる。
【0043】
本実施例及び変形例では、前記のように基板11の水平方向の位置を基板台14の中心からずらして配置している。しかし、このことは、特許文献2に記載された、斜めに指向したビームによりその方向にc軸が配向したことを示すものではない。これは、図3〜5に示すように、本実施例及び変形例では同じ位置に基板を配置することにより、基板が同じ方向からビームを受けているが、ヒータ13や冷却ユニット15により温度勾配を設けた本実施例の方が変形例よりも強く配向していることから明らかである。また、特許文献2ではビームの方向に平行、即ち基板に対しては斜めの方向にc軸が配向しているのに対して、本実施例では基板に平行な一方向に配向している。更に、特許文献2では形成されるプラズマ柱の外部に基板を配置しているのに対して、本実施例ではプラズマ柱の中心から外れた位置ではあるがプラズマ柱の内部に基板を配置しているという点でも、特許文献2と本実施例とは異なる。
【0044】
本発明の方法により製造されるZnO薄膜を用いたトランスデューサの一実施例を図6(a)に示す。このトランスデューサは、上部電極41と下部電極43との間に、本発明の方法により作製したZnO薄膜42を配したものである。このトランスデューサは、下部電極43上に本発明の方法によりZnO薄膜42を堆積させ、ZnO薄膜42の上部電極41を堆積することにより製造することができる。
【0045】
図6のトランスデューサの動作は以下の通りである。横波超音波を放射する際は、上部電極41と下部電極43との間に高周波電圧を印加する(図6(b))。ZnO薄膜42はその圧電性により、印加された高周波電圧を、ZnO薄膜42に平行であってc軸に垂直な方向の機械的振動に変換する。これにより、ZnO薄膜42に垂直な方向に進行する横波超音波が生成される。このトランスデューサに媒質を接触させると、該横波超音波が媒質中を伝播する。一方、横波超音波を検出する際は、ZnO薄膜42はその圧電性により、横波超音波による機械的振動を高周波電圧に変換する(図6(c))。この高周波電圧を検出することにより横波超音波を検出する。
【0046】
このトランスデューサにより媒質内の欠陥等を測定する方法を説明する。このトランスデューサに媒質を接触させ、上部電極41と下部電極43との間にパルス状の高周波電圧を印加すると、トランスデューサが発した横波超音波が媒質内を伝播する。媒質内に欠陥等があればこの横波超音波が反射され、その反射波がトランスデューサに入射する。該反射波(横波超音波)をこのトランスデューサで検出することより、媒質内の欠陥等を測定することができる。
【0047】
本発明の方法により製造されるZnO薄膜を用いたSAWデバイスの一実施例を図7に示す。一対の櫛形電極52と53を、両電極の櫛が噛み合い、且つこれらの櫛の方向がZnO薄膜51のc軸に垂直な方向になるように、ZnO薄膜51の表面に設ける。両櫛形電極52と53の間に様々な周波数が重畳した高周波信号を入力すると、櫛の間(例えば櫛521と櫛531の間)に高周波電圧が印加される。これにより、櫛に平行な方向に振動する横波超音波が生成される。この横波超音波は、波長が各櫛形電極の櫛の間隔dと等しい場合以外は打ち消される。この横波超音波の波長は高周波信号の周波数に依存する。従って、このSAWデバイスは、高周波信号に重畳した所定周波数以外の信号を排除して、所定周波数の信号のみから成る横波超音波を生成するフィルタとなる。この横波超音波は、同様のSAWデバイスを用いて高周波電気信号に変換することができる。以上により、様々な周波数が重畳した高周波信号から所定の周波数の高周波信号のみを取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるZnO薄膜製造方法を実施する際に用いた製造装置の概略構成図。
【図2】本実施例において作製されたZnO薄膜のX線回折パターンを表すグラフ。
【図3】(a)本実施例、(b)変形例及び(c)比較例において作製されたZnO薄膜の(11−20)面の極点図。
【図4】(a)本実施例、(b)変形例及び(c)比較例において作製されたZnO薄膜の(11−22)面の極点図。
【図5】(a)本実施例及び(b)変形例において作製されたZnO薄膜の(11−22)面について、α=58°においてβを走査して得られたX線回折の強度を表すグラフ。
【図6】本発明の方法により作製されるZnO薄膜を用いたトランスデューサの一実施例を示す斜視図。
【図7】本発明の方法により作製されるZnO薄膜を用いた弾性表面波デバイスの一実施例を示す斜視図。
【符号の説明】
10…成膜室
11…基板
12…接地電極
13…ヒータ
14…基板台
15…冷却ユニット
161…第1熱電対
162…第2熱電対
17…マグネトロン回路
18…整合器
19…高周波電源
20…ターボ分子ポンプ
21…ガス源
22…ZnO焼結体ターゲット
41…上部電極
42、51…ZnO薄膜
43…下部電極
52、53…櫛形電極
521、531…櫛
Claims (8)
- 基板に平行な方向に温度勾配を形成し、該基板上に薄膜を堆積させることにより該方向に所定の結晶軸を配向させることを特徴とする薄膜製造方法。
- 基板に平行な方向に 0.3 ℃ /mm 〜 30 ℃ /mm の温度勾配を形成し、該基板上に薄膜を堆積させることにより該方向に c 軸を配向させることを特徴とする酸化亜鉛薄膜製造方法。
- 前記薄膜の堆積を、酸化亜鉛の原料を含むプラズマ柱を形成して該原料を基板上に堆積させることにより行い、前記基板を該プラズマ柱内であってその中心から外れた位置に設置することを特徴とする請求項2に記載の酸化亜鉛薄膜製造方法。
- 前記薄膜の堆積速度を2μm/h以下、基板温度を250℃以下、雰囲気ガス圧を6×10-3Torr以下とすることを特徴とする請求項3に記載の酸化亜鉛薄膜製造方法。
- 前記基板が金属基板又は表面に金属を蒸着した基板から成ることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の酸化亜鉛薄膜製造方法。
- 前記基板が単結晶基板であることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の酸化亜鉛薄膜製造方法。
- 請求項2〜6のいずれかに記載の方法により金属基板又は表面に金属を蒸着した金属膜蒸着基板上に製造され、結晶c軸が面内で一方向に配向し、ドープ元素を含まないことを特徴とする酸化亜鉛薄膜。
- 請求項7に記載の酸化亜鉛薄膜から成る圧電層と前記金属基板又は金属膜蒸着基板から成る電極とを有することを特徴とする圧電素子。
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