JP3561449B2 - 既設管路の切削拡大方法および装置 - Google Patents

既設管路の切削拡大方法および装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、既設管路の切削拡大方法および装置に関し、詳しくは、電気配線用の管路などを施工したあとで、補修などを目的として既設管路の内壁を切削して拡大する方法と、この方法に用いる装置を対象にしている。
【0002】
【従来の技術】
地中に埋設施工された管路は、地盤や地下水から加わる圧力や地震などの外力によって損傷することがある。管路の内壁を構成しているコンクリートや、内壁に施工されたアスベストなどのライニング材が、経時的に老朽化あるいは変質を起こすこともある。
【0003】
このようなときには、既設の管路を完全に取り替えたり、新たな管路を構築することもできるが、管路の内壁部分だけを補修すれば、簡単かつ迅速に管路を更生させることができる。
作業者が中に入って作業できる大径の既設管路の場合には、補修作業に大きな問題はないが、作業者が入れない小口径管路の場合には、作業装置や作業方法に工夫が必要となる。
【0004】
従来知られている小口径の既設管路に対する補修技術を説明する。
先端に切削ドリルを備え管路内を走行自在な小型の切削作業車あるいは切削作業ロボットを、管路の端部であるマンホールなどから管路内に送り込み、管路の内壁を一定の厚み分だけ切削除去して内径を少し拡大する。その後、管路の内壁に、合成樹脂などからなる補修材をコーティングしたり、チューブ状の補修材で管路内壁を覆ったりして管路の内壁を修復する。
【0005】
この方法では、補修材の厚みが増える分だけ、予め既設管路の内壁を切削して拡大しておくので、補修後の管路内径が補修前に比べて狭くなることがなく、管路の機能を補修前と同様に維持できるという利点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような既設管路の補修技術において、既設管路の内壁を切削除去する際に、切削径が管路の中心に対して偏心してしまい、既設管路の円周のうち一部では深く切削され過ぎてしまい、別の一部では必要な深さまで切削できないという問題があった。
【0007】
管路内で切削作業を行う切削作業車は、狭い管路内を移動可能にするため、比較的小型で軽量に作られている。そのため、管路の内壁を切削する際に生じる反力で切削工具の位置や姿勢がずれたり、切削作業車が傾いたりし易い。切削作業車が走行する管路の底面に凹凸があれば、切削作業車および切削工具の位置も変動してしまう。その結果、切削位置すなわち切削径の中心が管路の中心に対して偏心し易い。
【0008】
また、別の問題として、切削能率が低く、作業時間が長くかかったり、管路内壁の材質によって切削が困難な場合がある。これは、切削工具の駆動源であるモータは切削作業車に搭載されるため、比較的小型で低能力のものしか使用できないためである。切削工具の能力が低いと、切削時における抵抗も大きくなって前記した偏心を増大させることにもなる。
【0009】
本発明の課題は、既設管路の内壁を切削して拡大する作業を、管路中心に対して切削径を確実に同心に維持でき、しかも、能率的に作業ができるようにすることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる既設管路の切削拡大方法は、既設管路の内壁を切削して管路内径を拡大する方法であって、支持軸を軸方向に順次連結して、前記既設管路の一端から他端まで挿入配置する工程(a) と、既設管路の一端の管路外で、切削径が既設管路の内径よりも大きな切削工具を支持軸に装着するとともに、支持軸と同心の孔あき円盤状をなし、放射方向を外側に向かって突出する複数の突起を有し、突起の先端が既設管路の内壁に沿って摺動可能な外周形状を有する芯合わせ具を、切削工具よりも管路中央側の支持軸に対して、支持軸の軸方向で切削工具との間および互いの間に間隔をあけて複数個所に装着しておく工程(b) と、前記既設管路の他端の管路外に設置された回転牽引装置で支持軸を把持し、支持軸とともに切削工具および複数個所の芯合わせ具を回転させながら既設管路内を牽引し、切削工具で既設管路の内壁を切削して管路内径を拡大する工程(c) とを含む。
【0011】
〔既設管路〕
通常の土木建築構造における管路に適用できる。例えば、都市部の地下に埋設された送電ケーブル用の管渠やガス配管、下水道配管などが挙げられる。地下でなくても建築物の壁面や床、天井などに設けられた管路にも適用できる。
管路を構成する材料としては、コンクリートやヒューム管、合成樹脂管などが挙げられる。管路の内壁に、合成樹脂やアスベストなどのライニング層を積層した管路にも適用できる。
【0012】
管路の口径としては特に制限はないが、比較的小口径の管路に適用するのが好ましい。具体的には、口径100〜700mmφの範囲に適用され、口径100〜150mmφが特に好適である。
管路は通常、直線状のものに適用されるが、曲線部分を有するものにも適用することができる。
【0013】
〔支持軸〕
既設管路に挿入可能で、切削工具に牽引力および回転力を伝達可能で、切削時の抵抗や反力に耐える強度あるいは剛性を有していれば、各種の構造部材からなる軸材料が用いられる。具体的には、鋼やアルミなどの金属あるいは繊維強化樹脂などが挙げられる。中実軸あるいは中空管が使用でき、円形断面あるいはその他の異形断面のものであってもよい。
【0014】
支持軸は、軸方向に連結可能にしておく。連結機構としては、通常の機械装置や建築部材における軸材料の連結機構が採用できる。なお、回転牽引装置による支持軸の操作を容易にするため、連結機構が支持軸の外周面に突出しないようにしておくことが好ましい。例えば、軸端に雌雄のねじを設けておいたり、嵌合あるいは係合による連結機構を設けておくことができる。
【0015】
支持軸の一部または全体を、可撓性のある材料あるいは構造で構成しておくことができる。具体的には、螺旋状に巻回された鋼材や弾性のある樹脂材料などを用いて可撓性を付与することができる。可撓性に優れた支持軸は、曲線部分を有する管路にも適用できる。
可撓性に乏しい金属などからなる剛体状の支持軸であっても、ユニバーサルジョイントなどの可撓性があって回転力および軸力も伝達できる可撓継手で連結しておけば、曲線部分に対応させることができる。
【0016】
〔切削工具〕
通常の建築土木における孔加工用の切削工具が使用できる。管路の材質によっても異なるが、管路の内壁を所望の径まで切削できる工具であれば良い。工具鋼やセラミックなどからなる切削刃を、切削径に対応して配置しておく。具体的には、ドリル工具、リーマ工具、研削工具などが採用される。
【0017】
切削工具は、支持軸の端部あるいは途中に取り付けられる。支持軸に対して着脱自在にしておくのが好ましい。支持軸に対する切削工具の取付機構は、キーやコッターピン、止めねじなど、通常の切削工具と同様の取付機構が採用される。
〔回転牽引装置〕
支持軸に装着された切削工具に対して、管路の内壁を切削するのに必要な回転力および牽引力を供給する。
【0018】
回転牽引装置は、管路外に設置すれば良いので、外形状や設置スペースにはそれほど制約はない。通常は、管路端部が開口しているマンホールなどに設置できるようになっていればよい。
支持軸の途中を把持して回転力および牽引力を供給する把持構造を備えておく。例えば、支持軸の把持および把持解除が切り換えられる中空状のチャック機構を、モータなどで回転自在にしておくとともに、油圧シリンダなどで前後に移動自在に設けておくことができる。
【0019】
回転牽引装置として、従来、地盤調査や地盤改良のための薬液注入などに利用されているような、水平ドリル装置や水平ボーリング装置などを利用することができる。回転力や牽引力あるいは剛性強度などは、必要とされる切削性能に適合する十分な能力あるいは容量を備えたものが使用される。
〔芯合わせ具〕
管路内に挿入された支持軸、および、管路の内壁を切削する切削工具の芯を、管路の中心に合わせる機能を果たす。
【0020】
芯合わせ具の材料は、支持軸や切削工具の位置決めが可能な程度の強度や剛性を有していれば、各種の構造材料が使用できる。具体的には、鋼やアルミなどの金属、ナイロンや硬質ビニールなどの合成樹脂、セラミックなどが用いられる。芯合わせ具の外周面を滑り易い材料あるいは低摩擦材料で構成しておくことができる。
【0021】
芯合わせ具は、支持軸の外形状と管路の内形状とに対応する孔あき円盤状をなすものが使用できる。
芯合わせ具の外周形状は、管路の内壁に当接して軸方向に摺動可能であるように、管路の内径と同じか少し小さな外径を有している。芯合わせ具の外周全体が管路の内壁に当接してもよいが、管路の中心に芯合わせ具の中心を合わせることができれば、周方向の一部のみで管路の内壁に当接するものでも構わない。
【0022】
芯合わせ具の構造として、支持軸に嵌挿される円筒形の内周形状と、放射方向を外側に向かって突出する複数の突起と、突起の先端が円筒形の一部を構成する外周形状とを有するものが使用できる。
芯合わせ具を支持軸の外周に装着するための機構としては、通常の軸体に対する各種部材の取付機構が採用できる。
【0023】
回転牽引装置で駆動する支持軸の途中で芯合わせ具を着脱自在に取り付けるために、芯合わせ具を支持軸の外周に側方から着脱できるようにしておくことができる。盤状の芯合わせ具の場合、左右に分割構成しておき、支持軸に装着すると同時に左右の部材が結合されるようにしておくことができる。
芯合わせ具は、支持軸のうち、少なくとも切削工具の近傍に装着しておいて、切削工具の中心と管路の中心とを合わせる。切削作業時に切削工具が進む側の支持軸に芯合わせ具を設けておくのが好ましい。
【0024】
芯合わせ具を、支持軸の所定位置に確実に取り付けるために、芯合わせ具の本体とは別に、固定用のスリーブや金具などからなる固定具を組み合わせることができる。この場合、芯合わせ具の本体は、管路の中心と芯合わせ具すなわち支持軸の中心とを正確に合わせる機能だけを有し、固定具によって本体の位置決めあるいは固定を果たすことになる。
【0025】
支持軸に対して少なくとも間隔をあけて2個所に芯合わせ具を装着しておくことで、一対の芯合わせ具間の支持軸を管路の中心軸に対して確実に芯合わせすることができる。
管路の全長が短い場合には、切削工具の近傍のみに芯合わせ具を設けておいても良い。管路の全長が長い場合には、切削工具から離れた個所の支持軸にも所定の間隔毎に芯合わせ具を配置しておくことが好ましい。
【0026】
〔支持軸の配置工程〕
支持軸を軸方向に順次連結して、既設管路の一端から他端まで挿入配置する。管路の一端の管路外で、支持軸を連結する作業と、連結された支持軸の先端を管路内に送り込む作業とを繰り返す。前記した回転牽引装置を用いれば、支持軸を把持した状態で後端に新たな支持軸を連結する作業と、連結された支持軸を回転牽引装置で前方の管路内に送り込む作業とを連続的に繰り返して、能率的に支持軸を管路内に挿入配置することができる。
【0027】
支持軸を管路に送り込む際に、適宜間隔で支持軸に芯合わせ具を取り付けておくことができる。芯合わせ具を取り付けておけば、支持軸を管路の中心に沿ってスームズに送り込むことができる。
〔切削工具の取付工程〕
既設管路の一端から他端まで支持軸が配置されたあと、既設管路の一端の管路外で、切削工具を支持軸に装着する。
【0028】
切削工具は、管路の内径よりも大きいので、管路外まで延ばした支持軸に取り付ける。
このとき、切削工具の近傍で、切削工具の取付前あるいは取付後に、支持軸に芯合わせ具を取り付けることができる。この場合は、支持軸の開放された端部から芯合わせ具を取り付けることもできるので、芯合わせ具を左右分解構造にしておいたり、支持軸の側方から取り付けたりする必要がない。
【0029】
〔切削工程〕
支持軸のうち、切削工具を取り付けた端部側とは反対側を、管路外に設置された回転牽引装置に把持させる。管路への支持軸の挿入配置を回転牽引装置で行った場合には、既に支持軸は回転牽引装置に把持されている。
この状態で、回転牽引装置を作動させ、支持軸とともに切削工具を回転させながら既設管路内を回転牽引装置のほうに牽引し、切削工具で既設管路の内壁を切削して管路内径を拡大する。
【0030】
切削工具の回転数と牽引速度を調整することで、適切な切削条件を設定することができる。
回転牽引装置は、十分な剛性あるいは耐変形性を備えた支持軸に装着された切削工具を、管路の中心方向に沿って正確に牽引することができる。切削反力によって切削工具が傾いたり偏心したりすることが阻止できる。
【0031】
特に、支持軸に芯合わせ具を取り付けていれば、支持軸および切削工具の中心と管路の中心とが芯合わせ具によって正確に位置決めされる。芯合わせ具を用いた場合、可撓性のある支持軸を用いたり、管路の曲線部分であっても、管路の中心と支持軸の中心を確実に芯合わせすることが可能である。
連結された複数の支持軸のうち、1本分の支持軸が回転牽引装置の後方まで送り出された段階で、その支持軸の連結を解除して回収すれば、回転牽引装置の後方に連結された支持軸が長く延びたままにならない。
【0032】
回転牽引装置に備えたチャック機構などの支持軸の把持手段が、支持軸の外周に突起物が存在すると牽引できない場合には、支持軸に取り付けられた芯合わせ具は、管路外に引き出され支持軸が把持手段に到達するまでの間に、支持具から取り外しておくことが好ましい。
管路の内壁を切削工具で切削すると、塊状や粉状の切削屑が発生する。この切削屑を除去する手段を備えておけば、切削作業が行い易い。切削屑の除去手段として、真空吸引機構が採用できる。例えば、管路の端部に真空吸引装置の吸引口を配置しておけば、管路内に溜まる切削屑を吸引して除去することができる。支持軸の中心あるいは外周に沿って切削工具の位置まで、真空吸引用の配管を設置しておくことができる。水や切削液などを管路内に流通させて、液体とともに切削屑を流し去ることができる。切削工具の近傍に回転ブラシなどによる切削屑の除去部材を設けておくことができる。
【0033】
〔管路内壁の補修〕
内径が拡大された管路の内壁には、合成樹脂や無機材料などによるライニング層を形成して補修することができる。
例えば、管路内にライニング剤の塗工手段を走行させて、内壁にライニング層を形成することができる。塗工手段を、牽引時に切削工具よりも後方になる個所の支持軸に装着しておけば、切削工程と塗工工程を連続的に行うことができる。
【0034】
合成樹脂フィルムやシート、チューブなどのライニング材を管路の内壁に貼着することができる。これらの材料として紫外線硬化材料を用いると、管路の内壁に配置したあと紫外線を照射して硬化させることで管路の内壁に固着させることができる。
柔軟なチューブ材料からなるライニング材を表裏反転させた状態で管路内に送り込み、チューブ材料の末端から圧力空気を吹き込んでチューブ材料を再反転させて管路の内壁に密着させる方法が採用できる。この場合も、紫外線硬化性のチューブ材料を使用すれば、管路の内壁に供給されたチューブ材料を紫外線硬化させて管路内壁に固定させることができる。
【0035】
【発明の実施形態】
図1、2に示す実施形態は、地盤内に埋設された送電ケーブル用の管渠における管路の切削拡大方法および装置である。
〔管路の構造〕
図1に示すように、地下に設置されたマンホール10および12の間に、コンクリートからなる管渠ブロック14が施工されている。管渠ブロック14の断面形状は矩形状をなし、この矩形断面の中に前後左右に複数本ずつの管路16が貫通形成されている。管路16には、送電ケーブルや通信ケーブルなどを挿通して使用される。但し、図の状態は、送電ケーブル等は撤去された状態である。管路16の内壁にはアスベストによるライニング層17が形成されている。このライニング層17で送電ケーブルを保護している。
【0036】
管渠ブロック14の施工から一定の期間が経過すると、ライニング層17のアスベストやコンクリートが劣化したり、変形や欠落などの損傷を生じることになる。そこで、管路16の補修が必要になる。
〔回転牽引装置の設置〕
管路16の一端側のマンホール10に、回転牽引装置20が設置される。回転牽引装置20は、先端に中空チャック22を備え、中空チャック22の後方には内部が中空になった筒状部24を有している。中空チャック22は中央に軸部材を挿通した状態で軸部材の外周を把持したり把持解除したりすることができる。また、中空チャック22は、エアモータや油圧モータなどで回転駆動されるとともに油圧シリンダなどで軸方向を前後に往復動する。
【0037】
回転牽引装置20は、足場用のパイプなどからなる支持部材26で支持されてマンホール10内に固定設置される。中空チャック22および筒状部24の中心線が、内壁の切削を行う管路16の中心線の延長上に配置される。管路16の開口近傍には、真空吸引配管28の一端が開口しており、切削作業中に発生する粉塵などを吸引除去する。
【0038】
〔支持軸の配置〕
図2に詳しく示すように、支持軸30は鋼材からなる断面円形のパイプ状をなし、一端には雄ねじ32、他端には雌ねじ34が設けられており、支持軸30同士を軸方向に順次連結できるようになっている。
支持軸30は、回転牽引装置20の中空チャック22および筒状部24に通されて中空チャック22で把持される。この状態で、回転牽引装置20を回転作動させれば支持軸30が回転する。中空チャック22を前方あるいは後方に一定の距離だけ移動させれば、支持軸30も軸方向に移動する。中空チャック22を一定ストローク移動させたあと、中空チャック22による支持軸30の把持を解除し、解除状態で中空チャック22を軸方向で元の位置に戻し、中空チャック22で支持軸30を把持し直すことができる。このような動作を繰り返すことで、支持軸30を前方あるいは後方へと断続的に送ることができる。
【0039】
回転牽引装置20の中空チャック22で把持された支持軸30の後方で、新たな支持軸30を連結することができる。これによって、支持軸30の列を延ばしながら、管路16の内部に支持軸30を送り込んでいく。
支持軸30を順次連結しながら管路16に送り込むことで、支持軸30の先端は管路16の反対側の開口すなわちマンホール12に到達する。
【0040】
〔切削工具の取付〕
図3に示すように、管路16からマンホール12まで延びた支持軸30に対して、切削工具40および芯合わせ具50を取り付ける。
図2に詳しく示すように、芯合わせ具50は、円盤状の芯合わせ板52と、円筒状の固定筒56、56とで構成されている。
【0041】
図2(b) に示すように、芯合わせ板52の外周形状は、五角形の星形に突出していて、先端が管路16の内壁にほぼ当接する円筒面の一部を構成している。芯合わせ板52の中心には、外周形状と同心の取付孔53が貫通している。取付孔53が支持軸30に嵌挿される。固定筒56は、芯合わせ板52を間に挟んで両側で支持軸30に嵌挿される。固定筒56には直径方向にコッターピン57が嵌入される。コッターピン57は、支持軸30にも嵌入されて固定される。その結果、芯合わせ板52は、固定筒56で両側を挟まれた状態で支持軸30に固定される。
【0042】
芯合わせ具50の取付は、管路16の外まで延びた支持軸30の端部から、固定筒56、芯合わせ板52、固定筒56の順番で嵌め込み、所定の位置までずらせたあと、固定筒56をコッターピン57で支持軸30に固定すればよい。
この実施形態では、間隔をあけて一対の芯合わせ具50を取り付けている。一対の芯合わせ具50で、軸方向の2個所において、支持軸30を管路16の中心に正確に配置しておくことができる。その結果、支持軸30の中心軸と管路16の中心軸が正確に合致することになり、切削工具40の傾きや偏心を確実に防止することができる。
【0043】
切削工具40は全体が円錐状をなし円周方向に並んだ複数の切削刃42が配置されたリーマ工具であり、切削刃42の外形すなわち切削径は、管路16の内径よりもかなり大きく、ライニング層17の外径よりも少し大きくなる程度に設定されている。
切削工具40は、円筒状の取付部44を支持軸30の末端から嵌め込み、コッターピンなどで支持軸30に締結して固定する。切削工具40は、支持軸30のうち、一対の芯合わせ具50、50の直ぐ後方の端部側に配置される。
【0044】
〔切削工程〕
上記のようにして、芯合わせ具50および切削工具40が取り付けられた支持軸30を、回転牽引装置20で元の方向すなわちマンホール10側へと牽引する。
マンホール12側の管路16では、まず、芯合わせ具50が管路16の内壁に沿って挿入される。支持軸30の移動に伴って芯合わせ具50は管路16の内壁を滑りながら移動し、管路16の中心に正確に支持軸30を配置する。
【0045】
一対の芯合わせ具50が管路16に挿入されたあと、切削工具40が、管路16の端面に当接すると、管路16よりも大きな切削径を有する切削刃42が、管路16の端面に配置される。切削工具40を牽引と同時に回転させると、切削刃42が管路16のライニング層17およびその外側の管渠ブロック14のコンクリートまでを所定の切削径で切削して、管路16の内径を拡げる。
【0046】
図2に示すように、支持軸30に装着された一対の芯合わせ具50、50により、切削工具40は管路16の中心位置に中心軸方向を正確に向いた状態で配置され、切削工具40の移動に伴って、管路16が切削されて拡大されていく。
支持軸30から切削工具40に伝達される牽引力は、常に管路16の中心線に沿って作用するので、切削抵抗などで切削工具40が管路16の中心線からずれたり傾いたりしようとしても、支持軸30からの牽引力による矯正作用で切削工具40は常に正しい位置および姿勢に戻される。これは、例えば、切削工具40を後方から支持軸30などで押すようにして切削作業を行った場合には、切削工具40の位置が管路16の中心から少しでもずれると、支持軸30の押動力は切削工具40を管路16の中心からさらにずらせるように作用するのと対比すれば、支持軸30の牽引力による切削工具40の位置および姿勢の矯正作用が理解できる。
【0047】
管路16の切削によって発生した切削屑や粉塵は、マンホール10に設置された真空吸引配管28で吸引除去する。
回転牽引装置20では、牽引された支持軸30の1本分が、筒状部24の後方に引き出されると、前方の支持軸30列に対して最後尾の支持軸30だけを連結解除して取り外す。これによって、支持軸30が後方に長く延びたままにならず、スペースに制限があるマンホール10の中でも、支持軸30の牽引作業を継続して実行することができる。
【0048】
切削工具40が、管路16の端部まで移動して、管路16の全体において内径の拡大がなされれば、切削作業は終了する。
支持軸30からの芯合わせ具50および切削工具40の取り外しは、芯合わせ具50および切削工具40を装着した支持軸30を、管路16の外部で回転牽引位置20の手前の空間まで引き出した後で、支持軸30の端部から取り外せばよい。
【0049】
管路16の内径を拡大するだけであれば、上記工程の完了後に、送電ケーブルの挿入などを行って使用することができる。
〔管路の補修工程〕
管路16の内壁を合成樹脂のライニング層で補修することができる。
図4に示すように、内径が拡大された管路16に、補修チューブ60を挿入する。補修チューブ60は、紫外線硬化性樹脂層62と保護フィルム64との積層チューブからなる。
【0050】
但し、補修チューブ60の準備状態では、紫外線硬化性樹脂層62を内側にして保護フィルム64が外側に配置されている。この補修チューブ60を管路16に挿入する際には、補修チューブ60を端部から反転させて、紫外線硬化性樹脂層62が外側に配置される状態にしながら管路16の内部に送り込む。
具体的には、管路16の端部近くで補修チューブ60の末端を反転させて、反転させた補修チューブ60の内側に圧力空気を送り込むと、圧力空気に押されて、補修チューブ60の反転部分が自然に拡がっていって、管路16の奥へと補修チューブ60が延びていく。管路16の内壁には紫外線硬化性樹脂層62が密着して配置されることになる。
【0051】
管路16の全長にわたって補修チューブ60が配置されたあと、補修チューブ60の内部に紫外線照射灯70を挿入する。紫外線照射灯70にはケーブル72で電力が供給される。紫外線照射灯70から紫外線を照射すれば、補修チューブ60の紫外線硬化性樹脂層62が硬化して管路16の内壁に一体化する。
管路16の全長にわたって紫外線硬化性樹脂層62の硬化が完了したあと、紫外線硬化性樹脂層62の内側に配置された保護フィルム64を引き剥がしてしまえば、管路16の内壁に対する補修作業は完了する。
【0052】
その結果、内径の拡大作業を行う前に、管路16の内壁を保護していたライニング層17の代わりに、紫外線硬化性樹脂層62の硬化物からなるライニング層によって管路16の内壁が保護されることになる。
【0053】
【発明の効果】
本発明にかかる既設管路の切削拡大方法および装置によれば、支持軸に装着さされた切削工具を管路の中心と同心に確実に支持した状態で管路の切削作業を行うことができる。管路に対してずれや偏心がなく正確な切削径で管路を拡大することができる。
【0054】
切削工具を駆動する回転牽引装置は、管路の外部に設置しておくので、十分な切削能力を持たせることができ、切削作業を能率的に行え、能力不足による仕上がりの不良も生じ難い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を表す施工状態の断面図
【図2】要部の拡大断面図(a) および芯合わせ具の位置の断面図(b)
【図3】切削工具の取付状態を示す断面図
【図4】補修工程を説明する模式的断面図
【符号の説明】
10、12 マンホール
14 管渠ブロック
16 管路
17 ライニング層
20 回転牽引装置
22 中空チャック
30 支持軸
40 切削工具
50 芯合わせ具
52 芯合わせ板
56 固定筒

Claims (2)

  1. 既設管路の内壁を切削して管路内径を拡大する方法であって、
    支持軸を軸方向に順次連結して、前記既設管路の一端から他端まで挿入配置する工程(a) と、
    前記既設管路の一端の管路外で、切削径が既設管路の内径よりも大きな切削工具を支持軸に装着するとともに、支持軸と同心の孔あき円盤状をなし、放射方向を外側に向かって突出する複数の突起を有し、突起の先端が既設管路の内壁に沿って摺動可能な外周形状を有する芯合わせ具を、切削工具よりも管路中央側の支持軸に対して、支持軸の軸方向で切削工具との間および互いの間に間隔をあけて複数個所に装着しておく工程(b) と、
    前記既設管路の他端の管路外に設置された回転牽引装置で支持軸を把持し、支持軸とともに切削工具および複数個所の芯合わせ具を回転させながら既設管路内を牽引し、切削工具で既設管路の内壁を切削して管路内径を拡大する工程(c) と、
    を含む既設管路の切削拡大方法。
  2. 既設管路の内壁を切削して管路内径を拡大する装置であって、
    軸方向に連結可能で、前記既設管路に挿入配置される支持軸と、
    前記支持軸に装着され、切削径が既設管路の内径よりも大きな切削工具と、
    前記支持軸の外周に対して軸方向に間隔をあけて複数個所に着脱自在に装着され、支持軸と同心の孔あき円盤状をなし、放射方向を外側に向かって突出する複数の突起を有し、突起の先端が既設管路の内壁に沿って摺動可能な外周形状を有する複数の芯合わせ具と、
    前記既設管路の管路外に設置され、支持軸の途中を把持して軸方向へ牽引および回転させる回転牽引装置と
    を備える既設管路の切削拡大装置。
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