JP3560934B2 - 全血からの血漿又は血清分離方法及び器具 - Google Patents

全血からの血漿又は血清分離方法及び器具 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、繊維含有層によって全血から血漿あるいは血清を分離するための方法及び器具に関し、また該血漿あるいは血清分離器具を含有する試験担体に関する。
【0002】
【関連技術】
臨床化学試験もしくは臨床免疫試験においては、多くの定性的、そして定量的な診断の迅速テストが血液をサンプルとして利用する病院関連検査分野で発展した。
【0003】
これらの臨床試験の一部は、全血で試験することができるが、正確な試験結果を得るために、血液試料から分離された血清あるいは血漿を利用することが必要である。さもなければ、赤血球あるいは血液試料での不純物が、その測定方法である反射光、透過光及び発光を妨害し、測定に影響がある。
【0004】
従来、全血から血漿あるいは血清を分離するためには、遠心分離法が使われている。しかしながら、この方法は、時間がかかること、微量の全血検体は分離後血清あるいは血漿を採取することが困難なこと、そして検査室外で一般に利用可能でない付帯設備を必要とすることがあげられる。
【0005】
これらの理由のために、ベッドサイド検査や緊急検査等で実施されているポイント・オブ・ケア試験での検査室外で臨床検査技師以外の専門家によって実施される試験に対しては、遠心分離法は完全に不適当である。
【0006】
これらの問題を避けるために多くの技法が工夫考案され、提案されている。これらの技法においては、一般に多数の材料がフィルターを形成するために使われた。これらのフィルター材料として、ペーパー、織物、ガラスあるいは化繊などの適当なポアサイズを持っている膜材料が従来から知られている。
【0007】
例えば、米国特許U.S.P.4,816,224には、特定の大きさのガラス繊維濾紙と多孔質膜とを積層して用いる方法が開示されている。また、米国特許U.S.P.4,753,776は、赤血球凝集剤を担持することができるガラス繊維からなるフィルターと全血を接触させることによって、赤血球から血漿を分離するための装置に関するものであり、ガラス繊維フィルターの厚さ、直径を規定し、その間に全血を通し毛管力で分離した血漿を毛管流装置に移送する方法を教示している。しかし、どちらの方法も、血漿の実用的な分離産出量が通常25%以下であり、容易に目詰まりする。
【0008】
次に、米国特許U.S.P.5,665,238には、ポアサイズ3μ以下のガラス等の繊維フィルターに多糖類であるマンニトールを1〜40%、アルブミンを0.1〜15%含有した層で血清を分離することで高収率の分離を達成する方法が示されているが、この方法の欠点としては、溶血に対する配慮がないことと、分離する時間が長いことが挙げられる。
【0009】
他の方法としては、米国特許U.S.P.3,146,163及びドイツ特許出願公開DE−A−1498577においては、血漿の分離のために、全血を、植物性赤血球凝集素のような赤血球凝集素で被覆された物質に適用する方法が記載されており、可能な担体物質としてプラスチック及び厚紙のような繊維性物質が挙げられている。
【0010】
日本特許出願公開昭61−118661には、レクチンを含浸させたマトリックスに全血を適用し、血漿又は血清を単離することからなる全血の分離方法が開示されており、マトリックスとしては、40%までの流体流に対する相対抵抗性を有する吸収性物質が用いられている。さらに、繊維性構造又は繊維構造及びできる限り小さい流体流に対する抵抗性を有するマトリックスが挙げられ、好ましい物質として、綿及びビスコース繊維及びセルロース物質が例示されている。しかしながら、この方法の明らかな欠点は、分離した血漿又は血清を希釈剤でマトリックスから洗浄しなければならないことである。
【0011】
日本特許出願公開昭64−21362には、全血から血漿又は血清を分離する別の装置が開示されている。該装置は、血球を擬集させる試薬で処理されている吸収性マトリックスを含んでおり、血球を凝集させる試薬として、トロンビン又はレクチンが挙げられている。吸収性マトリックスとしては、疎水性粉末、スポンジ及びクレイ物質、繊維及びポリマーが推奨されており、繊維含有紙は、ポリマーとしても認識され、また濾紙は、好ましいマトリックスとされている。
【0012】
日本特許出願公開昭61−207966は、レクチンを含浸させた吸収性マトリックスを分離層として使用する全血から血漿又は血清を分離するための試薬を教示している。
【0013】
日本特許出願公開平2−140147には、全血と接触させると赤血球が結合するカチオン性表面を形成するようにポリカチオンを吸収性固体物質上に固定することが開示されており、好ましい担体物質としては紙が挙げられている。
【0014】
日本特許出願公開昭60−36961には、いくつかの極性基を有する物質を含浸させた吸収性多孔質物質を使用して、全血から血漿を分離することが開示されている。例えば、紙、パッド及び繊維が一般的に挙げられている。
【0015】
欧州特許出願公開EP−A−0305803には、赤血球凝集化抗体及び所望によりレクチンを含んでいる繊維含有濾過層、又はガラス繊維の濾過層及びレクチンからなる赤血球含有体液から血球を分離するための装置が開示されている。
【0016】
上記した公知の全血分離方法のうち、特に、全血を赤血球凝集化作用を有する繊維含有層と接触させ、赤血球を繊維含有層によって保持させる方法が実用上有効であるといえる。しかしながら、この種の繊維含有層を用いる上での問題は、赤血球を繊維含有層と接触させると溶血が生じてしまうことである。
【0017】
一方、米国特許U.S.P.5,262,067は、赤血球凝集化物質を含有するガラス繊維層をポリビニルアルコール又はポリビニルアルコール/ポリ酢酸ビニルアルコールで被覆して全血から分離する血漿成分に溶血が実用上影響ない程度に抑えることができるよい方法であるが、分離時間がかかるという問題がある。
【0018】
溶血は、赤血球からヘモグロビンを放出させ、したがって、血漿又は血清を脱色させる。このような脱色は、比色試験を相当に妨害し得ることから、ガラスによって生じる赤血球の溶血は、その量が少なければ少ない程、測定に対する阻害物質の影響が少ないこととなる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、血漿又は血清から未希釈の血液の細胞成分、特に赤血球を分離することができる可能性を見いだすこと、この分離の際に溶解を生じさせないこと、そして該分離の際の分離速度が速く分離できる可能性を見出すこと、及び特に、分離は臨床検査におけるポイント・オブ・ケア検査においても可能であるべきことを課題として研究を進めたところ、驚くべきことに、ブトキシプロパノール又はブトキシメチルアクリルアミドで被覆したガラス繊維を含む繊維含有層を血漿又は血清分離層として用いることによって、実質的に溶血を生じずに、血漿又は血清から未希釈全血の細胞成分を非常に良好に分離するのに適していることを見出し、本発明に到達した。
【0020】
本発明は、上記した問題点に鑑みなされたもので、赤血球の分離が迅速に行われるとともに分離能が高く、その上溶血の少ない全血からの血漿又は血清分離方法、器具及び試験担体を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の全血からの血漿又は血清分離方法は、全血を繊維含有層と接触させ、赤血球を該繊維含有層によって保持させることにより全血から血漿又は血清を分離する方法であって、該繊維含有層をガラス繊維を含有する層によって構成し、該ガラス繊維としてブトキシ基が付いたプロパノール及び/又はブトキシ基が付いたアクリルアミドを被覆したガラス繊維を用いることによって溶血を抑制するようにしたことを特徴とする。
【0022】
本発明の全血からの血漿又は血清分離器具は、全血を繊維含有層と接触させ、赤血球を該繊維含有層によって保持させることにより全血から血漿又は血清を分離する器具であって、該繊維含有層をブトキシ基が付いたプロパノール及び/又はブトキシ基が付いたアクリルアミドを被覆したガラス繊維を含有する層とすることによって溶血を抑制するようにしたことを特徴とする。
【0023】
本発明の試験担体は、血液試料成分から血漿又は血清を分離するための血漿又は血清分離層及び分離された血漿又は血清を試験するための試験域を含み該血液試料成分の分析物の測定を行うための試験担体であって、該血漿又は血清分離層が上記した血漿又は血清分離器具を含有するように構成することによって、溶血を抑制するようにしたことを特徴とする。
【0024】
本発明に使用するガラス繊維としては、ポアサイズ平均3〜6μmの硼珪酸ガラスが好ましいが、この仕様にあった市販ガラス繊維メンブランとしては、GF/Dタイプ(Whatman社製)が好適である。但し、このガラス繊維を単体で使用した場合、全血を分離する過程で溶血を生じ、分離時間もロットによってまちまちである。
【0025】
このガラス繊維よりなり、官能基としてブトキシ基が付いたプロパノールであるブトキシプロパノール、例えば1−ブトキシ−2−プロパノール及び/又は官能基としてブトキシ基が付いたアクリルアミドであるブトキシメチルアクリルアミド、例えばN−(ブトキシメチル)アクリルアミドで被覆したものを使用することにより、分離過程での溶血を実用上問題ない量に抑えることができ、全血の滴下と同時に血漿又は血清血球から分離が始まりガラス繊維内での全血が展開する遅延時間がなく、迅速な分離ができる。
【0026】
上記ブトキシ基が付いたプロパノール及び/又はブトキシ基が付いたアクリルアミドのガラス繊維に対する量は、下限値が0.05重量%、好ましくは0.1重量%、さらに好ましくは0.2重量%であり、上限値が3.0重量%、好ましくは2.0重量%、らに好ましくは1.5重量%である。
【0027】
また、被覆物としてアクリルアミド系、プロパノール系物質を用いた場合、ジメチルアクリルアミド、N−ヒドロキシアクリルアミド、N−N’−メチレン−ビス(アクリルアミド)、N−イソプロピルアクリルアミドとプロパノールについては、溶血が見られ展開時間の遅延もあり、他の分離膜手法との有意差が見られないことから、ブトキシ基が付いたアクリルアミド及び/又はブトキシ基が付いたプロパノールが有効であることがわかった。
【0028】
本発明においては、ガラス繊維濾紙に被覆物質の溶液を含浸させるのが好ましく、例えば、含浸溶液をガラス繊維濾紙に適用するか、又はこれを含浸液中に浸漬させる。
【0029】
含浸液の量は、0.3重量%〜2.0重量%の範囲がよく、この範囲外の重量%が多い場合は、ガラス繊維間の毛管力に影響があり、溶血の溶出、全血の展開する遅延時間の延長を起たす。
【0030】
本発明において、ガラスの全表面を覆うような方法で、全血から血漿又は血清を分離するために使用されるガラス繊維をN−(ブトキシメチル)アクリルアミド又は、1−ブトキシ−2−プロパノール層で被覆する。
【0031】
その方法としては、ガラス繊維濾紙をN−(ブトキシメチル)アクリルアミド又は、1−ブトキシ−2−プロパノール含浸液中に浸漬し、取り出した後室温から90℃の範囲で乾燥させる。乾燥時間は、50℃〜90℃の範囲で25分〜80分の範囲で実用上問題ない。
【0032】
本発明の繊維含有層としては、前述したようにガラス繊維を用いればよいが、例えば、レクチンや抗体等の公知の赤血球凝集化物質を含ませたガラス繊維を用いることもできる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の一つの実施の形態を添付図面に基づいて説明するが、図示例は例示的に示されるもので、本発明の技術思想から逸脱しない限り種々の変形が可能なことはいうまでもない。
【0034】
図1は本発明の試験担体の一つの実施の形態を示す断面図であり、イムノクロマトグラフィー法に使用するストリップを試験担体とし、そのサンプルパッドに本発明の血漿又は血清分離器具を使用した場合が示されている。
【0035】
同図において、10は試験担体で、プラスチック等からなる長尺状の支持体板12を有している。該支持体板12の一端部上面には血漿又は血清分離層14が設けられている。この血漿又は血清分離層14としては、前述した赤血球凝集化作用を有するとともにブトキシプロパノール及び/又はブトキシメチルアクリルアミドを被覆したガラス繊維を含有する繊維含有層が用いられる。
【0036】
16はガラス繊維等からなるコンジュゲートパッドで、該血漿又は血清分離層14の先端部は、隣接して該支持体板12上に設けられた該コンジュゲートパッド16の基端部分を覆うようにして設けられている。このコンジュゲートパッド16にはラテックスや金コロイド等で標識された抗体もしくは抗原が含まれている。
【0037】
18は試験域となる展開層で、ニトロセルロース膜等から形成されている。該展開層18は該支持体板12の上面中央部に設けられ、固相バンド20、例えばキャプチャーゾーン20a及びコントロールゾーン20b等によって構成されている。この固相バンド20には抗体もしくは抗原が含まれている。22は該支持体板12の他端部上面に設けられたガラス繊維等からなる吸水層で、固相バンド20で反応しなかった未反応物を吸水作用によって固相バンド20の外側に移動させる働きをする。
【0038】
上記した試験担体10の作用を以下に説明する。まず、血漿又は血清分離層14に血液試料成分と反応用溶液を滴下すると、該血液試料成分中の赤血球は該血漿又は血清分離層14中のガラス繊維によって保持され、血漿又は血清が分離される。
【0039】
この分離された血漿もしくは血清成分と反応用溶液がコンジュゲートパッド16においてラテックスや金コロイド等の標識された抗体もしくは抗原と抗原抗体反応を起こし、生成した反応物及び未反応物が横方向、即ち展開層18に移動する。
【0040】
この展開層18の固相バンド20で上記反応物が固相バンド20の抗体もしくは抗原と抗原抗体反応を行って上記標識物質によって着色された測定複合体が形成される。固相バンド20内における測定複合体中の標識物質の多少に基づく色素の濃淡を目視、もしくは反射光による固相バンド20の色の濃淡を色素吸収光の強度で表すことによって血液試料成分の分析物の測定を行うことができる。
【0041】
または、ラテックス自体にも蛍光もしくは発光を伴う物質を着色し、蛍光量もしくは発光量から固相バンドにおける標識物量を求め、定性もしくは定量値として表す。
【0042】
なお、展開層18の固相バンド20で反応しなかった未反応物は、吸水層22によって展開層18の固相バンド20の外側に移動せしめられる。
【0043】
図2は本発明の試験担体の他の実施の形態を示す断面図であり、毛細管力を利用して、全血から血漿もしくは血清を分離した後キャピラリーに血漿もしくは血清を取り込み、透明なキャピラリーで、455nm吸収波長があるビリルビンを血漿もしくは血清から直接比色する場合の試験担体の一例が示されている。
【0044】
同図において、30は試験担体で、ガラス又は透明プラスチック等からなる長尺状キャピラリー32を有している。該キャピラリー32の一端部にはキャピラリー32の一部を除去して取付部34が形成されている。
【0045】
該取付部34には血漿又は血清分離層36が設けられている。この血漿又は血清分離層36は、図1の血漿又は血清分離層14と同様の繊維含有層によって形成されている。該血漿又は血清分離層36が設置された部分以外のキャピラリー32の部分は、図2に示すように試験域38として作用する。
【0046】
上記構成により、まず血漿又は血清分離層36に血液試料成分を滴下すると、該血液試料成分中の赤血球は該血漿又は血清分離層36中のガラス繊維によって保持され、血漿又は血清が分離される。
【0047】
この分離された血漿もしくは血清をキャピラリー32、即ち試験域38に毛管力で取り込み、キャピラリー32の上面もしくは底面から光を照射し、底面もしくは上面で検出し、455nmにおける吸光度によってビリルビン濃度を測定する。
【0048】
【実施例】
以下に実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、これらの実施例は例示的に示されるもので限定的に解釈されるべきでないことはいうまでもない。
【0049】
(製造例1)
N−(ブトキシメチル)アクリルアミド(和光純薬(株)製)の0.5%水溶液に、幅4mm、長さ15mmの大きさに切ったガラス繊維濾紙GF/D(Whatman社製、厚さ675μm、ポアサイズ平均5.7μm)を浸漬した後、70℃の温度で30分間乾燥させ、血漿又は血清分離パッドを製造した。
【0050】
(製造例2)
1−ブトキシ−2−プロパノール(和光純薬(株)製)の0.5%水溶液に、幅4mm、長さ15mmの大きさに切ったガラス繊維濾紙GF/D(Whatman社製、厚さ675μm、ポアサイズ平均5.7μm)を浸漬した後、70℃の温度で30分間乾燥させ、血漿又は血清分離パッドを製造した。
【0051】
(実施例1及び2)
血漿又は血清分離特性:製造例1及び2で製造した本発明のガラス繊維製血漿又は血清分離パッド(実施例1:0.5%N−(ブトキシメチル)アクリルアミド含有ガラス繊維、実施例2:0.5%1−ブトキシ−2−プロパノール含有ガラス繊維)の血漿又は血清分離能及び分離した血漿又は血清中のヘモグロビン量を測定した。
【0052】
血漿又は血清分離能の測定方法:幅4mm×長さ15mmの上記血漿又は血清分離パッドの端にヘマトクリット56%を有する血液80μLをピペットで滴下し、血漿又は血清分離パッド上で分離する血球部分と血漿又は血清部分の面積比を測定した。
【0053】
分離時間の測定:血漿又は血清分離パッド上に血液試料成分を滴下し、血球がパッド中を移動し停止するまでの時間を目視により測定した。
【0054】
ヘモグロビン量の測定:幅4mm×長さ15mmの血漿又は血清分離パッドにヘマクリット56%を有する血液150μLをピペットで滴下し、血漿又は血清分離パッド上で分離する血漿又は血清部分に毛細管を当て血漿又は血清を採取する。採取した血漿又は血清を毛細管でヘモグロビン量を測定可能なBHメータ(三光純薬製)を用いて、波長575nmで吸光度を測定し、ヘモグロビンコントロール(ヘモコン−N)(アズウェル製)15.1g/dLをレファレンスとして吸光度よりヘモグロビン濃度を算出し、その結果を表1に示した。
【0055】
(比較例1〜5)
ガラス繊維濾紙GF/D(Whatman社製)(比較例1)、1%マンニトール及び0.1%アルブミン含有ガラス繊維(比較例2)、2%ポリビニルアルコール含有ガラス繊維(比較例3)、ポリブレン含有ガラス繊維(比較例4)及び、2%ポリビニルアルコール及びポリブレン含有ガラス繊維(比較例5)によって実施例1と同様にガラス繊維製血漿又は血清分離パッドを製造し、同様の手順で血漿又は血清分離特性、血漿又は血清分離能及びヘモグロビン量の測定を行い、その結果を実施例1及び2とともに表1に示した。
【0056】
【表1】
Figure 0003560934
【0057】
表1の結果から明らかなように、本発明の血漿又は血清分離パッド(実施例1及び2)は、従来の血漿又は血清分離パッド(比較例1〜5)に比較して、赤血球の分離能と溶血が少ないという特性を有するとともに血漿又は血清の分離時間が迅速であることが判明した。
【0058】
上記した実施例1及び2では、0.5%N−(ブトキシメチル)アクリルアミド及び0.5%1−ブトキシ−2−プロパノールをそれぞれ単独でガラス繊維に含有させた例を示したが、両者を同一比で混合した場合も実施例1及び2と同様の結果が得られることを確認した。
【0059】
【発明の効果】
以上述べたごとく、本発明によれば、全血から血漿又は血清を分離するに際し、赤血球の分離が迅速に行われるとともに分離能が高く、その上溶血が少ないという大きな効果が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の血漿又は血清分離層が含まれている試験担体のデザイン図である。
【図2】本発明の血漿又は血清分離層が含まれている試験担体のデザイン図である。
【符号の説明】
10,30:試験担体、12:支持体板、14,36:血漿又は血清分離層、16:コンジュゲートパッド、18:展開層(試験域)、20:固相バンド、20a:キャプチャーゾーン、20b:コントロールゾーン、22:吸水層、32:キャピラリー、34:取付部、38:試験域。

Claims (5)

  1. 全血を繊維含有層と接触させ、赤血球を該繊維含有層によって保持させることにより全血から血漿又は血清を分離する方法であって、該繊維含有層をガラス繊維を含有する層によって構成し、該ガラス繊維としてブトキシ基が付いたプロパノール及び/又はブトキシ基が付いたアクリルアミドを被覆したガラス繊維を用いることによって溶血を抑制するようにしたことを特徴とする全血からの血漿又は血清分離方法。
  2. 前記ブトキシ基が付いたプロパノール及び/又はブトキシ基が付いたアクリルアミドがブトキシプロパノール及び/又はブトキシメチルアクリルアミドであることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 全血を繊維含有層と接触させ、赤血球を該繊維含有層によって保持させることにより全血から血漿又は血清を分離する器具であって、該繊維含有層をブトキシ基が付いたプロパノール及び/又はブトキシ基が付いたアクリルアミドを被覆したガラス繊維を含有する層とすることによって溶血を抑制するようにしたことを特徴とする全血からの血漿又は血清分離器具。
  4. 前記ブトキシ基が付いたプロパノール及び/又はブトキシ基が付いたアクリルアミドがブトキシプロパノール及び/又はブトキシメチルアクリルアミドであることを特徴とする請求項3記載の器具。
  5. 血液試料成分から血漿又は血清を分離するための血漿又は血清分離層及び分離された血漿又は血清を試験するための試験域を含み該血液試料成分の分析物の測定を行うための試験担体であって、該血漿又は血清分離層が請求項3又は4記載の血漿又は血清分離器具を含有するように構成することによって、溶血を抑制するようにしたことを特徴とする試験担体。
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