JP3560674B2 - カートリッジ型中空糸膜モジュール - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、中空糸膜モジュールに関し、ケーシング内部に中空糸膜エレメントを誘導固定するためのガイド板を有する、操作性の極めて優れたカートリッジ型式の中空糸膜モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、分離膜モジュールは色々な分野で使用され、例えば、従来の凝集−沈殿−砂濾過−塩素滅菌工程を経る方法に代わる新たな技術として水浄化システムへの応用が、また食品分野においては、コーヒー、紅茶、果汁の濃縮あるいは果汁の清澄化に、バイオ・酵素・製薬分野においては、無菌パイロジェンフリー精製水の製造等、さらに電子工業分野においては、ウエハー研磨排水の再利用にと各種の分野で利用されている。
【0003】
これら分離膜モジュールには、用途に応じ種々のタイプがある。例えば、中空糸型膜モジュール、スパイラルモジュール、プリーツモジュール、チューブラーモジュール、プレートアンドフレームモジュールなどが存在する。これらの内、中空糸型膜モジュールはコンパクト性が高く、大きな膜面積をケースに収納できるメリットがある。また、処理量が大量となる場合には、大型の中空糸膜モジュールを使用するとモジュール重量が重くなり、取扱いが不便であるため、比較的取扱いやすい中型ないし小型の中空糸膜エレメントを複数本収納したカートリッジ型式の大型モジュールが多用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
カートリッジ型式の大型モジュールは、一般に、多数の中空糸膜で構成されかつ中空糸膜の少なくとも一方の端面が開口した状態で樹脂封止固定されている中空糸膜エレメント(以下、単に「中空糸膜エレメント」と称す。)、前記中空糸膜エレメントの樹脂封止固定部が装着される隔壁、これらを収納するケーシングおよび流体の出入口部を有するキャップから構成されているものが多い。
このようなカートリッジ型式のモジュールでは、中空糸膜エレメントを着脱する時にキャップや隔壁を取外す必要がある。中空糸膜エレメントの両端を隔壁に固定するタイプのカートリッジ型式のモジュールでは、一方の隔壁のみの固定では、中空糸膜エレメントはグラグラしやすい。この状態で、隔壁をもう一端に取り付ける場合に中空糸膜エレメントの位置が固定できないため、隔壁がうまく取り付けられない場合がある。さらに、無理に固定しようとすると中空糸膜エレメントや隔壁とのシール部分が破損することもある。また、モジュールの大型化に伴いモジュール長が長くなり、モジュールの横置き設置の必要性もでてきた。横置きの場合には、特に前記トラブルが生じやすい。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このような状況に鑑み、カートリッジ型式の中空糸膜モジュールについて鋭意検討したところ、特定のガイド板を中空糸膜モジュールに設置することで、上述した問題点を解決しうることを見い出し、本発明を完成させるに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、多数の中空糸膜で構成されかつ中空糸膜の少なくとも一方の端面が開口した状態で樹脂封止固定されている中空糸膜エレメント、前記中空糸膜エレメントの樹脂封止固定部が装着される隔壁、これらを収納するケーシング、流体の出入口部を有するキャップおよび前記ケーシングの内側に隔壁と隣接して設けられ前記中空糸膜エレメントの貫通口を有するガイド板からなるカートリッジ型中空糸膜モジュールおよび多数の中空糸膜で構成されかつ中空糸膜の少なくとも一方の端面が開口した状態で樹脂封止固定されている中空糸膜エレメント、前記中空糸膜エレメントの樹脂封止固定部が装着される隔壁、これらを収納するケーシング、流体の出入口部を有するキャップおよび前記ケーシングの内側に設けられ前記中空糸膜エレメントの貫通口を有するガイド板からなり、該ガイド板の貫通口の大きさが、隔壁の中空糸膜エレメントを固定シールする穴の入口口径より小さいことを特徴とするカートリッジ型中空糸膜モジュールを提供するものである。さらに、ガイド板が、ケーシングの内側に設けられた突起と、隔壁との隙間に固定されることを特徴とする前記カートリッジ型中空糸膜モジュールを提供するものである。加えて、ガイド板の厚みが、0.5〜5mmであることを特徴とする前記カートリッジ型中空糸膜モジュールを提供するものである。以下、本発明を詳細に説明する。
【0007】
図1に本発明による中空糸型膜モジュールを例示し、図を用いて本発明を具体的に説明する。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0008】
図1において、ケーシング(2)およびキャップ(1)はどの様な形状であってもよいが、円筒状であれば使用しやすく、また円筒各部に内圧が均一に係るため特に好ましい。
キャップは皿状や半球状であることが耐圧性が高く好ましい。
また隔壁は、円形平板状や円形平板に補強をほどこした円盤がシンプルで好ましい。本例示では円筒状のケース、円形平板状の隔壁および皿状キャップを示した。隔壁の材質は特に制限はなく、例えば、ステンレス、セラミック、FRP、ポリサルホン、PVC、ポリカーボネート、ナイロン、アクリル、フッ素基含有樹脂、ポリイミド、AS、ABS、ポリプロピレン、ポリエチレン等が挙げられる。
【0009】
図1(A)は、本発明のカートリッジ型中空糸膜モジュールの内部を示す図である。上下2枚のガイド板(5)が、ケーシング内に設けられた突起部(8)で固定され隔壁(3)と隣接してケーシング内に設置されている。
本発明によるガイド板(5)があれば中空糸膜エレメントの装着時に、操作が極めて簡単かつ的確に行われるため有効である。具体的には、カートリッジ型中空糸膜モジュールの一方端部のキャップ、隔壁、ガイド板を取外した状態で、交換する新しい中空糸膜エレメントを、もう一方端部の隔壁に挿入しシールする。この状態で本発明のモジュールにおけるガイド板を挿入する。このガイド板により中空糸膜エレメントは、簡易に位置決めされる。この後、隔壁に中空糸膜エレメントを挿入すればよい。隔壁はシール機構を有するため隙間が無く、中空糸膜エレメントの装着が困難であるが、本発明のモジュールにおけるガイド板によって中空糸膜エレメントが位置決めされているため、簡単に装着することが可能となる。なお、本発明のモジュールにおけるガイド板の代表的使用方法を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0010】
なお、図1(B)に示すガイド板(5)は、中空糸膜エレメントを貫通させるための貫通口(9)を有する。この貫通口(9)の大きさは中空糸膜エレメントが挿入できればよく、隔壁(3)の中空糸膜エレメントを固定シールする穴の入口口径より小さいことが好ましい。ガイド板(5)により中空糸膜エレメントの位置決めが確実になされれば、隔壁のシール穴に中空糸膜エレメントを簡単に通すことができるからである。なお、本発明のモジュールにおけるガイド板(5)の形状は、板状であることが好ましい。
【0011】
本発明のモジュールにおけるガイド板の厚みは特に制限はないが、ガイド板の使用方法から0.5〜5mmの範囲であることが好ましい。この程度の厚みであれば、ガイド板は軽量で使用しやすいからである。また、厚みと材質を選択することで、多少の変形ができるようにしておけば、多数本ある中空糸膜エレメントをガイド板の貫通口に挿入する時、ガイド板を変形させて貫通口に通しやすくすることができる。ガイド板は板厚が薄く軽量であり、かつシール機構を持たないため比較的隙間があることから、簡単に中空糸膜エレメントを貫通口に挿入することができる。
なお、ガイド板は完全に中空糸膜エレメントと接触する必要は無い。多少移動しても、モジュールの機能をそこなわなければ良い。
また、中空糸エレメントの両端近傍において、隔壁と隣接してガイド板を有する中空糸膜モジュールであっても、必ずしも両隔壁近傍において、隔壁と隣接してそれぞれガイド板を設ける必要はなく、キャップや隔壁の取り外しを通常行う片方にのみ隔壁と隣接してガイド板を有してもよい。
【0012】
ガイド板(5)をケーシング内に固定する方法には、特に制限はない。例えば、図1(A)に示したように、ケーシングの内面に突起部(8)を持たせ、隔壁との隙間に、ガイド板を隔壁と隣接して固定しても良い。また、中空糸膜エレメントに突起部をつけて、ガイド板の貫通口をひっかけて、この突起部と隔壁の隙間にガイド板を隔壁と隣接して固定しても良い。ケーシング内面の突起や中空糸膜エレメントの突起部の形状については、上記目的を達成し得れば特に制限はない。
【0013】
本発明のモジュールにおけるガイド板の材質は、特に制限はない。例えばステンレス、セラミック、FRP、ポリサルホン、PVC、ポリカーボネート、ナイロン、アクリル、フッ素基含有樹脂、ポリイミド、AS、ABS、ポリプロピレン、ポリエチレン、等が挙げられる。
【0014】
図1(B)に、7本のモジュールを収納したカートリッジ型中空糸膜モジュールに使用する7個の貫通口を有したガイド板を示した。但し、本発明のカートリッジ型中空糸膜モジュール一本当たりの中空糸膜エレメントの装着数は、特に制限はないが、1〜30本であることが好ましい。なお、本発明のモジュールにおけるガイド板は、特に中空糸膜エレメントの装着数が多いとき有効となる。より好ましくは、3〜30本、特に好ましくは、7〜30本である。
【0015】
本発明に用いられる中空糸膜エレメント(4)は、一般的にカートリッジ型中空糸膜モジュールに使用されるものであれば、特に制限はない。図1(A)では2本の中空糸膜エレメントを示した。従って、中空糸膜の形状も特に制限はなく、図1(A)に示した様な形態でもよいし、円筒状、扇状、多角柱状等でもよい。その大きさも特に制限はないが、操作性の点で、長さは10〜500cmの範囲、特には30〜250cmの範囲が好ましい。また太さは形状によって異なるが、円筒状の場合は、外径が1〜300cmの範囲、特には5〜20cmの範囲が好ましい。さらに、中空糸膜や部材や接着剤の種類や材質についても特に制限はなく、保護する簡易ケースやネットが無くても支柱で補強してあっても、上記目的に使用しうるものであればよい。片端のみを隔壁に固定するU字型の中空糸膜を片端のみ接着封止したエレメントでもよい。
【0016】
隔壁には、中空糸膜エレメントへの処理液の出入りを行うための出入口を有する。この出入口は、隔壁厚に対してテーパー状または段を有することにより、中空糸膜エレメント(4)の樹脂封止部と接続される。隔壁にO−リングやガスケットを介することにより中空糸膜エレメント(4)がシールされる。
【0017】
本発明のモジュールにおいて、隔壁はモジュールの上下に1個ずつ有していてもよいし、片方のみに有していてもよい。中空糸エレメントの形態や、モジュールの使用方法によって変えることができる。
【0018】
本発明に使用するケーシングやキャップの大きさに特に制限はない。これらの取扱いを良好にするために、フックや引っ掛けを取り付けてもよい。
材質にも特に制限はなく、例えばステンレス、セラミック、FRP、ポリサルホン、PVC、ポリカーボネート、ナイロン、アクリル、フッ素基含有樹脂、ポリイミド、AS、ABS、ポリプロピレン、ポリエチレン等を使用することができる。この内、ステンレス、FRPは、耐久性が高く、繰り返し使用がしやすく、特に好ましい。
【0019】
本発明によるカートリッジ型中空糸膜モジュールは、どの様な用途にも適応できる。例えば従来の凝集−沈殿−砂濾過−塩素滅菌工程を経る方法に代わる新たな技術として水浄化システムへの応用が、また、食品分野においては、コーヒー、紅茶、果汁の濃縮あるいは果汁の清澄化に、バイオ・酵素・製薬分野においては、無菌パイロジェンフリー精製水の製造等、さらに電子工業分野においては、ウエハー研磨排水の再利用などがあげられる。
【0020】
【発明の効果】
本発明のモジュールによれば、特定のガイド板を中空糸膜モジュールに設置することで、中空糸膜エレメントの着脱を容易にすることができる。モジュールを横向きに設置しても、縦位置設置と同様にエレメント交換を容易にすることが可能であるため、操作性のよいカートリッジ型中空糸膜モジュールが得られる。特に、大量処理を必要とする大型のモジュールに対し、効果が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)は、本発明の膜モジュールの内部を示す図である。
図1(B)は、本発明のガイド板の平面図である。
【産業上の利用分野】
本発明は、中空糸膜モジュールに関し、ケーシング内部に中空糸膜エレメントを誘導固定するためのガイド板を有する、操作性の極めて優れたカートリッジ型式の中空糸膜モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、分離膜モジュールは色々な分野で使用され、例えば、従来の凝集−沈殿−砂濾過−塩素滅菌工程を経る方法に代わる新たな技術として水浄化システムへの応用が、また食品分野においては、コーヒー、紅茶、果汁の濃縮あるいは果汁の清澄化に、バイオ・酵素・製薬分野においては、無菌パイロジェンフリー精製水の製造等、さらに電子工業分野においては、ウエハー研磨排水の再利用にと各種の分野で利用されている。
【0003】
これら分離膜モジュールには、用途に応じ種々のタイプがある。例えば、中空糸型膜モジュール、スパイラルモジュール、プリーツモジュール、チューブラーモジュール、プレートアンドフレームモジュールなどが存在する。これらの内、中空糸型膜モジュールはコンパクト性が高く、大きな膜面積をケースに収納できるメリットがある。また、処理量が大量となる場合には、大型の中空糸膜モジュールを使用するとモジュール重量が重くなり、取扱いが不便であるため、比較的取扱いやすい中型ないし小型の中空糸膜エレメントを複数本収納したカートリッジ型式の大型モジュールが多用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
カートリッジ型式の大型モジュールは、一般に、多数の中空糸膜で構成されかつ中空糸膜の少なくとも一方の端面が開口した状態で樹脂封止固定されている中空糸膜エレメント(以下、単に「中空糸膜エレメント」と称す。)、前記中空糸膜エレメントの樹脂封止固定部が装着される隔壁、これらを収納するケーシングおよび流体の出入口部を有するキャップから構成されているものが多い。
このようなカートリッジ型式のモジュールでは、中空糸膜エレメントを着脱する時にキャップや隔壁を取外す必要がある。中空糸膜エレメントの両端を隔壁に固定するタイプのカートリッジ型式のモジュールでは、一方の隔壁のみの固定では、中空糸膜エレメントはグラグラしやすい。この状態で、隔壁をもう一端に取り付ける場合に中空糸膜エレメントの位置が固定できないため、隔壁がうまく取り付けられない場合がある。さらに、無理に固定しようとすると中空糸膜エレメントや隔壁とのシール部分が破損することもある。また、モジュールの大型化に伴いモジュール長が長くなり、モジュールの横置き設置の必要性もでてきた。横置きの場合には、特に前記トラブルが生じやすい。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このような状況に鑑み、カートリッジ型式の中空糸膜モジュールについて鋭意検討したところ、特定のガイド板を中空糸膜モジュールに設置することで、上述した問題点を解決しうることを見い出し、本発明を完成させるに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、多数の中空糸膜で構成されかつ中空糸膜の少なくとも一方の端面が開口した状態で樹脂封止固定されている中空糸膜エレメント、前記中空糸膜エレメントの樹脂封止固定部が装着される隔壁、これらを収納するケーシング、流体の出入口部を有するキャップおよび前記ケーシングの内側に隔壁と隣接して設けられ前記中空糸膜エレメントの貫通口を有するガイド板からなるカートリッジ型中空糸膜モジュールおよび多数の中空糸膜で構成されかつ中空糸膜の少なくとも一方の端面が開口した状態で樹脂封止固定されている中空糸膜エレメント、前記中空糸膜エレメントの樹脂封止固定部が装着される隔壁、これらを収納するケーシング、流体の出入口部を有するキャップおよび前記ケーシングの内側に設けられ前記中空糸膜エレメントの貫通口を有するガイド板からなり、該ガイド板の貫通口の大きさが、隔壁の中空糸膜エレメントを固定シールする穴の入口口径より小さいことを特徴とするカートリッジ型中空糸膜モジュールを提供するものである。さらに、ガイド板が、ケーシングの内側に設けられた突起と、隔壁との隙間に固定されることを特徴とする前記カートリッジ型中空糸膜モジュールを提供するものである。加えて、ガイド板の厚みが、0.5〜5mmであることを特徴とする前記カートリッジ型中空糸膜モジュールを提供するものである。以下、本発明を詳細に説明する。
【0007】
図1に本発明による中空糸型膜モジュールを例示し、図を用いて本発明を具体的に説明する。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0008】
図1において、ケーシング(2)およびキャップ(1)はどの様な形状であってもよいが、円筒状であれば使用しやすく、また円筒各部に内圧が均一に係るため特に好ましい。
キャップは皿状や半球状であることが耐圧性が高く好ましい。
また隔壁は、円形平板状や円形平板に補強をほどこした円盤がシンプルで好ましい。本例示では円筒状のケース、円形平板状の隔壁および皿状キャップを示した。隔壁の材質は特に制限はなく、例えば、ステンレス、セラミック、FRP、ポリサルホン、PVC、ポリカーボネート、ナイロン、アクリル、フッ素基含有樹脂、ポリイミド、AS、ABS、ポリプロピレン、ポリエチレン等が挙げられる。
【0009】
図1(A)は、本発明のカートリッジ型中空糸膜モジュールの内部を示す図である。上下2枚のガイド板(5)が、ケーシング内に設けられた突起部(8)で固定され隔壁(3)と隣接してケーシング内に設置されている。
本発明によるガイド板(5)があれば中空糸膜エレメントの装着時に、操作が極めて簡単かつ的確に行われるため有効である。具体的には、カートリッジ型中空糸膜モジュールの一方端部のキャップ、隔壁、ガイド板を取外した状態で、交換する新しい中空糸膜エレメントを、もう一方端部の隔壁に挿入しシールする。この状態で本発明のモジュールにおけるガイド板を挿入する。このガイド板により中空糸膜エレメントは、簡易に位置決めされる。この後、隔壁に中空糸膜エレメントを挿入すればよい。隔壁はシール機構を有するため隙間が無く、中空糸膜エレメントの装着が困難であるが、本発明のモジュールにおけるガイド板によって中空糸膜エレメントが位置決めされているため、簡単に装着することが可能となる。なお、本発明のモジュールにおけるガイド板の代表的使用方法を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0010】
なお、図1(B)に示すガイド板(5)は、中空糸膜エレメントを貫通させるための貫通口(9)を有する。この貫通口(9)の大きさは中空糸膜エレメントが挿入できればよく、隔壁(3)の中空糸膜エレメントを固定シールする穴の入口口径より小さいことが好ましい。ガイド板(5)により中空糸膜エレメントの位置決めが確実になされれば、隔壁のシール穴に中空糸膜エレメントを簡単に通すことができるからである。なお、本発明のモジュールにおけるガイド板(5)の形状は、板状であることが好ましい。
【0011】
本発明のモジュールにおけるガイド板の厚みは特に制限はないが、ガイド板の使用方法から0.5〜5mmの範囲であることが好ましい。この程度の厚みであれば、ガイド板は軽量で使用しやすいからである。また、厚みと材質を選択することで、多少の変形ができるようにしておけば、多数本ある中空糸膜エレメントをガイド板の貫通口に挿入する時、ガイド板を変形させて貫通口に通しやすくすることができる。ガイド板は板厚が薄く軽量であり、かつシール機構を持たないため比較的隙間があることから、簡単に中空糸膜エレメントを貫通口に挿入することができる。
なお、ガイド板は完全に中空糸膜エレメントと接触する必要は無い。多少移動しても、モジュールの機能をそこなわなければ良い。
また、中空糸エレメントの両端近傍において、隔壁と隣接してガイド板を有する中空糸膜モジュールであっても、必ずしも両隔壁近傍において、隔壁と隣接してそれぞれガイド板を設ける必要はなく、キャップや隔壁の取り外しを通常行う片方にのみ隔壁と隣接してガイド板を有してもよい。
【0012】
ガイド板(5)をケーシング内に固定する方法には、特に制限はない。例えば、図1(A)に示したように、ケーシングの内面に突起部(8)を持たせ、隔壁との隙間に、ガイド板を隔壁と隣接して固定しても良い。また、中空糸膜エレメントに突起部をつけて、ガイド板の貫通口をひっかけて、この突起部と隔壁の隙間にガイド板を隔壁と隣接して固定しても良い。ケーシング内面の突起や中空糸膜エレメントの突起部の形状については、上記目的を達成し得れば特に制限はない。
【0013】
本発明のモジュールにおけるガイド板の材質は、特に制限はない。例えばステンレス、セラミック、FRP、ポリサルホン、PVC、ポリカーボネート、ナイロン、アクリル、フッ素基含有樹脂、ポリイミド、AS、ABS、ポリプロピレン、ポリエチレン、等が挙げられる。
【0014】
図1(B)に、7本のモジュールを収納したカートリッジ型中空糸膜モジュールに使用する7個の貫通口を有したガイド板を示した。但し、本発明のカートリッジ型中空糸膜モジュール一本当たりの中空糸膜エレメントの装着数は、特に制限はないが、1〜30本であることが好ましい。なお、本発明のモジュールにおけるガイド板は、特に中空糸膜エレメントの装着数が多いとき有効となる。より好ましくは、3〜30本、特に好ましくは、7〜30本である。
【0015】
本発明に用いられる中空糸膜エレメント(4)は、一般的にカートリッジ型中空糸膜モジュールに使用されるものであれば、特に制限はない。図1(A)では2本の中空糸膜エレメントを示した。従って、中空糸膜の形状も特に制限はなく、図1(A)に示した様な形態でもよいし、円筒状、扇状、多角柱状等でもよい。その大きさも特に制限はないが、操作性の点で、長さは10〜500cmの範囲、特には30〜250cmの範囲が好ましい。また太さは形状によって異なるが、円筒状の場合は、外径が1〜300cmの範囲、特には5〜20cmの範囲が好ましい。さらに、中空糸膜や部材や接着剤の種類や材質についても特に制限はなく、保護する簡易ケースやネットが無くても支柱で補強してあっても、上記目的に使用しうるものであればよい。片端のみを隔壁に固定するU字型の中空糸膜を片端のみ接着封止したエレメントでもよい。
【0016】
隔壁には、中空糸膜エレメントへの処理液の出入りを行うための出入口を有する。この出入口は、隔壁厚に対してテーパー状または段を有することにより、中空糸膜エレメント(4)の樹脂封止部と接続される。隔壁にO−リングやガスケットを介することにより中空糸膜エレメント(4)がシールされる。
【0017】
本発明のモジュールにおいて、隔壁はモジュールの上下に1個ずつ有していてもよいし、片方のみに有していてもよい。中空糸エレメントの形態や、モジュールの使用方法によって変えることができる。
【0018】
本発明に使用するケーシングやキャップの大きさに特に制限はない。これらの取扱いを良好にするために、フックや引っ掛けを取り付けてもよい。
材質にも特に制限はなく、例えばステンレス、セラミック、FRP、ポリサルホン、PVC、ポリカーボネート、ナイロン、アクリル、フッ素基含有樹脂、ポリイミド、AS、ABS、ポリプロピレン、ポリエチレン等を使用することができる。この内、ステンレス、FRPは、耐久性が高く、繰り返し使用がしやすく、特に好ましい。
【0019】
本発明によるカートリッジ型中空糸膜モジュールは、どの様な用途にも適応できる。例えば従来の凝集−沈殿−砂濾過−塩素滅菌工程を経る方法に代わる新たな技術として水浄化システムへの応用が、また、食品分野においては、コーヒー、紅茶、果汁の濃縮あるいは果汁の清澄化に、バイオ・酵素・製薬分野においては、無菌パイロジェンフリー精製水の製造等、さらに電子工業分野においては、ウエハー研磨排水の再利用などがあげられる。
【0020】
【発明の効果】
本発明のモジュールによれば、特定のガイド板を中空糸膜モジュールに設置することで、中空糸膜エレメントの着脱を容易にすることができる。モジュールを横向きに設置しても、縦位置設置と同様にエレメント交換を容易にすることが可能であるため、操作性のよいカートリッジ型中空糸膜モジュールが得られる。特に、大量処理を必要とする大型のモジュールに対し、効果が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)は、本発明の膜モジュールの内部を示す図である。
図1(B)は、本発明のガイド板の平面図である。
Claims (4)
- 多数の中空糸膜で構成されかつ中空糸膜の少なくとも一方の端面が開口した状態で樹脂封止固定されている中空糸膜エレメント、前記中空糸膜エレメントの樹脂封止固定部が装着される隔壁、これらを収納するケーシング、流体の出入口部を有するキャップおよび前記ケーシングの内側に隔壁と隣接して設けられ前記中空糸膜エレメントの貫通口を有するガイド板からなるカートリッジ型中空糸膜モジュール。
- 多数の中空糸膜で構成されかつ中空糸膜の少なくとも一方の端面が開口した状態で樹脂封止固定されている中空糸膜エレメント、前記中空糸膜エレメントの樹脂封止固定部が装着される隔壁、これらを収納するケーシング、流体の出入口部を有するキャップおよび前記ケーシングの内側に設けられ前記中空糸膜エレメントの貫通口を有するガイド板からなり、該ガイド板の貫通口の大きさが、隔壁の中空糸膜エレメントを固定シールする穴の入口口径より小さいことを特徴とするカートリッジ型中空糸膜モジュール。
- ガイド板が、ケーシングの内側に設けられた突起と、隔壁との隙間に固定されることを特徴とする請求項1または2に記載のカートリッジ型中空糸膜モジュール。
- ガイド板の厚みが、0.5〜5mmであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のカートリッジ型中空糸膜モジュール。
Priority Applications (1)
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JP04237595A JP3560674B2 (ja) | 1995-02-07 | 1995-02-07 | カートリッジ型中空糸膜モジュール |
Applications Claiming Priority (1)
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JP04237595A JP3560674B2 (ja) | 1995-02-07 | 1995-02-07 | カートリッジ型中空糸膜モジュール |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH08206463A JPH08206463A (ja) | 1996-08-13 |
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---|---|---|---|
JP04237595A Expired - Fee Related JP3560674B2 (ja) | 1995-02-07 | 1995-02-07 | カートリッジ型中空糸膜モジュール |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3560674B2 (ja) |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS55323Y2 (ja) * | 1974-10-04 | 1980-01-08 | ||
JPS548110Y2 (ja) * | 1975-08-09 | 1979-04-14 | ||
JP3160140B2 (ja) * | 1993-12-22 | 2001-04-23 | オルガノ株式会社 | 中空糸モジュールを用いるろ過装置 |
-
1995
- 1995-02-07 JP JP04237595A patent/JP3560674B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH08206463A (ja) | 1996-08-13 |
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