JP3560427B2 - テレビジョン放送受信装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は振幅変調方式で伝送される地上波テレビジョン放送の移動体用受信装置に関し、特にマルチパス妨害を救済するために映像搬送周波数及び色副搬送周波数付近の映像信号を強調するに際し、フィルタ回路による高周波域の制限による輪郭の鮮明度が失われるのを防止することに関する。
【0002】
【従来の技術】
上記テレビジョン放送受信装置として、特願平6−130698号公報に記載されるものがある。この記載では、アンテナと映像検波回路の間に伝送路に補正回路が設けられる。この補正回路は、伝送路の伝達特性(中間周波段又は高周波段)を変化させるためのフィルタを有し、水平同期信号(約15.7kHz)の乱れからマルチパスを検出し前記フィルタの共振特性を変化させて、映像搬送周波数付近、色副搬送周波数付近を強調させる。これは、映像搬送周波数付近で逆相のマルチパス(多重路伝搬)の選択性フェージングの影響を受けると、その付近の受信レベルが低下して、同期乱れ、色相の変化が発生し、色副搬送周波数付近で逆相のマルチパスの影響を受けると色消え(白黒化)が発生し、受信映像の乱れが発生するためである。したがって、マルチパス妨害があり受信レベルが低下しても、補正回路のフィルタにより、映像搬送周波数付近、色副搬送周波数付近を強調することによりマルチパス妨害の影響を低減する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記テレビジョン放送受信装置では、前述のように、マルチパスを検出すると、映像搬送周波数近傍の周波数成分を強調するように伝送特性が変化する。しかしながら、テレビジョン放送受信装置のAGC(自動利得調整回路)は、水平同期信号の尖頭値を検出して動作するので、水平同期信号を含む映像搬送周波数近傍の低周波数成分が強調されると復調出力では、相対的に高域の周波数成分が低下するという問題がある。すなわち、一種の低域通過フィルタにかけられたようになる。このため、マルチパスによる伝送特性を補正する回路が動作すると、映像信号の高周波帯域が制限されることになり、受信映像の輪郭部、特に小さな被写体の鮮明度が低下し、文字スーパが見にくくなるという問題が発生する。これは、映像輪郭部が輝度信号がステップ状に変化するところで、映像輝度信号はベース信号の他に高周波を含み、忠実に再生するには広い帯域を必要とするためである。
【0004】
したがって、本発明は、上記問題点に鑑み、周波数特性補正の帯域制限による輪郭の鮮明度が失われるのを防止できるテレビジョン放送受信装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記問題点を解決するために、映像搬送波信号、色副搬送信号、水平同期信号を含む映像信号を受信し、水平同期信号を用いる自動利得制御回路を有するテレビジョン放送受信装置において、前記映像搬送周波数及び色副搬送周波数付近の映像信号を強調する第一映像信号強調手段と、前記自動利得回路により高周波成分が制限される映像信号を回復する周波数特性補正回路と、前記水平同期信号の受信状態からマルチパス信号を検出して、その高周波成分を除去した制御信号で、前記第一映像信号強調手段及び前記周波数特性補正回路の動作を制御する制御回路を備える。この手段により、マルチパス発生時の受信画像の乱れを改善しかつ前記自動利得回路により高周波成分が制限される映像信号に発生する輪郭ぼけを改善することが可能になる。
【0006】
前記第一映像信号強調手段は前記マルチパス状態の大きさに対応して前記映像搬送周波数及び色副搬送周波数付近の映像信号の強調を可変し、前記周波数特性補正回路は、前記強調に連動して映像信号の回復を行う。この手段により、常に最適な受信映像を得ることが可能になる。
前記制御回路は、前記高周波成分を除去するための回路時定数に起因する制御遅れのために、マルチパスが解消しているのにもかかわらず、前記第一映像信号強調手段を動作させているときのみ、前記周波数特性補正回路の動作をさせる。この手段により、受信映像の輪郭ぼけが最も目立つ、前記制御回路の制御遅れによる誤動作発生時に効果的に輪郭ぼけの補正が行われる。
【0007】
前記自動利得制御回路により入力映像信号の強度が小さいと判断した場合に、前記周波数特性補正回路の動作を停止する。この手段により、入力映像信号が小さいために発生する砂あらし時のノイズの浮き上がりを防止することが可能になる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明に係るテレビジョン放送受信装置の例を示す図である。本図に示すように、テレビジョン放送受信装置は、周波数fr の放送波を受信するアンテナ1と、受信信号を増幅する高周波増幅器2と、増幅信号を入力し中間周波信号fifを形成する混合器3と、混合器3に局部発振信号fL0を出力してfif=fL0−fr の中間周波信号を形成させるための局部発振器4と、混合器4に接続されて周波数帯域を制御する帯域制限フィルタ5と、映像搬送周波数fv 、色副搬送周波数fscを強調するためにこれらが共振周波数となるようにQ(同調回路の共振の鋭さ)を制御する第一映像信号強調手段であるQ可変フィルタ6と、これに接続されて中間周波領域の増幅を行う中間周波増幅器7と、これに接続され映像信号を検波する映像検波器8と、これに接続され映像信号から同期信号を抽出する同期信号処理部9と、これに接続され同期信号のうち水平同期信号の乱れから受信状態(マルチパス妨害が大きくなると大きな信号を出力する)を検出する受信状態検出器10と、これに接続され水平同期信号の乱れがある場合にはQ可変フィルタ6を制御して映像搬送周波数fv 、色副搬送周波数fscを強調するための制御回路11と、映像検出器8に接続され映像信号yと色信号cに分離するY−C分離部12と、これに接続されQ可変フィルタ6で強調された周波数特性を補正する周波数特性補正回路(エンハンサ)13と、制御回路11からの信号を反転端子にかつしきい値VTH0 を非反転端子に入力して周波数特性補正回路13の動作を制御する比較器14と、同期信号処理部9からの同期信号、Y−C分離部12からの色信号c及び周波数特性補正回路からの映像信号yを入力するディスプレイ部15と、同期信号処理部9からの水平同期信号の尖頭値を用いて中間波増幅器7の利得を制御するAGC回路16とを具備する。
【0009】
図2は図1のQ可変フィルタ6の特性を説明する図である。本図(a)は帯域制限フィルタ5からQ可変フィルタ6に入力する周波数特性を示す。本図(b)はQ可変フィルタ6の周波数特性を示す。本図(b)に示すように、Q可変フィルタ6は、補正なし(Q:最小)の場合には平坦な特性を有し、補正がある(Q:最大)場合には、映像搬送周波数fv 、色副搬送周波数fscでピークを有する特性を有する。本図(c)は映像検波器8の出力信号の映像信号の特性を示す。本図に示すように、AGC回路16が動作した時、Q可変フィルタ6の補正なしの場合の点線に対して、補正ありの場合は実線の高域周波数域(1〜2MHz)でレベル低下が大となる。このままでは、前述のように、輪郭部の鮮明度が低下することになる。ここで、0MHzは映像搬送周波数に、3.58MHzは色副搬送周波数に対応する。
【0010】
同期信号処理部9と受信状態検出器10についてさらに説明を加える。同期信号処理部9では、映像検波器8からの映像信号を入力しフェイズロックループ(PLL:図示しない。)を用いて水平同期信号を得ている。受信状態検出器10は、フェイズロックループを構成する低域通過フィルタの出力で電圧制御発振器に加えられるものを入力して、これを増幅、AM検波した信号の電圧レベル変化を、受信状態の同期乱れとして検出する。
【0011】
図3は制御回路11の例を示す図である。本図に示すように、制御回路11は、受信状態回路10からの信号を増幅する増幅器111と、受信状態検出器10からの受信状態信号の高周波成分を除去して信号の安定化を図る積分器112と、これに接続され、Q可変フィルタ6及び比較器14に出力するバッファ増幅器113を具備する。
【0012】
図4は図1の周波数特性補正回路13の構成例を示す図である。本図に示すように、周波数特性補正回路13は、水平同期信号のシンクチップ(水平同期信号の先端)のクランプするクランプ131と、クランプされた水平同期信号と映像信号(ビデオ信号)を入力しこれらの振幅制御を行うリミッタ132と、振幅制限された映像信号を微分して低周波成分を除去する微分制御コントロールアンプ133と、低周波成分を除去した映像信号の周波数特性の補正を行う補正部134と、補正された結果の振幅制限を行うリミッタ135と、クランプされた水平同期信号と映像信号を入力して高周波成分を除去する低域通過フィルタ136Bと、低域通過フィルタ136B及びリミッタ135の出力を加算する加算アンプ136Aと、加算アンプ136Aの出力と低域通過フィルタ136Bへの入力とを択一的に選択して映像信号として出力するスイッチ部138と、スイッチ部138を制御するスイッチコントロール部139と、スイッチコントロール部139を外部から制御し、微分コントロールアンプ133の動作を外部から制御する切換部140とを具備する。
【0013】
図5は図1の周波数特性補正回路13の特性を説明する図である。本図に示すように、周波数特性補正回路13は、映像信号yの周波数を、映像搬送周波数0MHzと色搬送周波数3.58MHzの間でピーク(エンハンス)を有するように補正する。すなわち、Q可変フィルタ6の周波数特性とは逆特性になるように補正される。したがって、図2(c)の高域周波数域でのレベルの低下の回復をすることが可能になる。
【0014】
本発明によれば、マルチパス発生時に高域周波数域でのレベルの低下の回復を行うことができるので、輪郭のぼけを伴う受信映像の乱れを抑制することが可能になる。
図6は本発明に係るテレビジョン放送受信装置の別の例を示す図である。本図に示すように、図1の例と異なるのをレベル変化部17である。制御回路11は、以下のように、受信状態の同期乱れの大きさに応じてQ可変フィルタ6のQを制御し、この制御に対応してレベル変換部17を介して周波数特性補正部13の補正部134の回路定数を変更する。
【0015】
図7は図5のQ可変フィルタ6と周波数特性補正回路13の特性を説明する図である。本図(a)に示すように、Q可変フィルタ6は、同期乱れが大きくなるに従ってフラットな補正OFF 、ピークが徐々に大きくなる補正1 、補正2 、補正3 により強調を行う。こに対して、周波数特性補正回路13も、フラットな補正OFF 、補正1 、補正2 、補正3 のようにピークを徐々に大きく(エンハンス) する。
【0016】
本発明によれば、中間周波段のQ可変フィルタ6の強調補正量と連動して、復調段の周波数特性補正回路13のエンハンス補正量を制御することにより、常に最適な受信映像を得ることが可能できる。すなわち、S/Nが改善される。
図8は本発明に係るテレビジョン放送受信装置の他の例を示す図である。本図に示すように、図6と異なる構成は、レベル変換器17と周波数特性補正回路13との間にアナログスイッチ18と、受信状態検出器10の出力を平坦化する積分器19と、この平均化された信号を反転端子にかつしきい値VTH1 を非反転端子に入力する比較器20と、制御回路11の出力を非反転端子にかつしきい値VTH2 を反転端子に入力する比較器21と、比較器20と21の出力を入力しかつアナログスイッチ18を“H(high) ”でONにする論理積回路22と、論理積回路22の出力を反転して、図6の比較器14に代わり、周波数特性補正回路13の動作を制御する反転器23とである。
【0017】
すなわち、映像搬送周波数の近郷の周波数成分を強調・増幅するQ可変フィルタ6に対し増幅量を制御(指示)する電圧が、あらかじめ定められるしきい値VTH2 以上で、マルチパスを検出する受信状態検出回路10からの検出信号がしきい値VTH1 以下(非検出)の場合にのみ復調段の周波数特性補正回路13でエンハンスが行われる。これは、受信映像の輪郭のぼけが最も目立つのが制御回路11の制御遅れ等の誤動作が発生する場合である。つまり、受信状態の同期乱れがある場合には前記強調が行われるが、強調中でかつまだ受信状態の同期乱れが補正されない期間は、受信映像に乱れがあるので、必ずしも周波数特性補正回路13の補正が必要ではない。むしろ、制御回路11により同期が回復され受信状態検出器10により同期乱れの解消が検出されても、制御回路11の大きな時定数のために、Q可変フィルタ6の強調補正が行われている場合、受像映像の同期乱れがないのに、強調補正のために受信映像のぼけが最も目立つようになる。本発明によれば、最も受信映像のぼけが最も目立つ場合に、受信映像のぼけを補正することが可能になる。
【0018】
図9は本発明に係るテレビジョン放送受信装置のさらなる別の例を示す図である。本図に示すように、図1と異なる構成は、比較器14と周波数特性補正回路13の間にスイッチ24と、AGC回路16の出力を非反転子にかつしきい値VTH3 を反転端子に入力しスイッチ24の動作を制御する比較器25とである。しきい値VTH3 は動作設定により可変される。
【0019】
すなわち、AGC回路16により受信機の入力信号強度を検出し、受信機の入力信号強度があらかじめ定めたレベルより下回る場合は、周波数特性補正回路13のエンハンスを停止する。これは受信機の入力信号強度が小さい場合には、いわゆる受信映像が砂あらし状態になり、このような場合に周波数特性補正回路13のエンハンスかかると、受信映像のノイズのつぶつぶが大きくなり、ノイズがうき上がるようになる。本発明によれば、このような場合の周波数特性補正回路13のエンハンスを停止してノイズが浮き上がりの発生を防止する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るテレビジョン放送受信装置の例を示す図である。
【図2】図1のQ可変フィルタ6の特性を説明する図である。
【図3】制御回路11の例を示す図である。
【図4】図1の周波数特性補正回路13の構成例を示す図である。
【図5】図1の周波数特性補正回路13の特性を説明する図である。
【図6】本発明に係るテレビジョン放送受信装置の別の例を示す図である。
【図7】図5のQ可変フィルタ6と周波数特性補正回路13の特性を説明する図である。
【図8】本発明に係るテレビジョン放送受信装置の他の例を示す図である。
【図9】本発明に係るテレビジョン放送受信装置のさらなる別の例を示す図である。
【符号の説明】
6…Q可変フィルタ
11…制御回路
13…周波数特性補正回路
16…自動利得制御回路
【発明の属する技術分野】
本発明は振幅変調方式で伝送される地上波テレビジョン放送の移動体用受信装置に関し、特にマルチパス妨害を救済するために映像搬送周波数及び色副搬送周波数付近の映像信号を強調するに際し、フィルタ回路による高周波域の制限による輪郭の鮮明度が失われるのを防止することに関する。
【0002】
【従来の技術】
上記テレビジョン放送受信装置として、特願平6−130698号公報に記載されるものがある。この記載では、アンテナと映像検波回路の間に伝送路に補正回路が設けられる。この補正回路は、伝送路の伝達特性(中間周波段又は高周波段)を変化させるためのフィルタを有し、水平同期信号(約15.7kHz)の乱れからマルチパスを検出し前記フィルタの共振特性を変化させて、映像搬送周波数付近、色副搬送周波数付近を強調させる。これは、映像搬送周波数付近で逆相のマルチパス(多重路伝搬)の選択性フェージングの影響を受けると、その付近の受信レベルが低下して、同期乱れ、色相の変化が発生し、色副搬送周波数付近で逆相のマルチパスの影響を受けると色消え(白黒化)が発生し、受信映像の乱れが発生するためである。したがって、マルチパス妨害があり受信レベルが低下しても、補正回路のフィルタにより、映像搬送周波数付近、色副搬送周波数付近を強調することによりマルチパス妨害の影響を低減する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記テレビジョン放送受信装置では、前述のように、マルチパスを検出すると、映像搬送周波数近傍の周波数成分を強調するように伝送特性が変化する。しかしながら、テレビジョン放送受信装置のAGC(自動利得調整回路)は、水平同期信号の尖頭値を検出して動作するので、水平同期信号を含む映像搬送周波数近傍の低周波数成分が強調されると復調出力では、相対的に高域の周波数成分が低下するという問題がある。すなわち、一種の低域通過フィルタにかけられたようになる。このため、マルチパスによる伝送特性を補正する回路が動作すると、映像信号の高周波帯域が制限されることになり、受信映像の輪郭部、特に小さな被写体の鮮明度が低下し、文字スーパが見にくくなるという問題が発生する。これは、映像輪郭部が輝度信号がステップ状に変化するところで、映像輝度信号はベース信号の他に高周波を含み、忠実に再生するには広い帯域を必要とするためである。
【0004】
したがって、本発明は、上記問題点に鑑み、周波数特性補正の帯域制限による輪郭の鮮明度が失われるのを防止できるテレビジョン放送受信装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記問題点を解決するために、映像搬送波信号、色副搬送信号、水平同期信号を含む映像信号を受信し、水平同期信号を用いる自動利得制御回路を有するテレビジョン放送受信装置において、前記映像搬送周波数及び色副搬送周波数付近の映像信号を強調する第一映像信号強調手段と、前記自動利得回路により高周波成分が制限される映像信号を回復する周波数特性補正回路と、前記水平同期信号の受信状態からマルチパス信号を検出して、その高周波成分を除去した制御信号で、前記第一映像信号強調手段及び前記周波数特性補正回路の動作を制御する制御回路を備える。この手段により、マルチパス発生時の受信画像の乱れを改善しかつ前記自動利得回路により高周波成分が制限される映像信号に発生する輪郭ぼけを改善することが可能になる。
【0006】
前記第一映像信号強調手段は前記マルチパス状態の大きさに対応して前記映像搬送周波数及び色副搬送周波数付近の映像信号の強調を可変し、前記周波数特性補正回路は、前記強調に連動して映像信号の回復を行う。この手段により、常に最適な受信映像を得ることが可能になる。
前記制御回路は、前記高周波成分を除去するための回路時定数に起因する制御遅れのために、マルチパスが解消しているのにもかかわらず、前記第一映像信号強調手段を動作させているときのみ、前記周波数特性補正回路の動作をさせる。この手段により、受信映像の輪郭ぼけが最も目立つ、前記制御回路の制御遅れによる誤動作発生時に効果的に輪郭ぼけの補正が行われる。
【0007】
前記自動利得制御回路により入力映像信号の強度が小さいと判断した場合に、前記周波数特性補正回路の動作を停止する。この手段により、入力映像信号が小さいために発生する砂あらし時のノイズの浮き上がりを防止することが可能になる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明に係るテレビジョン放送受信装置の例を示す図である。本図に示すように、テレビジョン放送受信装置は、周波数fr の放送波を受信するアンテナ1と、受信信号を増幅する高周波増幅器2と、増幅信号を入力し中間周波信号fifを形成する混合器3と、混合器3に局部発振信号fL0を出力してfif=fL0−fr の中間周波信号を形成させるための局部発振器4と、混合器4に接続されて周波数帯域を制御する帯域制限フィルタ5と、映像搬送周波数fv 、色副搬送周波数fscを強調するためにこれらが共振周波数となるようにQ(同調回路の共振の鋭さ)を制御する第一映像信号強調手段であるQ可変フィルタ6と、これに接続されて中間周波領域の増幅を行う中間周波増幅器7と、これに接続され映像信号を検波する映像検波器8と、これに接続され映像信号から同期信号を抽出する同期信号処理部9と、これに接続され同期信号のうち水平同期信号の乱れから受信状態(マルチパス妨害が大きくなると大きな信号を出力する)を検出する受信状態検出器10と、これに接続され水平同期信号の乱れがある場合にはQ可変フィルタ6を制御して映像搬送周波数fv 、色副搬送周波数fscを強調するための制御回路11と、映像検出器8に接続され映像信号yと色信号cに分離するY−C分離部12と、これに接続されQ可変フィルタ6で強調された周波数特性を補正する周波数特性補正回路(エンハンサ)13と、制御回路11からの信号を反転端子にかつしきい値VTH0 を非反転端子に入力して周波数特性補正回路13の動作を制御する比較器14と、同期信号処理部9からの同期信号、Y−C分離部12からの色信号c及び周波数特性補正回路からの映像信号yを入力するディスプレイ部15と、同期信号処理部9からの水平同期信号の尖頭値を用いて中間波増幅器7の利得を制御するAGC回路16とを具備する。
【0009】
図2は図1のQ可変フィルタ6の特性を説明する図である。本図(a)は帯域制限フィルタ5からQ可変フィルタ6に入力する周波数特性を示す。本図(b)はQ可変フィルタ6の周波数特性を示す。本図(b)に示すように、Q可変フィルタ6は、補正なし(Q:最小)の場合には平坦な特性を有し、補正がある(Q:最大)場合には、映像搬送周波数fv 、色副搬送周波数fscでピークを有する特性を有する。本図(c)は映像検波器8の出力信号の映像信号の特性を示す。本図に示すように、AGC回路16が動作した時、Q可変フィルタ6の補正なしの場合の点線に対して、補正ありの場合は実線の高域周波数域(1〜2MHz)でレベル低下が大となる。このままでは、前述のように、輪郭部の鮮明度が低下することになる。ここで、0MHzは映像搬送周波数に、3.58MHzは色副搬送周波数に対応する。
【0010】
同期信号処理部9と受信状態検出器10についてさらに説明を加える。同期信号処理部9では、映像検波器8からの映像信号を入力しフェイズロックループ(PLL:図示しない。)を用いて水平同期信号を得ている。受信状態検出器10は、フェイズロックループを構成する低域通過フィルタの出力で電圧制御発振器に加えられるものを入力して、これを増幅、AM検波した信号の電圧レベル変化を、受信状態の同期乱れとして検出する。
【0011】
図3は制御回路11の例を示す図である。本図に示すように、制御回路11は、受信状態回路10からの信号を増幅する増幅器111と、受信状態検出器10からの受信状態信号の高周波成分を除去して信号の安定化を図る積分器112と、これに接続され、Q可変フィルタ6及び比較器14に出力するバッファ増幅器113を具備する。
【0012】
図4は図1の周波数特性補正回路13の構成例を示す図である。本図に示すように、周波数特性補正回路13は、水平同期信号のシンクチップ(水平同期信号の先端)のクランプするクランプ131と、クランプされた水平同期信号と映像信号(ビデオ信号)を入力しこれらの振幅制御を行うリミッタ132と、振幅制限された映像信号を微分して低周波成分を除去する微分制御コントロールアンプ133と、低周波成分を除去した映像信号の周波数特性の補正を行う補正部134と、補正された結果の振幅制限を行うリミッタ135と、クランプされた水平同期信号と映像信号を入力して高周波成分を除去する低域通過フィルタ136Bと、低域通過フィルタ136B及びリミッタ135の出力を加算する加算アンプ136Aと、加算アンプ136Aの出力と低域通過フィルタ136Bへの入力とを択一的に選択して映像信号として出力するスイッチ部138と、スイッチ部138を制御するスイッチコントロール部139と、スイッチコントロール部139を外部から制御し、微分コントロールアンプ133の動作を外部から制御する切換部140とを具備する。
【0013】
図5は図1の周波数特性補正回路13の特性を説明する図である。本図に示すように、周波数特性補正回路13は、映像信号yの周波数を、映像搬送周波数0MHzと色搬送周波数3.58MHzの間でピーク(エンハンス)を有するように補正する。すなわち、Q可変フィルタ6の周波数特性とは逆特性になるように補正される。したがって、図2(c)の高域周波数域でのレベルの低下の回復をすることが可能になる。
【0014】
本発明によれば、マルチパス発生時に高域周波数域でのレベルの低下の回復を行うことができるので、輪郭のぼけを伴う受信映像の乱れを抑制することが可能になる。
図6は本発明に係るテレビジョン放送受信装置の別の例を示す図である。本図に示すように、図1の例と異なるのをレベル変化部17である。制御回路11は、以下のように、受信状態の同期乱れの大きさに応じてQ可変フィルタ6のQを制御し、この制御に対応してレベル変換部17を介して周波数特性補正部13の補正部134の回路定数を変更する。
【0015】
図7は図5のQ可変フィルタ6と周波数特性補正回路13の特性を説明する図である。本図(a)に示すように、Q可変フィルタ6は、同期乱れが大きくなるに従ってフラットな補正OFF 、ピークが徐々に大きくなる補正1 、補正2 、補正3 により強調を行う。こに対して、周波数特性補正回路13も、フラットな補正OFF 、補正1 、補正2 、補正3 のようにピークを徐々に大きく(エンハンス) する。
【0016】
本発明によれば、中間周波段のQ可変フィルタ6の強調補正量と連動して、復調段の周波数特性補正回路13のエンハンス補正量を制御することにより、常に最適な受信映像を得ることが可能できる。すなわち、S/Nが改善される。
図8は本発明に係るテレビジョン放送受信装置の他の例を示す図である。本図に示すように、図6と異なる構成は、レベル変換器17と周波数特性補正回路13との間にアナログスイッチ18と、受信状態検出器10の出力を平坦化する積分器19と、この平均化された信号を反転端子にかつしきい値VTH1 を非反転端子に入力する比較器20と、制御回路11の出力を非反転端子にかつしきい値VTH2 を反転端子に入力する比較器21と、比較器20と21の出力を入力しかつアナログスイッチ18を“H(high) ”でONにする論理積回路22と、論理積回路22の出力を反転して、図6の比較器14に代わり、周波数特性補正回路13の動作を制御する反転器23とである。
【0017】
すなわち、映像搬送周波数の近郷の周波数成分を強調・増幅するQ可変フィルタ6に対し増幅量を制御(指示)する電圧が、あらかじめ定められるしきい値VTH2 以上で、マルチパスを検出する受信状態検出回路10からの検出信号がしきい値VTH1 以下(非検出)の場合にのみ復調段の周波数特性補正回路13でエンハンスが行われる。これは、受信映像の輪郭のぼけが最も目立つのが制御回路11の制御遅れ等の誤動作が発生する場合である。つまり、受信状態の同期乱れがある場合には前記強調が行われるが、強調中でかつまだ受信状態の同期乱れが補正されない期間は、受信映像に乱れがあるので、必ずしも周波数特性補正回路13の補正が必要ではない。むしろ、制御回路11により同期が回復され受信状態検出器10により同期乱れの解消が検出されても、制御回路11の大きな時定数のために、Q可変フィルタ6の強調補正が行われている場合、受像映像の同期乱れがないのに、強調補正のために受信映像のぼけが最も目立つようになる。本発明によれば、最も受信映像のぼけが最も目立つ場合に、受信映像のぼけを補正することが可能になる。
【0018】
図9は本発明に係るテレビジョン放送受信装置のさらなる別の例を示す図である。本図に示すように、図1と異なる構成は、比較器14と周波数特性補正回路13の間にスイッチ24と、AGC回路16の出力を非反転子にかつしきい値VTH3 を反転端子に入力しスイッチ24の動作を制御する比較器25とである。しきい値VTH3 は動作設定により可変される。
【0019】
すなわち、AGC回路16により受信機の入力信号強度を検出し、受信機の入力信号強度があらかじめ定めたレベルより下回る場合は、周波数特性補正回路13のエンハンスを停止する。これは受信機の入力信号強度が小さい場合には、いわゆる受信映像が砂あらし状態になり、このような場合に周波数特性補正回路13のエンハンスかかると、受信映像のノイズのつぶつぶが大きくなり、ノイズがうき上がるようになる。本発明によれば、このような場合の周波数特性補正回路13のエンハンスを停止してノイズが浮き上がりの発生を防止する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るテレビジョン放送受信装置の例を示す図である。
【図2】図1のQ可変フィルタ6の特性を説明する図である。
【図3】制御回路11の例を示す図である。
【図4】図1の周波数特性補正回路13の構成例を示す図である。
【図5】図1の周波数特性補正回路13の特性を説明する図である。
【図6】本発明に係るテレビジョン放送受信装置の別の例を示す図である。
【図7】図5のQ可変フィルタ6と周波数特性補正回路13の特性を説明する図である。
【図8】本発明に係るテレビジョン放送受信装置の他の例を示す図である。
【図9】本発明に係るテレビジョン放送受信装置のさらなる別の例を示す図である。
【符号の説明】
6…Q可変フィルタ
11…制御回路
13…周波数特性補正回路
16…自動利得制御回路
Claims (4)
- 映像搬送波信号、色副搬送信号、水平同期信号を含む映像信号を受信し、水平同期信号を用いる自動利得制御回路を有するテレビジョン放送受信装置において、
前記映像搬送周波数及び色副搬送周波数付近の映像信号を強調する第一映像信号強調手段と、
前記自動利得回路により高周波成分が制限される映像信号を回復する周波数特性補正回路と、
前記水平同期信号の受信状態からマルチパス信号を検出して、その高周波成分を除去した制御信号で、前記第一映像信号強調手段及び前記周波数特性補正回路の動作を制御する制御回路を備えることを特徴とするテレビジョン放送受信装置。 - 前記第一映像信号強調手段は前記マルチパス状態の大きさに対応して前記映像搬送周波数及び色副搬送周波数付近の映像信号の強調を可変し、前記周波数特性補正回路は、前記強調に連動して映像信号の回復を行うことを特徴とする、請求項1に記載のテレビジョン放送受信装置。
- 前記制御回路は、前記高周波成分を除去するための回路時定数に起因する制御遅れのために、マルチパスが解消しているのにもかかわらず、前記第一映像信号強調手段を動作させているときのみ、前記周波数特性補正回路の動作をさせることを特徴とする、請求項1に記載のテレビジョン放送受信装置。
- 前記自動利得制御回路により入力映像信号の強度が小さいと判断した場合に、前記周波数特性補正回路の動作を停止することを特徴とする、請求項1に記載のテレビジョン放送受信装置。
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JP28075496A JP3560427B2 (ja) | 1996-10-23 | 1996-10-23 | テレビジョン放送受信装置 |
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- 1996-10-23 JP JP28075496A patent/JP3560427B2/ja not_active Expired - Fee Related
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