JP3559367B2 - 印刷版載置台へのopc印刷版の搭載方法及びopc印刷版の処理方法 - Google Patents

印刷版載置台へのopc印刷版の搭載方法及びopc印刷版の処理方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、製版装置にOPC印刷版を装填するときの印刷版載置台へのOPC印刷版の搭載方法及び印刷版載置台に積層したOPC印刷版を1枚づつ取り出して刷版を作成するOPC印刷版の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
新聞印刷用に使用される感光性平版印刷版には、アルミニウムの支持体上に形成する感光層に有機光導電体を用いたOPC(Organic Photconductor )印刷版がある。このOPC印刷版を用いる製版装置では、OPC印刷版の感光層を均一に帯電させた後、レーザ光等によって直接画像を記録し、原稿フィルム等を用いることなく刷版の製作が可能となっている。
【0003】
通常、OPC印刷版は、多数枚(例えば500枚〜1000枚程度)が印刷版載置台(以下「スキッド」と言う)に積層されて運搬・保管され、製版装置にはスキッドに積層された状態で装填される。
【0004】
このようなOPC印刷版を用いて刷版を作成する自動製版装置では、スキッドごと装填されたOPC印刷版を1枚づつ取り出して、帯電・露光によって画像を記録すると、現像(トナー現像)・定着・溶出及び乾燥処理を施した後、印刷用の輪転機の版胴へ巻き掛けるためのパンチ孔の穿設及び版曲げを連続して行う。印刷用の輪転機は、装着される印刷版のサイズと共に、枚数が決められており(例えば4枚)。印刷する必要がなくても規定枚数の版を装着する必要があり、ステ版や水版と呼ばれる画像が記録されていない版材が用いられる。また、輪転機の版胴に装着する刷版のサイズが決められているため、自動製版装置においても、その版サイズに応じた搬送路を形成して、印刷版上の一定の位置に印刷用の画像を形成できるようにしている。
【0005】
一方、OPC印刷版は、感光層の表面に光があたったり、表面に吸着跡や指紋等の汚れが付着すると、帯電ムラが生じて所望の静電潜像を形成することができなくなったり、トナーの付着ムラが生じるなどの問題が生じる。
【0006】
このために、OPC印刷版をスキッドに搭載するときに、感光層を下方へ向けてOPC印刷版の感光を防止し、また、スキッドの搭載面上に保護板を配置して最下層のOPC印刷版の感光面を保護するようにするようにしている。
【0007】
ところで、OPC印刷版をスキッドに搭載するときに最下層に敷く保護板は、通常のOPC印刷版に混じって自動製版装置内を搬送されることになる。自動製版装置では、この保護板を装置内部に設けている検出手段によって検出することにより、非OPC印刷版と判断するようにしている。
【0008】
このように、保護板は、OPC印刷版と同様に自動製版装置内を搬送されるため、OPC印刷版の版サイズに合わせて裁断した保護板を用いる不必要がある。すなわち、OPC印刷版のサイズより保護板を大きくしないようにすることにより、自動製版装置の内部で搬送不良等の動作不良を引き起こしてしまうのを防止することができる。また、OPC印刷版より保護板が小さいと、保護板から飛び出している最下層のOPC印刷版の周縁の感光面が汚れたり、スキッドの搭載面に接触して損傷してしまうが、このような最下層のOPC印刷版の感光面の汚れや損傷を防止することができる。
【0009】
これにより、自動製版装置に装填されているスキッド上のOPC印刷版の残り枚数が少なくなって、スキッドの交換を行うときでも、残ったOPC印刷版を新たに装填するスキッド上に載せ換えることができ、スキッド上のOPC印刷版を最後の一枚まで有効に利用することができる。この印刷版を載せ換える作業のときに、最下層に保護板を設けて、この保護板と共にOPC印刷版を持ち上げることにより、載せ換え時にもOPC印刷版の感光面に触れてしまうことがない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、OPC印刷版を製作する印刷版作成工場でOPC印刷版をスキッドに積層して搭載するときに、OPC印刷版のサイズに合わせた保護板又は感光層を設けていない所謂未塗布板を予め用意する必要があり、このためにOPC印刷版をスキッドに搭載する作業が煩雑となってしまっている。
【0011】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、印刷版作成工場で印刷版載置台に印刷版を搭載するために予め準備する保護板や未塗布板を不要にしたOPC印刷版の搭載方法及びこの搭載方法に基づいて搭載されたOPC印刷版を用いて円滑に製版作業を行うためのOPC印刷版の処理方法を提案することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、支持体上に有機光導電体の感光層を設けて感光面を形成した同一サイズの多数枚のOPC印刷版を、前記感光面を下方へ向けて印刷版載置台に積層して搭載するときの印刷版載置台へのOPC印刷版の搭載方法であって、前記OPC印刷版の内の1枚のOPC印刷版の感光面の所定の位置に他の印刷版の感光面と識別可能な識別手段を設け、前記識別手段を設けた前記OPC印刷版を最下層に配置して前記OPC印刷版を前記印刷版載置台に積層することを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、印刷版載置台に積層するOPC印刷版の中で最下層のOPC印刷版の感光面を非感光面とするための識別手段を設け、製版作業を行うときに、この識別手段が設けられているOPC印刷版を感光面が形成されていないものと見なすことができるようにしている。
【0014】
したがって、保護板を用いることなく、任意の1枚のOPC印刷版を保護板と見なして製版処理を行うことができ、OPC印刷版を印刷版載置台に積層するときに保護板等を準備する必要がなく、搭載作業が容易となると共に、印刷版載置台に搭載した他のOPC印刷版の版面保護等を行うことができる。また、版サイズが同じであるので、製版作業中の搬送不良等の問題を生じることもない。
【0015】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の発明であって、前記識別手段として前記OPC印刷版の感光面と反射光の異なる反射テープを、前記OPC印刷版の感光面の中心が対称点となるOPC印刷版の周縁部の所定の位置に貼付することを特徴とする。
【0016】
これによれば、OPC印刷版の周縁部の所定の位置に識別手段として反射テープを貼付しておき、OPC印刷版の感光面と反射テープの表面との反射光の相違から識別できるようにしている。反射光を相違させるには、OPC印刷版の感光面と色又は光反射率の異なる反射テープを用いれば良い。また、反射テープをOPC印刷版の中心を対称点とした少なくとも2か所に貼付しておく。
【0017】
一般にOPC印刷版に限らず印刷版は、縦と横の長さの異なる矩形状であり、印刷版載置台に搭載するときに、縦横を間違えることがないが、周縁部の一方にのみ反射テープを貼っておくと、天地が逆(OPC印刷版を180°回転させた状態)になったときに自動製版装置内での検出が不可能となる。
【0018】
これに対して、OPC印刷版の感光面の中心を対称点とした少なくとも2か所に反射テープを貼付することにより、確実に反射テープの検出が可能となる。
【0019】
請求項3に係る発明は、支持体上に有機光導電体の感光層を設けて感光面を形成した多数枚のOPC印刷版を、それぞれの感光面を下方へ向けて積層した印刷版載置台から、前記OPC印刷版を供給搬送手段によって1枚ずつ取り出して描画部へ送り、描画手段によって画像露光した後、連続して複数の処理工程によって所定の処理を施して刷版を作成するOPC印刷版の処理方法であって、前記OPC印刷版の感光面の所定の位置に非処理のOPC印刷版とする識別手段を設け、前記供給搬送手段による搬送途中で前記識別手段に対向して設けた検出手段によって前記非処理のOPC印刷版を検出したときには、該OPC印刷版の各処理工程での処理を行わないことを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、検出手段によってOPC印刷版の感光面であるか否かを検出し、識別手段を検出せずに感光面を検出したときに、このOPC印刷版を刷版として作成するための所定の処理を施す。また、検出手段によってOPC印刷版に設けた識別手段を検出したときには、非処理のOPC印刷版として、各処理工程で、通常のOPC印刷版に施す処理を行わずに搬送して排出する。
【0021】
これによって、印刷版載置台に積層している多数枚のOPC印刷版の中に、保護板の代わりにしているOPC印刷版を用いて無駄に刷版を作成するための処理を施すことがなく、効率的な製版作業が可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1には、本実施の形態に適用したダイレクト製版装置10を示している。このダイレクト製版装置10は、OPC印刷版(以下、単に「印刷版」と言う)20を用いて図示しない印刷用の輪転機に装着可能な刷版を作成する。
【0023】
ダイレクト製版装置10は、給版部12と排版部14とが上下に一体で設けられた給排版部16と描画手段を備えた描画部18が設けられている。ダイレクト製版装置10では、給排版部16と描画部18との間を矢印A方向に沿って印刷版20を搬送し、描画部18への供給及び描画部18からの取り出しを行う。
【0024】
また、ダイレクト製版装置10には、現像定着部22、溶出部28、乾燥部30及び待機部31が給排版部16から矢印B方向に沿って設けられており、待機部31に隣接して矢印A方向に沿ってパンチ部32及び版曲げ部34が設けられている。ダイレクト製版装置10は、描画部18から取り出した印刷版20を矢印B方向に搬送しながら現像、定着、溶出及び乾燥等の処理を施し、さらに乾燥処理の終了した印刷版20を矢印A方向に沿って搬送しながらパンチ孔の穿設及び版曲げ処理を施し、輪転機に装着する印刷用の刷版を自動的に作成する。
【0025】
このダイレクト製版装置10に用いる印刷版20は、矩形状のアルミニウム板の支持体上の一方の面に有機光導電体を用いて感光層を形成したものである。印刷版20の寸法としては、一例として新聞紙2頁サイズ(幅寸法W398mm×縦寸法L1120mm)を用いている(図2参照)が、新聞紙1頁サイズ(幅寸法398mm×縦寸法560mm)等の他のサイズの印刷版の製版も可能となっている。なお、ダイレクト製版装置10で処理する印刷版20のサイズは、例えば印刷工程で用いる輪転機等に応じて予め設定されている。また、印刷版20は、支持体であるアルミニウム板の表面と感光層が形成されている感光面との識別を容易にするために、例えば感光面が青色に着色されている。
【0026】
図2及び図3(A)に示すように、印刷版20は、印刷版載置台(以下「スキッド40」と言う)に多数枚(例えば500〜1000枚程度)が積層された状態で、運搬及び保管等が行なわれると共に、ダイレクト製版装置10にスキッド40ごと装填され、装置内部で1枚づつ持ち出されて画像記録処理等が行なわれる。
【0027】
OPC印刷版20を作成する工場では、スキッド40に積層させて搭載した印刷版20を包装紙等によって梱包して出荷するが、開梱後に印刷版20の感光面にチリや不要に触れることによる汚れ等の付着を防止すると共に、感光面の吸湿対策として、印刷版20を感光層側の面(以下「感光面」と言う)を下方へ向けた状態で、スキッド40の基台44上に載置して積層するようにしている。これによって、OPC印刷版20の感光面が不用意に感光するのも防止することができる。
【0028】
なお、スキッド40は、上面に基台44が設けられているフレーム42の下側面(基台44と反対側の面)に支持脚46が設けられ、保管時には、支持脚46を床面に当接させておく。また、図1に示すように、スキッド40を運搬するときには、フレーム42の下面側にフォークリフト48等のリフト爪48Aを挿入して持ち上げる。
【0029】
図2及び図4に示すように、スキッド40の基台44には、積層している印刷版20の取り出し用の切欠44Aが形成されており、この切欠44Aへ指を挿入して基台44上に載置している印刷版20を持ち上げれば、容易に印刷版20を取り出すことができるようにしている。
【0030】
従来、スキッド40に印刷版20を積層するときには、基台44の上面と印刷版20の間に印刷版20の支持体と同じ材質で、かつ、搭載する印刷版20と同じ寸法の保護板を敷くため、印刷版20をスキッド40へ搭載するのに先立って保護板を準備する必要があった。
【0031】
これに対して、本実施の形態では、スキッド40の基台44に対向する最下層の印刷版20の感光面の所定の位置に、印刷版20の感光面の青色と異なる色で薄肉のテープを識別手段として貼付して、最下層の印刷版20(以下「印刷版20A」と言う)であことを明示し、保護板を用いずにこの印刷版20Aを敷いて他の印刷版20を積層している。
【0032】
本実施の形態では、後述するダイレクト製版装置10で、通常の印刷版20の感光面と識別を容易にするために、印刷版20の感光面よりも光の反射率の高い銀テープ50を用いている。この銀テープ50は、印刷版20の長手方向の端部に貼付しており、スキッド40から印刷版20Aが取り出されてダイレクト製版装置10内を搬送されるときに、搬送途中の所定の位置に設けている検出手段(後述する光電式の版検出センサ82)に対向する位置としている。
【0033】
また、銀テープ50は、印刷版20の感光面の中心点Pを対称点として、印刷版20の長手方向に沿った両端部のそれぞれに貼付し、印刷版20を180°回転させても銀テープ50の位置が相対的に一致するようにしている。これによって、印刷版20をスキッド40に搭載するとき、及び印刷版20を搭載しているスキッド40をダイレクト製版装置10へ装填するときに、銀テープ50を貼付している位置を考慮して向きを合わせる必要がなく、例えば印刷版20の長手方向の何れからでもダイレクト製版装置10へ挿入して装填しても、印刷版20Aに貼付している銀テープ50が必ず版検出センサ82に対向する。
【0034】
また、銀テープ50としては、薄肉であることが好ましい。例えば肉厚が0.3mmの印刷版20に対して、銀テープ50の肉厚としては、0.5mm以下であることが好ましい。本実施の形態では、一例として肉厚が0.1mm以下の銀テープ50を用いている。これによって、多数枚の印刷版20を積み重ねたときに、印刷版20に銀テープ50の厚みによる跡が残って変形し、部分的に平面性が損なわれてしまうのを防止することができる。
【0035】
以下、スキッド40に搭載した印刷版20を使用して刷版を作成するためのダイレクト製版装置10について説明する。
【0036】
図1、図4から図6に示すように、スキッド40上の印刷版20は、各図の矢印A方向が印刷版20の幅方向(矢印W方向)に沿い、各図の矢印B方向が印刷版20の長手方向(矢印L方向)に沿うようにダイレクト製版装置10に装填される。ダイレクト製版装置10で最表層から1枚づつ取り出されて処理され、スキッド40上の印刷版20の残り枚数が少なくなる(例えば約30枚程度)と、多数枚の印刷版20を搭載した新たなスキッド40と交換されるようになっている。このとき、図3(A)及び図3(B)に示すように、交換前に装填されていたスキッド40上の印刷版20は(図3(A)参照)、最下層の印刷版20Aと共に新たに装填されるスキッド40の最上層に重ねて載せられる(図3(B)参照)。
【0037】
図4から図6に示すように、印刷版20を搭載したスキッド40は、排版部14の下方に設けられている給版部12に装填される。なお、給排版部16及び描画部18の内部は、印刷版20が不必要に露光されてしまわないように遮光されている。
【0038】
図4に示すように、給版部12内の床面には、矩形状のフレーム70が取り付けられている。このフレーム70の四隅には、転がり部材74が設けられている。この転がり部材74としては、金属球がその外周部の一部が突出した状態でソケット内に回転自在に配置されたボールキャスタ(商品名)を用いている。
【0039】
図示しないフォークリフト48等よって運搬されるスキッド40は、印刷版20の長手方向の一端側から給版部12内へ挿入されてフレーム70上に載置される。スキッド40がフレーム70上に載置されると、スキッド40の下面(フレーム42の下面)に設けられている斜面ないし三角溝が形成された位置決め及び支持用のブロック(図示省略)に転がり部材74が当接し、スキッド40の自重によってスキッド40をフレーム70に対して位置決めして支持する。これによって、給版部12に挿入された印刷版20が給版部12へ位置決めされる。
【0040】
図5に示されるように、給排版部12には、装填されたスキッド40の上方に待機する吸着取出装置102及び吸着取出装置102に隣接して反転搬送装置104が設けられている。吸着取出装置102は、給版部12に装填されたスキッド40の最表層から印刷版20を順に吸盤103によって吸着して持ち上げて取り出す。このとき、印刷版20は、感光面が下方へ向けられており、感光面と反対側の面を吸盤103によって吸着しているため、感光面に吸盤103の吸着跡等が現れることがない。
【0041】
また、反転搬送装置104は、吸着取出装置102が吸着して持ち上げた印刷版20の幅方向の一端に沿って対向する吸盤105を備えており、この吸盤105によって吸着取出装置102が持ち上げた印刷版20を吸着し、吸着取出装置102から印刷版20を受け取る。この反転搬送装置104は、印刷版20を受け取ると、吸着取出装置102から離間する方向へ移動しながら、吸盤105が取り付けられているシャフト107を回転することにより印刷版20を反転させ、印刷版20の下側に向けられていた感光面を上方へ向ける。これ以降の工程では、印刷版20の感光面を上方へ向けた状態で搬送する。
【0042】
この反転されながら搬送される印刷版20の下方にはリフト台300が待機している。このリフト台300は、反転搬送装置104によって印刷版20の反転搬送に合わせて上昇移動して、反転する印刷版20の端部をすくい上げるようにして載置し、反転搬送装置104から受け取るようになっている。
【0043】
図8に示すように、リフト台300は略長尺矩形状の平板であり、印刷版20の縦寸法L方向に長手方向が沿うように配置されている。図7及び図8に示すように、リフト台300の長手方向の外方には、一対のガイドロッド304が上下方向に沿って配設されており、リフト台300には、ガイドロッド304の軸方向に沿って摺動可能に設けられたスライド軸受306が連結されている。このガイドロッド304の上端部及び下端部近傍にはスプロケット318、320が設けられ、無端のチェーン322が巻掛けられている。このチェーン322の中間部は、リフト台300に連結されている。また、下側のスプロケット318は、モータ312の駆動力が伝達されるようになっている。このため、モータ312の回転によってチェーン322が回転駆動すると、リフト台300がガイドロッド304に案内されて、水平状態で下方の待機位置から印刷版20を受け取る位置、リフト台300上で印刷版を位置決めする位置を経て最上位置となる印刷版20を水平搬送装置106へ受け渡す位置までの間を昇降する。
【0044】
リフト台300の印刷版20を位置決めする位置の近傍には、エアーシリンダ350の駆動軸の先端に押圧ローラ352を備えた一対のプッシャー380が設けられている。また、リフト台300の上面側には、このプッシャー380に対向する位置決め用の複数のピンローラ332が設けられている。このため、リフト台300が印刷版20を載置した状態で、プッシャー380に対向する位置まで上昇するとプッシャー380が作動して、リフト台300上の印刷版20をピンローラ332へ向けて押圧し、印刷版20をリフト台300上での幅寸法W方向に沿った位置決めを行なう。
【0045】
一方、図8に示すように、リフト台300の上面には、長手方向の一端部にピンローラ334が立設されており、他端部には、長手方向がピンローラ334側へ向けられた長孔336が穿設されている。この長孔336の近傍のリフト台300の下面側には、ピンローラ334に対向するプッシャー344を構成するエアーシリンダ342が設けられている。このエアーシリンダ342の駆動軸342Aは長孔336の長手方向に沿って伸縮するように設けられている。また、この駆動軸342Aの先端には、長孔336からリフト台300の上面に突出する押圧ローラ340を備えたブラケット346が取付けられている。このため、プッシャー344は、エアーシリンダ342の駆動によって押圧ローラ340をピンローラ334へ向けて移動させ、リフト台300上に印刷版20をその縦寸法L方向に沿った位置決めを行う。
【0046】
ところで、図8及び図9に示すように、この印刷版20の位置決めを行なうプッシャー344のブラケット346には、押圧ローラ340の上方にベース板348が立設されている。このベース348には、リフト台300のピンローラ334側に版検出センサ82が取付けられている。この版検出センサ82は、プッシャー344が印刷版20の周端に当接したときに印刷版20の周縁の感光面に対向するように設けられている。この版検出センサ82が対向する印刷版20の周端部は、ダイレクト製版装置10に設けられている版曲げ工程で印刷版20が屈曲されたときに、屈曲位置よりも周縁側となるようになっている。すなわち、印刷版20によって作成した刷版を輪転機等に装着して印刷を行なうときに、被印刷物の表面に触れない位置となっており、版検出センサ82から発する光によって印刷版20の感光面が部分的に感光しても、被印刷物に現れることがないようにしている。
【0047】
このため版検出センサ82としては、例えば投光部と受光部とを備えた光電式のセンサを用いることができ、投光部から照射した光線を印刷版20の表面に反射させ、この反射光の光量を受光部によって検出する光電式のセンサを用いることができるようにしている。なお、光電式のセンサとしていは、投光部から照射した光線の反射光のうちの特定の波長の強弱を検出するものであってもよい。
【0048】
本実施の形態では、版検出センサ82は、印刷版20の感光面の色と例えばステ版用の版材など、感光層が設けられていない版材の表面の色の差を検出できるようにしている。
【0049】
なお、印刷版20の非感光領域(感光領域外)の波長の光線を投光部から照射するものであってもよく、投光部から照射する光線の光量が低く短時間であれば実質的に感光面を感光させることがないようにしたものであってもよい。これらの場合、版検出センサ82を印刷版20の感光面の中央部に対向して配置することが可能となる。
【0050】
一方、スキッド40の最下層に配置した印刷版20Aが、リフト台300上で位置決めされると、この印刷版20Aの2か所に貼付している銀テープ50の何れかが、版検出センサ82に対向するようになっている。この銀テープ50は、所謂銀色で印刷版20の表面より反射率が高くなっており、版検出センサ82のけ検出結果から、印刷版20か最下層に配置していた印刷版20Aかを明確を判断できる。
【0051】
図5及び図7に示すように、リフト台300の最上方位置には、水平搬送装置106が待機している。この水平搬送装置106は、リフト台300に位置決めされて載置されている印刷版20の周縁部に対向する複数の爪部372を備えており、それぞれの爪部372がエアーシリンダ356の駆動によって印刷版20の周縁の外方から先端部が印刷版20の周縁部下方へ挿入される。この状態でリフト台300を下方の待機位置へ下降させることにより、それぞれの爪部372が印刷版20の周縁の下面側に当接して印刷版20を支持し、リフト台300から印刷版20を受け取る。
【0052】
この水平搬送装置106は、ロッドレスシリンダ等の図示しない水平移動手段によって印刷版20を保持した状態で描画部18内へ水平移動する。これによって、印刷版20が描画部18へ送り込まれ、描画部18内の所定の位置で爪部372を印刷版20の下方から退避する方向へ移動することにより、印刷版20が描画部18の所定の位置に落下して描画部18へ受け渡される。
【0053】
図10には、描画部18の概略構成を示している。描画部18には、枠台400上に印刷版20が載置される版台402、版台402に載置した印刷版20を露光に先立って帯電する帯電装置404、帯電した印刷版20に静電潜像を形成する描画装置406を備えている。版台402は略矩形平板状で、上面に印刷版20が載置される定盤408と、この定盤408が取り付けられた移動台410を備えている。移動台410は、一対のレール412に案内されて移動装置424によって描画装置406方向に沿って移動可能となっている。
【0054】
水平搬送装置106から落下した印刷版20は、定盤408上に受け止められて載置される。描画部18では、定盤408上に載置された印刷版20を定盤408に設けられているピン414、416とプッシャー418、420とによって位置決めする。この後、移動装置424が定盤408と共に印刷版20を描画装置406内へ向けて移動する。帯電装置404は描画装置406へ向けて移動する印刷版20が通過するときに、例えばコロナ放電等によって印刷版20を均一にプラスに帯電する。
【0055】
描画装置406内へ移動した印刷版20は、移動装置424の逆転駆動によって描画装置406内から引き出されて、元の位置に戻されるときに、例えば波長が780nmの半導体レーザによって画像に応じて走査されて画像露光され、感光面に静電潜像が形成される。
【0056】
図5に示すように、元の位置に戻された定盤408の上方には、取出装置450が待機している。この取出装置450は、印刷版20の周縁部に対向する複数の爪部452を備えており、例えばエアーシリンダ456等の昇降手段によって上下移動すると共に、ロッドレスシリンダ(図示省略)等の水平移動手段によって定盤408上から排版部14側へ向けて水平移動可能となっている。
【0057】
また、図10に示すように、定盤408には、取出装置450の爪部452が挿入可能な複数の切欠422が設けられている。取出装置450は、印刷版20を載置した定盤408が元の位置に戻ったとき及び描画部18で露光処理を行なわないときには、下方移動して爪部452を定盤408の切欠部422から印刷版20の周縁部の下方へ挿入して上昇し、定盤408から印刷版20を持ち上げる。この後、持ち上げた印刷版20を排版部14へ向けて水平移動させる。
【0058】
図5に示すように、排版部14には、排版部14から描画部18へ突出可能な搬送ステージ502を備えており、取出装置450によって排版部14側へ移動した印刷版20の下方へ、排版部14からこの搬送ステージ502が挿入されると、取出装置450が版材38の保持を解除して搬送ステージ502へ落下させて載置する。
【0059】
また、図5及び図6に示すように、排版部14には、描画部18と反対側の端部に挿入ステージ532が設けられている。印刷版20を載置した搬送ステージ502は、挿入ステージ532の上方まで移動すると、例えば、エアーシリンダ540の先端に設けた取出爪548等によって掻き落とすようにして印刷版20を挿入ステージ532へ載置する。
【0060】
図6に示すように、排版部14の挿入ステージ532は、印刷版20が載置されると現像定着部22側が下方移動して現像定着部22での印刷版20の搬送路に沿った傾斜で印刷版20を現像定着部22へ送り込む。
【0061】
現像定着部22は、現像部24と定着部26とを備えている。排版部14から印刷版20が送り込まれると、まず現像部24で現像液である帯電したトナーが均一に塗布され、過剰のトナーがスクイズされて印刷版20の表面から除去され、画像部にだけ付着される。定着部26では、加熱ランプ等の加熱手段によって印刷版20を加熱した後に冷却し、印刷版20の表面に静電潜像に応じたトナー画像を形成する。なお、定着部26では、印刷版20の周縁に残ったトナー等が印刷物の周縁に汚れとして現れないように印刷版20の周縁の端面処理等を行う。
【0062】
現像定着処理の終了した印刷版20は、次に溶出部28へ送り込まれる。この溶出物28ではトナー画像が形成された印刷版20の表面にアルカリ溶液等の感光層の溶出液を付与してエッチング処理を行い、印刷版20の非画像部分であるトナーが付着していない部分の感光層(OPC層)を溶出する。溶出部28では、エッチング処理の終了した印刷版20の表面から溶出液や溶出した感光層を洗い流した後に、版面保護のためのガム液を塗布して、乾燥部30へ送り出し、乾燥処理が施されるようにする。なお、溶出部28では、印刷版20をアルカリ溶液(溶出液)及びガム液に浸漬するように搬送路が設けられているため、印刷版20が溶出液及びガム液に浸漬されて通過するようになっている。
【0063】
待機部31は、乾燥部30から印刷版20が送り込まれると、所定のタイミングでパンチ部32へ送り出す。ここで、長手方向に沿って搬送されていた印刷版20が幅方向に沿って移動する。パンチ部32では、印刷版20の長手方向の両端部に輪転機の版胴への版掛け時の位置決め等に用いられる丸孔と切欠を形成して、版曲げ部34へ送り出す。版曲げ部34では、印刷版20の長手方向の両端部を輪転機の版胴へ装着するときの引っ掛け用として所定の形状に折り曲げる。版曲げの終了した印刷版20は、版曲げ部34の印刷版排出口に隣接して設けられている図示しないストッカー等へ排出されて集積される。
【0064】
一方、図11に示すように、ダイレクト製版装置10は、主に給排版部16の各装置の作動と共にダイレクト製版装置10の作動を全体的に制御する制御装置80が配置されている。なお、制御装置80は、例えば給排版部16の最上部、すなわち排版部14の上部に設けられている(図4から図6参照)。
【0065】
制御装置80には、現像定着部22、溶出部28、乾燥部30、待機部31、パンチ部32及び版曲げ部34が接続されており、それぞれに作動信号を出力するようになっている。また、制御装置80には描画部18が接続されている。なお、描画部18には、ダイレクト製版装置10へ製版処理を支持すると共に、印刷版20に記録する画像信号を出力する製版コントローラ及び画像信号処理部が接続されており、ダイレクト製版装置10は、描画部18を介して接続される製版コートローラ及び画像信号処理部からの処理指示信号に応じて作動するようになっている。
【0066】
また、この制御装置80には、給排版部16の吸着取出装置102、反転搬送装置104、水平搬送装置106、リフト台300、搬送ステージ502、挿入ステージ532が接続されていると共に、前記したリフト台300に設けている版検出センサ82が接続されている。制御装置80は、描画部18へ送り込むためにリフト台300に載置した印刷版20を版検出センサ82の検出結果から刷版として製版する印刷版20であるか否かを判定する。
【0067】
すなわち、制御装置80は、版検出センサ82がスキッド40に搭載したときに最下層の印刷版20Aに貼付した銀テープ50を検出すると、刷版として製版処理する印刷版20ではないと判断する。このように判断すると制御装置80は、描画部18以降の各工程へ、刷版作成用の処理を施す必要がない印刷版20Aであることを指示する。
【0068】
ダイレクト製版装置10の描画部18では、次に送り込まれる印刷版20が、製版処理を行わない印刷版20Aであると制御装置80からの信号を受けると、帯電のみを行うか、又は非処理状態のまま排版部14へ排出する。また、現像定着部22では、印刷版20Aが送り込まれると非処理状態で通過させる。また、パンチ部32及び版曲げ部34では、制御装置80から非処理が指示されるため、パンチ及び版曲げ処理を行わずに排出する。すなわち、ダイレクト製版装置10では、スキッド40に搭載したときの最下層の印刷版20Aに対しては、所謂スルー処理を行うようになっている。
【0069】
すなわち、図14(A)に示すように、ダイレクト製版装置10での通常の製版工程では、描画部18へ供給した印刷版20に帯電、露光処理を施した後、現像−定着−端面処理−溶出−ガム引き−乾燥(図示せず)−パンチ−版曲げまでの処理を行うのに対して、図14(B)に示すように、スルー処理が設定されると、帯電工程以降の各工程での処理を省略して排出するようにしている。
【0070】
次に本実施例の作用を説明する。
ダイレクト製版装置10では、図示しない製版コントローラ及び画像信号処理装置から製版作業が指示され描画部18に画像信号が入力されると、描画部18から制御装置80へ印刷版20を要求する。制御装置80は、印刷版20が要求されると、給版部12に装填されているスキッド40から最上層の印刷版20を取り出して処理を開始する。
【0071】
このスキッド40には、OPC印刷版20が積層されているが、基台44と最下層の印刷版20Aの間には保護板を配置せず、最下層のOPC印刷版20Aの所定の位置に銀テープ50を貼付して、この印刷版20Aを保護板の代わりに用いている。これによって、スキッド40に搭載する印刷版20の版サイズに合わせた保護板を予め準備する必要がなく、スキッド40に搭載する印刷版20と保護板として用いる印刷版20Aが同じ版サイズであるため、他の印刷版20の版面を保護でき、搭載作業の簡略化が図られる。
【0072】
また、図3(A)及び図3(B)に示すように、製版処理に伴って給版部12に装填されている印刷版20の数量が減少すると、新たな印刷版20を搭載しているスキッド40が装填し直される。このとき、スキッド40上に残っている印刷版20は、最下層の印刷版20Aと共に取り出され、新たにダイレクト製版装置10に装填されるスキッド40上の最上層に載せ換えられる。このため、スキッド40に装填されている印刷版20の中に銀テープ50が貼付されている印刷版20Aが入り込み、他の印刷版20と同様にダイレクト製版装置10内を搬送されることになるが、印刷版20と同じサイズであるため、ダイレクト製版装置10内で搬送不良を引き起こすことがなく、円滑な製版処理が可能となる。
【0073】
図12には、給版部12での概略の処理の流れを示しており、描画部18から給版要求があると処理を開始する。
【0074】
このフローチャートは、描画部18から印刷版20が要求されると実行され、最初のステップ600で例えば給版部12に印刷版20を搭載しているスキッド40が装填されているか否かの確認等の初期設定を行う。
【0075】
次のステップ602では、吸着取出装置102を作動させてスキッド40に積層されている最上層の印刷版20を取り出し、この印刷版20を反転搬送してリフト台300へ受け渡す。リフト台300は、反転搬送装置104から印刷版20を受け取ると、プッシャー344、380によって印刷版20をリフト台300上の所定の位置に位置決めする(ステップ604)。この後、リフト台300に載置した印刷版20が製版処理を行うべき印刷版20であるか否かの確認を行う(ステップ606)。
【0076】
図12には、印刷版判別を行うためのフローチャートの一例を示している。
このフローチャートの最初のステップ620では、プッシャー344に設けている版検出センサ82を作動させる。このとき、プッシャー344が印刷版20の端面を押圧しているため、版検出センサ82は、印刷版20の周縁上方に位置して印刷版20の感光面に対向している。ここで、版検出センサ82は、図示しない投光部から印刷版20へ向けて検出光を照射し、この光の印刷版20からの反射光を受光部(図示省略)で受光する。
【0077】
次のステップ622では、版検出センサ82の検出結果、すなわち受光部が受光した反射光量を読み込む。次に、ステップ624では、読み込んだ受光量が所定値か否かを判断する。この反射光の光量が所定値であったときには(ステップ624で肯定判定)、リフト台300上の印刷版20の感光面を検出したと判断して、この印刷版20は、通常の製版処理に使用する印刷版20であると判定する(ステップ626)。また、反射光の光量が所定値を越えているときには(ステップ624で否定判定)、ステップ628へ以降して、リフト台300上に銀テープ50を貼付している印刷版20Aが載置されているとして、通常の製版処理に用いる印刷版20でないと判定する(非印刷版と判定)。
【0078】
すなわち、印刷版20は、感光層を設けている感光面を着色しており、例えば支持体であるアルミニウムの金属面(印刷版20の裏面)や、スキッド40に搭載している最下層の印刷版20Aに貼付している銀テープ50等と光の反射率が異なり、受光した光量から印刷版20の感光面であるか否かの識別を容易にしている。
【0079】
このようにして、処理が選択されると図12に示すフローチャートでは、ステップ608へ移行して、「通常の製版処理」を行うか又は「スルー処理」を選択して設定する。すなわち、印刷版20と判定しているときには、「通常の製版処理」を選択し、非印刷版と判定したときには「スルー処理」を選択する。
【0080】
この後、選択した処理内容を描画部18を含む各処理工程へ出力し(ステップ610)、これと共に印刷版20(又は印刷版20A)を描画部18へ供給する(ステップ612)。
次に「スルー処理」を選択しているとき(ステップ614で判定)には、描画部18で次の印刷版20を供給するためにステップ602へ戻り、新たな印刷版20の取り出しを開始する。また、ステップ616では、新たな印刷版20の要求があるか又は予め印刷版20の供給枚数の指示があったときには、要求された枚数だけ印刷版20を供給したかを確認してこのフローチャートを終了し、次の印刷版20の要求があるまで待機する。
【0081】
描画部18では、「通常の製版処理」が選択さると、給版部12から供給された印刷版20に画像信号に応じた静電潜像を形成して排出する。この静電潜像が形成された印刷版20は、現像定着部22でトナー画像が形成されると、溶出部28でエッチング及びガム引き処理が施された後、乾燥部30で乾燥処理される。さらに印刷版20は、パンチ部32でパンチ処理が施されると、版曲げ部34で長手方向の両端部が所定形状に屈曲されて排出される(図14(A)参照)。
【0082】
一方、描画部18では、給排版部16の制御装置80から「スルー処理」が入力されると、供給された印刷版20すなわち、印刷版20Aを未処理で排出する。また、図14(B)に示すように、「スルー処理」が指示されると、現像定着部22以降の各工程では、それぞれ印刷版20Aを未処理で(溶出、ガム引き処理は行なわれてしまう)で排出する。
【0083】
このように印刷版20Aを検出したときに、スルー処理を選択することにより、スキッド40の最下層に保護板に換えて用いている印刷版20Aが、通常の印刷版20と混じっていても、誤って製版処理を施してしまうこがない。また、「スルー処理」を行うときには、パンチ孔の穿設は勿論、特に版曲げ処理を行っていないため、通常の印刷版20に混じってストッカー等に集積されていても処理が施されていない印刷版20Aであることが容易に判別できる。
【0084】
なお、本実施の形態では、印刷版20に識別手段として銀テープ50を貼付し、また、リフト台300のプッシャー344に検出手段として版検出センサ82を設けたが、識別手段及び検出手段はこれに限定するものではない。
【0085】
例えば、印刷版20に設けて最下層の印刷版20Aであると明示するための識別手段としては、通常の印刷版20の感光面と異なる色又は異なる光反射率とするものであればよく、例えば、印刷版20の感光面と異なる色のテープ、感光面と異なる反射率のテープを貼付してもよく、また、印刷版20の感光面を研磨したり薬品処理を施すことにより、感光面との色、反射率を変更してもよい。
【0086】
また、版検出センサ82は、所定の波長の光線、すなわち、感光面の色と識別手段との色との相違(色合い)又は光反射率の相違を容易に識別することができればよい。また、版検出センサ82の投光部からの光量が印刷版20の感度に比べて小さいか、投光される光の波長が印刷版20の感光波長と異なる場合、光線の照射時間を印刷版20が感光しないように弱めかつ照射時間を短くした場合には、画像を記録する部分に版検出センサ82を対向させることができる。このときにも、版検出センサ82と対向する位置に銀テープ50等の予め定めた識別手段を設ければよい。
【0087】
また、本実施の形態では、リフト台300に検出手段を設けたが、これに限らず印刷版20をスキッド40から取り出す吸着取出装置102から印刷版20を描画部18へ送り込む水平搬送装置106の間に設ければよい。例えば、水平搬送装置106に版検出センサ82を設けて、水平搬送装置106がリフト台300から印刷版20を受け取るときに、印刷版20の感光面に識別手段である銀テープ50が貼付されているか否かを検出すればよい。
【0088】
さらに、本実施の形態では、基台44上に直接印刷版20Aを載せたが、たとえば、ボール紙等の当て紙を両面テープ等によって基台44の表面に貼り付け、この当て紙の上に銀テープ50を貼付した印刷版20Aと共に印刷版20を積層するようにしてもよい。印刷版20Aの感光面をスキッド40の基台44の表面に直接接触させると、印刷版20Aの感光層が基台44の表面に付着して基台44の表面を汚してしまうことがあるが、当て紙を介在させることにより、基台44の表面の汚れを防止できる。これによって、繰り返しスキッド40を利用するときに、当て紙のみを交換すれば、スキッド40の基台44の表面の清掃が不要になり、印刷版20を搭載するときの作業性をより向上させることができる。
【0089】
なお、本実施の形態に適用したダイレクト製版装置10は、OPC印刷版を処理する自動製版装置の一例を示すものであり、本発明を限定するものではない。
【0090】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明では、保護板に換えてOPC印刷版を用いているため、OPC印刷版を印刷版載置台へ積層するときに予め保護板等の準備する必要がなく、作業性の向上を図ることができる。また、本発明では、OPC印刷版の感光面に識別手段を設けて、識別手段が設けられていないOPC印刷版のみを用いて製版処理を行うため、保護板を用いずに印刷版載置台にOPC印刷版を搭載するときに、最下層のOPC印刷版に識別手段を設けておけば、このOPC印刷版を非処理することができ、感光面が保護されているOPC印刷版のみを使用して円滑に製版作業を行うことができる優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に適用したダイレクト製版装置の概略構成図である。
【図2】スキッドへの印刷版の搭載を示す概略斜視図である。
【図3】(A)及び(B)はそれぞれ印刷版を搭載したスキッドの概略正面図であり、(A)は印刷版の残量が少なくなった状態を示し、(B)は残量が少なくなったスキッドに残っている印刷版を新たなスキッドに載せ換えた状態を示している。
【図4】ダイレクト製版装置の給排版部を示す概略斜視図である。
【図5】給排版部の概略構成図である。
【図6】図5とは異なる方向から見た給排版部の概略構成図である。
【図7】リフト台の構成を示す概略正面図である。
【図8】リフト台の概略平面図である。
【図9】印刷版の長手方向の位置決めを行うプッシャーを示すリフト台の要部断面図である。
【図10】描画部の概略構成を示す斜視図である。
【図11】ダイレクト製版装置の概略構成を示すブロック図である。
【図12】給版部の作動の一例を示すフローチャートである。
【図13】製版に用いる印刷版であるか否かの判定の一例を示すフローチャートである。
【図14】(A)及び(B)は本実施の形態のダイレクト製版装置によるOPC印刷版の処理の一例を示す流れ図であり、(A)は通常の製版処理を示し、(B)はスルー処理を示している。
【符号の説明】
10 ダイレクト製版装置
12 給版部
18 描画部
20、20A 印刷版(OPC印刷版)
22 現像定着部
28 溶出部
32 パンチ部
34 版曲げ部
40 スキッド(印刷版載置台)
44 基台
50 銀テープ(識別手段)
80 制御装置
82 版検出センサ(検出手段)
102 吸着取出装置(供給搬送手段)
104 反転搬送装置(供給搬送手段)
106 水平搬送装置(供給搬送手段)
300 リフト台(供給搬送手段)
406 描画装置

Claims (3)

  1. 支持体上に有機光導電体の感光層を設けて感光面を形成した同一サイズの多数枚のOPC印刷版を、前記感光面を下方へ向けて印刷版載置台に積層して搭載するときの印刷版載置台へのOPC印刷版の搭載方法であって、前記OPC印刷版の内の1枚のOPC印刷版の感光面の所定の位置に他の印刷版の感光面と識別可能な識別手段を設け、前記識別手段を設けた前記OPC印刷版を最下層に配置して前記OPC印刷版を前記印刷版載置台に積層することを特徴とする印刷版載置台へのOPC印刷版の搭載方法。
  2. 前記識別手段として前記OPC印刷版の感光面と反射光の異なる反射テープを、前記OPC印刷版の感光面の中心が対称点となるOPC印刷版の周縁部の所定の位置に貼付することを特徴とする請求項1に記載の印刷版載置台へのOPC印刷版の搭載方法。
  3. 支持体上に有機光導電体の感光層を設けて感光面を形成した多数枚のOPC印刷版を、それぞれの感光面を下方へ向けて積層した印刷版載置台から、前記OPC印刷版を供給搬送手段によって1枚ずつ取り出して描画部へ送り、描画手段によって画像露光した後、連続して複数の処理工程によって所定の処理を施して刷版を作成するOPC印刷版の処理方法であって、前記OPC印刷版の感光面の所定の位置に非処理のOPC印刷版とする識別手段を設け、前記供給搬送手段による搬送途中で前記識別手段に対向して設けた検出手段によって前記非処理のOPC印刷版を検出したときには、該OPC印刷版の各処理工程での処理を行わないことを特徴とするOPC印刷版の処理方法。
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