JP3559061B2

JP3559061B2 - Differential device

Info

Publication number: JP3559061B2
Application number: JP4386594A
Authority: JP
Inventors: 泰彦石川
Original assignee: 栃木富士産業株式会社
Priority date: 1994-03-15
Filing date: 1994-03-15
Publication date: 2004-08-25
Anticipated expiration: 2019-08-25
Also published as: JPH07253147A

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
この発明は、車両のデファレンシャル装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
特公平１−３３７０１号公報に図８のようなデファレンシャル装置２０１が記載されている。これは、デフケース２０３の収納孔２０５，２０７に収納されたヘリカルピニオンギヤ２０９，２１１と、これらを介して連結されたヘリカルサイドギヤ２１３，２１５を備えている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
エンジンの駆動力はデフケース２０３を回転させピニオンギヤ２０９，２１１からサイドギヤ２１３，２１５を介して駆動車輪側に分配される。このときピニオンギヤ２０９，２１１はサイドギヤ２１３，２１５との噛合い圧力角により生じる噛合い反力を受け、サイドギヤ２１３，２１５はこの噛合い圧力角とねじれ角とにより生じる噛合いスラスト力を受ける。これらの力により生じた摩擦抵抗によってデファレンシャル装置２０１の差動が制限される。
【０００４】
しかし、従来各ギヤの歯は回転方向に対称形であり、従って上記のように差動制限力を左右する噛合い圧力角は車両の前進時と後進時の各噛合い側で同一であるから前進時と後進時のトランスファレシオ（空転側車輪トルクに対するグリップ側車輪トルクの比）は同一である。エンジンブレーキ作動時のＡＢＳ（アンチロックブレーキシステム）との干渉を避けるためには後進時のトランスファレシオは小さくしたいが、従来はデファレンシャル装置２０１のような構成で後進時だけトランスファレシオを小さくすることはできなかった。
【０００５】
そこで、この発明は、トランスファレシオを車両の前進時には大きく後進時には小さくできるデファレンシャル装置の提供を目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
第１発明のデファレンシャル装置は、エンジンの駆動力により回転するデフケースと、デフケースに設けられた収納孔に摺動回転自在に収納されたピニオンギヤと、ピニオンギヤを介して連結された一対の車輪側サイドギヤとを備え、車両前進時の各ギヤの噛合い圧力角αを車両後進時の各ギヤの噛合い圧力角βより大きくしたことを特徴とする。
【０００７】
第２発明のデファレンシャル装置は、ピニオンギヤとサイドギヤとをヘリカルギヤで構成した請求項１記載のデファレンシャル装置である。
【０００８】
第３発明のデファレンシャル装置は、車両の前進時に各サイドギヤに対向方向のスラスト力が生じるねじれ角を与えた請求項２に記載のデファレンシャル装置である。
【０００９】
【作用】
車両前進時の噛合い側でのサイドギヤとピニオンギヤの噛合い圧力角αを車両後進時の噛合い側での噛合い圧力角βより大きくしたから、前進時は大きい噛合い反力と噛合いスラスト力（請求項２の構成）が生じて大きなトランスファレシオが得られ、後進時は噛合い反力と噛合いスラスト力が小さくなってトランスファレシオを小さくできる。
【００１０】
こうして、前進時には充分な差動制限力が得られると共に、エンジンブレーキとＡＢＳとの干渉を防止できる。
【００１１】
【実施例】
図１ないし図７により第３発明の一実施例を説明する。図１はこの実施例を示し、図７はこの実施例を用いた車両の動力系を示している。左右の方向はこの車両及び図１での左右の方向である。
【００１２】
図７のように、この動力系は、エンジン１、トランスミッション３、プロペラシャフト５、リヤデフ７（後輪側に配置された実施例のデファレンシャル装置）、後車軸９，１１、左右の後輪１３，１５、左右の前輪１７，１９などから構成されている。
【００１３】
リヤデフ７のデフケース２１はデフキャリヤ２３内に配置されており、デフケース２１にはリングギヤ２５が固定され、リングギヤ２５はドライブピニオンギヤ２７と噛合っている。ドライブピニオンギヤ２７はプロペラシャフト５側に連結されたドライブピニオンシャフト２９と一体に形成されている。こうして、エンジン１の駆動力はトランスミッション３とプロペラシャフト５とを介してデフケース２１を回転駆動する。
【００１４】
図１のように、デフケース２１はケーシング本体３１とカバー３３とをボルト３５で固定して構成されている。デフケース２１の内部には中空のヘリカルサイドギヤ３７，３９が左右に配置されている。各サイドギヤ３７，３９はデフケース２１に形成された軸支部４１，４３により回転自在に支承されると共に、互いの間に形成された軸支部４５により各自由端を支承し、センターリングしている。
【００１５】
これらのサイドギヤ３７，３９はそれぞれ左右の後車軸９，１１側にスプライン連結されており、サイドギヤ３７の内側には各車軸９，１１が突当たるスラストブロック４７が配置されている。各サイドギヤ３７，３９の間にはスラストワッシャ４９が配置され、サイドギヤ３９とデフケース２１との間にはワッシャ５１が配置されている。
【００１６】
デフケース本体３１には長短の収納孔５３，５５が周方向に４組形成されており、これらの収納孔５３，５５にはそれぞれ長短のヘリカルピニオンギヤ５７，５９が摺動回転自在に収納されている。
【００１７】
長いピニオンギヤ５７は第１ギヤ部６１（図２に図示）と第２ギヤ部６３及びこれらを連結する小径の軸部６５とからなり、第２ギヤ部６３は図３のように右のサイドギヤ３９と噛合っている。又、図２のように短いピニオンギヤ５９の左半部６７は第１ギヤ部６１と噛合い、右半部６９は左のサイドギヤ３７と噛合っている。なお、スラストワッシャ４９に形成された凸部７１は上記の軸部６５と回転方向に係合し、スラストワッシャ４９の回り止めをしている。
【００１８】
デフケース２１には開口７３，７５，７７が設けられ、オイル溜りのオイルがこれらからデフケース２１に流出入し、各ギヤの噛合い部、収納孔５３，５５の壁面、ワッシャ４９，５１などの摺動部を潤滑する。
【００１９】
デフケース２１を回転させるエンジン１の駆動力はピニオンギヤ５７，５９を介してサイドギヤ３９，３７を押圧し回転させて左右の後輪１３，１５に分配される。後輪間に駆動抵抗差が生じると、ピニオンギヤ５７，５９の自転によりエンジン１の駆動力は左右各側に差動分配される。
【００２０】
こうした、トルク伝達の間、ピニオンギヤ５７，５９の歯先はサイドギヤ３７，３９との間の噛合い圧力角により生じる噛合い反力を受け、収納孔５３，５５の壁面に押付けられて摩擦抵抗を発生させる。又、サイドギヤ３７，３９はねじれ角と噛合い圧力角とにより生じる噛合いスラスト力を受けて、ワッシャ４９，５１やデフケース２１との間で摩擦抵抗を発生させる。各サイドギヤ３７，３９のねじれ角は各サイドギヤ３７，３９の噛合いスラスト力が車両の前進時に内向き（対向方向）になり、後進時は外向きになるような方向にされている。噛合いスラスト力をこのような方向にしたことにより、後輪１３，１５の一方が空転したときグリップしている車輪側サイドギヤの噛合いスラスト力と空転している車輪側サイドギヤの噛合いスラスト力との差だけ、前進時の摩擦抵抗は後進時より大きくなる。
【００２１】
これらの摩擦抵抗により、トルク感応型の差動制限力が得られる。
【００２２】
図４は右サイドギヤ３９の左側面図であり、図５は同方向から見たサイドギヤ３９の歯７９のプロフィールである。又、図２，３，４，５の矢印８１は車両前進時のデフケース２１の回転方向を示している。従って、図５において矢印８３側がピニオンギヤ５７と前進時に噛合い、矢印８５側が後進時に噛合うことになる。そして歯７９は非対称にされ前進時噛合側の圧力角αを後進時噛合い側の圧力角βより大きくしてある。左サイドギヤ３７も同様に前進時噛合側の圧力角を後進時噛合い側の圧力角より大きくしてあり、図２，３のように各ピニオンギヤ５７，５９もサイドギヤ３７，３９に合わせた圧力角を与えている。
【００２３】
図６は車両の旋回時にサイドギヤ３７，３９に生じる噛合いスラスト力の前進時と後進時の変化を示す図面である。矢印８１は前進時のデフケース２１の回転方向であり、この回転方向は図２にも示すように短いピニオンギヤ５９から長いピニオンギヤ５７の方向に向いている。又、ロックトルクは旋回の内輪側に生じるトルクであり、スピントルクは外輪側に受けるトルクである。
【００２４】
上記のように、サイドギヤ３７，３９は前進時圧力角αでピニオンギヤ５９，５７と噛合う。前進時の右旋回では左サイドギヤ３７（旋回の外輪側）はデフケース２１より先行回転するが路面からの抵抗により噛合いが圧力角αである前進時噛合い側に移り回転方向と逆向きの小さいスピントルクを受ける。又、右のサイドギヤ３９は回転方向と同じ向きの大きなロックトルクが生じる。左旋回時は内輪と外輪が逆になりサイドギヤ３７に回転方向と同じ向きのロックトルクが生じサイドギヤ３９は回転方向と逆向きのスピントルクを受ける。
【００２５】
また、サイドギヤ３７，３９は後進時圧力角βでピニオンギヤ５９，５７と噛み合う。後進時の右旋回では、左サイドギヤ３７（旋回の外側）はデフケース２１より、先行回転するが路面からの抵抗により、噛み合いが圧力角βである後進時噛み合い側に移り回転方向と逆向きの小さいスピントルクを受ける。又、右のサイドギヤ３９は、大きなロックトルクが生じる。左旋回時には内輪と外輪が逆になりサイドギヤ３７に回転方向と同じ向きのロックトルクが生じサイドギヤ３９は回転方向と逆向きのスピントルクを受ける。
【００２６】
後進時は各旋回方向で前進時と反対方向のロックトルクとスピントルクが生じる。
【００２７】
上記のように、各ギヤは車両の前進時に圧力角α側で噛合い後進時に圧力角β側で噛合うから、ピニオンギヤ５７，５９が受ける噛合い反力やサイドギヤ３７，３９が受ける噛合いスラスト力は前進時は大きく後進時はそれよりも小さくなり、前進時の差動制限力を大きくし後進時の差動制限力を小さくすることができる。
【００２８】
歯形が前進時と後進時とで対称であった従来のデファレンシャル装置では、例えば圧力角α，βが共に２２．５°であるとトランスファレシオ（空転側車輪トルクに対するグリップ側車輪トルクの比）は前進時と後進時共に２．５４である。これに対して、この実施例では前進側は圧力角αを３０°にしてトランスファレシオ２．８１を得、後進時は圧力角βを１０°にしてトランスファを２．３２まで小さくしている。
【００２９】
従って、前進時は充分大きな差動制限力が得られると共に、後進時は差動制限力を小さくして、前進時のエンジンブレーキ作動中（リヤデフ７でのトルク伝達方向が後進走行時と同じ向きになる）ＡＢＳとの干渉を避けることができる。
【００３０】
こうして、リヤデフ７が構成されており、図７の車両は大トルクを掛ける発進時や加速時には、従来のデファレンシャル装置２０１より大きな差動制限力が得られて直進安定性が向上し、旋回時は適度な差動制限力により円滑で安定な旋回性が得られる。又、上記のようにエンジンブレーキ作動時は差動制限力が小さくなりＡＢＳとの干渉が防止される。
【００３１】
なお、実施例と異ってピニオンギヤを等長にし、これらをサイドギヤの両外側で噛合わせるか又はサイドギヤの間で噛合わせるように構成してもよい。
【００３２】
【発明の効果】
この発明のデファレンシャル装置は、各ギヤの車両前進時の噛合い圧力角αを後進時の噛合い圧力角βより大きくしたからトランスファレシオを前進時に大きく後進時に小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】一実施例の断面図である。
【図２】図１のＸ−Ｘ断面図である。
【図３】図１のＹ−Ｙ断面図である。
【図４】サイドギヤの左側面図である。
【図５】サイドギヤの歯を拡大した図面である。
【図６】実施例においてサイドギヤに生じる噛合いスラスト力の方向変化を示す図面である。
【図７】図１の実施例を用いた車両の動力系を示すスケルトン機構図である。
【図８】従来の断面図である。
【符号の説明】
７リヤデフ
３７，３９ヘリカルサイドギヤ
５３，５５収納孔
５７，５９ヘリカルピニオンギヤ
α，β 噛合い圧力角[0001]
[Industrial applications]
The present invention relates to a differential device for a vehicle.
[0002]
[Prior art]
Japanese Patent Publication No. 1-33701 discloses a differential device 201 as shown in FIG. This is provided with helical pinion gears 209 and 211 stored in storage holes 205 and 207 of the differential case 203, and helical side gears 213 and 215 connected via these.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
The driving force of the engine rotates the differential case 203 and is distributed from the pinion gears 209 and 211 to the driving wheels via the side gears 213 and 215. At this time, the pinion gears 209 and 211 receive a meshing reaction force generated by the meshing pressure angle with the side gears 213 and 215, and the side gears 213 and 215 receive a meshing thrust force generated by the meshing pressure angle and the torsion angle. The frictional resistance generated by these forces limits the differential of the differential device 201.
[0004]
However, conventionally, the teeth of each gear are symmetrical in the rotational direction, and therefore, as described above, the meshing pressure angle that affects the differential limiting force is the same on each meshing side when the vehicle moves forward and when the vehicle moves backward. The transfer ratio (the ratio of the wheel torque on the grip side to the wheel torque on the idling side) during forward movement and reverse movement is the same. In order to avoid interference with the ABS (anti-lock brake system) when the engine brake is operating, it is desirable to reduce the transfer ratio during reverse travel. However, conventionally, it is not possible to reduce the transfer ratio only during reverse travel by using a configuration such as the differential device 201. could not.
[0005]
Accordingly, it is an object of the present invention to provide a differential device capable of reducing a transfer ratio when the vehicle is moving forward and decreasing the transfer ratio when the vehicle is moving backward.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
A differential device according to a first aspect of the present invention includes a differential case that is rotated by a driving force of an engine, a pinion gear that is slidably and rotatably stored in a storage hole provided in the differential case, and a pair of wheel-side side gears that are connected via the pinion gear. And the meshing pressure angle α of each gear when the vehicle is moving forward is larger than the meshing pressure angle β of each gear when the vehicle is moving backward.
[0007]
The differential device according to a second aspect of the present invention is the differential device according to claim 1, wherein the pinion gear and the side gear are formed by helical gears.
[0008]
The differential device according to a third aspect of the present invention is the differential device according to claim 2, wherein each side gear is provided with a twist angle at which a thrust force in an opposing direction is generated when the vehicle advances.
[0009]
[Action]
The meshing pressure angle α between the side gear and the pinion gear on the meshing side when the vehicle is moving forward is larger than the meshing pressure angle β on the meshing side when the vehicle is moving backward. A large transfer ratio is obtained by the generation of the force (the configuration of claim 2), and when the vehicle is moving in reverse, the meshing reaction force and the meshing thrust force are reduced, so that the transfer ratio can be reduced.
[0010]
In this way, a sufficient differential limiting force can be obtained when the vehicle advances, and interference between the engine brake and the ABS can be prevented.
[0011]
【Example】
An embodiment of the third invention will be described with reference to FIGS. FIG. 1 shows this embodiment, and FIG. 7 shows a power system of a vehicle using this embodiment. The left and right directions are the left and right directions in this vehicle and FIG.
[0012]
As shown in FIG. 7, this power system includes an engine 1, a transmission 3, a propeller shaft 5, a rear differential 7 (a differential device of the embodiment disposed on the rear wheel side), rear axles 9 and 11, left and right rear wheels 13 and 15, left and right front wheels 17, 19, and the like.
[0013]
The differential case 21 of the rear differential 7 is arranged in a differential carrier 23, and a ring gear 25 is fixed to the differential case 21, and the ring gear 25 meshes with a drive pinion gear 27. The drive pinion gear 27 is formed integrally with a drive pinion shaft 29 connected to the propeller shaft 5 side. Thus, the driving force of the engine 1 rotationally drives the differential case 21 via the transmission 3 and the propeller shaft 5.
[0014]
As shown in FIG. 1, the differential case 21 is configured by fixing a casing body 31 and a cover 33 with bolts 35. Inside the differential case 21, hollow helical side gears 37 and 39 are arranged on the left and right. The side gears 37 and 39 are rotatably supported by shaft supports 41 and 43 formed on the differential case 21, and each free end is supported and centered by a shaft support 45 formed therebetween.
[0015]
These side gears 37 and 39 are spline-connected to the left and right rear axles 9 and 11, respectively, and a thrust block 47 against which the axles 9 and 11 abut is arranged inside the side gear 37. A thrust washer 49 is disposed between the side gears 37 and 39, and a washer 51 is disposed between the side gear 39 and the differential case 21.
[0016]
Four sets of long and short storage holes 53 and 55 are formed in the differential case body 31 in the circumferential direction, and long and short helical pinion gears 57 and 59 are slidably and rotatably stored in these storage holes 53 and 55, respectively. .
[0017]
The long pinion gear 57 includes a first gear portion 61 (shown in FIG. 2), a second gear portion 63, and a small-diameter shaft portion 65 connecting the first gear portion 61 and the second gear portion 63. As shown in FIG. Is engaged with. As shown in FIG. 2, the left half 67 of the short pinion gear 59 meshes with the first gear 61, and the right half 69 meshes with the left side gear 37. In addition, the convex portion 71 formed on the thrust washer 49 is engaged with the shaft portion 65 in the rotation direction to prevent the thrust washer 49 from rotating.
[0018]
Openings 73, 75, 77 are provided in the differential case 21, and the oil in the oil sump flows into and out of the differential case 21, and the meshing portions of the respective gears, the wall surfaces of the storage holes 53, 55, and the slides of the washers 49, 51 and the like are provided. Lubricate moving parts.
[0019]
The driving force of the engine 1 for rotating the differential case 21 is distributed to the right and left rear wheels 13 and 15 by pressing and rotating the side gears 39 and 37 via the pinion gears 57 and 59. When a driving resistance difference occurs between the rear wheels, the driving force of the engine 1 is differentially distributed to the left and right sides by the rotation of the pinion gears 57 and 59.
[0020]
During such torque transmission, the tooth tips of the pinion gears 57 and 59 receive a meshing reaction force generated by the meshing pressure angle with the side gears 37 and 39, and are pressed against the wall surfaces of the storage holes 53 and 55 to reduce frictional resistance. generate. Further, the side gears 37 and 39 receive a meshing thrust force generated by the twist angle and the meshing pressure angle, and generate frictional resistance between the washers 49 and 51 and the differential case 21. The torsion angle of each side gear 37, 39 is set such that the meshing thrust force of each side gear 37, 39 becomes inward (opposing direction) when the vehicle moves forward, and outward when the vehicle moves backward. By setting the meshing thrust force in such a direction, the meshing thrust force of the wheel side gear that is gripping when one of the rear wheels 13, 15 is idle and the meshing thrust force of the wheel side gear that is idling are gripped. The frictional resistance at the time of forward movement becomes larger than that at the time of reverse movement.
[0021]
These frictional resistances provide a torque-sensitive differential limiting force.
[0022]
FIG. 4 is a left side view of the right side gear 39, and FIG. 5 is a profile of the teeth 79 of the side gear 39 viewed from the same direction. Arrows 81 in FIGS. 2, 3, 4, and 5 indicate the rotation direction of the differential case 21 when the vehicle moves forward. Therefore, in FIG. 5, the arrow 83 side meshes with the pinion gear 57 when moving forward, and the arrow 85 side meshes with moving backward. The teeth 79 are asymmetric so that the pressure angle α on the forward meshing side is larger than the pressure angle β on the backward meshing side. Similarly, in the left side gear 37, the pressure angle on the meshing side during forward movement is larger than the pressure angle on the meshing side during reverse movement, and the pinion gears 57, 59 are also pressure angles adjusted to the side gears 37, 39 as shown in FIGS. Is given.
[0023]
FIG. 6 is a diagram showing changes in the meshing thrust force generated in the side gears 37 and 39 when the vehicle turns, when the vehicle advances and when the vehicle reverses. The arrow 81 indicates the direction of rotation of the differential case 21 during forward movement, and this direction of rotation is from the short pinion gear 59 to the long pinion gear 57 as shown in FIG. The lock torque is a torque generated on the inner wheel side of the turn, and the spin torque is a torque received on the outer wheel side.
[0024]
As described above, the side gears 37 and 39 mesh with the pinion gears 59 and 57 at the forward pressure angle α. In a right turn during forward movement, the left side gear 37 (outer wheel side of the turn) rotates ahead of the differential case 21, but shifts to a forward meshing side in which meshing is at a pressure angle α due to resistance from a road surface, and is opposite to the rotation direction. Receives a small spin torque. The right side gear 39 generates a large lock torque in the same direction as the rotation direction. When turning left, the inner wheel and the outer wheel are reversed, and a lock torque in the same direction as the rotation direction is generated in the side gear 37, and the side gear 39 receives a spin torque in the opposite direction to the rotation direction.
[0025]
Further, the side gears 37 and 39 mesh with the pinion gears 59 and 57 at the pressure angle β during reverse movement. In a right turn at the time of reverse movement, the left side gear 37 (outside of the turn) rotates forward from the differential case 21, but due to resistance from the road surface, shifts to a meshing side at a reverse meshing with the pressure angle β and is opposite to the rotation direction. Receives a small spin torque. The right side gear 39 generates a large lock torque. When turning left, the inner wheel and the outer wheel are reversed, and a lock torque in the same direction as the rotation direction is generated in the side gear 37, and the side gear 39 receives a spin torque in the opposite direction to the rotation direction.
[0026]
When the vehicle is moving backward, a lock torque and a spin torque are generated in the respective turning directions in the directions opposite to those at the time of moving forward.
[0027]
As described above, each gear meshes on the pressure angle α side when the vehicle advances, and meshes on the pressure angle β side when the vehicle moves backward, so that the meshing reaction force received by the pinion gears 57 and 59 and the meshing thrust force received by the side gears 37 and 39 Is larger when the vehicle is moving forward and smaller when the vehicle is moving backward, so that the differential limiting force at the time of moving forward can be increased and the differential limiting force at the time of moving backward can be reduced.
[0028]
In a conventional differential device in which the tooth profile is symmetrical between forward and reverse travels, for example, if both pressure angles α and β are 22.5 °, the transfer ratio (ratio of grip-side wheel torque to idle-side wheel torque) becomes It is 2.54 for both forward and backward travel. On the other hand, in this embodiment, the pressure angle α is set to 30 ° on the forward side to obtain a transfer ratio of 2.81, and when the vehicle is moving backward, the pressure angle β is set to 10 ° to reduce the transfer to 2.32.
[0029]
Accordingly, a sufficiently large differential limiting force can be obtained when the vehicle is moving forward, and the differential limiting force can be reduced when the vehicle is moving backward, so that the torque transmission direction of the rear differential 7 is the same as that during the reverse running during engine braking operation during forward driving. ) Interference with the ABS can be avoided.
[0030]
In this manner, the rear differential 7 is configured. In the vehicle shown in FIG. 7, at the time of starting or accelerating applying a large torque, a larger differential limiting force than the conventional differential device 201 is obtained, and the straight running stability is improved. Smooth and stable turning performance can be obtained by an appropriate differential limiting force. Also, as described above, during the operation of the engine brake, the differential limiting force is reduced, and interference with the ABS is prevented.
[0031]
Note that, unlike the embodiment, the pinion gears may have the same length, and may be configured to mesh on both outer sides of the side gear or between the side gears.
[0032]
【The invention's effect】
In the differential device according to the present invention, since the meshing pressure angle α of each gear when the vehicle is moving forward is larger than the meshing pressure angle β when the vehicle is moving backward, the transfer ratio can be increased when moving forward and decreased when moving backward.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view of one embodiment.
FIG. 2 is a sectional view taken along line XX of FIG.
FIG. 3 is a sectional view taken along line YY of FIG. 1;
FIG. 4 is a left side view of the side gear.
FIG. 5 is an enlarged view of teeth of a side gear.
FIG. 6 is a diagram showing a change in direction of a meshing thrust force generated in a side gear in the embodiment.
FIG. 7 is a skeleton diagram showing a power system of a vehicle using the embodiment of FIG. 1;
FIG. 8 is a conventional sectional view.
[Explanation of symbols]
7 Rear differential 37, 39 Helical side gear 53, 55 Storage hole 57, 59 Helical pinion gear α, β Mesh pressure angle

Claims

エンジンの駆動力により回転するデフケースと、デフケースに設けられた収納孔に摺動回転自在に収納されたピニオンギヤと、ピニオンギヤを介して連結された一対の車輪側サイドギヤとを備え、車両前進時の各ギヤの噛合い圧力角αを車両後進時の各ギヤの噛合い圧力角βより大きくしたことを特徴とするデファレンシャル装置。A differential case that is rotated by the driving force of the engine, a pinion gear that is slidably and rotatably stored in a storage hole provided in the differential case, and a pair of wheel-side side gears connected via the pinion gear are provided. A differential gear characterized in that the gear engagement pressure angle α is made larger than the gear engagement pressure angle β of each gear when the vehicle moves backward.

ピニオンギヤとサイドギヤとをヘリカルギヤで構成した請求項１記載のデファレンシャル装置。2. The differential device according to claim 1, wherein the pinion gear and the side gear are constituted by helical gears.

車両の前進時に各サイドギヤに対向方向のスラスト力が生じるねじれ角を与えた請求項２に記載のデファレンシャル装置。The differential device according to claim 2, wherein each side gear is provided with a torsion angle at which a thrust force in an opposing direction is generated when the vehicle moves forward.