JP3559039B2 - 炎症性疾患の治療のための非経口的に投与される医薬を調製するためのエマルジョンの使用 - Google Patents
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Description
炎症性疾患は、物理的、化学的又は生物学的作用物質によって引き起こされる損傷又は異常刺激に反応して、当該の血管及び隣接の組織中に起こる細胞学的及び組織学的反応の動的な複合体からなる病理学的過程である(ステッドマン医学大辞典、781頁、第25版 1990年、炎症の定義を参照せよ)。多種類の炎症性疾患、例えば炎症性肺疾患、炎症性腸疾患又は全身性エリテマトーデスが存在する。
炎症性肺疾患又は呼吸機能障害は、炎症性の痰が生じ、再発することがある肺炎に罹患し、気管支拡張が生じ得るときの生理学的状態である。炎症性肺疾患は嚢胞性線維症(cystic fibrosis)、慢性気管支炎、気管支拡張症及び気管支肺の形成異常症を含む。嚢胞性線維症、慢性気管支炎及び気管支拡張症を患っている患者の痰は、異常な粘液、大食細胞及び種々の種類の白血球を含めた多くの異なる細胞種を含む。患者が嚢胞性線維症に患っている場合に、患者の特徴は、患者に肺への感染に罹り易くする異常なまでに粘着性の粘液が過剰量生成されることにある。その結果として、気管支拡張症が拡がる。患者が慢性気管支炎及び気管支拡張症を患っている場合には、患者は同様に痰を吐き、続いて感染性の症状が出現する。気管支拡張症の第1原因は感染であり、この疾患では、当該の部位に少なくとも幾つかの気管支の異常な不可逆性拡張があり、粘液輸送は不十分であり、局所的な感染が繰り返し起こる。慢性気管支炎は一般的な障害であり、この障害においては、肥大した粘液産生細胞の粘液生成が増大し、繊毛による粘液の除去が不十分となる。これが感染の再発につながる。慢性気管支炎と気管支拡張症との間には注目すべき重複がある。何故ならば、多くの気管支炎の患者は気管支拡張症の部位を有しており、喫煙する気管支拡張症患者は気道の一般的な炎症を有していることがあるからである。栄養不良の場合には、これらの生理学的状態は悪化し、呼吸機能はしばしば低下する。
炎症性腸疾患又は機能障害は胃腸粘膜の炎症があるときの生理学的状態である。炎症性腸疾患には、通常腹痛、下痢及び後続の脱水症並びに直腸の出血の発生が伴なう。胃腸への感染が生じ、再発することがある。炎症性腸疾患には潰瘍性大腸炎と、クローン病と、空腸及び回腸のび慢性潰瘍とが含まれる。炎症性腸疾患を患っている患者は、腸機能を一層悪化させる栄養素の不十分な吸収と栄養不足とにしばしば悩んでいる。不十分な吸収は、小腸粘膜の、多数の栄養素を吸収する能力が減退するために生じる。小腸粘膜の栄養素吸収不能は、下痢便中の液体、電解質、蛋白質及び血液の喪失と組み合わさって、炎症性腸疾患を患っている患者を一層衰弱させることがある。
全身性エリテマトーデスは種々の特徴を有する炎症性の結合組織疾患である。この疾患の特徴は熱、衰弱及び疲労、関節痛及びリウマチ様の関節炎に似た関節炎、基底層の融解変性(liquefaction degeneration)を有する、顔、頸部又は上肢におけるび慢性、紅斑性の皮膚損傷及び表皮の萎縮症、リンパ節症、胸膜炎及び心膜炎、糸球体の損傷、貧血症及び高グロブリン血症を含む。
以下、本発明を、特に嚢胞性線維症という炎症性肺疾患において説明する。しかし、他の前述の炎症性疾患の治療が、本発明に基づいて、嚢胞性線維症の以下に説明される治療と同一の方法でなされることは明らかである。
炎症性疾患を患っている患者が栄養不良であるか、又は十分な量のカロリーを経口摂取できない場合には、こうした患者に非経口投与によって静脈内脂質エマルジョンの形態でエネルギーを供給することは標準的な手段であり、これは患者に多量のω−6脂肪酸を供給することになる。ω−6脂肪酸を含有する脂質エマルジョンをこうした患者に非経口的に投与することは必須脂肪酸の欠乏を防止し、あるいは改善する。こうしたエマルジョンは安全で好ましいカロリー源である。
ω−6脂肪酸を含有する脂質エマルジョンを、例えば、嚢胞性線維症を患っている数人の患者に非経口で投与することにより、患者のエネルギー感覚及び健康、負荷耐性、酸素吸収(VO2)、および肺の炎症過程における明らかな減少を伴う分泌の稀薄化の改善が確認された(Nutrition International,3,277−279(1987),Crit.Care Med.,15,960−964(1987))。嚢胞性線維症を患っている患者に関しては、臨床上の経験では、ω−6脂肪酸を含有する脂質エマルジョンを非経口で投与された若干名の患者は驚くべきことに好影響を受けて、改善を示したのに対し、かなりの数の患者は反応しなかったことを示した。
ω−6脂肪酸を含有し、非経口的に患者に投与される標準脂質エマルジョンは、植物油、例えば紅花油、大豆油又はこれらの混合物から導き出され、商業的には「イントラリピー
は「リポジン(Liposyn)」という商品名で入手できる。これらの脂質エマルジョンは、必須脂肪酸として知られ、正常の細胞機能の成長、発育及び維持のための哺乳類の細胞膜の主要成分として必要なω−6脂肪酸であるリノール酸(C18:2)を少なくとも40乃至50%含有する。更に、リノール酸(C18:2)は、他のω−6脂肪酸で必須脂肪酸であるアラキドン酸(C20:4)の前駆体であり、該アラキドン酸はプロスタグランジン、ロイコトリエン及び他のヒドロペルオキシ・アラキドネート誘導体を合成するための前駆体として用いられる。
プロスタグランジン及びロイコトリエンは炎症反応、血小板凝集及び他の免疫反応に係わっている。アラキドン酸から誘導されるプロスタグランジンは血小板凝集を生起する。ロイコトリエンには喘息、慢性気管支炎及び嚢胞性線維症の病理生理学的特徴の多くを生み出す能力がある。例えば、ロイコトリエンB4は、炎症発生の初期段階である好中球の凝集及び血管の内皮細胞への付着を促す。ロイコトリエンC4及びD4はアナフィラキシーの緩慢に反応する物質(SRS−A)の主成分であり、気管支喘息、慢性気管支炎及び嚢胞性線維症に関与すると思われる。
非応答性の患者とは、ω−6脂肪酸を含有する脂質エマルジョンの非経口投与に反応しない、嚢胞性線維症を患っている患者であった。非応答性患者では、リノール酸は血漿中で増大するが、伸張した鎖を有し、不飽和化されている他のω−6脂肪酸、特にジホモガンマリノレン酸(dihomogamma linolenic acid、20:3 ω6,DHLA)が増大しないことが観察された。これはこうした変換に応答し得る酵素での代謝の遮断を示している。
冷水海洋動物(例えば、タラ、ニシン、サバ、メンヘーデン、サケ、イワシ、アンチョビー)の魚油中に見出されるω−3脂肪酸は、20乃至24の炭素原子と5乃至7の二重結合を有する線状の多不飽和酸である。ω−3脂肪酸にはエイコサペンタエン酸(C20:5)及びドコサヘキサエン酸(C22:6)が含まれ、両者はトリエンプロスタグランジン及びペンタエンロイコトリエンの前駆体であって、それらのω−6等価物とは異なる効果を有する。ω−3脂肪酸は、ω−6脂肪酸と同様に、細胞膜及び血清中に含まれている。
哺乳類の細胞膜及び血清中に見出だされるω−3脂肪酸とω−6脂肪酸との割合は、脂肪酸が、ω−6脂肪酸の含有量が高く、ω−3脂肪酸の含有量が低い肉脂又は植物油のような食物脂肪を吸収することによって得られるか、あるいはω−3脂肪酸の含有率が高い魚油から得られるかに因る。生成されるプロスタグランジン及びロイコトリエンの種類は、前駆体物質として用いられるω−3脂肪酸及びω−6脂肪酸の量と関連がある。これは、プロスタグランジンの合成経路における第1の酵素であるシクロオキシゲナーゼ及びロイコトリエンの合成経路における第1の酵素であるリポキシゲナーゼが、アラキドン酸(C20:4)及びエイコサペンタエン酸(C20:5)を基質として用いることができるという事実に起因している。より多くのω−3脂肪酸が用いられる場合には、該ω−3脂肪酸は、通常ω−6脂肪酸を用いる酵素を拮抗的に阻害する。その結果として、ω−6脂肪酸から生成されるプロスタグランジン及びロイコトリエンのレベル(Spiegel)が下がる。例えば好中球においては、アラキドン酸(C20:4)は通常リポキシゲナーゼによって代謝されてロイコトリエンB4となる。このロイコトリエンB4は、炎症の初期段階である好中球の凝集及び血管内皮細胞への付着を促す。しかし、エイコサペンタエン酸(C20:5)は好中球中のリポキシゲナーゼ経路の好適な基質であり、アラキドン酸(C20:4)を置換する。このような置換の結果として、ロイコトリエンB4の量が減少し、走化性及び内皮細胞への付着が減少し、従って炎症が減少する。
心血管疾患、炎症及び免疫学的疾患の防止及び治療に関する、魚油を補充した治療食(diet)による効果に就いて研究を行なった。心血管疾患を患っていて、魚と魚油の十分な治療食を摂る患者は、コレステロール及びトリグリセリドのレベルの低下を示した。狼瘡様の自己免疫性腎炎に罹っているマウスは蛋白尿を出し、早期に死ぬ。しかし、このようなマウスに、メンヘーデンの魚油を補充した治療食を非経口的に与えたときは、蛋白尿及び早期の死は遅延し、その結果生存期間が延長された(V.Kelley et al.,J.Immu−nol.,134(3):1914−1919(1985);J.D.Prickett et al.,J.Clin.Invest.,68;556−559(1981);D.R.Robinson et al.,Arthritis and Rheumatism,29:539−546(1986)。肉芽腫性の大腸炎が誘発されたラットであって、ω−3脂肪酸を含有する、8重量%のタラの肝油で補充された脂肪分の少ない非経口治療食を与えられたラットは、ω−6脂肪酸を含有する、8重量%のヒマワリ油で補充された脂肪分の少ない非経口治療食を与えられたラットと比較して、結腸の炎症性損傷の程度の軽減を示した(J.Vilaseca et al.,Gut,31,539−544(1990))。魚油で補充された治療食は乾癬及びアトピー性皮膚炎を患っている患者に好影響を及ぼすが、急性リウマチ様関節炎の治療においての利点は疑わしい。
ω−3脂肪酸を含有する脂質エマルジョン及び栄養補充物は記述されており、この分野において知られている。
米国特許4,678,808号は、血栓の疾患すなわち血管又は心臓内での凝血塊の形成を治療するための静脈内治療用の脂質エマルジョンを開示している。脂質エマルジョンは乳化剤、水及び海洋動物の油を含有し、この油は5乃至50%(重量/容量)、好ましくは10乃至20%の間の濃度のω−3脂肪酸エステルを含有する。但し、エマルジョンの遊離脂肪酸は5ミリ等量/l以下である。上記米国公報には、海洋動物の油を含有する脂質エマルジョンが、アラキドン酸代謝産物の不均等並びに自己免疫症候群、急性及び慢性炎症性疾患、例えば、乾癬、急性呼吸困難症候群(ARDS)、アテローム性動脈硬化症、卒中、心筋梗塞、深静脈血栓症及びその他の心血管の疾患を伴って現われる障害の治療のために提案されたこと(第4欄、8乃至15行)は記載されているが、炎症性疾患が、ω−3脂肪酸を含有する脂質エマルジョンを用いて如何なる方法で治療されるべきかは教示していない。
米国特許4,820,731号は、乳化剤、水及び油分を含有する栄養補充物であって、この油分が補充物の10乃至20重量%であり、ω−3脂肪酸が多い油(油分の10乃至90重量%)と、ω−6脂肪酸が多い油との混合物からなる油分を含有する栄養補充物を開示している。上記米国公報は、同様に、こうした栄養補充物を経口的に又は静脈から投与することによって、危険に晒された生物において感染の作用を最小限に減らすと共に、後続の感染の作用を最小限に減らす方法を開示している。しかし、この米国公報はω−3脂肪酸を含有する脂質エマルジョンを用いて炎症性疾患を治療することを開示してはいない。
米国特許5,089,268は非経口的に使用する無菌の脂質エマルジョンを開示している。脂質エマルジョンは、ω−3脂肪酸、ω−6脂肪酸、中鎖トリグリセリド又はそれらの混合物を含有する脂肪酸トリグリセリドの中性脂肪混合物の1乃至30重量%と、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸又はそれらの混合物が多い魚油で補充された治療食を摂取するニワトリの卵から得られた、魚油に富む濃縮卵黄ホスファチド乳化剤の1乃至4重量%と、2.25重量%までの容量オスモル濃度調節剤と、無菌の水とを含有する。上記米国公報には、ω−3脂肪酸については、ω−3脂肪酸が心臓病、炎症性障害及び感染の治療の際に一定の治療的価値を有することが知られていることが略述されているだけだが、ストレスを受け、及び/又は栄養不良の患者に多量のω−3脂肪酸及びω−6脂肪酸を中性脂肪の形態で与えること(第1欄、57乃至65行参照)は教示されている。この米国公報には、ω−3脂肪酸を含有する脂質エマルジョンで炎症性疾患を治療することは開示されていない。
魚油を添加した治療食が肺疾患を患っている患者に不都合な作用を及ぼすことが示された。精製されたメンヘーデン魚油の栄養補充物が与えられたモルモットは、牛脂を与えられたモルモットよりも、アナフィラキシーの誘発中に大きな気管支収縮を被り、高いアナフィラキシーを被った(T.H.Lee et al.,Am.Rev.Respir.Dis.,132:1204−1209(1985))。アスピリンに対する耐性がなく、喘息を患っていて、魚油を添加した治療食を与えられた患者は、気管支収縮の増加、最大呼気流量(peak expiratory flow)の悪化を示し、気管支拡張薬の使用が増加した(C.Picado et al.;Thorax,43:93−97(1988))。
従って、本発明の課題は、特に、ω−3脂肪酸を含有する脂質エマルジョンの非経口投与に応答しない患者、例えば嚢胞性線維症を患っている前記患者の前述した炎症性疾患を治療し、応答する患者が享受し得る健康の利点及び改善を達成するための他の可能性を用意することである。
この課題は、本発明により、1つ又は複数の、多不飽和で長鎖のω−3脂肪酸又はこのω−3脂肪酸の薬学的に適合し得るエステル又は塩を含有するエマルジョンを、炎症性疾患、特に炎症性肺疾患、炎症性腸疾患及びエリテマトーデス、特には嚢胞性線維症及び/又は潰瘍性大腸炎を治療するために使用することによって解決される。
本発明によって、ω−6脂肪酸を含有するエマルジョンに反応しない患者において代謝の阻害を回避すると共に、応答する患者が享受する、応答しない患者に役立つ治療上の利点を達成するための可能性が用意され、特に、本発明の使用によって、応答しない患者に、全く異なった生化学的経路を介して脂肪酸が供給される。ω−3脂肪酸の前駆体から誘導されるものの、一般的にこうした患者群にとって不都合であるω−6脂肪酸の前駆体からは誘導されないプロスタグランジン及びロイコトリエンの合成が利用される。
本発明で用いられる脂質エマルジョンは、人間及び動物、好ましくは人間に、前述の炎症性疾患を治療するために、非経口的に、例えば静脈内に投与される。
本発明で用いられるエマルジョンは、18乃至22個の炭素原子を有する、多飽和の、長鎖ω−3脂肪酸及び/又はこのω−3脂肪酸の薬学的に適合し得るエステル及び塩を含有する。適当なω−3脂肪酸の例はエイコサペンタエン酸(EPA)及びドコサヘキサエン酸(DHA)であり、好ましくはエイコサペンタエン酸が用いられる。エマルジョン中には、1つ又は複数のω−3脂肪酸が存在していることがある。例えば、エイコサペンタエン酸(C20:5)及びドコサヘキサエン酸(C22:6)からなる混合物を用いてもよい。本発明では、上記ω−3脂肪酸の薬学的に適合し得るエステル及び塩が好適に用いられ、酸の薬学的に適合し得るエステルは特に好適である。ω−3脂肪酸の薬学的に適合し得るエステルはエチルエステル及びグリセリンエステル、例えばモノ−、ジ−又はトリグリセリンエステルであり、トリグリセリンエステルが好ましい。酸の薬学的に適合し得る塩としては、例えばナトリウム塩が適当である。
本発明で用いられるエマルジョンには、ω−3脂肪酸、このω−3脂肪酸の薬学的に適合し得るエステル又は塩が、純粋形態で又は天然油、精製油、半合成油又は合成油のような油の成分として含有されている。魚油が用いられるのが好ましい。本発明において、「魚油」とは天然魚油、加工魚油又は高純度の魚油濃縮物である。かくして、本発明では、開示理由から全面的に引き合いに出される、例えばDE−PS 37 22 540に記載されている加工魚油も用いられる。
ω−3脂肪酸、このω−3脂肪酸の薬学的に適合し得るエステル又は塩は、本発明で用いられるエマルジョンに、1乃至40重量%、好ましくは2乃至35重量%、及び特には3乃至30重量%の量で含有される。
本発明で用いられるエマルジョンは、同様に、少なくとも1種の生理学的に安全な乳化剤を含んでいる。卵レシチン、卵ホスファチド、大豆ホスファチド、大豆レシチンのような、動物又は植物由来のリン脂質及びその他のリン脂質が適当である。不飽和脂肪酸としてEPAを含有するこうしたリン脂質を用いるのは好ましい。卵レシチンが特に好ましい。本発明では、2種又はそれ以上の乳化剤の混合物も適当である。
乳化剤はエマルジョン中に0.1乃至6重量%、好ましくは0.4乃至2重量%の量で存在する。
エマルジョンは、更に、例えばトコフェロール又は薬学的に安全なトコフェロールエステル、例えばトコフェロールアセテートの形態で、(脂質含量に対し)0.15乃至1.5重量%の量で、酸化防止剤としてビタミンEを含むことがある。
その他の添加物として、本発明で用いられるエマルジョンは、通常の補助剤及び添加剤、例えば通常のエマルジョン安定剤、等張化添加物及び/又は共乳化剤を有する。
等張化添加物として適当であるのは、通常に用いられる等張化剤、例えばグリセリン、グルコース、キシリット又はソルビットであり、グリセリンが好ましい。エマルジョン中でのこの等張化添加物の量は相応しくは1乃至5重量%、好ましくは2.5重量%である。
本発明で好ましいエマルジョンは、油、好ましくは魚油、グリセリン、少なくとも1種の乳化剤及び純水を含む。但し、油は少なくとも20重量%のω−3脂肪酸を含んでいる。本発明では、前に定義されたように、油、好ましくは魚油が適当であり、これらは全脂肪酸に対し20乃至100重量%のω−3脂肪酸、好ましくは30乃至100重量%のω−3脂肪酸及び、特に40乃至100重量%のω−3脂肪酸を含む。ω−3脂肪酸は主としてエイコサペンタエン酸(C20:5)、ドコサヘキサエン酸(C22:6)及びそれらの混合物である。
この場合、純水とは注射用の水である。
魚油はタラ、ニシン、サバ、メンヘーデン、サケ、イワシ、アンチョビーのような海洋動物から得られる。魚油中のω−3脂肪酸の含量は魚油の源に従って変化し、それに応じて魚油を精製することによって高められる。魚油は相応しくは高度に精製されており、魚油の全脂肪酸に対し少なくとも20重量%のω−3脂肪酸を含む。
エマルジョンに用いられる魚油の量は、投与量、ω−3脂肪酸のパーセンテージ及びエマルジョンの全脂質濃度に依存する。治療上の投与量は体重及び注入時間に従う。エマルジョン中での魚油の濃度はエマルジョンの約3乃至30重量%の間で変化し、エマルジョン中での魚油の濃度にとっては10乃至20重量%が好ましい。
炎症性疾患の治療のためのω−3脂肪酸の薬学的に有効な量は、相応しくは1日当たりω−3脂肪酸1乃至30gの範囲、好ましくは1日当たりω−3脂肪酸1乃至20gの範囲及び、特には、1日当たりω−3脂肪酸1乃至15gの範囲にあり、例えば、1日当たりω−3脂肪酸4乃至5g又は1乃至10g又は4乃至15gであってもよい。
使用できる乳化剤は上記の乳化剤であり、乳化剤の濃度はエマルジョン中の油量に依存している。濃度はエマルジョンの約0.1乃至6重量%の範囲であればよい。油量が10乃至20%であるとき、乳化剤の好ましい濃度は約0.4乃至2.0%である。
エマルジョンはガラス容器又はプラスチック容器に満たされてから、滅菌され、使用するまで貯蔵される。
脂質エマルジョン中では、油濃度、好ましくは魚油濃度はエマルジョンの約3乃至30重量%の範囲にあり、好ましくは10乃至20重量%、例えば10重量%であり、油の全脂肪酸に対し少なくとも20重量%の量のω−3脂肪酸を含む。グリセリンはエマルジョンに対し約1乃至5重量%、好ましくは2.5重量%の量で含まれている。乳化剤、好ましくは卵レシチンは、エマルジョンに対し約0.1乃至6重量%、好ましくは0.4乃至2.0重量%の量で存在する。
本発明では、エマルジョンは患者に静脈内投与される。静脈内投与は、中心静脈アクセス装置により、又は末梢静脈を介してなされる。本発明で用いられるエマルジョンは、嚢胞性線維症のような炎症性肺疾患、潰瘍性大腸炎及びクローン病のような炎症性腸疾患及び全身性エリテマトーデスを含めた炎症性疾患の治療に有用であり、特に嚢胞性線維症及び/又は潰瘍性大腸炎の治療に用いられる。
本発明による使用の利点は、1つ又は複数の多飽和の、長鎖ω−3脂肪酸、このω−3脂肪酸の薬学的に適合し得るエステル又は塩を含有し、あるいは少なくとも20重量%のω−3脂肪酸を含有する油、好ましくは魚油からほぼなるエマルジョンが、ω−6脂肪酸を含有する脂質エマルジョンに応答しない患者に治療上の利点をもたらすことにある。更に、脂質エマルジョンを非経口投与することより、消化系で時間が掛かるためω−3脂肪酸が患者の炎症領域に達する可能性が減少してしまう経口的投与と比較して、患者の炎症箇所の治療のためのω−3脂肪酸の薬学的に効果的な量が即座に供給される。
本発明で使用されるエマルジョンによって達成される患者に対する効果は、治療の前後における静脈内の血液脂質プロフィールの観察と比較によって、及び血液と尿内のプロスタグランジンの測定によって規定される。人体測定学的測定、すなわち体重/身長、腕の中間部の筋肉の周囲長/皮膚の襞の厚み、代謝測定並びにVO2及びVCO2の評価、呼吸商(RQ)、静止エネルギー消費(REE)の算出及び負荷に対する心肺応答を含めた追加の測定も同様に行なわれる。呼吸機能障害を患っている患者では呼吸器の筋力も測定され、更に、肺の機能試験/ガス交換試験が行なわれる。
以下の例は本発明の更なる説明に用いられる。
本発明で使用されるエマルジョンに適当な、高度に精製され、かつω−3脂肪酸が添加された魚油を得るために、DE−PS 37 22 540の、特に例1乃至4に記載されている方法に基づいて、冷水海魚から魚油が加工された。
例1
DE−PS 37 22 540の例5に記載された方法を用い、表Iから見て取れる組成の脂質エマルジョンを調製した。
成分の量は、1mlのエマルジョン当たりのmgで表示されている。
魚油脂肪エマルジョンは表IIから見て取れる脂肪酸組成を有していた。
例2
魚油脂肪エマルジョンの非経口投与
先に例1で調製した魚油脂肪エマルジョンの効果は、嚢胞性線維症を患っており、努力呼気肺活量(FEV1、forced expiratory capacity)が予想される容量の60%未満である6人の患者で試験した。患者全員が10歳以上であり、平均年齢は20.7歳であった。アスピリン非耐性喘息、インシュリンに依存する糖尿病、腎臓疾患又は肝臓疾患を患い、妊娠し、抗凝固薬を服用し、あるいは非ステロイド炎症抑制剤を服用している患者を試験から外して、患者が選択された。各々の患者には、肺機能及び脂肪酸の基準測定がなされた。
二重盲検法では、4人の患者(「魚油」グループ)に例1の魚油脂質エマルジョンを投与し、2人の患者(「対照」グループ)に対照エマルジョンを投与した。対照エマルジョン「リポシン(Liposyn)」は、紅花油及び大豆油の混合物、ω−6脂肪酸を含有する2種の植物油からなっていた。魚油脂質エマルジョン及び対照エマルジョンは1ヵ月間毎日投与した。その時々のエマルジョンの100mlの毎日の輸液は、試験前に差し込まれた注入経路を介して、ゆっくりと6時間に亘って中心静脈になされた。患者からは、何等のアレルギー反応又は他の自覚的な副作用は報告されなかった。
基準測定に加えて、1時間、4時間、6時間、24時間、1週間及び4週間の時点で採取した末梢静脈サンプルから、各々の患者の脂肪酸を測定した。肺機能は開始時点、1週間及び4週間で測定した。データの統計的分析はスチューデントのt−テストによってなされた。この場合、治療グループ内での連続する時点の間の相違が比較された。
患者の肺機能試験の結果は表III乃至Vに纏められている。表III乃至Vに記載された値は平均値及びその標準偏差である。必須脂肪酸の血漿レベルは、図1及び2に、全脂肪酸のパセンテージ(平均値)で示されている。
魚油脂質エマルジョンが投与された患者の呼気流量パラメータは著しい改善を示したが、対照エマルジョンが投与された患者の呼気流量パラメータは何等の変化を示さないか、あるいは悪化した。1週間の注入の後、魚油脂質エマルジョンが投与された患者の努力呼気流速(PEFR)が、0.25乃至0.75秒の間の努力呼気流速(FEV25乃至75%)が20%高まった(表Vを参照せよ)ことに伴い、29%高くなった(表III)。こうした患者においては、分時拍出量(MV)、すなわち1分間に肺に吸入される空気量は16%高まった(表IV)を参照)。これとは反対に、対照グループの患者は呼吸機能試験において何等プラスの変化を示さず、努力呼気流速(PEFR)の16%の減少を示した。
図1は、嚢胞性線維症を患っており、魚油脂質エマルジョンが投与された患者対対照エマルジョンが投与された患者における、4週間に亘る血漿中のドコサヘキサエン酸(C20:5)のレベルの変化を示す図表を示している。脂肪酸の血漿レベルは全脂肪酸のパーセント(平均値)で示されている。
図2は、嚢胞性線維症を患っており、魚油脂質エマルジョンが投与された患者対対照エマルジョンが投与された患者における、4週間に亘る血漿中のエイコサペンタエン酸(C22:6)(DHA)のレベルの変化を示す図表を示している。脂肪酸の血漿レベルは全脂肪酸のパーセント(平均値)で示されている。
図1及び2は、魚油脂質エマルジョンを投与された患者が、1週間注入後にω−3脂肪酸、すなわちエイコサペンタエン酸及びドコサヘキサエン酸のレベルの目立った上昇を示したことを表わしている。こうした高められたレベルは驚異的なことに高められたままであり、次の注入前の24時間内に初期値に戻らなかった。魚油脂質エマルジョンが投与された患者において、必須脂肪酸のレベルに対する不都合な作用が生じなかったことが同様に観察された。魚油脂質エマルジョンの注入は、ω−6脂肪酸すなわちアラキドン酸(C20:4)及びジホモガンマリノール酸(C20:3)のレベルに悪影響を及ぼすことなしに、エイコサペンタエン酸(C20:5)及びドコサヘキサエン酸(C22:6)の血中レベルを際立って高める。
前の例は、ω−3脂肪酸を含む魚油脂質エマルジョンの静脈内注入は2種の鍵となるω−3脂肪酸の血漿レベルを高めるが、ω−6脂肪酸を含む等量の脂質エマルジョンが投与された対照グループではこのような上昇が観察されなかったことを示している。ω−3脂肪酸を含有する魚油脂質エマルジョンを与えられた患者は、1ヵ月の間に肺機能パラメータの改善を示した。咳をするとは益々痰が切れ、楽に出て、痰は薄くなった。ゼイゼイといわなくなり、肺のノイズが改善された。こうした患者は食欲が改善されたと報告し、そのうちの数人は身体的に活発になった。これとは反対に、ω−6脂肪酸を含有する対照エマルジョンを与えられた患者は何等の改善を示さなかった。
例3
10%のエマルジョンの代わりに20%のエマルジョンを調製したことを除いて、例1を繰り返した。嚢胞性線維症の治療にこうしたエマルジョンを使用することにより、例2に記載された結果に匹敵する結果が得られた。
例4
10%のエマルジョンの代わりに30%のエマルジョンを調製したことを除いて、例1を繰り返した。
例5
本発明で使用されるべきエマルジョンは以下の組成を有し、成分の量は1エマルジョン当たりのgで記されている。
魚油 100g/l
グリセリン 25g/l
卵レシチン 12g/l
注入用水 残部
魚油エマルジョンは表VIから読み取れる脂肪酸組成を有した。
例6
潰瘍性大腸炎と激しいステロイド副作用に悩んでいる36歳の女性患者に、例5で調製した魚油エマルジョンを2ヵ月間与えた。
病気の活動度を程々に保つ条件下で、この女性患者に、9日間に亘って、1日当たり200mlの魚油エマルジョン(3時間おきで2×100ml)を注入した。これと平行して、投与されるステロイドの服用量を、それと分かるように減少させた。9日間魚油を注入する間に、便通頻度及び直腸出血で測定した病気の活動度が完全に減退した。
最初の注入期間の終了後2か月経過して、女性患者は腸管及び腸管外の症状を伴う再発に悩み、魚油エマルジョンの注入が再度開始された。注入期間は29日間で、1日当たり300mlという最大量が使用された。この第2の注入期間の間にも、炎症性腸疾患の著しい改善が確認された。病理学的なアミラーゼ値及びリパーゼ値は3乃至14日以内で正常値に戻った。C−反応性蛋白のような全身性炎症徴候は3週間以内に正常値に改善された。広範性の腹痛は2週間以内に徐々に消え、血便汚染及びテネスムスの頻度が著しく減少した。
例7
10%の脂質エマルジョンの代わりに15%の脂質エマルジョンを調製したことを除いて、例5を繰り返した。このエマルジョンを潰瘍性大腸炎の治療に使用することにより、例6に記載された結果に匹敵する結果が得られた。
例8
10%の脂質エマルジョンの代わりに5%の脂質エマルジョンを調製することを除いて、例5を繰り返した。このエマルジョンを嚢胞性線維症の治療に使用することにより、例2に記載された結果に匹敵する結果が得られた。
例9
10%の脂質エマルジョンの代わりに20%の脂質エマルジョンを調製することを除いて、例5を繰り返した。このエマルジョンを潰瘍性大腸炎の治療に使用することにより、例6に記載された結果と匹敵する結果が得られた。
例10
10%のエマルジョンの代わりに20%のエマルジョンを調製することを除いて、例1を繰り返した。このエマルジョンを嚢胞性線維症及び潰瘍性大腸炎の治療に使用すると、例2及び6に記載された結果に匹敵する結果が得られた。
Claims (14)
- 複数の、多不飽和で長鎖のω−3脂肪酸又はその薬学的に許容し得るエステル又は塩、並びに通常の補助剤及び添加剤を含有するエマルジョンの、潰瘍性大腸炎の治療のため非経口的に投与される医薬。
- ω−3脂肪酸は18乃至22個の炭素原子を有することを特徴とする請求項1に記載の医薬。
- ω−3脂肪酸はエイコサペンタエン酸及び/又はドコサヘキサエン酸であることを特徴とする請求項1又は2に記載の医薬。
- エステルはエチルエステル又はグリセリンエステルとして存在することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項又は複数項に記載の医薬。
- エマルジョン中に、ω−3脂肪酸又はそのエステル又は塩が1乃至40重量%の量で存在していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項又は複数項に記載の医薬。
- ω−3脂肪酸又はそのエステル又は塩が3乃至30重量%の量で存在していることを特徴とする請求項5に記載の医薬。
- ω−3脂肪酸は油の形態で存在していることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項又は複数項に記載の医薬。
- エマルジョンは、全脂肪酸に対し20乃至100重量%のω−3脂肪酸を含有する3乃至30重量%の魚油と、1乃至5重量%のグリセリンと、0.1乃至6重量%の少なくとも1種の乳化剤と、注入用水とからなることを特徴とする請求項5に記載の医薬。
- 魚油は全脂肪酸に対し40乃至100重量%のω−3脂肪酸を含有することを特徴とする請求項8に記載の医薬。
- 魚油はエマルジョンの10乃至20重量%であることを特徴とする請求項8又は9に記載の医薬。
- 乳化剤として植物又は動物由来のリン脂質が用いられることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項又は複数項に記載の医薬。
- 乳化剤として卵レシチン、卵ホスファチド、大豆ホスファチド、大豆レシチン及びその他のリン脂質が用いられることを特徴とする請求項11に記載の医薬。
- 乳化剤として卵レシチンが用いられることを特徴とする請求項12に記載の医薬。
- 乳化剤はエマルジョンに対し0.4乃至2重量%の量で用いられることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項又は複数項に記載の医薬。
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