JP3558936B2 - 薄膜形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜形成装置、詳しくは基板と薄膜が形成されたシートフィルムを押し付けて薄膜を基板に転写する薄膜形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子部品に関わる薄膜形成法は、主に、スパッタリング法、化学気相成長法、蒸着法、塗布法、メッキ法などに大別することができる。薄膜形成を行いたい基板の面積が小さい場合は、これらの方法のうちのいずれかを選択すれば、およそ実現したい電子部品について対応可能であった。
しかし、近年、半導体基板は、例えば、200mmから300mmへと大口径化の一途を辿っており、LSIの製造に用いるウエハの大口径化や液晶パネルなどの大面積化に伴い、大面積に適合した薄膜形成法が必要となってきた。
また、LSI製造技術における多層配線技術の分野においては、多層配線を実現するために絶縁膜の表面を高い精度で平坦化する必要があり、大面積化に加えて、薄膜形成における表面の平坦化技術への要求も高まってきている。
【0003】
これまでに、この平坦化法の代表的な技術として、
(1)SOG(Spin−On‐Glass)法やPIQ法(K.Sato,S.Harada,A.Saiki,T.Kitamura,T.Okubo,and K.Mukai,”A Nove1 Planar MultilevelInterconnection Technology Utilizing Polyimide”,lEEE Trans.Part HybridPackage.,”PHP‐9,176(1973))
(2)エッチバック法(P.Elikins,K.Reinhardt,and R.Layer,”A planarization Process for double metal CMOS using Spin−on Glass asa Sacrificial Layer,”Proceeding of 3rd lnternational IEEE VMIC Conf.、100(1986))
(3)リフトオフ法(K.Ehara,T.Morimoto,S.Muramoto,and S.Matsuo,”Planar lnterconnection Technology for LSI Fabrication UtilizingLift−off Process”,J.Electrochem.Soc”Vol.131,No.2,419(1984))(4)バイアススパッタ法(C.Y.Ting,V.J.Vivalda and H.G.Schaefer,”Study of Planarized Sputter‐Deposited ‐SiO2”,J.Vac.Sci.Technol.15,1105(1978))。
(5)バイアスECR法(K.Machida and H.0ikawa,”SiO2 PlanarizationTechnology with Biasing and Electron Cyclotron Resonance PlasmaDeposition for Submicron Interconnections,”J.Vac.Sci.Technol.B4,818(1986))
(6)研磨法(W.J.Patrick,W.L.Guthrie,C.L.Standley,P.M.Schiable,”Application of Chemical Mechanical Polishing to the Fabrication ofVLSI Circuit Interconnections”,J.E1ectrochem.Soc., Vol.138,No.6,June,1778(1991))。
などが検討された。
【0004】
しかしながら、上記の従来技術のうち、SOG法は平坦化を実現することが困難である。エッチバック法はダスト発生の問題がありダスト管理が難しい。リフトオフ法は、リフトオフ時に使用するステンシル材が完全に溶解しない。バイアススパッタ法およびバイアスECR法は、スループットが低いことや素子へのダメージが大きい。研磨法は絶縁膜の膜質が悪いと、良好な研磨特性が得られないといった問題があり、いずれも実用化されていない。また、上記の従来技術を大面積の半導体基板に適用する場合は、いずれも制御性の観点から表面の平坦性や膜厚の均一性の確保が困難である。その結果、大面積化に対処するために複雑な工程を追加しなければならず、コスト的に高くなるという問題があった。
【0005】
そこで、このような問題を解決するものとして、特開平10−189566号公報に記載された薄膜形成装置が提案されている。この薄膜形成装置は、図6に示すように、薄膜形成対象の基板103が載置されるとともにヒータ制御部107によって制御され前記基板103を所定の温度で加熱する加熱手段106を備えた試料台102と、この試料台102の上方に対向配置され、図示しないシートフィルムが装着される転写板105を排気手段によって真空排気される薄膜形成室101内に配設し、前記試料台102を加重機構109によって上昇させ、前記基板103をシートフィルムに所定の時間押し付けることにより、シートフィルムの表面に形成されている薄膜を基板103の表面に転写するものである。また、試料台102と試料台支え板104を複数個の圧縮コイルばね108によって結合し、転写板105に試料台102が押し付けられるときに加重圧力が均一になるようにしている。さらに、試料台102が押し上げられたときに転写板105が受ける加重を加重センサ111によって検出し、その検出結果に基づいて加重制御部113が加重機構109を制御することにより、加重をかけすぎないようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した特開平10−189566号公報に記載された薄膜形成装置においては、単に複数個の圧縮コイルばね108によって試料台102を弾性支持しているので、試料台102を押し上げて基板103を転写板105のシートフィルムに押し付けたとき、試料台102が水平方向にずれて薄膜を所定位置に転写することができないという問題があった。また、基板103をシートフィルムに押し付けると、圧縮コイルばね108は圧縮されその弾撥力によって基板103をシートフィルムに押し付けるが、このときの弾撥力がばね自体の製造誤差等によってそれぞれ異なるため、薄くて柔らかく弾性変形するシートフィルムに基板103を押し付ける場合は、弾撥力のばらつきによりシートフィルムの各部の変形量が異なり、基板103の全面を均一な加重圧力でシートフィルムに押し付けることができず、表面が平坦で均一な膜厚の薄膜を基板103に転写することができないという問題があった。
【0007】
本発明は上記した従来の問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、シートフィルムに形成した薄膜を大面積の基板に対して表面が平坦で均一な膜厚をもって転写することができるようにした薄膜形成装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、第1の発明に係る薄膜形成装置は、互いに相対移動自在に対向して配設され、いずれか一方のプレートの対向面に基板が装着され、他方のプレートの対向面に薄膜を有するシートフィルムが装着される第1、第2のプレートと、前記第1のプレートまたは第2のプレートの少なくともいずれか一方を移動させて前記基板と前記シートフィルムを所定の時間押し付けて前記薄膜を基板に転写する加重機構と、互いに対向する面に前記第1のプレートの対向面中央または前記第1のプレートに装着された基板の表面中央を中心とする球面がそれぞれ形成された凸プレートおよび凹プレートと、これらのプレートを互いに接触する方向に付勢する付勢手段を有して前記第1のプレートを回動可能に保持し、前記基板と前記薄膜が全面にわたって等しい圧力で押し付けられるように前記第1のプレートの第2のプレートに対する傾きを自動的に補正する傾斜補正機構とを備えたものである。
【0009】
第2の発明は、上記第1の発明に係る薄膜形成装置において、第1のプレートが凸プレートに一体的に設けられているものである。
【0010】
第3の発明は、上記第1の発明に係る薄膜形成装置において、第1のプレートが凸プレートと凹プレートとの間に回動可能に介装される球面部を備えているものである。
【0011】
第4の発明は、上記第1,第2または第3の発明に係る薄膜形成装置において、凹プレートが軸受によって軸線方向に移動自在に保持されているものである。
【0012】
第5の発明は、上記第1または第2の発明に係る薄膜形成装置において、傾斜補正機構が凸プレートと凹プレートの球面間に介装された複数個のボールを備えているものである。
【0013】
第6の発明は、上記第3の発明に係る薄膜形成装置において、傾斜補正機構が凸プレート、凹プレートの球面と第1のプレートの球面部との間にそれぞれ介装された複数個のボールを備えているものである。
【0014】
第1〜第3の発明において、基板とシートフィルムを押し付けることにより、シートフィルムに形成されている薄膜が基板表面に転写される。傾斜補正機構は、第1のプレートが第2のプレートに対して傾斜していると、第2のプレートが押し付けられたとき、第1のプレートを凸プレートと凹プレートの球面に沿って回動させる。したがって、第1のプレートは傾斜が補正されて第2のプレートと平行になり、基板とシートフィルムを全面にわたって均一な加重圧力で押し付けることができる。また、第1のプレートは前記球面の中心を回動中心として回動するので、加重方向と直交する方向にずれたりすることがない。
【0015】
傾斜補正機構の凸プレートは、第1のプレートが一体的に設けられる形態と、第1のプレートが別個に設けられる形態が考えられる。第1のプレートが一体的に設けられる場合は、第1のプレートと凸プレートが凹プレートの球面に沿って回動し、第1のプレートの傾きを補正する。別個に設けられる場合は、第1のプレートに設けた球面部が凸プレートと凹プレートとの間に回動可能に介装され、この球面部が凸プレートと凹プレートの球面に沿って回動することにより第1のプレートの傾きが補正される。
【0016】
凸プレートと凹プレートを互いに接触する方向に付勢する付勢手段としては、通常圧縮コイルばねが用いられる。このばねは凸プレートと凹プレートの間隔を一定に保つために用いられるものであるため、プレートの押上げ動作によって基板とシートフィルムが押し付けられても変形せず、第1、第2のプレートに何等影響を及ぼすことがない。
【0017】
第4の発明において、凹プレートは軸受によって軸線方向に移動自在に軸支されており、第1のプレートと第2のプレートが押し付けられると、移動して過大な加重が加わらないようにする。
【0018】
第5および第6の発明において、ボールは凸プレートと凹プレートまたは凸プレート、凹プレートおよび第1のプレートの球面部との間に介装されることにより、第1のプレートまたは凸プレートの回動を容易にする。ボールとしては耐摩耗性に優れた鋼球等が用いられる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態に係る薄膜形成装置の構成を示す概略断面図である。同図において、薄膜形成装置1は、内部が真空排気可能な薄膜形成室2を形成するチャンバー3を備え、このチャンバー3内に第1、第2のプレート4,5と、第1のプレート4の第2のプレート5に対する傾きを自動的に補正し薄膜形成対象であるウエハ(基板)6とシートフィルム7に形成されている薄膜が全面にわたって等しい圧力で押し付けられるようにする機構(以下、傾斜補正機構という)9が配設されている。前記薄膜形成室2は、真空ポンプ10によって排気口11から真空排気できるようになっている。
【0020】
前記第1のプレート4は、前記第2のプレート5の上方にこれと軸線が一致するように前記傾斜補正機構9に回動可能に吊設され、第2のプレート5と対向する面(下面)に前記ウエハ6が装着されることにより試料台を構成している。このため、第1のプレート4の下面は、平坦性を確保するために研磨された石英板4Aが設けられており、この石英板4Aに前記ウエハ6が固定される。石英は、ウエハ6を汚染する物質を含まないこと、および加工性がよく必要とする平坦性が容易に得られることなどから、ウエハ6を装着する材料として優れている。
【0021】
また、第1のプレート4は、内部に加熱手段として加熱ヒータ12を具備している。この加熱ヒータ12はヒータ制御部13によって制御され、25°C〜300°Cの間で加熱制御される。さらに、第1のプレート4の上面中央には上端に上方に向かって凸となる球面部15を一体に有する支柱部4Bが一体に突設されている。球面部15の上下面は、前記第1のプレート4に装着されているウエハ6の表面中央(または第1のプレート4の対向面中央)を中心Oとする半径R1,R2の球面16a,16bに形成されている。
【0022】
前記第2のプレート5は、前記第1のプレート4の下方に配設され、上面に前記シートフィルム7が装着されることにより転写板を構成している。また、この第2のプレート5は前記シートフィルム7が載置される石英製のステージ5aと、シートフィルム7を加熱する加熱台5bとから構成されている。
【0023】
前記加熱台5bは内部に加熱手段として加熱ヒータ17を具備している。この加熱ヒータ17はヒータ制御部13によって制御され、25°C〜300°Cの間で加熱制御される。また、加熱台5bの下面中央には、軸18が一体に垂設されている。この軸18は軸受19によって上下動自在に軸支され、加重機構としての加重モータ20によって上下動されるように構成されている。軸受19は、チャンバー3の底板3aに設けた軸受孔21に嵌合されている。
【0024】
前記傾斜補正機構9は、上下に対応して配設され前記第1のプレート4の球面部15を回動可能に挟持する凹プレート23および凸プレート24と、これら両プレート23,24を位置決めする複数個の位置決めピン25および両プレート23,24を互いに接触する方向に付勢する付勢手段としての圧縮コイルばね26等を備えている。
【0025】
前記凹プレート23は、上面中央に一体に突設された支柱部23aを有している。この支柱部23aは、軸受27によって上下動自在に枢支され、上端には下方への落下を防止するフランジ28が一体に突設されている。軸受27は前記チャンバー3の上板3bに設けた軸受孔29に嵌合されている。そして、凹プレート23の前記球面部15と対向する下面中央には、内面が前記ウエハ6の表面中央を中心Oとする半径R3(R3>R1>R2)の球面31からなる凹部32が形成されている。
【0026】
前記凸プレート24は、前記凹プレート23の球面31と対向する上面がウエハ6の表面中央を中心Oとする半径R4(R4<R2)の球面33に形成され、ベースプレート34上に固定されている。球面部15と前記凹プレート23および凸プレート24との間には、複数個のボール35が介装されている。このボール35は耐摩耗性を有する鋼球等が用いられ、球面31または球面33のいずれか一方に回転自在に取付けられている。前記凸プレート24とベースプレート34の中央には、前記第1のプレート4の支柱部4Bが遊嵌状態で貫通する挿通孔36が形成されている。
【0027】
前記位置決めピン25は、前記凹プレート23とベースプレート34の外周部が上下動自在に貫通して取付けられ、上端部に前記圧縮コイルばね26が弾装されており、これによって凸プレート24とベースプレート34を互いに接近する方向に付勢し、凸プレート24の前記球面部34をボール35を介して前記球面31,33に押し付けている。
【0028】
次に、シートフィルムの薄膜が転写されるウエハ6について説明する。
図2はウエハの断面図である。ウエハ6は、半導体基板40上に電極配線41としてAl配線を形成した構造を有する。本実施の形態において、この電極配線41は、Alをスパッタ法で5000オングストロームの膜厚に形成した後、フォトリソグラフィ工程によりパターニングを行い、次に、ドライエッチングにより加工を行った。
【0029】
次に、シートフィルム7について説明する。
図3は薄膜となる絶縁膜42が形成されたシートフィルム7の断面図である。本実施の形態においては、シートフィルム7として熱可塑性樹脂フィルムを用い、その表面に薄膜となる絶縁膜42を形成している。薄膜としてはSOG材料の絶縁膜形成用塗布液を用い、これをシートフィルム7上に塗布することにより1μm以上の厚さで絶縁膜42を形成した。
【0030】
次に、上記した薄膜形成装置1を使用した薄膜形成手順について説明する。
本実施の形態においては、第1のプレート4の下面に図2に示したウエハ6が電極配線41を下に向けて装着される。また、第2のプレート5のステージ5a上には、図3に示したシートフィルム7が絶縁膜42を上に向けて装着される。
【0031】
このような状態から絶縁膜42をウエハ6に転写する際の薄膜形成装置1の動作は以下のようなものである。
(1)まず、ヒータ制御部13からの制御信号によって加熱ヒータ12,17に通電して第1、第2のプレート4,5を加熱し、ウエハ6を所望の温度に加熱する(図4(a))。
(2)また、真空ポンプ10によって薄膜形成室2内が所望の真空度となるように真空排気する。
(3)所望の真空度になった後、加重制御部38より加重モータ20に信号が送られ、加重操作を開始する。これによって第2のプレート5が上昇してシートフィルム7をウエハ6に押し付ける。このとき、第1のプレート4と傾斜補正機構9を構成する凹プレート23および凸プレート24は、第2のプレート5によって一体に押し上げられる。また、第1のプレート4が第2のプレート5に対して傾斜しているときは、第2のプレート5が第1のプレート4に当たったとき、傾斜補正機構9によって第1のプレート4の傾斜が自動的に補正される。すなわち、第1のプレート4は傾斜補正機構9によって回動可能に保持されているので、例えば図1において左方に小角度傾斜しているとすると、先ず第2のプレート5の左端側が第1のプレート4に接触して第1のプレート4を押し上げる。このため、第1のプレート4はウエハ6の表面中央を回動中心Oとして時計方向に回動してウエハ6とシートフィルム7との接触面積が右方に徐々に広がっていく。そして、第1のプレート4の傾斜が完全に補正され第2のプレート5と平行になると、ウエハ6とシートフィルム7が全面にわたって等しい圧力で押し付けられる。
(4)加重モータ20によって加重を続け、加重センサ37によって所望の加重が検知されると、加重制御部38は一定時間、その加重が継続されるように加重モータ20を制御する(図4(a))。その間もウエハ6とシートフィルム7は所定の温度となるように加熱されている。
本発明の実施において、薄膜形成室2内の真空度として10Torr以下に設定し、薄膜転写は加重5Kg、加熱温度150°C、加熱時間10分で行った。
(5)一連の加重操作が終了すると、加重の状態が零となるように加重制御部38は加重モータ20に信号を送る。このとき真空排気も停止するように制御される。
(6)しかる後に絶縁膜42を挟んでシートフィルム7と一体となった状態のウエハ6を薄膜形成室2から取り出し、図4(b)に示すようにシートフィルム7を剥離することによって、図4(c)に示すような絶縁膜42が形成されたウエハ6を得る。
(7)シートフィルム7を剥離した後、さらに熱処理工程を実施して絶縁膜42を焼成する。本実施の形態では、温度400°C、時間30分で熱処理を行なった。
【0032】
このように本発明に係る薄膜形成装置1にあっては、傾斜補正機構9を備え、これにより第1のプレート4の第2のプレート5に対する傾きを自動的に補正するように構成したので、ウエハ6とシートフィルム7を全面にわたって等しい圧力で押し付けることができる。また、第1のプレート4は球面16a,16b,31,33の中心Oを回動中心として回動するので、第2のプレート5に対して左右、前後方向にずれることはない。その結果として、大面積のウエハ6であっても表面が平坦で均一な膜厚の薄膜をウエハ6の所定の位置に正確に転写することができる。また、傾斜補正機構9の圧縮コイルばね26は、単に凸プレート24を凹プレート23に球面部15を介して押し付けているだけであるため、第2のプレート5の押上げ動作によっては変形せず、したがって第1のプレート4に対して何等影響を及ぼすことがない。
【0033】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
図5は本発明の第2の実施の形態を示す概略断面図である。なお、図1〜図3に示した構成部材と同等のものについては同一符号をもって示し、その説明を適宜省略する。
薄膜形成装置50は、チャンバー3内に配設された第1および第2のプレート4,5と、第1のプレート4を回動可能に保持し傾斜を補正する傾斜補正機構51を備え、上記した第1の実施の形態と同様に第1のプレート4の下面にウエハ6を装着し、第2のプレート5上にシートフィルム7を装着し、薄膜の転写時に第2のプレート5を加重モータ20によって上昇させてシートフィルム7をウエハ6に押し付けるように構成されている。
【0034】
前記第1のプレート4は、凸プレート24の下面に固定され、下面に前記ウエハ6が装着されることにより試料台を構成している。このため、第1のプレート4の下面は、平坦性を確保するために研磨された石英板4Aが設けられており、この石英板4Aに前記ウエハ6が装着される。そして、内部にはヒータ制御部13によって制御される加熱ヒータ12が組み込まれている。
【0035】
前記第2のプレート5は、上記した実施の形態と同一に形成されることにより、前記シートフィルム7が装着される石英製のステージ5aと、シートフィルム7を加熱する加熱台5bとからなり、加熱台5b内にヒータ制御部13によって制御される加熱ヒータ17が組み込まれている。また、加熱台5bの下面中央には、軸18が一体に突設されている。この軸18は前記チャンバー3の底板3aに設けた軸受19によって上下動自在に軸支され、加重モータ20によって上下動されるように構成されている。
【0036】
前記傾斜補正機構51は、前記第1のプレート4を保持する前記凸プレート24と、この凸プレート24の上方に位置して前記チャンバー3の上板3bに軸受27を介して上下動自在に取付けられた凹プレート57と、前記凸プレート24を上方に付勢し凹プレート57を下方に付勢する圧縮コイルばね26等で構成されている。
【0037】
前記凸プレート24の上面は、第1のプレート4に装着されたウエハ6の表面中央を中心Oとする半径R5の球面33に形成されている。また、凸プレート24の上面中央には、円柱状の支持部54が一体に突設され、上端にフランジ55が一体に設けられている。なお、本実施の形態においては、第1のプレート4の上面に凸プレート24を固定した例を示したが、これに限らずこれら両部材を一体に形成してもよいことは勿論である。
【0038】
前記凹プレート57は、上面中央に一体に突設された円筒部57Aを有し、この円筒部57Aは前記軸受27によって上下動自在に支持され、上端にチャンバー3内へ落下するのを防止するフランジ60が一体に突設されている。凹プレート57の前記凸プレート24と対向する下面中央には、内面が前記中心Oを中心とする半径R6(R5<R6)の球面61からなる凹部62が形成されている。凸プレート24の球面33と凹プレート57の球面61との間には、複数個のボール30が介装されている。
【0039】
前記支持部54の前記貫通孔63から上方に突出する上端部には、前記圧縮コイルばね26が弾装されている。この圧縮コイルばね26は、前記凹プレート57のフランジ60をチャンバー3の上面に圧接し、支持部54のフランジ55を上方に付勢することにより、前記ボール30を介して凸プレート24の球面33を凹プレート57の球面61に押し付けている。
【0040】
このような薄膜形成装置50による薄膜の転写にあたっては、前記第2のプレート5を加重モータ20によって押し上げることにより、シートフィルム7をウエハ6に押し付ける。これにより第1のプレート4は凸プレート24および凹プレート57と一体的に上昇する。このとき、第1のプレート4が受ける加重は加重センサ37によって検出され、その検出信号に基づいて加重制御部38が加重モータ20を制御する。第1のプレート4が上昇しても圧縮コイルばね26は何等変化しない。
【0041】
第2のプレート5を第1のプレート4に押し付けるとき、第1のプレート4が第2のプレート5に対して平行ではなく、例えば図5において左方に小角度傾斜していると仮定すると、先ず第2のプレート5の左端側が第1のプレート4の左端側に接触して第1のプレート4を押し上げる。このため、第1のプレート4は時計方向に回動して、ウエハ6とシートフィルム7との接触面積が右方に徐々に広がっていく。そして、第1のプレート4の傾斜が完全に補正され第2のプレート5と平行になると、シートフィルム7がウエハ6に全面にわたって等しい加重圧力で押し付けられ、薄膜の転写が行われる。したがって、本実施の形態においても上記した第1の実施の形態と同様に、表面が平坦で均一な膜厚の薄膜をウエハ6の所定位置に正確に転写することができる。
【0042】
なお、上記した二つの実施の形態では、第1のプレート4にウエハ6を装着することにより試料台として用い、第2のプレート5にシートフィルム7を装着することにより転写板として用いた例を示したが、本発明はこれに何等限定されるものではなく、第1のプレート4を転写板として用い、第2のプレート5を試料台として用いてもよい。その場合は、球面16a,16b,31,33,61の中心Oを第1のプレート4の対向面中央にすればよい。また、ウエハ6が装着される場合であっても、ウエハ6が薄い場合は第1のプレート4の対向面中央を中心としてもよい。
また、上記二つの実施の形態では、第1のプレート4を傾斜補正機構9または51によって回動可能に保持される第1のプレート4を上方に配置し、加重モータ20によって作動される第2のプレート5を第1のプレート4の下方に配置したが、上下逆にして第1のプレート4が下、第2のプレート5が上になる配置構成とすることも可能である。
【0043】
また上記した二つの実施の形態においては、加重モータ20を用いて加重するようにしているが、これに限らず、第1、第2のプレート4,5とを加圧する機構であれば他の手段であってもよい。
また、上記二つの実施の形態では、熱可塑性合成樹脂フィルムによるシートフィルム7を用いたが、これに限らず、金属系フィルムなどでもよいことはいうまでもない。
また、シートフィルム7に絶縁膜を形成するようにしたが、シートフィルム上に形成可能な薄膜であれば絶縁膜に限るものではなく、他の薄膜、例えば金属系の薄膜を形成してもよい。
さらに、上記二つの実施の形態では、半導体基板に薄膜を形成する例を示したが、これに限らず、電子部品材料関係であればマルチチップモジュール等の実装関係の基板や液晶関係の基板にも適用できることはいうまでもない。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る薄膜形成装置によれば、第1のプレートの対向面中央または基板が装着される場合はその表面中央を中心とする球面が形成された互いに対向する凸プレートおよび凹プレートと、これらのプレートを互いに接触する方向に付勢する付勢手段を有する傾斜補正機構を備え、この傾斜補正機構によって第1のプレートの第2のプレートに対する傾きを自動的に補正するように構成したので、基板と薄膜を全面にわたって等しい圧力で押し付けることができる。したがって、大面積の基板であってもその表面に高い平坦性をもった薄膜を容易にかつ低コストで形成することができる。
【0045】
また、傾斜補正機構は、凸プレートと凹プレートの球面間、または凸プレート、凹プレートの球面と第1のプレートの球面部との間にそれぞれ介装される複数個のボールを備えているので、摩擦抵抗が小さく第1のプレートを容易に回動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜形成装置の構成を示す概略断面図である。
【図2】ウエハの断面図である。
【図3】絶縁膜が形成されたシートフィルムの断面図である。
【図4】(a)〜(c)は絶縁膜を半導体基板に転写する工程を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る薄膜形成装置の構成を示す概略断面図である。
【図6】従来の薄膜形成装置の概略断面図である。
【符号の説明】
1…薄膜形成装置、2…薄膜形成室、3…チャンバー、4…第1のプレート、5…第2のプレート、6…ウエハ、7…シートフィルム、9…傾斜補正機構、12…球面部、16a,16b…球面、19…軸受、23…凹プレート、24…凸プレート、25…位置決めピン、26…圧縮コイルばね、27…軸受、31,33…球面、51…傾斜補正機構、57…凹プレート、61…球面。
Claims (6)
- 互いに相対移動自在に対向して配設され、いずれか一方のプレートの対向面に基板が装着され、他方のプレートの対向面に薄膜を有するシートフィルムが装着される第1、第2のプレートと、
前記第1のプレートまたは第2のプレートの少なくともいずれか一方を移動させて前記基板と前記シートフィルムを所定の時間押し付けて前記薄膜を基板に転写する加重機構と、
互いに対向する面に前記第1のプレートの対向面中央または前記第1のプレートに装着された基板の表面中央を中心とする球面がそれぞれ形成された凸プレートおよび凹プレートと、これらのプレートを互いに接触する方向に付勢する付勢手段を有して前記第1のプレートを回動可能に保持し、前記基板と前記薄膜が全面にわたって等しい圧力で押し付けられるように前記第1のプレートの第2のプレートに対する傾きを自動的に補正する傾斜補正機構とを備えたことを特徴とする薄膜形成装置。 - 請求項1記載の薄膜形成装置において、
第1のプレートは、凸プレートに一体的に設けられていることを特徴とする薄膜形成装置。 - 請求項1記載の薄膜形成装置において、
第1のプレートは、凸プレートと凹プレートとの間に回動可能に介装される球面部を備えていることを特徴とする薄膜形成装置。 - 請求項1,2または3記載の薄膜形成装置において、
凹プレートは、軸受によって軸線方向に移動自在に保持されていることを特徴とする薄膜形成装置。 - 請求項1または2記載の薄膜形成装置において、
傾斜補正機構は、凸プレートと凹プレートの球面間に介装された複数個のボールを備えていることを特徴とする薄膜形成装置。 - 請求項3記載の薄膜形成装置において、
傾斜補正機構は、凸プレート、凹プレートの球面と第1のプレートの球面部との間にそれぞれ介装された複数個のボールを備えていることを特徴とする薄膜形成装置。
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