JP3558730B2 - 結晶質高水和活性物およびこれを用いたセメント混和物、コンクリートの硬化を促進する方法 - Google Patents

結晶質高水和活性物およびこれを用いたセメント混和物、コンクリートの硬化を促進する方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は結晶質高水和活性物、この高水和活性物を用いたセメント用速硬材、セメント用急結材、コンクリートまたはモルタルの硬化を促進する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
セメントに混合してセメントを短時間で凝結、硬化させる混和材として、水和活性の非常に優れたカルシウムアルミネートが従来から使用されている。また、凝集性のある水和生成物の生成速度を調整することによりコンクリートやモルタルの初期強度を著しく高めたり、凝結時間を極端に短くすることも行われている。これによってトンネルの天井部、橋台下の天板に対するコンクリートやモルタルの吹き付け工法が広く行われれている。
【0003】
こうしたセメントの硬化促進剤としては、これまで非晶質のカルシウムアルミネート(特公昭58−28222号)、C11 ・CaF (特公昭53ー46848号)、カルシウムサルフォアルミネート(特公平2−35698号)が知られている。
【0004】
近年、工事日数の短縮化によるコスト低減や緊急の補修工事の必要性が高まっており、こうした中で時間単位の超速硬性セメントへの要求は極めて高いものがある。しかしながら、現在、普通ポルトランドセメントへ混和剤としては必ずしも十分な特性のものが市販されてなく、これが広く普及していないのが実情である。
【0005】
そのため、速硬性セメントとしては、セメントに硬化促進剤を添加する方式より3CaO・SiO 、11CaO・7Al ・CaF,C Sなどを主要鉱物とし、通称ジェットセメントといわれる超速硬性セメントが広く使用されている。このセメントは1〜2時間で硬化し、3時間で100kgf /cm を発現するが、普通ポルトランドセメントと異なって肌色に近いところから建造物を補修した場合に色調が異なり外観を損ねるといった問題があり、用途が限定されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、セメントに所定量を混合することによってセメントペースト、モルタル、コンクリートなどの凝結および硬化を著しく促進させ、しかも短時間で高い初期強度が安定して得られるようなセメント用混和材を提供すること、およびそれを用いてコンクリートまたはモルタルの硬化を促進しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、CaOーAl ーSO 系組成物を焼成して得られるカルシウムサルフォアルミネート(3CaO・3Al ・CaSO )と3CaO・Al ,CaO・Al ,12CaO・7Al の中の少なくとも1種のカルシウムアルミネートのセメント鉱物からなる結晶質高水和活性物(請求項1)、CaOーAl ーSO 系組成物を焼成して得られるカルシウムサルフォアルミネート(3CaO・3Al ・CaSO )が5〜50重量%、3CaO・Al ,CaO・Al ,12CaO・7Al の中の少なくとも1種のカルシウムアルミネートが95〜50重量%のセメント鉱物からなる結晶質高水和活性物(請求項2)、請求項1または2のいずれかに記載の高水和活性物100重量部に、石こうを無水換算で30〜120重量部混合したセメント用速硬材(請求項3)、請求項1または2のいずれかに記載の高水和活性物100重量部に、石こうを無水換算で30〜120重量部混合し、さらにアルカリ金属塩、石灰、アルミニウム化合物および亜硝酸カルシウムの中の少なくとも1種を混合したセメント用速硬材(請求項4)、コンクリートまたはモルタルを混練するに当たり、セメント100重量部に対し請求項3または4のいずれかに記載のセメント用速硬材を5〜100重量部添加することを特徴とするコンクリートまたはモルタルの硬化を促進する方法(請求項5)、コンクリートまたはモルタルを混練するに当たり、セメント100重量部に対し請求項3または4のいずれかに記載のセメント用速硬材を5〜100重量部、遅延剤をセメントに対し2重量部以下添加することを特徴とするコンクリートまたはモルタルの硬化を促進する方法(請求項6)、請求項1または2のいずれかに記載の高水和活性物に対し、炭酸アルカリ、アルミン酸ソーダの中の少なくとも1種と、石こう、石灰、水酸化アルミニウムの中の少なくとも1種とを混合したセメント用急結材(請求項7)およびコンクリートまたはモルタルを混練するに当たり、請求項7に記載のセメント用急結材をセメント100重量部に対し2〜25重量部添加することを特徴とするコンクリートまたはモルタルの硬化を促進する方法(請求項8)である。
【0008】
本願の発明者は、従来から水和活性の高いセメント鉱物について注目して種々検討を重ねてきたが、たまたま適量のカルシウムアルミネートとカルシウムサルフォアルミネートを一緒に含有する結晶質の焼成物を製造したところ、これが高い水和活性を示し、しかもこれをセメント用の混和材として使用した場合に、セメントの凝結時間を著しく速めかつ初期強度発現性の高いことを見出だしこの発明をなすに至ったものである。
【0009】
請求項1および2の発明は上記の結晶質高水和物の発明である。まず、請求項1の発明はCaOーAl ーSO 系組成物を焼成して得られるカルシウムサルフォアルミネート(3CaO・3Al ・CaSO )と3CaO・Al ,CaO・Al ,12CaO・7Al の中の少なくとも1種のカルシウムアルミネートのセメント鉱物からなる。カルシウムサルフォアルミネートとカルシウムアルミネートは結晶質のものを使用し、これらを同時に焼成してその化学反応性を高めたものとする。
【0010】
既に、特公昭57ー15057号ではC12 またはC12 ・CaFとカルシウムサルフォアルミネートをセメントに混合したグラウト用セメント組成物が提案されているが、これは溶融法による無定形非晶質カルシウムアルミネートを使用するもので、本願発明とは全く相違するものである。本願発明は、カルシウムアルミネートが結晶質のものであって、これとカルシウムサルフォアルミネートを加えて一緒に焼成して得るものである。
【0011】
本発明の結晶質高水和活性物の製造は例えば次の通りである。まず、適量のCaO源、Al 源およびSO 源となる工業用原料をよく混合する。一般には、CaO源としては石灰石、生石灰などが、Al 源としてはアルミナ、IIアルミ灰などが、またSO 源としては無水石こうが使用される。
【0012】
これらの原料を使用するとFe やアルカリなどの不純物が微量混入することが考えられるが、この特許発明の構成鉱物の生成を阻害しない範囲であればそれらは差支えない。
【0013】
原料調整後は一般のセメント製造用キルンを用いて焼成される。この場合は非晶質のカルシウムアルミネートを生成させるものではないので、溶融ほどの高温は必要なく1200〜1400℃の範囲で焼成すればよい。
【0014】
この発明の構成鉱物の生成では、まず原料中のSO の量によってカルシウムサルフォアルミネートの生成量が規定される。そして残りのCaO、Al により生成するカルシウムアルミネートの鉱物相が決まる。
【0015】
この発明を構成する2つのセメント鉱物のうち、アルミネートは主に速硬性に寄与し、カルシウムサルフォアルミネートは強度向上に主に作用する。このため、カルシウムアルミネートを多くすると速硬性が高くなり、またカルシウムサルフォアルミネートが多くなると速硬性は若干落ちるが数時間以降の強度が向上する。 従って、カルシウムアルミネートとカルシウムサルフォアルミネートの配合比を調整することによって、速硬性を保持しつつ必要な強度発現性を付与することができる。
【0016】
両者の生成比はカルシウムサルフォアルミネートが5〜50重量%、カルシウムアルミネートが95〜50重量%とする。ジェットセメント並に2〜3時間の強度発現を期待しようとすると、カルシウムサルフォアルミネートの生成比は10〜30重量%が好ましい。カルシウムアルミネートが5重量%未満では速硬作用が十分でなく初期強度発現性が低下し、またこれが50重量%を超えると他方の生成成分であるカルシウムサルフォアルミネートの生成比が減少して強度が低下する。カルシウムアルミネートの速硬作用とカルシウムサルフォアルミネートの強度向上作用の調整を考慮すると上記の生成比の範囲が好ましい。
【0017】
請求項3のセメント用速硬材は、上記の高水和活性物100重量部に石こうを無水換算で30〜120重量部混合したものである。石こうはエトリンガイドおよびモノサルフェート水和物の生成バランスを図るものであり、無水石こう、半水石こう、二水石こうのいずれでも使用できるが、水不溶性のII型無水石こうが最も好ましい。石こうの添加量は、カルシウムアルミネートの種類によっても若干変わるが、石こうがこの下限未満でも或いは上限を超えても強度の低下が大きくなり実用的でない。
【0018】
石こうの添加に加え、さらにアルカリ金属塩、石灰、アルミニウム化合物および亜硝酸カルシウムのいずれか1種または2種以上を添加することによって、速硬材としての性能は一層向上する。
【0019】
アルカリ金属塩としては、硫酸ソーダ、炭酸ソーダ、アルミン酸ソーダ、炭酸カリウム、炭酸リチウムなどである。これらは、速硬材とセメントとの合量100重量部に対して0.5〜3重量部添加することが好ましい。これが0.5重量部未満では効果なく、またこれが3重量部を超えると長期強度および耐久性が低下し好ましくない。
【0020】
また、石灰は生石灰、消石灰などが使用され、その添加量は同じく速硬材とセメントとの合量100重量部に対して0.5〜5重量部である。添加量が0.5重量部未満では上記と同様効果なく、また上限を超えると硬化体の寸法形状の安定性が低下し、強度劣化やひび割れの要因となるため上記の範囲が好ましい。さらに、アルミニウム化合物としては、水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウムなどが使用され、その添加量は上記と同様な割合で0.5〜3重量部が好ましい。亜硝酸カルシウムの添加量も上記と同様な割合で0.1〜3重量部が好ましい。こうして得られた速硬材を添加したセメントは時間単位で硬化させることができる。
【0021】
請求項5の発明は、コンクリートまたはモルタルを混練するに当たり、セメント100重量部に対し請求項3または4のいずれかに記載のセメント用速硬材を5〜100重量部添加してコンクリートまたはモルタルの硬化を著しく促進するものである。速硬材の添加量はセメント100重量部に対し5〜100重量部である。速硬材の添加量が5重量部未満であると硬化を促進する作用が十分でなく、またこれが100重量部を超えると凝結が速くなり、可使時間が十分とれなくなる。さらに好ましい添加量は30〜80重量部である。ここに用いるセメントは普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメントなどが全て使用される。
【0022】
請求項6の発明は、コンクリートまたはモルタルを混練するに当たり、セメント100重量部に対し請求項3または4のいずれかに記載のセメント用速硬材を5〜100重量部、遅延剤を2重量部以下添加することを特徴とするものである。遅延剤を併用することによって凝結開始時間を延長し、これによって必要とする可使用時間(ワーカビリティー)を得ることができる。ここに用いる遅延剤
は公知のものが使用され、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酒石酸などで、これらの添加量はセメント100重量部に対して2重量部以下である。これを2重量部を超えて添加すると凝結性が遅くなり過ぎて好ましくない。
【0023】
請求項7は、請求項1または2のいずれかに記載の高水和活性物に対し、炭酸アルカリ、アルミン酸ソーダの中の少なくとも1種と、石こう、石灰および水酸化アルミニウムの中の少なくとも1種を混合したセメント用急結材である。
【0024】
これらの添加量は、結晶質高水和活性物100重量部に対し炭酸アルカリが5〜50重量部、アルミン酸ソーダが10〜50重量部、石こうが35重量部以下、石灰が5〜40重量部、水酸化アルミニウムは20重量部以下が好ましい。
【0025】
石こうの添加量が35重量部を超えると強度発現が低下する。石灰の添加量は5重量部未満では十分な急結性を示さず、また40重量部を超えると強度発現が低下する。炭酸アルカリは、急結性付与における補完的役割を果たす副材であり、それらには例えば炭酸リチウム、炭酸ソーダ、炭酸カリウムなどがあげられる。その添加量は5重量部未満では十分な急結性を示さず、また50重量部を超えると長期強度および耐久性が低下する。
【0026】
アルミン酸ソーダの添加量が10重量部未満では十分な急結性を示さず、また50重量部を超えると、凝結が速すぎてモルタルまたはコンクリートがこわばり、これらを吹き付けた際の性状を悪化させる。また、耐久性も低下する。水酸化アルミニウムの添加量は、20重量部を超えると強度発現性が低下する。
請求項8の発明は、コンクリートまたはモルタルを混練するに当たり、上記のセメント用急結材をセメント100重量部に対し2〜25重量部添加するしてコンクリートまたはモルタルの硬化を促進する方法である。急結剤の添加量が2重量部未満であると効果がなく、またこれが25重量部を超えると長期強度および耐久性が低下して好ましくない。
【0027】
【作用】
この発明はカルシウムサルフォアルミネート(3CaO・3Al ・CaSO )と3CaO・Al ,CaO・Al ,12CaO・7Al の等の結晶質カルシウムアルミネートのセメント鉱物からなる焼成物が水和活性が著しく高いことを利用し、これに必要な石こうをSO とAl のモル比で0.8〜1.6となるように配合し、さらにアルカリ金属、石灰、アルミニウム化合物、亜硝酸カルシウムなどを混合したセメント用速硬材とし、またこの速硬材を用いてコンクリートまたはモルタルの硬化を促進させるものである。
【0028】
【実施例】
(実施例1〜9,比較例1〜3)
CaO源に生石灰、アルミナ源に純アルミナ(日本軽金属株式会社製)、Na O源に炭酸ソーダ、Fe 源にベンガラを用い、これらを電気炉で焼成温度1250〜1350℃で焼成してカルシウムサルフォアルミネート−カルシウムアルミネート系焼成物(CSAーCA系焼成物)の高水和活性物を得た。この焼成物の鉱物組成と、水和活性度の指標である溶解熱を表1に示した。比較のために、カルシウムサルフォアルミネートとカルシウムアルミネートをそれぞれ別個に焼成した混合物1〜3を得、これについてその溶解熱を求めこれを同時に示した。また、水和活性度を定量的に示す値としては、1時間後の積算水和熱量を測定して示した。
【0029】
表1に見られるように、焼成物1〜9はいずれも高い溶解熱を示すことが分かる。また、比較例はいずれも溶解熱が低い。特に同一鉱物組成同士を対比した場合はその違いが一層明らかである。
【0030】
【表1】
Figure 0003558730
【0031】
(実施例10〜21、比較例4〜5)
表1に示す高水和活性物および混合物1,2に,表2に示す割合で無水石こうを配合してセメント用の速硬材とした(表2)。比較例として表1の混合物1、2に石こうを混合したものを用いた。
【0032】
【表2】
Figure 0003558730
【0033】
この実施例10〜21および比較例4,5の速硬材を早強ポルトランドセメントに混合して超速硬セメントとし、その凝結時間と3時間、6時間、1日、3日、28日の圧縮強度を、それぞれJIS R 5201−1987 によるセメントの物理試験方法に準拠して測定した。この結果を表3に示した。また、比較例として、表1で用いた混合物1,2を用いたものの他に、現在市販されているジェットセメントについての比較例6を示した。
なお、実施例と比較例には、遅延剤としてクエン酸を超速硬セメントに対し0.2重量%添加した。
【0034】
【表3】
Figure 0003558730
【0035】
表3に見られるように、実施例の速硬材を混合したものは、特に3時間および6時間の初期強度が高い。
(実施例22〜27)
表2に示した実施例12の速硬材に添加剤として硫酸ソーダ、生石灰、水酸化アルミニウムまたは亜硝酸カルシウムを添加し、これを上記の表3の速硬材の評価と同様に、早強ポルトランドセメントと混合して表4に示す速硬セメントとした。なお、この場合も同様に遅延剤としてクエン酸をセメントに対し0.2重量%添加した。
【0036】
【表4】
Figure 0003558730
表4に示したように早強セメントに速硬材を配合した速硬セメントの速硬性を調べた。その結果を表5に示した。
【0037】
【表5】
Figure 0003558730
(実施例28〜32)
表2の実施例12のCSAーCA系焼成物と石こうの比率が100:80の速硬材を用い、これを早強セメント100重量部に対し45重量部配合し、これに表6に示す各種の遅延剤を配合して、その凝結時間の始発および終結、圧縮強度を調べた。その結果を表6に示した。
【0038】
【表6】
Figure 0003558730
(実施例33〜41、比較例7)
表1に示す焼成物および混合物3を用い、これに表7に示す割合で無水石こう、生石灰、アルミン酸ソーダ、炭酸ソーダ、水酸化アルミニウムを配合して同表に示す急結材とした。
【0039】
【表7】
Figure 0003558730
【0040】
表7の実施例33〜41の急結材を用いて以下のようにして、水和直後の強度発現性を示すプロクター貫入抵抗値を、また1日、3日、28日のJIS モルタル圧縮強度を測定し急結材の評価を行った。
【0041】
口径10cm、高さ15cmの円筒形ポリ容器に、普通ポルトランドセメント400g および水240ml(水セメント比0.6)を入れ、直径5cmの羽根付ハンドリングで1000r.p.m.の回転数で1分間混合した。これに28g の上記各急結材を添加して5秒間撹拌しセメントペーストとしたのち静置した。
【0042】
これに1/20in のプロクター貫入針を使用し、1インチ貫入したときに抵抗値を急結材を添加した直後から1分、2分、3分、6分および10分後に測定した。結果を表8に示した。
【0043】
比較例として、表7の比較例7(実施例34と同じ組成の混合物)でその評価を行った。さらに、市販品の急結材であるTーROCK(秩父小野田社の商品名)を用い比較例8として同様の評価を行った。この発明によるときは市販品と比較しても十分な性能が期待できることが分かった。
【0044】
【表8】
Figure 0003558730
【0045】
【効果】
以上のように、この発明によれば優れた高水和活性物が得られ、これに所定量の石こうを添加し、さらにアルカリ金属塩、石灰、アルミニウム化合物、亜硝酸カルシウムなどを添加することによって優れたセメント用速硬材を得ることが出来る。従って、このセメント用速硬材を所定量セメントに配合することによってジェットセメントのように時間単位で凝結、硬化するセメントを容易に得ることが出来るようになる。
【0046】
また、上記の高水和物に石こう、石灰、炭酸アルカリ、アルミン酸ソーダ、水酸化アルミニウムなどを配合することによりセメント用急結材が得られ、これを用いることによってコンクリートまたはモルタルの硬化を著しく促進させて、一層迅速に工事などを行うことが可能である。

Claims (8)

  1. CaOーAl ーSO 系組成物を焼成して得られるカルシウムサルフォアルミネート(3CaO・3Al ・CaSO )と3CaO・Al ,CaO・Al ,12CaO・7Al の中の少なくとも1種のカルシウムアルミネートのセメント鉱物からなる結晶質高水和活性物。
  2. CaOーAl ーSO 系組成物を焼成して得られるカルシウムサルフォアルミネート(3CaO・3Al ・CaSO )が5〜50重量%、3CaO・Al ,CaO・Al ,12CaO・7Al の中の少なくとも1種のカルシウムアルミネートが95〜50重量%のセメント鉱物からなる結晶質高水和活性物。
  3. 請求項1または2のいずれかに記載の高水和活性物100重量部に、石こうを無水換算で30〜120重量部混合したセメント用速硬材。
  4. 請求項1または2のいずれかに記載の高水和活性物100重量部に、石こうを無水換算で30〜120重量部混合し、さらにアルカリ金属塩、石灰、アルミニウム化合物および亜硝酸カルシウムの中の少なくとも1種を混合したセメント用速硬材。
  5. コンクリートまたはモルタルを混練するに当たり、セメント100重量部に対し請求項3または4のいずれかに記載のセメント用速硬材を5〜100重量部添加することを特徴とするコンクリートまたはモルタルの硬化を促進する方法。
  6. コンクリートまたはモルタルを混練するに当たり、セメント100重量部に対し請求項3または4のいずれかに記載のセメント用速硬材を5〜100重量部、遅延剤をセメントに対し2重量部以下添加することを特徴とするコンクリートまたはモルタルの硬化を促進する方法。
  7. 請求項1または2のいずれかに記載の高水和活性物に対し、炭酸アルカリ、アルミン酸ソーダの中の少なくとも1種と、石こう、石灰および水酸化アルミニウムの中の少なくとも1種とを混合したセメント用急結材。
  8. コンクリートまたはモルタルを混練するに当たり、請求項7に記載のセメント用急結材をセメント100重量部に対し2〜25重量部添加することを特徴とするコンクリートまたはモルタルの硬化を促進する方法。
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