JP3557921B2 - ブレーキ装置のレバー比切換機構 - Google Patents

ブレーキ装置のレバー比切換機構 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の車両に用いて好適の、ブレーキ装置のレバー比切換機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、図7に示すように、自動車のブレーキ装置(サービスブレーキ)には、ブレーキペダル10,ブレーキペダルレバー11,倍力装置(又はブレーキブースタともいう)12,マスタシリンダ13及び配管14等が設けられている。また、図示はしないが、この配管14の先端側にはホイールシリンダ等が設けられている。
【0003】
そして、ドライバがブレーキペダル10を踏み込むと、このブレーキ操作力(ブレーキペダル踏力)がレバー11及び入力軸12aを介して上記ブレーキブースタ12に入力され、このブレーキブースタ12でブレーキペダル踏力が倍力される。ブレーキブースタ12により倍力されたブレーキ踏力は、マスタシリンダ13でブレーキ液圧に変換され、ブレーキ液圧が配管14を介してホイールシリンダ等に伝達される。そして、このようなブレーキ液圧の大きさに応じてブレーキシューやブレーキパッド等の制動部材が作動し、制動力が発生するのである。
【0004】
ところで、図8はブレーキ踏力とブレーキ液圧との関係をブレーキブースタ12の作動時と非作動時とで比較して示すグラフであるが、図8に示すように、ブレーキブースタ12の作動時と非作動時とでは、踏力Fまではブレーキ液圧の変化率(グラフの傾き)が大きく異なり、ブレーキブースタ12の作動時には、少ないブレーキ踏力であっても高いブレーキ液圧を得ることができる。
【0005】
また、ブレーキ踏力がFよりも大きくなるとブレーキブースタ12の倍力作用がなくなり、踏力に対するブレーキ液圧の変化率自体は小さくなるが、この場合であっても、十分に高いブレーキ液圧を発生させることができる。
なお、踏力が微小な範囲ではブレーキブースタ12が作動しない領域があるが、これは、いわゆるブレーキの遊びの領域である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のブレーキ装置では、ブレーキブースタ12が何らかの異常により非作動となった場合には、ブレーキブースタ作動時に比べてかなり低いブレーキ液圧しか得られないことがわかる(図8参照)。このときには、ブレーキ踏力に対するブレーキ液圧の変化率も小さくなり、ブレーキペダルを踏み込む力を強くしても得られる制動力は小さい。
【0007】
したがって、このような従来のブレーキ装置では、ブレーキブースタの故障時には十分なブレーキ液圧を発生させることができないという課題があった。
このような課題を解決するには、ブレーキペダルレバーのレバー比を大きく設定したり、マスタシリンダの内径を小さく設定したりすることが考えられる。
このうち、ブレーキペダルレバーのレバー比を大きく設定する場合について考える。図7において、ブレーキペダルレバー11の支点,入力点及び作用点をそれぞれP,P,Pとし、入力点Pから支点Pまでの距離及び支点Pから作用点Pまでの距離をそれぞれR,Rとすると、レバー比はR/Rで表すことができる。
【0008】
ここで、例えばブレーキペダルレバー11の支点Pを作用点P側に移動して、Rを大きく(又はRを小さく)することにより、レバー比を大きくすることができる。そして、このようにレバー比を大きくすることにより、少ない踏力で大きな力をマスタシリンダ13の入力軸12aに伝達することができ、従来よりもブレーキ液圧を高めることができるようになる。
【0009】
しかしながら、このようにブレーキペダルレバー11のレバー比を大きく設定した場合には、ブレーキペダルストロークが大きくなってしまい、通常時のブレーキング時の操作フィーリングが悪化してしまうという課題がある。
また、このような手法では、ブレーキブースタ12の故障時に対応できるようになるものの、ブレーキブースタ12が正常に作動しているときには、ドライバが要求する制動力以上の制動力が発生してしまい、ドライバが違和感を覚えることも考えられる。
【0010】
一方、マスタシリンダ13の内径を小さく設定した場合には、マスタシリンダ13内でブレーキ液に作用する受圧面積が小さくなり、液圧自体を大きくすることはできるものの、やはり、ペダルストロークが増加して、フィーリングが悪化してしまうという課題がある。
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、ブレーキペダル踏み込み時のフィーリングを悪化させることなく、ブレーキブースタの故障時にも確実にブレーキ液圧を高めることができるようにした、ブレーキ装置のレバー比切換機構を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明のブレーキ装置のレバー比切換機構は、一端にブレーキペダルが配置され中間に揺動中心を有するとともに他端にそれぞれ小レバー比端部及び大レバー比端部とをそなえたレバーと、ブレーキ作動圧を発生する作動圧発生手段の入力軸に固設されるヨークと、ヨークに対して入力軸の作動方向に移動可能に遊嵌されるカラーと、カラーに外嵌される中間部材と、中間部材とヨークとの間に圧縮配置されたスプリングと、カラーを介して中間部材を軸着するとともに小レバー比端部とを軸着するピンとをそなえ、大レバー比端部が、小レバー比端部よりもレバーの揺動中心近くに形成されるとともに、大レバー比端部とヨークとの間に、カラーの移動範囲よりも小さい間隙が形成されていることを特徴としている。
【0012】
したがって、通常のブレーキ操作において、ドライバがブレーキペダルを踏み込むと、レバーが揺動中心を支点として揺動して、このレバーの他端に形成された小レバー比端部からカラー及びピンを介して中間部材にブレーキ踏力が伝達される。そして、このブレーキ踏力が、スプリングを介してヨーク及び作動圧発生手段の入力軸に伝達されてブレーキ作動圧が発生する。このとき、レバー比は、ブレーキペダルからレバーの揺動中心までの距離と、この揺動中心から小レバー比端部までの距離との比となる。また、大レバー比端部とヨークとの間には間隙が形成されているため、このときには、大レバー比端部とヨークとが当接することもない。
【0013】
そして、上述したようなブレーキペダルの踏み込み時には、スプリングが縮みながらカラーが入力軸の作動方向に移動することになるが、ブレーキ踏力が所定値よりも大きくなると、スプリングが圧縮されて、カラー及び中間部材が移動することにより大レバー比端部とヨークとの間の間隙がなくなり、大レバー比端部がヨークに当接する。
【0014】
したがって、これ以降は、ブレーキ踏力は大レバー比端部から直接ヨーク及び作動圧発生手段の入力軸に伝達される。この場合、レバー比は、ブレーキペダルからレバーの揺動中心までの距離と、この揺動中心から大レバー比端部までの距離との比となる。ここで、大レバー比端部は小レバー比端部よりもレバーの揺動中心近くに形成されているため、このような場合には、レバー比が大きくなり、大きなブレーキ作動圧が発生するのである。
【0015】
また、請求項2記載の本発明のブレーキ装置のレバー比切換機構は、上記請求項1記載のものにおいて、ヨーク,カラー,中間部材及びスプリングを予めアッセンブリ状態に組み立てておくことにより、簡単に本装置を取り付けることができ、また、従来のブレーキ装置の構造をほとんど変更することなく本装置を車体側に付加することができるようになる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面により、本発明の一実施形態としてのブレーキ装置のレバー比切換機構について説明すると、図1はその要部構成を示す模式的な断面図,図2はその要部構成を示す模式的な斜視図,図3〜図5はいずれもその構成部品の形状を示す図,図6はその特性を説明するための図である。
【0017】
さて、図1(a),(b)は、ブレーキペダルレバー1と図示しないブレーキブースタとの接続部近傍を示すものであって、図7におけるJ部に相当する部分を示している。ここで、図1(a),(b)において、1はブレーキペダルレバー(レバー)、2はヨーク、3はカラー、4はクレビス(中間部材)、5はスプリング、6は接続ピン(ピン)である。
【0018】
このうち、レバー1の一端には、図示はしないがブレーキペダルが配設されている。また、レバー1の他端には、図2,図5に示すように、二股状に形成された腕部(小レバー比端部)1a,1aと、これらの腕部1a,1aの中間に形成されたカム(大レバー比端部)1bとをそなえており、接続部1aとカム1bとは、円筒1dを介して接続されている。
【0019】
腕部(小レバー比端部)1aは、レバー1をヨーク2及びクレビス4に接続するべく設けられたものであり、この腕部1aには、図5(a)〜(c)に示すように、接続ピン挿通用の穴部1cが形成されている。
また、このレバー1は、図示しないボルトを円筒1dに挿通して車体側のブラケット(図示省略)等にこのボルトを締結することにより、車体に対して揺動可能に取り付けられるようになっており、図示しないブレーキペダル踏み込み時には、レバー1はこの円筒1dの中心を支点として揺動するようになっている。
【0020】
また、カム(大レバー比端部)1bは、腕部1aよりも短い寸法で形成されている。つまり、図5(b),(c)に示すように、レバー1の揺動中心から腕部1aの穴部1cの中心までの距離Raと、この揺動中心からカム1bの先端までの距離Rbとでは、カム1bの先端までの距離Rbの方が小さく設定されているのである。
【0021】
そして、ブレーキペダル踏み込み時(即ち、レバー1の揺動時)に、腕部1aを介してブレーキ踏力を伝達する態様と、カム1bを介してブレーキ踏力を伝達する態様とを切り換えることにより、このブレーキペダルレバー1のレバー比が変更されるようになっているのである。なお、このようなレバー比の変更については後述する。
【0022】
次に、ヨーク2について説明すると、図1及び図3(a),(b)に示すように、このヨーク2の底面にはネジ穴2aが形成されており、このネジ穴2aに作動圧発生手段としてのブレーキブースタのマスタシリンダの入力軸(図7の符号12a参照)が螺合するようになっている。
また、このヨーク2には、スプリング5〔図1(a),(b)及び図2参照〕の一端を保持しうるスプリングシート部2bが形成されており、ネジ穴2aの中心軸方向、即ちマスタシリンダの入力軸作動方向に沿ってスプリング5を保持するようになっている。
【0023】
また、ヨーク2には、2つの腕部2c,2cが設けられており、これらの腕部2c,2cには、ピン6及びカラー3が挿通しうる長穴2d,2dが形成されている。これらの長穴2d,2dは、長径がスプリング5の配設方向(即ち、マスタシリンダの入力軸の作動方向)と一致するように形成されており、長穴2dにカラー3を挿通すると、この長穴2dとカラー3との間に、スプリング5の配設方向に沿って空間部2f〔(図1(a)参照〕が形成されるようになっている。
【0024】
そして、この腕部2cがカラー3及びピン6を介してレバー1の腕部1aに回転可能に取り付けられるようになっている。
また、このヨーク2のスプリングシート部2bの内側には、スプリング5の配設方向に沿って突出する凸部2eが形成されている。この凸部2eは、図1に示すように、ヨーク2とレバー1とを接続したときに、カム1bに対向する位置に形成されるとともに、これらヨーク2とレバー1との間に所定寸法の間隙7が形成されるようになっている。そして、ピン6及びカラー3がスプリング5の付勢力に抗して長穴2d内の空間2fを所定量移動すると、カム1aと凸部2との間に設けられた間隙7がなくなって、カム1aが凸部2eに当接するようになっているのである。
【0025】
次に、クレビス4について説明すると、図1(a)に示すように、このクレビス4は、ヨーク2の腕部2c,2c内に収納可能な寸法に形成されており、ピン6及びカラー3を介して、レバー1及びヨーク2に取り付けられるようになっている。
すなわち、図4(a)〜(e)に示すように、このクレビス4には、カラー3が嵌挿しうる穴部4aが穿設されており、クレビス4とヨーク2との間にスプリング5を配設した状態でスプリング5を圧縮しながら長穴2dと穴部4aとを一致させて、穴部4aにカラー3,3を挿通(又は圧入)することにより、スプリング5が圧縮された状態でクレビス4とヨーク2とが取り付けられるようになっている。
【0026】
また、この状態でヨーク2の外側に腕部1a,1aが位置するようにレバー1を配置するとともに、腕部1aに形成された穴部1cの中心とカラー3の中心とを一致させて、穴部1c及びカラー3にピン6を挿通することにより、レバー1,ヨーク2及びクレビス4が一体に組み付けられるようになっているのである。なお、図1(a)に示すように、このような組み立て状態では、ピン6の先端部分に抜け止め用のワッシャ6aとピン6bとが取り付けられるようになっている。
【0027】
そして、このような状態では、スプリング5の付勢力により、カラー3及びピン6は、長穴2d内でヨーク2から離隔する方向に付勢されるようになっている。
ところで、図4(a)〜(e)に示すように、クレビス4には、レバー1のカム1bとの干渉を回避するための溝部4bが形成されている。ここで、この溝部4bは、図1(b)に示すような状態において、クレビス4とカム1bとの間に十分なクリアランスを確保しうるような寸法に形成されている。
【0028】
また、このクレビス4のスプリング5との当接部分には、スプリングシート部4cが形成されている。ここで、このスプリングシート部4cは、スプリング5の外径よりも僅かに大きい径を有する円形の窪みとして形成されている。また、このスプリングシート4cの内側には、ヨーク2の凸部2eとクレビス4との干渉を回避するための凹部4dも形成されている。
【0029】
そして、上述したように、図1(a),(b)に示すアッセンブリ状態において、カム1aと凸部2eとの間に間隙7が形成されるように、カム1aと凸部2eとの寸法が設定されている。ここで、本実施形態の場合には、一例としてブレーキペダル踏力で400Nの力が作用した場合に、カム1aと凸部2eとが当接するように間隙7の寸法が設定されている。
【0030】
したがって、ブレーキペダル踏力が所定値(本実施形態では400N)未満である場合には、カム1aと凸部2eとが当接することがなく、ブレーキ踏力は、レバー1の腕部1aからピン6,カラー3,クレビス4,スプリング5及びヨーク2を介して図示しないマスタシリンダの入力軸に伝達されることになる。
また、ブレーキ踏力が腕部1aを介してピン6及びカラー3に伝達されると、スプリング5の付勢力に抗してピン6及びカラー3が長穴2d内を長径方向〔図1(a)の左方向〕に移動して、これにともないカム1bと凸部2eとの間の間隙7が徐々に狭くなる。
【0031】
そして、ブレーキペダル踏力が所定値(400N)になると、カム1bが凸部2eに当接する。したがって、この場合には、ブレーキ踏力は、レバー1のカム1bから凸部2eを介して直接ヨーク2に伝達されることになる。
なお、長穴2dの長径は、カム1bと凸部2eとが当接する際のカラー3の移動量よりも十分に大きな寸法に設定されている。また、本実施形態では、間隙7の寸法は微小に設定されており(例えば0.5mm)、実際には、カラー3が移動すると略同時にカム1bが凸部2eに当接するようになっている。
【0032】
そして、このような構成により、ブレーキペダル踏力が所定値以上となると、これを境にブレーキペダルレバー1のレバー比が大きい方に切り換えられることになり、マスタシリンダに入力されるブレーキ踏力が大きくなるのである。以下、このようなレバー比の切り換えについて、図を用いて説明する。
まず、図示しないブレーキペダルの取り付け位置(入力点)からレバー1の揺動中心(支点)までの距離をRとする。ここで、ブレーキ踏力が所定値未満である場合には、腕部1aの穴1cの中心点がブレーキペダルレバー1の作用点となるため、支点から作用点までの距離はRaとなる〔図5(b),(c)参照〕。これにより、レバー比は、R/Raで表すことができる。
【0033】
一方、ブレーキ踏力が所定値以上の場合には、ヨーク2の凸部2eとカム1bとが当接してブレーキ踏力が伝達されるので、カム1bが凸部2eに当接する点が作用点となる。この場合、支点から作用点までの距離はRb〔図5(b),(c)参照〕であり、レバー比は、R/Rbとなる。
また、上述したように、これらRa,Rbの寸法については、Ra>Rbとなるように設定されているため、レバー比としては、(R/Rb)>(R/Ra)となる。なお、上述のレバー比のうち、小さい方のレバー比R/Raは、従来のブレーキペダルのレバー比と略同等の値に設定されている。
【0034】
したがって、ドライバがブレーキペダルを強く踏み込んで踏力が所定値以上となると、レバー比が小さい値(R/Ra)から大きい値(R/Rb)に切り換えられて、この分だけ、図示しないマスタシリンダの入力軸に大きな力を伝達することができるのである。
これにより、図示しないブレーキブースタ(倍力装置)が故障した場合であっても、ブレーキペダルを所定踏力以上で踏み込むことにより、ブレーキペダルレバー1のレバー比が切り換えられて、高いブレーキ油圧を発生させることができるようになるのである。
【0035】
本発明の一実施形態としてのブレーキ装置のレバー比切換機構は、上述のように構成されているので、例えば図6に示すような作動特性を得ることができる。なお、図中において点線で示す特性は、本機構を適用しない場合の特性を示すものであって、図8に示す従来技術の特性に相当するものである。
まず、ブレーキブースタ(倍力装置)に何ら異常のない場合、即ちブレーキブースタ作動時の特性について説明すると、このような場合には、従来と同様に、ブレーキブースタの作用によりブレーキペダル踏力が倍力されて、高いブレーキ液圧を発生させることができる。また、ある程度ブレーキ踏力が大きくなる(踏力F)と、ブレーキブースタの倍力作用がなくなり、踏力に対するブレーキ液圧の変化率(グラフの傾き)は小さくなるが、この場合であっても、十分に高いブレーキ液圧を発生させることができる。
【0036】
したがって、所定踏力(図中の切換点)に達するまでは、従来のブレーキ装置と同様の特性となり、ドライバが違和感を感じることのない操作フィーリングとすることができる。
また、ブレーキブースタが正常に作動している場合であっても、ドライバが所定踏力以上の踏力でブレーキペダルを踏んだ場合には、レバー比が大きな値(R/Rb)に切り換えられる。これにより、この切換点以降では、レバー1からの入力されるブレーキ踏力が大きくなって、大きな制動力が発生することになる。
【0037】
次に、ブレーキブースタ(倍力装置)の故障時の特性、即ちブレーキブースタ非作動時の特性について説明すると、従来は、図中点線で示すように、ドライバが大きな力でブレーキペダルを踏んだとしても、ブレーキ液圧の変化率(グラフの傾き)は一定であり、あまり大きなブレーキ液圧を発生させることはできなかった。
【0038】
これに対して、本発明では、ブレーキ踏力が所定踏力(400N)を越えると、ブレーキペダルレバー1のレバー比が切り換えられてレバー比が大きくなるため、この所定踏力を境にブレーキ液圧の変化率(グラフの傾き)が大きくなるのである。
したがって、ブレーキブースタが故障した場合であっても、所定踏力より大きい力でブレーキペダルを踏み込むことにより、従来よりも大きな力をマスタシリンダ入力軸に伝達することができるのである。
【0039】
この結果、従来よりも高いブレーキ液圧を発生させることができ、ブレーキブースタが故障時における制動力の低下を極力抑制することができるのである。なお、図6ではブレーキ踏力700N(一般的なドライバの最大踏力)時におけるブレーキ液圧向上代(図6中「効果」と示す)を示しているが、ブレーキ液圧の向上代は当然ブレーキ踏力に応じたものとなる。
【0040】
また、本発明のブレーキ装置のレバー比切換機構によれば、通常時のブレーキペダル踏み込み時のフィーリングの悪化を招くことなく、ブレーキペダルレバー1のレバー比を切り変えることで確実にブレーキ液圧を高めることができるようになる。さらに、レバー1のレバー比を切り換え可能に構成することにより、小さい方のレバー比を一般的なブレーキペダルレバーのレバー比よりもさらに小さく設定して、通常のブレーキ操作時のフィーリングを向上を図ることができるという利点がある。
【0041】
ところで、このようなレバー比切換機構を車両等に取り付ける場合には、ヨーク2,カラー3,クレビス4,スプリング5及びピン6を予めアッセンブリ状態に組み立てておくのが好ましい。
このようなアッセンブリ状態への組み立て作業としては、まず、ヨーク2とクレビス4との間にスプリング5を配置して、スプリング5を圧縮しながら、ヨーク2の長穴2dとクレビス4の穴部4aとを一致させて、穴部4aにカラー3,3を挿通(圧入)し、ヨーク2とが一体化したアッセンブリ状態となる。
【0042】
そして、このアッセンブリ全体をブレーキブースタとブレーキペダルレバー1との間に取り付けるようにすることにより、車両への組み付け作業が容易なものとなるという利点があるほか、従来のブレーキ装置の構造をほとんど変更することなく本機構を付加することができ、寿命や性能等の点で既に実績のある従来の部品(ライニングやパッド等)をそのまま適用することができるようになるという利点もある。また、これによりコストの上昇も極力抑制することができるという利点がある。
【0043】
なお、本発明のブレーキ装置のレバー比切換機構は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、上述の実施形態では、スプリング5としてコイルスプリングを用いているが、これに代えて皿バネを用いてもよい。また、レバー1の腕部1a,1aがヨーク2の腕部2c,2cの内側に配設されるように構成してもよい。
【0044】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1記載の本発明のブレーキ装置のレバー比切換機構によれば、通常時のブレーキペダル踏み込み時のフィーリングを悪化させることなく、レバー1のレバー比を切り変えることができ、確実にブレーキ液圧を高めることができるという利点がある。また、本機構を自動車等の車両に用いた場合には、車両の倍力装置が故障した場合でも制動力を高めることができ、車両の安全性が大幅に向上するという利点もある。
【0045】
また、請求項2記載の本発明のブレーキ装置のレバー比切換機構によれば、ヨーク,カラー,中間部材及びスプリングを予めアッセンブリ状態に組み立てておくことにより、簡単に本機構を車体等に取り付けることができるという利点があるほか、従来のブレーキ装置の構造をほとんど変更することなく本機構を付加することができるという利点がある。したがって、寿命や性能等の点で既に実績のある従来の部品(ライニングやパッド等)をそのまま適用することができ、コストの上昇を極力抑制することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b)はいずれも本発明の一実施形態としてのブレーキ装置のレバー比切換機構におけるアッセンブリ状態を示す模式的な断面図である。
【図2】本発明の一実施形態としてのブレーキ装置のレバー比切換機構における要部構成を示す模式的な斜視図である。
【図3】(a)〜(d)はいずれも本発明の一実施形態としてのブレーキ装置のレバー比切換機構における構成部品としてのヨークの形状を示す図である。
【図4】(a)〜(e)はいずれも本発明の一実施形態としてのブレーキ装置のレバー比切換機構における構成部品としての中間部材の形状を示す図である。
【図5】(a)〜(c)はいずれも本発明の一実施形態としてのブレーキ装置のレバー比切換機構における構成部品としてのレバーの形状を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態としてのブレーキ装置のレバー比切換機構における作動特性を説明するための図である。
【図7】一般的なブレーキ装置の要部構成を示す模式図である。
【図8】一般的なブレーキ装置の作動特性をブレーキブースタの作動時と非作動時とで比較して示す図である。
【符号の説明】
1 レバー
1a 腕部(小レバー比端部)
1b カム(大レバー比端部)
2 ヨーク
3 カラー
4 中間部材(クレビス)
5 スプリング
6 ピン

Claims (2)

  1. 一端にブレーキペダルが配設され中間に揺動中心を有するとともに他端に小レバー比端部及び大レバー比端部をそなえたレバーと、
    ブレーキ作動圧を発生する作動圧発生手段の入力軸に固設されるヨークと、
    該ヨークに対して該入力軸の作動方向に移動可能に遊嵌されるカラーと、
    該カラーに外嵌される中間部材と、
    該中間部材と該ヨークとの間に圧縮配置されたスプリングと、
    該カラーを介して該中間部材を軸着するとともに該小レバー比端部を軸着するピンとをそなえ、
    該大レバー比端部が、該小レバー比端部よりも該レバーの揺動中心近くに形成されるとともに、
    該大レバー比端部と該ヨークとの間に、該カラーの移動範囲よりも小さい間隙が形成されている
    ことを特徴とする、ブレーキ装置のレバー比切換機構。
  2. 該ヨークと該カラーと該中間部材と該スプリングとがアッセンブリ状態に組み立て可能に構成されていることを特徴とする、請求項1記載のブレーキ装置のレバー比切換機構。
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