JP3556384B2 - 水路系模擬装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば揚水発電プラントの水路系の流動解析に用いられる流動モデル式の構築および変更を容易に行うことができる水路系模擬装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図10は従来の水路系模擬装置を示す構成図であり、図において、1は水路系、2は上部貯水池、3は配管、4は配管3の複数箇所に配置される弁、6は放水路、10は従来の水路系模擬装置、11は配管3の流量、および水圧等の初期値を入力する初期値入力手段、12は弁4の開閉度を入力する弁開度入力手段、13は弁4の開閉度から弁4内を流れる流量を算出する弁内流量算出手段、14は初期値入力手段11および弁内流量算出手段13から入力した各種の情報を流動モデル式に基づいて解析し、配管3における流速、水圧および流量等の各種情報を求める水路系情報解析手段である。
【0003】
各分野において、配管系の管路内の流体の流速が急激に変化することにより生じる水撃破が、発電プラントのまわりに及ぼす影響を考慮しなければならない課題が多く存在し、管壁の伸縮および水の圧縮、膨張により、管路内の圧力が変化する水撃波の影響を考慮した流動モデル式の導出が必要であった。
【0004】
図11は従来の揚水発電プラントの水路系情報解析手段で使用される流動モデル式を導出するための管路の検査体積を示す説明図であり、図において、7は管路、8は管路7中の微小部分、9は微小時間後の微小部分である。管路7中の微小部分8が微小時間で微小部分9の位置まで移動し、その端面AおよびBがそれぞれCおよびDの位置まで移動したとすると、微小時間での検査体積はAC−BDの長さの変化が生じる。この長さの変化を水撃波に起因する管路7の管壁の伸縮および水の圧縮、膨張により生じる長さの変化に等しいとして流動モデル式を導出する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の水路系模擬装置は以上のように構成されているので、すなわち、移動する検査体積に基づいて流動モデル式を求めているので、配管3全体についての流動モデル式を求めなければならず、そのために、すでに構築済みの配管3の途中に分岐する配管を新たに追加した場合、最初から配管3全体についての流動モデル式を求めなければならず、配管3全体についての流動モデル式を容易に変更することができないなどの課題があった。
【0006】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、すでに構築済みの水路系の途中に分岐する配管を新たに追加した場合でも、水路系全体についての流動モデル式を容易に変更することができる水路系模擬装置を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明に係る水路系模擬装置は、水路系情報解析手段は、水撃波による管壁の伸縮および管路中を流れる水の圧縮、膨張により生じる固定の検査体積の体積変化を長さの変化としてとらえ、これに断面積および密度を掛け合わせたものを検査体積における流入出量の差として導出した流動モデル式を使用するようにしたものである。
【0008】
請求項2記載の発明に係る水路系模擬装置は、揚水発電プラントの水路系の流動モデル式を構築する場合、ノード・ジャンクション法にて解析を行うことを目的として流動モデル式の離散化を行い、水路系を複数のノードとしての体積要素に分割し、上記ノード間をジャンクションとしての仮想空間で接続し、上記ノードには質量保存の保存則および上記ジャンクションには運動量保存則を適用し算出すようにしたものである。
【0009】
請求項3記載の発明に係る水路系模擬装置は、離散化により導出された連立方程式の解法にスカイライン法を適用するようにしたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による水路系模擬装置を示す構成図であり、図において、1は水路系、2は上部貯水池、3は配管、4は配管3の複数箇所に配置される弁、20は水路系模擬装置、11は水路系1の配管3の流量および水圧等の初期値を入力する初期値入力手段、12は各弁4の開閉度を入力する弁開度入力手段、13は各弁4の開閉度から弁4内を流れる流量を算出する弁内流量算出手段、21は初期値入力手段11および弁内流量算出手段13から入力した各種の情報を水撃波を考慮した流動モデル式に基づいて解析し、配管3における水圧および流量等の各種情報を求める水路系情報解析手段である。
【0012】
次に、水路系情報解析手段21で使用される水撃波を考慮した流動モデル式の基礎式の導出手順を弾性水柱理論に基づいて説明する。
まず、図2はこの発明の実施の形態1による水路系模擬装置の水路系情報解析手段で使用される流動モデル式を導出するための管路の検査体積を示す説明図であり、図において、31は管路、32は管路31中の微小部分、33は微小時間後の微小部分である。管路31中の微小部分32を固定とし、微小時間で水撃波による管壁の伸縮および管路31中を流れる水の圧縮、膨張により微小部分33となったときの検査体積の体積変化を長さの変化として捉え、これに断面積および密度を掛け合わせたものを検査体積における流入出量の差として捉えることにより、流動モデル式の質量保存則の式(1)が導出される。
【0013】
【数1】
Figure 0003556384
【0014】
a:圧力波の伝搬速度
P:圧力
w:流量
V:微小部分の体積
【0015】
なお、この弾性水柱理論では、配管3の管内の水の圧縮性を考慮する、管内の圧力により管壁は伸び縮みする、配管3は常に水で充満され、また管内の最低圧は水の蒸気圧以上である、水力損失および速度水頭は圧力変化に比較して省略できる、管軸方向における水の速度は管断面上一様である、および水圧は管の横断面上一様であり、その値は管の中心線上における水圧に等しい、と仮定する。
【0016】
まず、管壁の伸縮による管路の微小部分の長さの変化を考慮すると、図3は管路31中の微小部分(長さdx )の各部の寸法および管壁にかかる縦方向および円周方向応力を表したものであり、この微小部分の管壁の縦方向および円周方向の応力変化による管壁の半径の変化は、
【0017】
【数2】
Figure 0003556384
【0018】
であり、その軸方向長さの変化は、
δX1=dx /E(△σ −μ△σ ) ・・・(3)
となる。
R:管路の内半径
e:管壁の厚さ
E:管壁材料の縦弾性係数
μ:管壁材料のポアソン比
△σ :圧力変化により生じた縦方向の応力変化
△σ :圧力変化により生じた円周方向の応力変化
【0019】
である。この応力のもとにおける微小部分の体積は、
π(R+△R) (δX1+dx ) ・・・(4)
【0020】
であり、この体積変化に相当する微小部分の長さの変化は、式(4)を断面積πR で割って求められる。
【0021】
【数3】
Figure 0003556384
【0022】
そして、この長さの変化量はその管が縦方向にどのように動きうるかによって決まり、ここで管の移動が制限されている代表的な3つの場合について、ρdHなる圧力変化により生じる微小部分の長さの変化量を求めると下記のようになる。
【0023】
まず、管の上端が固定されており、縦方向にはその全長に亘って移動が自由で、伸縮継手が設けられていない場合、
Figure 0003556384
【0024】
次に、管が全長に亘って、その縦方向の移動ができないように固定されている場合、
Figure 0003556384
【0025】
さらに、管の全長に亘って固定台間に伸縮継手が設けられている場合、
Figure 0003556384
【0026】
以上、式(6)、式(7)、式(8)の3つの場合において、それぞれ
=5/4−μ ・・・(9)
=1−μ ・・・(10)
=1−μ/2 ・・・(11)
【0027】
とおくことにより、ρdHなる圧力変化による微小部分の長さの変化量は、
δX1+(2△R/R)dx =[ρDdHdx /Ee]c ・・・(12)
D:導管の内径
ρ:水の密度
H:圧力水頭
であり、式(12)に示すように、管壁の伸縮による管路の微小部分の長さの変化量が求められた。
【0028】
次に、水の圧縮性の効果による長さdx の水の微小部分の長さの変化を考えると、長さdx の水の微小部分がρdHなる圧力変化を受けるとき、水の弾性による体積の変化量は、
(ρπR /k)dHdx ・・・(13)
【0029】
より、これに対応する長さの変化量は、式(13)を断面積πR で割って求められる。
[(ρπR /k)/πR ]dHdx =(ρ/k)dHdx ・・・(14)
以上、式(14)に示すように水の圧縮性による微小部分の長さの変化量が求められた。
【0030】
そして、式(12)および式(14)より、ρdHなる圧力変化により水の圧縮性および管壁の伸縮が原因で生じる水の微小部分の長さの全変化量は、
ρ[(1/k)+(DC1/Ee)]dHdx ・・・(15)
となる。
【0031】
これに、仮に一定とした管路の断面積および密度を掛け合わせたものが微小な検査体積に入ってくる量と出ていく量との差として捉えることができる。そこで、質量保存則の式は、
【0032】
【数4】
Figure 0003556384
【0033】
となる。ここで、水頭Hはx とtとの関数であり、ax /d =uであるから、
【0034】
【数5】
Figure 0003556384
【0035】
となり、また、
【数6】
Figure 0003556384
【0036】
V=dx A ・・・(19)
【0037】
と表すと、式(20)は以下のようになる。
【数7】
Figure 0003556384
【0038】
a:圧力波の伝搬速度
P:圧力
A:微小部分の断面積
w:流量
【0039】
なお、運動量保存則は以下のようになる。
(l/A)(∂w/∂t)
={−(1/A)[▽(w /∂A)]}−▽P−ρg△h−(h +h
・・・(21)
以上、式(20)および式(21)が水撃波モデルの基礎式である。
【0040】
次に動作について説明する。
図4はこの発明の実施の形態1による水路系模擬装置の動作手順を示すフローチャートである。
まず、水路系模擬装置20の初期値入力手段11において、揚水発電プラントの水路系1の配管3の流速、流量および水圧等の初期値を入力するとともに(ステップST1)、弁開度入力手段12において、各弁4の開閉度を入力する(ステップST2)。次に、弁内流量算出手段13において、各弁4の開閉度から弁4内を流れる流量を算出し(ステップST3)、水路系情報解析手段21において、初期値入力手段11および弁内流量算出手段13から入力した各種の情報を水撃波を考慮した水撃波モデルの基礎式に基づいて算出し、配管3における水圧および流量等の各種情報を解析する(ステップST4)。そして、解析終了時刻か否かを判断し(ステップST5)、解析終了時刻でなければ解析刻み時間毎にステップST2へ戻り、繰り返し実行する。
【0041】
なお、上記式(20)および式(21)の水撃波モデルの基礎式を適用して配管3における流速、水圧および流量等の各種情報を解析した結果、弁4を閉じ始めた際の水撃波が上流側に伝搬しており、しかもこの水撃波の伝搬速度に従って、圧力が下流側から順次上昇し始めている状態を解析することができた。また、弁4が全閉後、水撃波の伝搬による上流側圧力の振動が続き、この周期が弁4から上部貯水池2までの距離の4倍を水撃波の伝搬速度で割った時間と一致することを確認した。したがって、上記式(20)および式(21)の水撃波モデルの基礎式は水撃波の影響を定性的、定量的に考慮した基礎式と解するものである。
【0042】
以上のように、この実施の形態1によれば、水路系情報解析手段21での解析に使用される水撃波を考慮した水撃波モデルの基礎式は、微小時間で水撃波による管壁の伸縮および管路31中を流れる水の圧縮、膨張により生じる検査体積の体積変化量が、水がこの検査体積に流入する量と流出する量との差に等しいとして求めたため、すでに構築済みの配管3の途中に分岐する配管3を新たに追加した場合でも、配管3全体についての流動モデル式を容易に変更することができるなどの効果が得られる。
【0043】
実施の形態2.
実施の形態1では、配管3全体についての流動モデル式を容易に変更することができるものについて示したが、この実施の形態2では、図5に示すように、ノード41およびジャンクション42を組み合わせることにより、流動モデル式を構築してもよい。また、図6に示すように、メインの配管3に新たな配管3を分岐接続させた場合にも、ノード41とジャンクション42との接続関係を定義したデータを追加、変更するだけで流動モデル式の追加、変更を容易に行うことができる。
【0044】
このノード41およびジャンクション42は、上記式(20)および式(21)で表される流動モデル式を空間的にはスタッガードメッシュ法、時間的には半陰解法により離散化することにより導出することができる。スタッガードメッシュ法は、図5に示すように、流路をノード41と呼ばれる空間に分割し、各ノード41に対して質量保存則を適用し、ジャンクション42と呼ぶノード41間の仮想空間に対して運動量保存則を適用する。
【0045】
図5に示すように、ノード41およびジャンクション42の構成に対して流動モデル式は、以下のようになる。
【0046】
【数8】
Figure 0003556384
【0047】
【数9】
Figure 0003556384
【0048】
ここで、式(23)の右辺第1の移流項は上流差分近似を表し、以下のようになる。
(1)(w ≧0
【0049】
【数10】
Figure 0003556384
【0050】
(2)(w <0
【0051】
【数11】
Figure 0003556384
【0052】
式(22)、式(23)において、(Wn+1 、(Pn+1 が未知数である。式(23)をWn+1 について解くと、式(26)が求められる。
(Wn+1 =R {(Pn+1 −(Pn+1 }+S ・・・(26)
=D δt(A /l ) ・・・(27)
=f{(W ,θ} ・・・(28)
【0053】
【数12】
Figure 0003556384
【0054】
である。S で表される変数は移流項、配管の圧力損失、弁の圧力損失が含まれ、流量wについて非線形となる。しかし、この項は時間差分において1ステップ前の値を用いるため既知となり、結果的には線形連立方程式となる。式(26)を式(22)に代入することにより、圧力が未知数でその個数がノード41の個数に等しい連立方程式が得られ、この連立方程式を行列計算で解けばよい。
【0055】
以上のように、この実施の形態2によれば、流動モデル式をノード41およびジャンクション42を組み合わせることにより構築したため、流動モデル式に対して追加、変更を容易に行うことができるなどの効果が得られる。
【0056】
実施の形態3.
上記実施の形態2では、式(26)を式(22)に代入することにより、圧力が未知数でその個数がノード41の個数に等しい連立方程式が得られ、この連立方程式を行列計算で解いた場合について示したが、連立方程式の係数行列は零要素が多いため、スカイライン法を適用して連立方程式を解いてもよい。このスカイライン法とは多元連立一次方程式の未知数にかかる係数行列が図7に示すような、スカイライン構造51をしている場合、その内部の成分、正確には対称性から非零の要素部分52の成分のみを記憶することとして、記憶に必要な容量の節約を図っている。したがって、スカイライン構造51の外部に存在する零のために費やされる演算の無駄を省き、分解、前進および後退代入に要する計算時間を短縮し(約1/3となっている)、計算の効率化を図ることができるため、この実施の形態3においては上記実施の形態1および実施の形態2の効果の他に流動モデル式の模擬時間の短縮化が図れるなどの効果がある。
【0057】
実施の形態4.
上記実施の形態1から実施の形態3では、水路系1のみの模擬にかかわるものを示したが、図8に示すように、水車発電機5を設け、発電プラントの模擬も可能とすることができる。図8はこの発明の実施の形態4による揚水発電プラントを示す構成図であり、図において、上記実施の形態1から実施の形態3のものと同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。5は水車軸を介して直結された発電機であり、ガイドベーン開度をある程度変化させた場合に、水の流速が急激に減少し水撃波が生じる。61はサージタンク、62は水車である。
【0058】
次に、水車モデル式を導出する手順を説明する。
ガイドベーン開度、回転数、有効水頭が与えられ、流量および発生トルクを計算する。与えられる有効水頭hWWおよび回転数ωより、周速度係数Kv1は式(30)で求められる。
【0059】
【数13】
Figure 0003556384
【0060】
周速度係数Kv1および与えられるガイドベーン開度βより完全特性曲線と呼ばれるデータから流量係数Q11およびトルク係数M11が求められ、式(31)および式(32)で流量wおよび発生トルクM が求められる。
【0061】
【数14】
Figure 0003556384
【0062】
=M11WW ・・・(32)
D:ランナー直径
【0063】
次に動作について説明する。
図9はこの発明の実施の形態4による水路系模擬装置の動作を示すフローチャートである。
まず、配管3の流量、圧力等の初期値、水車62の回転数、トルク等の初期値および、発電機5の初期値を読み込む(ステップST11〜ST13)。次に、発電機5の特性を計算し(ステップST14)、ガイドベーン開度を読み込み(ステップST15)、上記の水車モデル式に基づいて水車62の特性を計算する(ステップST16)。この水車62の特性を考慮して配管3の圧力、流量等を解析刻み時間ごとに計算し、解析終了になった時点で終了する(ステップST17)。
【0064】
以上の手順に従って解析した結果、水車62のガイドベーンを閉じ始めた時の水撃波により生じる圧力波が上流側に伝搬しており、しかも圧力波の伝搬速度に従って下流側から順次圧力が上昇を始めていることを解析することができた。また、水車62のガイドベーンが全閉後、圧力波の伝搬による上流側圧力の振動が続き、この周期が水車62から上部貯水池2までの距離の4倍を圧力波の伝搬速度で割った時間と一致したので、この水車モデル式を付加した発電プラントは定性的、定量的に解析できる。
【0065】
以上のように、この実施の形態4によれば、水路系情報解析手段21において水車モデル式を考慮した流動モデル式を使用しているため、水車62および発電機5を有する発電プラントの解析を行うことができるなどの効果が得られる。
【0066】
【発明の効果】
以上のように、請求項1記載の発明によれば、水路系情報解析手段は、水撃波による管壁の伸縮および管路中を流れる水の圧縮、膨張により生じる検査体積の体積変化を長さの変化として捉え、これに断面積および密度を掛け合わせたものを検査体積における流入出量の差として導出した流動モデル式を使用するように構成したので、すでに構築済みの水路系の途中に分岐する配管を新たに追加した場合でも、水路系全体についての流動モデル式を容易に変更することができる効果がある。
【0067】
請求項2記載の発明によれば、揚水発電プラントの水路系の流動モデル式を構築する場合、ノード・ジャンクション法にて解析を行うことを目的として流動モデル式の離散化を行い、水路系を複数のノードとしての体積要素に分割し、上記ノード間をジャンクションとしての仮想空間で接続し、上記ノードには質量保存の保存則および上記ジャンクションには運動量保存則を適用し算出すように構成したので、すでに構築済みの水路系の途中に分岐する配管を新たに追加した場合でも、水路系全体についての流動モデル式を容易に変更することができる効果がある。
【0068】
請求項3記載の発明によれば、離散化により導出された連立方程式の解法に、スカイライン法を適用するように構成したので、解析時間を短縮できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による水路系模擬装置を示す構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1による揚水発電プラントの水路系情報解析手段で使用される流動モデル式を導出するための管路の検査体積を示す説明図である。
【図3】管路中の微小部分の各部の寸法および管壁にかかる縦方向および円周方向応力を示す説明図である。
【図4】この発明の実施の形態1による水路系模擬装置の動作手順を示すフローチャートである。
【図5】この発明の実施の形態2によるノードおよびジャンクションの構成を示す構成図である。
【図6】メインの水路系に新たな水路系を分岐接続させた水路系モデルを示す構成図である。
【図7】この発明の実施の形態3によるスカイライン構造を示す説明図である。
【図8】この発明の実施の形態4による発電プラントを示す構成図である。
【図9】この発明の実施の形態4による水路系模擬装置の動作を示すフローチャートである。
【図10】従来の水路系模擬装置を示す構成図である。
【図11】従来の発電プラントの水路系情報解析手段で使用される流動モデル式を導出するための管路の検査体積を示す説明図である。
【符号の説明】
1 水路系、4 弁、11 初期値入力手段、12 弁開度入力手段、13 弁内流量算出手段、20 水路系模擬装置、21 水路系情報解析手段、41 ノード、42 ジャンクション。

Claims (3)

  1. 揚水発電プラントの水路系の流量、および水圧等の初期値を入力する初期値入力手段と、上記水路系に設けられた各弁の開閉度を入力する弁開度入力手段と、上記各弁の開閉度から弁内を流れる流量を算出する弁内流量算出手段と、水撃波を考慮し、上記初期値入力手段および上記弁内流量算出手段とから入力した各種の情報を、流動モデル式に代入して、上記水路系における水圧および流量の各種情報を算出する水路系情報解析手段とを備えた水路系模擬装置において、上記水路系情報解析手段は、上記水撃波による管壁の伸縮および管路中を流れる水の圧縮、膨張により生じる微小部分である検査体積の体積変化を長さの変化としてとらえ、これに断面積および密度を掛け合わせたものを検査体積における流入出量の差として導出した流動モデル式を使用することを特徴とする水路系模擬装置。
  2. 揚水発電プラントの水路系の流動モデル式を構築する場合、ノード・ジャンクション法にて解析を行うことを目的として流動モデル式の離散化を行い、水路系を複数のノードとしての体積要素に分割し、上記ノード間をジャンクションとしての仮想空間で接続し、上記ノードには質量保存の保存則および上記ジャンクションには運動量保存則を適用し算出することを特徴とする請求項1記載の水路系模擬装置。
  3. 離散化により導出された連立方程式の解法にスカイライン法を適用することを特徴とする請求項2記載の水路系模擬装置。
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