JP3555997B2 - アクリルアミド水溶液の精製方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明はアクリロニトリルの接触水和法により得られるアクリルアミド水溶液を精製する際の脱銅方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アクリルアミドは紙力増強剤、凝集剤などに利用されるアクリルアミド系ポリマーの製造に用いられるほか多方面の用途に向けられる産業上有用なモノマーである。
金属銅系触媒の存在下にアクリロニトリルを接触水和してアクリルアミドを製造する方法はすでに良く知られている。しかして、この銅系触媒を使用して得られたアクリルアミド含有反応液中には微量の銅が溶出して来るのを避けることができない。そのため、アクリルアミド水溶液を原料としてポリマーを製造しようとする場合、そこに溶存する銅は重合反応を阻害するので、アクリルアミド水溶液の商品価値を著しく低下させる原因となる。従って該アクリルアミド反応液から得られるアクリルアミド水溶液をポリマー原料として使用するためには溶存銅を除去する必要がある。溶存銅の除去方法としては強酸性陽イオン交換樹脂により処理する方法やイミノジ酢酸型の弱酸性イオン交換樹脂により処理する方法がとられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらアクリルアミドは反応性に富むため、アクリルアミドを重合させることなく工業的にアクリルアミド水溶液中に溶存する銅を除去することはきわめて難しい。たとえば強酸性イオン交換樹脂を使用する場合、遊離酸型(H型と略称する)であれば銅除去能力は大きいものの、官能基が強酸性であるため、反応性の高いアクリルアミドが重合することは避けられない。これがナトリウム塩型(Na型と略称する)である場合、アクリルアミドの重合は避けられるものの、銅の吸着能力が劣り十分な除去性能が得られない。またイミノジ酢酸型の弱酸性イオン交換樹脂を使用した場合、それらがH型であると弱酸性のために解離が弱く銅の吸着能が弱い。またさらにNa型であると官能基が弱酸性であるために、逆にアクリルアミド水溶液にNaイオンが溶出するという不都合が生じる。
【0004】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、アクリロニトリルの接触水和法により得られるアクリルアミド水溶液を、アミノリン酸型中酸性イオン交換樹脂により処理することを特徴とするアクリルアミド水溶液の精製方法に関するものである。
本発明はアクリロニトリルの接触水和法により得られるアクリルアミド水溶液から銅を除去するする際、アミノリン酸型の中酸性イオン交換樹脂にて脱銅する方法を提供するものであるが、このようなアミノリン酸型中酸性イオン交換樹脂を使用すると、その強い銅吸着能力により極低濃度にまで銅を除去することが可能であるばかりでなく、中酸性であるために、反応性の高いアクリルアミドにおいてもその重合や加水分解が起こらず、さらにはイオン交換樹脂からNaイオンなどの溶出もないという非常に高度なアクリルアミド精製が実施できるのである。
【0005】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられるアクリルアミド水溶液は、アクリロニトリルを原料として通常の接触水和法により得られる。すなわちアクリロニトリルを水とともに耐圧の反応器に仕込み金属銅触媒の存在下、70〜150℃程度の温度で1〜3時間程度反応させる。得られた反応液には未反応のアクリロニトリルが残存するので、通常これを予め除去しておく。
【0006】
本発明で処理するアクリルアミド水溶液のアクリルアミド濃度に制限はないが、通常接触水和法により得られるアクリルアミド水溶液中のアクリルアミド濃度は20〜60%程度であり、この範囲のアクリルアミド水溶液を好適に処理することができる。もちろん、この範囲外のものであっても適用可能である。
【0007】
本発明で処理するアクリルアミド水溶液中の銅濃度に制限はないが、接触水和法では通常反応液中に10〜200ppm程度の銅を含有しており、このようなアクリルアミド水溶液を好適に処理することができる。もちろん、これより大なる濃度もしくは少ない濃度の銅濃度のものであっても、本発明が好適に適用できるものであることは容易に理解できるであろう。
【0008】
本発明で使用する中酸性イオン交換樹脂とは、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体を母体とするアミノリン酸型の中酸性イオン交換樹脂であり、この種の中酸性イオン交換樹脂としては、例えばレバチットOC1060(バイエル社製)、デュオライトC467(ロームアンドハース社製)等の名称で市販されており、好適に使用できる。
【0009】
本発明で使用する該中酸性イオン交換樹脂はH型であってもNa型としてもよい。Na型として使用する場合、その調整方法は該樹脂のイオン交換容量より過剰当量の苛性ソーダ水溶液を接触させればよい。また銅吸着後の該樹脂は鉱酸で処理すればH型として使用でき、さらに苛性ソーダ水溶液で同様の処理をすればNa型とし再度使用に供することができる。
【0010】
本発明におけるアクリルアミド水溶液をアミノリン酸型中酸性イオン交換樹脂により処理するとは、要するに該水溶液を該イオン交換樹脂に接触せしめることである。
【0011】
本発明における処理法はバッチ式懸濁法による接触であっても効果は得られるが、通常カラム通液法が好ましく、該イオン交換樹脂をカラムに充填し上昇流または下降流によりアクリルアミド水溶液を接触させる方法がとられる。その際の通液速度に制限はないが、通常SV(空塔速度)が0.1以上20(Hr−1)以下の範囲で処理するのが好ましく、1以上10以下がさらに好ましい。通液温度はアクリルアミドが変質しない温度つまりは60℃以下が好ましく、さらに低い温度であればより好ましいがその濃度のアクリルアミド飽和を示す温度より高いことが好ましい。
【0012】
【実施例】
以下実施例で本発明をさらに詳細に説明する。以下においてppmあるいは%はアクリルアミド水溶液の重量基準である。
[実施例1]
イオン型をNa型に調整したアミノリン酸型中酸性イオン交換樹脂レバチットOC1060(バイエル社製)を50ml充填した内径15mmのガラス製カラムにアクリロニトリルの接触水和法により得られた銅イオン24ppmを含む40%アクリルアミド水溶液をSVが4(Hr−1)、下向流、温度30℃で30リットル通液した。カラム下部より流出した処理液中の銅イオン濃度は5ppb以下であった。また処理液中にアクリルアミド重合物は検出されなかった。
【0013】
[実施例2]
イオン型をH型に調整したアミノリン酸型中酸性イオン交換樹脂レバチットOC1060(バイエル社製)を50ml充填した内径15mmのガラス製カラムにアクリロニトリルの接触水和法により得られた銅イオン28ppmを含む40%アクリルアミド水溶液をSVが8(Hr−1)、下向流、温度30℃で30リットル通液した。カラム下部より流出した処理液中の銅イオン濃度は5ppb以下であった。また処理液中にアクリルアミド重合物は検出されなかった。
【0014】
[比較例1]
イオン交換樹脂を、イオン型をH型に調整した強酸性イオン交換樹脂レバチットSP112(バイエル社製)としたほかは実施例1と同様にアクリルアミド水溶液を処理した。アクリルアミド水溶液を2リットル処理したときにアクリルアミドが重合しカラムが閉塞し処理が不能となった。
【0015】
[比較例2]
イオン交換樹脂を、イオン型をNa型に調整した強酸性イオン交換樹脂レバチットSP112(バイエル社製)としたほかは実施例1と同様にアクリルアミド水溶液を処理した。カラム下部より流出した処理液中の銅イオン濃度は455ppbであった。
【0016】
[比較例3]
イオン交換樹脂を、イオン型をH型に調整したイミノジ酢酸型弱酸性イオン交換樹脂レバチットTP207(バイエル社製)としたほかは実施例1と同様にアクリルアミド水溶液を処理した。カラム下部より流出した処理液中の銅イオン濃度は85ppbであった。また試験後カラム内を点検したところアクリルアミドの重合物が見られた。
【0017】
[比較例4]
イオン交換樹脂を、イオン型をNa型に調整したイミノジ酢酸型弱酸性イオン交換樹脂レバチットTP207(バイエル社製)としたほかは実施例1と同様にアクリルアミド水溶液を処理した。カラム下部より流出した処理液中の銅イオン濃度は165ppbであった。
【0018】
【発明の効果】
本発明によって、アクリロニトリルの接触水和反応によりアクリルアミド水溶液から長期、安定的に微量の銅を除去することが可能になり、このことはアクリルアミドの工業的生産にとって、きわめて大きな利益を与えるものである。
Claims (1)
- アクリロニトリルの接触水和法により得られるアクリルアミド水溶液を、アミノリン酸型中酸性イオン交換樹脂により処理することを特徴とするアクリルアミド水溶液の精製方法。
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JP28040694A JP3555997B2 (ja) | 1994-11-15 | 1994-11-15 | アクリルアミド水溶液の精製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JPH08143521A JPH08143521A (ja) | 1996-06-04 |
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JP2008247979A (ja) * | 2007-03-29 | 2008-10-16 | Mitsui Chemicals Inc | 高品質の(メタ)アクリルアミド系重合体の製造方法 |
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1994
- 1994-11-15 JP JP28040694A patent/JP3555997B2/ja not_active Expired - Fee Related
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