JP3554751B2 - 水蒸気吸着・脱着性材料を含む建築材料 - Google Patents
水蒸気吸着・脱着性材料を含む建築材料 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属水酸化物又は金属硫化物の非晶質の分子集合体粒子の熱処理粉末からなる水蒸気吸着・脱着性材料を含む建築材料に関する。さらに詳しくは、沈殿法により形成される金属水酸化物又は金属硫化物の非晶質の分子集合体粒子を、熱処理することにより、この際に水分を放出すると同時に分子同士が凝集する時に形成される細孔(隙間)を有する多孔質粒子とし、この細孔への水蒸気の吸着又は脱着を利用することにより、結露防止剤やカビの発生防止、又は一定の湿度雰囲気に保つ調湿など、種々の用途で利用できる水蒸気の吸着・脱着材料を含む建築材料に関する。なお、本発明は、通常の雰囲気で熱エネルギーや化学反応を用いずに水蒸気を吸着・脱着でき、また、吸着・脱着の程度を制御できる技術を提供するものである。従って、物理吸着又は物理脱着が中心であり、専ら不可逆的な化学吸着や化学反応によるものはその範疇から外れる。
【0002】
【従来の技術】
水分やガスの吸着剤として、従来から活性炭、シリカゲル、アルミナ、カオリナイト、珪藻土等、多くのものが知られており、例えば橋本健治ら「新しい吸着剤の選定と吸着操作の新技術」経営開発センター出版部、平成2年(1990)3月31日発行やC.L.マンテル著「吸着および吸着剤」技報堂出版(株)、昭和63年(1988)3月20日発行に記載されている。
ガス吸着剤は、化学吸着と物理吸着に大別できる。化学吸着は、吸着されるガスと吸着剤の化学反応により行われ、一旦吸着されたガスは容易に脱着しないという特徴がある。その例として、酸化鉄や酸化亜鉛が下記化学反応によって硫黄化合物系ガスと反応する例が挙げられ、これは亜硫酸ガスや硫化水素ガスを除去する手段として使われている。
【化1】
Fe2O3+3SO2+3/2O2→Fe2(SO4)3
Fe2O3+H2S →Fe2S3+3H2O
【0003】
一方、物理吸着についても種々の物質の例が知られている。その理論として、ラングミュア理論や毛管凝縮理論がある。毛管凝縮理論によると、ケルビン(Kelvin)は、狭い毛細管中の液体のメニスカス上の蒸気圧が同温度の平坦な液面上の蒸気圧より低いことから、もし液体が毛細管を濡らし、凹状のメニスカスを作ると、毛細管内の自由空間の飽和蒸気圧(Ps)と平面の液体上の飽和蒸気圧(P)との間に
【数1】
ln(P/Ps)=−(2γV)/(ρRT)
の関係があり、毛細管中の液面上の飽和蒸気圧は平らな液面上の飽和蒸気圧より小さいので、液化が起こっていくとしている。ここで、γは液体の表面張力、ρはメニスカスの曲率半径、Rは気体定数、Tは絶対温度である。
ここで物質が決まれば(γが一定であれば)、ρ(メニスカスの曲率半径、ひいては多孔質体の細孔半径)が重要なファクターとなる。実際の経験上からも、細孔径の大きさが吸着分子の大きさの数倍から数10倍程度の時に、細孔メニスカス部と細孔外部の圧力差により吸着が可能であることが知られている。すなわち、細孔内と外部との蒸気圧差により平衡に達するまで吸着できるが、平衡状態よりも外部の蒸気圧が下がりすぎると脱着することになる。
【0004】
上述の通り、ガスの吸着及び脱着においては、細孔の径が重要であるが、孔径がガス分子よりも小さい時はもちろん吸着は起こらない。そして、孔径が大きくなるに従って吸着が起こり始め、ある大きさを超えるとやはり吸着が殆ど起こらなくなってしまう。さらに、吸着が起こる孔径の範囲であっても、孔の径や温度によって、外気の飽和蒸気圧との関係(P/Psの比)により、吸着が起こり易い状態や脱着が起こり易い状態ができる。すなわち、吸着と脱着が平衡状態にあるときは、実際の外部雰囲気のガス蒸気圧が高くなると吸着が起こり、逆に外部雰囲気のガス蒸気圧が低くなると脱着が起こることになる。
【0005】
具体的に水蒸気ガスを例に物理吸着剤をいくつかに分類してみると、以下のように列挙される。
(a)特定の構造を持つ天然素材(珪藻土、セピオライト、活性炭等)
これらの素材の多くは結晶粒子同士の間に隙間(細孔に相当する)があり、その隙間が水蒸気の吸・脱着に適した径となっている。
(b)天然素材の結晶の一部を化学的に溶解して水分の吸・脱着に適する細孔径にしたもの
この例としては、カオリン鉱物を仮焼してアルミナ相とシリカ相に分相させた後、シリカ相をアルカリ溶液で溶解して多孔質材にしたもの(名工研ニュース、1998,6、No.555、工業技術院名古屋工業試験場発行)が挙げられる。
(c)化学構造中に水分を持つ結晶性マグネシア等を焼成して結晶から水分を飛ばし、水分の吸・脱着に適する径の細孔を結晶中にあける。
(d)中和ケイ酸塩や中和沈殿水酸化アルミのゾル
この例として、特開平7−265650号公報には、ケイ酸塩を酸により中和し、水硬性物質などと硬化させて調湿材を得ることが開示されている。
その他の水分吸着剤として、塩化カルシウムのように水分を吸収して潮解性を示すものもあるが、これも不可逆的な化学吸着に近い。
【0006】
前記した従来技術や吸・脱着剤の例のうち、化学吸着は不可逆であり、熱エネルギーや化学反応を用いないと脱着や再生が不可能である。一方、物理吸着である前記(a)及び(b)の素材は天然のものであり、最初からその細孔径(隙間)が素材により決定されており、製造方法の制御によって吸着や吸・脱着を開始する蒸気分圧を所望通りに設定することはできない。
前記(c)及び(d)の材料についても、結晶構造中に水分を持つ特定の素材であり、単に乾燥や焼成するだけで、吸着や吸・脱着を開始する蒸気分圧をコントロールするまでには至っていない。特に後者の(d)の材料については、清水博監修「吸着技術ハンドブック」(株)NTS、1993年2月2日発行、第92頁には、「シリカアルミナゲル系は結晶でないため、細孔径は均一でなく、約10A〜300Aに分布している」として、ほぼ一次関数的な水蒸気の吸着線図が示されており、吸着曲線がある蒸気圧(湿度)で急激に立ち上がってその湿度でよく吸着するという傾向のないことが示されている。また、吸着剤として一般的なシリカゲルは、前記のようにどのような湿度でも吸着するが、吸着能力が低下した場合、熱エネルギーを加え(加熱して水分を飛ばし)て再利用することはよく知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記したような従来技術の問題に鑑みなされたものであり、その目的は、前記のような従来の材料とは対照的に、目的とする水蒸気の吸着又は吸・脱着を行えるのみならず、ある蒸気圧(相対湿度)で急激な吸着又は脱着が行え、また、その吸着及び/又は脱着の開始蒸気圧を任意に調整できる水蒸気吸着・脱着性材料を含む建築材料を提供することにあり、そのために、このような優れた性能を示す水蒸気吸着・脱着性材料を生産性良く、かつ低コストで製造できる方法を開発し、さらにまた、従来の天然素材という固定的なものに限定されない水蒸気吸着・脱着性材料を開発しようとするものである。
これにより、例えば、カビ、ダニの発生や繁殖を防ぎ、人間に快適な一定湿度範囲の空間を保つ調湿、結露防止、除湿、除水など、種々の用途に用いることができる水蒸気吸着・脱着性材料を含む建築材料及びそれを利用した製品を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の第一の側面によれば、金属水酸化物又は金属硫化物の非晶質の分子集合体粒子の80〜1000℃での熱処理粉末からなり、粒子間に2〜20nmの微細な隙間が形成されている水蒸気吸着・脱着性材料を含むことを特徴とする建築材料が提供される。
好適な態様においては、上記金属水酸化物又は金属硫化物としては、Mg,Al,Ca,Sc,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ga,Y,Zr,Nb及びMoよりなる群から選ばれた少なくとも1種の金属の水酸化物又は硫化物が用いられる。
【0009】
本発明で用いる水蒸気吸着・脱着性材料の製造方法のより具体的な態様は、金属塩水溶液に、酸又はアルカリ水溶液を加えるか、あるいはS2-イオンを含む溶液を加え、金属水酸化物又は金属硫化物の非晶質粒子として沈殿させ、熱処理することを特徴としている。
好適な態様においては、上記金属塩水溶液として、Mg,Al,Ca,Sc,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ga,Y,Zr,Nb及びMoよりなる群から選ばれた少なくとも1種の金属の塩を含む水溶液用いられ、これらの水酸化物又は硫化物を単分子の集合体粒子として凝集・沈殿させる。
さらに好適な態様によれば、前記水蒸気吸着・脱着性材料と、硬化性材料との混合物を成形してなる水蒸気吸着・脱着性成形品である建築材料が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】
本出願人は、先に、結晶性の水酸化アルミニウム(ギブサイトAl2O3・3H2O)を減圧雰囲気下300〜800℃で熱処理することにより、ある蒸気圧(相対湿度)で急激な吸着又は脱着が行えるアルミナ系調湿材料を製造する方法を開発し、既に特許出願している。この方法で得られるアルミナ粉末を用い、絶乾状態にし、これを水蒸気圧0から100%、さらに100%から0%に変化させた場合の例(平衡吸着・脱着線図)を図1の曲線A−Bに示す。なお、用いたアルミナ粉末は、平均粒径25μmの水酸化アルミニウム粉末を600℃、0.1気圧の減圧雰囲気下で熱処理したものである。また、参考のために、このアルミナ粉末の細孔径分布を図2に示す。
【0011】
図1において、曲線Aは雰囲気水蒸気圧(湿度)が上昇して行く時のアルミナ粉末による水蒸気吸着状態を示すものであり、曲線Bは水蒸気圧が下降して行く時の状態で、脱着していることを示す。細孔径の分布が全く一定であれば、ある一定の湿度で急激に吸着したり、脱着したりすることが期待されるが、図2に示すように、細孔の大きさに分布があるため、いろいろな湿度のところで吸着や脱着が実際に行われる。また、曲線AとBは同一曲線にならず、吸・脱着のずれ(ヒシテリシス)があるが、これは孔の形状に左右されるといわれており、まっすぐな柱状の孔ほどヒシテリシスが少なく、孔の入口の径に対して奥が広がっている孔やインクつぼ状であると、ヒシテリシスが大きくなるとされている。また、ヒシテリシスが大きくなると、曲線B’に示すような脱着曲線となり、殆どの範囲で脱着しない。曲線A−Bは、吸・脱着を行い、水蒸気であれば相対湿度50〜70%で調湿性を有し、一方、曲線A−B’の場合、相対湿度50%程度で吸着し、通常の湿度範囲では放湿しない性能を有することになる。
【0012】
前記方法で得られるアルミナ粉末は、図1の曲線A−Bに示すような平衡吸着・脱着線図)を示し、良好な吸・脱着性能を有する。しかしながら、この方法は、結晶性水酸化アルミニウム(ギブサイトAl2O3・3H2O)を減圧雰囲気下で熱処理することにより、結晶水を放出する脱水反応を起こさせ、この過程で放出された水の通り道(脱水経路)に細孔を形成するものであり、熱処理装置が比較的高価なものになり、また生産性や経済性、細孔径サイズの設計融通性等の点でなお改善すべき余地がある。
そこで、本発明は、ある蒸気圧(相対湿度)で急激な吸着又は脱着が行え、また、その吸着及び/又は脱着の開始蒸気圧を任意に調整できる水蒸気吸着・脱着性材料を、通常の大気圧雰囲気中での熱処理により生産性良く、かつ低コストで製造するものである。
【0013】
前記したように、水蒸気の物理的な吸・脱着作用や吸・脱着の性能(吸・脱着量、吸・脱着開始蒸気圧等)は、細孔の大きさや細孔径の分布によって決まる。
本発明らは、上記の観点から鋭意研究の結果、細孔の代わりに分子の集合粒子間に細孔に相当する隙間を作ることを考え、分子の集合粒子として金属水酸化又は金属硫化物が適切であり、これを熱処理することにより、分子集合粒子間の水分が飛び、分子集合粒子間に適当な隙間を任意に作り、吸・脱着することが可能で、しかも製造条件(金属塩の種類や熱処理温度等)を変えることにより、吸・脱着の開始蒸気圧を任意に調整できることを見出した。
【0014】
本発明においては、出発材料として金属水酸化物又は金属硫化物を用いるが、ガスの吸・脱着を行う場合、ガス分子に対し好ましい細孔径は分子の数倍から数十倍の大きさが適切であることが知られており、例えば、水分子(分子直径約0.3nm)の場合には2〜20nm程度の範囲の孔径(隙間)が必要である。
そこで、不溶性の分子、例えば、下記反応
【化2】
Al3++30H-→Al(OH)3↓
Zn2++S2-→ZnS↓
によって生成するような沈殿性の分子をまず考え、これらの一個一個が弱い分子間引力で凝集し、数万〜数十万個オーダーで凝集することを利用した。また、水溶液中であれば、当然数万〜数十万個オーダーで凝集して、より好ましい態様として均一に沈殿物として析出してくる。これらを一次粒子とすると、さらにこれらの一次粒子がいくつも集合して二次集合体が形成されることが知られている。さらに、この二次集合体が三次集合体になる。この時、二次集合体、三次集合体になるに従って凝集力が弱く、簡単にくずれる。
【0015】
実際の水酸化アルミニウムの沈殿の集合体粒子の透過電子顕微鏡写真(TEM像)を図3に示す。このTEM像によれば、中央部に1.5μm(1500nm)×0.8μm(800nm)の二次粒子があり、端部に50nm程度の一次粒子が見える。しかし、一次粒子同士の間に隙間はあまり見られない。
この集合体粒子を回収し、熱処理すると、一次粒子間や二次、三次粒子間の隙間の水分が飛び出し、それぞれの粒子は若干収縮する。この時、一次粒子の大きさにもよるし、一次粒子間の配置によっても異なるが、その間に空隙ができる。この空隙(隙間)が水蒸気を吸着するのに有効に使用できる。
【0016】
図3に示した水酸化アルミニウムの沈殿物を500℃、900℃、及び1300℃で熱処理したTEM写真をそれぞれ図4、図5、図6、及び図7に示す。図3に示す沈殿粒子では一次粒子間に隙間は見えないが、500℃での熱処理後には、図4に示すように二次粒子間に隙間が多くなり、その倍率を上げた図5(×60万倍)のTEM像では一次粒子の大きさが20nm程度になっている様子がわかる。さらに900℃での熱処理後の状態を示す図6では、隙間やクラックがより広大で多数になっている。しかし、1300℃での熱処理では、図7に示されるように溶融が始まり、平らで大きな結晶に変化しており、図6に示されるような数十nm程度の隙間やクラックがなくなっている。
上記500℃や900℃の熱処理で形成される粒子内の微細な数nm程度の隙間やクラック、又は粒子間の数nm〜20nm程度の隙間に水蒸気の吸・脱着が起こると考えられる。また、同時に2次粒子同士や3次粒子同士の間にも同ように隙間やクラックができるが、これらは吸・脱着を行うために有効な空隙よりも大きなものが多く、これらの隙間は吸着水蒸気の外界との出入りをスムーズに行うための通路として有用な働きをする。
【0017】
本発明において、金属塩として用いる金属をMg,Al,Ca,Sc,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ga,Y,Zr,Nb,Moとしているのは、これらの金属の水酸化物や硫化物は水に難溶であり、目的とする沈殿物が得られること、また、Moよりも分子量(原子サイズ)が大きくなると一次粒子(沈殿粒子)が大きくなり、熱処理しても吸着にとって適切な細孔(隙間)を作製できなくなってしまうためである。
また、同じ水酸化物や硫化物であっても、例えば水酸化アルミニウムの結晶体であるギブサイトでは、既に単分子がいくつも集まった大きなサイズの結晶になっており、結晶の集合体粒子そのものが大きく、適切な大きさの隙間を作ることは困難であり、本発明の主旨にそぐわず、目的を達成することはできない。
本発明者らが検討したところによれば、分子集合体としての一次粒子は100nm以下程度であり、熱処理後に50nm以下程度にすることが好ましい。
【0018】
金属塩の水溶液を中和又はS2-で沈殿させるには、NaOHやKOH,NH4OH,Na2S,K2S,(NH4)2Sなど、OH-やS2-を含む可溶性のものであれば、無機、有機のいずれを問わない。また、必要により酸を用いる必要がある場合は、硫酸、硝酸、塩酸などの無機酸や蓚酸、クエン酸などの有機酸など全ゆる酸を用いることができる。また、沈殿を生じ易いpHは金属塩により異なることは知られているので、最も作業性、収率の良いpHにすればよい。さらに沈殿物に中和又は硫化物化の時に用いた物質の混入が懸念される場合は、水洗を行ってもよい。
【0019】
熱処理は80℃以上、1000℃以下の温度で行われる。これは、既に述べたように、粒子間の水が飛び、一次、二次、三次の粒子が収縮することと、粒子間空隙の水が飛ぶことによって空隙をあけるためである。
図4、図6、及び図7に示したTEM像から明らかなように、空隙(隙間)の大きさは処理温度によって異なる。低温であれば水はより均一に飛び、隙間の大きさは小さくなる。一方、高温で処理すると収縮も大きく、粒子間の空隙が大きくなる。高温で処理すると水分子が一気に抜けて収縮し易くなること、また分子レベルでは溶融や溶着が起こり易くなること、さらに場合によっては、水酸化物から酸化物へと変わることにより分子として小さくなることが考えられる。
【0020】
上記作用の相乗効果によって一次粒子や二次粒子、特に一次粒子間に吸・脱着に適切な隙間があくものと考えられる。しかし、溶融の起こり易いものでは、高温で処理すると孔径がむしろ小さくなっていくこともある。低温でも長時間かけて乾燥した場合、沈殿一次粒子は柔らかく、変形し易く、充分密着した状態であり、乾燥によりゆっくりしかも均一に水分が蒸発していくため、一次粒子同士の隙間やクラックが図4及び図6に示すようになり難いのではないかと考えられる。
【0021】
また、処理温度の上限は、金属の水酸化物、硫化物の種類によって異なるが、1000℃以下とすることが好ましい。これは、本発明で用いる金属の水酸化物又は硫化物は、900℃〜1100℃あたりで粒子全体が溶融し始め、吸・脱着のための隙間がなくなり、吸・脱着機能を発揮しなくなり始めるためである。溶融しない程度の短時間で処理することも可能ではあるが、時間の制御や装置の耐熱仕様を考えると不経済であるという理由による。なお、熱処理によって水酸化物が酸化物に変化しても吸・放湿性が示されるが、このとき、金属酸化物特有の機能、例えばTiO2による光触媒作用、CoOの触媒作用、Fe2O3のフェライト電磁吸収作用等を併せ持つことも当然期待できる。
【0022】
本発明の吸着・脱着性材料を適用して吸・脱着するガスとしては、水蒸気以外にも、アルゴンなどの不活性ガスや、トルエン、キシレン、ホルムアルデヒドなどの有機ガスなどが考えられる。しかし、硫化水素(H2S)、亜硫酸ガス(SO2)、塩素ガス(Cl2)、アンモニアガス等の反応性ガスなどは化学反応を起こすものであり、好ましくない。また、吸・脱着するガスの分子の大きさと細孔のの大きさの関係は既に述べた通りであるが、吸・脱着するガスの分子の大きさが大きくなると、必要とされる細孔径(隙間の大きさ)も大きくなる。例えば、水の分子直径0.3nm程度の場合は2〜20nm程度、好ましくは2〜15nmの細孔径が好ましい。
【0023】
以上のように、本発明によれば、金属水酸化物又は金属硫化物の分子集合体、好ましくはより均一な沈殿粒子を、その金属塩の種類や特に熱処理温度を変えることにより、細孔(隙間)の大きさを制御できる。従って、所望の吸・脱着性を有する水蒸気吸着・脱着性材料が提供され、しかもその吸・脱着の特性を製造条件によって制御することができる。
また、得られる水蒸気吸着・脱着性材料は、粉末としてそのまま使うことができる他、適当なバインダー等の硬化性材料や補強材等を混合し、成形してフィルム、シート材、板材等の任意の形状に成形したり、コーティング材などに混合してもよい。しかも、これらは何ら外部からのエネルギーを用いずに水蒸気の吸・脱着材として使用できる。
【0024】
上記硬化性材料としては、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル系樹脂等の樹脂材料や、α、β、γ型半水石膏、無水石膏、二水和石膏等の石膏、普通ポルトランドセメント、アルミナセメント、スラグセメント等のセメント、高炉水砕スラグとアルカリ刺激剤との混合物、モンモリロナイト、ベントナイト等の粘土類などの水硬性物質が挙げられ、これらを単独で又は2種以上混合して用いることができる。
本発明の水蒸気吸着・脱着性材料と硬化性材料の混合割合は、ガス吸着・脱着性材料100重量部当たり、硬化性材料を約1〜100重量部、好ましくは約2〜100重量部が適当である。
【0025】
さらに、上記水蒸気吸着・脱着性材料と硬化性材料の混合物には、それを硬化してなる硬化体又は成形体の機械的強度、防火性、耐火性等の向上をはかる目的で、無機質繊維、有機質繊維等の補強材や、難燃剤等の添加剤を加えても良いことは勿論である。
無機質繊維としては、ロックウール、セラミックウール、硝子繊維、炭素繊維等が例示され、有機質繊維としては、セルロース、ポリアミド、ポリオレフィン等が例示される。また、繊維成分は、ランダム状の他、例えば不織布、ネット、繊維束等の形態で使用することもできる。
【0026】
前記水蒸気吸着・脱着性材料と硬化性材料を含む混合物は、例えばコンクリート等の基板に塗布後、硬化させて使用することもできるが、調湿機能やガス吸着機能を充分発揮させるためには、適当な型に流し込んで硬化させ使用することが好ましい。用いる硬化性材料によっても異なるが、一般に、硬化時間は10分〜72時間程度、硬化温度は4〜80℃程度である。また、上記混合物を、例えば押出成形機、真空プレス機等を使用し、押出成形したり、あるいは硬化性材料によってはさらに湿潤養生硬化して使用してもよい。この場合の湿潤養生硬化は、通常、4〜200℃程度の温度で飽和水蒸気圧下、5〜48時間の範囲で行われるが、水蒸気を用いてオートクレーブ処理を行ってもよい。
【0027】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示して本発明の効果について具体的に説明するが、本発明が下記実施例に限定されるものでないことはもとよりである。
【0028】
実施例1
硫酸亜鉛・7水塩50gを純水200mlに溶解し、この溶液に水酸化ナトリウム水溶液をpH7になるまで徐々に加えていき、水酸化亜鉛の白色の沈殿物を生成した。このとき、水酸化ナトリウムとして約11g加えた。この沈殿物を濾布にとり水洗した。この操作を3回繰り返し、次いでフィルタプレスで脱水し、含水率50%とした。得られた生成物をX線回折装置で評価したところ、非晶質であった。これを50℃又は70℃で乾燥し、あるいはさらに300℃、500℃、700℃又は900℃で熱処理し、得られた水酸化亜鉛粉末の水蒸気の吸・脱着特性を日本ベル社製のベルソープで測定した。
表1に、相対湿度20〜90%での水蒸気の吸着量Aと脱着量B、急激に吸着する相対湿度C、及び急激に脱着する相対湿度Dを示す。(なお、上記記号A〜Dの意味は後掲する各表においても同様である。)また、得られた水酸化亜鉛粉末の平衡吸着・脱着線図を図8に示す。
【0029】
【表1】
表1及び図8に示されるように、水酸化亜鉛では70℃以下の低温乾燥よりも高温熱処理されたものの方が水蒸気吸着量がはるかに大きくなることがわかる。また、900℃で熱処理されたものは、全く吸・放湿しない。さらに、熱処理温度によって、急激に吸着する相対湿度も変ってくることがわかる。なお、表1において、記号「−」は、対応する物性がないことを示す(後掲する各表においても同様)。
【0030】
実施例2
前記実施例1において、硫酸亜鉛に代えて硫酸アルミニウムを用い、水酸化ナトリウム水溶液で中和した。pH3あたりから水酸化アルミニウムの沈殿が生じ、pH7となった時点で水酸化ナトリウム水溶液の添加を止めた。その後、実施例1と同様に水洗処理をし、沈殿物を得た。この沈殿物は、X線回折の結果、非晶質であった。得られた沈殿物を100℃、300℃、600℃、900℃又は1100℃で熱処理し、水蒸気の吸・脱着特性を実施例1と同様に測定した。また、得られた水酸化アルミニウム粉末の細孔径分布を測定した。細孔径分布は、カルロエルバ社製ソープトマチックを用いて測定した。
得られた水酸化アルミニウム粉末の相対湿度20〜90%での水蒸気の吸着量と脱着量、急激に吸着する相対湿度及び急激に脱着する相対湿度、並びに平均細孔径を表2に示す。また、細孔径分布を図9に示す。
【0031】
【表2】
表2に示されるように、非晶質水酸化アルミニウムの場合も、ある程度の高温(500〜900℃程度)で熱処理されたものが特に優れた水蒸気の吸・脱着特性を示す。また、300℃程度の熱処理でも、約20%〜90%の相対湿度で約20%の吸湿量があり、比較的良好である。300℃、600℃、900℃と熱処理温度が上がるに従い、急激に吸着する相対湿度が高相対湿度側に移ることがわかる。また、平均細孔径も、熱処理温度が高温になるに従って大きな平均細孔径に変化しており、平均細孔径と急激に吸・脱着を開始する相対湿度の間に関連性があることがわかる。
【0032】
実施例3
前記実施例2において、熱処理温度600℃で得られた水酸化アルミニウム粉末試料の水蒸気の吸・脱着特性を、実施例1と同様の方法で4回繰り返し測定した。その結果を表3に示す。
【表3】
表3に示されるように、若干のばらつきはあるものの、繰り返し用いても物理的な吸着であるため性能の低下はないことがわかる。
【0033】
比較例1
熱処理していない結晶性水酸化アルミニウム(ギブサイト)を100℃で2時間熱処理し、これと実施例2の100℃で熱処理した水酸化アルミニウム粉末と比較した。その結果を表4に示す。
【表4】
表4に示されるように、結晶性水酸化アルミニウムは100℃で熱処理しても殆ど吸・放湿特性はなく、結晶性水酸化アルミニウムと非晶質水酸化アルミニウムとは、水蒸気の吸・脱着の機構が全く異なると考えられる。
【0034】
実施例4
前記実施例1において、金属塩の種類や中和剤(アルカリ水溶液)の種類を表5に示すものに変える以外、実施例1と同様の中和、水洗、脱水処理をし、各種の水酸化物を得て、表5に示す温度で熱処理した。
【表5】
【0035】
得られた各粉末試料の相対湿度20〜90%での水蒸気の吸・脱着特性について、実施例1と同様に測定した。その結果を表6に示す。また、X線回折装置で測定した熱処理後の結晶構造も併せて示す。
【表6】
表6に示されるように、用いる金属塩によらず、種々の水蒸気の吸・脱着特性が得られることがわかる。また、熱処理温度によって金属の酸化物となっているものがあることもわかる。
【0036】
比較例2
前記実施例1において、金属塩として硝酸銀(AgNO3)を用いる以外、実施例1と同様にNaOHによる中和、水洗、脱水し、表7に示す温度で乾燥又は熱処理を行った。中和処理の時、前記各実施例のものと比べて目視でも沈殿粒子は大きく、早く沈降して、上澄みと沈殿物が簡単に分離できた。(前記実施例1〜4におけるAl,Zn,Fe,Tiの水酸化物では、微細なスラリー状のものであった。)
得られた各粉末試料の相対湿度20〜90%での水蒸気の吸・脱着特性について、実施例1と同様に測定した。その結果を表7に示す。
【表7】
表7に示されるように、原子番号の大きなAgの塩では水蒸気の吸・脱着特性を示さなかった。
【0037】
実施例5
前記実施例1における水酸化ナトリウム水溶液に代えて硫化ナトリウム水溶液を用いた。硫酸亜鉛0.5モル/l水溶液500mlに対し、硫化ナトリウム0.5モル/l水溶液を500ml加えた。得られた硫化亜鉛の沈殿物を実施例1と同様に水洗、脱水し、表8に示す温度で乾燥又は熱処理を行った。
得られた硫化亜鉛粉末の相対湿度20〜90%での水蒸気の吸・脱着特性を実施例1と同様に測定した。その結果を表8に示す。
【表8】
【0038】
実施例6
工業的な例としてアルミサッシの表面処理工程(AlMgSi系合金(A6063)を水酸化ナトリウムでエッチングし、硫酸浴中で陽極酸化し、硫酸ニッケルなどの金属塩で着色する工程)における水洗排液を水酸化ナトリウムで中和し、含まれるAl3+、Mg2+、Ni2+等を金属水酸化物のスラッジとしたもの(主成分は水酸化アルミニウムで、他にMg、Ni、Si、SO4を合計数%含む)を原料として、これを水洗、脱水した後、100℃、300℃、600℃又は900℃で熱処理した。得られた粉末の相対湿度20〜90%の水蒸気の吸・脱着特性を実施例1と同様に測定した。その結果を表9に示す。
【表9】
実施例2の場合に比べて水蒸気の吸・脱着曲線の立上りの急激性は若干緩くなったが、ほぼ同じ結果が得られた。
【0039】
実施例7
前記実施例6で得られた粉末に、バインダ−としてポリビニルアルコ−ル(クラレ社製ポバ−ル#217)を2%、又はセメントを10〜30%加え、球状又はブロック状に成形して同様に熱処理したものは、バインダ−の添加分だけ若干の性能の低下が見られるものの、ほぼ同じ水蒸気の吸・脱着特性を示し、形状を付与することができた。
【0040】
実施例8
前記実施例6で得られたスラッジを500℃で熱処理した粉末を8g採り、温度25℃、相対湿度90%の空気が満たしてある2.4リットルのデシケ−タに入れ、同時に温湿度計を入れて、すぐに容器を密閉し、全体をプログラム運転の可能な恒温槽に入れ、24時間で25℃より5℃まで下降して25℃に戻る温度変化を3サイクル与え、次に24時間で25℃より45℃まで上昇して25℃に戻る温度変化を3サイクル与えた。その時の温度変化サイクルとデシケ−タ内の湿度変化を図10に示す。また、スラッジを500℃で熱処理した粉末試料の吸・脱着特性を図11に示す。このとき、粉末を入れないブランクについても同時に評価した。ブランクでは、当然温度の上昇・下降に伴う湿度変化が大きかった。これに対して、粉末を入れたデシケータ内では、図11に示す通り、この粉末は相対湿度60〜80%で急激に放湿し、40〜50%程度でもまだ放湿する傾向にあるため、デシケータ内を一定湿度に保つように働く傾向がみられ、デシケータ内は常に40〜50%程度の湿度に保たれていた。
【0041】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、金属水酸化物又は金属硫化物の非晶質の分子集合体粒子、好ましくはより均一な沈殿粒子を、その金属塩の種類や特に熱処理温度を変えることにより、細孔(隙間)の大きさを制御できる。従って、ある蒸気圧(相対湿度)で急激な水蒸気の吸着又は脱着が行え、また、その吸着及び/又は脱着の開始蒸気圧を任意に調整できる、所望の吸・脱着性を有する水蒸気吸着・脱着性材料を含む建築材料が提供され、しかもその吸・脱着の特性を製造条件によって制御することができる。また、本発明で用いる水蒸気吸着・脱着性材料は、物理的に水蒸気を吸・脱着するものであるため、不可逆的な化学吸着と異なり、繰り返し利用することができる。さらに、本発明の方法によれば、このような優れた水蒸気吸着・脱着性を有する材料を、通常の大気圧雰囲気中での熱処理により生産性良く、かつ低コストで製造できる。
従って、本発明によれば、例えば、カビ、ダニの発生や繁殖を防ぎ、人間に快適な一定湿度範囲の空間を保つ内装材、内壁材、天井材等の調湿、結露防止、除湿、除水など、種々の用途に用いることができる水蒸気吸着・脱着性建築材料を安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】結晶性水酸化アルミニウム粉末を600℃、0.1気圧の減圧雰囲気下で熱処理して得られるアルミナ粉末の平衡吸着・脱着線図である。
【図2】結晶性水酸化アルミニウム粉末を600℃、0.1気圧の減圧雰囲気下で熱処理して得られるアルミナ粉末の細孔径分布図である。
【図3】水酸化アルミニウムの沈殿の集合体粒子の構造を示す透過電子顕微鏡写真である。
【図4】水酸化アルミニウムの沈殿物を500℃で熱処理して得られた粉末粒子の構造を示す透過電子顕微鏡写真である。
【図5】図4に示す粉末粒子の構造を倍率を拡大して示す透過電子顕微鏡写真である。
【図6】水酸化アルミニウムの沈殿物を900℃で熱処理して得られた粉末粒子の構造を示す透過電子顕微鏡写真である。
【図7】水酸化アルミニウムの沈殿物を1300℃で熱処理して得られた粉末粒子の構造を示す透過電子顕微鏡写真である。
【図8】実施例1において水酸化亜鉛沈殿物を熱処理して得られた粉末試料の平衡吸着・脱着線図である。
【図9】実施例2において水酸化アルミニウム沈殿物を熱処理して得られた粉末試料の細孔径分布図である。
【図10】実施例8において粉末試料に付加した温度サイクルとデシケータ内の湿度変化を示すグラフである。
【図11】実施例8においてスラッジを500℃で熱処理して得られた粉末試料の平衡吸着・脱着線図である。
Claims (6)
- 金属水酸化物又は金属硫化物の非晶質の分子集合体粒子の80〜1000℃での熱処理粉末からなり、粒子間に2〜20nmの微細な隙間が形成されている水蒸気吸着・脱着性材料を含むことを特徴とする建築材料。
- 前記金属水酸化物又は金属硫化物が、Mg,Al,Ca,Sc,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ga,Y,Zr,Nb及びMoよりなる群から選ばれた少なくとも1種の金属の水酸化物又は硫化物であることを特徴とする請求項1に記載の建築材料。
- 前記水蒸気吸着・脱着性材料が、金属塩水溶液に、酸又はアルカリ水溶液を加えるか、あるいはS2-イオンを含む溶液を加え、金属水酸化物又は金属硫化物の非晶質粒子として沈殿させ、これを熱処理することによって得られたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の建築材料。
- 前記金属塩水溶液が、Mg,Al,Ca,Sc,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ga,Y,Zr,Nb及びMoよりなる群から選ばれた少なくとも1種の金属の塩を含む水溶液であることを特徴とする請求項3に記載の建築材料。
- 前記金属水酸化物又は金属硫化物が単分子の集合体として凝集・沈殿することを特徴とする請求項3又は4に記載の建築材料。
- 前記水蒸気吸着・脱着性材料と、硬化性材料を含む混合物を成形してなる水蒸気吸着・脱着性成形品であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の建築材料。
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