JP3554141B2 - マットレス装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明はたとえばベッドに用いられるマットレス装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
利用者がベッドの床板上に載置されたマットレス装置の上面に仰臥した場合、利用者の背面は背部と臀部とが突出し、腰部がくびれている。そのため、マットレス装置に加わる荷重の比率は、利用者の背部に対応する部分と、臀部に対応する部分が他の部分に比べて大きくなるといわれている。
【0003】
上記マットレス装置が荷重に対して変形し易い柔らかなものであると、背部と臀部との落ち込みが大きくなり、腰部が突き上げられた状態となるから、上方に向かって凸に湾曲した腰部の脊椎がさらに湾曲される寝姿勢となり、利用者に与える負担が大きくなる。
【0004】
そこで、最近では比較的硬いマットレス装置が用いられ、利用者が仰臥したときに背部や臀部の落ち込みを少なくすることで、脊椎の曲がりの少ない寝姿勢で就寝できるようにしている。
【0005】
ところで、利用者の脊椎は、背筋を伸ばした正しい姿勢の状態で、背部では下方に向かって湾曲し、腰部では上方に向かって湾曲しているとともに、臀部では下方に向かって湾曲している。背部や臀部の落ち込みを少なくした、比較的硬いマットレス装置上に利用者が仰臥した場合、マットレス装置の上面はほぼ平坦面に維持されるから、利用者の背面に突出した背部と臀部との間に位置する腰部はマットレス装置の上面に密着しにくいことになる。
【0006】
つまり、利用者の背部と臀部はマットレス装置の上面に密着して確実に支持されるが、腰部はマットレス装置の上面から浮いた状態になって確実に支持されない。そのため、利用者の腰部の腰椎に負担が掛り、寝心地の低下を招くことがある。
【0007】
とくに、病人や老人などのように腰部の筋肉が衰えた利用者などの場合、腰部への負担が大きくなるということがあるばかりか、健康な利用者の場合であっても、体型によっては負担が大きくなる場合がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来のマットレス装置は、その上面に利用者が仰臥した場合、背部や臀部と異なる高さとなる腰部が確実に支持されないため、腰部に掛る負担が大きくなるということがあった。
【0009】
この発明の目的とするところは、仰臥した利用者の腰部を所定の高さで確実に支持できるようにすることで、利用者の腰部に掛かる負担を軽減できるマットレス装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、ほぼ矩形板状に形成され圧縮空気が供給されることで所定の高さ寸法に膨張する主エア−マットと、
上記主エア−マットの上面の長手方向中途部に積層され圧縮空気が供給されることで上記主エア−マットの上面で所定の高さ寸法に膨張して利用者の腰部を支持する補助エア−マットと、
上記主エア−マットと補助エア−マットとを被覆した外装体とを具備し、
上記主エア−マットの上記補助エア−マットが載置される部分の上下面の少なくとも上面には硬質シ−トが設けられていることを特徴とするマットレス装置にある。
【0012】
請求項2の発明は、ほぼ矩形板状に形成され内部が複数の空気室に隔別されるとともに長手方向中途部で、利用者の腰部を支持する空気室が他の部分の空気室よりも密に形成された主エア−マットと、
この主エア−マットの長手方向中途部の空気室が密に形成された部分の上下面の少なくとも上面に設けられた硬質シ−トと、
上記主エア−マットと硬質シ−トとを被覆した外装体と
を具備したことを特徴とするマットレス装置にある。
【0013】
請求項1の発明によれば、主エア−マットの上面に設けられた補助エア−マットを膨張させることで、この補助エア−マットによって利用者の窪んだ腰部を確実に支持することができる。
【0014】
また、主エア−マットと補助エア−マットとの間に硬質シ−トを設けたことで、補助エア−マットが主エア−マット内へ沈むのを抑制できるから、上記補助エア−マットによる腰部の支持状態を確実に維持することができる。
【0015】
請求項2の発明によれば、主エア−マットの長手方向中途部の空気室が他の部分の空気室よりも密に形成され、しかもその部分の上面には硬質シ−トが設けられていることで、利用者が仰臥したときに、主エア−マットの上記長手方向中途部の変形量が他の部分に比べて小さくなるから、その部分によって利用者の腰部を確実に支持することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の第1の実施の形態を図1と図2を参照して説明する。
図1と図2に示すマットレス装置は平面形状が矩形状をなした主エア−マット1を有する。この主エア−マット1は、たとえば布地にゴムがコ−テイングされた気密性のシ−トによって偏平な袋状に形成された袋体2を有する。
【0017】
この袋体2の内部空間は、第1乃至第3のエリア3、4、5に隔別されている。各エリア3、4、5はそれぞれ上下端を上記袋体2の上下内面に固着した帯状の仕切シ−ト6によって複数の空気室3a、4a、5aに隔別されている。つまり、各空気室3a、4a、5aは袋体2の幅方向全長にわたるとともに長手方向に対して所定の幅寸法で形成されている。
【0018】
上記袋体2の長手方向中途部に位置する第2のエリア4の空気室4aは、上記第1、第3のエリア3、5の空気室3a、5aに比べて幅寸法が小さく形成されている。つまり、第2のエリア4の空気室4aは他の空気室3a、4aよりも密に形成されている。
【0019】
各エリア3〜5の空気室3a〜5aは、仕切シ−ト6に形成された連通孔6aによって連通しているとともに、各エリアの境界部に設けられた仕切シ−ト6には連通孔6aが形成されておらず、それによって空気室3a〜5aは各エリア3〜5ごとに気密に遮断されている。
そして、主エア−マット1は、各エリア3〜5の空気室3a〜5aに後述するごとく圧縮空気が供給されることで、所定の厚さ寸法に膨張するようになっている。
【0020】
上記袋体2の長手方向中途部の第2のエリア4の上下面には、袋体2を形成するシ−トよりも変形しにくい、硬質シ−ト7が積層固定されている。硬質シ−ト7としては、キャンバスなどの布地や利用者に違和感を与えることのない柔軟性を有する合成樹脂製シ−トなどが用いられている。
【0021】
上記袋体2の第2のエリア4の上面の硬質シ−ト7の部分には、主エア−マット1の幅方向ほぼ全長にわたって補助エア−マット11が積層されている。この補助エア−マット11は、上記主エア−マット1と同様、気密性のシ−トによって形成された袋体12の内部が互いに連通した複数の空気室12aに隔別されていて、膨張時における厚さ寸法が上記主エア−マット1に比べて薄く設定されている。
【0022】
上記主エア−マット1と補助エア−マット11とは袋状に形成された外装体13に収容されている。この外装体13は主エア−マット11の外周面を覆うまち地13aと、このまち地13aの上端に周縁部の一辺を縫合し、残りの三辺がファスナ14によって開閉自在に連結される上鏡地13bおよび上記まち地13aの下端に周縁部の四辺を縫合した下鏡地13cとから構成されている。さらに、上記外装体13の上鏡地13bには上記補助エア−マット11を出し入れするための開口部15がファスナ16によって開閉自在に形成されている。
【0023】
上記主エア−マット1の各エリア3〜5および補助エア−マット11には圧縮空気の給排気チュ−ブ17a〜17dの一端がそれぞれ接続されている。各給排気チュ−ブ17a〜17dの他端は圧縮空気の給排気装置18に連通している。この給排気装置18にはリモ−トコントロ−ラ19が接続されている。このリモ−トコントロ−ラ19は、主エア−マット1の第1乃至第3のエリア3、4、5と、補助エア−マット11とに圧縮空気の供給や排出を制御できるようになっている。
【0024】
上記構成のマットレス装置を利用する場合、まず、主エア−マット1の各エリア3〜5に圧縮空気を供給してこの主エア−マット1を膨張させたなら、利用者はマットレス装置の上面に、腰部の箇所が補助エア−マット11が設けられた長手方向中途部に対応位置するように仰臥する。
【0025】
その状態で補助エア−マット11に圧縮空気を供給して膨張させると、この補助エア−マット11が利用者の腰部の凹んだ部分に当接する。したがって、利用者は腰部が補助エア−マット11によって確実に支持された状態となるから、腰部にほとんど負担が掛からない寝姿勢を維持することができる。
【0026】
上記補助エア−マット11が設けられた第2のエリア4は他のエリア3、5よりも空気室4aが密に形成され、しかも第2のエリア4の上下面には硬質シ−ト7が積層されている。そのため、第2のエリア4は他のエリアに比べて硬く、荷重に対する変形量が抑制されるから、利用者の腰部を支えた補助エア−マット11が主エア−マット1内へ大きく沈むことがない。その結果、上記補助エア−マット11による利用者の腰部の支持状態が確実に維持されることになる。
【0027】
上記補助エア−マット11に対する圧縮空気の供給、排出はリモ−トコントロ−ラ19によって操作できる。そのため、利用者がマットレス装置上に仰臥した状態で腰部の支持状態が最も快適となるよう、上記補助エア−マット11内の圧縮空気の圧力を調整することができる。
【0028】
図3と図4はこの発明の第2の実施の形態を示す。この実施の形態は第1の実施の形態とほぼ同じ構成であるが、主エア−マット1の上面の第2のエリア4に対応する部分に補助エア−マット11が設けられていないという点で構成が相違している。
【0029】
補助エア−マット11が設けられていなくとも、第2のエリア4が第1のエリア3と第3のエリア5よりも硬い。しかも、マットレス装置上に利用者が仰臥したときに、背部と脚部とが主エア−マット1内へ沈み、腰部が第2のエリア4の上面によって確実に支持される状態となるように、上記第1のエリア3と第3のエリアに供給する圧縮空気の圧力を調整することができる。つまり、第1乃至第3のエリア3〜5の空気室3a〜5aの圧力を調整することで、第2のエリア4の部分で腰部を確実に支持することができる。
【0030】
したがって、これらのことにより、主エア−マット1の上面の長手方向中途部に、補助エア−マット11が設けられていなくとも、利用者の腰部を確実に支持し、腰部に掛かる負担を軽減することができる。
【0031】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、主エア−マットの上面に設けられた補助エア−マットを膨張させることで、この補助エア−マットによって利用者の窪んだ腰部を確実に支持することができる。
【0032】
そのため、利用者は上記補助エア−マットによって腰部が確実に支持されることになるから、腰部に掛かる負担が軽減され、寝心地の向上などを計ることができる。
【0033】
また、主エア−マットと補助エア−マットとの間に硬質シ−トを設けたことで、補助エア−マットが主エア−マット内へ沈むのを抑制できる。
【0034】
そのため、上記補助エア−マットによる利用者の腰部の支持状態をさらに確実なものとできるから、利用者の腰部に掛かる負担をより一層、軽減することができる。
【0035】
請求項2の発明によれば、主エア−マットの長手方向中途部の空気室を他の部分の空気室よりも密に形成し、しかもその部分の上面には硬質シ−トを設けることで、他の部分よりも荷重に対して変形しにくい構成とした。
【0036】
そのため、利用者が仰臥したときに、背部と脚部とに対応する部分比べて腰部に対応する部分の変形量が他の部分に比べて小さくなり、その部分によって利用者の腰部を確実に支持することができるから、腰部に掛かる負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態示すマットレス装置の長手方向に沿う断面図。
【図2】同じく斜視図。
【図3】この発明の第2の実施の形態示すマットレス装置の長手方向に沿う断面図。
【図4】同じく斜視図。
【符号の説明】
1…エア−マット
3a〜5a…空気室
7…硬質シ−ト
11…補助エア−マット
13…外装体
Claims (2)
- ほぼ矩形板状に形成され圧縮空気が供給されることで所定の高さ寸法に膨張する主エア−マットと、
上記主エア−マットの上面の長手方向中途部に積層され圧縮空気が供給されることで上記主エア−マットの上面で所定の高さ寸法に膨張して利用者の腰部を支持する補助エア−マットと、
上記主エア−マットと補助エア−マットとを被覆した外装体とを具備し、
上記主エア−マットの上記補助エア−マットが載置される部分の上下面の少なくとも上面には硬質シ−トが設けられていることを特徴とするマットレス装置。 - ほぼ矩形板状に形成され内部が複数の空気室に隔別されるとともに長手方向中途部で、利用者の腰部を支持する空気室が他の部分の空気室よりも密に形成された主エア−マットと、
この主エア−マットの長手方向中途部の空気室が密に形成された部分の上下面の少なくとも上面に設けられた硬質シ−トと、
上記主エア−マットと硬質シ−トとを被覆した外装体と
を具備したことを特徴とするマットレス装置。
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JP14210397A JP3554141B2 (ja) | 1997-05-30 | 1997-05-30 | マットレス装置 |
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JP14210397A JP3554141B2 (ja) | 1997-05-30 | 1997-05-30 | マットレス装置 |
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JP14210397A Expired - Fee Related JP3554141B2 (ja) | 1997-05-30 | 1997-05-30 | マットレス装置 |
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1997
- 1997-05-30 JP JP14210397A patent/JP3554141B2/ja not_active Expired - Fee Related
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