JP3552605B2 - 超音波振動子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波を発振すると共に障害物からの反射波を受信して障害物の存在を検知する、車載用等として用いられる超音波センサに適用できる超音波振動子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の車載用の障害物検知を行う超音波センサとしては、超音波センサより超音波パルスを空気中に発振し、検知対象物等の障害物に反射して、その反射波を超音波センサで受信し、その受信信号の処理を行い、警報等を発するような構成になっているものがある。
【0003】
超音波センサの取付状態を図10に示す。この超音波センサ20は自動車18のバンパー19に取付けられている。ここで、バンパー19周辺に存在する自動車18の移動の支障となる障害物を検知すると共に、路面等の、自動車18の移動の支障とならないものを検知しないようにするためには、路面に対して水平方向に広く、垂直方向に狭い検知エリアを有する超音波センサ20を使用する必要がある。
【0004】
このような、路面に対して水平方向に広く、垂直方向に狭い異方向性の指向特性を有する超音波センサ20としては、従来から、図11に示すようなものがあった。この超音波センサ20には、超音波を発振すると共に反射波を受信する超音波振動子A′が内装されており、この超音波振動子A′の前方に超音波の指向特性を制御するホーン21が設けられている。このホーン21は超音波振動子A′と外部とを連通する開口部として形成されており、この開口部の縦径a、横径b及び深さcを適宜の寸法形状に設計することにより、超音波の指向特性を制御するものである。ここで図中の22は超音波振動子A′を固定する保持ゴム、23はセンサのハウジングを示す。このように構成される超音波センサ20は、自動車18のバンパー19に、ホーン21がバンパー19から外部に開口するように配設される。
【0005】
しかし、この図11に示すようなホーン21を備えた超音波センサ20を用いると、自動車18の走行中にホーン21内に雨水が入り込んだり、雪や埃が溜ったりしやすいものであった。このようにホーン21内に異物が入り込むと、超音波振動子A′から発振される超音波の異方向性の指向特性が変化して、障害物を検知できる検知エリアが変化したり、あるいはホーン21内部の異物を超音波センサ20で検知してしまい、障害物が存在しないにもかかわらず、障害物があるかのように報知してしまうという問題があった。また、超音波センサ20の取付状態においてホーン21がバンパー19の表面から突出しており、しかもホーン21の開口が外部に露出するため、外観が悪いという問題もあった。
【0006】
そこで、超音波を発生させる超音波振動子A′自体に異方向性の指向性を具備させることにより、ホーン21を不要なものとする試みがなされている。すなわち、超音波振動子A′に、その取付状態において、路面に対して水平方向に超音波を放射する振動モードと、垂直方向に放射する振動モードとが異なるモードとなり、超音波振動子A′から発振される超音波に、異方向性の指向性を具備させるものである
このような異方向性の指向性を有する超音波振動子A′としては、従来、図12に示すようなものが提案されている。この超音波振動子A′は、金属にて円柱状に形成されており、上底面から下底面に向けて凹部26が形成されている。この凹部26の底面が振動部4′として形成されており、振動部4′には、厚みの厚い厚肉部24が形成されると共に、厚肉部24の両側方に厚肉部24よりも厚みの薄い薄肉部25が形成されている。この超音波振動子A′の凹部26内において、振動部4′の厚肉部24上に圧電素子8が、電気的に接続された状態で配設されている。また圧電素子8の、振動部4′に接触していない側の面及び超音波振動子A′には、それぞれリード線7が接続されている。そして、リード線7間に電圧を印加することにより、圧電素子8を振動させ、それに伴って振動部4′を振動させることにより、振動部4′から超音波を発生させるものである。
【0007】
このような超音波振動子A′を自動車18に取付けるにあたっては、バンパー19等に設けた開口に、超音波振動子A′の振動部4がバンパー19から露出するように配設するものであり、このとき振動部4′の薄肉部25が水平方向に並ぶように配置するものである。
【0008】
この超音波振動子A′の振動部4′における水平方向の振動モードは単純な撓み振動である。一方、垂直方向の振動モードは、厚肉部24の外側が薄肉部25のために撓みやすくなっているので、厚肉部24の振動に引かれるように薄肉部25が撓むこととなり、そのため水平方向の振動モードに比べて平面振動が大きくなる。その結果、振動部4′の振動により発生する超音波の発振方向は、水平方向に比べて垂直方向への広がりが鋭くなり、超音波発振に異方向性を持つ指向性が付与される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような形状を有する超音波振動子A′を金属で作製する場合は、鍛造により作製することとなるが、超音波発振の指向性を制御するには薄肉部25の厚み精度が重要となり、そのためいくつもの鍛造工程が必要となる。また薄肉部25の寸法精度も需要であるため、鍛造工程とは別に切削工程も必要となり、安価な加工手段で製造できないという問題があった。
【0010】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、異方向性の指向特性を有する超音波発振子を安価に容易に製造することができ、更に高出力で密閉性の良い、デザイン性に優れた超音波振動子を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る超音波振動子は、一端面が開口すると共に他端面が閉塞面であるケース体1の閉塞面1aの内面側に圧電素子8を配設し、この閉塞面1aにて発生される超音波が異方向性の指向特性を有する超音波振動子Aにおいて、ケース体1を金属製の板材13から形成される金属ケース2と、合成樹脂材からなる樹脂ケース3とで構成し、一面が超音波送受信面4cとして形成されると共に他面が圧電素子8が配設される配設面4dとして形成される振動部4と、振動抑止部5とで構成され、振動部4の外縁に、振動部4と振動抑止部5とが直接接続する少なくとも一対の接続部4aと、振動部4と振動抑止部5とが直接には接続されていない少なくとも一対の非接続部4bとを形成した前記金属ケース2を、振動抑止部5において前記樹脂ケース3に固定して成ることを特徴とするものである。
【0012】
また本発明の請求項2の発明は、請求項1の構成に加えて、金属製の板材13に曲げ加工を施して金属ケース2を形成して成ることを特徴とするものである。
【0013】
また本発明の請求項3に係る発明は、請求項1の構成に加えて、金属製の板材13に絞り加工を施して金属ケース2を形成して成ることを特徴とするものである。
【0015】
また本発明の請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかの構成に加えて、金属ケース2の振動部4の外縁に、接続部4aと非接続部4bとを交互に形成して一対の接続部4aと一対の非接続部4bとを形成すると共に、接続部4a同士の並び方向と非接続部4b同士の並び方向とが略直交するように形成して成ることを特徴とするものである。
【0016】
また本発明の請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかの構成に加えて、一面が超音波送受信面4cとして形成されると共に他面が圧電素子8が配設される配設面4dとして形成される振動部4と、振動部4の外縁から配設面4d側に向けて延出された振動抑止部5とで金属ケース2を構成し、この金属ケース2を、前面と背面において開口する配置部6を有する樹脂ケース3に、配置部6の内面に金属ケース2の振動抑止部5の外面を配置すると共に配置部6の前面側の開口を金属ケース2の振動部4にて閉塞して樹脂ケース3の前面と振動部4の超音波送受信面4cにて閉塞面1aを構成するように保持させて成ることを特徴とするものである。
【0017】
また本発明の請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかの構成に加えて、インサート成形によって金属ケース2に樹脂ケース3を一体成形してケース体1を形成して成ることを特徴とするものである。
【0018】
また本発明の請求項7の発明は、請求項1乃至6のいずれかの構成に加えて、ケース体1の閉塞面1aにシート材17を設けて成ることを特徴とするものである。
【0019】
また本発明の請求項8の発明は、請求項7の構成に加えて、ケース体1の閉塞面1aにシート材17を接着することにより閉塞面1aにシート材17を設けて成ることを特徴とするものである。
【0020】
また本発明の請求項9の発明は、請求項7又は8のいずれかの構成に加えて、シート材17の外周縁を樹脂ケース3の外周面まで延出させて成ることを特徴とするものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0022】
まず図1に示す超音波振動子Aについて説明する。
【0023】
ケース体1は、金属ケース2と樹脂ケース3とから構成される。
【0024】
金属ケース2は、振動部4と振動抑止部5とから構成されている。振動部4は厚みがほぼ均一な矩形状の板状に形成され、一面が超音波送受信面4cとして形成されており、また他面は圧電素子8が配設される配設面4dとして形成されている。振動抑止部5は振動部4の外縁を構成する4辺のうち、対向し合う一対の各辺から配設面4d側に向けてそれぞれ延出されている。すなわち、振動部4の外縁を構成する4個の辺のうち、対向し合う一対の辺が、振動抑止部5と直接接続された接続部4aとして形成され、対向し合う他の一対の辺が、振動抑止部5とは直接に接続されていない非接続部4bとして形成されているものであり、また振動部4の外縁に沿って交互に形成された接続部4aと非接続部4bとが接続部4a同士の並び方向と非接続部4b同士の並び方向とが略直交するように配置されているものである。
【0025】
この金属ケース2には、薄肉部分や厚肉部分を形成するような厚み設計を行う必要がなく、その形状も単純であるため、複雑な鍛造工程や切削工程を施すことなく、一枚の金属製の板材13に単純な曲げ加工や絞り加工を施すことにより安価且つ容易に作製することができる。例えば図2に示すように、アルミニウム板等の金属製の板材13の上面に直方体状の折曲げ治具14を配置した状態で、この板材13の両側部を折曲げ治具14に沿って上方に折曲げ成形することにより、作製されるものであり、折曲げ治具14の下方に配置されている部分が振動部4、折曲げ治具14に沿って上方に折曲げられた部分が振動抑止部5として形成される。
【0026】
樹脂ケース3は、剛性が高く制振性に優れた合成樹脂材にて形成される。この樹脂ケース3は前面が円形状、背面が前面よりも径が大きい円形状に形成されており、前面と背面とを接続する外周面には、前面側よりも背面側の方が径が大きくなるように段差5aが形成されている。この樹脂ケース3には前面及び背面にて開口する前後方向の貫通孔が形成されており、この貫通孔の内部が、金属ケース2が配置される配置部6として構成されている。この配置部6の内周形状は、金属ケース2の振動部4の外縁形状と略同一の寸法及び形状を有する矩形状に形成されている。
【0027】
金属ケース2は、樹脂ケース3の配置部6内に保持されているものであり、このとき金属ケース2の振動部4は樹脂ケース3の配置部6の、前面側の開口を塞ぐと共に振動部4の超音波送受信面4cが樹脂ケース3の前面と略面一になるように配置されることにより、樹脂ケース3の前面と振動部4の超音波送受信面4cにて、閉塞面1aが構成されている。また一対の振動抑止部5は配置部6の内面に密接して配置され、配置部6の内面において樹脂ケース3に固定されている。
そのため、配置部6の外縁を構成する4辺のうち、一対の接続部4aは樹脂ケース3に固定され、一対の非接続部4bは固定されずに撓みやすくなっている。
【0028】
圧電素子8は、振動部4の配設面4dに電気的に接続されて配設されている。また金属ケース2の振動抑止部5と、圧電素子8の、配設面4dに接続されていない側の面には、それぞれリード線7が接続されている。
【0029】
次に図3に示す超音波振動子Aについて説明する。
【0030】
ケース体1は、金属ケース2と樹脂ケース3とから構成される。
【0031】
金属ケース2は、略有底円筒状に形成されている。この金属ケース2の底部は振動部4として形成されている。この振動部4は厚みがほぼ均一に形成されており、一面が超音波送受信面4cとして形成され、他面は圧電素子8が配設される配設面4dとして形成されている。また側面部分は、振動部4の外縁から配設面4d側に向けて延出された振動抑止部5として形成されている。また振動部4と振動抑止部5とが接続する部分において、金属ケース2の内側と外側とを連通する開口部9が形成されている。この開口部9は、振動部4と振動抑止部5とが接続する部分が一部切り欠かれた形状に形成される。この開口部9は二つ形成されているものであり、金属ケース2を両断する振動部4に対して垂直な平面に対して略対称に形成され、かつ開口部9の振動部4側の外縁部分が振動部4の中心に対して略点対称に形成されている。すなわち、振動部4の外縁のうち、開口部9と隣接する部分は、振動抑止部5とは直接は接続されていない一対の直線状の非接続部4bとして形成され、この非接続部4b以外の部分が、振動抑止部5と直接接続された一対の弧状の接続部4aとして形成されているものであり、また振動部4の外縁に沿って交互に形成された接続部4aと非接続部4bとが接続部4a同士の並び方向と非接続部4b同士の並び方向とが略直交するように配置されているものである。この接続部4aは円弧状に形成され、非接続部4bは直線状に形成されているものであり、そのため振動部4は小判状に形成されている。また振動抑止部5の、振動部4とは反対側の端部の外周には、全周に亘って外方に突出するリブ10が形成されている。
【0032】
この金属ケース2には、薄肉部分や厚肉部分を形成するような厚み設計を行う必要がなく、その形状も単純であるため、複雑な鍛造工程や切削工程を施すことなく、一枚の金属製の板材13に単純な曲げ加工や絞り加工を施すことにより安価且つ容易に作製することができる。例えば図4に示すように、アルミニウム板等の金属製の板材13の絞り加工にて形成されている。すなわち、まず図4(a)に示すような円盤状の金属製の板材13に絞り加工を施して、フランジ15を有する有底円筒状に成形する。この絞り加工は図4(b)〜(d)に示すように、浅絞り、中絞り、深絞りの三段階の絞り加工工程を経て行われる。そして、図4(e)に示すように、底部と周面部との接続部分に、パンチ16等を用いて2箇所穴開け加工を施して、一対の開口部9を形成すると共に、フランジ15部分を、リブ10となる部分を残して切断することにより、金属ケース2が形成されるものである。
【0033】
樹脂ケース3は、剛性が高く制振性に優れた合成樹脂材にて形成される。この樹脂ケース3は前面が円形状、背面が前面よりも径が大きい円形状に形成されており、前面と背面とを接続する外周面には、前面側よりも背面側の方が径が大きくなるように段差5aが形成されている。この樹脂ケース3には前面及び背面にて開口する前後方向の貫通孔が形成されており、この貫通孔の内部が、金属ケース2が配置される配置部6として構成されている。この配置部6の内周形状は、金属ケース2の振動抑止部5の外周面形状と略同一の形状及び寸法を有する断面略円形状に形成されている。
【0034】
金属ケース2は、樹脂ケース3の配置部6内に保持されているものであり、このとき金属ケース2の振動部4は樹脂ケース3の配置部6の、前面側の開口を塞ぐと共に振動部4の超音波送受信面4cが樹脂ケース3の前面と略面一になるように配置される。また一対の振動抑止部5は配置部6の内面に密接して配置され、配置部6の内面において樹脂ケース3に固定されている。そのため、配置部6の外縁のうち、一対の接続部4aは樹脂ケース3に固定され、一対の非接続部4bは固定されずに撓みやすくなっている。またここで配置部6の、振動部4にて閉塞される側の開口には、金属ケース2の開口部9から金属ケース2の内側に向けて突出する突出部12が突設されており、そのため配置部6の振動部4にて閉塞される側の開口形状は、振動部4と略同一の形状及び寸法を有する小判状に形成される。また配置部6の、振動部4にて閉塞される側とは反対側の開口の内周には、金属ケース2のリブ10と対応する形状のリブ受け部11が、全周に亘って凹設されている。
【0035】
圧電素子8は、振動部4の配設面4dに電気的に接続されて配設されている。また金属ケース2の振動抑止部5と、圧電素子8の、配設面4dに接続されていない側の面には、それぞれリード線7が接続されている。
【0036】
次に図5に示す超音波振動子Aについて説明する。
【0037】
ケース体1は、金属ケース2と樹脂ケース3とから構成されている。
【0038】
金属ケース2は、振動部4と振動抑止部5とから構成されている。振動部4は厚みがほぼ均一な矩形状の板状に形成され、一面が超音波送受信面4cとして形成されており、また他面は圧電素子8が配設される配設面4dとして形成されている。振動抑止部5は振動部4の外縁から配設面4d側に向けて延設されて筒状に形成されている。ここで振動部4の外縁を構成する4個の辺のうちの、対向し合う一対の辺と、振動抑止部5との間にはそれぞれ金属ケース2の内側と外側とを連通する開口部9が形成されており、そのためこの一対の辺が、振動抑止部5の直接には接続されていない非接続部4bとしてそれぞれ形成されている。また他の対向し合う一対の辺は振動抑止部5と直接接続された接続部4aとしてそれぞれ形成されている。すなわち、振動部4の外縁に沿って交互に形成された接続部4aと非接続部4bとが、接続部4a同士の並び方向と非接続部4b同士の並び方向とが略直交するように配置されているものである。
【0039】
この金属ケース2には、薄肉部分や厚肉部分を形成するような厚み設計を行う必要がなく、その形状も単純であるため、複雑な鍛造工程や切削工程を施すことなく、一枚の金属製の板材13に単純な曲げ加工や絞り加工を施すことにより安価且つ容易に作製することができ、例えば図6に示されるように、一枚の金属製の板材13を折曲げ成形することによって形成されている。すなわち、板材13として、矩形状の主板13aの長尺方向の両端部から、それぞれ両側方に向けて合計4個の副板13bを延出させて形成されたものを用いる。この主板13aをコ字状に折曲げ形成し、両端部の折曲げた部分を振動抑止部5として形成すると共に振動抑止部5にて挟まれた部分を振動部4として形成する。この折曲げ加工は、副板13bが形成されている部分よりも内側において行う。このとき2対の副板13bが対向し合うように配置される。そして更に副板13bを、それぞれ対向する副板13bに向けて折曲げると共に、対向し合う副板13bの先端同士を突合わせるものである。このとき振動部4の外縁には、主板13aの折目部分に接続部4aとして形成され、他の部分が非接続部4bとして形成される。また非接続部4bと振動抑止部5のうち副板13bから形成される部分の外縁とで囲まれた部分に、金属ケース2の内方と外方とを連通する開口部9が形成される。
【0040】
樹脂ケース3は、剛性が高く制振性に優れた合成樹脂材にて形成される。この樹脂ケース3は前面が円形状、背面が前面よりも径が大きい円形状に形成されており、前面と背面とを接続する外周面には、前面側よりも背面側の方が径が大きくなるように段差5aが形成されている。この樹脂ケース3には前面及び背面にて開口する前後方向の貫通孔が形成されており、この貫通孔の内部が、金属ケース2が配置される配置部6として構成されている。この配置部6の内周形状は、金属ケース2の振動抑止部5の外周面形状と略同一の形状及び寸法を有する断面略矩形状に形成されている。
【0041】
金属ケース2は、樹脂ケース3の配置部6内に保持されているものであり、このとき金属ケース2の振動部4は樹脂ケース3の配置部6の、前面側の開口を塞ぐと共に振動部4の超音波送受信面4cが樹脂ケース3の前面と略面一になるように配置される。また振動抑止部5は配置部6の内面に密接して配置され、配置部6の内面において樹脂ケース3に固定されている。そのため、配置部6の外縁のうち、一対の接続部4aは樹脂ケース3に固定され、一対の非接続部4bは固定されずに撓みやすくなっている。またここで配置部6の、振動部4にて閉塞される側の開口には、金属ケース2の開口部9から金属ケース2の内側に向けて突出する突出部12が突設されている。
【0042】
圧電素子8は、振動部4の配設面4dに電気的に接続されて配設されている。また金属ケース2の振動抑止部5と、圧電素子8の、配設面4dに接続されていない側の面には、それぞれリード線7が接続されている。
【0043】
上記図1、3、5に示すようにして構成される超音波振動子Aは、リード線7間にパルス電圧を印加し、またリード線7間に発生する電圧を測定する制御回路を接続することにより、超音波センサとして構成することができる。そしてリード線7間にパルス電圧を印加すると圧電素子8が振動し、それに従って振動部4が振動して超音波を発振する。また、この振動部4から発振した超音波が障害物等にあたって反射し、この反射波が振動部4の超音波送受信面4cにあたると、振動部4が振動し、それに応じて圧電素子8が振動する。このとき圧電素子8内に起電力が発生するものであり、リード線7間の起電力を検知することにより、障害物の有無を検知することができる。
【0044】
このような超音波振動子Aを自動車のバンパー等の、取付対象物に取付ける場合は、取付対象物に形成した開口に超音波振動子Aを、開口部9においてケース体1の閉塞面1aが外部に露出するように配設する。このとき特に車載用として超音波振動子Aを自動車のバンパー等に配設する場合は、ケース体1の閉塞面1aを水平面に対して略垂直に配置すると共に、振動部4における一対の接続部4aが垂直方向に並び、一対の非接続部4bが水平方向に並ぶように配置する。
【0045】
超音波振動子Aから超音波を発振する場合、振動部4における水平方向(一方の非接続部4bから他方の非接続部4bへと向う方向)の振動モードは単純な撓み振動であるが、垂直方向(一方の接続部4aから他方の接続部4aへと向う方向)の振動モードは、非接続部4bが樹脂ケース3に固定されていないために撓みやすくなっているので、水平方向の振動モードに比べて平面振動が大きくなるものであり、振動部4を厚みが略均一な平板状に形成したとしても、振動部4に複数種の振動モードを発生させることができる。すなわち振動部4は、接続部4a付近においては接続部4aが固定されているため振幅が小さくなり、その代りに接続部4a間に挟まれた内方部分における振幅が大きくなるものである。その結果、振動部4の振動により発生する超音波の発振方向は、水平方向に比べて垂直方向に広がらずに鋭くなり、振動部4から発振される超音波には、全体として水平方向には広がるが垂直方向への広がりが狭くなる異方向性を持つ指向性が付与される。それに従って超音波振動子Aの検知エリアは、水平方向に広く、垂直方向に狭いものとなるものであり、しかも超音波の送波出力が向上されるものである。そのため、このような超音波振動子Aを特に車載用として用いると、路面等の、自動車の移動の支障とならないものを検知しないようにすることができるものである。
【0046】
また超音波振動子Aから発振される超音波自身が異方向性を持つ指向性を有するため、超音波発振子Aからの超音波の発振方向である前方に超音波に指向性を付与するためのホーン等を設ける必要がなく、超音波振動子Aの前方に窪み等を形成せずに超音波振動子Aを直接外部に露出させることができるものであり、超音波振動子Aの前方に雨水、雪、埃等の異物が溜ることを防ぎ、このような異物によって超音波振動子Aから発振される超音波の異方向性の指向特性の変化や誤作動を防止することができるものであり、障害物を検知できる検知エリアが変化したり、障害物が存在しないにもかかわらず、障害物があるかのように報知してしまうというような事態を防ぐことができるものである。
【0047】
また、超音波振動子Aを取付対象物に取付けた状態において、ケース体1の閉塞面1aを取付対象物の表面と面一になるように配設することができ、ホーン等が取付対象物の表面から突出したり、開口が外部に露出するようなことがなく、取付状態における外観を向上することができるものである。
【0048】
またこれら図1、3、5に示すような超音波振動子Aにおいて、樹脂ケース3を設けるにあたっては、成形金型のキャビティ内に金属ケース2を配置した状態でキャビティ内に樹脂ケース3を成形するインサート成形により、金属ケース2に樹脂ケース3を一体に成形してケース体1を作製することができる。このようにすると、樹脂ケース3を成形すると同時にケース体1を作製することができ、超音波振動子Aの作製工程を削減することができるものであり、しかも金属ケース2の振動抑止部5と樹脂ケース3の配置部6の内面との密着性を向上して、金属ケース2の振動部4の接続部4aを樹脂ケース3に安定して固定することができ、超音波振動子Aの作動安定性を向上することができるものである。
【0049】
次に図7に示す超音波振動子Aについて説明する。この超音波振動子Aは、図5に示す超音波振動子Aに、シート材17を設けたものである。このシート材17は耐候性に優れた材質で形成することが好ましく、例えば塩化ビニル樹脂にて形成することができる。このシート材17は、超音波振動子Aのケース体1の閉塞面1a全面を覆うように設けられる。すなわち、シート材17は、金属ケース2の振動部4と、樹脂ケース3の前面とからなる閉塞面1aと、略同一の形状及び寸法に形成されるものであり、この超音波振動子Aの閉塞面1aと位置合わせして配設される。
【0050】
この図7に示すように超音波振動子Aにシート材17を設けるようにすると、超音波振動子Aを自動車のバンパー等の取付対象物に配設する場合などに、対象物の外観と近似する色を有するシート材17を超音波振動子Aに設けるようにして、超音波振動子Aを対象物に外観良く配設することができるものである。また超音波振動子Aを塗装する場合よりも容易に超音波振動子Aの露出面の色を取付対象物に合わせることができるものである。また樹脂ケース3と金属ケース2との接合部分をシート材17にて覆うことにより、超音波振動子Aの密閉性が向上し、防水性に優れたものとすることができる。ここでシート材17を設けるにあたっては、シート材17と超音波振動子Aのケース体1の閉塞面1aとを接着剤にて接着するようにすると、シート材17を閉塞面1aに確実に取付けることができてシート材17の取付強度を向上することができると共に、閉塞面1aの密閉性を更に向上して防水性を更に向上することができるものである。
【0051】
次に、図8に示す超音波振動子Aについて説明する。この超音波振動子Aは、図5に示す超音波振動子Aに、シート材17を設けたものである。このシート材17は耐候性に優れた材質で形成することが好ましく、例えば塩化ビニル樹脂にて形成することができる。このシート材17は、超音波振動子Aのケース体1の閉塞面1a全面を覆い、更にこの閉塞面1aと連続するケース体1の側周面に延出されるように設けられる。シート材17は、金属ケース2の振動部4と、樹脂ケース3の前面とからなる閉塞面1aと、略同一の形状に形成されると共にこの閉塞面1aよりもやや大きい寸法に形成されるものである。シート材17の外縁部には、V字型の切込み17bが全周に亘って複数個形成されており、この切込み17bに挟まれた部分が折返し部17aとして形成されている。また折返し部17aにて囲まれた部分は、ケース体1の閉塞面1aと略同一の形状及び寸法に形成されている。そしてシート材17を超音波振動子Aに設けるにあたっては、シート材17の折返し部17aよりも内側の部分を、ケース体1の閉塞面1aと位置合わせすると共に、折返し部17aを閉塞面1aと連続するケース体1の側周面に向けて折返すものである。
【0052】
この図8に示すように超音波振動子Aにシート材17を設けるようにすると、超音波振動子Aを自動車のバンパー等の取付対象物に配設する場合などに、対象物の外観と近似する色を有するシート材17を超音波振動子Aに設けるようにして、超音波振動子Aを対象物に外観良く配設することができるものである。また超音波振動子Aを塗装する場合よりも容易に超音波振動子Aの露出面の色を取付対象物に合わせることができるものである。また樹脂ケース3と金属ケース2との接合部分をシート材17にて覆うことにより、超音波振動子Aの密閉性が向上し、防水性に優れたものとすることができる。またシート材17を閉塞面1aだけでなくケース体1の側周面においても取付けられているので、シート材17の取付強度が向上されるものである。ここでシート材17を設けるにあたっては、シート材17と超音波振動子Aのケース体1の閉塞面1a及び側周面とを接着剤にて接着するようにすると、シート材17を閉塞面1aに確実に取付けることができてシート材17の取付強度を向上することができると共に、閉塞面1aの密閉性を更に向上して防水性を更に向上することができるものである。
【0053】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1に係る超音波振動子は、一端面が開口すると共に他端面が閉塞面であるケース体の閉塞面の内面側に圧電素子を配設し、この閉塞面にて発生される超音波が異方向性の指向特性を有する超音波振動子において、ケース体を金属製の板材から形成される金属ケースと、合成樹脂材からなる樹脂ケースとで構成するものであり、異方向性の指向特性を有する超音波を発する防水型の超音波発振子のケース体を金属製の板材と合成樹脂材を成形することにより形成することができ、超音波の指向特性を制御するためのホーン等を設ける必要がない超音波振動子を、安価且つ容易に形成することができるものである。
また、一面が超音波送受信面として形成されると共に他面が圧電素子が配設される配設面として形成される振動部と、振動抑止部とで構成され、振動部の外縁に、振動部と振動抑止部とが直接接続する少なくとも一対の接続部と、振動部と振動抑止部とが直接には接続されていない少なくとも一対の非接続部とを形成した金属ケースを、振動抑止部において樹脂ケースに固定するものであり、非接続部を樹脂ケースに固定して振動部における非接続部付近の振動を抑制し、振動部を厚みが略均一な平板状に形成したとしても振動部に複数の振動モードを発生させることにより、振動部から発せられる超音波に異方性を持つ指向性を具備させることができるものである。
【0054】
また本発明の請求項2の発明は、請求項1の構成に加えて、金属製の板材に曲げ加工を施して金属ケースを形成するものであり、鍛造工程や切削工程を伴わずに金属ケースを形成することができ、金属ケースを安価且つ容易に形成することができるものである。
【0055】
また本発明の請求項3に係る発明は、請求項1の構成に加えて、金属製の板材に絞り加工を施して金属ケースを形成するものであり、鍛造工程や切削工程を伴わずに金属ケースを形成することができ、金属ケースを安価且つ容易に形成することができるものである。
【0057】
また本発明の請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかの構成に加えて、金属ケースの振動部の外縁に、接続部と非接続部とを交互に形成して一対の接続部と一対の非接続部とを形成すると共に、接続部同士の並び方向と非接続部同士の並び方向とが略直交するように形成するものであり、振動部は、接続部付近においては接続部が固定されているため振幅が小さくなり、その代りに接続部間に挟まれた内方部分における振幅が大きくなるものであって、振動部の振動により発生する超音波の発振方向は、水平方向に比べて垂直方向に広がらずに鋭くなり、振動部から発せられる超音波に全体として水平方向には広がるが垂直方向への広がりが狭くなる異方向性を持つ指向性を付与することができるものであり、しかも送波主留力を向上することができるものである。従って、特に車載用として用いると、路面等の、自動車の移動の支障とならないものを検知しないようにすることができるものである。
【0058】
また本発明の請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかの構成に加えて、一面が超音波送受信面として形成されると共に他面が圧電素子が配設される配設面として形成される振動部と、振動部の外縁から配設面側に向けて延出された振動抑止部とで金属ケースを構成し、この金属ケースを、前面と背面において開口する配置部を有する樹脂ケースに、配置部の内面に金属ケースの振動抑止部の外面を配置すると共に配置部の前面側の開口を金属ケースの振動部にて閉塞して樹脂ケースの前面と振動部の超音波送受信面にて閉塞面を構成するように保持させるものであり、超音波送受信面を閉塞面に露出させて、閉塞面から超音波を効率よく発振することができるものであり、また金属ケースを樹脂ケースの内側に配置することにより、超音波送受信面を除いて金属ケース及びこの金属ケースと電気的に接続された圧電素子を周囲から保護することができて、超音波振動子の動作安定性を向上することができるものであり、また樹脂ケースに金属ケースの振動抑止部を確実に固定して樹脂ケースに金属ケースを強固に保持させることができるものである。
【0059】
また本発明の請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかの構成に加えて、インサート成形によって金属ケースに樹脂ケースを一体成形してケース体を形成するものであり、樹脂ケースを成形すると同時にケース体を作製することができ、超音波振動子の作製工程を削減することができるものであり、しかも金属ケースの振動抑止部と樹脂ケースの配置部の内面との密着性を向上して、金属ケースの振動部の接続部を樹脂ケースに安定して固定することができ、超音波振動子の作動安定性を向上することができるものである。
【0060】
また本発明の請求項7の発明は、請求項1乃至6のいずれかの構成に加えて、ケース体の閉塞面にシート材を設けるものであり、超音波振動子が取付けられる取付対象物の外観と近似する色を有するシート材を超音波振動子に設けるようにして、超音波振動子を対象物に外観良く配設することができるものであり、また超音波振動子の密閉性を向上して防水性に優れたものとすることができるものである。
【0061】
また本発明の請求項8の発明は、請求項7の構成に加えて、ケース体の閉塞面にシート材を接着することにより閉塞面にシート材を設けるものであり、シート材を閉塞面に確実に取付けることができてシート材の取付強度を向上することができると共に、閉塞面の密閉性を更に向上して防水性を更に向上することができるものである。
【0062】
また本発明の請求項9の発明は、請求項7又は8のいずれかの構成に加えて、シート材の外周縁を樹脂ケースの外周面まで延出させるものであり、シート材を閉塞面だけでなくケース体の側周面においても取付けられているので、シート材の取付強度を向上することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、(a)は正面図、(b)は側面の断面図、(c)は底面の断面図、(d)は背面図である。
【図2】(a)乃至(c)は、同上の実施の形態における金属ケースの作製工程を示す断面図である。
【図3】本発明の実施の形態の他例を示すものであり、(a)は正面図、(b)は側面の断面図、(c)は底面の断面図、(d)は背面図である。
【図4】(a)乃至(e)は、同上の実施の形態における金属ケースの作製工程を示すものであり、(a)は斜視図、(b)乃至(e)は断面図である。
【図5】本発明の実施の形態の更に他例を示すものであり、(a)は正面図、(b)は側面の断面図、(c)は底面の断面図、(d)は背面図である。
【図6】同上の実施の形態における金属ケースを示す斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態の更に他例を示すものであり、(a)は正面図、(b)は側面の断面図、(c)は底面の断面図である。
【図8】本発明の実施の形態の更に他例を示すものであり、(a)は正面図、(b)は側面の断面図、(c)は底面の断面図である。
【図9】本発明の実施の形態の更に他例を示すものであり、(a)は分解斜視図、(b)は斜視図である。
【図10】自動車に対する超音波センサの取付状態を示す斜視図である。
【図11】従来技術の一例を示すものであり、(a)は側面の断面図、(b)は正面図である。
【図12】従来技術の他例を示すものであり、(a)は正面図、(b)は底面の断面図である。
【符号の説明】
A 超音波振動子
1 ケース体
2 金属ケース
3 樹脂ケース
4 振動部
4a 接続部
4b 非接続部
4c 超音波送受信面
4d 配設面
5 振動抑止部
6 配設部
8 圧電素子
13 板材
17 シート材
Claims (9)
- 一端面が開口すると共に他端面が閉塞面であるケース体の閉塞面の内面側に圧電素子を配設し、この閉塞面にて発生される超音波が異方向性の指向特性を有する超音波振動子において、ケース体を金属製の板材から形成される金属ケースと、合成樹脂材からなる樹脂ケースとで構成し、一面が超音波送受信面として形成されると共に他面が圧電素子が配設される配設面として形成される振動部と、振動抑止部とで構成され、振動部の外縁に、振動部と振動抑止部とが直接接続する少なくとも一対の接続部と、振動部と振動抑止部とが直接には接続されていない少なくとも一対の非接続部とを形成した前記金属ケースを、振動抑止部において前記樹脂ケースに固定して成ることを特徴とする超音波振動子。
- 金属製の板材に曲げ加工を施して金属ケースを形成して成ることを特徴とする請求項1に記載の超音波振動子。
- 金属製の板材に絞り加工を施して金属ケースを形成して成ることを特徴とする請求項1に記載の超音波振動子。
- 金属ケースの振動部の外縁に、接続部と非接続部とを交互に形成して一対の接続部と一対の非接続部とを形成すると共に、接続部同士の並び方向と非接続部同士の並び方向とが略直交するように形成して成ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の超音波振動子。
- 一面が超音波送受信面として形成されると共に他面が圧電素子が配設される配設面として形成される振動部と、振動部の外縁から配設面側に向けて延出された振動抑止部とで金属ケースを構成し、この金属ケースを、前面と背面において開口する配置部を有する樹脂ケースに、配置部の内面に金属ケースの振動抑止部の外面を配置すると共に配置部の前面側の開口を金属ケースの振動部にて閉塞して樹脂ケースの前面と振動部の超音波送受信面にて閉塞面を構成するように保持させて成ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の超音波振動子。
- インサート成形によって金属ケースに樹脂ケースを一体成形してケース体を形成して成ることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の超音波振動子。
- ケース体の閉塞面にシート材を設けて成ることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の超音波振動子。
- ケース体の閉塞面にシート材を接着することにより閉塞面にシート材を設けて成ることを特徴とする請求項7に記載の超音波振動子。
- シート材の外周縁を樹脂ケースの外周面まで延出させて成ることを特徴とする請求項7又は8に記載の超音波振動子。
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